概要版 - 静岡市

静岡市土木構造物健全化計画(舗装編)
1.計画策定の経緯
(1)静岡市の舗装の現状
(km)
2500
国道(指定区間外)
主要県道
54 ㎞、3 路線
238 ㎞、10 路線 7%
2%
延長
一般県道
161 ㎞、23 路線
5%
市道
2,719km
10,185 路線
86%
図1 静岡市が管理する道路の構成
(平成 25 年4月1日現在)
静岡市が管理する道路は、国県市
道合わせて約 3,200km あります
(図1)
。
道路といってもトラックなどの大
型車がたくさん通るような道路か
ら、自家用車しか通らないような道
路まで、場所によって様々な使われ
た方をしています(図2)
。
静岡市の道路は、他の政令市や市
町村と比べると、舗装されている割
合が高くなっています。しかし、簡
易舗装という、比較的簡易な構成で
ある舗装の割合が高いため、今後急
激に補修が必要な箇所が増える可能
性があります(図3)。
少
延長
MCI
図4
静岡市の舗装の状態
多
図2 交通量別の延長
静岡市管理
42%
47%
他政令市管理
36%
市町村(政令市除く)
4%
26%
58%
32%
64%
0
11%
60%
16%
都道府県管理
20
高級舗装
40
60
簡易舗装
80
3%
100 %
未舗装 【H18 時点】
図3 管理主体ごとの舗装実績
(km)
補修必要
交通区分
交通量
補修必要なし
舗装は、①老朽化、②利用形態の変化、③
大型車交通量の増加、④施工不良などが原因
で傷んでしまいます。
市内の道路は平成 18 年度以降、計画的に
点検を実施しており、平成 24 年度末時点
で、補修が必要な道路(MCI<4.0)は約 510
㎞あり、補修には約 415 億円がかかるとい
う試算結果になっています。
また、数年後には約 1,000 ㎞の道路の補
修が必要になると想定されます。
(注)MCI:10 点満点で舗装の状態を表す指数
(2)今後の舗装管理の課題
これからの舗装管理の課題として以下の3つがあげられます。
① 膨大な補修ストックの増加
② 厳しい財政状況における維持管理費用の確保
③ 老朽化が進行することに伴う道路管理瑕疵事故の増加
』を策定しま
これらの課題を解決するため、『静岡市土木構造物健全化計画(舗装編)
した。この計画を運用していくことにより、舗装を効率的に管理し市民の皆さんが道路を安全
に利用できるようにしていきます。
2.現在の取り組み
① 舗装状態の把握
今まで、舗装の状態を把握する手段は
職員による道路パトロールと市民の方か
らの情報提供(主に電話)のみでした。
効率的な管理をするためには、舗装の
損傷が小さいうちに処置を行う必要があ
ります。
現在は、今までの手段に加え路面の状
態を把握できる車を使った調査を活用
し、舗装の状態を数値化して評価するな
ど従来よりも積極的に舗装の状態把握に
努めています。
また、集まった情報は今まで紙面で管
理していましたが、それらを道路舗装管
理システムに入力し電子化して蓄積して
います。
・市民の皆さんからの電話
・道の情報室(国土交通省
が運用)
道路パトロール車
・道路舗装管理システム
路面性状測定車
舗装評価法…MCI【舗装維持管理指数】
舗装供用水準を示す総合的な評価指標
で、ひび割れ率やわだち掘れなどの路面
性状特性値によって数値化し把握しよ
うとするものです。
≪管理水準値≫
MCI>5 望ましい
MCI<4 修繕が必要な区間
MCI<3 早急に修繕が必要な区間
注)10点満点での評価
MCI=4 ひびわれ率 20%程度
疲労破壊が進行し始めたもの。シ
ール材注入などによる延命措置
が必要
MCI=2 ひびわれ率 80%程度
ひび割れが全面的に広がり、構造
強化が必要
② 新しい管理基準の設定
大型車1台が通過したときに舗装に
与える影響は、普通車が 16 万台通過し
た場合と同じになります。
そのため、従来までの一律な管理基準
を改め、大型車の交通量などを参考に道
路のタイプを3種類に分類し、それぞれ
管理基準を定めます。
この管理基準をもとに、補修を行う時
期の判断や補修の工法を決定します。
タイプB
タイプA
大型トラックなどの交通量の多い
国道 150 号などの4車線主要幹線道路
主要地方道梅ケ島温泉昭和線などの
2車線幹線道路
従来までの 10 年設計から
タイプC
【設計期間・信頼度】 20 年設計に改め、長寿命化を図る。
タイプ A:設計期間 20 年 信頼度:90%
タイプ B:設計期間 20 年
信頼度:75%
タイプ C:設計期間 10 年 信頼度:75%
大きいトラックの少ない生活道路
ひび割れ
が増加!
③ 予防的な補修工法を活用します。
そのままにしておくと
これまでは、ひび割れがひどくなるな
ど、ある程度損傷が大きくなってから補
修を行っていました。
しかし、このやり方では、道路利用者
が損傷を原因とする事故にあう危険性が
あります。
また、ひび割れが入ってもすぐにひび
割れを塞げば、ひび割れが広がるのを防
ぐことができます。
そこで、新しく定めた管理基準ではシ
ール材注入などの予防的な補修工法を取
り入れることで損傷が進行するのを防ぎ
ます。
一本線のひび
割れが入って
いる
ひび割れを埋
めてひび割れ
が増えるのを
防止!
予防的補修工法
④アセットマネジメント的手法の導入
補修費用
これからの舗装管理の方法として、アセット
マネジメント的手法が提案されています。
アセットマネジメントとは、舗装の状態を客
観的に把握・評価し、中長期的な舗装の状態を
予測するとともに、予算的制約の下で、いつど
のような対策をどこに行うのが最適であるかを
決定していくものです。
この考え方をもとに、①∼③の取り組みを活
用し、必要な時期に必要な対策を行い、舗装の
打ち換え時期を遅らせたり、長期的な補修費用
の削減を目指します。
3.計画の進め方
計画的な修繕の実施
タイプ A、B【幹線道路】
舗装の劣化状況から路線タイプごとメ
リハリのつけた修繕を実施しています。
計画的な修繕の実施により、舗装の劣
化による事故等を未然に防ぐだけでな
く、突発的な補修費が減少し、安定した
予算運営を実施することができます。
(例)
舗装打ち換え
MCI<3・・・舗装打ち換えによる修繕の実施
【長寿命化を図る】
3≦MCI<4・・・切削オーバーレイ、薄層舗装
シール材注入による補修 【延命化を図る】
タイプ C
【生活道路】
MCI<4・・・オーバーレイ、薄層舗装等
【最低限の補修】
構造破壊に至った箇所の再建設を行います。
表層
基層
路盤
路床
(例) 切削オーバーレイ
ひびわれなどの劣化が影響していない層を残し、表層のみを削り更新すること
で、路面の機能回復を図ります。
表層
基層
路盤
路床
(例)
舗装面に薄いアスファルト層を施工することで、既設舗装の破損進行を抑え、
平坦性、わだち掘れといった路面機能を回復させる効果があります。
薄層舗装
厚さ 2.5cm
程度の薄い舗
装を施工する
表層
基層
路盤
路床
静岡市 建設局
道路部
道路保全課
維持舗装計画担当
〒420-8602 静岡市葵区追手町5番1号 TEL 054-221-1403(直通)ホームページ http://www.city.shizuoka.jp/