上北地域県民局地域農林水産部

第37号
平成23年2月15日発行
上北地域県民局地域農林水産部
○ 普及指導室
○ 三沢普及分室
青森県十和田市西十二番町20-12
TEL:0176-23-4281
FAX:0176-25-7242
青森県三沢市東岡三沢1-1-7
TEL:0176-53-2498
FAX:0176-53-8539
ホームページアドレス
http://www.applenet.jp/~towada-aec/
昨年12月4日、東北新幹線が全線開業しました。
県内では、産業の振興を図る絶好のチャンスと捉え、各地域で多彩なイベントが開催されまし
た。当地域農林水産部でも、上北地域の農産物や加工品のPRを行いましたので、その一部を紹介
します。
<十和田おいらせ餃子>
十和田おいらせ餃子は、奥入瀬ガーリックポーク、
プレミアムにんにく、キャベツ等、上北産食材を主に
使ったこだわりの餃子です。
昨年11月から12月にかけて、青森市で行われた東
北新幹線全線開業記念イベント「ぜ~んぶあおもり大
農林水産祭」、「VIVA!FES!新幹線」「東北新幹線しゅ
ん功開業式及び祝賀会」、「県民局まつり」などの様
々なイベントに参加しました。消費者の方からは「皮は
もっちり、肉汁たっぷりで美味しい」と大好評でした。
ぜ~んぶあおもり大農林水産祭で
十和田おいらせ餃子をPR
<開業イベントで特産品アピール>
12月4日、七戸十和田駅前で行われた新幹線開業
イベントに、七戸町内の加工グループ4団体(JA十和
田おいらせ加工部会、JA十和田おいらせハンドメイド
クラブ、JAゆうき青森女性部天間林支部、マロニエク
ラブ)が共同で出店しました。
各団体は、当部が開催した商品力向上研修を受講
しながら、新幹線開業を契機に、七戸町活性化の一
助となるべく、特産品の試作検討に励んできました。
当日は、ごぼう大福、ミニよもぎだんご、カシスシフォ
ンケーキ、米粉ラスクを試食品として提供し、来場者か
ら好評を得ていました。
七戸十和田駅前で特産品をPR
十和田おいらせ餃子の定着促進に向けて
上北地域県民局では、農商工連携により、ながいも、にん
にく、天然ウナギ、シジミ、シャモロック等の、地域に豊富に
あるエネルギッシュな食材を生かした、加工品やメニューの
開発と起業化を支援するため、「エネルギッシュ食の上北結
集事業」に取り組んでいます。この一環として、地域農林水
産部では、関係機関・団体と連携しながら、十和田おいらせ
餃子の開発・定着に取り組んでいます。
昨年7月、十和田おいらせ餃子定着促進協議会を設立
し、地域の連携体制を整備しました。これまでに認証基準の
餃子皮の試食検討会
検討、十和田市産のもち性小麦「もち姫」や、うるち米「まっし
ぐら」等の粉を活用した皮の開発に取り組んだほか、十和田
おいらせ餃子の認知度を高めるため、市内公民館でサーク
ル活動をしている転勤族の奥様方のグループ「妻も楽しみ
隊」を対象に餃子づくり教室を開いたり、東北新幹線全線開
業記念イベント等に参加するなど、消費者へのPR活動を行
ってきました。
今後、十和田おいらせ餃子がバラ焼きに次ぐ新たな十和
田産ブランドとなるよう、関係機関・団体の連携体制を継続し
て、餃子と上北産食材の良さを全国に情報発信していきま
餃子作り教室
す。
上北農業を担う次世代経営モデルの育成
上北地域県民局では、農業の大規模化や6次産業化な
どに取組むモデル経営体を育成するため、管内の意欲ある
若手農業者と農業参入建設業者を対象に、「上北農業を担
う次世代経営モデル育成事業」を実施しています。
これまでに16経営体を対象として、大規模化や6次産業
化などに必要な経営的センスや先進的技術、経営ノウハウ
を修得できるよう、加工・流通・販売等の専門研修会や先進
地視察研修の開催、農業経営士による技術指導等を実施
するとともに、これらの活動を通して、関係者同士のネットワ
ークの構築を進めて
きました。
今後は、先進農業
者による講演会とビジ
ネスプラン作成研修
を開催し、より実効性
の高いビジネスプラン
の作成を支援していく
予定です。
先進地視察研修(12月22日)
開講式(6月15日)
専門研修(8月24日)
にんにくの安定生産に向けて
十和田おいらせ農協七戸支店及び上北支店を対象に、にんにくの安定生産に向けて、イモグサ
レセンチュウ対策や施肥の適正化等に取り組んでいます。以下にその概要を紹介します。
イモグサレセンチュウ対策
個別診断の実施により、農家、ほ場毎のセンチュウ感染実態が明らかとなり、感染が判明した農家に
は面談による個別指導で、防除対策が普及しています。
①センチュウの診断
自然乾燥法
②面談による個別指導
③具体的な防除対策
健全な種子と生産ほ場
センチュウ
優良種苗の斡旋
の確保
感染農家へ
ベルマン法
代替ほ場への作付けや
の個別面談
既存ほ場の土壌消毒
販売球の乾熱処理によ
指導
る被害進行抑制
販売球の被害軽減と
販売量の確保
施肥、土壌改良の適正化指導
土壌診断結果に基づいた土づくり講習会と個別指導により、適正な資材の選択が誘導され、施肥改善
と施肥コストの抑制が徐々に進んでいます。
JA、全農で
土壌分析実施
①土壌分析
②土づくり講習会
③面談による個別指導
土づくりの基礎と
診断書の見方を学習
④施肥改善とコスト低減
施肥が過剰な
場合
不要な資材投入の抑制と
基肥量の見直し
改良が不十分な
場合
安価で成分含量の高い
資材への誘導
未利用水田を活用した飼料用米の生産実証
平成21年から2か年、長期間未利用水田における飼料用米の生産を実証してきました。
以下に今年度の成績を中心にその概要を紹介します。
1 耕種概要
(1)試験場所、ほ場条件:十和田市野崎地区、10年以上未耕作
(2)品
種:みなゆたか
2 結果の概要
表 生育、収量
区名
H22 慣行区
H22 25%減肥区
H21 50%減肥区
7月15日
草丈(cm) 茎数(本/m2)
74.0
321
67.8
343
61.4
445
成熟期
稈長(cm) 穂数(本/m2)
82.3
302
71.2
325
84.2
383
収量
(kg/10a)
736
615
729
復田前の状況(柳抜根作業)
2
注-1 H21みなゆたかは苗箱まかせN400-60を使用し、10aあたり窒素4kg、りん酸12kg、カリ8kg、栽植密度23.9株/m で栽培
注-2 収量は、3等基準品を目標とするため、1.9mmの篩い目を使用
(1)柳等の抜根作業は、耕盤を破壊しないよう、グラップル等での
引き抜きが望ましい。
(2)残さが多いので、土中に埋め込むよう浅水で代かきする。
(3)復田初年目は、土壌窒素の発現があるので、50%程度の減肥
が必要である。
(4)復田2年目は、「みなゆたか」を使用する場合、標準施肥量で
よいと考えられる。
復田後の生育状況
※詳細を知りたい方は、農業普及振興室までお問い合わせください。
(有)柏崎青果が全国農業コンクール農林水産大臣賞受賞
昨年7月8日、青森市文化会館で「第59回全国農業コ
ンクール全国大会」が開催されました。
本大会は、創意工夫や努力で農業をビジネスとして
成功させ、地域の活性化につなげている農業者を表彰
するものです。この日は全国の農業者・農業法人の中か
ら事前審査により選出された全国20代表が実績発表を
行いました。
審査の結果、おいらせ町の(有)柏崎青果(代表取締
役柏崎進一氏)が名誉賞・農林水産大臣賞を受賞しま
表彰される柏崎進一氏
した。
(有)柏崎青果は、県産野菜の加工品の開発と国内外への販売に取組むとともに、地域から100
名を超える雇用を創出し、地域の活性化につなげている点等が高く評価されました。
アグリの里おいらせ「意欲溢れる攻めの農林水産業賞」優秀賞受賞
表彰される苫米地義之氏
おいらせ町のアグリの里おいらせ(代表:苫米地義之
氏)が、平成22年度「意欲溢れる攻めの農林水産業
賞」で優秀賞を受賞しました。
この賞は生産・流通・販売面において、「攻め」の姿
勢で、創意工夫や新たな試みなどに前向きに取り組
み、収益性のアップを実現している意欲溢れる生産者
や団体等を表彰するものです。
アグリの里おいらせは、株式会社・有限会社・福祉法
人・生産者が連携し、観光農園全体としての魅力アッ
プに取り組んでおり、観光農園と障がい者雇用を上手
に組み合わせた、6次産業化のモデルとして高く評価
されました。
上十地区4Hクラブが「地域協力感謝状」受賞
上十地区4Hクラブ連絡協議会が、社会福祉法人至誠
会(十和田市)の創立50周年記念式典において、「地域協
力感謝状」を受賞しました。
上十地区4Hクラブ連絡協議会は、東北町、十和田市
等の20代から30代の農村青少年35名で組織され、Hands
(技術)、Head(知恵)、Heart(心)、Health(健康)をテーマ
に活動しており、その一環として、児童養護施設へのボラ
ンティア活動を20年近くにわたって行ってきました。
当初は慰問という形でスタートしましたが、今日では餅
つきや室内ゲームを始めとした多彩な交流へと発展してい
ます。特に数年前から行っている農業体験研修は、施設
の子供達にとって貴重な経験となっているようです。
表彰式にて
左から2番目が吹越伸也会長