【 「分布帯」ではドル安進行リスクに要注意 】

発行・編集:FXニュースレター
執筆担当:斎藤登美夫
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◇◆◇ No.0286 ◇◆◇
14/07/09
【 「分布帯」ではドル安
「分布帯」ではドル安進行
ドル安進行リスクに要注意
進行リスクに要注意 】
ドル/円相場の方向性が一向に定まらない。個人的には、あれだけ良い数字の米雇用統計が発表された
にもかかわらず何故ドル高が進行しないのか、正直理解できない(米金利が上がらないのが理由のひと
つだが、何故金利が上がらないのか明確に説明できない)。
とは言え、通貨オプションのボラティリティなど、当レターでも何度かレポートしているように幾つかのもの
から次の動意に向けた警戒感が高まってきたことは確か。仮に動くとすれば、どういった値動きが予想さ
れるのか、筆者の大好きな分析方法である「取引の価格分布帯」を参考に以下で考えてみたい。
◎ドル高方向なら 104 円以上で上値重そう=ドル安方向なら
円以上で上値重そう=ドル安方向なら 98 円台が底堅いが・・・・・・
変動相場制以降の「分布帯」によると、本稿執筆時に推移している 101 円台を含め、97-111 円台はいず
れも過去の取引日数が厚い“非常に居心地の良い”ゾーンに当たる(下表参照・横軸が取引価格、縦軸は
取引日数)ことがわかる。取引日数 197 日を誇る全価格での最多取引帯である 108 円台を中心とした「取
引日数 100 日超」が連続する 104-109 円台には及ばないものの、今年に入って以降推移する時間の長い
101-102 円台もなかなか取引日数の多い時間帯だ。「分布帯」的には、過去の取引日数が多い価格帯で
は「相場が長いあいだスティすることも多い」だけに、後講釈といわれるかも知れないが、そうした意味で
は年初来の値動きは、ある意味想定内・予想通りであったのかも知れない。
さて、前述したように「分布帯」から見ると足もとは“非常に居心地の良いゾーン”であり、早晩次の方向性
が示されるかどうかは定かでない。つまり、現状のような極めて狭いゾーン内での一進一退がまだ当面続
く可能性も否定出来ない。
しかし、通貨オプションのボラティリティが歴史的水準に低下していることや、3 円程度という狭いボックス
相場がすでに 5 ヵ月程度も続いていること、などを勘案するとそろそろ次の動意が示されても決して不思
議ではない。期待半ば、という点を否定はしないものの、サマーバカンス入りする向きも徐々に多くなって
きており、流動性が低下しつつあるだけに、しっかりとリスク管理をしておいて損はないと思われる。
問題となる今後の展望について、正直なところドル高 or ドル安どちらの方向に動くのか、可能性は五分と
五分。現段階ではハッキリわからない。
ただ、「分布帯」の観点からすると前述したように 108 円台を中心に 104-109 円台は「かなり求心力の高い
ゾーン」に当たるだけに、仮にレンジを上放れたとしてもイケイケドンドンでドル高が進行するとは思われな
い。104 円台以上のレベルでは、ドルの上値が常に重い状況となる可能性もある。
一方、それに対してドルが下方向に動いた際はどう
か。104-111 円台ほどではないが、98-102 円台も
過去の取引が多く求心力が高いゾーンに当たるた
め、それほど大きな下落は予想しにくい。
とは言え、下値のポイントかつ「ドル安方向最後の
強いサポート」である 98 円台をしっかりと割り込むよ
うだと要注意。さらに、次に取引の多い 97 円台をも
下回ると、「分布帯」から見た強いサポート(過去の
取引の多かったレベル)は 89-91 円まで存在しない。
予想外のレベルにまでドル安・円高が進行する危
険性を秘めているとも言えそうだ。(了)
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