生活・ワンポイントアドバイス~ALSの方 パソコン・IT機器を楽しむ

~ALSの方
パソコン・IT機器を楽しむ~
※動作のやりにくさを感じたら、身近にいる理学療法士、作業療法士、看護師、ケアマネジャー、ケースワーカー、
保健師などに相談してみましょう。
■ キーボード操作の工夫
図1: 画面に表示可能なキーボード
(上図はWindows7内臓のスクリーンキーボード)
写真1: 腕を下から支え、水平方向の動きを
助ける福祉用具
写真2
ばねの力で腕を吊
り上げ、水平・垂直
方向の動きを助け
る福祉用具
キーボード操作のやりにくさを感じ始めたら、
まずは、肩が楽な位置で両肘がテーブルに乗
るように、テーブルやいすの高さを調整してみ
ましょう。手首の動きとキーを押す指の力が保
たれていれば、この工夫だけでも操作しやすく
なります。それでも、キーボード全範囲を操作
しにくい場合は、小型のキーボードやタブレット
端末を利用するのも一つの方法です。また、マ
ウスやタッチパネルの操作が可能であれば、
OS内蔵の画面に表示可能なキーボード(図1)
や市販のキーボードアプリケーションも有効で
す。さらに操作範囲が限られる場合は、腕の
重みを支え水平方向や垂直方向の動きを補
助してくれる福祉用具(写真1・2)を使用するこ
とで解決することもあります。
「Shift」「Ctrl」など2つのキーの同時操作も
困ることの一つですが、Windowsでは、コント
ロールパネルメニューにある簡単操作機能*
で「固定キー」を設定してみましょう。「Shift」や
「Ctrl」を一度押せば押し込んだ状態と認識し、
1つずつのキー操作で可能になります。
: Windows7版のメニュー名称です。他のバージョンにも
*
「固定キー」機能はありますが、メニュー名称が異なります。
■ マウス操作の工夫
マウスのクリック操作のやりにくさに対しては、コントロールパネル
メニュー内のマウスメニューで各種調整ができます。具体的には、
左右のクリックの入れ替えやダブルクリック速度の変更、ドラックの
難しさを補うクリックロック機能があります。指の筋肉の緊張で位置
がずれる場合は、指の位置を保ちやすくする福祉用具(写真3)の
利用も有効です。
マウスのクリック操作そのものが難しい場合は、クリックを自動で
行ってくれるアプリケーションもあり、ダウンロードで入手できます。
写真3
指の位置を安定させる福祉用具
パソコンやIT機器を長く楽しむためにも、極度の肩こりや痛みの予防が大切です。背もたれや肘
掛け、クッションなどを利用して安楽な姿勢をとり、適度な休息を心がけましょう。