平成 23 年度やまぐち糖尿病療養指導士講習会 第 4 回確認試験

2011/10/30
平成 23 年度やまぐち糖尿病療養指導士講習会 第 4 回確認試験
糖尿病足病変とフットケア
1.糖尿病足病変の病態について正しいのはどれか1つ選べ。
a.糖尿病患者が有する足病変には、爪や皮膚の白癬は含まれない。
b.糖尿病では、糖尿病神経障害、末梢循環障害、易感染性が重複して存在することは少な
い。
c.神経障害で知覚低下があると、暖房器具による熱さがわからず、低温熱症も起こしやす
い。
d.閉塞性動脈硬化症や動静脈シャントなどによる末梢の虚血は、末梢組織の低栄養や回復
能の低下は生じない。
e.足には歩行時や走る時の蹴り出しなどで大きな重力やズリ力がかかるが、この負荷が足
病変を作ることはない。
2.糖尿病足病変の足部の診断・アセスメントについて正しいのはどれか1つ選べ。
a.足の視診は足底だけ行う。
b.指間部の視診は、ひび割れや鶏眼、胼胝、外傷の有無をみる。
c.異常所見を見つけたら、その病期と原因・誘因についてアセスメントする。
d.糖尿病足病変の表面的変化に深爪、陥入爪は含まれない。
e.いかなる場合も血管造影やシンチ、サーモグラフィ、CT、MRI、MRA などの検査は必要な
い。
3.糖尿病足病変の治療と療養指導について正しいのはどれか、下記組み合わせの中から正し
いもの一つを選べ。
(1)足病変が進行して壊疽になっても、QOLが著しく低下することはない。
(2)患者が足に痛みを訴えなければ、外来で足を診察しないで良い。
(3)足病変患者では、全身の血管障害進行していることが多く、足病変の予後だけでなく生
命予後も不良である。
(4)足病変や足趾切断の既往がある糖尿病患者は、足病変のリスクが高い。
(5)足の爪はできるだけ深く切る。
a. (1)
(2)
b. (1)
(5) c. (2)
(3) d. (3)
(4) e. (4)
(5)
1
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4.糖尿病足病変の治療と療養指導について正しいのはどれか、下記組み合わせの中から正し
いもの一つを選べ。
(1)足病変で最も重要なことはその予防である。
(2)糖尿病患者全体に足病変の啓発を行う。
(3)ヘビースモーカーは足病変のリスクが低い。
(4)神経障害があり足の冷感が強い患者には、暖房器具を直接皮膚に接して用いるように指
導する。
(5)靴を選ぶ時は、午前中に行うように指導する。
a. (1)
(2)
b. (1)
(5) c. (2)
(3) d. (3)
(4) e. (4)
(5)
5.糖尿病足病変の治療と療養指導について正しいのはどれか、下記組み合わせの中から正し
いもの一つを選べ。
(1)壊疽になった場合、精神的サポートは必要であるが、再発防止策などについては指導し
ない。
(2)外科的治療の1つに、血行再建術がある。
(3)足部の潰瘍で、必要時は医師あるいは医師の指示の下で看護師が局所療法を行う。
(4)足部の潰瘍に感染徴候が認められても、悪化しなければ医師に相談しなくてよいと指導
する。
(5)足病変部に負担をかけない免荷の方法を指導すれば、厳格な血糖コントロールの必要性
を指導する必要はない。
a. (1)
(2)
b. (1)
(5) c. (2)
(3) d. (3)
(4) e. (4)
(5)
2
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糖尿病患者の心理と行動
6. 糖尿病患者におけるセルフケア行動に関して正しいものを選べ。
(1)インスリン自己注射の実行度は食事療法の実行度より高い。
(2)異なるセルフケア行動間の実行度の関連性は高い。
(3)セルフケア行動の実行度と HbA1c は相関しない。
(4)HbA1c だけでセルフケア行動の実行度がわかる。
(5)セルフケア行動の実行度は時間とともに変化する。
a. (1)
(2)
b. (1)
(5) c. (2)
(3) d. (3)
(4) e. (4)
(5)
7.セルフケア行動に影響する心理・社会的要因に関して正しい組み合わせを選べ。
(1)内的要因―――――糖尿病教育
(2)内的要因―――――認知機能
(3)強化要因―――――血糖値
(4)外的要因―――――合併症
(5)外的要因―――――ヘルスビリーフ
a. (1)
(2)
(3)
d. (2)
(3)
(4)
b. (1)
(2)
(5)
e. (3)
(4)
(5)
c. (1)
(4)
(5)
8.糖尿病でみられる精神疾患に関して誤っているものを選べ。
(1)うつ病では血糖コントロールは改善することが多い。
(2)うつ病では決断力が向上する。
(3)神経性大食症では嘔吐などはみられない。
(4)摂食障害の多くは減食がきっかけになるので、食事指導では注意を要する。
(5)糖質過剰摂取の原因の一つとして低血糖への恐怖が存在する。
a. (1)
(2)
(3)
d. (2)
(3)
(4)
b. (1)
(2)
(5)
e. (3)
(4)
(5)
3
c. (1)
(4)
(5)
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9.行動変化を促進するための援助に関して正しいものを選べ。
(1)行動を変化させるためにはまず問題を特定化しなければならない。
(2)一度目標を決めたら達成するまで変更してはならない。
(3)達成できそうになくても、できるだけ大きな目標を設定する。
(4)信頼関係がなければカウンセリングはうまくいかない。
(5)習慣を変えるためには、知識と意欲だけではなく技術が必要である。
a. (1)
(2)
(3)
d. (2)
(3)
(4)
b. (1)
(2)
(5)
e. (3)
(4)
(5)
c. (1)
(4)
(5)
10.心理的に困難な状態にある患者への援助に関して誤っているものを選べ。
(1)糖尿病患者では、重度の合併症を告知された時悲嘆反応が起こりやすい。
(2)怒りや悲しみ大きいのは悲嘆期である。
(3)悲嘆期から解消期への移行は、変化しようとする言動で発見できる。
(4)悲嘆反応がみられた時には、強く励ますことによって、そのプロセスを急がせる必要が
ある。
(5)ショック期には自殺念慮に注意が必要である。
a. (1)
(2)
b. (1)
(5) c. (2)
(3) d. (3)
(4) e. (4)
(5)
4
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患者の教育、療養指導の評価
11.教育目標を設定する上で正しいものはどれか、下記の組み合わせの中から正しいものを
1つ選べ
(1)教育目標は、療養上必要な事、患者が何を知りたいと思っているか、どうなりたいと願
っているかを理解した上で行動目標を設定する。
(2)教育の対象者は、患者のみでよいかまたは家族を含めるかを判断する。
(3)教育目標は、高い理想の行動目標を設定する事が成功の鍵となる。
(4)教育目標は、誰でも同じものでなければならない
(5)個々の目標は、患者の負担になるので立ててはならない。
a.
(1)
(2) b.
(2)
(3) c.
(1)
(5) d.
(1)
(4) e.
(4)
(3)
12.患者教育の原則で誤っているものを1つ選べ
a.患者と医療スタッフとの信頼関係の鍵は、患者に対して否定的判断や一方的な働きかけ
を避け、患者の感情や考えに耳を傾け共感を示すことが大切である。
b.患者と医療スタッフとの信頼関係は、患者が安心して話せる環境づくりが大切になって
くる。
c.糖尿病の患者教育は、昔ながらの受動的な知識授受型の教育が有効である。
d.患者と医療スタッフとの信頼関係を築くには、糖尿病療養指導士はよきパートナーとし
て患者の立場に立ち援助することが大切である。
e.コミニュニケーション技術は「開かれた質問」が代表的である。
13.糖尿病患者の治療が困難な理由の1つは糖尿病が正しく理解されていない事であり、動
機づけが困難な理由として挙げられているものはどれか、下記の組み合わせの中から正し
いものを1つ選べ
(1)食事・運動療法の遵守不良が直ちに悪化に結びつかないため
(2)糖尿病は遺伝によるものと思っているため
(3)自覚症状が顕著に出ているため
(4)教育入院経験がないため
(5)合併症所見と代謝調整の指標とが一致しないため
a.
(1)
(2) b.
(2)
(3) c.
(1)
(5) d.
(1)
(4) e.
(4)
(3)
5
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14.動機づけのための教材として活用されるもので、誤っているものを1つ選べ
a.ビリーフ質問表
b.体験談集
c.グラフ化体重日記
d.糖尿病連携手帳
e.アロマオイル
15.糖尿病治療目標の達成度の評価として正しいものはどれか1つ選べ
a.過去1∼2週間の血糖の平均値を反映する HbA1c(JDS 値)値 6.5%未満を目標にする。
b.過去1∼2ヶ月間の血糖の平均値を反映する HbA1c(JDS 値)値 6.5%未満を目標にする。
c.過去1∼2年の血糖の平均値を反映する HbA1c(JDS 値)値 6.5%未満を目標にする。
d.過去1∼2週間の血糖の平均値を反映する HbA1c(JDS 値)値 4.5%未満を目標にする。
e.過去1∼2ヶ月間の血糖の平均値を反映する HbA1c(JDS 値)値 4.5%未満を目標にする。
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