平成25年度 1 趣 「青少年の非行・被害防止滋賀県強調月間」実施要綱 旨 明日の滋賀を担う青少年が、社会性や自立性を身につけ、心豊かにたくましく成長してい くことは、県民すべての願いです。 県内の青少年をめぐる状況をみると、平成24年中に警察で検挙・補導された非行少年の 総数は昨年に比べて約9%減少しており、深夜徘徊や喫煙といった不良行為で補導された青 少年の数も約8%減少しました。 このように、非行少年については減少していますが、万引きや自転車盗等の非行の入口と いわれている初発型非行の検挙人数が刑法犯少年全体の約68%を占めるなど、依然として 高い割合を占めています。 その中でも、「万引き」により検挙される青少年の数は、窃盗犯少年全体の約63%を占 め、検挙・補導される青少年の多くは低年齢の小・中学生であり、深刻な状況にあるといえ ます。 非行少年の多くは、「万引き」をはじめとする初発型非行を入口として、次第に非行をエ スカレートさせていく傾向があり、非行に対する青少年自身の規範意識の欠如が指摘されて いるところです。 また、インターネット上には青少年に有害なサイトや情報が多数氾濫しており、携帯電話 やスマートフォン等を通じて青少年が容易に目にすることができる現状にあります。 こうした有害なサイト等を通じて、誰もが児童買春や児童ポルノ等の青少年の福祉を害す る犯罪被害に遭ったり、トラブルに巻き込まれるなど、その利用環境は青少年にとって予断 を許さない状況にあります。青少年を有害な情報や犯罪被害から守るには、インターネット 上の有害情報の表示を制限する「フィルタリングソフト」等を有効に活用することが重要で す。 このような中で、青少年の非行および被害防止を県民全体の責務としてとらえ、関係機関 ・団体が連携して対処するとともに、「地域の力で子どもをまもり、はぐくむ」という観点 に立って、地域と一体となった取り組みを進めることが必要です。 このため、滋賀県では7月を「青少年の非行・被害防止滋賀県強調月間」(以下「月間」とい う。)とし、県民の意識高揚を図ることとします。また、期間中、関係機関・団体、地域住 民等が青少年の非行と犯罪被害に対する共通の理解と認識を深め、青少年はもとより、社会 全体の規範意識の醸成、および社会環境の浄化を図ることをはじめとした諸施策・諸活 動 を有機的な連携の下に集中的に実施し、青少年の非行・被害防止と保護の徹底を図ります。 2 期 間 平成25年7月1日(月)から7月31日(水)までの1か月間 3 主 唱 滋賀県、滋賀県教育委員会、滋賀県警察本部、滋賀県青少年育成県民会議 4 参 加 市町、市町教育委員会、青少年育成市町民会議 5 重点テーマ ○ 地域の力で子どもをまもり、はぐくむ 重点施策 6 7 ○ インターネット上の非行・被害防止対策の推進 ○ 万引きを抑止する対策の推進 県内統一行事 平成25年7月1日(月) 県内一斉街頭キャンペーン 平成25年7月19日(金) 県内一斉補導活動 平成25年7月26日(金) 県内一斉巡回活動 月間の実施事項 (1) 有害環境の浄化活動等の推進 ① 青少年にとって健全なインターネット利用環境に必要不可欠な「フィルタリングソフ ト」の有効活用について、携帯電話会社、インターネットカフェ等と協力しながら普及、 啓発活動を推進するとともに、インターネット上の有害情報を通じて児童買春や児童ポ ルノ等の犯罪被害に遭う青少年が増加している現状を、各種啓発活動を展開することに より広く県民に周知します。 また、青少年とその保護者に対して、スマートフォンを含む携帯電話等によるインタ ーネット利用の危険性や適正な利用方法について、あらゆる機会を通じて周知、啓発に 努めます。 ② 図書やDVD等の販売店・レンタル店などの事業者に対して、青少年に有害な図書等 の区分陳列、店員が容易に監視できる場所への配置、青少年へ販売・貸付けをしないこ となど、滋賀県青少年の健全育成に関する条例に基づく対策の徹底を指導するとともに、 その状況の調査・点検を実施します。 ③ 未成年者の飲酒や喫煙の助長につながる、酒類やたばこを入手しやすい環境の改善に ついては、販売店舗等に対して身分証明書などによる年齢確認の徹底など、効果的な取 り組みを推進します。 (2) 万引き等非行防止対策の推進 ① 非行の入口と呼ばれる初発型非行の中でも、特に低年齢化が進み、検挙・補導件数の 大半を占める「万引き」の防止を目的として、被害対象店舗である大型量販店や書店、 コンビニエンスストア等に対して防犯体制の整備を図ることや、万引きをした少年を発 見した場合における関係機関への確実な通報等の協力要請を推進します。 ② 少年センター、警察、学校等の関係機関が連携し、万引き等の非行防止に向けた各種 取り組みを実施するとともに、関係機関・団体等が発行する広報媒体、街頭活動等によ り、万引き防止の広報啓発活動を推進します。 (3) 薬物乱用防止対策の推進 ① 近年、大麻乱用の頻繁化に加え、合法と称されるハーブ等の薬物について、青少年へ の浸透が憂慮される状況にあります。このことから、ボランティアや地域団体の協力を 得て、県内各地で薬物乱用防止を目的とした街頭キャンペーンを実施し、啓発資材の配 布、ポスターの掲示および一声運動等を行い、より一層の啓発活動の充実に努めます。 ② 市町をはじめとする関係機関・団体等に対し、若者の薬物乱用防止を目的として6月 20日から7月19日までの間に実施される滋賀県「ダメ。ゼッタイ。」普及運動、お よび「覚せい剤・シンナー乱用防止強化運動」との連携を図り、効果的な啓発実施を期 するものとします。 (4) 関係機関と地域社会が一体となった補導・相談活動の推進 警察に設置されている少年サポートセンターや、市町に設置されている少年センター をはじめとした関係機関が、関係団体や学校のみならず、地域住民、民間ボランティア を含めた地域ぐるみの密接な連携の強化を図ることにより、地域の実情に応じた組織的、 計画的な活動を展開します。 また、飲酒・喫煙・深夜徘徊といった不良行為等の問題行動の早期発見、補導に努め るとともに、いじめ・暴力行為といった問題行動の早期把握や解明に努めます。 (5) 児童虐待防止の総合的な支援 非行を繰り返す青少年の中には、何らかの虐待を受けているケースが多いことから、 県、市町、関係機関および県民が相互に連携し、オレンジリボンキャンペーンをはじめ とする虐待の未然防止から早期発見・早期対応、迅速かつ適切な子どもの保護・ケア、 そして、親子関係の修復・家庭復帰(家族の再統合)や子どもが自立するまでの切れ目 のない総合的な支援を行っていきます。 8 月間実施上の留意事項 (1) 月間の趣旨の周知・定着化 月間の実施を契機として、月間の趣旨が地域住民に定着していくよう周知します。 その際、大人に向けた意識啓発、青少年育成に悪影響を及ぼすような社会風潮・社会 環境の見直し、民間・地域住民の主体的取組の促進といった観点を重視していきます。 (2) 連絡調整の強化 月間の実施に当たっては、関係機関・団体による連絡会議の開催などにより実施計画 を策定し、関係機関・団体、地域住民が一体となって非行・被害防止のための諸活動を 円滑に実施できるよう、連絡調整を十分に行うとともに、同期間に実施される他の青少 年の非行・被害防止に関連する月間等との連携に配慮します。
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