昭島市の「問題行動に対する地域における行動連携推進事業」 と中学校の役割について 昭島市公立中学校長会 清泉中学校 1 大野容義 はじめに 昭島市では、本年度から2年間の予定で、文部科学省の「問題行動に対する地域における行 動連携推進事業」の地域指定を受け、問題行動の減少と立ち直りに向けて標記事業を開始しま した。事業内容としては市教委を中心としつつ、各中学校が役割を果たすことが期待されてお り、実質的には2学期から始まりました。 2 国関係 (1) 事業名 問題行動に対する地域における行動連携推進事業 (2) 事業の概要 <資料1> 問題行動を起こす児童生徒に着目して的確な対応を行うため、次の調査研究 を行う。 ① 学校、教育委員会、関係機関からなるサポートチームの組織化など、地域における支援 における支援システムづくりを行う⇒「サポートチーム等地域支援システムづくり」 ② 「遊び・非行型」の不登校児童生徒等に対応するため、学校外での支援の場づくりを行 う ⇒「自立支援教室」 (3) 背景 答申 ①「今後の不登校への対応の在り方について」(平成15年3月)②「心と行動のネ ットワーク−心のサインを見逃すな「情報連携」から「行動連携」へ」(平成13年4月) 必要性 児童生徒の問題行動は依然として憂慮すべき状況にあり、平成14年度における暴 力行為の発生件数は学校内外で3万4千件、いじめの発生件数は約2万2千件、不登校児 童生徒数は約13万1千人となっている。また、最近の重大な少年事件等からも、児童生 徒の問題行動等への対応は喫緊の課題である。 こうした状況を踏まえ、問題行動を起こす個々の児童生徒に着目して的確な対応を行う ためには、学校や教育委員会のみならず、ふさわしい関係機関の職員からなる「サポート チーム」を組織して指導・助言にあたるほか「遊び・非行型」の不登校児童生徒、等に対 応するため、学校外での支援の場や機能の充実を図るなど、問題行動に地域ぐるみで取り 組んでいく必要がある。 (文科省事業説明より) (4) 規模・期間 予算 5億2900万円(平成16年度) 指定地域 ①サポートチーム等地域支援システムづくり ②自立支援教室の設置 期間 3 47地域×4箇所 37地域×2箇所 平成16年度∼17年度 都関係(指定地域) 昭島市、板橋区、世田谷区、墨田区 4 昭島市の事業内容 (1) 「昭島市健全育成ネットワーク」の設置(本事業の全市的核となる組織) 役割 ① 各中学校のサポートチームの支援 ② 中学校設置の自立支援教室の支援 <資料2> ③ 昭島市スクーリングサポート事業(不登校対策)との連携 (2) 「サポートチーム」の設置(各中学校に設置予定。現在、市内3校で実施) 組織 問題行動を起こす生徒に着目して、学校、教育委員会、関係機関等(警察、児童相談 所、保護司、地域ボランティア等)で編成 職務 当該生徒に関する情報交換、事例分析、処遇の検討、学習指導、生徒指導、教育相談 等の支援、保護者及び学校への援助など (3) 「自立支援教室」の設置 設置校 昭和中学校(東部地区)、清泉中学校(中部地区)、拝島中学校(西部地区) 指導員 非常勤(現在、拝島中では民生児童委員等のサポートチームメンバー、清泉中では 有給の指導員による指導、昭和中では心理を専攻する指導員による指導を実施中) 機能 ① 立ち直りのための学校外プログラムの開発 ・ ② 指導員との人間関係を深めるための学校外体験活動 校内での別室指導 ・ サポートチームの地域教育者等による指導のためのプログラム作成 ・ 「遊び・非行」型の不登校生徒等への個別指導計画(校内での別室指導の在 り方を含む)の開発 5 今後の取組み 中学校長会としては、文部科学省による事業指定期間(平成16・17年度)中に、問題行 動が心配される生徒だけではなく、様々な理由により不登校に陥りがちな生徒や学習意欲はあ るが成績不振が原因で学級への適応に困難を感じている生徒たちが所属学級を離れて学ぶ「自 立支援教室」の試みを進め、平成18年度以降の支援教室の在り方を研究していく予定です。 <資料1> <資料2>
© Copyright 2024 ExpyDoc