給源と してチオレドキシン(Tm)一チォレ ドキシン還元酵素(Tn)存在下で

PO76
ペルオキシレドキシンファミリー蛋白質による酸化ストレスの
レドックスセンシング
O久下周佐、岩井健太、橘 剛、岡崎祥子*、永沼章
(東北大・院・薬)
【目的】ユビキタスな抗酸化蛋白質ペルオキシレドキシン(Prx)は、NADPHを末端電子供
給源としてチオレドキシン(Trx)一チオレドキシン還元酵素(丁荘)存在下で、過酸化物質を還
元する。この反応にはPrxの活性中心のシステインチオール(Cys−SH)の酸化と引き続くジ
スルフィド結合形成そのジスルフィド結合をTrx,丁貰へと受け渡すレドックス反応の流れ
により達成される。しかしながら高濃度の過酸化物質の存在下ではPrx活性中心のCys−SH
が過酸化され持続的な抗酸化活性が消失してしまうためPrxの本質的な機能は謎であった。
最近、Prxと反応後した後の残余の過酸化物が他の過酸化物感受性分子に流されるという
モデル(フラッドゲートモデル)が提唱されている。我々は、出芽酵母細胞をモデル真核
生物系として解析を行った結果、Prxが過酸化物質受容体として機能し、転写因子等のPrx
標的分子のレドックス制御につなげるというより積極的に機能することを明らかにした。
【方法】出芽酵母細胞を用いて分子遺伝学的解析を行った。約5000の欠損可能な遺伝子の
欠損株ライブラリーより遺伝子欠損株を分取し、これをベースに多重欠損株を作成した。
また、Prx,Trx,Trrをそれぞれ大腸菌内で発現・精製し細胞内を反映した試験管内のレドッ
クス反応を構築した。
【結果および考察】酸化ストレス応答に必須な出芽酵母転写因子Yap1はPrx活性のある
Gpx3により誘導される。Gpx3はYap1分子内のジスルフィド結合形成を誘導することで活
性化する。我々、主要PrxのTsa1にも同様な機能があることを明らかにした。さらにもう一
つのPrxファミリー蛋白質であるAhp1の機能を解析した結果、特に有機過酸化物質に反応
して転写因子Cad1にジスルフィド結合形成を誘導し活性化につなげることを明らかにし
た。Gpx3(Tsa1)/Yap1とAhpl/Cad1の両システムが協調して過酸化物質に対する抵抗性を担
っていると考えられた。これらの結果は、過酸化物質を受容し標的分子のレドックス制御
につなげるのがPrxの本質的な役割である可能性を示唆している。 (*現所属:崇城大・薬)
Redox sensing of oxidative stress by peroxiredoxin family proteins
OShusuke Kuge,Kenta Iwai,Tsuyoshi Tachibana,Shoko Okazaki*,Akira Naganuma(Grad.Sch。
ofPharm.Sci.,Toho㎞Univ)
The ubiquitous antioxi(1ant proteins peroxire(10xins(PDく)are thought to be a dete㎜inant fbr the
threshold level of a peroxide signal,the overflow of which can lead to the oxidation of
redox−sensitive molecules.In addition,it has become㎞own,that Prx acts as a receptor fbr
hydroperoxi(ies to induce&nd regulate oxidative stress response,
Gpx3(O甲1),one of the Pn【of bu(1ding yeast,can act as a receptor食)r hydroperoxide an(i
induce disulfi(ie bond fbmlation in Yapl and upregulate its transcriptional activity Tsa1,which is
predominant among the six Prx fbund in yeast,can also catalyze hydrogen peroxide−induced
disu1丘(1e bond fb㎜ation in Yap1。We負)und that Ahp1,an a醜)ical PD【can also出nction as a
hydropexoxi(ie receptor 食)r the Ca(11 transcription 飴ctor especially in response to
alky1−hydroperoxi(ies.Existence ofunique target genes長)r Cadl suggests that both Gpx3/Yapl and
AhplICa(11systems cooperatively fUnction in the stress response.In conclusion,these data
in(licate(i that Prx−induced (iisulfkie bon(1 accumulation is cnlcial 鉛r redox sensing and
transduction ofhydroperoxides as a cellulαr stress signaL(*present address:Pha㎜.,Sojyo Univ.)
一228一