NBI用大型負イオン源のビーム引出時におけるH-密度特性

02pC03
NBI用大型負イオン源のビーム引出時におけるH-密度特性
H- density characteristics in large negative ion source for NBI
中野治久1,津守克嘉1,渋谷真之1,永岡賢一1,池田勝則1,FANTZ Ursel2, 木﨑雅志1,長壁正樹1,金子修1,
浅野英児1,近藤友紀1,佐藤守1,駒田誠司1, 関口温朗1,竹入康彦1
核融合研1、IPP-Garching2
NAKANO Haruhisa1, TSUMORI Katsuyoshi1, NAGAOKA Kenichi1, SHIBUYA Masayuki1, IKEDA Katsunori1,
FANTZ Ursel2, KISAKI Masashi3, OSAKABE Masaki1, KANEKO Osamu1, ASANO Eiji1, KONDO Tomoaki1,
SATO Mamoru1, KOMADA Seiji1, SEKIGUCHI Haruro1, and TAKEIRI Yasuhiko1
NIFS1, IPP-Garching2
NBI 用セシウム添加型大型水素負イオン源において、水素負イオンは引出界面の電極(プラズ
マ電極)表面で生成されていると考えられている。この場合、水素負イオンはビーム引き出し方向と逆
方向の初速度を持つ。この水素負イオンがどのような輸送過程でビーム引き出し孔に到達し、引き出さ
れるのか、明確なモデルや実験結果が得られていない。この輸送過程を明らかにするためには、ビーム
引き出し前後におけるプラズマ電極近傍の水素負イオン密度の絶対測定が重要である。
本研究では、LHD-NBI 実機に対して約 2/5 倍の引き出し面積をもつ LHD-NBI 開発用水素負イオ
ン源に Cavity-RingDown(CRD)法を適用し、ビーム引き出し前後における水素負イオンの線平均密度の絶
対計測を行った。本研究に用いた CRD システム(図 1)は~2 mm の空間分解能をもち、プラズマ電極に垂
直方向(ビーム引き出し方向)および水平方向の分布計測が可能である。図 2 にビーム引き出し孔の中心
軸上(ビーム引き出し方向)の水素負イオン密度分布を示す。水素負イオン密度は、プラズマ電極孔の
近くで低くなっていた。これはプラズマ電極の金属表面で生成された水素負イオンがプラズマ電極近傍
へ拡散していることと関係していると考えられる。またビーム引き出し時に密度の減少が観測された。
この密度減少量はプラズマ電極へ向かって小さくなっていた。講演では、ビーム引き出し前後の水素負
イオン密度の変化と水素負イオンの輸送について議論する。
図 1.CRD システム概略図
図 2.プラズマ電極の孔軸上の水素負イオン分布