システム情報工学研究科修士論文概要 年 度 平成 22 年度 専 攻 構造エネルギー工学 学位名 専攻 修士 ( 工学 ) 著者氏名 竹内 翔 指導教員氏名 笠原 次郎 論文題目 デトネーション管によって発生するジェット推力に及ぼすDDT過程の影響 論文概要 パルスデトネーションエンジン(以下,PDE)において燃焼器内におけるデトネーション波の開 始は一般に deflagration-to-detonation transition, DDT を利用して行われる.DDT によるデトネー ション開始過程が PDE の推力性能に及ぼす影響を評価することは PDE 応用において重要であり, 現在までにさまざまな研究がなされてきた.また作動流体に大気中の空気を利用する空気吸込み式 PDE では燃料-酸素系推進剤を用いる場合と比べて DDT に必要となる時間と距離が増大することが 知られており,これを短縮する目的で擾乱源が使用される.一方で擾乱源は摩擦・熱損失および圧 力損失を生じ力積損失の原因となり得るため DDT 距離が長い場合にはその影響を考慮した PDE の 性能評価が必要となる. 本研究では,PDE 比推力と(1)DDT 距離ならびに(2)擾乱源形状の関係を定量的に評価する目的で, デトネーション管を用いた単一作動実験を行った.力積量は弾道振子法と推力面での圧力積分法に より計測を行っている.初期圧力を変更した実験においては,DDT 距離は Kuznetsov らの提案した 経験式に対し一致がみられた.また弾道振子法による正味比推力は DDT 距離の増大に対して線形的 に減少する結果を得た.擾乱源形状を変更した実験においては blockage ratio, BR および長さ比 LO/LT が定義され,長さ比に依存せず BR=0.17 - 0.43 の範囲において DDT が観測された.また正味 比推力は BR = 0.17 の条件において最大値を示し,この結果に基づいて擾乱源形状を最適化可能で ある. 審査日 審査員 平成 23 年 大学名 2月 4日 職名 学位 氏名 主査 筑波大学 准教授 博士(工学) 笠原 次郎 副査 筑波大学 教授 工学博士 河合 達雄 副査 筑波大学 教授 博士(工学) 西岡 牧人
© Copyright 2024 ExpyDoc