Economic Indicators 定例経済指標レポート 発表日:2015年12月28日(月) テーマ:景気動向指数(2015年11月)の予測 ~景気の足踏みが続く~ 第一生命経済研究所 経済調査部 担当 主席エコノミスト 新家 義貴 TEL:03-5221-4528 ○11 月は明確な低下で、10 月の上昇分を吐き出す 内閣府から1月8日に公表される 2015 年 11 月の景気動向指数では、CI一致指数を前月差▲1.7 ポイン ト(10 月:+1.5 ポイント)と予想する。10 月は4ヶ月ぶりに上昇していたが、その上昇分を吐き出す形に なる。CI一致指数は一進一退の足踏み状態が続いている。15 年の景気は、4-6月期、7-9月期に停滞感 が強まったが、10-12 月期についても目立った回復は見られなかった模様である。 11 月の内訳では、幅広い系列でのマイナス寄与が予想されるが、特に耐久消費財出荷指数や小売業販売額 の押し下げが大きい。11 月の消費不振を反映している。 また、11 月のCI先行指数は前月差▲0.2 ポイントを予想する。内訳では、住宅着工床面積や中小企業売 上げ見通し D.I.、東証株価指数などがプラス寄与だが、最終需要財在庫率指数や日経商品指数、M2などの 押し下げが大きかった。CI先行指数からは、先行きの景気持ち直しはまだ見えてこない。 ○ 基調判断は「足踏み」維持の見込み 内閣府によるCI一致指数の基調判断は、前月に続いて「足踏み」が維持される見込みである。11 月の結 果が予想通りであれば、3ヶ月移動平均の前月差は再びマイナスに転じる。「改善」への基調判断上方修正 はまた遠のくことになるだろう。 なお、「足踏み」の定義は「景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す」である。 足元の景気に停滞感が残っていることがここでも確認される。 (2010年=100) 116 CIの推移 114 112 110 108 106 104 102 CI一致指数 100 CI先行指数 98 96 12 13 14 15 (出所)内閣府「景気動向指数」 (注)直近の2015年11月は第一生命経済研究所による予測値 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内 容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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