16~17ページ - 須賀川市

【大森小学校6年 関根亜矢さん】
私が住む大栗には
「自奉楽」
という伝統の踊りが2年に1度あります。神社
の奉納から区民館まで、あわせて4か所で踊ります。踊り終わるととても疲
れますが、着付けや化粧、食事の準備と、朝早くから私たちの世話をしてく
れる地域の方々に感謝しています。
【小塩江小学校6年 永山悠香さん】
私が自奉楽を知ったのは、3年生のときの総合の時間で上小山田のことを
皆で紹介しようと調べたからでした。今回、33年に1度の自奉楽を踊るこ
とができてとても嬉しいです。練習では辛いときもありますが、ご開帳の時
には、
見てくれる大勢の人が
「おーっ」と驚くような踊りがしたいと思います。
獅子舞は毎年7月の最終土曜日・日曜日に奉納されます。
夕暮れとともに獅子講中は上寺山観音堂に向かいます。三
匹獅子舞は、紫の太郎・青の次郎獅子が赤の花子獅子(女獅子)
を奪い合い、最終的には三匹仲良くなるという展開です。
き
の
さき
や
くもじんじゃ
お
こ
み
と
し
ぎょ
木之崎八雲神社の御神輿渡御は旧暦のうるう年の7月15日
に行われます。神輿の村周りの先駆けとなって行われるダシフ
リと呼ばれる獅子神楽に特徴があり、華麗な衣装に身を包み、
手に軍配を持った子どもたちが獅子を操る姿は勇壮です。
こし
し
【長沼東小学校6年 小林達憲さん】
僕は、この祭りに参加するため、1か月の間、ほぼ毎日1時間30分を太
鼓の練習に励みました。
「お疲れ様」といって、それぞれが家に帰っていく、
そんな日が当日前まで続きました。そして、本番当日、化粧をし、緊張しな
がら太鼓を叩いたあの感触は、今も僕の手に残っています。
市指定無形民俗文化財
ほ こ つ き じ ん じ ゃ た い
【白方小学校6年 藤根将吾さん】
ぼくは、昨年、弟と一緒に獅子舞を踊りました。踊りよりも太鼓のほうが
難しく、何回も練習しました。獅子舞を踊って家々を回ると、その家は病に
かかりにくくなるといわれています。4月からは中学生なので、もう踊るこ
とはできませんが、これからも続けていってほしいです。
桙衝神社の太鼓獅子は、旧暦のうるう年の10月1日に桙衝神
社祭礼で行われます。艶やかな衣装を身にまとった子どもたち
が奏する太鼓の曲打ちにつれ、百足獅子と呼ぶ技楽を思わせる
古風な獅子舞が本殿へと続く参道をゆっくりと舞い進みます。
木之崎八雲神社御神輿渡御
【里守屋三匹獅子保存会 中島壽規さん】
私が初めて獅子舞に参加したのは高校1年生の時で、今年で6年目になり
ます。毎年、とても暑い時期に行うので大変ですが、地域の代表だというこ
とを常に思い、獅子舞を奉納しています。永い伝統と文化を誇る「里守屋三
匹獅子舞」
をこれからも続けていき、後世へ伝えていきたいと思います。
市指定無形民俗文化財
桙衝神社太鼓獅子
毎年7月 17 日に行われる三匹獅子舞は、発祥は定かで
はありません。演目は3分ほどで終わる1曲のみが伝承さ
れています。熊野神社と長命寺観音堂に奉納したあと、
村々
を練り歩きます。
市指定無形民俗文化財
年に1
33
日常の生活の中から生まれ、育ま
れてきた慣わしや年中行事、唄や踊
いいます。今月 日
︵木︶
、
26
りなどの芸能を無形の民俗文化財と
度、観音堂ご開帳にあわせ奉納され
る古寺山自奉楽が白山寺境内で行わ
れます。今月号では、市内にある指
定の無形民俗文化財を紹介します。
後世に引き継ぐ民俗文化財
文化財保護法では、無形の民俗文
化財のなかでも、地域の特徴を強く
表しているもの、地域独特のもので
他に例を見ないものなど、希少性や
独自性があり、後世に永く引き継い
でいく必要があるものを
﹁指定文化
財 ﹂に 位 置 付 け、 保 護 に 対 す る 意 識
啓発や支援について定めています。
第 49 回 福 島 県
民俗芸能発表大会
今年、市内で行われる無形の民俗
文 化 財 行 事 は 左 の 表 の と お り で す。
19. 4. 1
仁井田田植え踊り
市指定無形民俗文化財
【長沼東小学校6年 大河原千佳さん】
私の住んでいる古舘地区のドンド焼きは、夏に行われます。お盆の送り火
として行われたのではないかと思いますが、今では、詳しいことを知ってい
る人が誰もいないことが残念です。ドンド焼きに参加して、竹を運ぶとき重
くて大変でしたが、その美しさは忘れられず、今も心に刻まれています。
長沼ドンド焼き
梅田三匹獅子舞
市指定無形民俗文化財
長沼ドンド焼き
古舘地区では、毎年8月16日の夕方に集落近くの江花
川河川敷で行われます。このドンド焼きは
「お盆の送り火
行事」として行われるもので、お正月さまを送る、いわゆ
る
「ドンド焼き」
行事とは異なる性格を持つと言えます。
獅
納
匹
納
普段では目にすることができない行
【仁井田田植踊り保存会会長 増子悦子さん】
300年ほど前から唄い継がれてきた田植え唄は、テンポの緩やかな素朴な
唄です。近年は小学校や幼稚園などでも積極的に踊りを取り入れ、運動会で
発表するなど、地域に密着した郷土芸能となってきたことに大きな喜びを感
じます。
これからも若い世代の人たちに守り続けてほしいと心から願います。
梅 田 三 匹
子 舞 奉
里 守 屋 三
獅 子 舞 奉
場 所
上小山田区・
白山寺境内
梅田地区・
岩瀬神社境内
守屋地区・
上寺山観音堂境内
古舘地区
関田橋付近
仁井田地区・
屯所前広場
須賀川市
文化センター
事もありますので、是非ともお出か
古寺山自奉楽奉納
日 時
4月 26 日
(木)
7月 17 日
(火)
7月 28 日
(土)
8 月 16 日
(木)
10 月1日
(月)
11 月4日
(日)
けください。
民俗文化財歳時記
民俗文化財
里守屋三匹獅子舞
市指定無形民俗文化財
仁井田田植え踊り
地域に息づく 無形民俗文化財
元禄のころの発祥とされる仁井田地区の郷土芸能であり、
毎年、秋祭りの奉納踊りとして地域の人々により踊り継がれ
ています。文化年間に編纂した「奥州白川領風俗問状答」の中
に、田植え唄と田植え踊りについての考証が書かれています。
県指定重要無形民俗文化財
宝暦2年、白山寺住職・清光和尚は、荒廃したお堂の再建を
志し、村の子どもたちを集め踊りを仕立て、村々から集めた
浄財で現在のお堂を建立しました。この時の踊りが自奉楽で、
本来33年ごとの旧暦3月10日に、ご開帳の際奉納されます。
古 寺 山 自 奉 楽
市指定無形民俗文化財
大 栗 自 奉 楽
鎌倉時代まで遡るといわれるこの大栗自奉楽は、現在は平鍬
踊りのみが伝承されています。隔年の10月の第2日曜日、地元
の天満神社で行われる祭礼の折に奉納され、その後集落を巡り
ます。地方色豊かで、踊りや唄に古風な様式を残した芸能です。
【長沼東小学校6年 田中雅也さん】
僕は、本番に向け、1回も休まず練習に参加しました。「うまくなったね。」
と言われたときは、とても嬉しかったです。本番当日は雨で、途中合羽を着
せてもらいながら太鼓を叩きました。身体中冷たく寒い祭りとなりましたが、
一生懸命叩いたのでよかったです。
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