当院で治療した尿道損傷症例についての検討

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PP−209 膀胱原発PNET/ユーイング肉腫の1例
PP−211
一膀胱小細胞癌との相違点
膀胱移行上皮癌に対する根治的膀胱全摘
術後の遠隔・局所再発に関するリスク因
子の検討
草加市立病院泌尿器科1〕,東京医科歯科大学病因・病理
学2〕,(財)癌研究会癌研究所発がん研究部3〕
杏林大学医学部泌尿器科学教室
岡田 洋平D,鎌田 成芳1),明石 巧2),倉田 盛人2),
林建二郎,榎本香織藤田直之,板谷直,
中村 卓郎3)
野村 昌史,多武保 光宏,野田 治久,渡辺 和吉,
【背景】Primitive neuroectodermaltumor(原始神経外胚葉腫瘍)/Ew−
ingポs Sarcoma(ユーイング肉腫)(以下PNET/ES)は若年者を中心と
して骨・軟部に発生する悪性腫瘍であり、腫瘍細胞において特異的
な遺伝子異常が認められる。今回、膀胱原発PNET/ESの症例を経験
宍戸 俊英,桶川 隆嗣,奴田原 紀久雄,東原 英二
【目的】杏林大学付属病院泌尿器科において膀胱移行上皮癌
に対し根治的膀胱全摘術を施行した症例において、術後遠
隔、局所再発をきたした症例について検討した。【対象・方
したので報告する。【症例】65歳男性。尿線途絶と血尿を主訴に来院。
法】1994年5月から2006年10月までに当科において123
膀胱鏡・CTで左尿管口附近より膀胱内に突出する径5cmの有茎性
例の膀胱全摘術を施行した。そのうち、病理組織診断にお
いて移行上皮癌と診断された症例102例を対象とし、遠隔
転移、局所転移をきたした28例において、年齢、性別、異
型度、深達度、リンパ管浸潤などについて検討した。ただ
非乳頭状腫瘍を認めた。TUR標本の病理組織像では小型円形の腫瘍
細胞が密に増殖しており、筋層浸潤を認めた。免疫組織学的にCD99
(MIC2)強陽性、cytokeratin陰性であり、膀胱原発PNET/ESを疑っ
た。2006年8月に膀胱全摘回腸導管を行い、pT2NOMOと診断した。
しpT2以上の症例には原則として術後化学療法(M−VAC
腫瘍組織RNAからRT−PCRを施行した結果、PNET/ESに特徴的
報告である。HE染色上は膀胱小細胞癌に類似する所見であり、確定
療法)を施行したが、すべて本検討に含んだ。【結果1平均
観察期間は367ヶ月で男性22例、女性6例であった。転移
をきたさなかった症例と比較検討したところ、リンパ管浸
潤の有無に有意差を認めた。【結語】膀胱移行上皮癌におい
て病理診断におけるリンパ管浸潤の有無はリスク因子とな
診断には免疫組織学的検査や分子遺伝学的検査が必要である。整形
りえると考えられた。
な染色体転座によるキメラ遺伝子EWS/FLI−1を検出した。術後2
か月再発を認めず、後治療なしで経過観察中である。【考察】膀胱原発
のPNET/ESは極めて稀で、1997年の初報告以来7例、本邦では未
外科領域の治療成績をみるとPNET/ESはシスプラチンの感受性が
低いとされ、膀胱原発PNET/ESにおいては通常の尿路上皮癌や膀
胱小細胞癌と異なる治療方針が必要である可能性がある。
PP−210 膀胱原発のMALT lymph。maの1例
公立藤岡総合病院
武井 智幸,柏木 文蔵
症例は、64歳女性。2006年8月上旬より風邪症状を認め近
医受診、腎不全を指摘され近くの病院紹介となった。精査
目的に施行したCTにて婦人科悪性疾患による腎後性腎不
全が疑われ当科紹介となった。初診時、腎超音波検査にて
両側水腎症を認め、クレアチニン72mg/dlと上昇を認めて
いたため腎後性腎不全の診断で腎痩造設術施行。腎後性腎
不全の改善後、婦人科的精査行うも子宮、卵巣とも異常所
見認めなかった。CT、MRIにて径6cm×6cmの膀胱三角
部に突出するような腫瘍を認め、画像上では、下部尿管腫
瘍あるいは膀胱粘膜下腫瘍との診断であったため生検目的
に2006年8月24日、膀胱内に突出する部位のTUR生検
施行。病理組織学的検査にて膀胱原発のMALTリンパ腫
PP−212
当院で治療した尿道損傷症例についての
検討
社会保険中京病院泌尿器科
木村 亨,石田 昇平,下地 健雄,藤田 高史,
加藤 真史,辻 克和,絹川 常郎
1998年6月から2006年8月までに当院で初回治療を受け
た尿道損傷症例について検討した。対象となったのは、尿
道損傷と診断された患者のうち尿閉となり何らかの処置や
手術を受けた9例で、年齢は10歳から74歳(平均44£
歳)であった。損傷部位は6例が球部であり、3例が膜様部
であった。そのうち8例で膀胱ろうを造設し、1例はX線
透視下で逆行性にカテーテルを留置した。治療としては、
2例は保存的に治癒し、7例で手術を施行した。施行術式は、
内視鏡的尿道再建術が5例で、開腹手術と経会陰的手術が
1例ずつであった。術後の尿道狭窄症例に対して、自己ブ
療法を行った。膀胱原発のMALTリンパ腫は、まれであ
ジー指導を4例、ステント留置を1例に行い、自排尿が可
能となっている。自己ブジー症例のうち2例は軟性カテー
テルでは挿入困難なため金属ブジーを使用しているが、特
に問題なく行えており、尿道狭窄に対する有用な治療法の
り、若干の文献的考察を加えて報告する。
一っと思われた。
と診断された。血液内科に転科後、FDG−PETなどの画像診
断を用いた病期診断を行い、膀胱以外に両側内腸骨動脈周
囲のリンパ節の腫脹を認め病期2期と診断され、R+CHOP