6月号 - さいたま市立高砂小学校

平成25年5月31日
大いちょう
さいたま市立高砂小学校
高砂小学校だより 平成25年度 №3
048(829)2737
修
学
旅 行
校長
浅見
茂男
「もっと大きいと思った」「あんな所にあるなんて、分からなかった」
眠り猫を見終わった子どもたち。眠り猫は、徳川家康のお墓に行く門の回
廊上にある有名な木彫像で、何気なく見ていると素通りしてしまいます。
まさに百聞は一見に如かず。事前学習で、自分たちが丁寧に調べていたた
め、見落としてしまいそうな事までも見逃さず見ることができ、その目に
焼き付いた情景は記憶として残るはず。人からの話や写真でしか知らなか
った眠り猫や三猿、華厳の滝の雄大さなどは、一生忘れない出来事となる
でしょう。
さて、5月21日・22日、6年生とともに修学旅行に行ってきました。
出発前の挨拶の中で、「みんなで協力して、思い出に残る修学旅行にしよ
う。この二日間で、見えなかったものが見えるようになりますよ」という
話をしました。見えなかったものが見えるようになったのは、建物や景色
や美しさだけではありません。この2日間、子どもたちにとって、もう一
つ大事なものが見えるようになったものがあります。それは、子どもたち
の友情やお互いが信頼し合う姿です。徳川家康の為に作られたこの東照宮
でグループ行動している高砂小の子どもたちを見ながら、家 康 の 幼 少 の
ころの 逸話を 思い出 しま した。
家康は、幼少のころ(当時の名は竹千代)雪斎というお坊さんか
ら勉強を教わっていました。ある時、雪斎は竹千代に「国にとって
三つの大切なものがある。それは食と兵と信だ。この三つのうち何
か一つを捨てなければならなくなったら何を捨てるか」と問いかけ
ます。竹千 代は「 兵を捨 てる 」と答 え、次 の問 に「信 」と 答えま す。
それを聞いた雪斎は「兵はよい。しかし、食料だけあっても人と人
の間や友と友の間に信じあう心が無ければ、食は争いのもとになり
傷つけあって人は生きていけない。信が無ければ獣の世界と同じ
だ。」と家 康に「信」の 大切さ を教え たとい います 。その「信」を 大
切にした家康が眠る日光での二日間は、今までの学校生活では見る
ことのできなかった、友だちの良さを中心とした「信」を見ること
ができ たの で は な い か と 思 っ て い ま す 。
「信」は人 の言う こと に嘘・ 偽りが あって はなら ないこ とを意 味
し、信頼・信用・信念・忠信などの言葉となって私たちの生活 を 根
本 で 支 え て い ま す 。「 信 」 の 充 実 が 、 良 い 学 級 そ し て 伝 統 あ る 高
砂小学校そして良い社会を つ く る 重 要 な 条 件 の 一 つ で あ る こ と
は間違いありません。
これからも信頼される学校をめざし、学校、家庭、地域が手を取
り合っ て取り 組んで 参り ま す 。