Information Knowledge Database. Title 小児 - 東京女子医科大学

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小児頚椎椎間板石灰化症の1例
大山, 昌也; 菅原, 幸子; 石上, 宮子; 須永, 明; 佐藤, 裕; 山崎, 恭子; 外川, 誠一郎; 大野, 博子; 上田, 禮子
東京女子医科大学雑誌, 60(7):595-596, 1990
http://hdl.handle.net/10470/7382
Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database.
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
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耐性や毒素産生,さらに種々の病原性に関する等,細
kg.主訴は両後肢麻痺.初診時では,呼吸速拍,股動
菌の性質に多様性を付与している.一方,化膿性疾患
脈が触知不能,後肢冷感あり.血液検査所見:RBC 560
や細菌性食中毒の代表的な原因菌であるS妙勿♂oooo−
万/mm3, Ht 26%, WBC 18,600/mm3, platelets 18
o%s侃耀%s(以下S.α%%膨s)は,他にtoxic shock
万/mm3, PT 8.9sec, APTT 36.5sec, FDP 20μg/m1.
syndrom(TSS)や熱田二皮膚症候群青多彩な病原性
GOT 38U, GPT 98U, LDH 960U, CPK 130U, BUN
を有する.また本途は,ヒトのみでなく各種動物にも
36mg/dl.胸部レントゲン所見:心拡大および肺うっ
常在しており,ヒトのブドウ球菌症の感染源となる可
血.心電図所見:洞調律(心拍数150bpm), II誘導の
能性がいわれている.この複雑な性格を示す菌の
R波は2mV, QRS幅は0.04秒.心エコー所見:左房拡
characterizationの指標の一つとしてプラスミドパ
大,心室中隔と左室後壁の肥厚.以上より「肥大型心
ターンを考え,ヒトの生活環境に近いイヌ由来のS.
筋症」と診断し,低分子ヘパリン(50U/kg/h)の点滴
α鷹〃sについて検索を試みた.
投与,チクロピジン(10mg/kg/day, PO)投与などを
材料および方法:今回検索に供した菌株として,健
行った.その後,心横径は,54mmより52mmに減少.
康なイヌ31頭の鼻粘膜,口腔粘膜,眼結膜,計93ヵ所
一般状態は回復,後肢麻痺が改善され一時退院したが,
より分離したSα%廻鋸34菌株を用い各種性状検査を
自宅で突然死剖検所見:胸腹部で皮下脂肪織が増加.
行なった.プラスミドならびにクロモソームDNAの
心重量は34.8g,左房拡張があり,心室中隔と左室の肥
調製は,アルカリSDS法を用いたMartin Lindberg
大が顕著.腹部大動脈に血栓を認めず.その他の諸臓
らの手法に準じて行ない,アガロースゲル電気泳動に
器に著変なし.
よって分離・確認した.
以上のような所見が得られたが,今回は,心臓につ
成績:今回の検索では,本菌の検出率は,全体で36.6%
いて,さらに組織学的検索を加え,ヒトの心筋症との
であり,部位別の検出率は,鼻粘膜25.8%,口腔粘膜
異同性およびその疾患モデルとしての有用性について
41.9%,眼結膜41.9%となった.プラスミドの保有状
検討したい.
況は,34菌株中30株からプラスミドが検出され,保有
5.小児頚椎椎間板石灰化症の1例
率は88.2%と高値を示した.検出されたプラスミドの
(第2病院整形外科)
種類は,すべてがクロモソームDNAよりも小さく,お
○大山 昌也・菅原 幸子・石上 宮子・
よそ1。2∼2.2Md(メガダルトン)までの,大きさの異
須永 明・佐藤 裕・山崎 恭子・
なった11種のプラスミドが検出でぎた,また,プラス
外川誠一郎・大野 博子・上田 禮子
ミド保有の96.7%は,複数のプラスミドを保有してお
小児の椎間板石灰化症は,1924年Baronの報告以来
り,プラスミドパターンの検索は,本心のcharacteri−
欧米では百数十例の報告があるが,本邦においては
zationに有用と思われる.
1932年水町の報告を初めとして二十数例があるのみで
4.特発性心筋症モデルとしてのFeline Idiopath−
ic Cardiomyopathyの検討
(実験動物中央施設,第2病理*)
ある.今回われわれは短期間に症状が軽快し,約半年
の経過にて石灰化の大部分が消失した一例を経験した
ので,若干の文献的考察を加えて報告する.
○金井 孝夫 ・上芝 秀博・植木キク子・
西川 俊郎*・笠島
症例:7歳・女子
武*・小山 生子
主訴:頚部痛・頚部運動制限
特発性心筋症idiopathic cardiomyopathyは,1980
現病歴:平成元年9月13日朝より特に誘因なく頚部
年目国際心臓連合の定義により高血圧などを除いた原
痛とそれに伴う運動糊限出現し9月14日当科初診し
因不明の心筋疾患がこの概念となっている.一方,今
た.単純レ線にてC314間の石灰化様異常陰影を認め,精
日この動物モデルには,自然発症モデルとして遺伝的
査目的にて9月18日入院となった.
に確立されたマウス(KKマウス, C57BL/6J・dy),ハ
ムスダー(BIO 14.6, BIO 8262)などがある.その他
既往歴:平成元年2月,浸出性中耳炎の治療および
アデノイドの摘出を行っている.
ネコ,イヌなどで報告があるがその報告例は少ない.
入院時所見:左僧帽筋に沿って歯痛・圧痛があり左
今回は,自然発症の“ネコの心筋症”の1例を検索す
側屈制限が認められた.神経学的所見は正常で筋力低
る機会が得られたので,検討を行った.
下もみられなかった.
症例は,短毛雑種ネコ(4歳8ヵ月,♂),体重は8
検査所見:白血球数11,600/mm3, CRP 2.32mg/d1
595一
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(神経内科)
と上昇していた以外に異常はなかった.
○降矢 芳子・中地
経過:入院後頚椎カラーを装着し,頚部の安静を
愛・内山真一郎・
柴垣 泰郎・山本 健詞・小林 逸郎・
保っていたところ,約1週間の経過にて症状軽快し,
竹宮 敏子・丸山 勝一
白血球数,CRPも正常化したため10月12日退院となっ
(救命救急センター)鈴木
た.その後単純レ線にて経過観察していたがC314間の
忠・浜野 恭一
石灰化は次第に減少してきており,約半年の経過にて
症例は79歳女性.排便後倒れているところを家人に
大部分が消失した,また頚部痛の訴えもなく経過良好
発見され,救急車で担送され入院した.入院時,軽度
の意識障害と四肢麻痺,両側下肢の腱反射充進および
である.
病的反射陽性など両側の錐体路徴候を認めたほか,左
考察:小児頚椎椎間板石灰化症は成人の椎間板石灰
化とは異なり,大多数の例で自然消退するのが特徴で
眼外転位および上方注視障害と回旋性眼振を認め,
ある.しかしいまだ成因については不明の点が多くわ
skew deviation,両眼でのocular bobbing様の垂直性
れわれも文献的考察を加え報告する.
眼振など多彩な眼症状を認めた.第2病日には右方へ
の注視障害と左方視時に右眼の内転障害および左眼の
6.視力障害を伴い遅発性尺骨神経麻痺を合併した
注視方向性水平面眼振,すなわち右one−and−a−half症
polyostotic fibrous dysplasiaの1症例
候群を呈した.その後意識状態は徐々に改善したが,
(第2病院整形外科)
最終的に右one−and−a−half症候群および四肢麻痺を
○高橋 厚子・菅原 幸子・石上 宮子・
残している.第5品目に撮影した頭部CTでは病巣は
確認できなかったが,同日の頭部MRIでは両側橋下
前田 健二・藤田 知彦・林 美恵子・
関谷 明子・橋本 聡
Fibrous dysplasiaは全骨腫瘍の約3%を占める良
部腹側および左橋上部傍正中部,右中脳傍正中部に脳
性,予後良好な繊維{生骨腫瘍であるが,その病勢によ
梗塞巣を認め,右下部小脳半球に出血性梗塞巣を認め
り骨折,骨変形,関節機能障害を来すことが稀ではな
た.
本症例は突然の発症であり,出血性梗塞が出現して
い.特に多発性のfibrous dysplasiaで1まその頻度は高
おり,更に塞栓源となる心疾患が認められないことか
率でありADLの制限を来すことが多い.
ら,脳底動脈領域のartery−to−artery embolisationに
症例は44歳男性,他医にて6歳時に多発性丘brous
dysplasiaの診断にて,6歳および14歳時に左大腿骨
よるtop of the basilar syndrome(Caplan)と考え
の湾曲に対し病巣掻爬,骨移植術を施行されfollow
られた.
upを受けていたが,術後骨移植部骨折のため観血的骨
本症例のような脳幹部の梗塞は,異常眼球運動を含
接合術を施行された.24歳時,頭蓋骨肥厚による視神
む多彩な神経症状を呈し,かつそれらが経過とともに
経圧迫のため削除術,また34歳時左上腕骨骨折に対し
変化することが多く,これらの所見を詳細に観察する
骨掻爬,骨移植術を施行された.41歳時頃より左尺骨
ことが,病態の推移を理解するうえできわめて重要と
神経麻痺が出現し昭和63年6月3日当院初診cubital
考える.
8.外傷性椎骨動脈閉塞によりWallenberg症候
tunnel syndromeの診断にて昭和63年9月16日King
群を呈した1症例
法を施行され現在定期的にfollow upを行っている.
(脳神経外科)
Fibrous dysplasiaは,一種目骨の形成不全として考
○田村 幸恵・河村 高冷・平
えられ腫瘍類似疾患として取り扱われている.その病
孝臣・
谷川 達也・加川 瑞夫
変が1個の骨に限局しているmonostotic飾rous
今回我々は,頭頚部外傷後に椎骨勤脈閉塞を生じ,
dysplasiaと2つ以上の骨に多発するpolyostotic
飾rous dysplasiaについてそれぞれ1946年Schlum−
Wallenberg症候群を呈した』1症例を経験したので報
bergerおよび1938年Lichtensteinにより報告された.
告する.
今回,われわれは頭蓋骨肥厚による視力障害と左変形
症例は,40歳の男性,喧嘩にて頭頚部打撲後の翌日
性肘関節症による遅発性尺骨神経麻痺を合併した
より,歩行障害・眩量・意識消失の症状が出現し,近
polyostotic fibrous dysplasiaの1症1列を経験したの
医受診時には,右顔面および左上下肢表在知覚異常,
で,若干の文献的考察を加えて報告する.
Horner症候群を呈したWaUenberg症候群である.
受傷後4日目には独歩可となるも,その他の症状に
7.多彩な眼症状を呈した脳幹部梗塞の1例
一596一