ヘリオトロンJにおける2.45GHzマイクロ波 アシストを用いたNBIプラズマ

30pC03
ヘリオトロンJにおける2.45GHzマイクロ波
アシストを用いたNBIプラズマ着火実験
Plasma startup experiment using NBI assisted by 2.45GHz microwaves in Heliotron J
小林進二1, 長崎百伸1, 山本聡1, 坂本欣三1, 水内亨1, 岡田浩之1, 南貴司1, 花谷清1, 中村祐司2,
木島滋1, 大島慎介1, 竹内正樹1, 向井清史2, Lee Hyunyong2, 吉野隼生2, 諏訪勝重2, 野村航大2,
八代浩彰2, 山本健土2, 東使潔1, 佐野史道1
京大エネ理工1、京大エネ科2
S. Kobayashi1, K. Nagasaki1, S. Yamamoto1, K. Sakamoto1, T. Mizuuchi1, H. Okada1, T. Minami1,
K. Hanatani1, Y. Nakamura2, S. Konoshima1, S. Ohshima3, M. Takeuchi1, K. Mukai2, H. Y. Lee2,
H. Yoshino2, M. Suwa2, K. Nomura2, H. Yashiro2, K. Yamamoto2, K. Toushi1, F. Sano1
IAE Kyoto Univ1, GSES Kyoto Univ.2
ヘリカル装置において高速の中性粒子ビーム入射(NBI)を用いたプラズマ着火はLHDやW7-AS
にて実証されているが、NBI入射からプラズマ生成に至るまで数100ms程度かかること、経験的
に磁場強度やNBI入射パワーに閾値があることがわかっており、NBI対向壁への熱負荷低減・プ
ラズマ生成領域の拡大が求められている。
最近ヘリオトロンJにおいて、2.45GHzのマイクロ波入射による予備電離を用いたNBIのプラ
ズマ着火に成功した。図1に放電波形を示す。このとき2.45GHzのマイクロ波はNBI入射の0.3秒
前から入射されており、マイクロ波入射パワーPμWは5kW以下である。磁場強度は磁気軸上で
0.83Tであり、マイクロ波入射中、基本波・高調波共鳴層は存在しない。NBI入射直前には有意
なECE放射強度(75.5GHz)が認められており、高速の電子が生成されていることが示唆される。
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NBI 入 射 (PNB~1MW) に 伴 っ て 密 度 の 増 加 が み ら れ 、 入 射 10ms 後 に は 線 平 均 電 子 密 度 n e で
0.2×1019m-3のプラズマが生成された。同時にOVの線放射強度も増加しているため、電離ポテン
シャル(113eV)を超えたエネルギーを持つ電子が相当数生成されていること示している。以上の
ことからNBIに比して低パワー(PμW/PNB<1/200)の非共鳴マイクロ波でも着火のアシストに効果
_
的であることがわかった。その後ガス導入によりne=1×1019m-3を超えるプラズマが生成された。
マイクロ波入射によるNBIのプラズマ着火の成否は磁場強度Bに対して依存性を持つことがわ
かっている。0.63T<B<0.80Tの範囲ではNBI入射直前のECE放射強度が高い場合に着火に成功し
ており、閾値が存在する。一方でB>0.80Tの場合は閾値が見られない。以上のことからマイクロ
波による予備電離の状態、または磁場強度による電
#36671 |B|=0.83T with 2.45GHz
子の閉じ込めが着火に影響することが考えられる。
(a) NBI
Puff
2.45GHz
DIA
n
5
W
W
DIA
OV
I
ECE
ECE
0
4 (c)
3
Density
Build-up
2
Threshold
(A.U.) I
AXUV
I
4
1
0
0.2 (d)
図1
Before NBI
15ms after NBI
e
(A.U.)
1 (b)
ECE, OV
(A.U.)
e
n (x10
19
(kJ)
-3
m )
6
No Build-up
0
0.5
0.6
0.7
0.8 0.9
|B|
(T)
1
1.1
AXIS
0
160
180
200
time (ms)
220
NBI プラズマ着火の放電波形。
図2 NBI 入射直前と入射 15ms 後の ECE 放射強
度。入射前の放射強度が高い場合(■)着火に
成功しており、その値に閾値が存在する。