資料\読解5 二ツ井中

能代市立二ツ井中学校
第3学年A組
1
2
単元名
小説を批評する
国語科
学習指導案
~「卒業ホームラン」を通して~
単元の目標
(1) 作品をもとに,展開や表現を評価して,自分の考えを深めようとしている。
【国語への関心・意欲・態度】
(2) 登場人物の生き方や 表現の 仕方,構成について批評することができる。
【読むことウ】
(3) 人物のセリフを通して,微妙な言葉のニュアンスを知り,語感を磨き,語彙を豊かにする
ことができる。
【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】
3
単元と生徒
(1) 単元について
新 学 習 指導 要 領国 語 で は,「読 む こと 」 の 「自 分 の 考え の 形成 」に 関し て,「 ウ 文 章 を
読み比べるなどして,構成や展開,表現の仕方について評価すること。」が示され,文章の
批評を通して自分なりの考えを構築していくことが重要視されている。
「卒業ホームラン」は,読みやすい文章で,野球や学習に関わって「やりがい」や,「親
子の間での葛藤」という問題が示されている。生徒は自分たちと比べながら読むことがで
き,共通点や相違点などを考えることができる作品である。また会話が多く,テレビドラマ
のシナリオのように,登場人物の一言一言が非常に効果的に使われている。さらに,柱とな
るストーリーが終了した後で,後話のような続きがあり,父親の独白が中心となっている。
こうした特徴は,初めて小説を批評するための教材としても考えやすいものであろう。
そこで,本教材を,小説を批評するための教材と捉え,人物・表現・構成の三点からそれ
ぞ れ の評 価 を し,「 小 説を 批 評 す る」 こ とを 学 ば せ たい と 考 えた 。 さら に は,「 小説を 批 評
する」活動を通してものの見方や考え方を育み,また自他の相違を感じ,自己の在り方を確
立していってほしいと願い,本単元を設定した。
(2) 生徒について (省く)
(3) 指導の構想について
単 元を 展 開 する に 当 たり ,「 人 物・ 表 現・ 構 成 な どの 批 評 の視 点 を知 る 」「 根拠 に基 づ い
て自分の考えをまとめる」ことを学習の柱として考えた。ここでは同じ立場ごとにコースに
分かれ,T1T2がそれぞれの担当となって指導する。コースに分かれることで,普段発言
に遠慮がちな女子生徒も自分の意見を話しやすくなり,また二者択一というやり方で立場を
明確にすることで,男子生徒も意欲をもって学習活動に取り組むことができるようにしたい
と考えたからである。単元の最後には,自分の作品に対する考えをまとめるために,3つの
批評の視点から1つを選んで書評を書くという活動を計画している。
本時では,柱となるストーリーが終了した後に付け加えられている徹夫の独白を「後話」
と定義し,必要か必要でないか立場を決めてから,コースで比較する。T1が必要派,T2
が不必要派の担当となり,比較するための観点を準備して生徒の考えを引き出し,また根拠
となった場面や部分などを示しながら話し合いができるように支援していきたい。
4
指導計画(総時間5時間
学習内容
1
文章を読んで,
人物・表現・構
成について感想
を書く。
2
視点1~人物像
本時4/5)
評価規準(評価方法)
国語への関心・意
読む能力
伝統的な言語文化と国
欲・態度
語の特質に関する事項
興味をもって文章 主 体 的 に 文 章 を 意 味 の 分 か ら な
を読み,感じたこ 読 み , 大 ま か な い 語 句 を 辞 書 で
とを表現しようと 内 容 を 捉 え て い 調 べ , 文 脈 上 の
している。
る。
意味を調べてい
る。
文章に用いられ
ている漢字を正
しく読んでいる。
比較によって文
-1-
指導形態
TTによ
る個別の
支援
TTによ
3
4
本
時
5
~
徹夫の判断に賛
成か,反対か,
考えを明らかに
する。
視点2~表現~
セリフがある場
合とない場合を
比較する。
章を読み深め,
根拠をもとに人
物像について評
価している。
視点3~構成~
後話は必要か必
要でないか考え
を明らかにする。
3 つ の 視 点 か ら 根拠と理由を示し
1 つ を 選 ん で 書 て,考えを説明し
評を書く。
ようとしている。
比較によって文
章を読み深め,
構成について評
価している。
視点を選び,根
拠を示して,書
評を書いている。
比較によって文
章を読み深め,
表現の仕方につ
いて評価してい
る。
るコース
別の支援
人物のセリフを
通して,微妙な
言葉のニュアン
スを知り,語感
を磨き,語彙を
豊かにしている。
TTによ
る個別の
支援
5 本時の計画
(1) ねらい
後話の必要性を比較することを通して,文章の構成について評価することができる。
【読むことウ】
(2) 学習過程
過程
学習過程
つ
1 生徒の感想から
か
課題を知る。
む
(5)
視点3~構成~
後話は必要か必要
でないか
学習形態
一斉
追
2 後話は必要か,
個
究
必要でないか立場
す
を決める。
る
(35) 3 2 つ の 立 場 に 分 コース
かれ,2つの終わ
り方の比較をする。
4
比較したことに
ついて交流する。
ま
5 後話の是非につ
と
いて評価する。
め
る
(10)
指導の手立て(・) 評価
・ 本 時 の 課題 に 興味 を も て るよ う に ,始 め の時 間 に
生徒が書いた感想を紹介する。
・T1とT2が応答しながら課題を提示する。
・最後の場面を後話と示す。
・ 後 話 の ある 文 章と な い 文 章を 2 名 の生 徒 に音 読 さ
せる。
・ 意 欲 を もち 主 体的 に 取 り 組め る よ うに , 必要 か 必
要でないか,どちらかの立場を選択させる。
・T1は必要派,T2は不必要派に分かれる。
・ 比 較 の 観点 ( 読後 感 ・ 緊 張感 ・ メ ッセ ー ジ性 ) を
示す。
一斉
・T1は全体進行,T2は板書(表作り)を行う。
・ 本 文 中 の注 目 した 場 面 や 言葉 を 根 拠と し て明 ら か
にするように指導する。
個
・ 比 較 し た表 を もと に , 再 度自 分 の 立場 を 考え さ せ
る。
・ 3 , 4 の活 動 を通 し て 立 場が 変 わ った 生 徒の 意 見
を取り上げ,意見の深まりが分かるようにする。
後話が必要か必要でないか,比較による根拠
をもとに評価する文章を書いている。(シート)
6
学習を振り返る
個
・ 視 点 3 につ い て根 拠 を も とに 評 価 する こ とが で き
たか,各自の学習を振り返らせる。
-2-