平成17年度 エネルギー管理優良工場改善事項 委員会名: 表彰の種類: 改善項目: 大臣表彰 ・ 長官表彰 事業所名: 三菱電機株式会社 パワーデバイス製作所 (業種名: 電子部品・デバイス製造業 ) 変圧器の再編・統合及び超高効率変圧器への更新による省エネ 1.工場概要 資本金 175,800 百万円 契約電力 主要 製品名 電力 半導体集積回路 17,600 kW 受電電圧 0.803 生産価格中の 原単位 千kWh/百万円 電力費の割合 66 kV 敷地 143,000 ㎡ - 従業員数 331 名 建物 電気 関係者数 64,000 ㎡ 5名 2.生産工程図 (省略) 3.改善の理由 (1)当工場の変電設備は、1970年から80年代にかけて設置されたものが多く、変圧器も電力損失の 大きい普及型及び低損失型である。 老朽化も進んでおり、内部絶縁物の劣化による異常電圧や電気的・機械的なストレスにより破壊する 危険もある。そのため、予防保全の頻度も高く保修費も必要である。 損失が極めて少ないトップランナー方式の超高効率変圧器は、普及型に比較し全損失は約70%削減、 低損失型では60%削減され、更新により消費電力及び保修費が削減できる。 (2)設置後20~30年以上経過し、事業活動の変化等により変圧器の負荷率も変動している。 更新計画に伴い、工場やラインの要求負荷に対して容量が大き過ぎるもの即ち変圧器の負荷率が低い ものについて再編・統合し、不要な変圧器は電源を切り離して無負荷損の削減を行う必要がある。 変圧器の型式による全損失の水準 29.70 全損失(kW) 30.00 21.75 17.25 20.00 8.25 10.00 0.00 普及型 低損失型 高効率型 超高効率型 変圧器1,500KVA(負荷率59%) 当社製 超高効率型変圧器 ※当社変圧器カタログ値から抜粋 4.改善の内容 (1)変圧器の現状確認 ① 当工場の変圧器リストにより、普及型及び低損失型変圧器の設置状況を確認。 ② 各変電設備の変圧器毎に負荷率を測定し負荷状況を確認。 ③ 変圧器毎に外観(老朽化)の状況確認。 i (2)再編・統合、休止する変圧器の検討と選定 【事例 1】A 局変電設備 容量(KVA) 相 製造年 負荷率(%) 変圧器型式 外観状況 ① 100 単相 1989 16 低損失型 良 ② 100 単相 1959 9 普及型 老朽 ③ 300 三相 1989 7 低損失型 良 ④ 500 三相 1974 44 普及型 老朽 改善後 改善前 ① ① ② ② 休止 ③ ③ 休止 ④ ④ :変圧器(普及型) :変圧器(低損失型) ①と②を統合:負荷率25% ③と④を統合し更新:負荷率48% :変圧器(超高効率型) 【事例 2】B 局変電設備,C 局変電設備 B 局変電設備 C 局変電設備 容量(KVA) 相 1000 三相 750 負荷率(%) 三相 備考 平成15年測定 78% 平成16年測定 7% 平成15年測定 55% 平成16年測定 3% 1000KVA変圧器を 3台並列運転 750KVA変圧器を 3台並列運転 改善後 改善前 B B 休止 休止 休止 C C B局変電設備を統合 負荷率30%(平成17年測定) □:変圧器(普及型) (3)改善のまとめ 事例1,2と同様に、工場内全ての局変電設備に設置されている変圧器について、事業活動の変化等 により負荷率が低下した変圧器の再編・統合により、12台を停止・休止した。 また、設置後20~30年以上経過した電力損失の大きい普及型及び低損失型の変圧器で、負荷率が 高く老朽化が確認された16台は、損失が極めて少ないトップランナー方式の超高効率型変圧器へ 更新した。これにより、旧タイプの変圧器28台が休止した。 ii 5.改善の効果 従来(A) 変圧器 更新 無負荷損 24.54kW 負荷損 20.62kW 年間損失 (24.54kW+20.62kW) ×24時間×363日 =393,400kWh 変圧器 統合 無負荷損 17.60kW 年間損失 17.60kW×24時間 ×363日 =153,300kWh 合計 改善後(B) 無負荷損 5.06kW 負荷損 13.79kW 年間損失 (5.06kW+13.79kW) ×24時間×363日 =164,200kWh 休止 546,700kWh 無負荷損0kWh 164,200kWh 6.改善の評価 改善に要した 投資額 (A) 改善による 効果 (B) 償 却 期 間 但し金利は含まず (A/B) 1,671 万円 383 万円/年 (電気代) 4.36 ※電気代以外の改善の効果は、保修費 80万円/年を削減。 電気代単価 10円/kWhで算出。 iii 削減量(A-B) 229,200kWh 153,300kWh 382,500kWh
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