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大腸癌の内視鏡
BLI(Blue laser imaging)とNBI(Narrow band imaging)の相違と類似性
講師
准教授
吉田直久,小木曽聖,村上貴彬,廣瀬亮平,内藤裕二
Naohisa YOSHIDA
Kiyoshi OGISO
Takaaki MURAKAMI
Ryohei HIROSE
Yuji NAITO
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学
はじめに
はシアン調に描出されており,大腸腫瘍の診断における有
用性が数多く報告されている 1)。
消化器内視鏡は,以前よりハロゲンランプやキセノンラ
一方で,BLI については 2012 年にレーザー内視鏡シス
ンプを光源として用いて行われてきた。2012 年に富士フ
テムとして LASEREO が発表されている。その原理は 2 つ
イルム社より消化器内視鏡として世界で初めてレーザー光
のレーザー光と蛍光体を用いており,410nm のレーザー
源を用いた内視鏡システムが発表された。狭帯域光観察と
光を主に狭帯域光として用いて,450nm のレーザーによ
しては代表的なものとしてオリンパス社の NBI(Narrow
り蛍光体を励起し明るさを確保している 2)3)。レーザー光
band imaging)があげられるが,一方で富士フイルム社
のレーザー内視鏡システムでは BLI
(Blue laser imaging)
や LCI(Linked color imaging)
が可能である。狭帯域光
観察を用いることで白色光
(WL)
では診断し得ないより精
を用いたことにより粘膜表層の微細な血管や粘膜の凹凸,
密な拡大診断が可能となったり,腫瘍の発見がしやすくな
いであるが,それ以外に BLI はやや 410nm とやや短波長
ることが期待されている。本稿ではその原理・性能および
であることがあげられる。またレーザー光の特色でもある
実臨床における手技を含めて詳説する。
が波長幅は 2nm と非常に狭い。一方でキセノン光から
さらには深部血管の情報を高いコントラストで描出するこ
とが可能である。
BLI と NBI は,根本的に光源が異なることが最大の違
フィルタを用いて作り出した NBI 光の波長幅は 30nm 程
BLI と NBI の原理の違い
度とされている。また BLI には,拡大率がバーとして画面
右上に表示されており客観的な拡大率がわかりやすい。さ
NBI システムは,2006 年に EVIS LUCERA SPECTRUM
らに BLI には通常の BLI モードと BLI-bright モードの 2
が発表され,その後 2012 年に明るさや画質が改善された
つのモードがある。通常の BLI モードは拡大観察や近景観
EVIS LUCERA ELITE が発表されている。NBI の原理
察に有用であり,BLI-bright モードは,遠景での観察や
は,キセノン光を用いて特殊なフィルタによりヘモグロビ
暗い視野において有用である
(図 1)
。しかしながら 2 つの
ンの吸収特性である 410nm および 540nm に中心波長を
モードを使いわけるのはやや煩雑である。最新のモデルで
もつ狭帯域光を作り出している 。その狭帯域光に WL 観
ある EC-L600ZP スコープではコントラストや明るさが改
察でも用いられている RGB フィルタの B および G フィル
善されており BLI-bright モードでも近接観察や拡大観察
タを介し NBI の照明光としている。得られた画像情報を
も十分可能であり,一方で BLI モードでは視野が明るく遠
信号処理することで粘膜の表層血管が茶色調に,深層血管
景観察が可能でありどちらか一方でよい印象である
(図 2)
。
1)
52 (128) 大腸がん perspective
2016 Vol.3 No.2
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