ビタミンB1(チアミン)の測定例 (ポストカラム誘導体化法)

■ビタミンB1(チアミン)の測定例(ポストカラム誘導体化法)
AS/LC-037
ビタミンB1(チアミン)は水溶性ビタミンに分類される生理活性物質です。天然にはチアミンとその
リン酸エステルの形で存在しますが、体内ではリン酸エステルが切断されチアミンとして吸収
されます。糖質を分解する酵素を助けエネルギーに変える働きがあり、豚肉、うなぎ、玄米などに
多く含まれています。不足すると糖質のエネルギー代謝が悪くなり、疲れやすくなったり手足の
しびれやむくみが現れます。
今回は食品衛生検査指針(*)に示されている分析法の内、「高速液体クロマトグラフ法」に準拠して
日立高速液体クロマトグラフ Chromasterで測定しました。ビタミンB1をアルカリ性フェリシアン化
カリウムによりチオクロームに変換し、蛍光検出するポストカラム誘導体化法です。
N
H3C
N
NH2
CH2
N
S
Cl
CH2CH2OH
CH3
C12H17N4ClOS = 300.81
(*)食品衛生検査指針 理化学編(日本食品衛生協会 2005年)
【ビタミンB1 (チアミン)構造式】
■ビタミンB1 標準試料と栄養ドリンクの測定例
20
ビタミンB1
r2 = 0.9999
(1 ~ 100 μ g/L)
25
面積(×10-4)
15
FLU
ビタミンB1 50 μ g/L
10
5
20
15
10
5
0
0
0
0
1
2
3
4
min
5
6
7
20
8
40
60
濃度(μ g/L)
80
100
【ビタミンB1 直線性】
10
栄養ドリンク
6
FLU
<測定条件>
カラム
:
溶離液
:
流量
:
カラム温度
:
反応液
:
反応液流量 :
反応温度
:
検出波長
:
注入量
:
ビタミンB1
8
4
2
<溶離液調製法>
リン酸二水素ナトリウム 1.2 g、過塩素酸ナトリウム一水和物 21.1 g を
水に溶かし 1 L とし、過塩素酸で pH 2.2 に調整する。この緩衝液 900 mL と
メタノール 100 mL を混合する。
0
0
1
2
3
4
min
5
6
7
LaChrom Ⅱ C18 (5 μ m) 4.6 mm I.D. × 150 mm
リン酸緩衝液(pH 2.2) / メタノール = 9 / 1(v/v)
0.8 mL/min
40 ℃
0.01 % フェリシアン化カリウム・15 % 水酸化ナトリウム
0.4 mL/min
40 ℃
FL Ex 375 nm、Em 440 nm
20 μ L
8
<反応液調製法>
フェリシアン化カリウム 50 mg を量り採り、15 % 水酸化ナトリウム溶液を
加えて 500 mL とする。容器はプラスチック製容器を使用する。
<試料調製法>
0.1 N 塩酸で10000倍希釈し、0.45 μ m フィルタでろ過
カラムオーブン
オート
サンプラ
ポンプ
反応コイル(*1)
カラム
FL検出器
ポンプ
溶離液
反応液
【流路図】
(*2)
廃液
(*1)試験法では反応コイル 0.8 mm I.D. × 1 m と記載されているが、ここでは 0.25 mm I.D. × 3 m を使用した。
(*2)感度低下を避けるため、反応ポンプのインレットチューブフィルタと流路フィルタはSUS製から樹脂製に変更した。
主な装置構成 : Chromaster 5110 ポンプ×2、5210 オートサンプラ、5310 カラムオーブン、5440 蛍光検出器、ビタミンB1分析キット、カラム
注意 : 本資料に掲載のデータは測定例を示すもので、性能を保証するものではありません。
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(2014/03)