NI USB-9233 - National Instruments

ユーザガイドと仕様
NI USB-9233
4 チャンネル、±5 V、24 ビット IEPE アナログ入力デバイス
このユーザガイドでは、National Instruments USB-9233 の使用方法およ
びデバイスの仕様について説明します。
概要
NI USB-9233 データ集録デバイスは、信号調節を実装した 24 ビットアナ
ログ入力の 4 つのチャンネルに USB インタフェースを提供します。図 1
のように、NI USB-9233 は NI 9233 モジュールと NI USB-9162 キャリア
の 2 つのコンポーネントから構成されています。
NI 9233
H
i-S
pe
N d
IU U
S S
B B
-9
16 C
2 a
e
NI USB-9162
rr
ie
r
H
I-S
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N d
IU U
S S
B B
-9
16 C
2 a
e
rr
ie
r
NI USB-9233
図1
NI USB-9233 のコンポーネント
外形寸法
図 2 は、NI USB-9233 デバイスの寸法を示しています。
Hi-Speed USB Carrier
NI USB-9162
140.66 mm
(5.538 in.)
120.68 mm
(4.751 in.)
138.30 mm
(5.445 in.)
118.26 mm
(4.656 in.)
88.12 mm
(3.469 in.)
図2
25.34 mm
(0.998 in.)
NI USB-9233 デバイスのミリメートルでの寸法(括弧内はインチ単位)
安全ガイドライン
NI USB-9233 は、必ずこの操作手順に従って操作してください。
メモ
NI 9233 モジュールは NI USB-9233 より厳しい認証規格を持ちますが、
USB-9162 キャリアと共に使用する場合は、システム全体としての規格が限定さ
れる可能性があります。詳細については、「仕様」のセクションを参照してくだ
さい。
熱面
このアイコンは、コンポーネントが熱を帯びる可能性があることを示します。
このコンポーネントに接触すると、負傷する可能性があります。
注意
電源がオフまたは非危険設置箇所であることが認識されている場合を除き、
入出力側のワイヤまたはコネクタを 接続解除しないでください 。
注意
電源がオフまたは非危険設置箇所であることが認識されている場合を除き、
モジュールを 取り外さないでください 。
注意
NI USB-9233 の危険な設置箇所での使用は承認されていません。
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
2
ni.com/jp
関連ドキュメント
各アプリケーションソフトウェアとドライバには、測定および測定デバイ
スを制御するアプリケーションを作成するための情報が含まれています。
以下に挙げたドキュメントは、NI-DAQmx 8.7 以降および該当する場合は
NI アプリケーションソフトウェアのバージョン 7.1 以降の搭載を前提とし
ています。
Windows 対応 NI-DAQmx
『DAQ スタートアップガイド』は、Windows 対応 NI-DAQmx ソフト
ウェアおよび NI-DAQmx でサポートされる DAQ デバイスの取り付け方
法と動作確認方法が記載されています。スタート→すべてのプログラム→
National Instruments → NI-DAQ → DAQ スタートアップガイドを選択
します。
『NI-DAQ Readme』には、このバージョンの NI-DAQ でサポートされ
ているデバイスのリストがあります。スタート→すべてのプログラム→
National Instruments → NI-DAQ → NI-DAQ Readme を選択します。
『NI-DAQmx ヘルプ』には、計測の概念や、NI-DAQmx の主要概念、お
よびすべてのプログラミング環境に適用される共通アプリケーションにつ
いての一般情報が記載されています。スタート→すべてのプログラム→
National Instruments → NI-DAQ → NI-DAQmx Help を選択します。
LabVIEW
はじめてご使用になる場合は、『LabVIEW スタートアップガイド』をお
読みになり、LabVIEW のグラフィカルなプログラミング環境とデータ集
録および計測器制御アプリケーションの作成に使用する LabVIEW の基本
機能について確認してください。『LabVIEW スタートアップガイド』は、
スタート→すべてのプログラム→ National Instruments → LabVIEW →
LabVIEW マニュアルを選択するか、labview¥manuals ディレクトリで
LV_Getting_Started.pdf を開くことでアクセスできます。
LabVIEW でヘルプ→ LabVIEW ヘルプを検索を選択して『LabVIEW ヘ
ルプ』を開くと、LabVIEW のプログラミング概念や、LabVIEW の段階
的な使用手順、LabVIEW の VI、関数、パレット、メニュー、およびツー
ルに関するリファレンス情報が記載されています。NI-DAQmx について
の詳細は、『LabVIEW ヘルプ』の目次タブで以下の場所を参照します。
•
スタートアップ→ DAQ 入門―LabVIEW で DAQ アシスタントを使
用して NI-DAQmx 計測を行う方法を説明するチュートリアルや概要
が含まれています。
•
VI と関数のリファレンス→計測 I/O VI および関数―LabVIEW
NI-DAQmx VI およびプロパティについて記載されています。
© National Instruments Corporation
3
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
•
計測を実行する — 来齡 的な計測や、計測の基本、NI-DAQmx の主要
概念、デバイスの注意事項など、LabVIEW で測定データを集録および解
析するのに必要な概念や操作手順についての情報が提供されています。
LabWindows/CVI
『LabWindows/CVI Help』の Data Acquisition ブック(英語)には、
NI-DAQmx の計測の概念が記載されています。このブックには、DAQ ア
シスタントを使用した計測タスクの作成方法を段階的に説明する
「Taking an NI-DAQmx Measurement in LabWindows/CVI」も含まれ
ています。LabWindowsTM/CVITM で、ヘルプ→目次を選択してから、
Using LabWindows/CVI → Data Acquisition を選択します。
『LabWindows/CVI Help』の NI-DAQmx Library ブックには、
NI-DAQmx の API の概要および関数リファレンスが含まれています。
『LabWindows/CVI Help』で、Library Reference → NI-DAQmx
Library を選択します。
Measurement Studio
Visual C++、Visual C#、または Visual Basic .NET を使用して、
Measurement Studio で NI-DAQmx 対応のデバイスをプログラムする
場合、MAX または Visual Studio .NET 内から DAQ アシスタントを起動
してチャンネルおよびタスクを対話的に作成できます。タスクまたはチャ
ンネルを基準にして Measurement Studio で構成コードを生成できま
す。コード生成の詳細については、『DAQ アシスタントヘルプ』を参照し
てください。また、NI-DAQmx API を使用して、チャンネルおよびタスク
を作成したり、アプリケーション開発環境(ADE)で独自のアプリケー
ションを作成することもできます。
NI-DAQmx メソッドおよびプロパティのヘルプについては、
『NI Measurement Studio Help』に含まれる NI-DAQmx .NET クラスラ
イブラリ、または NI-DAQmx Visual C++ クラスライブラリを参照して
ください。Measurement Studio でのプログラミングに関する一般的な
ヘルプについては、Microsoft Visual Studio .NET ヘルプに統合された
『NI Measurement Studio Help』(英語)を参照してください。
Visual Studio でこのヘルプファイルを参照するには、NET では、
Measurement Studio → NI Measurement Studio Help を選択します。
Visual C++、Visual C#、または Visual Basic .NET でアプリケーション
を作成するには、以下の一般的な手順に従ってください。
1.
Visual Studio .NET では、ファイル→新規→プロジェクトを選択して
新規のプロジェクトダイアログボックスを起動します。
2.
プログラムを作成する言語用の Measurement Studio フォルダを検
索します。
3.
プロジェクトタイプを選択します。DAQ タスクをこの手順の一部と
して追加します。
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
4
ni.com/jp
ANSI C―NI アプリケーションソフトウェア不使用
NI-DAQmx ヘルプには、API の概要と計測の概念についての一般情報が
含まれています。スタート→すべてのプログラム→ National
Instruments → NI-DAQ → NI-DAQmx Help を選択します。
『NI-DAQmx C Reference Help』は、計測、集録、および制御アプリ
ケーションを開発するために、ナショナルインスツルメンツのデータ集録
デバイスと使用する NI-DAQmx Library 関数について説明しています。
スタート→すべてのプログラム→ National Instruments → NI-DAQ →
NI-DAQmx C Reference Help を選択します。
.NET 言語―NI アプリケーションソフトウェア不使用
Microsoft .NET Framework バージョン 1.1 以降では、Measurement
Studio なしで Visual C# および Visual Basic .NET を使用して、
NI-DAQmx でアプリケーションを作成できます。API 関連のドキュメン
トをインストールするには、Microsoft Visual Studio .NET 2003 または
Microsoft Visual Studio 2005 のどちらかが必要です。
インストールされたドキュメントには、NI-DAQmx API の概要、タスク測
定と概念、および関数のリファレンスが含まれています。このヘルプは、
Visual Studio .NET ドキュメントに完全に統合されています。NI-DAQmx
.NET のドキュメントを参照するには、スタート→プログラム→ National
Instruments → NI-DAQ → NI-DAQmx .NET Framework 1.1 Help
にアクセスしてください。NI Measurement Studio Help →
NI Measurement Studio .NET Class Library → Reference を選択して、
関数リファレンスを参照してください。NI Measurement Studio Help →
NI Measurement Studio .NET Class Library → Using the
Measurement Studio .NET Class Libraries を選択して、NI-DAQmx を
Visual C# および Visual Basic .NET と使用する概念に関するトピックを参
照します。
Visual Studio 内から同じヘルプトピックを参照するには、Help →
Contents を選択します。Filtered By ドロップダウンリストから
Measurement Studio を選択して、上記の手順に従ってください。
デバイスドキュメントと仕様
NI-DAQmx には、デバイスピン配列、機能、操作を説明するヘルプファ
イルなど、サポートされている DAQ、SCXI、およびスイッチデバイスに
関するオンラインドキュメントや、デバイスの印刷版ドキュメントの
PDF ファイルなどが含まれた Device Document Browser があります。
CD を挿入すると、Device Document Browser を使用して各デバイス
のドキュメントをいつでも検索、表示、印刷できます。Device
Document Browser をインストールした後、デバイスのドキュメントは
スタート→すべてのプログラム→ National Instruments → NI-DAQ →
Browse Device Documentation から参照できます。
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5
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
メモ
これらのドキュメントは、ni.com/manuals からダウンロードできます。
カスタマートレーニング
NI では、NI 製品を使用してアプリケーション開発を手がけるお客様をお
手伝いするトレーニングコースを提供しています。コースへのお申し込み
方法や、コースの詳細については、ni.com/jp/training を参照してく
ださい。
技術サポートのウェブサイト
その他のサポートについては、ni.com/jp/support または ni.com/zone
(英語)を参照してください。
ソフトウェアをインストールする
Windows Vista/XP/2000 対応 NI USB-9233 のソフトウェアサポートは、
NI-DAQmx で提供されます。ni.com/manuals からダウンロードできる
『DAQ スタートアップガイド』では、ソフトウェアとハードウェアのイ
ンストール、チャンネルとタスクの構成、およびアプリケーション開発を
開始する方法が NI-DAQmx ユーザ用に段階的に説明されています。
その他のソフトウェアをインストールする
その他のソフトウェアを使用する場合は、ソフトウェアに付属のインス
トール手順を参照してください。
サンプルプログラム
NI-DAQmx CD にはサンプルプログラムが含まれており、NI USB-9233
でプログラミングを手がける際に役立ちます。詳細については、デバイス
に添付され、スタート→すべてのプログラム→ National Instruments →
NI-DAQ と選択することでも利用可能な『NI-DAQmx での USB デバイス
の構成スタートアップガイド』を参照してください。
NI USB-9233 デバイスを取り付ける
デバイスを取り付ける前に、そのデバイスで使用する予定のソフトウェア
をインストールする必要があります。詳細については、このユーザガイド
の「ソフトウェアをインストールする」のセクションおよびソフトウェア
に付属のドキュメントを参照してください。
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
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ni.com/jp
NI 9233 を NI USB-9162 キャリアに取り付ける
NI 9233 モジュールと NI USB-9162 キャリアは別々に梱包されています。
図 3 を参照しながら、以下の組み立て手順に従ってください。
1. NI 9233 モジュールに接続されている信号がないこと、および USB
ケーブルがデバイスに接続されていないことを必ず確認します。
15 ピン D-SUB コネクタから保護カバーを取り外します。
図 3 のように、I/O モジュールをキャリアに合わせます。
eed
IU
B
S
Sp
N
Hi-
2.
3.
US
91
6
BC
2
arr
ier
図3
モジュールの取り付け
4.
ラッチを押しながら NI 9233 モジュールを NI USB-9162 キャリアに
差し込みます。
5.
図 4 のように、モジュールがスロットにラッチで固定されるまで
NI 9233 モジュールのコネクタ側部をしっかりと押します。
e
pe
i-S
H
N d
IU U
S S
B B
-9
16 C
2 ar
er
ri
図4
© National Instruments Corporation
モジュールをスロットに固定する
7
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
NI USB-9233 をパネルに取り付ける
NI USB-9233 にはパネルに取り付けるためのねじ込み口があります。寸法
については、図 5 を参照してください。
85.7 mm
(3.37 in.)
72.2 mm
(2.84 in.)
ߨߓㄟߺญ
M3 x 0.5
8.5 mm (0.34 in.) ᦨᄢᷓᐲ
76.1 mm
(3.00 in.)
図5
モジュールのミリメートルでの寸法(括弧内はインチ単位)
NI USB-9233 をコンピュータに接続する
USB ケーブルの一端を NI USB-9233 に、もう片端をコンピュータ上の利
用可能な USB ポートに差し込みます。詳細については、デバイスに添付
され、スタート→すべてのプログラム→ National Instruments →
NI-DAQ と選択することでも利用可能な『NI-DAQmx での USB デバイス
の構成スタートアップガイド』を参照してください。
LED 表示器
NI USB-9233 デバイスには、USB コネクタの隣に緑色の LED があります。
LED 表示器は、表 1 に記載されているようにデバイスの状態を示します。
デバイスが USB ポートに接続されている場合、LED が絶えず点滅してデ
バイスが初期化され接続から電源が投入されていることを示します。
LED が点滅していない場合は、デバイスが初期化されていないか、コン
ピュータがスタンバイモードである可能性があります。デバイスが認識さ
れるためには、NI-DAQmx をインストール済みのコンピュータにデバイ
スを接続する必要があります。デバイスが点滅していない場合は、コン
ピュータに NI-DAQmx の最新バージョンがインストール済みであり、
コンピュータがスタンバイモードになっていないことを確認します。
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
8
ni.com/jp
表1
LED の状態 / デバイスの状態
LED の状態
デバイスの状態
点灯していない
デバイスが未接続または一時停止中。
オン、点滅して
いない
デバイスは接続されているが、モジュールが取り
付けられていない。
1 回点滅
正常に動作中。
2 回点滅
USB フルスピードポートに接続されています。
デバイスのパフォーマンスに影響が出る場合があ
ります。詳細については、「仕様」のセクションを
参照してください。
4 回点滅
デバイスエラー。ni.com/jp/support を参照し
てください。
NI USB-9233 デバイスを配線する
NI USB-9233 には、同時サンプリングを行う 4 つのアナログ入力チャンネ
ルに接続可能な 4 つの BNC コネクタがあります。各チャンネルには、
IEPE (integrated electronic piezoelectric) センサを接続可能な BNC
コネクタがあります。 コネクタのセンターピンである AI+ は、DC 励起お
よび AC 信号接続を提供します。コネクタのシェルである AI– は、励起帰
還路および AC 信号接地基準を提供します。各チャンネルのコネクタ割り
当てについては、図 6 を参照してください。
AI0+
AI0–
AI1+
AI1–
AI2+
AI2–
AI3+
AI3–
図6
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9
コネクタの割り当て
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
IEPE センサを NI USB-9233 に接続する
接地基準型または浮動型 IEPE センサを NI USB-9233 に接続します。浮動
型接続を使用することで、グランドノイズの取り込みを防ぐことができま
す。通常 IEPE センサには IEPE 電子回路から電気的に絶縁されたケースが
あるため、センサを NI USB-9233 に接続するとセンサのケースが接地さ
れていても浮動型接続になります。
IEPE センサと NI USB-9233 間で接地基準接続を行う場合は、NI USB-9233
の正しい操作を保証するために、AI– シェル上の電圧がコモンモード範囲
であることを確認します。AI– シェルは、過電圧保護範囲内において過電
圧との不慮の接触から保護されています。電圧および過電圧保護の操作に
ついての詳細は、
「仕様」のセクションを参照してください。図 7 と 8 は、
接地型および浮動型 IEPE センサを NI USB-9233 に接続する方法を示して
います。
AI+
IEPE࠮ࡦࠨ
+
–
NI USB-9233
AI–
図7
接地型 IEPE センサを NI USB-9233 に接続する
AI+
IEPE࠮ࡦࠨ
+
–
NI USB-9233
AI–
図8
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
浮動型 IEPE センサを NI USB-9233 に接続する
10
ni.com/jp
NI USB-9233 の回路
NI USB-9233 アナログ入力チャンネルは、50 Ω 抵抗を介したシャーシグ
ランドを基準としています。NI USB-9233 のシャーシグランドは USB ケー
ブルを介して提供されるため、ホストコンピュータのグランドが測定に影
響することがあります。各チャンネルは過電圧から保護されています。
NI USB-9233 は、各入力信号に IEPE 励起電流を供給します。信号は、AC
カプリング、バッファ、および調節されます。その後、信号は 24 ビット
ADC でサンプリングされます。NI USB-9233 IEPE 励起電流と AC カプリ
ングはいつも有効になっています。
ബ⿠㔚ᵹ
AI+
+
AI–
ADC
–
ࠕࡦࡊߣ
AC
ࠞࡊ࡝ࡦࠣ ࡊ࡟ࡈࠖ࡞࠲
NI USB-9233
図9
1 チャンネルの入力回路
NI USB-9233 のフィルタについて
NI USB-9233 は、アナログとデジタルフィルタの組み合わせを用いて帯域
外の信号を除去し、信号を可能な限り再現します。フィルタは、信号の周
波数範囲または帯域幅に基づいて信号を区別します。考慮すべき 3 つの重
要な帯域幅は、パスバンド、ストップバンド、およびエイリアスフリー帯
域幅です。
NI USB-9233 は、パスバンドリプルや非線形位相による影響を受けた後に
量子化され、信号のパスバンド帯域部分を表現します。ストップバンド除
去によって量子化されるため、フィルタはストップバンド内の周波数をで
きるだけ除去します。エイリアスフリー帯域幅に表示されるすべての信号
は、非エイリアスの信号またはストップバンド除去でフィルタされた信号
です。
© National Instruments Corporation
11
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
パスバンド
パスバンド内の信号は周波数によって異なるゲインまたは減衰がありま
す。周波数でのゲインの微細な変化は パスバンドリプル と呼ばれます。
NI USB-9233 のデジタルフィルタは、データレートによってパスバンドの
周波数範囲を調節します。そのため、任意の周波数での増幅または減衰の
量はデータレートにより異なります。図 10 は、2 つの異なるデータレー
トでの一般的なパスバンドリプルを示しています。
ࠥࠗࡦ (dB)
0.025
0.000
–0.025
࠺࡯࠲࡟࡯࠻
= 50 kS/s
࠺࡯࠲࡟࡯࠻
= 25 kS/s
–0.050
0
5
10
15
20
25
๟ᵄᢙ (kHz)
図 10
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
12
一般的なパスバンド応答
ni.com/jp
これらの信号の相対位相は、周波数による遅延もあります。周波数の変化
に伴う位相遅延の変化は、非線形位相 と呼ばれます。図 11 は、25 kS/s 以
上または 25 kS/s 以下のデータレートでの非線形位相を示しています。非
線形位相グラフはオーバーサンプルレートと比例関係にあるため、2 つの
曲線は「信号周波数 / データレート」で正規化されて表現されています。
4
૏⋧ࠛ࡜࡯㧔ᐲ㧕
࠺࡯࠲࡟࡯࠻
≤ 25 kS/s
2
0
–2
࠺࡯࠲࡟࡯࠻
> 25 kS/s
–4
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0.45
ାภ๟ᵄᢙ
࠺࡯࠲࡟࡯࠻ (fs)
図 11
非線形位相
ストップバンド
フィルタは、ストップバンド周波数以上のすべての信号を大きく減衰しま
す。フィルタの主要な目的はエイリアスを防ぐことです。そのため、
ストップバンド周波数はデータレートに比例します。ストップバンド除去
は、エイリアスフリー帯域幅にエイリアスされる周波数のすべての信号に
フィルタから適用された減衰の最低量です。 エイリアスフリー帯域幅
NI USB-9233 のエイリアスフリー帯域幅にみられる信号は、より高い周波数
成分から得られたエイリアス成分を含みません。エイリアスフリー帯域幅は
ストップバンド周波数以上の周波数を除去するフィルタの能力によって定
義され、データレートからストップバンド周波数を引いた値と同じです。
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13
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
仕様
以下の仕様は、特に記載がない限り 0 ~ 60 ℃の環境下
におけるものです。
入力の特性
チャンネル数 .................................................... 4 つのアナログ入力チャンネル
ADC 分解能 ...................................................... 24 ビット
ADC タイプ ...................................................... デルタシグマ(アナログプレ
フィルタ付き)
内部クロックソースを使用した場合に利用可能なデータレート
(fs:単位は kS/s)1
2.000
2.381
2.941
3.846
5.556
10.000
33.333
2.083
2.500
3.125
4.167
6.250
12.500
50.000
2.174
2.632
3.333
4.545
7.143
16.667
2.273
2.778
3.571
5.000
8.333
25.000
マスタタイムベース(内部)
周波数 ........................................................ 12.8 MHz
確度 ............................................................. ±100 ppm(最大)
入力カプリング................................................ AC
AC カットオフ周波数
–3 dB ......................................................... 0.5 Hz(標準)
–0.1 dB...................................................... 4.2 Hz(最大)
1
最適なパフォーマンスを実現するには、USB 2.0 ハイスピードホストコントローラと USB 2.0 ハブを使用する必要があります。
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
14
ni.com/jp
AC カットオフ周波数応答
ࠥࠗࡦ (dB)
0.5
0.0
–0.5
–1.0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
๟ᵄᢙ (Hz)
AC 電圧フルスケールレンジ
標準 ............................................................ ±5.4 V ピーク
最小 ............................................................ ±5 V ピーク
最大 ............................................................ ±5.8 V ピーク
コモンモード電圧
(AI–/ グランド間).......................................... ±2 V
IEPE 励起電流
最小 ............................................................ 2.0 mA
標準 ............................................................ 2.2 mA
IEPE 適合電圧................................................... 19 V(最大)
構成が IEPE 適合電圧に合うように、以下の式を使用してください。
V コモンモード + V バイアス + V フルスケール は、0 ~ 19 V である必要があります。
V コモンモード は、NI USB-9233 のコモン
ここで、
モード電圧です。
V バイアス は、加速度計のバイアス電圧で
す。
V フルスケール は、加速度計のフルスケール
電圧です。
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15
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
過電圧保護(シャーシグランドに対して)
以下に接続された IEPE センサ
AI+ と AI– ................................................. ±30 V
以下に接続された低インピーダンスソース
AI+ と AI– ................................................. –6 ~ 30 V
入力遅延
≤ 25 kS/s.................................................... 12.8 ÷ fs
>25 kS/s .................................................... 9.8 ÷ fs
確度(0 ~ 60 ℃)
エラー
確度
キャリブレーション(最大)
±0.3 dB
キャリブレーション(標準)
±0.1 dB
未キャリブレーション(最大)
±0.6 dB
確度ドリフト
標準 ............................................................. 0.001 dB/ ℃
最大 ............................................................. 0.0045 dB/ ℃
チャンネル間マッチ
ゲイン
最大 .................................................... 0.27 dB
標準 .................................................... 0.07 dB
フェーズ(kHz での fin)....................... fin ・ 0.077°+ 0.067°
動特性
パスバンド
fs
周波数
フラットネス
(pk-to-pk 最大)
周波数
≤25 kS/s
0.45 ・fs
0.05 dB
0.45 ・ fs
±3.4°
>25 kS/s
0.42 ・fs
0.05 dB
0.41 ・ fs
±1.3°
ストップバンド
非線形位相
fs
周波数
減衰
オーバーサン
プルレート
エイリアスフ
リー帯域幅
≤ 25 kS/s
0.58 ・ fs
95 dB
128 ・ fs
0.42 ・fs
>25 kS/s
0.68 ・ fs
92 dB
64 ・fs
0.32 ・fs
クロストーク
ペアのチャンネル
(0 と 1、2 と 3) ...................................... 1 kHz で –100 dB
ペアでないチャンネル ......................... 1 kHz で –110 dB
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
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ni.com/jp
コモンモード除去比(CMRR)
最小 ............................................................ 54 dB、fin ≤ 1 kHz
標準 ............................................................ 80 dB、fin ≤ 1 kHz
スプリアスフリーダイナミック
レンジ(SFDR)............................................... 120 dB(fin = 1 kHz、–60 dB FS)
アイドルチャンネルとノイズ密度
アイドルチャ
ンネル
50 kS/s
25 kS/s
2 kS/s
ノイズ
95 dB FS
98 dB FS
102 dB FS
ノイズ密度
400 nV/√Hz
400 nV/√Hz
900 nV/√Hz
入力インピーダンス
差動(AC)............................................... >300 kΩ
AI–(シールド)/
シャーシグランド間 ............................. 50 Ω
歪み
調和(THD)
–1 dB FS
1 kHz、
–0 ~ 55 ℃
–90 dB
–20 dB FS
–95 dB
10 kHz、
10 kHz、
25 ~ 55 ℃
–0 ~ 25 ℃
–80 dB
–90 dB
–80 dB
相互変調(フルスケール入力)
DIN 250 Hz/8 kHz
4:1 振幅比 ........................................ –80 dB
CCIF 11 kHz/12 kHz
1:1 振幅比 ........................................ –93 dB
所要電力
USB からの消費電流 ...................................... 500 mA(最大)
一時停止モード ...................................... 2.5 mA(最大)
バスインタフェース
USB 仕様 ............................................................ USB 2.0 ハイスピード
物理特性
外形寸法 ............................................................ 14.1 cm × 8.6 cm × 2.5 cm
(5.55 in. × 3.37 in. × 0.99 in.)
重量 ..................................................................... 約 275 g(9.7 oz)
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NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
安全性
モジュールを手入れするときは、乾いた布で拭いてください。
安全電圧
必ず以下の制限内の電圧だけを接続してください。
チャンネル / グランド間 .............................. ±30 V(最大)
絶縁
チャンネル間 ........................................... なし
チャンネル / グランド間 ..................... なし
安全規格
NI USB-9233 は、計測、制御、実験に使用される電気装置に関する以下の
安全規格の必要条件を満たすように設計されています。
•
•
メモ
IEC 61010-1、EN-61010-1
UL 61010-1、CSA 61010-1
UL および他の安全保証については、製品のラベルを参照するか、ni.com/
certification(英語)にアクセスしてモデル番号または製品ラインで検索
し、保証の欄の該当するリンクをクリックしてください。
危険箇所での設置
NI USB-9233 の危険な設置箇所での使用は承認されていません。
設置環境
NI 9233 モジュールは、屋内での使用を意図して設計されています。屋外
で使用する場合は、システムを適切な定格の筐体内に設置してください。
動作温度
(IEC 60068-2-1、IEC 60068-2-2) ............. 0 ~ 60 ℃
保管温度
(IEC 60068-2-1、IEC 60068-2-2) ............. –40 ~ 85 ℃
保護構造 ............................................................. IP 30
動作時の相対湿度
(IEC 60068-2-56)........................................... 10 ~ 90% RH(結露なきこと)
保管時の相対湿度
(IEC 60068-2-56)........................................... 5 ~ 95% RH(結露なきこと)
最大使用高度 .................................................... 2,000 m
汚染度(IEC 60664)..................................... 2
NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
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ni.com/jp
電磁両立性
この製品は、計測、制御、実験に使用される電気装置に関する以下の
EMC 規格の必要条件を満たすように設計されています。
•
•
•
メモ
EN 61326 EMC 必要条件、最小イミュニティ
EN 55011 エミッション(Group 1、Class A)
CE、C-Tick、ICES、および FCC パート 15 エミッション Class A
EMC に適合させるには、このデバイスをダブルシールドケーブルと併用してく
ださい。
CE 準拠
この製品は、以下のように CE(欧州委員会)マーク用に修正された該当
する欧州規格の主な要件を満たしています。
•
•
メモ
2006/95/EC、低電圧指令(安全性)
2004/108/EC、電磁両立性規格(EMC)
この製品のその他のコンプライアンス情報については、適合宣言(DoC)をご
覧ください。この製品の適合宣言を入手するには、ni.com/certification
(英語)にアクセスして型番または製品ラインで検索し、該当するリンクをク
リックしてください。
環境管理
ナショナルインスツルメンツは、環境に考慮した製品の開発および製造に
取り組んでいます。NI は、製品から特定の有害物質を除外することが、
環境のみならず NI のお客様にとって有益であると考えています。
環境情報に関する詳細は、ni.com/environment で NI and the
Environment(英語)のウェブページをご覧いただけます。このページに
は、NI が準拠している規制と規格や、このドキュメントには含まれてい
ない環境情報についてが説明されています。
廃電気および電気機器(WEEE)
欧州のお客様へ 製品寿命を過ぎたすべての製品は、必ず WEEE リサイクルセンターへ
送付してください。WEEE リサイクルセンターおよびナショナルインスツルメンツの
WEEE への対応に関する詳細は、ni.com/environment/weee.htm を参照してください。
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Ё೑ᅶ᠋ National Instruments ヺড়Ё೑⬉ᄤֵᙃѻકЁ䰤ࠊՓ⫼ᶤѯ᳝ᆇ⠽䋼ᣛҸ (RoHS)DŽ
݇Ѣ National Instruments Ё೑ RoHS ড়㾘ᗻֵᙃˈ䇋ⱏᔩ ni.com/environment/rohs_chinaDŽ
(For information about China RoHS compliance, go to ni.com/environment/rohs_china.)
© National Instruments Corporation
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NI USB-9233 ユーザガイドと仕様
キャリブレーション
NI USB-9233 の Calibration Certificate(英語)は、ni.com/
calibration から取得できます。
キャリブレーション頻度............................. 1 年
サポート情報
技術サポートリソースの一覧は、ナショナルインスツルメンツのウェブサ
イトでご覧いただけます。ni.com/jp/support では、トラブルシュー
ティングやアプリケーション開発のセルフヘルプリソースから、ナショナ
ルインスツルメンツのアプリケーションエンジニアの E メール / 電話の連
絡先まで、あらゆるリソースを参照することができます。
ナショナルインスツルメンツでは、米国本社(11500 North Mopac
Expressway, Austin, Texas, 78759-3504)および各国の現地オフィスに
てお客様にサポート対応しています。日本国内でのサポートについては、
ni.com/jp/support でサポートリクエストを作成するか、0120-527196
(フリーダイヤル)または 03-5472-2970(大代表)までお電話ください。
日本国外でのサポートについては、各国の営業所にご連絡ください。
イスラエル 972 3 6393737、イタリア 39 02 41309277、
インド 91 80 41190000、英国 44 0 1635 523545、
オーストラリア 1800 300 800、オーストリア 43 662 457990-0、
オランダ 31 (0) 348 433 466、カナダ 800 433 3488、
韓国 82 02 3451 3400、シンガポール 1800 226 5886、
スイス 41 56 2005151、スウェーデン 46 (0) 8 587 895 00、
スペイン 34 91 640 0085、スロベニア 386 3 425 42 00、
タイ 662 278 6777、台湾 886 02 2377 2222、中国 86 21 5050 9800、
チェコ 420 224 235 774、デンマーク 45 45 76 26 00、
ドイツ 49 89 7413130、トルコ 90 212 279 3031、
ニュージーランド 0800 553 322、ノルウェー 47 (0) 66 90 76 60、
フィンランド 358 (0) 9 725 72511、フランス 01 57 66 24 24、
ベルギー 32 (0) 2 757 0020、ブラジル 55 11 3262 3599、
ポーランド 48 22 3390150、ポルトガル 351 210 311 210、
マレーシア 1 800 887710、南アフリカ 27 0 11 805 8197、
メキシコ 01 800 010 0793、レバノン 961 (0) 1 33 28 28、
ロシア 7 495 783 6851
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2007 年 12 月