岐臨技 精度保障事業部 平成 23 年度 総括集 -1- 免疫血清検査 武藤 はじめに 平成 23 年度免疫血清部門精度管理調査は前年と 同じ感染症 3 項目と腫瘍マ-カ-を含む 9 項目で実 施した。 実施項目と参加施設数 23 年度 22 年度 21 年度 20 年度 19 年度 IgGAM 23 24 24 23 17 CRP 57 56 61 61 45 CEA 32 31 27 27 22 AFP 28 25 25 25 21 HBsAg 41 38 34 38 31 HCVAb 41 38 34 38 31 TPAb 41 37 33 35 28 (施設数) 昨年より感染症 3 項目で参加数がやや増加した傾向 であるが、その他はほぼ横ばいである。 測定試料 IgG,IgA,IgM・CRP 市販コントロ-ル血清 CEA・AFP プール血清(自家製) 感染症 3 項目 市販コントロ-ル血清 評価方法 IgG,IgA,IgM,CRP,CEA,AFP ① 統計処理方法:平均値・SD 算出法 ② 評価方法:目標値±10%◎ ±15%△ それ以上× HBs-Ag,HCV-Ab,TP-Ab 定性結果で判定 結果 ① CRP 判定方法が目標値±となり厳しい結果判定とな り二次サーベイを行う施設が増えたが、一部の施設 を除きかなり改善された結果となった。 試料① 試料② mean 1.53 3.95 SD 0.059 0.099 CV% 3.82 2.50 延秋 岐臨技 精度保障事業部 平成 23 年度 総括集 -2- ② IgG,IgA,IgM 免疫グロブリンの各項目でも昨年よりデ-タの 収束が見られ、メ-カ-差が見られる IgM でも CV3.5%前後と良好な結果が得られた。 IgA で入力ミスで範囲外の施設があったが二次 サ-ベイで再度確認し良好な結果と確認できた。 IgG mean 試料① 1372 1265 SD 25.50 25.45 CV% 1.86 2.01 Mean 270 246 SD CV% 5.70 2.10 2.70 1.90 80 118 試料② IgA IgM Mean SD 2.90 3.85 CV% 3.58 3.26 ③ AFP 標準物質を使用していることもありメ-カ-差 がないように見えるが、一部に差が出る結果と なった。 試料⑦ 試料⑧ AFP Mean 114.0 34.3 SD 6.50 2.72 CV% 5.70 7.93 岐臨技 精度保障事業部 平成 23 年度 総括集 -3④ CEA 標準物質を使用している項目であるが、CEA 関 連物質まで測定するかしないかでメ-カ-差が 出てしまう傾向は昨年同様であった。 CEA Mean 試料⑦ 試料⑧ 111.1 41.0 SD 4.60 2.17 CV% 4.14 5.28 ARCHITECT レビオ レビオ ARCHITECT 岐臨技 精度保障事業部 平成 23 年度 総括集 ⑤感染症 判定は定性結果で行ったが用手法以外のデ-タ 解析は INDX を用いて行った。 HBS-Ag で U/ml で結果報告されている施設も あり、今年度は ARCHITECT,HISCL の結果は SD,CV%を表記します。 HBS-Ag 試料⑦ 試料⑧ Mean 2.57 11.80 SD 0.24 0.77 CV% 9.24 6.48 -4- U/ml 13.5 13 12.5 12 HISCL 11.5 11 ARCHITECT 10.5 10 1.5 2 2.5 3 レビオ HBs-Ag イムノクロマト法の結果が低濃度で一 部メ-カ-で乖離認められた HCV 測定原理の違いから結果が 4 グル-プに分けら れるが、結果報告に INDX を使用している施設 は分析器の更新時に注意が必要である。 ロシュ ARCHITECT Axsym HISCL 3.5 岐臨技 精度保障事業部 平成 23 年度 総括集 -5- TPAb 60 HISCL 50 40 レビオ 30 20 10 0 0 5 ARCHITECT TP-Ab 明らかに測定法や試薬メ-カ-の違いによる結果差が認 められる。分析器の更新や試薬変更時に分析結果を定量値 で報告している施設は注意が必要である。 メディエ-ス 10 15 20 岐臨技 精度保障事業部 平成 23 年度 総括集 まとめ ☆平成 23 年度の参加施設は感染症項目でメ-カ- の参加が増え全体的に微増といえた。次年度も更 なる参加をお願いしたい。 ☆定量項目では結果判定の基準変更があり、収束し たデ-タの項目では厳しい判定結果となってしま った。今後検証を重ね次年度も同じ判定基準を用 いるのなら、結果値が小さい項目では再考が必要 である。 ☆HBs-Ag のイムノクロマト法でメ-カ-差による 低力価での乖離が認められた。採用にあたっては 十分な検討と注意が必要である。 ☆本年度は試薬名と分析方法の記入間違いも少なく 参加施設のご協力に感謝します。 ☆次年度は調査項目の増加とサンプル血清の検討を し、もう少し充実した内容にできるよう努力しま す。 -6-
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