資料3 「平成24年度政策評価書」 - 財務省

平 成 24 年 度 政 策 評 価 書
平 成 25 年 6月
財
務
省
目
次
<目 次>
はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
(別紙1)「財務省の使命」と「政策の目標」の概念図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
(別紙2)指標等の設定状況及び主な内閣の基本的な方針との関連一覧表・・・・・・・・
4
(別紙3)業績目標・施策、業績指標及び参考指標一覧表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
(別紙4)東日本大震災への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
1 「政策の目標」ごとの評価意見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
平成24年度評価意見の記載に当たっての基本的考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23
「政策の目標」ごとの評価意見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
(別紙5)評価意見様式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
72
(別紙6)評価マニュアル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
73
2 「政策の目標」ごとの実績評価書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
75
総合目標(通貨に対する信認を確保しつつ、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現
するとともに、世界経済の安定的発展に貢献すること)
総合目標1(財政)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
81
総合目標2(税制)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
94
総合目標3(財務管理)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
97
総合目標4(通貨・金融システム)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 102
総合目標5(世界経済)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107
総合目標6(財政・経済運営)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117
政策目標1(健全な財政の確保)
政策目標1-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 123
政策目標1-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 139
政策目標1-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 143
政策目標1-4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 150
政策目標1-5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 153
政策目標1-6・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 157
政策目標2(適正かつ公平な課税の実現)
政策目標2-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 163
政策目標3(国の資産・負債の適正な管理)
政策目標3-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 179
政策目標3-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 190
政策目標3-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 216
政策目標3-4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 230
政策目標3-5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 235
政策目標4(通貨及び信用秩序に対する信頼の維持)
政策目標4-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 247
政策目標4-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 255
政策目標5(貿易の秩序維持と健全な発展)
政策目標5-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 263
政策目標5-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 270
政策目標5-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 279
政策目標6(国際金融システムの安定的かつ健全な発展と開発途上国の経済社会の発展の促
進)
政策目標6-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 299
政策目標6-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 323
政策目標6-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 345
(財務省が所管する法人及び事業等の適正な管理、運営の確保)
政策目標7-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 353
政策目標8-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 360
政策目標9-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 365
政策目標10-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 370
政策目標11-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 374
組織運営の方針(高度な専門性に裏打ちされた、効果的・効率的かつ透明性の高い行政運営の
実施及びそのための組織の構築)
組織運営の方針1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 383
組織運営の方針2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 387
組織運営の方針3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 389
組織運営の方針4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 396
組織運営の方針5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 405
3 付表
付表1 政策目標ごとの予算額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 417
付表2 政策目標ごとの決算額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 418
付表3 平成24年度において実施したアンケート調査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 420
付表4 「政策の目標」ごとの政策所管課等及び各局課評価担当組織・・・・・・・・・・・・ 422
付表5 成果重視事業の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 424
付表6 租税特別措置等に係る政策評価結果の政策への反映状況・・・・・・・・・・・・・・・・ 426
4 用語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 431
平成24年度政策評価書
はじめに
(はじめに)平成24年度政策評価書について
財務省では、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(平成13年法律第86号)及び財務
省の「政策評価に関する基本計画」に基づき、主要な政策分野全てを対象として実績評価方式
(あらかじめ目標を設定し評価を行う評価方式)により評価を行っており、毎年6月末を目途
に前年度分の政策評価書を作成・公表することとしております。政策評価書の作成に当たって
は、評価の客観性と質を高めるために、有識者の方々からなる「財務省の政策評価の在り方に
関する懇談会」において御意見をいただいております。
平成24年度政策評価書は、平成24年度政策評価実施計画(平成24年3月策定、平成25年3月一
部改訂)で定めた39の「政策の目標」(別紙1参照。なお、この「政策の目標」の下に設定され
ている業績目標、施策、業績指標及び参考指標及び主な内閣の基本的な方針との関連については
別紙2、3参照。)のうち、国税庁所管の3目標(政策目標2-2~2-4)(注1)を除いた36
の「政策の目標」について実施した実績評価(注2)を取りまとめたものであり、「『政策の目標』
ごとの評価意見」、「『政策の目標』ごとの実績評価書」等から構成されています。「『政策の
目標』ごとの評価意見」は、「政策の目標」ごとの評価結果及びその判断理由等を、「『政策の
目標』ごとの実績評価書」は、「政策の目標」ごとの施策等の事務運営の報告や目標を巡る外部
要因等の動向等を、それぞれ記載しており、関連資料を付表として掲載しています。
財務省としましては、政策評価に関する情報の公表を通じて、国民の皆様に対する説明責任を果た
すことにより、政策の透明性を確保し、ひいては国民の皆様に信頼される行政を目指しております。
なお、東日本大震災の対応につきましては、財務省として、予算や税制をはじめとして幅広く
対応いたしました(別紙4参照。)。平成25年度においても、政府における震災への対応を踏ま
え、引き続き、財務省として全ての業務分野において全力を尽くしていくこととしております。
平成25年6月
財
務
省
(参考)財務省の政策評価のスケジュール
H24.1
H24.4
H24.7
H25.1
H25.4
H25.7
平成 23 年度
平成 23 年度
政策の実施
平成 24 年度
実施計画の
反映
策定、公表
(Plan)
政策評価書の
作成、公表
反映
平成 24 年度
平成 24 年度
政策評価書の
政策の実施
作成、公表
(Check)
(Do)
平成 25 年度
実施計画の
反映
- 1 -
策定、公表
平成 25 年度
政策の実施
反映
(Action)
(注1)政策目標2-2~2-4は、国税庁の実績の評価(平成24年7月から平成25年6月)の実績目
標です。国税庁の実績の評価については、中央省庁等改革基本法第16条第6項第2号により、
「府省の長は、実施庁の長にその権限が委任された事務の実施基準その他当該事務の実施に必
要な準則を定めて公表するとともに、実施庁が達成すべき目標を設定し、その目標に対する実
績を評価して公表すること」と規定されています。国税庁の事務が事務年度(7月から翌年6
月)に基づいて実施されていることに鑑み、平成24事務年度評価書を平成25年9月末を目途に
作成し公表します。
(注2)財務省の政策評価の方式としては、①実績評価(行政の幅広い分野において、あらかじめ達
成すべき目標を設定し、それに対する実績を測定しその達成度を評価)、②総合評価(特定の
テーマを設定し、様々な角度から掘り下げて総合的に評価)、③事業評価(個別の事務事業を
中心として、事前の時点で評価するとともに、必要に応じ事後の検証)、の3種類があります。
平成24年度政策評価書は、財務省の主要な政策分野について実績評価方式による評価書等から
構成されています。
本評価書に関する御意見等につきましては、財務省大臣官房文書課政策評価室([email protected])
にお送りください。
- 2 -
経済金融情勢及び財政状況を踏まえつ
つ、市場との緊密な対話に基づき、国債
発行計画の策定等の国債管理政策を遂行
し、中長期的な調達コストの抑制を図り
ながら、必要とされる財政資金を確実に
調達する。また、対象事業の重点化・効
率化を図りつつ、政策的必要性等の観点
から財政投融資を活用するほか、
「新成長
戦略における国有財産の有効活用につい
て」等を踏まえ、未利用国有地等の活用
や庁舎及び宿舎の最適化の推進など国有
財産の有効活用に取り組む【A】
財務管理
(総合目標3)
金融システムの状況を踏まえながら、
関係機関との連携を図りつつ、金融破綻
処理制度の整備・運用を図るとともに、預
金保険法等の法令に基づき、金融危機管
理を行うことにより、金融システムの安
定の確保を図る。また、通貨の流通状況
を把握し、偽造・変造の防止等に取り組
み高い品質の通貨を円滑に供給すること
により、通貨に対する信頼の維持に貢献
する【A】
通貨・金融システム
(総合目標4)
我が国経済の健全な発展に資するよ
う、地球的規模の問題への対応を含む国
際的な協力等に積極的に取り組むこと
により、世界経済の持続的発展、国際金
融システムの安定及びそれに向けた制
度強化、アジアにおける地域協力の強
化、開発途上国の経済社会の発展、国際
貿易の秩序ある発展を目指す。特に、我
が国を含むアジア諸国が共に成長する
ため、アジアにおける「新成長戦略」を
推進する【A】
世界経済
重 総合目標5)
(○
政策の基本目標(総合目標)
各政策分野の目標(政策目標)
- 3 -
重 2-1 我が国の経済・社会の
○
構造変化に対応すると
ともに、喫緊の課題に応
えるための税制の構築
【A】
2-2 内国税の適正かつ公
平な賦課及び徴収
2-3 酒類業の健全な発達
の促進
2-4 税理士業務の適正な
運営の確保
重 1-1 重点的な予算配分を通
○
じた財政の効率化・質的改
善の推進【B】
重 1-2 必要な歳入の確保【B】
○
1-3 予算執行の透明性の向上・
適正な予算執行の確保【A】
1-4 決算の作成を通じた国の
財政状況の的確な開示【C】
1-5 地方の歳入・歳出、国・
地方間の財政移転に関す
る事務の適切な遂行【A】
1-6 公正で効率的かつ透明な
財政・会計に係る制度の構
築及びその適正な運営【B】
3-1 国債の確実かつ円滑な
発行及び中長期的な調達
コストの抑制【A】
3-2 財政投融資の対象とし
て必要な事業を実施する
機関への資金供給の確保
と重点化・効率化及びデ
ィスクロージャーの徹底
【A】
3-3 国有財産の適正な管理
及び有効活用等と情報提
供の充実【B】
3-4 庁舎及び宿舎の最適化
の推進【A】
3-5 国庫金の正確で効率的
な管理【A】
国の資産・
負債の適正な管理
(政策目標3)
4-1 日本銀行券・貨幣の円
滑な供給及び偽造・変造
の防止【A】
4-2 金融破綻処理制度の適
切 な 整 備・ 運 用 及び 迅
速・的確な金融危機管理
【A】
通貨及び信用秩序に
対する信頼の維持
(政策目標4)
5-1 内外経済情勢等を踏
まえた適切な関税率の
設定・関税制度の改善等
【A】
重 5-2 多角的貿易体制の強
○
化及び経済連携の推進、
税関分野における貿易
円滑化の推進【A】
5-3 関税等の適正な賦課
及び徴収、社会悪物品等
の密輸阻止並びに税関
手続における利用者利
便の向上【A】
貿易の秩序維持と
健全な発展
(政策目標5)
重 6-1 外国為替市場の安定
○
並びに国際金融システ
ムの安定に向けた制度
強化及びその適切な運
用の確保【A】
6-2 開発途上国における
安定的な経済社会の発
展に資するための資金
協力・知的支援を含む多
様な協力の推進【A】
重 6-3 アジア経済戦略の推
○
進(新成長戦略)
【A】
国際金融システムの安定的
かつ健全な発展と開発途上
国の経済社会の発展の促進
(政策目標6)
組織運営の方針
7-1 政府関係金融機関等
の適正かつ効率的な運
営の確保【A】
8-1 地震再保険事業の健
全な運営【A】
9-1 安定的で効率的な国
家公務員共済制度等の
構築及び管理【A】
10-1 日本銀行の業務及び
組織の適正な運営の確
保【A】
11-1 たばこ・塩事業の健
全な発展の促進と適切
な運営の確保【A】
財務省が所管する法人及び
事業等の適正な管理、運営の
確保
注1:
【 】は「政策の目標」の達成度(
「S 達成した。
」
、
「A 達成に向けて相当の進展があった。
」
、
「B 達成に向けて進展があった。
」
、
「C 達成に向けて一部の進展にとどまった。
」
、
「D 達成に向けて進展がなかった。
」
)を示す。
注2:政策目標2-2~2-4は、国税庁の実績の評価(平成 24 年7月から平成 25 年6月)において、財務省設置法上の国税庁の任務ともなっている大括りな目指すべき目標としての実績目標(大目標)
。
重マークを付した「政策の目標」は重点的に進めるものを示す。
注3:○
1 政策立案・調整・実施機能の発揮【B】
2 高い能力と見識を有する人材の育成・確保【B】 3 国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約【B】
重 5 政策評価の着実な実施、業務運営の在り方や所管する法人の見直し等による効果的・効率的な行政運営【A】
4 電子政府実現に向けた行政の情報化の推進【B】 ○
高度な専門性に裏打ちされた、効果的・効率的かつ透明性の高い行政運営の実施及びそのための組織の構築
適正かつ公平な
課税の実現
(政策目標2)
健全な財政の確保
(政策目標1)
総合目標1から5の目標を追求しつつ、震災対応に取り組むとともに、財政健全化と経済成長との両立を図る観点から、デフレ脱却・
安定的な経済成長の実現に寄与することを目指し、関係機関との連携を図りつつ、適切な財政・経済の運営を行う【B】
我が国の経済・社会の構造変化に対応
し、成長と雇用の実現、社会保障改革と
その財源確保といった我が国の喫緊の
課題に応えるため、税制の抜本的な改革
に取り組む【A】
我が国における少子高齢化等の社会経済
情勢の変化、厳しい財政状況を踏まえ、社
会保障・税一体改革を継続するとともに、
国・地方のプライマリーバランスについて、
2015年度までにその赤字の対GDP比を
2010年度の水準から半減し、2020年度まで
に黒字化するとの財政健全化目標達成に向
け、歳入・歳出両面において財政健全化に
向けて取り組む【B】
財政・経済運営(総合目標6)
税制
重 総合目標2)
(○
財政
重 総合目標1)
(○
通貨に対する信認を確保しつつ、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現するとともに、世界経済の安定的発展に貢献すること
政策の目標
納税者としての国民の視点に立ち、効率的かつ透明性の高い行政を行い、国の財務を総合的に管理運営することに
より、健全で活力ある経済及び安心で豊かな社会を実現するとともに、世界経済の安定的発展に貢献すること。
財務省の使命
「財務省の使命」と「政策の目標」の概念図
別紙1
別紙2
指標等の設定状況及び主な内閣の基本的な方針との関連一覧表
内閣の基本的な方針との関連※
指標
業績
目標
施策
業績
指標
参考
指標
所信
表明
演説
施政
方針
演説
財政
演説
その他
0
0
0
11
○
○
○
○
0
0
0
2
○
○
○
○
3
経済金融情勢及び財政状況を踏まえつつ、市場との緊密な
対話に基づき、国債発行計画の策定等の国債管理政策を遂
行し、中長期的な調達コストの抑制を図りながら、必要と
される財政資金を確実に調達する。また、対象事業の重点
化・効率化を図りつつ、政策的必要性等の観点から財政投
融資を活用するほか、「新成長戦略における国有財産の有
効活用について」等を踏まえ、未利用国有地等の活用や庁
舎及び宿舎の最適化の推進など国有財産の有効活用に取り
組む
0
0
0
2
-
○
○
○
4
金融システムの状況を踏まえながら、関係機関との連携を
図りつつ、金融破綻処理制度の整備・運用を図るととも
に、預金保険法等の法令に基づき、金融危機管理を行うこ
とにより、金融システムの安定の確保を図る。また、通貨
の流通状況を把握し、偽造・変造の防止等に取り組み高い
品質の通貨を円滑に供給することにより、通貨に対する信
頼の維持に貢献する
0
2
0
6
-
-
-
○
5
我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問題
への対応を含む国際的な協力等に積極的に取り組むことに
より、世界経済の持続的発展、国際金融システムの安定及
びそれに向けた制度強化、アジアにおける地域協力の強
化、開発途上国の経済社会の発展、国際貿易の秩序ある発
展を目指す。特に、我が国を含むアジア諸国が共に成長す
るため、アジアにおける「新成長戦略」を推進する
0
2
0
5
○
○
○
○
6
総合目標1から5の目標を追求しつつ、震災対応に取り組
むとともに、財政健全化と経済成長との両立を図る観点か
ら、デフレ脱却・安定的な経済成長の実現に寄与すること
を目指し、関係機関との連携を図りつつ、適切な財政・経
済の運営を行う
0
0
0
1
-
-
○
○
重
1-1 重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進
0
2
1
13
○
○
○
○
重
1-2 必要な歳入の確保
0
0
0
2
○
○
○
○
1-3 予算執行の透明性の向上・適正な予算執行の確保
0
4
1
2
-
-
-
-
1-4 決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示
0
2
3
0
-
-
-
-
0
1
0
2
-
-
-
○
0
2
1
2
-
-
-
○
0
2
2
11
○
○
○
○
「政 策 の 目 標」
1
重
我が国における少子高齢化等の社会経済情勢の変化、厳しい財
政状況を踏まえ、社会保障・税一体改革を継続するとともに、
国・地方のプライマリーバランスについて、2015年度までにそ
の赤字の対GDP比を2010年度の水準から半減し、2020年度ま
でに黒字化するとの財政健全化目標達成に向け、歳入・歳出両
面において財政健全化に向けて取り組む
我が国の経済・社会の構造変化に対応し、成長と雇用の実
重
2 現、社会保障改革とその財源確保といった我が国の喫緊の
課題に応えるため、税制の抜本的な改革に取り組む
総
合
目
標
重
政
策
目
標
地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務の
1-5 適切な遂行
公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築及び
1-6 その適正な運営
重
我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊
2-1 の課題に応えるための税制の構築
- 4 -
施策
業績
指標
参考
指標
所信
表明
演説
施政
方針
演説
財政
演説
その他
3-1 制
0
6
4
7
-
-
○
○
財政投融資の対象として必要な事業を実施する機関への資
3-2 金供給の確保と重点化・効率化及びディスクロージャーの
徹底
0
7
2
18
-
○
○
○
3-3 国有財産の適正な管理及び有効活用等と情報提供の充実
0
4
6
11
-
-
-
○
3-4 庁舎及び宿舎の最適化の推進
0
3
0
2
-
-
-
○
3-5 国庫金の正確で効率的な管理
0
3
3
4
-
-
-
-
4-1 日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止
0
5
2
4
-
-
-
-
0
2
0
6
-
-
-
○
2
0
0
1
-
-
-
○
2
0
1
1
-
○
-
○
3
2
17
12
-
-
-
○
0
4
2
12
○
○
○
○
6-2 の資金協力・知的支援を含む多様な協力の推進
0
4
2
7
○
○
○
○
6-3 アジア経済戦略の推進(新成長戦略)
0
1
0
3
○
○
○
○
7-1 政府関係金融機関等の適正かつ効率的な運営の確保
0
2
0
6
-
-
○
○
8-1 地震再保険事業の健全な運営
0
2
2
2
-
-
-
○
9-1 安定的で効率的な国家公務員共済制度等の構築及び管理
0
3
0
7
-
○
-
-
10-1 日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保
0
0
0
3
-
-
-
-
11-1 たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保
0
5
2
3
-
-
-
○
1 政策立案・調整・実施機能の発揮
0
3
0
1
-
-
-
○
2 高い能力と見識を有する人材の育成・確保
0
1
0
2
-
-
-
-
3 国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約
0
11
3
8
-
-
-
-
4 電子政府実現に向けた行政の情報化の推進
0
5
4
0
-
-
-
○
0
11
1
2
-
○
-
○
7
101
59
181
国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑
金融破綻処理制度の適切な整備・運用及び迅速・的確な金
4-2 融危機管理
内外経済情勢等を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度
5-1 の改善等
政
策
目
標
多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進、税関分野にお
重
5-2 ける貿易円滑化の推進
関税等の適正な賦課及び徴収、社会悪物品等の密輸阻止並
5-3 びに税関手続における利用者利便の向上
外国為替市場の安定並びに国際金融システムの安定に向け
重
6-1 た制度強化及びその適切な運用の確保
開発途上国における安定的な経済社会の発展に資するため
重
組
織
運
営
の
方
針
重
内閣の基本的な方針との関連※
指標
業績
目標
「政 策 の 目 標」
政策評価の着実な実施、業務運営の在り方や所管する法人
5 の見直し等による効果的・効率的な行政運営
上 記 合 計
※・所信表明演説:第179回国会(23年10月野田総理)、第183回国会(25年1月安倍総理)
・施政方針演説:第180回国会(24年1月野田総理)、第183回国会(25年2月安倍総理)
・財政演説:第180回国会(24年1月安住大臣)、第183回国会(25年2月麻生大臣)
・その他:その他の閣議決定等
注1: 「内閣の基本的な方針との関連」欄に○のあるものは、当該「政策の目標」が明示的にとりあげられているもの。
注2: 重マークを付した「政策の目標」は、重点的に進めるものを示す。
注3: 「指標」欄の数は、再掲分を除く。
- 5 -
別紙3
業績目標・施策、業績指標及び参考指標一覧表
<説明>
業績目標:「政策の目標」の細目として設定する目標
施
策:「政策の目標」を達成するための手段
業績指標:客観的に測定可能な定量的・定性的な指標であり、あらかじめ目標値が設定されている指標等
参考指標:目標値の設定はないが、事務運営の参考とし、モニタリングするための指標
「再」は再掲分を、網掛けは新規に設定した指標を示す
業績目標・施策
業績指標
参考指標
(7・101)
(59)
(181(再掲分を除く))
総合目標1
-
-
1 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の
推移
2 一般会計及び特別会計の歳出総額及び純計
額(平成25年度)
3 公債発行額・公債依存度の推移
4 公債残高の推移
5 国及び地方の財政収支の対GDP比の国際
比較
6 国及び地方の債務残高の対GDP比の国際
比較
7 国及び地方の基礎的財政収支の推移
8 一般会計の基礎的財政収支(国債費-公債
金収入)の推移
9 国民負担率(対国民所得比)の国際比較
10 国民負担率(対国民所得比)の推移
11 国民経済に占める財政の役割の国際比較
(政府最終消費支出、一般政府総固定資本
形成、社会保障移転等の対GDP比)
-
-
1 税収比率の推移
2 主要税目(国税)の税収の推移
再 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の
推移【総1】
-
-
1 財政投融資計画及び計画残高の推移
2 財務省所管国有地の売却実績の推移
-
1 預金保険機構等に対する政府保証枠
-
2 預金保険機構等の借入残高(政府保証付)
総合目標2
総合目標3
総合目標4
施策総4-1 金融システムの安定を確保するた
めの取組
施策総4-2 通貨制度を適切に運用するための
取組
3 平成24年度における日本銀行券及び貨幣の
製造枚数
4 自己資本比率
5 不良債権比率・残高
6 貸出金残高
総合目標5
施策総5-1 世界経済の持続的発展等に向けた
国際的な協力への取組
施策総5-2 国際貿易の秩序ある発展に向けた
国際的な協力への取組
-
1 最近の世界経済動向
-
2 欧州における国債市場の動向
3 途上国の貧困削減状況
4 輸出入額及び貿易バランス(対GDP比を
含む)の推移
5 関税負担率の推移とその国際比較
再 テロリスト等に対する我が国による資産凍
結措置対象者数【政6-1】
総合目標6
-
政策目標1-1
施策1-1-1 重点的な予算配分に向けた取組
施策1-1-2 広報活動
-
-
1 予算・決算ホームページへのア
クセス件数
1 主要経済指標
1 一般会計予算の主要経費構成比
2 一般会計所管別内訳の構成比と伸率
3 一般会計歳出(国債費・基礎的財政収支対
象経費)の構成比と推移
4 社会保障関係費の推移及び内訳
5 文教及び科学振興費の推移及び内訳
6 公共事業関係費の推移
7 ODA予算の推移
8 防衛関係費の推移及び内訳
9 中小企業対策費の推移
10 エネルギー対策費の推移
- 6 -
業績目標・施策
業績指標
参考指標
(7・101)
(59)
(181(再掲分を除く))
11 農林水産関係予算の推移及び内訳
12 補助金等の内訳(交付先別、主要経費別)
13 補助金等の整理合理化状況
政策目標1-2
-
-
1 一般会計歳入予算の推移と内訳
2 一般会計税収の推移
再 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の
推移【総1】
政策目標1-3
施策1-3-1 予算執行に関する情報開示の充実
施策1-3-2 効率的な予算執行の確保
-
-
1 会計事務職員研修等の実績
2 会計検査院検査報告に掲記された不当事項
等の推移
施策1-3-3 予算執行調査の実施
1 予算執行調査の実施件数
-
施策1-3-4 各府省庁等に対する予算の適正か
つ効率的な執行の確保のための要
請等
政策目標1-4
施策1-4-1 予算使用の状況、国庫歳入歳出状 1 予算使用の状況、国庫歳入歳出
況及び決算概要の報告
状況及び決算概要の定期的な公
表資料の公表状況
施策1-4-2 平成23年度歳入歳出決算の国会へ 2 歳入歳出決算の会計検査院への
の早期提出
送付日
3 歳入歳出決算の国会への提出日
政策目標1-5
施策1-5-1 国と地方の改革
-
政策目標1-6
施策1-6-1 国の財務書類の作成・公表等
1 国の財務書類(一般会計・特別
会計)の公表日の推移
-
施策1-6-2 特別会計改革
政策目標2-1
施策2-1-1 我が国の経済・社会の構造変化に
-
対応するとともに、喫緊の課題に
応えるための税制の構築
施策2-1-2 税制改正についての広報の充実
1 財務省ホームページの税制に関
するページへのアクセス件数
2 税制メールマガジン登録者数
政策目標3-1
施策3-1-1 市場のニーズ・動向等を踏まえた
国債発行
施策3-1-2 適切な債務管理
施策3-1-3 国債市場の流動性維持・向上
施策3-1-4 市場との対話等
施策3-1-5 保有者層の多様化
施策3-1-6 国債に係る広報・広告の充実
政策目標3-2
施策3-2-1 社会経済情勢等に応じた財政投融
資計画の編成
施策3-2-2 財政投融資対象機関に対する適切
な審査
-
-
-
1 国債関係の定期的な懇談会等の
開催状況
2 入札の結果発表を当日所定の時
刻に行った割合
3 「国債及び借入金並びに政府保
証債務現在高」を所定の時期に
公表した割合
-
4 国債関係の定期的な公表資料の
公表状況
-
-
- 7 -
1 平成25年度地方財政計画(通常収支分)
2 地方向け補助金等の全体像
1 国の財務書類及び省庁別財務書類の公表状
況(平成24年度)
2 特別会計の数の推移
1 所得・消費・資産等の税収構成比の推移
(国税)
2 国民負担率の内訳の国際比較
3 税制改正(内国税関係)による増減収見込
額
4 個人所得課税の税率の推移
5 個人所得課税の実効税率の国際比較(夫婦
子2人(専業主婦)の給与所得者)
6 法人税率の推移
7 法人所得課税の実効税率の国際比較
8 国民所得に占める消費課税(国税・地方
税)の割合
9 付加価値税率(標準税率)の国際比較
10 最近における相続税の主な改正
11 主要諸外国の相続税の負担率
再 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の
推移【総1】
再 税収比率の推移【総2】
再 主要税目(国税)の税収の推移【総2】
1 カレンダーベース市中発行額の平均償還年
限の推移
2 国債の所有者別内訳の推移
3 国債等に関する情報のホームページへのア
クセス件数と個人向け国債ホームページへ
のアクセス件数の合計
4 個人向け国債お知らせメールの登録者数
5 国債残高の推移
6 普通国債残高の満期構成(2013年3月末時
点)
7 10年新発債利回りの推移
1 財政投融資計画の推移(フロー、ストッ
ク)
2 財政投融資に関するホームページへのアク
セス件数の推移
業績目標・施策
業績指標
参考指標
(7・101)
(59)
(181(再掲分を除く))
施策3-2-3 政策評価の活用
-
施策3-2-4 貸付金の確実な回収とALMの充
-
実等による財務の健全性の確保
施策3-2-5 財政投融資のディスクロージャー 1 財政投融資関係の定期的な公表
の徹底
資料の公表状況及び内容の充実
施策3-2-6 政策コスト分析の充実
-
施策3-2-7 財政投融資対象機関に対する実地 2 実地監査結果
監査等の充実
3 政策コスト分析
4 財政投融資計画及び実績(機関別)
5 財政投融資計画(機関別)の推移
6 財政投融資計画(使途別分類)の推移
7 財政投融資計画残高(機関別)
8 財政融資資金の各機関への融通条件
9 財政投融資特別会計財政融資資金勘定の損
益計算書・貸借対照表
10 財政融資資金の保有有価証券の期末残高の
推移
11 財政融資資金の保有有価証券の残存期間別
残高の推移
12 財政融資資金の預託者別期末残高の推移
13 財政融資資金の預託金の残存期間別残高の
推移
14 財政投融資特別会計財政融資資金勘定の資
金運用・調達における平均残高の推移
15 財政投融資特別会計投資勘定の損益計算
書・貸借対照表
16 財投債の種類別発行予定額の推移
17 財投債の発行年度別償還年次表
18 財投機関債の発行予定額の推移
政策目標3-3
施策3-3-1 行政財産等の監査と使用調整等の 1 監査結果
推進
施策3-3-2 未利用国有地等の有効活用の促進 2 未利用国有地発生後、1年以内
に財産の特性に応じた処理方針
を策定した割合
施策3-3-3 事務の効率化及び外部委託の活用 3 旧里道・旧水路等の売却事務処
理状況
などによる普通財産(土地、政府
保有株式等)の管理及び処分の適
正かつ迅速な事務処理
4 財務省所管普通財産の管理処分
事務等の外部委託状況
5 国有財産に関する相談、照会の
処理状況
施策3-3-4 国有財産の現在額等の的確な把握 6 新成長戦略における国有財産の
情報提供の充実化情報
と情報提供の内容及びその手段の
充実
1 対象財産別の監査実施状況
2 既存庁舎等の入替調整実績の推移
3 未利用国有地の状況(平成23年度末)
4 未利用国有地等(財務省所管一般会計所属
普通財産)の売却結果の推移
5 一般競争入札における落札状況
6 財務省所管普通財産の管理業務の状況
7 国有財産情報公開システムへのアクセス件
数
8 国有財産に関する定期的な公表資料の公表
状況及び内容の充実
9 国有財産現在額の状況(国有財産区分別現
在額)
10 財務省所管一般会計所属普通財産(土地)
の年度別現在額の推移
11 未利用国有地の推移
政策目標3-4
施策3-4-1 「国家公務員宿舎の削減計画」の
実施
施策3-4-2 庁舎及び宿舎の長寿命化等の推進
-
1 宿舎戸数の推移
-
2 庁舎整備関係予算(改修予算を含む)の推
移
施策3-4-3 特定国有財産整備計画による庁舎
-
等の効率的な整備の推進
政策目標3-5
施策3-5-1 国庫収支の調整による国庫金の効 1 国庫金の受入日と支払日を合わ
率的な管理
せる調整を行った件数
施策3-5-2 国庫金の出納事務の正確性の確保 2 一般会計歳入歳出主計簿と国庫
原簿との突合結果
施策3-5-3 国庫収支に関する情報提供
3 国庫収支に関する定期的な公表
資料の公表の状況及び内容の充
実
1 国庫対民間収入・支出の各月最大額の推移
2 国庫余裕金繰替使用による外国為替資金証
券発行残高抑制額(平均残高)の推移
3 財務省証券の平均残高の推移
4 国庫の状況に関する情報のホームページへ
のアクセス件数
政策目標4-1
施策4-1-1 日本銀行券及び貨幣の発行・製造
計画の策定
施策4-1-2 通貨の偽造・変造の防止
施策4-1-3 国家的な記念事業として記念貨幣
を発行
施策4-1-4 貨幣回収準備資金の適正な管理
1
-
1 製造貨幣大試験の実施状況
-
-
2 通貨に関する質問、照会等の受付件数
3 通貨の流通高
地金の売払い計画及び入札実施
の推移
4 偽造通貨の発見枚数
- 8 -
業績目標・施策
業績指標
参考指標
(7・101)
(59)
(181(再掲分を除く))
施策4-1-5 通貨に関する情報提供
政策目標4-2
施策4-2-1 金融システムの安定のために必要
な制度の整備
施策4-2-2 預金保険機構等の適切な監督、金
融システムの安定のための諸措置
の実施
2 電子入札に対応した入札実施回
数及び実施率の推移
-
-
-
1 預金保険機構の資金援助の件数及び額の推
移
2 預金保険機構の資本増強額の状況(残高、
返済額)
3 生命保険契約者保護機構の資金援助の件数
及び額の推移
4 銀行等保有株式取得機構の株式等買取額の
推移
5 (株)地域経済活性化支援機構の支援決定
件数の推移
6 (株)東日本大震災事業者再生支援機構の
支援決定件数の推移
再 預金保険機構等に対する政府保証枠【総
4】
再 預金保険機構等の借入残高(政府保証付)
【総4】
再 自己資本比率【総4】
再 不良債権比率・残高【総4】
再 貸出金残高【総4】
政策目標5-1
業績目標 適切な関税改正の実施
-
5-1-1
業績目標 特殊関税制度の適正な運用
-
5-1-2
政策目標5-2
業績目標 多角的貿易体制の強化及び経済連
-
5-2-1
携の推進
業績目標 税関分野における貿易円滑化の推 1 税関相互支援協定等の締結数
5-2-2
進
政策目標5-3
業績目標 関税等の適正な賦課及び徴収
1 審査・検査における非違発見件
5-3-1
数
2 事前教示制度の運用状況(一定
期間以内で回答した割合)
業績目標 社会悪物品等の密輸阻止
3 税関における不正薬物の水際押
5-3-2
収量の割合
4 事前選定による検査指数
5 大型X線検査装置による検査指
数
業績目標
5-3-3
税関手続における利用者利便の向 6 輸入通関における平均所要時間
上
7 事業者のAEO制度利用状況
(AEO事業者新規承認数)
8 輸出入通関における利用者満足
度
施策5-3-4 税関手続システムの機能拡充及び 9 NACCSの利用状況(システ
利用者利便の向上
ム処理率)
10 NACCSの運用状況(システ
ム稼働率)
施策5-3-5 実効性ある税関行政実現のための 11 税関ホームページへのアクセス
情報提供
状況
12 講演会及び税関見学における満
足度
13 輸出入通関制度の認知度
14 密輸取締り活動に関する認知度
15 貿易統計の公表状況
16 税関相談官制度の運用状況(税
関相談についての利用者満足
度)
17 カスタムスアンサー(インター
ネット版)利用件数
政策目標6-1
施策6-1-1 外国為替市場の安定
1 正確かつ適時な情報の提供
2 国際収支統計の移行に向けた準
備作業の実施
-
施策6-1-2 国際金融システムの安定に向けた
制度強化に関する国際的な取組へ
の参画
- 9 -
1 特恵関税を適用した輸入額
1 アジア諸国との貿易額・シェアの推移
再 関税負担率の推移とその国際比較【総5】
1 輸入事後調査実績
2 関税等徴収額(国税全体に対する割合を併
記)
3 関税等の滞納整理中の税額
4 通関業者の業務の運営状況(通関業の許可
件数及び総数、通関業者・通関士の処分件
数)
5 保税業務検査等における非違発見件数及び
処分件数
6 社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績
7 航空機旅客等による不正薬物の密輸事犯の
摘発実績
8 知的財産侵害物品に係る輸入差止申立件数
9 輸出事後調査実績(実施件数)
10 関係機関との連携・情報収集の実績
11 旅具通関に対する利用者の評価
12 税関相談制度の運用状況(相談処理件数)
1 外国為替平衡操作の実施状況
2 外貨準備動向
3 IMFへの主要国出資
業績目標・施策
業績指標
参考指標
(7・101)
(59)
(181(再掲分を除く))
施策6-1-3 アジアにおける地域金融協力の推
進等
施策6-1-4 北朝鮮・イランの核開発等に係る
問題への対策及びテロ資金や大量
破壊兵器の拡散に関連する資金等
による国際金融システムの濫用へ
の対応
-
-
4 IMFの活動状況(日本人幹部職員数等を
含む)
5 強化後のチェンマイ・イニシアティブのマ
ルチ化における各国の貢献額と買入可能総
額
6 アジア諸国との二国間通貨スワップ取極の
締結状況
7 JBICによるサムライ債発行支援の実績
(平成24年度)
8 テロリスト等に対する我が国による資産凍
結措置対象者数
9 外国為替検査の実施状況
10 為替相場の動向
11 国際収支動向
12 対外資産負債残高(対GDP比を含む)
政策目標6-2
施策6-2-1 ODA等の効率的・戦略的な活用
-
施策6-2-2 有償資金協力(国際協力機構)、 1 MDBsとの政策協議・開発問
題研究会の開催回数
国際協力銀行業務、国際開発金融
機関を通じた支援
施策6-2-3 債務問題への取組
-
施策6-2-4 知的支援
2 知的支援に関する研修・セミ
ナー参加者の満足度
1 円借款実施状況
2 JBICによる出融資承諾状況(国際協力
銀行業務)
3 MDBsに対する主要国の出資
4 MDBs等に対する拠出金
5 研修・セミナー等の実施状況(財務総合政
策研究所・関税局)
6 開発途上国に対する資金の流れ
7 MDBsの活動状況(日本人幹部職員数等
を含む)
政策目標6-3
施策6-3-1 アジア経済戦略の推進
-
1 アジア債券市場の規模
2 アジア地域における案件に対するJBIC
の出融資等実施状況(国際協力銀行業務)
3 アジア地域に対する円借款実施状況
再 JBICによるサムライ債発行支援の実績
(平成24年度)【政6-1】
政策目標7-1
施策7-1-1 政府関係金融機関等の適正な運営
の確保
施策7-1-2 政府関係金融機関等の財務の健全
性及び適正な業務運営の確保
-
-
1 政府関係金融機関の出融資計画額(補正
後)の推移
2 政府関係金融機関の融資残高の推移
3 政府関係金融機関の金利の推移
4 政府関係金融機関の平均貸付期間(新規貸
出し)
5 政府関係金融機関の財務諸表等の主要な計
数
6 政府関係金融機関の延滞率の推移
政策目標8-1
施策8-1-1 地震保険の普及
施策8-1-2 地震保険検査の実施
政策目標9-1
施策9-1-1 社会保障改革への対応
施策9-1-2 諸外国との社会保障協定への対応
施策9-1-3 国家公務員共済組合連合会等の適
正な運営の確保
1 地震保険の普及率等の推移
2 地震保険検査先数の推移
-
-
-
1 地震保険制度における政府と民間の責任
(危険)準備金残高
2 過去の地震災害の支払額(元受保険会社の
支払額)
1 男女別組合員数の年次推移
2 国家公務員共済年金受給権者数及び年金額
の年次推移
3 国家公務員共済年金の保険料率の推移
4 短期負担金・掛金収入及びこれらの総報酬
に対する割合(平均掛金率)の年度別状況
5 短期収入総額と短期支出総額の比較及び年
次推移
6 社会保障協定の締結に向けた当局間協議新
規開始国数
7 社会保障協定の署名国数
政策目標10-1
-
政策目標11-1
施策11-1-1 WHOたばこ規制枠組条約に係る
国内措置に関する取組
施策11-1-2 未成年者喫煙防止に対する取組
-
1 認可対象経費の予算
2 財務諸表の主要な計数
3 認可対象経費予算の推移
-
1 小売販売業許可申請件数及び同許可件数
-
2 塩需給見通し及び塩需給実績
- 10 -
業績目標・施策
業績指標
参考指標
(7・101)
(59)
(181(再掲分を除く))
施策11-1-3 たばこ事業の適切な運営と管理・ 1 製造たばこ小売販売業の許可に
監督
係る標準処理期間達成率
施策11-1-4 塩事業の適切な運営の確保
2 塩製造業者等の登録に係る標準
処理期間達成率
施策11-1-5 塩の需給に関する情報提供
-
組織運営の方針1
施策組1-1 総合的・基本的な政策の企画・立
-
案
施策組1-2 政策立案・実施に係る省内各部局
-
間の連携強化
施策組1-3 財務局との連携強化
-
組織運営の方針2
施策組2-1 行政を取り巻く環境の変化に応じ
た研修ニーズの把握等による研修
の充実
-
3 紙巻たばこの販売実績
1 局長等連絡会議、財務局長会議の開催状況
1 各種研修の実施状況
2 幹部職員向けセミナーの実施状況
組織運営の方針3
施策組3-1 各種施策及び統計の適時適切な公
-
表・説明
施策組3-2 広報誌や後援名義を活用した広報
-
施策組3-3 財務省ホームページを活用した広 1 財務省ホームページへのアクセ
報
ス件数
2 財務省ホームページ英語版への
アクセス件数
3 財務省関係メールマガジン登録
者数
施策組3-4 パンフレット、ポスター等を活用
-
した広報
施策組3-5 有識者への説明
-
施策組3-6 海外への広報、政策一般に関する
-
外国への対応
施策組3-7 国民との意見交換の充実
-
施策組3-8 財務行政モニター等からの意見・
-
要望等の受付
施策組3-9 情報公開法に基づく行政情報の開
-
示等
施策組3-10 個人情報保護法に基づく適切な対
-
応
施策組3-11 公文書管理法に基づく行政文書の
-
管理
組織運営の方針4
施策組4-1 利用者視点に立ったオンラインの 1 申請・届出等手続のオンライン
利用促進
利用率
2 法人企業統計調査等ネットワー
クシステム調査票回収率
施策組4-2 情報セキュリティ対策の充実・強
-
化
施策組4-3 情報システムの調達手続に係る透
-
明性・公平性の確保
施策組4-4 府省共通業務・システムの最適化 3 予算編成支援システム最適化実
計画等の実施
施事業による年間ランニングコ
スト削減額
4 官庁会計システム最適化実施事
業による年間ランニングコスト
削減額
施策組4-5 個別府省業務・システムの最適化
-
計画の実施
組織運営の方針5
施策組5-1 「平成23年度政策評価書」等の作
-
成・公表
施策組5-2 「平成25年度政策評価実施計画」
-
の策定・公表
施策組5-3 学識経験者等の知見の活用
-
施策組5-4 新たな「政策評価に関する基本計
-
画」の策定・公表
-
施策組5-5 各部局が行う評価の支援や政府全
体にかかる政策評価の充実の取組
への参画
施策組5-6 (財務省予算の)政策評価と予算
-
の連携強化
施策組5-7 効果的・効率的な組織・定員管理
-
- 11 -
1 財務大臣・副大臣等の会見回数
2 財務省後援名義の使用承認件数
3 パンフレット・ポスター作成件数
4 各種施策の説明会の開催件数(国内向け)
5 各種施策の説明会の開催件数(海外向け)
6 各財務(支)局等における講演会等の開催
件数
7 財務省ホームページ「ご意見箱」へ寄せら
れた質問の3日以内の処理件数割合
8 情報公開法の施行状況
1 政策評価に関するホームページへのアクセ
ス件数
2 財務省所管の一般会計予算額の推移(行政
経費分)
業績目標・施策
業績指標
参考指標
(7・101)
(59)
(181(再掲分を除く))
施策組5-8 必要な予算の確保と経費の効果
1 財務省予算監視・効率化チーム
的、効率的執行
会合の開催状況
施策組5-9 公共調達の適正化
-
施策組5-10 行政改革の推進
-
施策組5-11 予算編成等の過程における各府省
-
の政策評価の結果の適切な活用
- 12 -
別紙4
東日本大震災への対応(概要)
―平成 24 年度における主な取組状況―
財務省は、東日本大震災(以下「震災」といいます。
)への対応として、平成 24 年度において
主に以下の取組を行いました。
各々の取組の概要は、以下のとおり。
財政・経済運営
1
(平成24年度補正予算)
・
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」に基づく予算編成。
(平成25年度予算)
・復興関連予算の使途の厳格化。
・平成27年度までの復興財源フレームの見直し。
・東日本大震災復興特別会計(時限的に設置)に公共事業関係費8,487
億円を計上。
・地方財政計画において震災復興特別交付税6,198億円を措置。
(その他)
・復興事業の円滑な執行のための事故繰越手続きの簡素化。
・迅速な請負代金の支払などの資金需要に対応するため土木建築に関す
る工事の前払率を通常の4割以内から5割以内へ引き上げ。
・決算審議の参考に作成している「平成23年度決算の説明」の内容を拡充。
・震災からの復興の支援のための税制上の措置。(高台移転の促進のた
めの措置等)
2
税制
3
国債
「個人向け復興応援国債」の新規発行及び国債広報・販売促進策の充実。
4
財政投融資
5
国有財産
6
政策金融
・「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえた対応。(被災し
た福祉・医療施設の復興資金供給等)
・未利用国有地・国家公務員宿舎等の無償提供等を実施。
・復興・防災目的のために利用可能な国有財産の情報を提供。
・被災地に所在する貸付中の財産について、負担軽減措置を実施。
・一般競争入札制度改正の実施。
・日本たばこ産業株式会社株式の売却や東京地下鉄株式会社株式の売却
準備。
・
「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づく被災企業の資金繰り
の円滑化。
(株式会社日本政策金融公庫等)
・地震保険制度における官民保険責任額の改訂。
・地震保険事業を行う損害保険会社への検査の実施。
7
その他
・
「東日本大震災復興事業記念貨幣」の図柄等の決定等。
・株式会社東日本大震災事業者再生支援機構の監督。
・被災地域に所在する輸出入者等の事務負担の軽減等。
・被災地域に所在するたばこ小売販売業者への許可の弾力的な運用。
・会議・財務局等との連携による被災地域の復旧・復興のための取組を
実施。
・震災施策に関する情報の発信。
- 13 -
東日本大震災への対応
―平成 24 年度における主な取組状況―
1. 財政・経済運営
(平成24年度補正予算)
・
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」に基づく予算編成。
(平成25年度予算)
・復興関連予算の使途の厳格化。
・平成27年度までの復興財源フレームの見直し。
・東日本大震災復興特別会計(時限的に設置)に公共事業関係費8,487億円を計上。
・地方財政計画において震災復興特別交付税6,198億円を措置。
(その他)
・復興事業の円滑な執行のための事故繰越手続きの簡素化。
・迅速な請負代金の支払などの資金需要に対応するため土木建築に関する工事の前払率を通
常の4割以内から5割以内へ引き上げ。
・決算審議の参考に作成している「平成23年度決算の説明」の内容を拡充。
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」に基づき、
「復興・防災対策」
、
「成長による富の重
点化」
、
「暮らしの安心・地域活性化」の3分野に重点化した平成24年度補正予算を編成し、そ
の速やかな執行に努めるとともに、いわゆる「15ヶ月予算」の考え方の下、平成24年度補正予
算と一体的なものとして平成25年度予算を編成しました。
【総合目標1】
、
【総合目標6】
、
【政策
目標1-1】
平成25年度予算編成に当たっては、引き続き被災地の復興の加速を最優先として、きめ細やか
な復興施策を実施するとともに、福島の再生のため原子力災害等からの迅速な再生を推進するこ
ととし、復興関連予算については、被災地の復旧・復興に直接資するものを基本とし、使途の厳
格化を行うこととしました。
【総合目標1】
【政策目標1-1】
また、平成27年度までのいわゆる復興財源フレームを見直し、平成25年度を含め今後の事業費
が19兆円を上回る部分について、日本郵政株式の売却収入等の6兆円程度を充てることとし、復
興財源に対する被災地の不安を払拭することとしました。
【総合目標1】
、
【政策目標1-1】
このため、まちづくりなどの復興の加速化、早期帰還支援など福島の復興の加速などのための経
費4兆3,840億円を東日本大震災復興特別会計に計上しています。【政策目標1-1】
なお、復興関連予算については、被災地の復旧・復興に直接資するものを基本とし、使途の
厳格化を行うこととしています。全国向け予算については、子どもの安全確保に係る特に緊要
性の高い学校の耐震化事業や津波災害を踏まえて新たに必要性が認識された一部公共事業、既
契約の国庫債務負担行為の歳出化分に限り、例外的に復興特別会計に計上することとし、これ
ら経費に係る財源は一般会計から繰入れ、各府省に計上しています。
【政策目標1-1】
予算の分野別の取組として、公共事業関係費については、震災からの復興加速を図るため、
復興のための施策を着実に推進するほか、引き続き、投資の重点化・効率化を図りつつ、国民
の命と暮らしを守る老朽化対策や防災・減災対策などの課題に対応するため、真に必要な社会
資本整備等に取り組むこととしています。
【政策目標1-1】
- 14 -
このほか、震災からの復興への取組として、復興進度に応じた災害復旧等事業費の追加や、
被災地の復興に向けたまちづくりの支援等を実施するとともに、全国的な防災・減災対策とし
て、従来の対象事業を厳格に見直し、巨大津波による被害を受けて新たに認識された技術上の
課題に対応するための事業であって、緊急的に実施する必要が高く、即効性のあるものに限定
して実施することとしており、東日本大震災復興特別会計に公共事業関係費8,487億円を計上
しています。
【政策目標1-1】
「平成25年度地方財政計画」において、震災復興特別交付税6,198億円を措
地方財政については、
置するなど震災対応に万全を期すほか、
「平成25年度予算編成の基本方針」に沿って、歳出面
では、国の歳出の取組と基調を合わせて、給与関係経費をはじめとする歳出分野にわたり抑制
を図るとともに、歳入面では、地方財政の運営に支障が生じないよう、適切な補填措置を講じ
ました。
【政策目標1-1】
【政策目標1-5】
公務員等の人件費については、我が国の厳しい財政状況及び震災や地域の防災・経済活性化
などに対処する必要性に鑑み、国・地方を通じて、例年にない大きな抑制を行っています。
【政
策目標1-1】
特別会計については、
「特別会計に関する法律の一部を改正する法律」
(平成24年法律第15号)
に基づき、平成24年度から東日本大震災復興特別会計が時限的に設置されました。
【政策目標
1-1】
【政策目標1-6】
また、震災からの被災地の復興を着実に進める観点から、復興事業の円滑な執行に資するよ
う、添付資料や財務局によるヒアリングの廃止など事故繰越事務手続きの簡素化を図りました。
【政策目標1-3】
さらに、震災の被災地域においては、迅速な請負代金の支払など資金需要への対応が必要で
あるとの観点から、土木建築に関する工事の前払率を通常の4割以内から5割以内へ引き上げ
るなどについて承認しました。
【政策目標1-3】
決算審議の参考に供するために作成している「決算の説明」についても、平成23年度決算に
おいては、震災復旧・復興関係経費の決算の概要を明らかにすることを目的として、その経費
の概要や事業実績等を掲載し、内容の拡充を図りました。
【政策目標1-4】
2. 税制
・震災からの復興の支援のための税制上の措置。(高台移転の促進のための措置等)
平成25年度税制改正では、現下の経済情勢等を踏まえ、
「成長と富の創出の好循環」の実現、
社会保障・税一体改革の着実な実施、震災からの復興の支援等のための税制上の措置を講ずる
ほか、期限切れ租税特別措置の延長等を行うため、
「所得税法等の一部を改正する法律案」を
国会に提出しました。当該法律案は、平成25年3月29日に成立しました。【総合目標2】【政
策目標2-1】
具体的には、高台移転をさらに推進するため、一定の要件を満たす防災集団移転促進事業で
行われる土地等の買取りに係る譲渡所得に対しては、5,000万円特別控除を適用するなどの措
置を講じています。
- 15 -
3. 国債
・「個人向け復興応援国債」の新規発行及び国債広報・販売促進策の充実。
個人投資家については、平成24年度において、平成23年度に引き続き「個人向け復興国債」
を発行したほか、新たに「個人向け復興応援国債」を発行しました。「個人向け復興応援国債」
は、当初3年間は通常より低い金利が適用され、購入者には3年目の残高に応じて27年度に発
行する「東日本大震災復興事業記念貨幣」を贈呈するものです。
また、国債広告では、復興応援国債の保有者に贈呈される東日本大震災復興事業記念貨幣を
周知するためのリーフレットを作成するとともに、イメージ・キャラクターとして複数名の著
名人を起用するなど、「個人向け復興国債」及び「個人向け復興応援国債」の一層の周知に努
めました。
一方で、復興債の購入に対する個人のニーズに一巡感があることや金利低下等の影響により、
足元では個人向け販売が低迷しています。そのため、
「国債トップリテーラー会議」等を通じ、
引き続き個人投資家に対する販売促進に取り組んでいます。【政策目標3-1】
4. 財政投融資
・「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえた対応。(被災した福祉・医療施設の復
興資金供給等)
平成25年度財政投融資計画を策定するに当たっては、引き続き対象事業の重点化・効率化を
図るとともに、
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえ、引き続き震災からの復興
に対応しつつ、長期リスクマネー等を呼び水として供給し、民間投資の喚起、経営改善に取り
組む中小企業等の支援や日本企業の海外展開支援等に積極的に対応することとしました。
【総
合目標3】
【政策目標3-2】
平成25年度財政投融資計画要求の審査に当たっては、対象事業の重点化・効率化を図る一方、
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえ、必要な資金需要に的確に対応することと
し、各府省庁・各機関より提出された政策評価や政策コスト分析を活用し、各事業の民業補完
性・償還確実性等を精査することに努めました。【政策目標3-2】
その結果、(独)福祉医療機構等において、震災により被災した福祉・医療施設の復興等に
必要な資金を含め、福祉医療サービスの基盤強化の観点から、必要な資金需要に的確に対応し
た結果、平成25年度財政投融資計画の規模は増加しています。
【政策目標3-2】
5. 国有財産
・未利用国有地・国家公務員宿舎等の無償提供等を実施。
・復興・防災目的のために利用可能な国有財産の情報を提供。
・被災地に所在する貸付中の財産について、負担軽減措置を実施。
・一般競争入札制度改正の実施。
・日本たばこ産業株式会社株式の売却や東京地下鉄株式会社株式の売却準備。
震災への対応として、地方公共団体等に対し未利用国有地・国家公務員宿舎等の情報を提供
し、要請に応じて無償提供等を行いました。【総合目標3】
震災直後(平成23年3月12日)から、東北財務局をはじめとする各財務局・各財務事務所か
ら被災した地方公共団体及び政府の緊急災害対策本部事務局等に対し、応急仮設住宅建設用地
- 16 -
やがれき置き場等の緊急対応に利用可能な未利用国有地(財務省所管・各省各庁所管)に関す
る情報を提供し、地方公共団体からの要請に応じて無償貸付を行いました。【政策目標3-3】
また、「防災基本計画」(中央防災会議)において、防災に関する諸活動の推進に当たって
は、国有財産の有効活用を図るとされたことを受けて、防災目的のために国有財産を取得等す
ることが可能である旨を全国の地方公共団体防災担当に周知するとともに、利用可能な国有財
産を情報提供するスキームを構築しました。【政策目標3-3】
被災者の方々の二次避難のため、復興庁との連携の下、引き続き、受け入れが可能な国家公
務員宿舎等の情報をとりまとめ、同じく利用可能な公営住宅等とあわせ、復興庁のホームペー
ジにおいて公表し、各財務局・各財務事務所から各都道府県に情報提供を行いました。また、
地方公共団体の要請に応じ、既に被災者の方々に提供されている宿舎については継続使用し、
新たに要請のあった宿舎については無償提供を行いました(平成25年3月29日時点の国家公務
員宿舎等への入居戸数:1,382戸)。【政策目標3-4】
震災の復興財源の確保及び行政改革を推進する観点から、一般競争入札の実施に当たって、
物納不動産(土地)に限らず、すべての不動産について、原則として最低売却価格(予定価格)
を公表する制度改正を行いました。【政策目標3-3】
震災における被災地に所在する貸付中の財産については、その被災状況に応じて貸付期間の
不算入措置や貸付料の減額措置を講ずるなど、貸付相手方からの相談に丁寧に対応しました。
【政策目標3-3】
「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別
措置法(平成23年法律第117号)」等により売却可能となった日本たばこ産業株式会社株式3
億3,333万3,200株については、株式市況等を見極めた結果、平成25年2月から3月にかけて、
日本たばこ産業株式会社の自己株式取得への売付けにより8,007万1,400株、売出しにより2億
5,326万1,800株を売却しました。この結果、ネット売却収入は約9,734億円となりました。東
京地下鉄株式会社株式については、株式売却の環境が整った時に売却が可能となるよう所要の
事務準備を進めました。【政策目標3-3】
6. 政策金融
・
「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づく被災企業の資金繰りの円滑化(株式会社日
本政策金融公庫等)
。
・地震保険制度における官民保険責任額の改訂。
・地震保険事業を行う損害保険会社への検査の実施。
(1)政策金融機関等
震災への対応として、平成23年度に引き続き、
「東日本大震災からの復興の基本方針」を受
け、日本政策金融公庫の融資制度等について、以下の措置を講じ、被災企業の資金繰りの円滑
化を図っていきました。
① 日本政策金融公庫:
「東日本大震災復興特別貸付」の継続、
「再挑戦支援資金」の貸付に
係る金利等の引下げの継続、「東日本大震災復興緊急保証」の適用
期限の延長
② 指定金融機関(※)
:危機対応業務の一環として資本性資金を融資する制度を導入
- 17 -
※ 指定金融機関とは、内外の金融秩序の混乱、大規模災害等の危機発生時において、危機対応
業務を行うため、株式会社日本政策金融公庫からのリスク補完等を受け、政府が指定する金融
機関をいう(現時点では、指定を受けたものとみなされている株式会社日本政策投資銀行及び株
式会社商工組合中央金庫のみ)。
その結果、東日本大震災復興特別貸付が5兆円の実績を上げるとともに、東日本大震災復興
緊急保証に係る保険引受額が2兆円に上りました。
【政策目標7-1】
(2)地震再保険
震災等を踏まえ、関連各分野の有識者をメンバーとして平成24年4月に設置した「地震保険
制度に関するプロジェクトチーム」
(以下「PT」
)において、地震保険制度をより良いものと
するため、制度の見直しについて幅広く検討が行われ、平成24年11月に報告書が取りまとめら
れました。
PTの報告書では、震災により民間準備金が激減する一方、今後も巨大地震の発生が懸念さ
れる中、地震保険制度の強靭性向上が喫緊の課題とされました。これを受け、平成25年度予算
において、巨大地震による民間準備金の枯渇後、補正予算や政省令改正等によって民間保険責
任の減額を行うまでの間をつなぐ方策として、民間の保険責任額を民間準備金残高よりも低い
水準に設定することで保険金の支払能力に余力(バッファー)を確保するよう、官民保険責任
額の改訂を行いました。
地震保険事業を行う損害保険会社5社に対して検査を実施しました。
平成24年度は、震災に係る損害調査書について
・損害状況を正確に認定しているか
・損害割合の算出過程に誤りはないか
等の視点で検査を行い、保険金支払請求書については、
・罹災日、損害認定日、保険金請求日、保険金請求額に齟齬や誤りが無いか
等の視点で検査を行った結果、損害割合の算出過程における計算間違いや、損害調査書の記載誤
りは見受けられましたが、保険金支払額が変更となる事案はありませんでした。
【政策目標8-1】
7. その他
・
「東日本大震災復興事業記念貨幣」の図柄等の決定等。
・株式会社東日本大震災事業者再生支援機構の監督。
・被災地域に所在する輸出入者等の事務負担の軽減等。
・被災地域に所在するたばこ小売販売業者への許可の弾力的な運用。
・会議・財務局等との連携による被災地域の復旧・復興のための取組を実施。
・震災施策に関する情報の発信。
(1)通貨・金融システム
震災からの復興事業を国民的事業と位置付け、復興への願いと鎮魂の思いを込めて、集中
復興期間の最終年度である平成27年度に「東日本大震災復興事業記念貨幣」を発行すること
とし(平成24年2月21日閣議決定)
、その発行に向け、一万円金貨幣及び千円銀貨幣の図柄
等を決定しました。
【政策目標4-1】
また、東日本大震災復興事業記念貨幣のデザイン公募については、入選者の方々を財務省
へお招きして表彰式を開催(平成24年6月11日)するなど、本記念貨幣の広報に努めました。
- 18 -
【政策目標4-1】
株式会社東日本大震災事業者再生支援機構について、平成25年度予算の認可等の監督を行
いました。なお、平成24年度においては、167件の支援決定が行われました。
【政策目標4-2】
(2)税関手続
震災への対応については、平成23年5月30日に発表した「東日本大震災からの復興に係る
税関の支援策」
(http://www.mof.go.jp/customs_tariff/ka230530.htm)に基づき、被災地
域に所在する輸出入者等の事務負担の軽減等を行うなど、被災地域の物流・貿易の円滑化・
活性化により、被災地の復興支援に引き続き取り組みました。
【政策目標5-3】
(3)たばこ・塩事業
被震災によって被災されたたばこ小売販売業者の営業再開が円滑に行われるよう、被災地
域での営業所の仮移転の許可、避難施設における出張販売の許可を弾力的に運用しており、
平成24年度においては、63件の処理をしました。
【政策目標11-1】
(4)会議・財務局等との連携
復興推進会議において、「総理指示を踏まえた復興加速への当面の取組等について」を関
係機関とともに策定するなど、被災地域の復旧・復興のための取組を推進してきました。
財務局長会議においては、本省から財務省の施策に関して説明を行うとともに、政策の企
画立案の前提となる事項を把握するため、震災による管内経済の影響等について、各財務局
から大臣をはじめとする本省幹部に報告を行いました。
また、本省と東北財務局及び関東財務局との間で必要な連絡調整を行いました。具体的に
は、被災地の実情を把握するため、大臣、副大臣及び大臣政務官が、岩手、宮城及び福島の
3県に赴き、視察及び首長等と意見交換を行いました。東北財務局は、被災地方公共団体か
らの要望等の把握を積極的に行い、実現に向け省内と調整を行いました。引き続き被災した
地方公共団体に宿舎及び未利用国有地等の情報を提供するとともに、被災地の復興を着実に
進める観点から復興事業の円滑な執行に資するよう事故繰越事務手続きの簡素化を図り対応
しました。【組織運営の方針1】
(5)広報活動
震災に関する情報の発信に当たっては、震災関連情報コーナーを引き続き設置し、現在も
財務省ホームページのトップページからのアクセスを可能としています。
【組織運営の方針3】
- 19 -
- 20 -
1
「政策の目標」ごとの評価意見
- 21 -
- 22 -
(平成 24 年度評価意見の記載に当たっての基本的考え方)
1.評価意見には、「政策の目標」について実施した実績評価の評価結果及びその判断理由
等を記載しています。
(注)この評価意見は、各局課評価担当組織と政策評価室による二段階の評価体制で審査し、財務
省政策評価委員会が総合的観点から調整した結果を示しています。
2.評価に当たっては、「政策評価に関する基本計画」及び「政策評価の実施要領」を踏ま
え、以下のとおり行いました。
(1)多面的な評価を行うべく、「政策の目標」ごとに次の4つの観点を評価基準として評
価しました。
イ.指標等に照らした「政策の目標」の達成度。
ロ.「政策の目標」を達成するための事務運営のプロセス(施策・活動の手段や進め方)
が適切、有効、効率的であったか。
ハ.結果の分析(特に目標未達成の場合の反省点の把握)が的確に行われているか。
ニ.当該政策自体の改善や、政策評価システムの運用の改善について有益な提言がなさ
れているか。
(2)評価意見の様式は、「評価意見様式」(別紙5、P72参照)とし、上記観点による評
価に当たっては、「評価マニュアル」(別紙6、P73参照)を参考としています。また、
「評価意見」の「評価基準ごとの審査」欄において、各観点からの評価結果をパターン
化した文言で示すとともに、「評価の判断理由等」欄において、その評価結果の判断理
由等を記述しています。
(3)評価意見の「講評」欄に記載した意見や、これらの意見についての議論を踏まえ、最
終的に評価しています。
- 23 -
「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
総合目標1:我が国における少子高齢化等の社会経済情勢の変化、厳しい財政状況を踏まえ、
社会保障・税一体改革を継続するとともに、国・地方のプライマリーバランスに
ついて、2015年度までにその赤字の対GDP比を2010年度の水準から半減し、
2020年度までに黒字化するとの財政健全化目標達成に向け、歳入・歳出両面にお
いて財政健全化に向けて取り組む
(評価書 81 頁)
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
B 達成に向けて進展があった。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
おおむね適切であった。
おおむね有効であった。
おおむね効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
平成25年度予算編成に当たっては、国債に対する信認を確保するた
め、公債発行額をできる限り抑制し、税収が公債金を上回る状況を回
復させるとともに、一般会計のプライマリーバランスを着実に改善さ
せている。また、平成27年度までのいわゆる復興財源フレームを見直
し、平成25年度を含め今後の事業費が19兆円を上回る部分について、
日本郵政株式の売却収入等の6兆円程度を充てることとし、復興財源
に対する被災地の不安を払拭することとしている。
また、我が国における少子高齢化等の社会経済情勢の変化、厳しい
財政状況を踏まえ、社会保障制度の改革を行うとともに、社会保障の
充実と安定化に必要な財源として、幅広い国民が負担を分かち合う仕
組みを構築することを目指し、社会保障・税一体改革を継続し、税制
抜本改革法案等の一体改革関連法案を成立させている。
しかしながら、引き続き、我が国の財政状況は極めて厳しい状況で
あること等に鑑み、「B 達成に向けて進展があった。」と評価し
た。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
平成25年度予算では、4年振りに税収が公債金を上回る状態を回復
させるとともに、プライマリーバランスを着実に改善させ、財政健全
化目標の達成に向けた第一歩の予算としている。
(有効性)
財政状況の悪化を防ぐため、歳出の無駄を最大限縮減しつつ、日本
経済再生の実現に向けた取組に重点的な配分している。
(効率性)
厳しい財政状況の中でも、日本経済再生の実現に向けた取組に重点
的な配分を行う一方で、生活保護や地方公務員給与等について適正
化・見直しを行う等、予算の効率化を図っている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
可能な限り定量的・具体的な説明に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
政策について有益な提言がなされている。
日本の財政に対する信認を確保していくために、社会保障・税一体
政策評価について有益な提言がなされている。
改革を継続するとともに、国・地方のプライマリーバランスについ
て、2015年度までにその赤字の対GDP比を2010年度の水準から半減
し、2020年度までに黒字化するとの財政健全化目標達成に向けて、歳
入・歳出両面において財政健全化に向けて取り組むこととしている。
(政策評価の改善)
平成25年度実施計画において、我が国の直近の経済財政運営等を踏
まえ、目標の見直しが行われている。
講 評
○ 税制抜本改革法案等の一体改革関連法案を成立させたこと及び一般会計のプライマリーバランスを改善す
( 平 成 25 年 6 月
るなどの成果があったことから、Aと評価すべきである。
「財務省の政策評
多くの成果をあげたにもかかわらず、「引き続き財政状況が厳しい」という理由でB評価にすることには
価の在り方に関す
納得感がない。プライマリーバランスの黒字化は2020年度を目標としているので、「財政状況が厳しい」と
る懇談会」)
いう理由でB評価になるならば、2019年度までは全てB評価以下となってしまう。
目標を立てる際、2020年度の黒字化に向けて、今年度は何を実施するか、どこまで達成するかを明確にす
べきである。
○ 相も変わらず新たに多額の公債を発行しており、その結果天文学的と言える累積金銭債務を一方的に将来
世代に残すという「成果」だけを見れば、到底肯定的な評価は選択できないといえるが、この政策評価の本
来の趣旨からすれば事務方の目標に向けての尽力を評価するものであるからB評価となることは致し方ない
ものと考える。
○ プライマリーバランスについて、その赤字の対GDP比を、2015年までに半減させるという目標をずっと掲げ
てきているが、これからは、ストック目標として、債務残高の対GDP比をヨーロッパのマーストリヒト条約基
準の60%といった指標を、フロー目標と同時に将来的には設定して欲しい。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
平成 24 年度政策評価書
- 24 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
総合目標2:我が国の経済・社会の構造変化に対応し、成長と雇用の実現、社会保障改革とそ
の財源確保といった我が国の喫緊の課題に応えるため、税制の抜本的な改革に取
り組む
「政策の目標」
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
94 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
平成24年度においては、社会保障・税一体改革や、平成25年度税制
改正に取り組んでおり、目標の達成に向けて様々な進展がみられる。
社会保障・税一体改革では、社会保障の安定財源の確保及び財政の
健全化を同時に達成することを目指し、「社会保障の安定財源の確保
等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正す
る等の法律案」を国会に提出した。当該法律案は、自由民主党、公明
党、民主党の3党の協議・合意を踏まえ、一部修正され、平成24年8
月10日に成立した。
また、平成25年度税制改正では、現下の経済情勢等を踏まえ、「成
長と富の創出の好循環」の実現、社会保障・税一体改革の着実な実
施、震災からの復興の支援等のための税制上の措置を講ずるほか、期
限切れ租税特別措置の延長等を行うため、「所得税法等の一部を改正
する法律案」を国会に提出した。当該法律案は、平成25年3月29日に
成立した。
こうした状況を総合的に勘案し、「A 達成に向けて相当の進展が
あった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
税制に関する諸課題について、過去の法律や、平成25年度税制改正
の大綱、三党合意等を踏まえて検討が行われており、その検討の結果
として「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行
うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」や「所得税法等の
一部を改正する法律案」を国会に提出した。
(有効性)
平成25年度税制改正では、税制上の様々な措置を講ずることとし、
「所得税法等の一部を改正する法律案」が取りまとめられており、
「成長と富の創出の好循環」の実現等に向けて有効と考えられる。
(効率性)
各府省等の政策評価の結果を記載した要望書を各府省等との議論の
材料とすることにより、平成25年度税制改正の検討を効率的に行って
いる。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
参考指標を適切に設定し、事務運営の的確な把握に努め、分析を行
っている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
税制について、我が国の経済・社会の構造変化に対応し、我が国の
喫緊の課題に応えるため、各年度の税制改正作業等に取り組むことと
されている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
- 25 -
総合目標3:経済金融情勢及び財政状況を踏まえつつ、市場との緊密な対話に基づき、国債発
行計画の策定等の国債管理政策を遂行し、中長期的な調達コストの抑制を図りな
がら、必要とされる財政資金を確実に調達する。また、対象事業の重点化・効率
化を図りつつ、政策的必要性等の観点から財政投融資を活用するほか、「新成長
戦略における国有財産の有効活用について」等を踏まえ、未利用国有地等の活用
や庁舎及び宿舎の最適化の推進など国有財産の有効活用に取り組む
「政策の目標」
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
価 意
97 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
国債発行については、「国債市場特別参加者会合」等の各種懇談会
を通じ、丁寧に市場との対話を行いながら、適切な国債管理政策を遂
行している。平成24年度においては、特例公債法案の成立が遅れる
中、市場参加者からの要請に基づき、10月に臨時の国債市場特別参加
者会合を開催するなど、同法案の成立遅延が市場に与える影響につい
て市場参加者の意見の把握に努めたほか、平成24年度補正後の国債発
行計画の見直しにおいては、年金特例国債2.6兆円の発行、建設国債
5.5兆円の増発等を行う中、出納整理期間発行の活用により、入札に
よる市中への発行額を0.6兆円の増額に抑え、市場への影響を極力抑
制しながら、年度を通じて必要な資金調達を行っている。また、平成
25年度国債発行計画の策定にあたっては、市場のニーズ・動向等を踏
まえつつ、国債の償還が将来の特定の年に集中することを回避するよ
う国債の発行年限のバランスのとれた発行額を設定している。
国債整理基金残高により備えてきたオペレーショナル・リスク(大
規模災害やシステム障害等により借換債発行ができない事態)に対し
ては、日本銀行と協議した結果、同行からの一時借入による対応が可
能となったことから、平成25年度国債発行計画においては、基金残高
を当該一時借入の対象外である国債入札の偶発的な未達に備えた水準
まで圧縮し、圧縮分は国債償還に充て借換債の発行を抑制することに
より、利払費の抑制に努めることとしている。
財政投融資計画については、引き続き対象事業の重点化・効率化を
図るとともに、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえ、
引き続き東日本大震災からの復興に対応しつつ、長期リスクマネー等
を呼び水として供給し、民間投資の喚起、経営改善に取り組む中小企
業等の支援や日本企業の海外展開支援等に積極的な対応を行っている
ほか、ディスクロージャーの充実を図っている。
国有財産については、地域や社会のニーズに対応した未利用国有地
等の活用や「国家公務員宿舎の削減計画」を踏まえ、順次、削減に向
けた取組を進めている。
こうした状況を総合的に勘案し、「A 達成に向けて相当の進展が
あった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
国債発行計画の策定については、「国債市場特別参加者会合」等の
各種懇談会等を通じて市場との対話を行っているほか、財政投融資計
画については、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえ、
対象事業の重点化・効率化を図りつつ、必要な資金需要に的確に対応
することに努めている。また、国有財産については、「新成長戦略に
おける国有財産の有効活用について」等を踏まえ、未利用国有地の活
用を推進している。
(有効性)
国債発行計画の年限配分に当たっては、市場のニーズ・動向等を踏
まえ、国債の発行年限のバランスのとれた発行額を設定している。
(効率性)
財政投融資について、政策評価や政策コスト分析を活用しつつ、対
象事業の一層の重点化・効率化を実施している。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
参考指標を用い、可能な限り定量的な分析に努めている。
平成 24 年度政策評価書
- 26 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
確実かつ円滑な国債発行により、必要とされる財政資金を確実に調
達するとともに、中長期的な調達コストを抑制していくことによって
円滑な財政運営の基盤を確保するという基本的な考え方に基づいて国
債管理政策を運営するほか、財政投融資の重点化・効率化を行うとと
もに、国有財産の有効活用等に取り組むこととしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
- 27 -
「政策の目標」
総合目標4:金融システムの状況を踏まえながら、関係機関との連携を図りつつ、金融破綻処
理制度の整備・運用を図るとともに、預金保険法等の法令に基づき、金融危機管
理を行うことにより、金融システムの安定の確保を図る。また、通貨の流通状況
を把握し、偽造・変造の防止等に取り組み高い品質の通貨を円滑に供給すること
により、通貨に対する信頼の維持に貢献する
(評価書
評
価 意
見
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
【参考指標 総4-1】預金保険機構等に対する政府保証枠 (単位:兆円)
平成21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
預金保険機構
52
51
51
51
51
一般勘定
19
19
19
19
19
危機対応勘定
17
17
17
17
17
3
3
3
3
金融再生勘定
4(注)
金融機能強化勘定
12
12
12
12
12
生命保険契約者保護機構
0.46
0.46
0.46
0.46
0.46
銀行等保有株式取得機構
20
20
20
20
20
―
3
3
1.70
1
―
―
―
0.50
0.50
(株)地域経済活性化支援
機構
(株)東日本大震災事業者
再生支援機構
(出所)預金保険機構の資料を基に、大臣官房信用機構課で作成
(注)過去に行った資産買取等を経理する勘定のため、買取資産の回収の進展等に対応し
て、1兆円減額
【参考指標 総4-3】平成24年度における日本銀行券及び貨幣の製造枚数
日本銀行券
貨幣
製 造 枚 数
製造枚数(千枚)
(億枚)
一万円
10.5
千円
五千円
2.3
五百円
270,780
千円
18.7
百円
400,000
合計
31.5
五十円
660
662
十円
240,000
五円
662
一円貨
662
合計
913,426
(注)貨幣の製造枚数には記念貨幣を含む。
平成 24 年度政策評価書
- 28 -
102 頁)
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
金融システムの安定を確保するためには、金融機関等
を巡る状況を勘案し、信用秩序維持のための制度の整
備・運用を進めていく一方で、金融機関の安易な救済に
よって国民負担が生じないよう、バランスを取ることが
重要である。
平成24年度は、このような考えの下、金融庁等と連携
を取りつつ、金融審議会への参画、預金保険機構等に対
する政府保証枠の設定等を行っている。
また、個々の企業の再生支援も含めた地域活性化に資
する支援を通じて、地域の信用秩序の基盤強化を図るこ
とも重要であり、平成24年度は、金融庁、内閣府等と連
携し、株式会社地域活性化支援機構の改組等を通じて、
地域活性化に資する支援も行っている。
通貨に関しては、貨幣について平成24年度においても
当該年度途中に当該年度の需要を再度見極め、所要の計
画変更を行うなど、適切に製造計画を策定している。ま
た、国内外の関係機関との連絡を密にし、通貨の偽造・
変造を防止する環境を整備している。
以上の施策により、平成24年度における金融システム
を巡る状況を踏まえながら、金融システムの安定及び通
貨制度の運用に相当の進展がもたらされたものと評価で
きることから、「A 達成に向けて相当の進展があっ
た。」とした。
1 「政策の目標」ごとの評価意見
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
適切であった。
金融庁等と連携をとりつつ、金融規制改革の議論の進
有効であった。
展や金融破綻処理制度の整備・運用や金融危機管理に努
効率的であった。
めている。通貨の偽造・変造防止に向け、国内外の関係
機関との態勢整備を行っている。
(有効性)
金融機関等をめぐる情勢の変化や公的資金の回収状況
等を踏まえつつ、金融破綻処理や金融危機管理などに十
分対応できる規模の政府保証枠を設定している。平成24
年度発行の記念貨幣に、偽造抵抗力の高い技術を引き続
き採用している。
(効率性)
金融庁等と連絡調整を密に行い、事務運営を効率的に
行っている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
3 結果の分析の的確性
金融システムの現状について、主要行等の不良債権比
おおむね的確に行われている。
率等の参考指標を用いて分析している。
(今後の提言等)
4 当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
(政策の改善)
政策について提言がなされている。
金融システムの状況を踏まえながら、金融庁等と連携
をとりつつ、金融破綻処理制度の整備・運用や金融危機
管理に努めることとしている。
また、通貨に対する信認を確保するため、独立行政法
人国立印刷局・造幣局、国内外の通貨当局等との連携を
図り、通貨の偽造・変造防止への環境整備に引き続き取
り組むこととしている。
講 評
○ 金融破綻処理制度の整備・運用により金融システムの安定の確保及び通貨に対する信頼の維持を達成した
( 平 成 25 年 6 月
ことから、Sと評価することが適切である。
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
- 29 -
総合目標5:我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問題への対応を含む国際的
な協力等に積極的に取り組むことにより、世界経済の持続的発展、国際金融シス
テムの安定及びそれに向けた制度強化、アジアにおける地域協力の強化、開発途
上国の経済社会の発展、国際貿易の秩序ある発展を目指す。特に、我が国を含む
アジア諸国が共に成長するため、アジアにおける「新成長戦略」を推進する
「政策の目標」
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
価 意
107 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
世界経済の持続的発展及び国際金融システムの安定に関しては、G20やG
7における国際的な議論・取組に積極的に参画するとともに、他国に先駆
け、IMFに対する600億ドルの資金貢献を表明し、IMFの資金基盤強化を主導
するほか、IMFの機能強化等の議論にも積極的に参画している。
アジアにおける地域金融協力の強化に関しては、ASEAN+3財務大臣・中
央銀行総裁プロセスにおいて積極的に取り組んでいる。チェンマイ・イニ
シアティブに関しては、その有効性を高めるべく、規模の増額を含む現行
の危機対応機能の強化、及び危機予防機能を柱とする強化策に合意し、域
内の経済監視を行う常設機関であるASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィ
ス(AMRO)に関しては、更なる組織強化の検討及び国際機関化に向けた準
備の加速に合意している。また、二国間金融協力に関しては、中国との間
では、平成24年6月に東京市場と上海市場で円と人民元の直接交換取引が
開始され、また、インドとの間では、総額150億ドルの二国間日印通貨スワ
ップ取極を平成24年12月に締結している。
途上国支援に関しては、円借款の効率的・戦略的な活用、JICA(国際協
力機構)の海外投融資の本格再開、JBIC(国際協力銀行)の機能強化等に
取り組むとともに、国際開発金融機関(MDBs)を通じた支援に関して、我
が国は主要出資国として、業務運営に積極的に参画し、これらの機関と連
携して支援を行っている。特に、ミャンマーに関しては、民政移管以降の
様々な改革の進展を踏まえ、延滞債務問題を包括的に解決する道筋につき
合意し、世銀・ADB及び我が国に対する延滞債務を解消し、本格支援が再開
するに至っている。
国際貿易に関しては、平成13年に開始されたWTOドーハ・ラウンド交渉が
膠着状況の下、財務省が主に交渉を担当する貿易円滑化分野は、ドーハ・
ラウンドにおいて唯一全加盟国による交渉が継続している分野となってい
る。また、主要先進国・新興国間のFTA・EPAは広がっていく状況にあり、
我が国においては、環太平洋パートナーシップ(TPP)、日EU・EPA、
RCEP、日中韓FTA等に関して進展があった。今後仮にこれらの協定がすべて
発効すれば、我が国の貿易量の83.8%がEPA・FTA協定の対象となるが、財
務省はEPA共同議長4省の一角としてこうした政府全体の取組に積極的に貢
献している。
アジア成長戦略の推進に関しては、我が国システムの海外展開の促進を
ファイナンス面から支援するため、円借款の一層の積極的な活用を図って
いる。さらに、平成24年4月にJBICが日本政策金融公庫から分離して新た
な組織となり機能強化されたところ、新組織の下で、我が国企業による海
外事業展開がより積極的に行われるようJBICの更なる機能強化に取り組ん
でいる。
また、平成24年10月には、IMF・世界銀行年次総会を我が国で48年ぶりに
開催し、様々な会合や二国間会談も併せて実施することで、世界経済・国
際金融システムの主要課題への対応や開発問題に関して有意義な議論を実
現している。
このように、世界経済の持続的発展や国際金融システムの安定に向けた
取組、アジアにおける地域金融協力の強化、途上国支援、国際貿易の秩序
ある発展やアジア成長戦略の推進等に積極的に取り組み、具体的な成果・
進展があったことから、「A 達成に向けて相当の進展があった。」と評
価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
G20等の国際的な枠組みへの参画やアジア成長戦略の推進のための
取組等は、目標を達成するために必要な施策であり適切であった。
平成 24 年度政策評価書
- 30 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
(有効性)
G20声明等に示されているとおり、我が国を主要メンバーとする国
際社会の協調が世界経済及び金融の安定の回復に貢献している。ま
た、アジアにおける地域金融協力の強化や途上国支援等にも積極的に
貢献している。さらに環太平洋パートナーシップ(TPP)、日EU・
EPA、RCEP、日中韓FTA等に関して進展があった。よって、有効であっ
た。
(効率性)
財務省単独で解決することが困難な政策課題に関して、G20各国や
国際金融機関等の多様な主体と適切に連携して実行し、具体的な成
果・進展を得た。従って、効率的であった。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
業績指標の設定が困難な分野であるが、参考指標の設定は妥当であ
り、統計データの検証可能性も出所を明示することで担保されている
ため、結果の分析はおおむね的確に行われている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
今後取り組むべき具体的な手段(G20等の国際的な枠組みへの積極
的な参画、アジアにおける地域金融協力強化の取組、関税に関する国
際的な取組)に言及している。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
- 31 -
総合目標6:総合目標1から5の目標を追求しつつ、震災対応に取り組むとともに、財政健全化
と経済成長との両立を図る観点から、デフレ脱却・安定的な経済成長の実現に寄与
することを目指し、関係機関との連携を図りつつ、適切な財政・経済の運営を行う
「政策の目標」
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
B 達成に向けて進展があった。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への
提言
政策について有益な提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
117 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
平成24年度の我が国経済は、夏場にかけて回復に向けた動きが見られたものの、
その後、世界景気の減速等を背景として輸出や生産が減少するなど、弱い動きとな
り、底割れが懸念される状況となったが、年末からは、景気回復への期待を先取り
する形で株価の回復等もみられている。物価の動向についてみると、緩やかなデフ
レ状況にある。
デフレ不況から脱却し、雇用や所得を拡大させ、強い日本経済を取り戻すため、
大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」
を一体的かつ強力に実行している。
まず、デフレ脱却と経済成長の実現に向け、日本銀行と政策連携を強化し、一体
となった取組として、平成25年1月22日に共同声明を取りまとめている。次に、緊
急経済対策に基づき、復興・防災対策等の3分野に重点化した平成24年度補正予算
を編成し、その速やかな執行に努めるとともに、いわゆる「15ヶ月予算」の考え方
の下、平成24年度補正予算と一体的なものとして平成25年度予算を編成している。
さらに、政府は、日本経済の競争力と成長力の強化に向け、大胆な規制・制度改革
を含む野心的な成長戦略を平成25年半ばを目途に取りまとめることとしている。
平成25年度予算編成の基本方針において、平成27年度までに国・地方のプライマ
リーバランスの赤字の対GDP比を平成22年度の水準から半減し、平成32年度までに
国・地方のプライマリーバランスを黒字化するとの財政健全化目標を決定してお
り、今後は、財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋について、経済財政
諮問会議において検討を進めていくこととしている。平成25年度予算編成について
は、4年振りに税収が公債金を上回る状態を回復するなど、プライマリーバランス
を着実に改善させ、財政健全化目標の達成に向けた第一歩となる予算としている。
なお、社会保障・税一体改革については、平成24年8月10日に「社会保障の安定財
源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等
の法律案」等が成立している。
こうした状況を総合的に勘案し、「B 達成に向けて進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
現下の経済情勢に対応して、適切な財政・経済の運営を行っている。
(有効性)
関係機関と連携を図りながら、経済情勢についての適時、的確な判断を行い、有
効な事務運営ができるよう努めている。
(効率性)
関係機関と緊密な連携を図ることで、経済対策の取りまとめ等を効率的に行って
いる。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
参考指標を使用しつつ、可能な限り定量的・具体的な説明に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
政府は、日本経済の競争力と成長力の強化に向け、大胆な規制・制度改革を含む
野心的な成長戦略を平成25年半ばを目途に取りまとめることとしており、財務省と
しても、関係府省と連携し、この検討に参画することとしている。また、政府は、
財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋について、経済財政諮問会議にお
いて検討を進め、その上で、財政健全化目標を実現するための中期財政計画を年央
を目途に作成することとしている。財務省としても、関係府省と連携しながら、社
会保障・税一体改革を継続するなど、適切な財政・経済の運営を行うこととしてい
る。また、共同声明にのっとり、政府及び日本銀行の政策連携を強化し、デフレ脱
却と経済成長の実現に向け、一体となって取り組むこととしている。
○ 社会保障・税一体改革法案が成立したことから、Aと評価すべきである。何が不充分でAと評価できなかったのか、評価
の基準が良く分からない。
平成 24 年度政策評価書
- 32 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標1-1:重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
B 達成に向けて進展があった。
目標値
増加
(398,758件)
実績値
316,812件
(注)( )は23年度の数値
【参考指標 1-1-1】一般会計予算の主要経費構成比
(単位:億円、%)
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
おおむね適切であった。
おおむね有効であった。
おおむね効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
見
評価の判断理由等
「政策の目標」の達成度
業績指標
予算・決算ホームページ
へのアクセス件数
123 頁)
(達成度に係る評価の理由等)
平成24年度においては、日本経済再生に向けた緊急経済対策の実施等
のために必要な経費の追加等を行うため、補正予算を編成し、「復興・
防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性
化」の3分野に重点配分を行っている。
平成25年度予算編成に当たっては、日本経済再生に向けて、緊急経
済対策に基づく平成24年度補正予算と一体的なものとして、いわゆる
「15ヶ月予算」として編成し、平成24年度補正予算と同様、「復興・
防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性
化」の3分野に重点化するとの方針に基づいて、重点的な配分を行っ
ている。また、老朽化対策など国民の命と暮らしを守る公共事業予算
や国民の安心のための防衛予算を充実させる一方で、生活保護や地方
公務員給与等についての適正化・見直しや、給与改定臨時特例法に基
づく給与減額支給措置等による国家公務員等の人件費削減を行うな
ど、予算の効率化を図っている。
加えて、復興関連予算は、「流用」等の批判を招くことがないよ
う、使途の厳格化を行っている。
基礎的財政収支対象経費(国の一般会計歳出から国債費を除いたも
の)については、70兆3,700億円であり、これに国債費22兆2,415億円
を合わせた一般会計総額は、92兆6,115億円としている。
一方、歳入面については、適切な税収の見積もり等に努め、租税等
の収入において前年度当初予算額と比べ7,500億円増の43兆960億円を
見込み、その他収入は、4兆535億円を見込んでいる。また、公債金
は42兆8,510億円、年金特例公債金は2兆6,110億円となっている。
以上のように、歳出・歳入両面において最大限の努力を行った結
果、4年振りに税収が公債金を上回る状態を回復させるとともに、プ
ライマリーバランスを着実に改善させ、財政健全化目標の達成に向け
た第一歩となる予算としている。
さらに、予算編成プロセスを透明化・可視化し、財政の状況につい
て国民各層の理解を得られるようにする観点から、財務省ホームペ
ージなど多様な媒体を用いて、我が国の財政について積極的に広報活
動を行っている。
他方、極めて厳しい財政事情の下、予算の効率化・質的改善に向け
た取組を更に進めていく必要があることや、広報の業績指標が目標に
及ばなかったことから、「B 達成に向けて進展があった。」と評価
した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
財政規律の維持・財政に対する信認の確保に努め、財政健全化
目標を踏まえた適切な事務運営を行っている。
(有効性)
平成25年度予算編成に当たっては、「復興・防災対策」、「成
長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」の3分野に
重点化するとの方針に基づいて、重点的な配分を行い、有効な予
算配分に努めている。
(効率性)
決算及び決算検査報告等の反映、予算執行調査の反映及び政策評価の
活用を適切に行うこと等により、効率的な事務運営に努めている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
参考指標の見直しを行うとともに、多数の参考指標を活用し、
可能な限り定量的・具体的な説明に努めている。
- 33 -
(今後の提言等)
(政策の改善)
政策について提言がなされている。
国債に対する信認を確保するため、公債発行額をできるだけ抑
制し、税収が公債金を上回る状態を維持するなど、中長期的に持
続可能な財政構造を目指す。さらに、社会保障・税一体改革を継
続するとともに、平成25年度年央に策定する中長期の財政健全化
目標の実現を目指す。このため、引き続き、歳出・歳入両面にわ
たる予算の無駄の点検等に努め、歳出全体を必要性の高い分野に
重点的に配分する。同時に、予算執行調査、政策評価、決算及び
決算検査報告、国会での指摘・議決などの予算への反映・適切な
活用に努める。広報活動については、財政の現状や政府の取組に
係る図表等を用いた分かりやすい説明を、資料やホームページ等
の多様な媒体によって、引き続き積極的に行うこととしている。
講 評
○ 次年度の目標を設定する際に考慮すべき問題であるが、「歳出全体を必要性の高い分野に重点的に配分す
( 平 成 25 年 6 月
る」ことが政策目標であれば、必要性の高い分野に重点的に配分したことを示す指標を作ることが必要であ
「財務省の政策
る。ホームページへのアクセス件数だけを業績指標とすることは、政策の目標を適切に示していない。
評価の在り方に
関 す る 懇 談 ○ 『プライマリーバランスを着実に改善させ』とあるが、「着実」とどうして言えるか。このような表現に
対しては強い抵抗感を覚える。
会」)
○ 公共事業などになるべく民間の資金を活用して国からの歳出の資金が減るようにするということも歳出の
カットにつながると思うので、そういう努力をお願いしたい。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
平成 24 年度政策評価書
- 34 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標1-2:必要な歳入の確保
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
139 頁 )
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
平成24年度補正予算及び平成25年度予算においても、引き続
き、適切な税収の見積りや、できる限りの税外収入の確保に努
めた結果、平成25年度予算の公債発行額は約42.9兆円となり、
【参考指標 1-2-1】一般会計歳入予算の推移と内訳 (単位:億円) 歳出の効率化にも努めた結果、4年振りに税収が公債金を上回
平 成
る状態を回復している。しかしながら、依然として高い公債依
項
目
22年度
23年度
24年度
25年度
21年度
存度を踏まえ、「B 達成に向けて進展があった。」と評価し
430,960
423,460
409,270
373,960
461,030
租税及印紙収入
た。
1
「政策の目標」の達成度
B 達成に向けて進展があった。
入
91,510
106,002
71,866
37,439
38,333
金
332,940
443,030
442,980
442,440
428,510
年金特例公債金
-
-
-
-
26,110
前年度剰余金
-
-
-
-
2,202
税
公
外
収
債
926,115
903,339
924,116
922,992
885,480
合
計
(出所)「平成25年度一般会計歳入歳出概算」(平成25年1月 主計局総務課)
( http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan2
5/03gaisan.pdf)
(注) 各年度の計数は、当初予算額(単位未満四捨五入)である。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
おおむね適切であった。
おおむね有効であった。
おおむね効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
適切な事務運営の確保の一環として、税収の見積り等に関す
る情報をホームページ等において開示するなどの取組を行って
いる。
(有効性)
税収について適切な見積りを行うとともに、できる限りの税
外収入の確保を図り、公債の発行額を極力抑制している。
(効率性)
見積り精度の向上に資するため、経済指標や課税実績等の幅
広い要素をもとに見積りを行い、効率的な事務運営に取り組ん
でいる。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
可能な限り定量的・具体的な説明に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
今後も、経済情勢等に配意し税収及び税外収入の確保に努め
るとともに、税収の適切な見積りや説明責任の向上に努めるこ
ととしている。
○ 4年ぶりに税収が公債金を上回ったことで、CがBになっているが、今まで税収よりも公債金が大き過ぎ
たということが異常値なので、CがBというのはいいが、ぜひ本来の目的であるバランスバジェットという
ことを考えて欲しい。
- 35 -
政策目標1-3:予算執行の透明性の向上・適正な予算執行の確保
「政策の目標」
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
目標値
予算執行調査の実施件数
実績値
75件程度
75件
【参考指標 1-3-1】会計事務職員研修等の実績
(単位:名)
研修名
(対象職員)
平成
20
年度
21
年度
22
年度
23
年度
24
年度
会計事務職員研修
(各府省庁等、都道府県)
115
116
107
136
119
111
91
117
97
120
120
117
130
131
122
68
65
78
60
62
127
117
119
98
105
政府関係法人
会計事務職員研修
(政府関係法人)
会計事務職員
契約管理研修
(各府省庁等、都道府県)
予算担当職員
初任者研修
(各府省庁等)
(出所)会計センター研修部調
(注) 会計事務職員研修の上段は春季、下段は秋季の研修である。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
見
評価の判断理由等
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
143 頁)
(達成度に係る評価の理由等)
予算執行調査については、調査結果の分析等に当たり、財務省が
選定した外部有識者より意見を徴するなど、調査の質の向上等を図
りつつ、75件の調査を実施しており、充実・強化に努めている。
繰越については、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を
実施する平成24年度補正予算は、早期執行に万全を期することと
されたことから、繰越事務手続の簡素化の徹底を図るとともに、
東日本大震災からの被災地の復興を着実に進める観点から、復興
事業の円滑な執行に資するよう、事故繰越事務手続の簡素化等を
図っている。
前金払については、東日本大震災の被災地域における迅速な請
負代金の支払など資金需要への対応が必要であるとの観点から、
土木建築に関する工事の前払率を通常の4割以内から5割以内へ
引き上げるなどについて承認している。
会議・研修等については、予算の適正かつ効率的な執行を確保する
ため、各府省庁等の会計事務職員を対象とし、着実に実施している。
随意契約の適正化については、契約の透明性を高める観点か
ら、「契約金額及び件数に関する統計」等をとりまとめて公表
し、各府省庁等の取組実績等のフォローアップを行っている。
以上のとおり、予算執行の透明性を向上し、適正な予算執行を
確保するための取組を推進していることから、「A 達成に向け
て相当の進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
繰越及び前金払の承認に関して、東日本大震災を踏まえ適切に対
応している。また、会計検査院との意見交換の場を設ける等、適正
な予算執行の確保等を図るため、適切な事務運営を行っている。
(有効性)
予算執行調査の充実・強化を図り、調査結果を平成25年度予算
に的確に反映している。
(効率性)
平成24年度の繰越事務手続については、各地方出先機関等と各
地方自治体との間においても簡素化の徹底を図るとともに、東日
本大震災からの被災地の復興を着実に進める観点から、復興事業
の円滑な執行に資するよう、事故繰越事務手続の簡素化を図るな
ど、効率的な事務運営を行っている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
業績指標を適切に設定し、分析するとともに、施策の結果を適
切に説明している。
(今後の提言等)
(政策の改善)
法令及び予算に則った予算執行に係る各手続の適切な審査や各
府省庁等の会計事務職員を対象とした会議・研修等の効果的な実
施、入札契約の改善や随意契約の適正化の推進に努めることとし
ている。
また、予算執行調査を着実に実施することとし、徹底した予算
の効率化が図られるよう、様々な視点から、より深度のある調査
の実施に努めることとしている。
○ 東日本大震災の復興予算の流用が多数発生しているので、基金等の管理が非常に難しいのは理解するが、
Aは納得できない。Bと評価すべきである。
平成 24 年度政策評価書
- 36 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標1-4:決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示
(評価書 150 頁)
評
価 意
評価基準ごとの審査
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
予算使用の状況、国庫歳入歳出状況及び決算の概要につい
て、国民及び国会に対して適時適切に報告し、また、平成23年
度歳入歳出決算については、平成24年11月16日に国会に提出
業績指標
目標
実績
し、国会からの早期提出(会計年度翌年の11月20日前後)の要
予算使用の状況、国
請に応えている。
庫歳入歳出状況及び
100.0%
各省各庁が作成した平成21~23年度の決算書の参照書類に誤
100.0%
決算概要の定期的な
りが見つかったため、平成24年11月16日、平成25年5月10日に
公表資料の公表状況
国会へ正誤表を提出している。
歳入歳出決算の会計
平成23年度決算書については、引き続き政策ごとに予算・決
24.9.10前後
24.9.4
検査院への送付日
算とその成果を比較対照可能とし、事後的な評価を行いやすく
歳入歳出決算の国会
するため、予算書・決算書の表示科目の単位(項・事項)と政
24.11.20前後
24.11.16
への提出日
策評価の単位とを原則として対応させるよう作成している。
また、決算審議の参考に供するために作成している「決算の
説明」についても、可能な限り、事務・事業の計画と実績、主
要な長期計画の実施状況等定量的データを積極的に取り入れる
など、各種の分析や評価に資するものを掲載するよう各省各庁
を指導し、分かりやすい資料の作成に努めるとともに、平成23
年度決算においては、東日本大震災復旧・復興関係経費の決算
の概要を明らかにすることを目的として、その経費の概要や事
業実績等を掲載し、内容の拡充を図っている。
これらの結果を総合的に勘案し、「C 達成に向けて一部の
進展にとどまった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
2 事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
(適切性)
おおむね適切であった。
我が国の財政状況についての透明性の確保や説明責任の向上
おおむね有効であった。
及び早期公表等を図る観点から、国民及び国会に対し適時適切
おおむね効率的であった。
に報告を行っている。
(有効性)
平成25年度予算編成に資する観点から、平成23年度歳入歳出
決算を早期に取りまとめるとともに、国会における決算審議の
充実に資する観点から国会等へ早期に提出している。
(効率性)
会計事務の電子化等により事務の効率化を図り、平成24年11
月16日に平成23年度歳入歳出決算を国会に提出している。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
3 結果の分析の的確性
予算使用の状況、国庫歳入歳出状況及び決算概要の報告につ
おおむね的確に行われている。
いては公表状況を過去のデータと比較するとともに、歳入歳出
決算の会計検査院への送付及び国会への提出についても、提出
日等を過去のデータと比較している。
(今後の提言等)
4 当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
(政策の改善)
政策について有益な提言がなされている。
財政状況についての透明性の確保、説明責任の向上及び早期
公表は極めて重要であり、年度途中における予算使用の状況、
国庫歳入歳出状況及び予算の執行実績である決算の概要につい
て、国民及び国会に対し適時適切に報告するとともに、平成24
年度歳入歳出決算についても、平成23年度決算に引き続き、会
計検査院へ早期に送付し、平成25年11月20日前後には国会提出
が可能となるよう努めることとしている。
講 評
○ 業績指標を全て達成していることから、「決算書の参照書類に誤りがあった」ことで評価を下げるにして
( 平 成 25 年 6 月
も、B評価で良いと考える。
「財務省の政策評
参照書類の正確性を達成することが重要であれば、目標を設定する時点で「誤りをゼロにする」という点
価の在り方に関す
を明記すべきである。
る懇談会」)
1
「政策の目標」の達成度
C 達成に向けて一部の進展にとどまった。
- 37 -
「政策の目標」
政策目標1-5:地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務の適切な遂行
(評価書 153 頁)
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
「平成25年度地方財政計画」においては、総務省との調整の
結果、震災復興特別交付税を措置するなど、震災対応に万全を
期すほか、「平成25年度予算編成の基本方針」に沿って、地方
交付税交付金等(一般会計ベース)について対前年度比2,013億
円の減少とし、3年連続の減少としている。一方、給与関係経
費をはじめとする地方における歳出改革を継続しつつ、地方の
安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について平成24
年度と同水準を確保しているため、「A 達成に向けて相当の
進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
厳しい国・地方の財政状況を踏まえつつ、「平成25年度予算
編成の基本方針」をはじめとする内閣の基本的な方針に沿っ
て、「平成25年度地方財政計画」を策定している。
(有効性)
「平成25年度地方財政計画」において、震災対応に万全を期
すほか、「平成25年度予算編成の基本方針」を踏まえ、地方交
付税交付金等(一般会計ベース)について対前年度比2,013億円
の減少とし、3年連続の減少とした一方、国の取組と基調を合
わせて、給与関係経費をはじめとする歳出各分野にわたり抑制
を図るとともに、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財
源の総額について、平成24年度と同水準を確保している。
(効率性)
国・地方間の諸課題について、必要に応じて総務省との調
整・協議を円滑に行っている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務を構
成する各要素(地方財政対策、地方税制改正、地方債計画の策
定及び地方債協議並びに補助金改革)について、参考指標を用
いて具体的な取組の内容を盛り込んだ説明に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
財源における地方の自立性を高めるため、国・地方の財政状
況を踏まえつつ、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含
めた税源配分の見直しの一体的な改革に向け地方債を含め検討
する必要があり、国・地方の財政の健全化や、地域の自主性及
び自立性を高めるための改革に係る議論等を踏まえて、国と地
方の諸課題等について総務省と調整を行うこととしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
平成 24 年度政策評価書
- 38 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標1-6:公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築及びその適正な運営
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
種類
公表日
2
20年度
目標
実績
24.5~6頃
25.1頃
24.5.28
25.1.29
21年度
22年度
23年度
(18年度分) (19年度分) (20年度分) (21年度分)
20.8.22
21.7.24
22.6.25
見
評価の判断理由等
1 「政策の目標」の達成度
B 達成に向けて進展があった。
業績指標
国の財務書類(一般会
計・特別会計)の公表日
の推移
157 頁)
23.6.28
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
(達成度に係る評価の理由等)
「国の財務書類」の作成・公表に関しては、公表のための説明資
料について、財政制度等審議会における議論を踏まえ、国の資産の
見方についての解説や資産や負債などの項目ごとにポイントとなる
内容を記載するなどの充実を図り、より分かりやすい説明による国
民への情報開示に努めるとともに、「財務書類作成システム」の運
用等により、公表時期の早期化を図っている。
また、特別会計については、平成25年1月に閣議決定された「平
成25年度予算編成の基本方針」において、その見直しを引き続き検
討し、改革に取り組むこととしたところであり、今後、行政改革推
進会議において議論することとされている。
これら両施策の実施・取組が図られていることから、「B 達成
に向けて進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
「国の財務書類」の公表のための説明資料について、財政制度等
審議会における議論を踏まえ、国の資産の見方についての解説や資
産や負債などの項目ごとにポイントとなる内容を記載するなどの充
実を図っている。
(有効性)
「国の財務書類」について、説明資料を作成・公表することで国
民に対するわかりやすい説明に努めている。また、「特別会計財務
書類」を国会に提出している。
(効率性)
作成作業の効率化に努めた結果、平成22年度分の「国の財務書
類」については、平成21年度分に比べて1ヶ月早く公表をし(平成
24年5月)、さらに「財務書類作成システム」の運用等により、平
成23年度分については、翌年度内に公表している(平成25年1月)。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について提言がなされている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
各施策の実施状況について説明し、具体的な運営状況等を把握し
ている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
特別会計改革については、今後、行政改革推進会議における議論
も踏まえつつ、適切に対応することとしている。
また、「国の財務書類」については、国民に対する分かりやすい
説明に努めるとともに、予算の審議に活用するために、翌年度1月
頃に公表することとしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
- 39 -
「政策の目標」
政策目標2-1:我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に応えるた
めの税制の構築
(評価書 163 頁)
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
評価の判断理由等
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
目標値
財務省ホームペー
ジの税制に関する
増加
ページへのアクセ (618,450件)
ス件数
税制メールマガジ
増加
ン登録者数
(25,248人)
実績値
517,473件
26,261人
(注)目標値の( )は、平成23年度の実績
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
見
(達成度に係る評価の理由等)
平成24年度においては、社会保障・税一体改革や、25年度税制改
正に取り組んでおり、目標の達成に向けて様々な進展がみられる。
社会保障・税一体改革では、社会保障の安定財源の確保及び財政
の健全化を同時に達成することを目指し、「社会保障の安定財源の
確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を
改正する等の法律案」を国会に提出した。当該法律案は、自由民主
党、公明党、民主党の3党の協議・合意を踏まえ、一部修正され、
平成24年8月10日に成立した。
また、平成25年度税制改正では、現下の経済情勢等を踏まえ、
「成長と富の創出の好循環」の実現、社会保障・税一体改革の着実
な実施、震災からの復興の支援等のための税制上の措置を講ずるほ
か、期限切れ租税特別措置の延長等を行うため、「所得税法等の一
部を改正する法律案」国会に提出した。当該法律案は、平成25年3
月29日に成立した。
広報活動では、パンフレットやホームページ等を活用して多くの
方々に情報提供を行うほか、税制改正の内容等についての説明会等に
講師を派遣するなど、様々な媒体を活用し、税制に関する広報に積極
的に取り組んでいる。
こうした状況を総合的に勘案し、「A 達成に向けて相当の進展
があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
税制に関する諸課題について、過去の法律や、平成25年度税制改
正の大綱、三党合意等を踏まえて検討が行われており、その検討の
結果として「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改
革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」や「所得
税法等の一部を改正する法律案」を国会に提出した。
(有効性)
25年度税制改正では、税制上の様々な措置を講ずることとし、
「所得税法等の一部を改正する法律案」が取りまとめられており、
「成長と富の創出の好循環」の実現等に向けて有効と考えられる。
(効率性)
各府省等の政策評価の結果を記載した要望書を各府省等との議論
の材料とすることにより、25年度税制改正の検討を効率的に行って
いる。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
業績指標・参考指標を適切に設定し、事務運営の的確な把握に努
め、分析を行っている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
年度改正等の税制については、我が国の経済・社会の構造変化に対
応し、我が国の喫緊の課題に応えるため、各年度の税制改正作業等に
取り組むこととされている。
○ 消費税法等の一部改正する法案が国会で成立したことから、評価はAで良いが、業績指標の設定に関して
は、政策目標の達成状況を評価できる指標にすべきである。
○ 業績指標のホームページアクセス件数が目標値を下回っているにもかかわらず、法律案の成立によりA評
価となることが理解されるよう一層の工夫が望まれる。
平成 24 年度政策評価書
- 40 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
政策目標3-1:国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑制
「政策の目標」
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
国 債 関 国の債務管理の在り方
係 の 定 に関する懇談会
期 的 な 国債市場特別参加者会合
懇 談 会
国債投資家懇談会
等 の 開
国債トップリテーラー会議
催状況
入札の結果発表を当日所定の時刻
に行った割合
「国債及び借入金並びに政府保証
債務現在高」を所定の時期に公表
した割合
国債関係の定期的な公表資料の公
表状況
目標値
○
実績値
×
(注1)
○
○
○
○
○
○
100.0
%
99.1%
(注2)
100.0
%
100.0
%
100.0
%
100.0
%
(注1)国の債務管理の在り方に関する懇談会については、平成21年度に「国債管
理政策の現状と課題」についての論点整理を行い、平成22年度にそのフォロ
ーアップを行なった後、大きな状況の変化もなかったこと等から、平成24年
度において、開催しなかった。
(注2)「入札の結果発表を当日所定の時刻に行った割合」が99.1%となっ
ているのは、日銀のシステムトラブル(1件)、入札参加者のミスに
起因する事務トラブル(1件)による。
(参考)平成25年度国債発行予定額
<発行根拠法別発行額>
区
分
平成24年度当初
(単位:億円)
24年度補正後
25年度当初
建 設 国 債
59,090
114,290
57,750
特 例 国 債
383,350
380,360
370,760
442,440
494,650
428,510
-
25,842
26,110
小
計
年金特例国債
一般会計分
計
442,440
520,492
454,620
復
興
債
26,823
24,033
19,026
財
投
債
150,000
150,000
110,000
借
換
債
1,123,050
1,110,741
1,121,806
1,742,313
1,805,266
1,705,452
国債発行総額
<消化方式別発行額>
区
分
(単位:億円)
平成24年度当初 24年度補正後
カレンダーベース市中
1,497,000
1,494,000
62,326
44,775
年度間調整分
6,463
57,940
▲42,323
1,545,313
1,614,266
1,568,452
個人向け国債
25,000
20,000
16,000
その他窓販
5,000
4,000
4,000
30,000
24,000
20,000
個人向け販売分
(日
計
公的部門
銀 乗 換)
合
計
167,000
1,742,313
167,000
1,805,266
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
市場のニーズ・動向等を踏まえ、機動的かつ柔軟に国債発行計画の
見直し・策定を行っている。具体的には、平成24年度補正後計画にお
いて、年金特例国債2.6兆円の発行、建設国債5.5兆円の増発等を行っ
たが、出納整理期間発行の活用により、入札による市中への発行額を
0.6兆円の増額に抑え、市場への影響を極力抑制しながら、必要な資
金調達を行なっている。平成25年度国債発行計画の策定にあたって
は、国債の発行年限のバランスのとれた発行額を設定している。
国債整理基金残高により備えてきたオペレーショナル・リスク(大
規模災害やシステム障害等により借換債発行ができない事態)に対し
ては、日本銀行と協議した結果、同行からの一時借入による対応が可
能となったことから、平成25年度国債発行計画においては、基金残高
を当該一時借入の対象外である国債入札の偶発的な未達に備えた水準
まで圧縮し、圧縮分は国債償還に充て借換債の発行を抑制することに
より、利払費の抑制に努めることとしている。
また、「個人向け復興国債」に加え、新たに「個人向け復興応援国
債」を発行し、個人の国債保有の促進に努めるとともに、その一層の
周知に努めている。
業績指標については、左記に掲げる4つの業績指標のうち、国債関
係の定期的な懇談会等の開催状況を除く3つにおいてほぼ目標値を達
成している。目標値を達成できなかった国債関係の定期的な懇談会の
開催状況については、国の債務管理の在り方に関する懇談会が開催さ
れなかったものの、市場参加者からの要請に基づき、特例公債法案成
立遅延の市場への影響に関し、10月に臨時の「国債市場特別参加者会
合」を開催したことなど、市場との対話を十分に行なったと考えられ
ることから、「A 達成に向けて相当の進展があった。」と評価し
た。
(参考)平成25年度カレンダーベース市中発行額
平成24年度
(当初)
117,000
1,705,452
24年度
(補正後)
25年度
(当初)
40年債
0.4兆円
× 4回
1.6兆円
0.4兆円
× 4回
1.6兆円
0.4兆円
× 4回
1.6兆円
30年債
0.7兆円
× 8回
5.6兆円
0.7兆円
× 8回
5.6兆円
0.5兆円
× 4回
0.6兆円
× 8回
6.8兆円
20年債
1.2兆円
× 12回
14.4兆円
1.2兆円
× 12回
14.4兆円
1.2兆円
× 12回
14.4兆円
10年債
2.3兆円
× 12回
27.6兆円
2.3兆円
× 10回
2.4兆円
× 2回
27.8兆円
2.4兆円
× 12回
28.8兆円
5年債
2.5兆円
× 12回
30.0兆円
30.4兆円
2.7兆円
× 12回
32.4兆円
1,566,000
41,850
計
見
25年度予定
第Ⅱ非価格競争入札
市中発行分
価 意
179 頁)
2年債
1年
割引短期国債
6か月
割引短期国債
10年
物価連動債
流動性
供給入札
市中発行分
- 41 -
計
2.7兆円
× 12回
2.5兆円
× 12回
32.4兆円
30.0兆円
-
0.9兆円
実務的な検討を進め、
2.5兆円
× 10回
2.7兆円
× 2回
2.7兆円
× 12回
2.5兆円
× 12回
149.7兆円
30.0兆円
-
-
2.9兆円
× 12回
2.5兆円
× 12回
-
実務的な検討を進め、
決定
0.6兆円
× 12回
32.4兆円
7.2兆円
149.4兆円
7.2兆円
30.0兆円
0.9兆円
0.6兆円
決定
0.6兆円
×12回
34.8兆円
0.6兆円
×12回
156.6兆円
7.2兆円
・平成25年度において、市中からの買入消却について、総額2.7兆円程度を
上限に実施(具体的な実施方法は、四半期毎に市場の状況を見ながら決
定)。
・平成25年度における前倒債発行限度額は20兆円。
(出所)「平成25年度国債発行予定額」(理財局国債企画課)
(http://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2013/yoteigaku130129.pdf)
(注1)各計数ごとに四捨五入したため、計において符合しない場合があ
る。
(注2)カレンダーベース市中発行額とは、あらかじめ定期的に額を決めた
入札により発行する国債の、4月から翌年3月までの発行予定額の総
額をいう。
(注3)第Ⅱ非価格競争入札とは、価格競争入札における加重平均価格を発
行価格とする、価格競争入札の結果公表後に実施される国債市場特別
参加者向けの入札をいう(価格競争入札における各国債市場特別参加
者の落札額の15%を上限)。第Ⅱ非価格競争入札に係る発行予定額に
ついては、当該入札を実施する国債(40年債、30年債、20年債、10年
債、5年債、2年債及び10年物価連動債)のカレンダーベース市中発
行額の3.75%を計上している。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
(出所)「カレンダーベース市中発行額」(理財局国債企画課)
( http://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2013/calendar130129.pdf)
(注1)カレンダーベース市中発行額とは、あらかじめ額を定めた入札により定期的に発
行する国債の4月から翌年3月までの発行予定額の総額をいう。
(注2)40年債については、5月・8月・11月・2月の発行を予定している。
(注3)30年債については、5月・8月・11月・2月に0.5兆円、その他の月に0.6兆円の
発行を予定している。
(注4)物価連動債については、償還時の元本保証を設けた新たな商品性により発行を再
開。具体的な再開時期等については市場関係者を交え検討。
(注5)流動性供給入札の具体的な実施方法は、四半期毎に市場の状況を見ながら決定。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
国債発行計画の市場における予見可能性等を高めるため、補正予算
に伴う国債発行予定額の変更等を受け、カレンダーベース市中発行額
の変更を適切に実施している。
(有効性)
国債市場の流動性維持・向上のため、流動性供給入札や買入消却を
実施している。また、平成24年度国債発行計画の見直し及び平成25年
度国債発行計画の策定にあたり、丁寧に市場との対話を行いつつ、年
限毎にバランスの取れた発行額を設定している。
(効率性)
平成24年度においても、丁寧に市場との対話を実施することによ
り、国債の円滑な消化に努めている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
入札の結果発表を当日所定の時刻に行った割合等の業績指標や参考
指標を用い、可能な限り定量的な分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
我が国の財政は、過去に例を見ない厳しい状況にあり、今後も大量
の国債発行が見込まれている。国債発行当局として確実かつ円滑な国
債発行により、必要とされる財政資金を確実に調達するとともに、中
長期的な調達コストを抑制していくことによって、円滑な財政運営の
基盤を確保するという基本的な考え方に基づき、国債管理政策を運営
していく必要がある。このため、国債発行計画の策定に当たっては、
市場のニーズ・動向等を踏まえ、国債の発行年限のバランスのとれた
発行額を設定することとしている。
○ 10年ほど前からの目標である「海外保有割合の増加」について、どこまで増加することが目標か、今一度
整理する必要がある。
平成 24 年度政策評価書
- 42 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
政策目標3-2:財政投融資の対象として必要な事業を実施する機関への資金供給の確保と重
点化・効率化及びディスクロージャーの徹底
「政策の目標」
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
実地監査結果
2
目標値
実績値
割合:100%
100%
コラム数:13
12
実施率:100%
独立行政法人等:
100%
地方公共団体(団
体):100.3%
地方公共団体(公
営企業):100.4%
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
見
評価の判断理由等
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
財政投融資関係の
定期的な公表資料
の公表状況及び内
容の充実
190 頁)
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
(達成度に係る評価の理由等)
平成24年度財政投融資計画において、「日本経済再生に向けた緊急
経済対策」等を踏まえ、引き続き東日本大震災からの復興に対応しつ
つ、長期リスクマネー等を呼び水として供給し、民間投資の喚起、経
営改善に取り組む中小企業等の支援や日本企業の海外展開支援等に積
極的な対応を行っている。
また、社会経済情勢等に応じた財政投融資計画の編成、財政投融資
対象機関に対する適切な審査、政策評価の活用、貸付金の確実な回収
とALMの充実等による財務の健全性の確保、財政投融資のディスクロ
ージャーの徹底、政策コスト分析の充実、財政投融資対象機関に対す
る実地監査等の充実、等を実施したほか、左記の業績指標もおおむね
達成していることから、「A 達成に向けて相当の進展があった。」
と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえ、引き続き東日
本大震災からの復興に対応しつつ、長期リスクマネー等を呼び水とし
て供給し、民間投資の喚起、経営改善に取り組む中小企業等の支援や
日本企業の海外展開支援等に積極的に対応し、平成25年度財政投融資
計画を編成しているほか、また、ディスクロージャーの充実を図って
いる。
(有効性)
現下の経済金融情勢にかんがみ、対象事業の重点化・効率化を図り
つつ、必要な資金需要に的確に対応している。
(効率性)
税財源によらない財政政策の有効なツールである財政投融資計画の
策定に当たり、各府省庁等より提出された政策評価や政策コスト分析
を活用して各事業を精査し、効率的な運用を行っている。また、積立
金の枯渇により金利変動に対する対応余力が著しく低下しているなか
で、金利変動リスクの低減を図り財務の健全性を確保し、財政投融資
の安定的・効率的な運営の確保のため、財投債の年限構成の最適化、
財投債の買入消却、金利スワップ取引などにより適切なALMを実施し
ている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
「財政投融資関係の定期的な公表資料の公表状況及び内容の充実」
及び「実地監査結果」等の業績指標や参考指標を用い、可能な限り定量
的な分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
各年度の財政投融資計画の編成においては、各府省庁・各機関より
提出された政策評価や政策コスト分析を活用し、政策的必要性、民業
補完性の観点から毎年度見直しを行い、対象事業の重点化・効率化を
図りつつ、国民のニーズや社会経済情勢の変化などを踏まえ、必要な
事業への資金供給を確保することとしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
- 43 -
政策目標3-3:国有財産の適正な管理及び有効活用等と情報提供の充実
「政策の目標」
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
実績値
監査結果
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
86.8%以上
82.7%
100.0%
100.0%
99%以上
99.8%
目標
実績
地方公共団体の保有す
る土地の売却情報への
リンク化
財務省ホームページ上
への国有財産に関する
新成長戦略における国有 アイディア募集コンテ
ンツ掲載・募集
財産の情報提供の充実化
行政財産の一件別情報
情報
への地図情報の追加
国有財産情報公開シス
テム内での各省売却情
報等へのリンク化
個別国有地のアイディ
ア募集コンテンツの掲
載・募集
2
○
×
○
×
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
有効であった。
効率的であった。
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
国有財産情報公開システムのセキュリティ対策の一層の強化のため、行政財
産の一件別情報への地図情報の追加については運用を見合わせるなど、目標を
達成できなかったものもあるが、国有財産のより適正な管理及び有効活用等の
実現のため、①現地における深度ある監査の推進、②一般競争入札の実施に当
たって、物納不動産に限らず、すべての不動産について、原則として最低売却
価格(予定価格)を公表する制度の改正、③「東日本大震災からの復興のため
の施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」等により売却
可能となった日本たばこ産業株式会社株式の売却の実施、④財務省ホームペー
ジや国有財産情報公開システムを改善し、地方公共団体の保有する土地の売却
情報及び各省財産の売却情報へのリンク化等を行い、情報内容の充実、利便性
の向上などの施策を実施していることを踏まえ、「B 達成に向けて進展があ
った。」と評価した。
○
適切であった。
3
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
B 達成に向けて進展があった。
業績指標
目標値
未利用国有地発生後、1
年以内に財産の特性に応
じた処理方針を策定した
割合
旧里道・旧水路等の売却
事務処理状況
財務省所管普通財産の管
理処分事務等の外部委託
状況
国有財産に関する相談、
照会の処理状況
業績指標
価 意
216 頁)
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
未利用国有地について、売却に加えて、新規の貸付(定期借地)や交換など、
個々の土地の特性に応じ、最適な活用手段を選択することとし、また、一般競
争入札の実施に当たって、物納不動産に限らず、すべての不動産について、原
則として最低売却価格(予定価格)を公表する制度の改正を行っている。
(有効性)
現地における深度ある監査を推進し、また、財務省ホームページや国有財産情
報公開システムを改善し、地方公共団体の保有する土地の売却情報及び各省財産
の売却情報へのリンク化等を行っている。さらに平成24年6月に「国有財産レポ
ート」を作成するなど、情報内容の充実、利便性の向上を図っている。
(効率性)
国有財産法第34条及び第37条の規定に基づく総計算書について、国有財産総
合情報管理システムを活用して作成している。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
監査結果等の業績指標や参考指標を用い、可能な限り定量的な分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
国民共有の貴重な財産である国有財産について、売却等を通じて国の財政に
貢献するとともに、地方公共団体等と連携を図り、地域や社会のニーズに対応
した有効活用を図っていくなど、国有財産の適正な管理及び有効活用等に引き
続き取り組むこととしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
平成 24 年度政策評価書
- 44 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標3-4:庁舎及び宿舎の最適化の推進
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
【参考指標 3-4-1】宿舎戸数の推移
平 成
20年度
財務大臣
が 設 置 す 135,979
るもの
各省各庁の
長が設置す 88,184
るもの
計
224,163
(単位:戸)
21年度
22年度
23年度
24年度
131,959
129,267
123,609
122,384
86,719
80,952
80,743
79,035
218,678
210,219
204,082
201,419
(出所)理財局国有財産調整課調
(注1)各年9月1日現在の戸数。
(注2)平成23、24年度の宿舎戸数は、被災者の方々に情報提供している戸
数を除いている。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
政策評価について有益な提言がなされている。
価 意
230 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
庁舎については、長寿命化によるコスト低減効果を総合的に勘案しつ
つ、省庁横断的な入替調整等を積極的に行うことにより、既存庁舎の効
率的な使用を推進していること及び地震防災体制の構築の観点から、地
域の防災拠点としての役割を担う庁舎の耐震化を図るため、特定国有財
産整備計画に基づき11施設の整備に取り組んだこと、また、宿舎につい
ては、平成23年12月に取りまとめられた「国家公務員宿舎の削減計画」
を踏まえ、平成24年11月に「『国家公務員宿舎の削減計画』に基づくコ
スト比較等による個別検討結果及び宿舎使用料の見直しについて」を取
りまとめるとともに、廃止が決定されたものについては、順次、入居者
の退去、宿舎の廃止、宿舎跡地処分等の手続きなど、削減に向けた取組
を進めていること等を踏まえ、「A 達成に向けて相当の進展があっ
た。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
宿舎について、「『国家公務員宿舎の削減計画』に基づくコスト比較
等による個別検討結果及び宿舎使用料の見直しについて」を取りまと
め、廃止が決定されたものについては、順次、入居者の退去、宿舎の廃
止、宿舎跡地処分等の手続きなど、削減に向けた取組を進めている。
(有効性)
保育ママ事業の実施場所としての宿舎の空きスペースの貸付等につい
て、地方公共団体に対し活用可能な宿舎の情報提供を行った結果、複数
の宿舎において保育ママ事業が開始されている。
(効率性)
庁舎について、長寿命化の推進や移転・集約化等を推進するととも
に、建替えと民間借受のコスト比較を行い、最も効率的な調達方法の選
択に努めている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
「国家公務員宿舎の削減計画」等の実施については、宿舎戸数の推移
等の参考指標を用い、可能な限り定量的な分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
庁舎について、長寿命化によるコスト低減効果を総合的に勘案しつ
つ、省庁横断的な入替調整等を積極的に行うことにより、既存庁舎の効
率的な使用を推進することとしている。また、老朽化等により長寿命化
が困難な庁舎については、利用者利便向上に十分配慮しつつ、特定国有
財産整備計画の活用も含めた移転・集約化等を推進するとともに、建替
えと民間借受けのコスト比較を行い、最も効率的な調達方法の選択に努
めることとしている。
宿舎について、「国家公務員宿舎の削減計画」及び「『国家公務員宿
舎の削減計画』に基づくコスト比較等による個別検討結果及び宿舎使用
料の見直しについて」に基づく宿舎戸数の削減等及び宿舎使用料の見直
しを着実に実施することとしている。
(政策評価の改善)
平成25年度政策評価実施計画において、業績指標として新たに宿舎戸
数の削減状況を設定している。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策
評価の在り方に
関 す る 懇 談
会」)
- 45 -
政策目標3-5:国庫金の正確で効率的な管理
「政策の目標」
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
見
評価の判断理由等
1 「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
国庫金の受入日と支払日を合わせる
調整を行った件数
一般会計歳入歳出主計簿と国庫原簿
との突合結果
国庫収支に関する定期的な公表資料
の公表状況及び内容の充実
235 頁)
目標値
実績値
460件
495件
0円
0円
100.0%
100.0%
(達成度に係る評価の理由等)
国庫金の出納事務の正確性を確保し、国庫金の管理を一層効
率的に行った結果、左記に掲げる業績指標をすべて達成してい
る。特に重点施策については、普通交付税の交付日や、各都道
府県(支出官)が独自に設定していた社会保障費の支払日を租
税・年金保険料の受入日等に統一するよう調整し、目標値を上
回ったこと、各都道府県(支出官)の公共事業関係費等に係る
支払情報の迅速な情報伝達環境の整備を更に進めたこと等か
ら、「A 達成に向けて相当の進展があった」と評価した。
2 事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
国庫金の受入日と支払日を合わせる調整は、国庫余裕金残高
を可能な限り抑制するという効果があることから、国庫金の正
確で効率的な管理という目標を達成するための手段として適切
である。
(有効性)
各府省庁等に対し説明会を実施したことなどにより、受入日
と支払日を合わせる調整を行った件数は、495件となり、目標値
である460件を上回っている。
(効率性)
国庫収支事務オンラインシステムを活用することで、各府省
庁等の歳出金等の支払情報を迅速に入手している。
3 結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
受入日と支払日を合わせる調整を行った件数が目標を上回っ
た要因として、社会保障費の支払日を租税・年金保険料の受入
日等に統一を行ったこと等が掲げられている。
4 当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
当該政策について有益な提言がなされている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
今後も確実な資金繰りを確保しつつ、国庫に一時的に留まる
現金を可能な限り抑制するため、国庫金の受入日と支払日を合
わせる調整について、各府省庁等の支払いの個別事情にも対応
した取組を継続する必要がある。
講 評
(平成25年6月
「財務省の政策
評価の在り方に
関 す る 懇 談
会」)
○ 全ての業績指標を達成しており、改善の努力も認められることから、Sと評価すべきである。
平成 24 年度政策評価書
- 46 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標4-1:日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
地 金の 売払い 計画及
び入札実施の推移
電 子入 札に対 応した
入 札実 施回数 及び実
施率の推移
目標値
実績値
100.0%
100.2%
44回
44回
100.0%
100.0%
(注)「電子入札に対応した入札実施回数及び実施率の推移」の実施率
は、入札実施回数に占める電子入札実施回数の割合。
【参考指標 4-1-3】通貨の流通高
①日本銀行券
価 意
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
左記の業績指標を全て達成しているほか、必要とされる日本銀行券
及び貨幣の円滑な供給を図る観点から、平成24年度の製造計画につい
ては、貨幣について当該年度中に当該年度の需要を再度見極め、所要
の計画変更を行うなど、日本銀行券・貨幣のいずれについても適切に
策定している。
また、通貨の偽造・変造は、国民の通貨に対する信頼を失わせ、経
済社会に深刻な影響を及ぼすおそれがあることから、通貨に対する信
頼の維持を目的として、国内外の関係機関との連絡体制を構築・強化
するとともに、本年度に発行した第67回国際通貨基金・世界銀行グル
ープ年次総会記念貨幣について、新たな偽造防止技術である「虹色発
色」技術を採用したほか、平成20年度から発行している地方自治法施
行60周年記念貨幣に我が国独自の偽造防止技術(「異形斜めギザ」
等)を引き続き採用する等、通貨の偽造・変造を防止する環境を整備
している。
さらに、国民の通貨に対する関心を高めることを目的として、記念
貨幣の広報活動において情報提供の内容の充実を図っていること等か
ら、「A 達成に向けて相当の進展があった。」と評価した。
(出所)日本銀行調(日本銀行統計)を国庫課通貨企画調整室においてグラフ
化したものである。
(注)( )内の数字は年度を示す。
②貨幣
(出所)日本銀行調(日本銀行統計)を国庫課通貨企画調整室においてグラフ
化したものである。
(注)( )内の数字は年度を示す。
【参考指標 4-1-4】偽造通貨の発見枚数
①日本銀行券
247 頁)
(単位:枚)
- 47 -
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
一万円札
2,069
2,548
1,927
1,445
1,020
五千円札
172
224
475
93
110
二千円札
6
29
306
2
4
千円札
617
989
383
277
436
合 計
2,864
3,790
3,091
1,817
1,570
(出所)警察庁公表資料(平成23年上半期の犯罪情勢等)を基に理財局国庫
課通貨企画調整室が作成。
(注) 発見枚数とは、届出等により警察が押収した枚数。
②貨幣
五百円
貨幣
(単位:枚)
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
493
808
4,706
1,500
1,915
(出所)警察庁公表資料(平成23年上半期の犯罪情勢等)を基に理財局国庫
課通貨企画調整室が作成。
(注) 発見枚数とは、届出等により警察が押収した枚数。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
通貨の偽造・変造は、国民の通貨に対する信頼を失わせ、経済社会
に深刻な影響を及ぼすおそれがあることから、国庫企画官を中心に国
内外関係機関との連絡を密にする等、通貨の偽造・変造防止に向け態
勢整備を行っている。
(有効性)
政府広報において通貨偽造に関する注意喚起のための広報を引き続
き行ったほか、銀行券の偽造防止技術に関する国際会議へ出席し、偽
造通貨対策の連絡体制の構築や情報収集に努めている。さらに、平成
24年度発行の記念貨幣では、偽造抵抗力が高いとされる「バイカラ
ー・クラッド(二色三層構造)」を我が国初の長期シリーズ発行であ
る地方自治法施行60周年記念貨幣において引き続き採用したほか、偽
造貨幣の発見を容易にするために実施している五百円貨幣のクリーン
化を引き続き実施している。
(効率性)
日本銀行、警察当局及び税関当局等関係機関との情報共有に努め、
事務運営を効率的に行っている。また、地金の売払いにかかる応札及
び入開札手続は「財務省電子入札システム」を利用して効率的に行っ
ている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
地金の売払い計画及び入札実施の推移等の業績指標や参考指標を用
い、可能な限り定量的な分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
国庫企画官を中心に、独立行政法人国立印刷局、独立行政法人造幣
局、日本銀行、警察当局及び税関当局等とも連絡を密にし、通貨の偽
造・変造を防止する環境を整備するとともに、海外の通貨当局との連
携を図るように努めることとしている。
また、国際的な取組も含め、偽造抵抗力の向上に独立行政法人国立
印刷局、独立行政法人造幣局と連携して取り組むこととしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
平成 24 年度政策評価書
- 48 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標4-2:金融破綻処理制度の適切な整備・運用及び迅速・的確な金融危機管理
(評価書
評
価 意
見
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
【参考指標 総4-1】預金保険機構に対する政府保証枠 (単位:兆円)
平成21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
預金保険機構
52
51
51
51
51
一般勘定
19
19
19
19
19
危機対応勘定
17
17
17
17
17
3
3
3
3
金融再生勘定
4 (注)
金融機能強化勘定
12
12
12
12
12
生命保険契約者保護機構
0.46
0.46
0.46
0.46
0.46
銀行等保有株式取得機構
20
20
20
20
20
―
3
3
1.70
1
―
―
―
0.50
0.50
(株)地域経済活性化支
援機構
(株)東日本大震災事業
者再生支援機構
255 頁)
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
平成24年度における金融システムを巡る状況を踏ま
え、株式会社地域経済活性化支援機構の改組や金融審議
会への参画、預金保険機構による預金保険料の還付な
ど、金融庁等と連携をとりつつ、金融破綻処理制度の整
備・運用や金融危機管理に努めている。
また、預金保険機構等については、平成25年度予算の
認可等を行うなどの監督に努めたほか、平成25年度の政
府保証枠については、金融機関等を巡る情勢の変化や公
的資金の回収状況等を踏まえて設定している。
以上の施策により、平成24年度における金融システム
を巡る状況を踏まえながら、金融システムの安定に相当
の進展がもたらされたものと評価できることから、「A
達成に向けて相当の進展があった。」とした。
(出所)預金保険機構の資料を基に、大臣官房信用機構課で作成。
(注) 過去に行った資産買取等を経理する勘定のため、買取資産の回収の進展等に対応し
て、1兆円減額。
2
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
株式会社地域経済活性化支援機構の改組や金融審議会
への参画など、金融システムの安定のために必要な制度
の整備・運用に努めている。また、平成25年度予算の認
可等を行うなど、預金保険機構等の監督に努めている。
(有効性)
金融機関等を巡る情勢の変化や公的資金の回収状況等
を踏まえつつ、金融破綻処理や金融危機管理などに十分
対応できる規模の政府保証枠を設定している。
(効率性)
金融庁等と連絡調整を密に行い、事務運営を効率的に
行っている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
金融システムの現状について、主要行等の不良債権比
率等の参考指標を用いて分析している。
(今後の提言等)
(政策の改善)
金融システムの状況を踏まえながら、金融庁等と連携
をとりつつ、政府保証枠の設定、預金保険機構等の監督
等、金融破綻処理制度の整備・運用や金融危機管理に努
めることとしている。
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
- 49 -
「政策の目標」
政策目標5-1:内外経済情勢等を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度の改善等
(評価書
評
価 意
263 頁)
見
評価基準ごとの審査
評価の判断理由等
1 「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
(達成度に係る評価の理由等)
関税改正に当たっては、内外の経済情勢、貿易動向や国民のニ
ーズ等を把握し、関税率の設定や関税制度の改善に努めており、
特殊関税制度についても、WTO協定及び国内関係法令等に基づ
き、透明かつ公平・適正に運用しているため、「A 達成に向け
て相当の進展があった。」と評価した。
2
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
関税改正に当たっては、内外の経済情勢、貿易動向や、国民の
ニーズ等を考慮しつつ、関係省庁と協議を十分に行った上で、関
税・外国為替等審議会における論点整理を踏まえて関税改正案を
策定し、その主要事項を「平成25年度税制改正の大綱」に盛り込
み、これらを踏まえた関税改正法案を国会に提出している。ま
た、特殊関税については、WTO協定及び国内関係法令等に基づ
き、透明かつ公平・適正に運用している。
(有効性)
平成25年度関税改正の検討に当たっては、内外の市況や国内産
業の実情など客観的なデータの収集を行い、国民のニーズの的確
な把握に努め、改正作業に活用している。
(効率性)
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
平成25年度関税改正に当たり、要望を受け付ける際に客観的情
報の提示を求めるとともに、政策評価の結果等について記載した
改正要望書の提出を求め、関係省庁との協議の際、それらの資料
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
の十分な活用に努めるなど、効率的な事務運営に努めている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
参考指標を設定した上で、目標を巡る内外の経済情勢の説明を
行っている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
内外の経済情勢の変化等を踏まえた関税率の設定・関税制度の
改善、WTO協定及び国内関係法令等に基づく特殊関税制度の透明
かつ公平・適正な運用を推進する必要がある。
関税改正要望については、関係省庁との協議を十分に行うとと
もに、今後とも関税・外国為替等審議会の場における議論等を踏
まえるなど国民のニーズの的確な把握に努めることとしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
平成 24 年度政策評価書
- 50 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標5-2:多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進、税関分野における貿易円滑化の
推進
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
業績指標
目標値
実績値
税関相互支援協定
等の締結数
増加
(22国・地域)
24国・地域
(注)( )は23年度の数値
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
見
評価の判断理由等
1 「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
2
270 頁)
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
(達成度に係る評価の理由等)
日EU・EPA、RCEP、日中韓FTAの交渉開始というこれまでにない
EPA・FTA交渉にかかる進展があったが、これについて、EPA共同
議長4省庁の一角として貢献している。
WCO政策委員会が京都で開催され、貿易円滑化の推進を通じた
経済成長への取組を進めることとされ、また国際開発金融機関
(MDBs)の日本基金を通じた途上国税関当局へのキャパシティビ
ルディングを今後より一層拡大していくこととなっている。
さらに、税関分野における情報交換や協力に関する取組とし
て、南アフリカとの間で税関相互支援にかかる政府間協定を、フ
ランスとの間で税関支援にかかる税関当局間取決めを締結するな
どの進展があったことから、「A 達成に向けて相当の進展があ
った。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
世界経済の持続的な成長に資するため、EPA交渉を積極的に推
進している。また、ASEAN諸国等を中心に国別・分野別に重点分
野を特定し、今後概ね3年間の支援内容・支援主体を規定した支
援計画を策定し、当該計画に従い、関税技術協力を実施してい
る。
(有効性)
EPA交渉については、日EU・EPA、RCEP、日中韓FTAの交渉開始
というこれまでにないEPA交渉にかかる進展があった。また、
ASEAN諸国の税関の発展段階に応じた関税技術協力を実施し、相
手国における貿易ビジネス環境の改善に積極的に関与している。
(効率性)
EPA交渉、WTOドーハ・ラウンド交渉や税関分野における貿易円
滑化への取組を効率的に進めるため、関係省庁と協力しつつ、政
府一体となって取り組んでいる。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
EPA交渉、WTOドーハ・ラウンド交渉や税関分野における貿易円
滑化の進捗状況や成果の正確な把握に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
世界経済の持続的な発展に資するため、EPA交渉を引き続き推
進するとともに、WCOやAPEC等の国際的な枠組み、貿易円滑化に
関するASEAN諸国との政策協議及び税関当局間の情報交換等を通
じて、税関分野における貿易円滑化推進に引き続き取り組む必要
がある。また、WTOドーハ・ラウンド交渉の妥結に向けて引き続
き取り組んでいくとしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
- 51 -
「政策の目標」
政策目標5-3:関税等の適正な賦課及び徴収、社会悪物品等の密輸阻止並びに税関手続におけ
る利用者利便の向上
評
(評価書 279 頁)
価 意
見
評価基準ごとの審査
1
評価の判断理由等
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
目標値
実績値
不正薬物の水際押収量の割合
不正薬物
向上(74.3%)
(注)( )は19~23年実績
覚醒剤
向上(97.7%)
(注)( )は19~23年実績
不正薬物
覚醒剤
平成16~20年
77.3%
88.3%
17~21年
67.3%
90.1%
N.A.
N.A.
18~22年
67.7%
94.2%
(出所)関税局調査課調
(注1)当該年を含めた過去5年間における不正薬物(覚醒剤、大麻、麻薬類(ヘロイン、
コカイン、あへん))の国内全押収量(厚生労働省統計)中、水際押収量(税関が摘
発した事件、または警察等他機関が摘発した事件で税関が関与したものに係る押収
量)の占める割合。
(注2)関係機関による実績等外的要因による変動が大きいため、過去5年間の平均値で把
握。
(注3)平成24年の実績は、平成25年7月以降にデータが確定するため、平成25年度実績評
価書に掲載予定。
【参考指標 5-3-6】社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績(抜粋)
平成20年 21年
22年
23年
24年
不正薬物
313件
402件
296件
326件
308件
498㎏
403kg
364kg
509kg
626kg
162千錠 93千錠 30千錠 18千錠 16千錠
覚醒剤
110件
164件
152件
185件
141件
408kg
333kg
322kg
402kg
482kg
銃砲
1件
2件
3件
1丁
2件
4件
知的財産侵
害物品(輸入 26,415件 21,893件 23,233件 23,280件 26,607件
差止件数)
業績指標
目標値
審査・検査における非違 過去5年の平均より増
発見件数
加(80,623件)
実績値
平成17年度
平成20年度
平成23年度
(H18.3実施) (H21.3実施) (H24.3実施)
88,221件
平 均 所 海上
要時間 航空
(注)( )は平成19~23年度実績。
平成18~22年度平均
非違件数
(達成度に係る評価の理由等)
社会悪物品等の密輸阻止に関しては、業績指標「不正薬物の水際
押収量の割合」の実績値はまだ確定していないが、平成24年におい
ては、押収量が5kgを超える覚醒剤の大口密輸入事犯の摘発件数が
前年の約2倍となったこと等から、税関による不正薬物の押収量
(覚醒剤、大麻、麻薬類(重量))は過去5年で最高となり、特に
覚醒剤については過去10年で最高となっている。また、知的財産侵
害物品の差止件数は、過去最高を記録している。
関税等の適正な賦課及び徴収に関しては、業績指標「審査・検査にお
ける非違発見件数」等が目標値を上回るなどの実績を挙げている。平成
24年度においては、特に豚肉に係る関税制度を適切に運用するため、通
関時における審査・検査や輸入の許可後における事後調査等の充実を図
っており、不正に関税を免れた者を告発する等厳正に対処している。
他方、税関手続における利用者利便の向上に関しては、業績指標
「輸出入通関における利用者満足度」等では目標値を下回ってお
り、利用者満足度の向上に向けて更なる改善に努める必要があると
考えられるものの、業績指標「AEO事業者新規承認数」、「NACCSの
利用状況」及び「税関ホームページのアクセス状況」等は目標値を
達成しており、また業績指標「密輸取締り活動に関する認知度」等
では目標値に届かなかったが、前年度より改善が図られている。さ
らに、業績指標「輸入通関における平均所要時間」については、調
査の度にほぼ一貫して輸入通関における所要時間の短縮が実現して
いる。また、制度面についても、平成24年7月より、審査・検査が
不要とされた輸出入申告について、仕入書等の通関関係書類の提出
を原則省略することしている。
以上から、社会悪物品等の密輸阻止に関して、良好な成果を挙げ
たことに加えて、他の客観的な指標についても概ね改善が図られて
いること等から、総合的に判断して、「A 達成に向けて相当の進
展があった。」と評価した。
3.1(62.4)
2.6(60.7)
0.4(16.0)
0.3(13.4)
(出所)関税局業務課調
67,612件
(注1)輸入申告から輸入許可までの時間。船舶等の入港から輸入許可までの時間を括弧書きで参考表
示した。
(出所)関税局業務課調
(注)
3.3(63.8)
0.4(14.4)
当該年度を含めた過去5年間の審査・検査を行った結果、申告内容に誤り等を発見
(注2)調査を実施した年度のみ計上している。
(注3)目標年度(調査実施年度)は、今後の状況により変更する場合がある。
した件数。
(注4)平成26年度の目標値は、平成25年度政策評価実施計画にて平成23年度の実績値を踏まえ設定し
業績指標
目標値
事前教示制度の運用状況
(一定期間以内で回答した割合)
文書
99.9%
14日
処理日数
99.9%
口頭
業績指標
事前選定による検査指数
大型X線検査装置による検
査指数
輸入通関における平均所要時間
海上
業績指標
目標値
実績値
99.9%
13.2日
99.7%
事業者のAEO制度利用状況
(AEO事業者新規承認数)
30者
47者
目標値
実績値
AEO事業者新規承認数
200
178
95
83
2.5時間
N.A.
23年度
37者
(出所)関税局監視課及び業務課調
(注)
AEO事業者新規承認数は、各年度におけるAEO事業者新規承認数。
(参考)平成24年度末現在のAEO事業者数は、509者(うち輸出者245者(貿易額シェア(平成23年末時
点)は51.7%)、輸入者88者、倉庫業者103者、通関業者68者、運送者5者)
(26年度目標値)
航空
た数値。
実績値
0.3時間
(26年度目標値)
N.A.
目標値
実績値
輸出入通関における利用者満足度
輸出入者
60.0%
75.0%
通関業者
業績指標
50.0%
59.6%
平成 24 年度政策評価書
- 52 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
業績指標
目標値
NACCSの利用状況
(システム処理率)
実績値
98%
98%
平成22年
23年
98%
98%
システム処理率
(出所)関税局総務課事務管理室調
(注)
(NACCSにより処理された輸出入申告件数)/(税関への全輸出入申告件数(輸出入
申告件数には、輸出入許可、蔵入承認件数、移入承認件数、総保入承認件数及び積戻
し件数を含む))
業績指標
NACCSの運用状況
(システム稼働率)
目標値
実績値
99.99%
99.99%
平成22年度
23年度
99.95%
100%
システム稼働率
(出所)輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社調
(注)
(システム実稼働時間)/(1日のうちメンテナンス時間及び計画的な停止による停
止時間を除く時間)
業績指標
目標値
実績値
税関ホームページへのアク
セス状況
1,450,000者
2,480,750者
平成20年度
21年度
22年度
23年度
訪問者数 (1,910,341) (1,845,519) (2,071,137) 1,897,013者
(出所)関税局総務課調
(注1)税関ホームページ(http://www.customs.go.jp)を訪問した者の数を月単位で計測
したものであり、同じ利用者(IPアドレス)については、月内の税関ホームページ
業績指標
講演会及び税関見学におけ
る満足度
輸出入通関制度の認知度
事前教示制度
NACCSを利用した
他法令手続
納期限延長制度
輸入者のAEO制度
輸出者のAEO制度
開庁時間外における通関
密輸取締り活動に関する認
知度
貿易統計の公表状況
普通貿易統計(速報)
月分
普通貿易統計(速報)
上旬分
普通貿易統計(速報)
上中旬分
普通貿易統計(確報等)
普通貿易統計(確定)
特殊貿易統計(確報)
特殊貿易統計(確定)
船舶・航空機統計(確報)
船舶・航空機統計(確定)
達成割合
税関相談官制度の運用状況
(税関相談についての利用
者満足度)
カスタムスアンサー(イン
ターネット版)利用件数
目標値
実績値
維持(98.3%)
97.3%
75.0%
70.0%
69.4%
62.7%
80.0%
90.0%
90.0%
90.0%
68.7%
80.2%
82.4%
79.3%
80.0%
77.8%
12/12
12/12
12/12
12/12
12/12
12/12
12/12
1/1
12/12
1/1
12/12
1/1
100%
12/12
1/1
12/12
1/1
12/12
1/1
100%
80.0%
76.3%
128,000件
147,423件
(注)( )は平成23年度実績。
訪問回数に関わらず1件として計上する。
(注2)平成23年3月に行った機器更改に伴い、アクセス状況を集計するソフトウェアの変
更が行われ、集計方法が変更されたことから、旧ソフトウェアによるアクセス件数を
括弧書きで記載している。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
関係民間業者等を対象としたヒアリングを通じて、利用者ニーズ
を踏まえ、AEO輸出者が行った輸出申告について、許可後に積載船名
や価格等を変更する場合の許可内容変更手続の緩和や、審査・検査
が不要とされた輸出入申告について、仕入書等の通関関係書類の提
出の原則省略など利用者利便の向上に資する施策・制度改正を行っ
ている。
(有効性)
適正な関税等の賦課及び徴収の確保のため、輸入事後調査を適切
に実施し、平成23事務年度の関税・消費税の追徴税額は約156億円と
なっている。
社会悪物品等の密輸阻止のため、情報を活用した効果的かつ効率
的な取締りを実施し、平成24年の覚醒剤の押収量が過去10年で最高
の数量となり、また、知的財産侵害物品の輸入差止件数は過去最高
を記録している。
一方、国際物流の迅速化・円滑化のため、税関手続に係る制度の
改善等を行ってきた結果、輸入通関における平均所要時間(平成24
年3月調査)は、前回調査(平成21年3月調査)と比べて、海上一
般貨物については0.5時間、航空一般貨物については0.1時間短縮し
ている。
(効率性)
貿易円滑化を推進するため、税関手続の利用者である輸出入者・
通関業者等を対象にヒアリングを実施している。また、社会悪物品
等の密輸阻止のため、関係機関との連携の一層の強化及び各種情報
の分析・活用により、効率的な水際取締りに努めている。
- 53 -
3
結果の分析の的確性
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
税関手続、水際取締り及び情報提供に関する業績指標を設定する
おおむね的確に行われている。
とともに、アンケート調査を実施し、各指標の実績を把握した上
で、未達成の目標については、可能な限り原因・改善策について記
載している。
4 当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
(今後の提言等)
(政策の改善)
政策について有益な提言がなされている。
通関関係書類の電子化・ペーパーレス化の取組をはじめ、各種税
関手続のより一層の改善を図るとともに、検査機器や事前情報等を
有効に活用し、リスクに応じた効率的な取締りに努め、貿易円滑化
と水際取締りの両立を図ることとしている。
また、平成25年10月に動植物検疫や食品衛生手続のシステムを
NACCSに統合することとしており、関係省庁の手続において貨物情報
の利用等の機能向上が図られることとなる。
講 評
○ 利用者満足度が業績指標の目標値を下回っていること、及び輸出入通関制度、密輸取締り活動に関する認知
( 平 成 25 年 6 月
度が業績指標の目標に達していないことから、Bと評価すべきである。
「財務省の政策
○
NACCSと関係省庁システムとの統合の成果については「利便性向上」という観点から高く評価したい。
評価の在り方に
関 す る 懇 談 ○ 「業績指標5-3-8:輸出入通関における利用者満足度」「業績指標5-3-16:税関相談官制度の運用状況(税関
相談についての利用者満足度)」の指標の満足度は、高ければよいものではなく、厳しいと評価されることも
会」)
必要であるから、満足度を高めるべき面と厳格にすべき面のバランスをとることをお願いしたい。
平成 24 年度政策評価書
- 54 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標6-1:外国為替市場の安定並びに国際金融システムの安定に向けた制度強化及びそ
の適切な運用の確保
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
正確かつ適時な情
報の提供
目標値
実績値
100%
100%
改正省令に基づく新報告様
式等に係る記載要領の作
国際収支統計の移
成・公表(注)
行に向けた準備作
改正省令別表第1(国際収
業の実施
支項目番号)に係る解説資
料の作成・公表(注)
(注)公表は25年4月。
〇
〇
価 意
299 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
業績指標として掲げた国際収支統計等の正確かつ適時な情報の提供
については、目標どおりの頻度で統計を作成・公表し、目標値を達成
している。また、国際収支統計のIMFマニュアルを適用するための移
行に向けた準備作業も、平成24年度実施を目標としていた項目は着実
に実施している。
外国為替市場の安定に関しては、日常的な国際金融市場のモニタリ
ングや各国の通貨当局との意見交換、緊密な協力等を行った。加え
て、G7声明(平成25年2月12日)や G20声明(平成25年2月15~16
日)では、日本を含む各国の財政・金融政策が、為替レートではな
く、国内目的を達成することに向けられてきていること、今後もそう
していくことが確認され、「為替レートは市場において決定されるべ
き」等のコミットメントが再確認されている。また、為替市場のモニ
タリングに関して、主要金融機関からの「外国為替の持高の報告」の
徴求を平成25年6月末まで継続して実施することとしている。さら
に、欧州金融安定ファシリティ(EFSF)債に関して、外貨準備におい
て継続的に購入し、欧州における金融の安定に貢献してきたところで
あり、欧州の金融安定化が通貨の安定に資するとの観点から、欧州自
身の今後の更なる取組を踏まえつつ、欧州安定メカニズム(ESM)債
に関しても、外貨準備を活用して一定部分を継続的に購入していくこ
ととしている。
国際金融システムの安定に関しては、G20やG7における国際的な議
論・取組に積極的に参画するとともに、IMFに関しては、他国に先駆
け、IMFに対する600億ドルの資金貢献を表明し、IMFの資金基盤強化
を主導するほか、IMFの機能強化等の議論に積極的に参画している。
アジアにおける地域金融協力の強化に関しては、ASEAN+3財務大
臣・中央銀行総裁プロセスにおいて積極的に取り組み、チェンマイ・
イニシアティブに関しては、その有効性を高めるべく、規模の増額を
含む現行の危機対応機能の強化、及び危機予防機能を柱とする強化策
に合意し、域内の経済監視を行う常設機関であるASEAN+3マクロ経
済リサーチ・オフィス(AMRO)に関しては、更なる組織強化の検討及
び国際機関化に向けた準備の加速に合意している。また、「信用保
証・投資ファシリティ(CGIF)」に関しては、その保証案件の組成に
向けた作業を進めている。さらに、アジア債券市場育成イニシアティ
ブを通じて、クロスボーダー債券取引の促進に向けた取組等を進める
とともに、地域金融協力の中長期的な課題に関しても、平成25年1月
に太平洋自然災害リスク保険のパイロット・プログラムを開始する
等、積極的に議論・取組を進めている。
二国間での取組については、韓国及び中国との間で、財務対話を開
催している。また、インドとの間では、総額150億ドルの二国間日印
通貨スワップ取極を平成24年12月に締結している。
テロ資金供与や大量破壊兵器の拡散への資金支援といった国際金融
システムの濫用防止に関しては、国際会議やFATF(金融活動作業部
会)等への積極的な参画を通じて、その対策に貢献している。特に、
北朝鮮及びイランに関しては、累次の国連安保理決議に基づき、核開
発等に関与する者に対する資産凍結等の措置を講じてきており、本年
度も、安保理決議等により指定された対象者に対し、資産凍結等措置
を実施している。
このように、世界的な金融市場に不安定化のリスクが残る中、各国
通貨当局との緊密な協力等を通じて為替市場の安定に向けて取り組む
とともに、国際金融システムの安定に向けた国際的な取組に引き続き
積極的に参画し、さらに、アジアにおける地域金融協力に関しても成
果・進展が見られたことから、「A 達成に向けて相当の進展があっ
た。」と評価した。
- 55 -
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
適切であった。
G20等の国際的な枠組みへの参画やアジア成長戦略の推進のための
有効であった。
取組等は、目標を達成するために必要な施策であり適切であった。
効率的であった。
(有効性)
G20声明等に示されているとおり、我が国を主要メンバーとする国
際社会の協調が世界経済及び金融の安定の回復に貢献している。ま
た、アジアにおける地域金融協力の強化や途上国支援等にも積極的に
貢献している。さらに環太平洋パートナーシップ(TPP)、日EU・
EPA、RCEP、日中韓FTA等に関して進展があった。よって、有効であっ
た。
(効率性)
財務省単独で解決することが困難な政策課題に関して、G20各国や
国際金融機関等の多様な主体と適切に連携して実行し、具体的な成
果・進展を得た。従って、効率的であった。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
3 結果の分析の的確性
業績指標の設定が困難な分野であるが、参考指標の設定は妥当であ
おおむね的確に行われている。
り、統計データの検証可能性も出所を明示することで担保されている
ため、結果の分析はおおむね的確に行われている。
(今後の提言等)
4 当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
(政策の改善)
政策について有益な提言がなされている。
今後取り組むべき具体的な手段(外国為替市場の安定に向けた取
組、アジアにおける地域金融協力強化の取組等)に言及している。
講 評
○ 日本の最近の円の動きを見ると、この半年で約30円も動いており、70円台が100円になっている。
( 平 成 25 年 6 月
マーケットファンダメンタルに対応して日本の為替が動いているというが、もう少し安定的になってほし
「財務省の政策評
いという意見も聞く。
価の在り方に関す
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
る懇談会」)
平成 24 年度政策評価書
- 56 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
政策目標6-2:開発途上国における安定的な経済社会の発展に資するための資金協力・知的
支援を含む多様な協力の推進
「政策の目標」
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
2
「政策の目標」の達成度
目標値
実績値
45以上
45
80%以上
98.6%
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への
提言
政策について有益な提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
見
評価の判断理由等
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
MDBsとの政策協議・開発問題
研究会の開催回数
知的支援に関する研修・セ
ミナー参加者の満足度
323 頁)
(達成度に係る評価の理由等)
業績指標として掲げたMDBsとの政策協議・開発問題研究会の開催回数について
は、政策立案に活かすために政策協議・開発問題研究会を積極的に開催し、目標値
を達成している。
知的支援に関する研修・セミナー参加者の満足度についても、参加者を対象にア
ンケート調査を実施した結果、目標値を達成している。
ODAに関しては、関係省庁間で密接な連携を図りながら、国際開発金融機関及び諸
外国との援助協調の推進、官民連携やNGOとの連携の促進、国別援助方針の策定等を
通じて、財務省が所管するODAの一層効率的・戦略的な活用に取り組んでいる。
円借款業務に関しては、我が国の優れた技術を活用している形で、アジアを始め
とする開発途上国の経済開発等を支援するために円借款を供与している。また、ミ
ャンマーに関しては、民政移管以降の様々な改革の進展を踏まえ、延滞債務問題を
包括的に解決する道筋につき合意し、世銀・ADB及び我が国に対する延滞債務を解消
し、本格支援が再開するに至っている。
国際協力機構(JICA)の海外投融資に関しては、「パイロットアプローチ」の
下、具体的な案件審査と制度設計等に取り組んできたことを踏まえ、平成24年10月
に本格再開している。
国際協力銀行(JBIC)業務に関しては、平成24年4月にJBICが日本政策金融公庫から分
離して新たな組織となり機能強化されたところであり、新組織の下で、我が国企業による
海外事業展開がより積極的に行われるようJBICの更なる機能強化に取り組んでいる。
国際開発金融機関(MDBs)を通じた支援に関しては、平成24年10月に東京で開催
されたIMF・世銀総会に際し、世銀と共に仙台で、「防災と開発に関する会合」を共
催し、途上国開発のあらゆる側面に防災の観点を取り込むことの重要性を発信して
いる。地球環境保全・改善への取組については、JICAやJBICを通じた二国間の取組
を支援したほか、地球環境ファシリティ(GEF)等多国間の資金メカニズムに関し
て、運営の改革・改善やプロジェクトの進捗の議論に積極的に参画している。
税関の知的支援については、ASEAN諸国を重点支援地域として、税関の改革・近代化に取
り組んでいる開発途上国税関当局が抱えるそれぞれの課題を把握した上で、支援対象国と
支援分野の重点化を図った研修を計画し、本邦受入研修や専門家派遣を実施している。
知的支援の実施に当たっては、相手国の要望に即している内容となるように事前に
相手国の政策・実務担当者、在外公館の財政経済担当者及び長期派遣されているJICA
専門家等との意見交換を十分に行うとともに、事後のアンケート・意見交換に基づ
き、内容の見直しに努めている。また、ミャンマー政府からの要請に基づき、平成27
年までの証券取引所設立に向けた資本市場育成支援を行っている。
このように、円借款、JBIC及びMDBs等を活用して、途上国における安定的な経済社
会の発展に資するための協力を積極的に推進している。さらに、知的支援に関する研
修・セミナーも、人材育成支援・国際協力推進の観点から積極的に開催し、高い評価
を得ている。よって、「A 達成に向けて相当の進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
円借款や国際協力銀行業務等の実施は、目標を達成するために必要な施策であ
り、適切であった。
(有効性)
ODAの効率的・戦略的な活用、MDBsを通じた積極的な支援への参画等は、開発途上
国の安定的な経済社会の発展に貢献している。よって、有効であった。
(効率性)
国際開発金融機関及び諸外国との援助協調の推進、官民連携やNGOとの連携の促
進、国別援助方針の策定等を通じて、財務省が所管するODAの一層効率的・戦略的な
活用に取り組むなど、業務の効率化に努めた。従って、効率的であった。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
参考指標の設定は妥当であり、統計データの検証可能性も出所を明示することで
担保されているため、結果の分析はおおむね的確に行われている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
今後取り組むべき具体的な手段(円借款やJBICの活用、MDBsの運営への積極的な
参画等)に言及している。
- 57 -
政策の目標」
政策目標6-3:アジア経済戦略の推進(新成長戦略)
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
345 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
1 「政策の目標」の達成度
アジア経済戦略の推進に関しては、我が国システムの海外展開の促
A 達成に向けて相当の進展があった。
進をファイナンス面から支援するため、円借款の一層の積極的な活用
を図っている。さらに、円借款に関しては、国際ルールを踏まえつつ
日本企業が裨益できる円借款制度の在り方に関して検討を行ってい
る。
国際協力銀行(JBIC)業務に関しては、新組織の下で、我が国企業
による海外事業展開がより積極的に行われるようJBICの更なる機能強
化に取り組んでいる。平成24年度は円高対応緊急ファシリティを積極
的に推進し、累計で約4兆円の実績を上げると共に、リスクマネー供
給のため「海外展開支援出資ファシリティ」を創設している。また、
円高対応緊急ファシリティは3月末に期限を迎えたが、これを「海外
展開支援融資ファシリティ」に発展的に改編し、平成24年4月以降も
日本企業の海外展開支援を更に拡充することとしている。
アジア債券市場の構築支援に関しては、「信用保証・投資ファシリ
ティ(CGIF)」の保証案件の組成に向けた作業等の取組を進めてい
る。日中金融協力の強化に関しては、平成24年6月、東京市場と上海
市場で円と人民元の直接交換取引が開始されている。これらに加え、
現地通貨建てファイナンスの支援を含むASEAN諸国との二国間金融協力
の強化に向けた取組も開始している。
このように、アジア経済戦略の推進について、アジア地域に対する
円借款の一層の積極的な活用を進めたほか、「海外展開支援出資ファ
シリティ」を創設する等JBICの機能強化等に関して具体的進展があっ
た。アジア諸国との金融協力に関しても、東京市場と上海市場で円と
人民元の直接交換取引が開始されたほか、ASEAN諸国との二国間金融協
力の強化に向けた取組など具体的進展があったことから、「A 達成
に向けて相当の進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
2 事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
(適切性)
適切であった。
アジアにおける円借款の積極的な活用や、「海外展開支援出資ファ
有効であった。
シリティ」創設等JBICの機能強化、アジア諸国との二国間金融協力の
効率的であった。
推進等は、目標を達成するために必要な施策である。よって、適切で
あった。
(有効性)
アジアにおける円借款の積極的な活用や、「海外展開支援出資ファ
シリティ」創設等JBICの機能強化、アジア諸国との二国間金融協力の
推進等は、アジア経済戦略の推進に貢献している。よって、有効であ
った。
(効率性)
アジア各国と適切に連携して政策目標の実現のための施策に取り組
んでいる。従って、効率的であった。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
3 結果の分析の的確性
業績指標の設定が困難な分野であるが、参考指標の設定は妥当であ
おおむね的確に行われている。
り、統計データの検証可能性も出所を明示することで担保されている
ため、結果の分析はおおむね的確に行われている。
4 当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言 (政策の改善)
今後取り組むべき具体的な手段(円借款やJBICの活用、アジア諸国
政策について有益な提言がなされている。
との二国間金融協力の強化等)に言及している。
○ アジア経済に関して、ASEAN諸国との協力などを通じて、大きな将来を見ながら、通貨面を含むアジアと日
講 評
本の経済的な関係をうまく持っていってもらいたい。
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
平成 24 年度政策評価書
- 58 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
政策目標7-1:政府関係金融機関等の適正かつ効率的な運営の確保
「政策の目標」
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
A 達成に向けて相当の進展があった。
【参考指標 7-1-1】政府関係金融機関の出融資計画額(補
正後)の推移
㈱日本政策金融公庫
21年度
22年度
23年度
24年度
国民生活事業
70,033
31,153
37,923
32,713
農林水産事業
3,100
3,100
3,600
3,200
中小企業事業
40,151
23,401
32,251
27,751
国際協力銀行
30,530
14,755
15,525
22,980
1,389
1,387
1,429
1,430
(出所)各機関から報告を受けて、大臣官房政策金融課で集計。
(注1)政策金融改革の結果、旧日本政策投資銀行及び旧公営企業金融公庫
は、平成20年10月1日にそれぞれ民営化及び廃止されたため、新体制
移行後の指標から除いている。
(注2)旧国際協力銀行の海外経済協力勘定は、㈱日本政策金融公庫へ移行
されなかったため、指標から除いている。
(注3)平成24年4月に㈱国際協力銀行を設立。
【参考指標 7-1-6】政府関係金融機関の延滞率の推移
平成21年度末
見
評価の判断理由等
1 「政策の目標」の達成度
沖縄振興開発金融公庫
353 頁)
(達成度に係る評価の理由等)
東日本大震災を受けた対策として、指定金融機関において、危機
対応業務の一環とした資本性資金を融資する制度の導入等の措置を
講じ、被災企業の資金繰りの円滑化に取り組んでいる。
また、「日本経済再生へ向けた緊急経済対策」を受けて、日本政
策金融公庫において、中小企業者等に対する資本性資金の活用や経
営力強化保証を中心とした借換保証の推進等の措置を講じるなど、
中小企業者等の資金繰りの円滑化に資するよう各政府関係金融機関
等が適正に業務を運営するよう監督している。
上記の結果より、政府関係金融機関等が新体制へ移行された平成
20年10月から平成25年3月末までに、セーフティネット貸付等17兆
円、中堅・大企業向け危機対応業務を活用した長期資金貸付等6兆
円の実績を上げている。
さらに、検査において、4機関に対して、関係法令・規程等に基
づき、政策目的に沿った適切な業務運営が行われているかを検証
し、個人情報管理や苦情報告体制処理をはじめとする顧客保護等管
理態勢等の改善につながる指摘を行うなど問題の本質的な改善につ
ながる深度ある原因分析・解明に努め、効率的・効果的な検査を行
っている。
以上のように、政策金融の機能が的確に発揮されるように、施策
の実施や効果的・効率的な検査に努めていることから、「A 達成
に向けて相当の進展があった。」と評価した。
22年度末
㈱日本政策金融
公庫
国民生活事業
4.80
4.17
農林水産事業
0.66
0.66
中小企業事業
4.25
3.29
国際協力銀行
0.99
1.03
沖縄振興開発金融公庫
1.29
1.10
(出所)各機関から報告を受けて、大臣官房政策金融課で集計
(注1)延滞率=(弁済期限を6か月以上経過して延滞となっている貸付の
元金残高額/貸付残高×100)。
(注2)政策金融改革の結果、旧日本政策投資銀行及び旧公営企業金融公庫
は、平成20年10月1日にそれぞれ民営化及び廃止されたため、新体制
移行後の指標から除いている。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
経済対策や震災対応において中小企業者等への円滑な資金供給等を
実施するなど必要なニーズに対して適切に対応している。関係省庁等
と緊密に連携しつつ検査を適切に実施し、その結果も踏まえて各機関
の財務の健全性の確保や業務運営体制の改善に努めている。
(有効性)
経済対策や震災対応において事業規模を拡大した貸付枠等に対し
て、十分な実績を上げている。
(効率性)
各機関の検査について、監督部局が検査対象機関から受けた報告
等の情報を活用することや検査対象機関の業務の一部に焦点をあて
た検査を実施するなど、効率的な実施に努めている。
- 59 -
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
各施策の実施状況及びこれらの取組による成果について、規模や
実績件数など、一部について定量的に記述するとともに、今後の課
題について、実績評価書に言及している。
(今後の提言等)
(政策の改善)
今後とも、政策金融の実施に関し必要なニーズに対して、質・量
ともに的確な対応を行うこととしている。また、関係省庁と緊密に
連携しつつ、引き続き効果的・効率的な検査を行い、その結果も踏
まえて政府関係金融機関の財務の健全性の確保や業務運営体制の改
善に努めていくこととしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
平成 24 年度政策評価書
- 60 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
政策目標8-1:地震再保険事業の健全な運営
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった
業績指標
目標値
実績値
世帯数に対する地震
保険の普及率:
23.7%以上かつ
前年度(26.0%)
地震保険の普及率
より上昇
等の推移
火災保険に対する地
震保険の付帯率:
48.1%以上かつ
前年度(53.7%)
より上昇
地震保険検査先数
5社程度
の推移
2
28.0%
(暫定値)
20年度
21年度
22年度
23年度
普及率
22.4%
23.0%
23.7%
26.0%
付帯率
45.0%
46.5%
48.1%
53.7%
検査先数
5社
5社
5社
5社
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
効率的であった。
結果の分析の的確性
的確に行われている。
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
平成24年度の地震保険の普及率は前年度対比で2.0ポイントの
上昇、付帯率は同2.5ポイントの上昇となっており、地震保険検
査先数についても5社の検査を実施し、業績指標は目標値を全
て達成したものの、被災した際の生活の安定のため、国民に対
し継続的な普及促進に努めることが重要であることから「A
達成に向けて相当の進展があった」と評価した。
5社
有効であった。
4
見
56.2%
(暫定値)
適切であった。
3
価 意
360 頁)
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
損害保険業界と緊密な連携の下に、東日本大震災を踏まえた
広報活動を行ったほか、東日本大震災に係る再保険金支払を適
切に行っている。
(有効性)
効果的な普及促進の観点から、損害保険業界と一体的に広報
活動を実施したほか、金融庁、国土交通省を通して所管する業
界団体にも協力を要請している。
(効率性)
損害保険業界と一体的に広報活動を行うことで、効率的に地
震保険の普及率の向上が図られている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
実績評価の指標について、地震保険の普及率、付帯率及び地
震保険検査先数といった明確かつ客観的な数値目標を掲げ評価
している。
(今後の提言等)
(政策の改善)
政策反映のための、今後取り組むべき具体的な手段(東日本
大震災を受けての地震保険制度に関する検討と普及拡大、再保
険事業の健全な運営の確保を図るための検査の実施)に言及し
ている。
○ 地震保険の普及率について、次年度の業績指標の設定にあたっては、「前年度より上昇」とするのではな
く、望ましい目標を達成するのに必要な指標を設定すべきである。
- 61 -
政策目標9-1:安定的で効率的な国家公務員共済制度等の構築及び管理
「政策の目標」
(評価書
評
価 意
見
評価基準ごとの審査
1 「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
365 頁)
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
社会保障・税一体改革に盛り込まれた被用者年金一元化について、
関係省庁と連携を図り、法案を国会に提出している(平成24年8月10
日成立)。また、被用者年金一元化法において検討することとされて
いた共済年金の職域部分廃止後の新たな年金制度を設けるため、法案
を国会に提出している(平成24年11月16日成立)。これら法案の成立
に伴い、施行に向けて事務体制や政省令等の検討を行っている。
社会保障協定については、財務省も連携し、厚生労働省が中心とな
って、新たにインドとの社会保障協定を締結している。行政事業レビ
ューにおける指摘を踏まえ、経費の効率化を図りつつ、国家公務員共
済組合連合会等の適正な運営の確保に努めている。
これらの結果を総合的に勘案し、政策目標の達成に向けて相当の進
展があったこと等から「A 達成に向けて相当の進展があった」と評
価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
社会保障改革への対応について、国家公務員共済年金制度を所管す
る立場から、関係各省とも連携を取って検討を進めている。また、国
際的な人的交流の活発化に伴う諸問題を解決するための社会保障協定
やその他の社会保障制度改正に適切に対応している。
(有効性)
社会保障改革への対応についての検討のほか、社会保障協定やその
他の社会保障制度改正など、安定的で効率的な国家公務員共済制度の
構築及び管理という目標達成に寄与している。
(効率性)
制度改正や事務運営など、関係各省と連携を取りながら、効率的に
対応している。
3
結果の分析の的確性
的確に行われている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
国家公務員共済組合制度の安定性・効率性の確保という観点から分
析を行っている。また、参考指標を活用し、目標を巡る外部要因等の
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
有益な提言がなされている。
動向の分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
今後は、被用者年金一元化等の施行に向け、政省令等の整備に取り
組む必要があり、引き続き、関係各省と連携を取りながら、実施する
こととしている。
講 評
(平成25年6月「財
務省の政策評価の在
り方に関する懇談
会」)
平成 24 年度政策評価書
- 62 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
政策目標10-1:日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保
「政策の目標」
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
【参考指標 10-1-3】認可対象経費予算の推移
(単位:億円)
平成
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
銀行券製造費
519.8
509.5
499.5
497.4
481.6
国庫国債事務費
206.0
195.3
193.4
188.8
180.9
給与等
521.9
507.0
506.9
505.3
481.2
交通通信費
55.3
53.7
51.6
49.3
49.0
修繕費
21.2
21.0
20.4
20.0
20.0
499.5
526.3
549.5
563.8
554.2
80.2
35.8
30.0
24.5
35.2
科目
一般事務費
固定資産取得費
予備費
合計
2
10.0
10.0
10.0
10.0
10.0
1,913.9
1,858.5
1,861.3
1,859.1
1,812.1
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
価 意
370 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
人件費を含む経費の予算の認可、財務諸表の承認等を通じ、日本銀
行の業務及び組織の適正な運営が確保されるように努めている。
平成24年度においては、日本銀行との緊密な意思疎通の下、給与等
を中心として、同行の効率化の取組に相当の進展が見られていること
から、「A 達成に向けて相当の進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
日本銀行法の規定を踏まえ、財務諸表の承認、経費の予算の認可等
を通じ、日本銀行の業務及び組織の適正な運営が確保されるよう努め
ている。
(有効性)
平成24年度においては、国家公務員の給与に係る閣議決定等を踏ま
え、日本銀行に対し、給与や退職手当について必要な措置を講ずるよ
う要請した。同行では、平成25年度の経費予算においては、給与等を
はじめとする幅広い科目について削減を行った結果、全体で1,812億
円(対前年度比▲47億円、▲2.5%)となっている。
(効率性)
経費の予算の認可等においては、上記要請を踏まえた給与等の積算
過程も含めた経費効率化の取組等を確認することを通じ、日本銀行の
適正かつ効率的な業務運営の確保に努めている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
目標を巡る現状・外部要因等について、認可対象経費の予算の参考
指標を用いるなど、可能な限り定量的な分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
財務諸表の承認、経費の予算の認可等を通じ、日本銀行の業務が一
層適正かつ効率的に運営されるよう努めることとしている。
○ 次年度の目標の達成度を評価するためには、明確な目標値を設定することが必要である。日本銀行の効率
化の取組に相当の進展が見られたとの評価では、達成度の評価が困難である。
- 63 -
政策目標11-1:たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保
「政策の目標」
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
業績指標
製造たばこ小売販
売業の許可に係る
標準処理期間達成
率
塩製造業者等の登
録に係る標準処理
期間達成率
2
目標値
実績値
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
結果の分析の的確性
的確に行われている。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
価 意
374 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
業界に対する年齢確認の徹底についての要請(平成25年3月28日)
や未成年者喫煙禁止法第5条に違反したたばこ小売販売業者に対する
行政処分等により、未成年者喫煙防止の取組の推進を図っている。
また、WHOたばこ規制枠組み条約を踏まえた国内措置の円滑な実施
に適切に対応するため、締約国会議及び作業部会に積極的に参加して
いる。
塩事業者及び消費者に対し必要な情報を提供するため、平成23年度
塩需給実績、平成25年度塩需給見通しを公表している。
これらの取組に加え、たばこ事業の適切な運営と管理・監督及び塩
事業の適切な運営の確保について事務運営を行った結果、左記に掲げ
る業績指標については、目標値を達成したことから、「A 達成に向
けて相当の進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
未成年者喫煙防止の取組は、未成年者喫煙禁止法のほか、WHOたば
こ規制枠組条約で求められているものであり、たばこ事業の健全な発
展を促進するための手段として妥当である。
また、塩需給の調査・公表、塩事業者に対する登録、届出に関する
事務の調整等を行っている。
(有効性)
業界に対する年齢確認の徹底についての要請や未成年者喫煙防止法
第5条に違反したたばこ小売販売業者に対する行政処分(平成24年度
営業停止処分:14)等により、たばこ小売販売業者における未成年者
喫煙防止の取組が講じられている。
(効率性)
未成年者喫煙防止の取組は、警察庁やたばこ業界団体と連携して、
効率的に行っている。
また、製造たばこ小売販売業の許可及び塩製造業者等の登録に係る
処理は、すべて標準処理期間内に行われている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
製造たばこ小売販売業の許可に係る標準処理期間達成率等の業績指
標や参考指標を用い、可能な限り定量的な分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
たばこ規制枠組み条約の内容を踏まえた国内措置を実施するととも
に、対面販売時における年齢確認の徹底を要請するなど、未成年者喫
煙防止に対する取組を推進していくこととしている。
また、たばこ事業法及び日本たばこ産業株式会社法に基づき、各財
務(支)局等及び各税関ともに連携し、円滑な運営を図るとともに、
たばこ事業の健全な発展に向けた管理・監督を引き続き行っていくこ
ととしている。
塩需給見通し及び塩需給実績の調査・公表、生活用塩の供給業務等
を行う塩事業センターに対する業務規程・事業計画及び収支予算の認
可、各財務(支)局等及び各税関が行っている塩事業者の登録・届出
に関する事務の調整等を通じ、塩事業の適切な運営が確保されるよう
に努めることとしている。
講 評
( 平 成 25 年 6 月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
平成 24 年度政策評価書
- 64 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
組織運営の方針1:政策立案・調整・実施機能の発揮
「政策の目標」
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
B 達成に向けて進展があった。
【参考指標 組1-1】局長等連絡会議、財務局長会議の開催状
況
(単位:回)
20年度 21年度 22年度
23年度
24年度
局長等連絡会議
50
47
48
49
50
財務局長会議
4
4
4
4
4
(出所)大臣官房文書課調
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
おおむね有効であった。
おおむね効率的であった。
価 意
383 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
「基本方針」等において示された方針を意識し、官房が中心となっ
て、省内における緊密な意思疎通を図り、政策の実施に当たってい
る。
それとともに、財務局との連携強化に関して、財務局長会議等にお
いて適宜適切な意見交換を行うとともに、政策の企画立案の前提とな
る事項を把握するため、各財務局から、東日本大震災による管内経済
の影響等について報告を求めるなど中央と地方の連携の一層の緊密化
を図っている。
以上により、十分な取組を行ったと認められるため、「B 達成に
向けて進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
法案提出について、連絡調整を緊密に行うとともに、様々な状況に
柔軟に対応できるよう、国会開会後速やかに提出している。
(有効性)
政策立案過程において、部局間の調整不足や大きな齟齬を来すこと
なく所管の各種政策を立案している。
(効率性)
政策立案・調整・実施機能を発揮すべく、省内外各部局間の連絡調
整の一層の緊密化を図っている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
局長等連絡会議の開催実績等、施策について客観的な分析を行って
いるほか、今後の対策として、得られた情報の更なる活用や国民への
提供等が掲げられている。
(今後の提言等)
4 当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
(政策の改善)
政策について有益な提言がなされている。
今後とも、内外の経済社会の状況やその動向に適時・的確に対応し
つつ、政策立案・調整・実施機能を適切に発揮する必要がある。この
ため、引き続き、各部局間の緊密な連絡調整を図っていくこととして
いる。
講 評
○ 十分な取組を行っていながら評価がBということであるが、どこに問題があったのかの記述が必要であ
( 平 成 25 年 6 月
る。
「 財 務 省の 政 策評
価 の 在 り方 に 関す
る懇談会」)
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
- 65 -
組織運営の方針2:高い能力と見識を有する人材の育成・確保
「政策の目標」
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
B 達成に向けて進展があった。
【参考指標 組2-1】各種研修の実施状況
(単位:コース、人)
平 成
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
価 意
387 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
研修の実施については、各研修機関において職場の研修ニーズや職
員の要望を踏まえ、行政を取り巻く環境の変化に対応した研修内容の
見直しを行っているほか、研修講座の新設や再編を行い、着実に研修
を実施していることから、「B 達成に向けて進展があった。」と評
価した。
[財務総合政策研究所]
コース数
53
54
54
59
57
受講者数
2,453
2,625
2,371
2,450
2,508
コース数
49
49
51
50
49
受講者数
1,264
1,385
1,343
1,177
1,156
コース数
41
41
41
39
39
受講者数
5,325
5,045
4,969
3,618
4,575
[税関研修所]
[税務大学校]
(出所)財務総合政策研究所、税関研修所、税務大学校調
【参考指標 組2-2】幹部職員向けセミナーの実施状況
(単位:回、人)
平 成
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
[財務総合政策研究所]
コース数
7
7
12
10
9
受講者数
188
238
397
324
343
(出所)財務総合政策研究所調
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
おおむね効率的であった。
3
結果の分析の的確性
的確に行われている。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
研修の実施については、職場の研修ニーズや職員の要望等を踏ま
え、研修の時期の設定から研修教科、研修時間、研修講師等多岐にわ
たり研修内容の見直しを行ったうえで実施している。
(有効性)
研修講座については、所管行政を取り巻く環境の変化に応じ、新
設、再編が行われるなど有効な研修が行われている。
(効率性)
新たな行政需要に対応した研修を引き続き着実に実施するため、限
られた施設、期間をもって効率的な研修の実施に努めている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
各種会議や調査を通じた研修ニーズの把握やアンケート調査等によ
る受講者の意見等の把握を行う事により、次年度からの研修の内容の
見直しや研修講座の新設、再編等に生かされている。
平成 24 年度政策評価書
- 66 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について有益な提言がなされている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
今後とも、効果的・効率的な研修の実施に向けて、所管行政を取り
巻く環境の変化に対応した研修内容の見直しや研修講座の新設、再編
を引き続き適切に行うことが課題であり、行政需要に対応した研修を
着実に実施することを通じて、高い能力と見識を有する人材の育成・
確保に努めることとしている。
講 評
(平成 25 年6月
「財務省の政策評
価の在り方に関す
る懇談会」)
- 67 -
「政策の目標」
組織運営の方針3:国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約
(評価書
評
価 意
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
実績値
140,497,891件
13,448,477件
46,663件
(注)( )は23年度の数値。
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
おおむね適切であった。
おおむね有効であった。
おおむね効率的であった。
3
見
評価の判断理由等
B 達成に向けて進展があった。
業績指標
目標値
財務省ホームペー
増加
ジへのアクセス件
(137,283,561件)
数
財務省ホームペー
増加
ジ英語版へのアク
(11,888,196件)
セス件数
財務省関係メール
増加
マガジン登録者数
(45,756件)
389 頁)
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
(達成度に係る評価の理由等)
ホームページ閲覧者にとっての利便性が向上するよう、ホームペー
ジのバリアフリー化の推進等の改善策を講じたほか、Facebook、
Twitter、YouTube及びGoogle+を活用し、国民・市場に対する的確な情
報の様々な手段による発信に努めている。その結果、ホームページの
アクセス件数・メールマガジンの登録者数は目標を達成している。
また、各種講演会や財務行政モニター等を活用し、国民の意見を的
確に把握しつつ、情報発信をする機会の確保に努めている。
情報公開請求については、スケジュール管理を的確に行い、迅速か
つ適切な事務処理に努めている。また、保有個人情報については、職
員に対する研修を実施することにより、保有個人情報の適切な管理に
努めている。
行政文書の管理については、法令等に則り、適切に行っている。
以上のことから、「B 達成に向けて進展があった。」と評価し
た。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
ホームページ、記者会見等種々の方法を活用し的確な情報発信、意
見集約に努めている。
(有効性)
広報へのFacebook、Twitter、YouTube及びGoogle+の活用により、国
民・市場に対する的確な情報の様々な手段による発信を行っている。
(効率性)
ホームページの掲載作業において、CMS(コンテンツ管理システム)
導入により、ホームページの作成・編集等の専門知識がない職員で
も、掲載するコンテンツの作成・編集が可能となっている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
参考指標を使用しつつ、定量的・合理的な分析に努めている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
政策について提言がなされている。
今後も、情報の受け手の視点に立つなどして、より効果的な広報の
在り方について引き続き検討し、順次これに努めることとしている。
情報公開及び個人情報保護についても、より適切な対応が図られる
よう努めることとしている。
講 評
○ 目標値を全て達成していることから、S、あるいは、Aの評価で良い。
(平成25年6月「財
次年度の目標設定にあたっては、利用者の満足度など、件数以外の質的な課題に対する業績指標の設定
務省の政策評価の在
が必要である。
り方に関する懇談
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
会」)
平成 24 年度政策評価書
- 68 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
「政策の目標」
組織運営の方針4:電子政府実現に向けた行政の情報化の推進
(評価書 396 頁)
評
価 意
見
評価基準ごとの審査
1
評価の判断理由等
「政策の目標」の達成度
B 達成に向けて進展があった。
業績指標
申請・届出等手続のオン
ライン利用率
((
)書きは23年度の数値)
法人企業統計調査等ネッ
トワークシステム調査票
回収率
予算編成支援システム最
適化実施事業による年間
ランニングコスト削減額
官庁会計システム最適化
実施事業による年間ラン
ニングコスト削減額
2
目標値
実績値
増加
(69.9%)
71.8%
28.0%
23.2%
412百万円
492百万円
1,942百万円
3,336百万円
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
(達成度に係る評価の理由等)
オンライン利用の促進については、2つの業績指標のうち目標を達
成することができたのは1つにとどまっている。
情報セキュリティ対策の充実・強化については、サイバー攻撃に対
応した対策を行うなど、平成24年度に新たな取組を行っている。
情報システムの調達手続に係る透明性・公平性の確保については
CIO補佐官等を活用し、仕様書の明確化や適正な分離調達等の確認を
行い、調達の透明性・公平性の確保に努めている。
業務・システムの最適化計画の実施については、2つの業績指標の
いずれについても達成することができている。
以上のことから、「B 達成に向けて進展があった。」と評価し
た。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
利用者視点に立ったオンラインの利用促進に関する取組について
は、重点手続として分類されている税関関係手続・国税関係手続を中
心に、添付書類の省略などの施策を実施し、利用者視点に立ったオン
ライン利用の促進のための取組が行われている。
(有効性)
情報のセキュリティ対策の充実・強化に関する取組については、従
来の情報セキュリティ対策に加えて、サイバー攻撃に対応し、新たな
対策を積極的に講じるなど、新たな課題についても的確に対応してい
る。
(効率性)
予算編成支援システムと財務書類作成システムの統合運用を開始
し、「予算編成支援システム最適化実施事業による年間ランニングコ
スト削減額」の目標値を達成するなど、情報システムの効率的な運用
に努めている。
3
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
業績指標「法人企業統計調査等ネットワークシステム調査票回収
率」が目標未達成となった原因分析を行い、分析結果を踏まえて平成
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
政策について提言がなされている。
政策評価について提言がなされている。
25年度に対応すべき施策が整理されている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
重点手続と分類されている税関関係12手続・国税関係15手続を中心
に、オンライン利用の促進を図るため施策を引き続き実施・検討し、
利用者の利便性向上に努めることとしている。
(政策評価の改善)
「平成25年度政策評価実施計画」において、業績指標として新たに
「自己点検対策実施率」を設定している。
講 評
(平成25年6月
「財務省の政策
評価の在り方に
関 す る 懇 談
会」)
- 69 -
「政策の目標」
組織運営の方針5:政策評価の着実な実施、業務運営の在り方や所管する法人の見直し等による
効果的・効率的な行政運営
(評価書
評
評価基準ごとの審査
1
「政策の目標」の達成度
A 達成に向けて相当の進展があった。
2
業績指標
目標値
財務省予算監視・効率化チー
ム会合の開催状況
4回
4回
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
適切であった。
有効であった。
効率的であった。
3
実績値
結果の分析の的確性
おおむね的確に行われている。
価 意
405 頁)
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
平成23年度政策評価書については、より客観的で分かりやすいものと
し、職員の事務負担を軽減するために、記述の簡素化や参考指標の統廃合
が図られている。
平成25年度政策評価実施計画については、政策目標の設定根拠とな
る政府の方針等の見直しが行われ、本文の簡素化、明解な記述及びよ
り質の高い業績指標の設定がなされている。
政策評価の基本計画等については、従来の基本計画等の内容に加
え、政策評価の改善方策の記述等を盛り込んで策定している。
政策評価書の作成や政策評価実施計画の策定等の際には、省内にお
いて政策評価担当者会議を開催するとともに、学識経験者等の知見を
活用している。
諸外国の財務省の政策評価制度に関する調査を実施することによ
り、政策評価の改善に努めている。
また、財政当局として、予算編成、税制改正、関税改正、財政投融
資編成の過程において、各府省の政策評価の結果を適切に活用してお
り、財務省所管の予算要求においても、政策評価結果が確実に反映さ
れるよう努めている。
公共調達の効率化、効果的・効率的な組織・定員管理や経費の有効
活用等に取り組みつつ、所管の独立行政法人については政府全体の方
針に沿って行政改革に取り組んでいる。
以上のように、国民に分かりやすく、かつ政策の改善に資する政策
評価の実施や、更なる経費の効果的・効率的執行の徹底が図られたこ
とから、「A 達成に向けて相当の進展があった。」と評価した。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
政府の方針等の見直しを行い、平成24年度政策評価実施計画の変更
を行っている。また、租税特別措置等の政策について、税制改正作業
において有効に用いられるよう、適切なタイミングで評価を行ってい
る。
競争性のない随意契約を、原則として競争性の高い契約方式(一般
競争入札等)に移行することにより、公共調達の適正化を進めてい
る。
(有効性)
経理担当者会議を通じて経費削減等に関する周知徹底等を図り、経
費のより効果的な執行に努めている。
(効率性)
政策評価の作業に際して、「政策評価担当者会議」を開催すること
により、各部局との調整が図られるなど、効率的な作業が行われてい
る。
定員合理化を実施し、定員数の削減を図る一方で、必要な定員数に
ついては、新規増員により措置したほか、既存人員の振替、業務運営
の効率化などにより、効果的・効率的な組織・定員管理が行われてい
る。
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
評価に当たっては、業績指標や参考指標を使用しつつ、各施策の具
体的な実施状況の記述に努めている。
平成 24 年度政策評価書
- 70 -
1 「政策の目標」ごとの評価意見
(今後の提言等)
(政策の改善)
政策について提言がなされている。
評価の充実や国民に分かりやすい実施計画、評価書の作成等に努め
政策評価について有益な提言がなされている。
ることとしている。
また、平成25年度以降も、定員合理化に取り組みつつ、新たな行政
需要等に対応するために、要員配置の重点化・効率化を図り、効果
的・効率的な組織運営に取り組むこととしている。
(政策評価の改善)
平成25年度政策評価実施計画において、業績指標として新たに「参
考指標を評価意見に活用した政策の目標数」、「新たに業績指標を設
定した政策の目標数」を設定している。
引き続き、目標の達成度をできるだけ定量的、的確に判断できるよ
う、業績指標の適切な設定及び評価意見への参考指標の活用等につい
て、検討を進めることとしている。
講 評
○ Aと評価とされたことに関しても肯定的に感じる。
(平成25年6月 ○ 今まで、「適正」「適切」と記載していたものを具体化したことは良い。
「財務省の政策 ○ 目標設定時の問題として、政策の進展を評価することに相応しい数値目標が少なく、「何々に取り組む」
「何々を推進する」といった表現に留まっている。これでは、客観的な評価ができず、次年度の改善に結び付く
評価の在り方に
問題点を見つけ出すことも難しい。
関 す る 懇 談
○ 業績指標が明らかにバツなのにいい評価になっているような場合が幾つかある。それは評価が悪いというより
会」)
も、実施計画策定時の業績指標の設定の仕方がちょっとまずかったのではないか。
業績評価の主要な内容と業績指標がずれている場合、参考指標への簡素化も検討すべきではないか。
○ 前年度と今年度の評価の達成度を比較することは、あまり意味がないと考える。当年度の目標に対してどうだ
ったのか、達成できなかった理由は何で、来年度にどう修正していくか、といった取組が重要である。
○ 参考指標の活用にあたり、目標の内容により関係が深い参考指標を作成し、活用してほしい。
○ 「7.今後の政策等に反映すべき事項」について、評価結果を踏まえて、具体的に次に何をすべきかを記載す
べき。
○ アンケート調査について、例えば来場者にアンケートをした場合、来場者がどれだけで、その中でアンケート
に答えてくださった方はどれだけで、そのうちの満足度というのが、母集団から見た場合どれぐらいなのかとい
うのが書かれてあるほうがいいのではないか。
○ 国民が非常に大きな関心を持っている東日本大震災への対応を分かりやすく見事にまとめていると思う。
東日本大震災への対応に係る細かな内容について、財務省ホームページなどにおける情報へのアクセスにも配
慮願いたい。
○ 多くの「政策の目標」がB評価となっている「組織運営の方針」に関しては、果たして「目標」の内容を具体
化しているのか、「目標」達成のためのプロセスが明確になっているのか、という疑問が改めて湧くところであ
る。
○ 諸外国の政策評価制度の調査について、調査の結果がどれくらい活かされたのか。調べたことがどれだけ活か
されたのかということが見えてくるともっとよくわかるのではないか。
○ 「業務プロセス改革計画」と実績評価とが連動した試みをしてはどうか。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への提言
- 71 -
別紙5
評価意見様式
「政策の目標」
政策目標○-○:
評
評価基準ごとの審査
1 「政策の目標」の達成度
パターン化した文言
・S 達成した。
・A 達成に向けて相当の進展があった。
・B 達成に向けて進展があった。
・C 達成に向けて一部の進展にとどまった。
・D 達成に向けて進展がなかった。
業績指標
(指標名)
目標値
実績値
○○%
△△%
価 意
見
評価の判断理由等
(達成度に係る評価の理由等)
※「政策の目標」の状況を補足的に説明する参考指標、
もしくは「評価の判断理由等」を適切に説明する参考
指標を設定している場合には参考指標を記載
2
事務運営のプロセスの適切性、有効性、効率性
パターン化した文言
・(おおむね)適切であった。
/(あまり)適切でなかった。
(事務運営プロセスに係る評価の理由等)
(適切性)
(有効性)
・(おおむね)有効であった。
/(あまり)有効でなかった。
(効率性)
・(おおむね)効率的であった。
/(あまり)効率的でなかった。
3
結果の分析の的確性
(結果の分析の的確性に係る評価の理由等)
パターン化した文言
・的確に行われている。
・おおむね的確に行われている。
・あまり的確ではない。
・なされていない。
4
当該政策や、政策評価システムの運用の改善への
提言
パターン化した文言
・有益な提言がなされている。
(今後の提言等)
(政策の改善)
(政策評価の改善)
・提言がなされている。
・提言がなされていない。
講 評
(平成〇年〇月
財務省の政策評
価の在り方に関
する懇談会)
「政策の目標」ごとに外部の視点から、全体的な講評をする。
(※)については、意見を踏まえ修正したものを示す。
(注) 上記「評価意見」は、各局課評価担当組織と政策評価室による二段階の評価体制で審査し、財務省政策
評価委員会が総合的観点から調整したものです。
- 72 -
別紙6
評価マニュアル
評価基準
1
評価事項
指標等に照 (1)達成度
らした「政策
の目標」の達
成度
(2)達成度を把握で
きるような指標の
設定の適切性
(3)目標の必要性
2
目標を達成 (1)目標を達成する
するための事
手段としての各種
務運営のプロ
施策の企画立案の
セス(施策・活
妥当性
動の手段や進
め方)が適切、
有効かつ効率
的であったか (2)当該年度に特に
重点的に進めた施
策・活動の進め方
やその結果の明確
な記載
(3)施策・活動の効果
(4)施策・活動の問題
点等の把握
チェック・ポイント
・S 達成した。
・A 達成に向けて相当の進展があった。
・B 達成に向けて進展があった。
・C 達成に向けて一部の進展にとどまった。
・D 達成に向けて進展がなかった。
①目標の性質に照らして的確な目標水準(現状維持、
改善、向上、低下など)が設定されているか(実現
可能性の極めて高い、あるいは極めて低い目標が設
定されていないか)
。
②指標の計測可能性。
・客観的で計測が可能な数値目標(業績指標)を設定
・客観的で計測が可能な数値目標(業績指標)は設定
されているが、達成度の測定において定性的な記述
等による補足が必要
・数値目標は設定されていないが、定性的な記述等に
より 1 年間の達成度の測定が可能
①目標を設定した意図、理由についての合理的説明(法
的根拠、政府としての方針、社会的な要請など)が
なされているか。
②設定された目標と他の目標との間(政策目標相互間)
で整合性がとれているか。また、内容が重複してい
ないか。
③行政関与の在り方から見て行政が担う必要があるか
について説明されているか。
①目標と各種施策・活動との関係が、目的と手段とし
て明確に関連付けられて説明されているか。
②施策・活動に、目標達成に向けてどのような効果が
期待できるかが説明されているか。
③施策が国民や社会のニーズに照らして妥当か、また、
行政関与の在り方から見て行政が担う必要があるか
について説明されているか。
①当該年度に特に重点的に進める施策・活動が「基本
的考え方」と「目標を巡る外部要因等の動向」と明
確に関係付けられて必要・妥当なものであることが
合理的に説明されているか。
②施策・活動の手段や進め方、その実績について具体
的に説明されているか。例えば、年間の活動スケジ
ュールが明らかにされているか。
①計画していた施策が目標達成について所期の効果を
あげたか。
②年度中に状況の変化があった場合にそれに対して適
切、タイムリーに対応できたか。また、その対応に
よって成果をあげたか。
①施策・活動の効果について、データ等により的確に
分析され、問題点が明確に指摘されているか。
②施策・活動が目標未達成又は予測したほどの効果が
ない場合の理由の分析が明確になされているか。
- 73 -
評価基準
評価事項
チェック・ポイント
(5)施策・活動の効率 ①施策・活動の効率化、簡素化に取り組んだ内容が説
化・簡素化への取
明されているか(例えば、ITによる事務の合理化
組状況
等)。
(6)施策・活動の透明 ①施策・活動の透明性の向上のために、対外的に効果
性向上のための対
的な説明・広報(例えば、対国民、対国会、対マス
外的に効果的な説
コミ、対関係団体等)に取り組んだ内容が説明され
明・広報への取組
ているか。
状況
3 結果の分析 (1)目標に対する結 ①施策・活動のプロセスや成果の説明に止まることな
(特に目標未
く、目標に対する結果について、的確に分析し合理
果の分析の的確性
達成の場合の
的に説明されているか。
反 省 点 の 把 (2)目標・業績目標を ①社会経済情勢の分析が明解で正確になされているか
握)が的確に
巡る社会経済情勢 (特に年度内に顕著な変化があった場合には重要)
。
行われている
の分析の的確性
②次年度の見通し・見込についても分析されているか。
か
(3)参考指標の設定 ①業績指標の設定が困難な場合であっても、
「4.当該
の妥当性
年度の事務運営の報告」又は「6.目標を巡る外部
要因等の動向」に参考指標が設定され、適切に説明
されているか。
②指標が多数ある場合に、グループ分けをする、鍵と
なる指標を抜き出して強調するなど、国民にとって
わかりやすくポイントが整理されているか。
③アンケートによる指標など新たに指標を設定する工
夫がなされているか。
(4)外部要因の記載 ①目標の達成は行政府だけの活動だけで実現できるも
の妥当性
のではないことを踏まえ、財務省単独では統制でき
ない外部要因が正確・理論的・網羅的に記載されて
いるか。また、外部要因が当初の予測と異なる変化
をした場合、その内容やそれが施策・活動に与えた
影響について分析されているか。
(5)統計・データの検 ①統計・データの出所が明らかで、算出方法や前提条
証可能性
件が説明されているか。
②当該年度までの統計・データとして掲載期間等が適
切なものが正確に記載されているか。
③評価書の作成時点において、実績データの集計が未
了の場合には、当該データの公表が見込まれる時期
と公表方法が記載されているか。
4 当該政策自 (1)具体的な改善策 ①有効で具体的な改善策が提起されているか。
体の改善や、
の提言
政策評価シス (2)成果の分析の組 ①予想以上の成果があがったこと又は成果があがらな
テムの運用の
織全体の経験学習
かったことを、組織全体の経験学習に資するように
改善について
に資するものへの
具体的に分析(改善策の実施に必要な検討事項を含
有益な提言が
整理
む。)・整理がなされているか。
されているか (3)提言した改善策 ①提起した改善策が既に年度中に実施されているか又
を今後の企画立案
は今後の企画立案に反映させる取組が既に着手され
に反映させる取組
ているか。
の実施
(4)政策評価システ ①政策評価システムの改善について有益な提言がなさ
ムの運用の改善策
れているか。
の提言
- 74 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書
「「政策の目標」ごとの実績評価書」の見方・・P77
総合目標・・・・・・・・・・・・・・・・P79
政策目標・・・・・・・・・・・・・・・・P121
組織運営の方針・・・・・・・・・・・・・P381
- 75 -
- 76 -
「「政策の目標」ごとの実績評価書」の見方
財務省の行政分野全てについて、39の「政策の目標」
(総合目標、政策目標、組織運営の方針)を設定
○
政策目標12-1:・・・の推進
「政策の目標」を設定した意図、理由について記載。
「平成24年度政策評価実施計画」(平成24年3月策定、
平成25年3月一部改訂)における記載と原則同じ内容
(ゴシック体で表記)。
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
我が国の財政状況は、・・・となっており、・・・が重要となっています。このた
め、・・・を目標として、・・・を推進します。
「政策の目標」と関連する重要な演説や閣議決定等を記載
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣所信表明演説
第183回国会 総理大臣施政方針演説
第183回国会 財務大臣財政演説
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
業績目標:「政策の目標」の細目として設定する目標等
施策:「政策の目標」を達成するための手段
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 12-1-3:市場に対する・・・・・・
業績目標・施策のうち、重点的に進めるものを記載
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 12-1-1:市場の動向を踏まえた・・・の実施
[平成24年度実施計画]
近年の市場の動向を踏まえると・・・が必要となっています。こうした観点から、・・・を
実施します。
施策・業績目標ごとの目的や設定意図などを記
載。「平成24年度政策評価実施計画」(平成24年3
月策定、平成25年3月一部改訂)における記載と
原則同じ内容(ゴシック体で表記)。
施策・業績目標ごとに、平成 24 年度の具体的な活動内容等を記載
[事務運営の報告]
関係機関との連携にあたっては、・・・・・・・目標値を上回りました。
業績指標:客観的に測定可能な定量的・定性的な指標であり、あらかじめ目標値が設定されてい
る指標
◎業績指標 12-1-1:・・・の件数
平成20年度
○○の件数
130
(単位:件)
21年度
22年度
140
(出所)××局△△課調
- 77 -
150
23年度
160
24年度
目標値
実績値
170
175
参考指標:目標値の設定はないが、事務運営の参考とし、モニタリングするため
の指標
○参考指標 12-1-1:国民負担率の・・・・・・の推移
平成20年度
○○の割合
21年度
60
(単位:%)
22年度
65
23年度
80
24年度
70
85
(出所)××局◎◎課調
政策目標ごとの平成 24 年度予算額(補正後)等に関する情報を記載
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:○○百万円[23年度予算額:○○百万円]
平成24年度において、○○に必要な経費として新たに○○百万円の予算措置を行い、○
○を実施しました。・・・・・。
「平成23年度政策評価書」(平成24年6月公表)における「7.今後の政策等に
反映すべき事項 企画立案への反映に向けた提言」の内容をどのように反映し
たのかを記載すべき項目であるが、「4.平成24年度の事務運営の報告」との
重複記述を排除するため、簡素化して記載。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
(1)政策評価実施計画の策定
施策12-1-1の記載のとおりです。
(2)政策評価書の作成
施策12-1-2の記載のとおりです。
参考指標を掲げて、活動を巡る社会
経済情勢の分析・見通しを記載
6.目標を巡る外部要因等の動向
一般会計については、・・・・・・となっています。
○参考指標 12-1-4:指数の・・・・・・の推移
平成20年度
指数
21年度
60
22年度
65
23年度
80
24年度
70
85
評価結果を踏まえた今後の具体的方向性を記載
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
・・・・・・については、・・・・・・の点を改善しつつ、・・・・・・に努めます。
評価結果を踏まえた 26 年度予算
要求等に関する情報を記載
(2)平成26年度予算要求等への反映
・・・・・・の企画・立案に必要な経費の確保に努めます。
- 78 -
総合目標:通貨に対する信認を確保しつつ、健全で活力ある経済及び安心で豊か
な社会を実現するとともに、世界経済の安定的発展に貢献すること
重 総合目標1:我が国における少子高齢化等の社会経済情勢の変化、厳しい財政状況を踏
○
まえ、社会保障・税一体改革を継続するとともに、国・地方のプライマリ
ーバランスについて、2015年度までにその赤字の対GDP比を2010年度の
水準から半減し、2020年度までに黒字化するとの財政健全化目標達成に向
け、歳入・歳出両面において財政健全化に向けて取り組む
重 総合目標2:我が国の経済・社会の構造変化に対応し、成長と雇用の実現、社会保障改
○
革とその財源確保といった我が国の喫緊の課題に応えるため、税制の抜本
的な改革に取り組む
○ 総合目標3:経済金融情勢及び財政状況を踏まえつつ、市場との緊密な対話に基づき、国
債発行計画の策定等の国債管理政策を遂行し、中長期的な調達コストの抑制
を図りながら、必要とされる財政資金を確実に調達する。また、対象事業の
重点化・効率化を図りつつ、政策的必要性等の観点から財政投融資を活用す
るほか、「新成長戦略における国有財産の有効活用について」等を踏まえ、
未利用国有地等の活用や庁舎及び宿舎の最適化の推進など国有財産の有効活
用に取り組む
○ 総合目標4:金融システムの状況を踏まえながら、関係機関との連携を図りつつ、金融破
綻処理制度の整備・運用を図るとともに、預金保険法等の法令に基づき、金
融危機管理を行うことにより、金融システムの安定の確保を図る。また、通
貨の流通状況を把握し、偽造・変造の防止等に取り組み高い品質の通貨を円
滑に供給することにより、通貨に対する信頼の維持に貢献する
・総4-1:金融システムの安定を確保するための取組
・総4-2:通貨制度を適切に運用するための取組
- 79 -
重 総合目標5:我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問題への対応を含む
○
国際的な協力等に積極的に取り組むことにより、世界経済の持続的発展、
国際金融システムの安定及びそれに向けた制度強化、アジアにおける地域
協力の強化、開発途上国の経済社会の発展、国際貿易の秩序ある発展を目
指す。特に、我が国を含むアジア諸国が共に成長するため、アジアにおけ
る「新成長戦略」を推進する
・総5-1:世界経済の持続的発展等に向けた国際的な協力への取組
・総5-2:国際貿易の秩序ある発展に向けた国際的な協力への取組
○ 総合目標6:総合目標1から5の目標を追求しつつ、震災対応に取り組むとともに、財政
健全化と経済成長との両立を図る観点から、デフレ脱却・安定的な経済成長
の実現に寄与することを目指し、関係機関との連携を図りつつ、適切な財
政・経済の運営を行う
重 」マークは、重点的に進めるものを示しています。
※「○
- 80 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標1〕
重 総合目標1:我が国における少子高齢化等の社会経済情勢の変化、厳しい財政状況を踏ま
○
え、社会保障・税一体改革を継続するとともに、国・地方のプライマリーバ
ランスについて、2015年度までにその赤字の対GDP比を2010年度の水準か
ら半減し、2020年度までに黒字化するとの財政健全化目標達成に向け、歳
入・歳出両面において財政健全化に向けて取り組む
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
我が国の財政状況は、国・地方の長期債務残高が平成24年度末には940兆円(対GDP比196%)に
達すると見込まれるなど、主要先進国の中でも最悪の水準となっており、極めて厳しい状況にありま
す。
そのため、政府は、日本の財政に対する信認を確保していくために、社会保障・税一体改革を継続
するとともに、国・地方のプライマリーバランスについて、平成27年度(2015年度)までにその赤字
の対GDP比を平成22年度(2010年度)の水準から半減し、平成32年度(2020年度)までに黒字化す
るとの財政健全化目標の実現を目指し、財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋について検
討を進めることとします。また、国債に対する信認を確保するため、公債発行額をできる限り抑制
し、税収が公債金を上回る状態を回復させるとともに、一般会計のプライマリーバランスを着実に改
善させるなど、財政健全化目標を踏まえ、中長期的に持続可能な財政構造を目指すこととしていま
す。
上記に加えて、復興関連予算は、「流用」等の批判を招くことがないよう、使途の厳格化を行い、
被災地の復旧・復興に直接資するものを基本とし、東日本大震災からの復興を目に見える形で大きく
前進させます。また、平成27年度までのいわゆる復興財源フレームを見直し、平成25年度を含め今後
の事業費が19兆円を上回る部分について、日本郵政株式の売却収入等の6兆円程度を充てることと
し、復興財源に対する被災地の不安を払拭することとします。
本目標は、以下に掲げる内閣の基本的方針を踏まえ、特に重要な取組として推進していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣所信表明演説
第183回国会 総理大臣施政方針演説
第183回国会 財務大臣財政演説
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
平成25年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(平成25年2月28日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
総合目標1においては、業績目標・施策は設定していません。
4.平成24年度の事務運営の報告
我が国の財政状況は、国・地方の長期債務残高が平成25年度末には977兆円(対GDP比2
00%)に達すると見込まれるなど、主要先進国の中でも最悪の水準となっており、極めて厳
しい状況にあります。
政府としては、日本の財政に対する信認を確保していくために、社会保障・税一体改革を
継続するとともに、国・地方のプライマリーバランスについて、平成27年度(2015年度)ま
でにその赤字の対GDP比を平成22年度(2010年度)の水準から半減し、平成32年度(2020
年度)までに黒字化するとの財政健全化目標の実現を目指し、財政健全化と日本経済再生の
- 81 -
双方を実現する道筋について検討を進めることとしています。
以上のような政府の方針も踏まえつつ、財務省としても、以下のような取組を進めました。
(1)平成24年度補正予算
政府は、景気の底割れを回避し、民間投資を喚起して持続的な成長につなげるための政
府対応の第一弾として、平成25年1月11日に「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を取
りまとめました。この対策に盛り込まれた施策の実施等のために必要な経費の追加等を行
うため、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」
の3分野に重点配分を行った平成24年度補正予算を編成しました。当該補正予算は、1月
31日に国会に提出され、審議を経て2月14日に衆議院において可決、2月26日に参議院に
おいて可決・成立しました。
(2)平成25年度予算、平成25年度暫定予算
平成25年度予算については、平成25年1月24日に閣議決定された「予算編成の基本方
針」に沿って、予算編成を行い、1月29日に概算の閣議決定が行われました。その後、審
議を経て平成25年4月16日に衆議院において可決される一方、5月15日に参議院において
否決されたため、両院協議会が開かれました。この結果、両院の意見が一致しなかったた
め、平成25年度予算は同日、日本国憲法第60条第2項前段の規定により、成立しました。
なお、国会における審議状況に鑑み、本予算成立までの応急的な措置として、平成25年4
月1日から5月20日までの期間に係る暫定予算を編成し、当該暫定予算は、3月27日に国
会に提出され、3月29日に成立しました。
平成25年度予算編成に当たっては、日本経済再生に向けて、緊急経済対策に基づく平成
24年度補正予算と一体的なものとして、いわゆる「15ヶ月予算」として編成し、平成24年
度補正予算と同様、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地
域活性化」の3分野に重点化するとの方針に基づいて、重点的な配分を行いました。また、
老朽化対策など国民の命と暮らしを守る公共事業予算や国民の安心のための防衛予算を充
実させる一方で、生活保護や地方公務員給与等についての適正化・見直しや、「国家公務
員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(平成24年法律第2号)に基づく給与減額支
給措置等による国家公務員等の人件費削減を行うなど、予算の効率化を図りました。
基礎的財政収支対象経費(国の一般会計歳出から国債費を除いたもの)については70兆
3,700億円であり、これに国債費22兆2,415億円を合わせた一般会計総額は92兆6,115億円
としています。
一方、歳入面については、適切な税収の見積り等に努め、租税等の収入において前年度
当初予算額と比べ7,500億円増の43兆960億円を見込み、その他収入は4兆535億円を見込
んでいます。また、公債金は42兆8,510億円、年金特例公債金は2兆6,110億円となってい
ます。
以上のように、歳出・歳入両面において最大限の努力を行った結果、4年振りに税収が
公債金を上回る状態を回復させるとともに、プライマリーバランスを着実に改善させ、財
政健全化目標の達成に向けた第一歩となる予算としました。
平成24年度実績評価書
- 82 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標1〕
(3)社会保障と税の一体改革
我が国における少子高齢化等の社会経済情勢の変化、厳しい財政状況を踏まえ、社会
保障制度の改革を行うとともに、社会保障の充実と安定化に必要な財源として、幅広い
国民が負担を分かち合う仕組みを構築することを目指し、政府は「社会保障・税一体改
革」を推進し、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための
消費税法等の一部を改正する等の法律案」(平成24年8月10日成立)等の一体改革関連
法案を成立させました。また、「社会保障制度改革推進法」(平成24年8月10日成立)
の規定に基づいて設置された「社会保障制度改革国民会議」において精力的に議論を行
い、一体改革の具体化に向けた取組を進めました。
(4)東日本大震災への対応
平成25年度予算編成に当たっては、引き続き被災地の復興の加速を最優先として、きめ
細やかな復興施策を実施するとともに、福島の再生のため原子力災害等からの迅速な再生
を推進することとし、復興関連予算については、被災地の復旧・復興に直接資するものを
基本とし、使途の厳格化を行うこととしました。また、平成27年度までのいわゆる復興財
源フレームを見直し、平成25年度を含め今後の事業費が19兆円を上回る部分について、日
本郵政株式の売却収入等の6兆円程度を充てることとし、復興財源に対する被災地の不安
を払拭することとしました。
○参考指標 総1-1:一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移
120
(兆円)
101.0
100.7100.5
100
92.6
89.0 89.3
84.8 83.7
84.4
80
75.1
73.6
75.9
82.4
95.3
84.9 85.5
81.4 81.8
78.8 78.5
84.7
一般会計歳出
69.3 70.5 70.5
65.9
61.5
57.7
60
50.6 51.5
53.0 53.6
46.9 47.2
38.8
29.1
24.5
21.9
20.9
20
13.8
15.7
0
32.4
7.2
3.5
5.0
4.5
50.7
47.2
49.1 49.1
47.9
52.0
51.0
45.6
4条公債発行額
23.7
18.4
19.9
35.0 35.3 35.5
33.0
13.2
9.1
11.1
17.0
33.2
31.3
30.0
特例公債発行額
6.7
8.7
27.5
7.8
9.1
6.4
18.5
25.4
10.7
7.1
7.0
6.3
4.3
7.0
7.0
6.8
6.4
6.3
7.2
6.2
6.9
6.3
7.2
5.9
7.0
6.7
6.4
6.0
5.0
2.5
6.2
1.0
6.6
6.4
0.2
6.3
6.3
6.7
16.2
6.7
9.9
16.4
24.3
16.9
12.3
9.5
9.2
0.8
7.6
36.9
9.5
21.9 20.9
25.8
28.7 26.8
23.5
41.5
8.4
5.8
7.0
13.2
9.4
42.8 11.4 43.1
42.3 42.8 42.6 42.9
6.0
16.2
10.7
49.5
15.0
44.3
38.7
37.5
34.0
13.5 14.2 12.9 14.0 13.5 12.8 12.3 11.3
3.7
49.4
34.9
17.3
9.6
5.3
3.2
2.1
26.9
30.5
53.9
一般会計税収
38.2
29.0
51.0 51.9 52.1
43.8 43.3
41.9
34.1
54.4 54.1
50.8
46.8
43.4
40
60.1 59.8
54.9
34.7 34.4
38.0 37.1
26.2
21.1 19.3
8.5
2.0
50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
(年度)
(出所)主計局調査課資料(平成25年1月作成)(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2
013/seifuan25/04zaisei.pdf)
(注1)平成23年度までは決算、24年度は補正後予算、25年度は予算による。
(注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別
- 83 -
公債、平成6~8年度は消費税率3%から5%への引上げに先行して行った減税による租税収入の減少を
補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達する
ための復興債、平成24年度、25年度は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特
例公債を除いている。
○参考指標 総1-2:一般会計及び特別会計の歳出総額及び純計額(平成25年度)
一般会計歳出
92.6兆円
一般会計歳出純計
37.6兆円
国債整理基金借換債の
債務償還費 112.2兆円
特別会計内勘定間取引
25.4兆円
特別会計へ繰入
55.0兆円
国庫予算歳出純計
223.0兆円
国庫予算
歳出総額
479.2兆円
特別会計会計間取引
63.5兆円
特別会計歳出純計
185.4兆円
特別会計歳出
386.6兆円
国債償還費等
地方交付税交付金等
財政融資資金への繰入
社会保障給付費
その他
一般会計へ繰入
0.1兆円
84.0兆円
20.0兆円
11.6兆円
57.8兆円
12.0兆円
(出所)主計局総務課、法規課調
(注) 計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成 24 年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)公債発行額・公債依存度の推移
平成25年度における公債発行額は42.9兆円(年金特例公債金2.6兆円を除く)となり、
4年振りに税収が公債金を上回る状態を回復させました。しかし、歳出総額のうち公債発
行によって賄われている割合を示す公債依存度は46.3%となるなど、依然として我が国の
財政は非常に厳しい状況にあります。
平成24年度実績評価書
- 84 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標1〕
○参考指標 総 1-3:公債発行額・公債依存度の推移
60
(%)
(兆円)
60
公債依存度(右軸)
52.0
49.5
50
51.5
50
49.2
46.3
公債発行額(左軸)
4条公債
42.1
44.4 42.8
34.7
35.4 35.0 35.3 35.5
34.0
33.7
29.7
29.4
27.5
24.2
23.2
23.5 17.0
16.3
9.6
10
14.0
13.5
7.1
7.2
7.0
7.0
6.8 6.4
6.3
5.0 6.3
5.3
12.8 12.3
10.7
7.0
13.5
2.1
3.5 4.5 4.3
10.1
13.2
9.4
7.2 6.6
6.3 6.7
6.2
6.4
6.0
6.2
6.7 6.4 6.0
5.0
2.5
36.9
10.7
1.0
4
26.2
23.5
21.1
19.3
10
9.2 8.5
0.8
3
26.8
20
17.0
9.5
0.2
25.8
21.9 20.9
38.0 37.1
34.7 34.4
12.3
6.4 6.3 6.7
50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2
28.7
9.9
16.4
16.2
30
7.0
25.4
9.1
24.3
9.2 9.5 9.5
6.9
6.3 7.2 5.9 7.0
7.8
16.2
11.6
11.3
3.7
3.2
33.2
18.5
17.9 18.4
40
31.0
19.9
20
12.9
11.1
25.2
5.8
8.7
21.5
21.0
14.2
9.1
31.3
27.5
24.8
13.5
30.0
13.2
26.6
25.3
6.7
42.9
7.6 8.4
36.6
33.0
32.6
11.4
42.5
39.2
31.3
30
15.0 42.3
41.8
37.5 36.9
32.9
0
42.9
40.3
特例公債
40
41.8
5
6
2.0
7
0
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
(年度)
(出所)主計局調査課資料(平成25年1月作成)(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2
013/seifuan25/04zaisei.pdf)
(注1)平成23年度までは決算、24年度は補正後予算、25年度は予算による。
(注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別
公債、平成6~8年度は消費税率3%から5%への引上げに先行して行った減税による租税収入の減少を
補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達する
ための復興債、平成24年度、25年度は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特
例公債を除いている。
(注3)公債依存度については、特別税の創設等によって償還財源が別途確保されている、いわゆる「つなぎ公
債」を除いて算出。
(注4)平成23年度の公債依存度については、平成24年度以降に東日本大震災復興特別会計において経理され、
一般会計歳出総額に含まれない復興関連支出を含めて算出。仮に、復興関連支出を全額一般会計歳出総額
から除いた場合の平成23年度の公債依存度は46.7%。
(2)公債残高の推移
連年の公債発行により我が国の公債残高は年々増加の一途をたどっています。平成25年度末の
公債残高は約750兆円にもなると見込まれていますが、これは現在及び将来の大きな負担となりま
す。
- 85 -
○参考指標 総 1-4:公債残高の推移
800 (兆円)
750
750
一般会計税収の約17年分に相当
復興債残高
(平成25年度一般会計税収予算額:約43兆円)
700
713
11
670
650
平成25年度末公債残高
600
約750兆円 (見込み)
550
↓
251
636 11
248
594 246
527 532
499
国民1人当たり 約589万円
4人家族で 約2,356万円
500
12
256
247 243
541 546
238
237 225
457 241
481
450
※勤労者世帯の平均年間可処分所得
約505万円
(平均世帯人員 3.42人)
400
421 226
392
368
216
451
222
411
4条公債残高
332 209
350
356
295 197
300
245
250
200
150
100
50
0
1
2
2
2
3
4
6
0
8
390
321
305
258 187
280
288
225
175
258
207
168
193
231
158
178
142
166 172
199
157 161
131
145 152
176
134
108 116
102
122
97
158
91
110
81 87
特例公債残高
96
75
134
82
69
71
63
108
56
56
49
43
77 83
32
42
67
22
59 64 65 65 64 65 64 63 61 64
35
10 15
47 53
28
22
40
21 28 33
13 17
10 15
2 5
40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3
4 5
6
7 8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
(年度末)
(出所)主計局調査課資料(平成25年1月作成)(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2
013/seifuan25/04zaisei.pdf)
(注1)公債残高は各年度の3月末現在額。ただし、平成24年度末は補正後予算に基づく見込み、平成25年度末
は予算に基づく見込み。
(注2)特例公債残高は、国鉄長期債務、国有林野累積債務等の一般会計承継による借換国債、臨時特別公債、
減税特例公債及び年金特例公債を含む。
(注3)東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一
般会計において、平成24年度以降は東日本大震災復興特別会計において負担)を公債残高に含めている
(平成23年度末で10.7兆円、平成24年度末で11.2兆円、平成25年度末で12.2兆円)。
(注4)平成25年度末の翌年度借換のための前倒債限度額を除いた見込額は730兆円程度。
(3)財政収支の対GDP比の国際比較
財政赤字を対GDPで見てみると、我が国は近年、改善の傾向が見られたものの、景気
の減速に伴い足もとでは悪化しており、主要先進国の中で依然として大きな財政赤字を抱
えています。
平成24年度実績評価書
- 86 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標1〕
○参考指標 総 1-5:国及び地方の財政収支の対GDP比の国際比較
(%)
暦 年
日 本
米 国
英 国
ド イ ツ
フ ランス
イタリア
カ ナ ダ
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
▲ 7.0 ▲ 8.2 ▲ 8.0 ▲ 6.2 ▲ 7.5 ▲ 7.8 ▲ 6.4 ▲ 5.2 ▲ 3.2 ▲ 2.5 ▲ 3.0 ▲ 8.8 ▲ 8.7 ▲ 9.1 ▲ 9.2 ▲ 9.0
▲ 0.9 ▲ 0.7 ▲ 0.1 ▲ 2.2 ▲ 5.5 ▲ 6.3 ▲ 5.8 ▲ 4.6 ▲ 3.6 ▲ 4.3 ▲ 7.8 ▲ 12.8 ▲ 11.9 ▲ 11.0 ▲ 9.3 ▲ 7.5
▲ 0.1
0.9
3.7
0.6 ▲ 2.0 ▲ 3.7 ▲ 3.6 ▲ 3.3 ▲ 2.7 ▲ 2.8 ▲ 5.0 ▲ 10.9 ▲ 10.1 ▲ 8.3 ▲ 6.6 ▲ 6.9
▲ 2.3 ▲ 1.6
1.1 ▲ 3.1 ▲ 3.8 ▲ 4.1 ▲ 3.8 ▲ 3.3 ▲ 1.7
0.2 ▲ 0.1 ▲ 3.1 ▲ 4.2 ▲ 0.8 ▲ 0.2 ▲ 0.4
▲ 2.6 ▲ 1.8 ▲ 1.5 ▲ 1.7 ▲ 3.3 ▲ 4.1 ▲ 3.6 ▲ 3.0 ▲ 2.4 ▲ 2.7 ▲ 3.3 ▲ 7.6 ▲ 7.1 ▲ 5.2 ▲ 4.5 ▲ 3.4
▲ 2.9 ▲ 2.0 ▲ 0.9 ▲ 3.2 ▲ 3.2 ▲ 3.6 ▲ 3.6 ▲ 4.5 ▲ 3.4 ▲ 1.6 ▲ 2.7 ▲ 5.4 ▲ 4.3 ▲ 3.8 ▲ 3.0 ▲ 2.9
0.1
1.6
2.9
0.6 ▲ 0.1 ▲ 0.1
0.8
1.5
1.6
1.4 ▲ 0.4 ▲ 4.8 ▲ 5.4 ▲ 4.3 ▲ 3.5 ▲ 3.0
(注) 数値は一般政府ベース。ただし、日本及び米国は社会保障基金を除いた値。
仮にこれを含めれば、以下のとおり。
(%)
暦 年
日 本
米 国
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
▲ 5.7 ▲ 7.1 ▲ 7.4 ▲ 6.0 ▲ 7.7 ▲ 7.8 ▲ 7.3 ▲ 5.7 ▲ 3.3 ▲ 2.8 ▲ 3.6 ▲ 10.1 ▲ 9.5 ▲ 10.0 ▲ 10.2 ▲ 10.2
0.3
0.7
1.5 ▲ 0.6 ▲ 4.0 ▲ 5.0 ▲ 4.4 ▲ 3.3 ▲ 2.2 ▲ 2.9 ▲ 6.6 ▲ 11.9 ▲ 11.4 ▲ 10.2 ▲ 8.5 ▲ 6.8
5.0
(%)
0.0
ドイツ
イタリア
カナダ
フランス
▲ 5.0
英国
米国
日本
▲ 10.0
▲ 15.0
(暦年)
(出所)主計局調査課資料(平成25年1月作成)(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2
013/seifuan25/04zaisei.pdf)
(注1)本資料はOECD"Economic Outlook 92"による2012年12月時点のデータを用いており、2013年度予算の内
容を反映しているものではない。
(注2)日本の財政収支については、単年度限りの特殊要因を除いた数値。
(4)債務残高の対GDP比の国際比較
一般政府(国に地方や社会保障基金を加えたもの)の債務残高の対GDP比を見ても、
着実に財政の健全化を進めた他の主要先進国と比較して、我が国の債務残高は、急速に悪
化しており、主要先進国中最悪の水準となっています。
- 87 -
○参考指標 総1-6:国及び地方の債務残高の対GDP比の国際比較
(%)
暦 年
日 本
米 国
英 国
ド イ ツ
フ ランス
イタリア
カ ナ ダ
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
114.9 129.0 137.6 144.7 153.5 158.3 166.3 169.5 166.8 162.4 171.1 188.7 192.7 205.3 214.3 224.3
64.2
60.5
54.5
54.4
56.8
60.2
67.8
67.4
66.1
66.5
75.4
88.8
97.8 102.2 109.8 113.0
52.3
47.4
45.2
40.5
41.1
41.6
43.9
46.1
45.9
47.0
57.1
72.0
85.6
99.9 105.3 110.4
62.3
61.8
60.8
60.1
62.5
65.9
69.3
71.8
69.8
65.6
69.9
77.5
86.3
86.4
87.6
86.2
70.4
66.8
65.7
64.3
67.5
71.7
74.1
76.0
71.2
73.0
79.3
91.2
95.5 100.0 105.1 108.2
131.8 125.7 120.8 120.1 118.8 116.3 116.8 119.4 117.0 112.4 114.9 128.0 126.7 119.8 127.0 129.6
92.9
89.6
80.5
80.7
78.6
74.7
70.8
69.7
68.6
65.0
69.2
81.5
83.0
83.4
85.8
85.5
(注) 数値は一般政府ベース。
(%)
240
日本
210
180
150
イタリア
120
米国
英国
フランス
90
ドイツ
カナダ
60
30
0
(暦年)
(出所)主計局調査課資料(平成25年1月作成)(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy20
13/seifuan25/04zaisei.pdf)
(注) 本資料はOECD"Economic Outlook 92"による2012年12月時点のデータを用いており、2013年度予算の内
容を反映しているものではない。
平成24年度実績評価書
- 88 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標1〕
(5)基礎的財政収支の推移
プライマリーバランス(基礎的財政収支)が均衡している状況とは、国債費(利払費及
び債務償還費)を除いた歳出が公債金収入(借金)以外の収入で賄うことができている状
況を指し、この場合、その年の国民生活に必要な財政支出とその年の国民の税負担等がち
ょうど均衡します。ただ、近年の我が国の基礎的財政収支は大幅な赤字となっており、現
在、国民は負担以上の行政サービスを享受しているということになります。
基礎的財政収支が均衡している状態では、金利(利子率)=名目成長率であれば、債務
残高は対GDP比で見て一定に保たれます。
国・地方を通じた基礎的財政収支の対GDP比は、平成15年度以降順調に回復し、平成
19年度には▲1.1%まで改善しましたが、世界的な金融経済危機に伴う急速な景気悪化に
よる税収減などにより足元では大幅に悪化し、内閣府の試算によれば、平成25年度は▲
6.9%になると見込まれております
(注)一般会計ベースの基礎的財政収支は、平成24年度の▲24.9兆円から平成25年度の▲23.2兆円
と改善しておりますが、内閣府の試算における基礎的財政収支はSNA(国民経済計算)ベー
スであり、予算の計上年度(計上ベース)ではなく、実際に執行される年度(執行ベース)で
支出が計上されるため、平成24年度補正予算による支出のうち翌年度に繰り越される分につい
ては、平成25年度の支出として計算されることとなり、平成25年度の基礎的財政収支が悪化し
ております。
ただし、一般会計の基礎的財政収支赤字は、SNAベースの国及び地方の基礎的財政収支赤
字の大宗を占めているため、一般会計の収支改善は財政健全化目標の達成に必要不可欠となっ
ております。
○参考指標 総1-7:国及び地方の基礎的財政収支の推移
4
(対GDP比、%)
地方の基礎的財政収支
2
0.7 0.5
0.4
0
2
国の基礎的財政収支
4
6.8
6
6.6
国・地方の基礎的財政収支
8
7.5 7.0
6.9
7.3
10
60
61
62
63
元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
(年度)
(出所)内閣府「国民経済計算確報」。ただし、平成24年度及び平成25年度は「国・地方のプライマリーバラン
ス等の推移」(平成25年2月28日 内閣府)
(注1)平成10年度は国鉄長期債務及び国有林野累積債務、平成18年度、平成20年度、平成21年度、平成22年度
及び平成23年度は財政投融資特別会計財政融資資金勘定(平成18年度においては財政融資資金特別会計)
から国債整理基金特別会計または一般会計への繰入れ、平成20年度は日本高速道路保有・債務返済機構か
- 89 -
ら一般会計への債務承継、平成23年度は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から一般会計への
繰入れ等を除いている。
(注2)平成24年度及び平成25年度については、復旧・復興対策の経費及び財源等の金額を除いたベース。
○参考指標 総1-8:一般会計の基礎的財政収支(国債費-公債金収入)の推移
15
(兆円)
地方の基礎的財政収支
(地方財政計画)
10
3.5 5
3.6 3.2 0
5
10
15
20
23.2
25
国の一般会計の基礎的財政収支
(国債費-公債金収入)
30
31.5
35
34.4
40
60 61 62 63 元
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
(年度)
(出所)主計局調査課調
(注) 地方の基礎的財政収支は地方財政計画ベース。国の基礎的財政収支は、平成23年度までは決算、平成24
年度は補正後予算、平成25年度は予算ベース。
(6)国民負担率の推移
国民所得に対する租税負担と社会保障負担の割合の合計を国民負担率と呼んでいます。
平成25年度の国民負担率は、平成24年度から0.2%ポイント低下し40.0%となる見通し
です(過去最高は平成20年度の40.3%)。背景としては、景気回復に伴う国民所得の伸び
に伴い、社会保障負担率及び租税負担率が減少することが挙げられます。主要先進国の国
民負担率を見ると、直近の実績値(2010年)でアメリカは30.9%、イギリスは47.3%、ド
イツは50.5%、スウェーデンは58.9%、フランスは60.0%となっており、我が国の国民負
担率はアメリカより高いですが、他の先進国と比較して低い水準にあります。
また、国民負担に将来世代に先送りされる負担である財政赤字を加えた潜在的国民負担
率は、平成24年度から0.5%ポイント低下するものの、平成25年度は53.2%となり、引き
続き50%を超える水準となる見通しです。
平成24年度実績評価書
- 90 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標1〕
○参考指標 総1-9:国民負担率(対国民所得比)の国際比較
80
70
60
50
(国民所得比:%)
社会保障負担率
潜在的な国民負担率(括弧内は対GDP比)
(36.6)
21.9
30.9
22.7
53.2
22.6
(34.8)
42.5
36.4
60.0
12.0
24.8
(52.1)
58.9
(43.0)
69.5
46.9
35.2
28.6
0
-10
(45.0)
58.9
55.9
(46.8)
60.4
8.4
(39.2)
(42.8)
(42.8)
10.8
(25.4)
17.3
20
50.5
47.3
(29.4)
40
10
(38.8)
財政赤字対国民所得比
40.0
30
国民負担率(括弧内は対国内総生産(GDP)比)
租税負担率
-5.4
0.0
-9.4
-13.3
-11.5
-13.1
日本
アメリカ
イギリス
ドイツ
スウェーデン
フランス
(2013年度)
(2010年)
(2010年)
(2010年)
(2010年)
(2010年)
-20
(出所)主計局調査課資料(平成25年3月作成)(http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/basic_dat
a/201303/sy2503p.pdf)
(資料)"National Accounts"(OECD)、"Revenue Statistics"(OECD)等
(注1)日本は2013年度(平成25年度)見通し。諸外国は2010年実績。
(注2)財政赤字の国民所得比は、日本及びアメリカについては一般政府から社会保障基金を除いたベース、そ
の他の国は一般政府ベースである。
- 91 -
○参考指標 総1-10:国民負担率(対国民所得比)の推移
年度
昭和45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
平成元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
国税
地方税
①
一般会計
税収
②
12.7
12.8
13.3
14.7
14.0
11.7
12.0
11.8
13.5
13.7
13.9
14.4
14.5
14.8
15.1
15.0
16.0
17.0
17.2
17.8
18.1
17.1
15.7
15.6
14.6
14.9
14.5
14.5
13.9
13.5
14.2
13.6
12.6
12.3
13.0
14.0
14.3
13.8
12.9
11.7
12.4
13.0
13.1
13.0
12.0
12.0
12.5
13.9
13.4
11.1
11.2
11.1
12.8
13.0
13.2
13.7
13.9
14.0
14.4
14.7
15.6
16.6
16.8
17.1
17.3
16.2
14.9
14.8
13.8
14.1
13.7
14.1
13.4
13.0
13.6
13.1
12.0
11.8
12.3
13.1
13.0
13.4
12.5
11.2
11.8
12.4
12.2
12.0
6.1
6.4
6.4
6.8
7.3
6.6
6.8
7.1
7.1
7.7
7.8
8.2
8.5
8.6
8.8
8.9
9.2
9.7
9.9
9.9
9.6
9.5
9.4
9.2
8.8
9.1
9.2
9.5
9.7
9.6
9.6
9.7
9.2
8.9
9.1
9.3
9.7
10.6
11.1
10.2
9.7
9.9
9.8
9.6
租税負担 社会保障
国民負担率
財政赤字
潜在的な
国民所得
(参考)
国民負担率
(NI)
国民負担率 国内総生産
対GDP比
(GDP)
③=①+②
負担
④
⑤=③+④
⑥
⑦=⑤+⑥
18.9
19.2
19.8
21.4
21.3
18.3
18.8
18.9
20.6
21.4
21.7
22.6
23.0
23.3
24.0
24.0
25.2
26.7
27.2
27.7
27.7
26.6
25.1
24.8
23.4
24.0
23.8
24.0
23.6
23.1
23.7
23.3
21.8
21.2
22.1
23.3
24.0
24.4
24.1
21.9
22.1
22.9
22.8
22.7
5.4
5.9
5.9
5.9
7.0
7.5
7.8
8.3
8.5
8.8
8.8
9.6
9.8
9.7
9.8
10.0
10.1
10.1
9.9
10.2
10.6
10.7
11.2
11.5
11.8
12.7
12.7
13.1
13.5
13.6
13.6
14.2
14.2
14.1
14.1
14.3
14.7
14.9
16.2
16.2
16.4
17.1
17.4
17.3
24.3
25.2
25.6
27.4
28.3
25.7
26.6
27.3
29.2
30.2
30.5
32.2
32.8
33.1
33.7
33.9
35.3
36.8
37.1
37.9
38.4
37.4
36.3
36.3
35.2
36.7
36.5
37.1
37.2
36.7
37.3
37.5
36.0
35.3
36.2
37.6
38.6
39.3
40.3
38.1
38.5
40.0
40.2
40.0
0.5
2.5
2.8
0.7
3.3
7.5
7.2
8.3
8.0
8.7
8.2
8.2
7.9
7.1
5.9
5.1
4.3
2.9
1.4
1.0
0.1
0.5
4.5
6.7
8.1
9.3
8.7
7.7
10.6
12.2
9.9
9.1
10.8
10.5
7.9
5.7
4.2
3.3
6.2
12.8
11.3
11.8
13.5
13.3
24.9
27.7
28.4
28.1
31.6
33.3
33.8
35.6
37.1
38.9
38.7
40.4
40.6
40.1
39.7
39.0
39.6
39.6
38.5
38.9
38.5
37.9
40.8
43.0
43.3
46.0
45.2
44.8
47.7
48.9
47.2
46.6
46.8
45.8
44.1
43.3
42.8
42.6
46.4
51.0
49.9
51.8
53.7
53.2
61.0
65.9
77.9
95.8
112.5
124.0
140.4
155.7
171.8
182.2
203.9
211.6
220.1
231.3
243.1
260.6
267.9
281.1
302.7
320.8
346.9
368.9
366.0
365.4
370.0
368.9
380.2
382.3
369.0
364.3
371.8
366.8
363.9
368.1
370.1
374.1
378.2
381.2
355.0
344.4
352.3
346.8
349.1
358.9
19.7
20.0
20.7
22.5
23.0
20.9
21.8
22.3
24.0
24.4
25.0
25.7
26.1
26.5
26.6
26.8
27.7
28.5
29.0
29.2
29.5
29.1
27.5
27.5
26.3
26.9
26.9
27.2
26.8
26.4
27.2
27.4
26.3
25.9
26.6
27.8
28.7
29.2
29.2
27.7
28.3
29.3
29.6
29.4
75.3
82.9
96.5
116.7
138.5
152.4
171.3
190.1
208.6
225.2
248.4
264.6
276.2
288.8
308.2
330.4
342.3
362.3
387.7
415.9
451.7
473.6
483.3
482.6
495.6
504.6
515.9
521.3
510.9
506.6
510.8
501.7
498.0
501.9
502.8
505.3
509.1
513.0
489.5
473.9
480.1
473.3
474.9
487.7
(出所)主計局調査課資料(平成25年3月作成)(http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/basic_dat
a/201303/sy2503n.pdf)
(注1)単位は、国民所得及び国内総生産は兆円、その他は%である。
(注2)平成23年度までは実績、平成24年度は実績見込み、平成25年度は見通しである。
(注3)昭和55年度以降は93SNAに基づく計数であり、昭和54年度以前は68SNAに基づく計数である。ただ
し、租税負担の計数は租税収入ベースであり、SNAベースとは異なる。
(注4)国税は特別会計及び日本専売公社納付金を含む。地方法人特別税は国税に含めている。
(注5)平成21年度、平成22年度及び平成23年度の社会保障負担の計数は、平成20年度以前の実績値との整合性
を図るための調整等を行っている。
平成24年度実績評価書
- 92 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標1〕
(注6)財政赤字の計数は、国及び地方の財政収支の赤字であり、一時的な特殊要因を除いた数値。具体的には、
平成10年度は国鉄長期債務及び国有林野累積債務、平成18年度、平成20年度、平成21年度、平成22年度及
び平成23年度は財政投融資特別会計財政融資資金勘定(平成18年度においては財政融資資金特別会計)か
ら国債整理基金特別会計または一般会計への繰入れ、平成20年度は日本高速道路保有・債務返済機構債務
の一般会計承継、平成23年度は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から一般会計への繰入れ等
を除いている。
(7)国民経済に占める財政の比率の国際比較
現在、我が国の一般政府の支出規模は欧州諸国と比べると比較的小さなものとなってい
ます。
○参考指標 総1-11:国民経済に占める財政の役割の国際比較(政府最終消費支出、一般
政府総固定資本形成、社会保障移転等の対GDP比)
対 国 内 総 生 産 比 (%)
政府最終
消費支出
日
本
米
国
英
国
フ ラ
ド
ン
イ
ス
ツ
ス ウ ェー デン
う ち
人件費
一般政府
総 固 定
資本形成
現物社会移転
以外の社会給
付(年金、失
業給付等)
その他
う ち
利払費
うち土地
購入(純)
う ち
補助金
一般政府
総 支 出
(合 計)
2002
17.6
6.5
4.6
10.9
5.0
2.9
0.6
0.8
38.2
2011
20.1
6.2
3.2
14.3
4.4
2.5
0.3
0.6
42.1
2002
15.4
10.1
2.6
11.9
6.0
2.8
0.1
0.4
35.9
2011
2002
17.3
19.9
10.7
10.4
2.3
1.6
15.3
12.9
6.8
7.0
2.8
2.0
0.1
▲ 0.1
0.4
0.5
41.7
41.4
2011
22.0
11.1
2.2
15.1
9.2
3.2
▲ 0.1
0.5
48.5
2002
23.5
13.4
2.9
17.5
9.0
3.0
0.1
1.7
52.9
2011
24.5
13.2
3.1
19.5
8.9
2.6
0.1
1.5
56.0
2002
2011
19.2
19.3
8.2
7.7
1.8
1.6
18.7
16.4
8.3
8.0
3.0
2.5
▲ 0.1
▲ 0.1
1.4
1.0
47.9
45.3
2002
27.0
15.7
3.1
15.9
9.7
3.0
▲ 0.1
1.5
55.6
2011
26.4
13.9
3.4
14.0
7.4
1.2
▲ 0.1
1.5
51.2
(出所)主計局調査課調
(資料)諸外国はOECD Stat Extracts「National Accounts Dataset: 12. Main aggregates of general
government」。日本は国民経済計算(内閣府)。
(注) 一般政府とは、国・地方及び社会保障基金といった政府あるいは政府の代行的性格の強いものの総体
(独立の運営主体となっている公的企業を除く)。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
我が国の財政状況は、国・地方の長期債務残高が平成25年度末には977兆円(対GDP
比200%)に達すると見込まれるなど、主要先進国の中でも最悪の水準となっており、極
めて厳しい状況にあります。
政府としては、日本の財政に対する信認を確保していくために、社会保障・税一体改革
を継続するとともに、国・地方のプライマリーバランスについて、2015年度までにその赤
字の対GDP比を2010年度の水準から半減し、2020年度までに黒字化するとの財政健全化
目標達成に向けて、歳入・歳出両面において財政健全化に向けて取り組むこととしていま
す。
財務省としても、上記の政府の方針を踏まえて、適切な財政運営を行ってまいります。
- 93 -
重 総合目標2:我が国の経済・社会の構造変化に対応し、成長と雇用の実現、社会保障改革
○
とその財源確保といった我が国の喫緊の課題に応えるため、税制の抜本的な
改革に取り組む
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
税制は、国民生活、経済活動、そして社会のあり方と密接に関連するものです。税制のあり方を考
えることは、国のあり方をどのように考えていくかということでもあります。このため、国民一人一
人が今後の税制論議に参加し、その上で、あるべき税制について選択していくことが重要です。
公的サービスは国や社会を支えるために欠かすことのできないものです。租税はそのような公的サ
ービスを賄うために必要な財源を調達するため、社会の構成員である国民皆が広く公平に分かち合う
ものです。国民が公的サービスを求めることと租税でその費用を賄うこととは、国民全体として受益
と負担という表裏一体の関係にあるということです。そのため、租税は、公的サービスを賄うのに十
分な量であることが求められます。
今日、人口減少と少子化・高齢化の同時進行、格差の拡大といった時代の趨勢に、社会保障制度が
対応しきれておらず、「支え合う社会」が揺らいでいます。このため、子どもからお年寄りまで国民
生活の安心を確保する「全世代対応型」の社会保障制度を築き上げるとともに、その財源について
も、幅広い国民が負担を分かち合う仕組みを作らなければなりません。
一方、財政については、欧州政府債務問題を契機に世界全体で財政リスクへの市場の懸念が高まっ
ており、一層厳しさを増す我が国財政の健全化は、一刻の猶予も許されない課題となっています。
また、我が国は、人口減少と少子化・高齢化の同時進行、格差の拡大、家族や働き方の多様化、グ
ローバル化の進展、エネルギー制約・環境問題といった世界的規模の課題、長期的なデフレ・低成長
の中での新たな成長戦略の必要性、といった我が国の経済・社会構造と内外の環境の変化に直面し、
様々な課題を抱えています。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣所信表明演説
第180回、第183回国会 総理大臣施政方針演説
第180回、第183回国会 財務大臣財政演説
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
平成25年度税制改正の大綱(平成25年1月29日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
総合目標2の業績目標・施策については、政策目標2-1に記載しています。(政策目標
2-1(P163)を参照)
4.平成24年度の事務運営の報告
税制の抜本的な改革では、社会保障・税一体改革の具体化に向けて検討を行い、社会保障
の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成することを目指し、「社会保障の安定財源
の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」
を国会に提出しました。当該法律案は、自由民主党、公明党、民主党の3党の協議・合意を
踏まえ、一部修正され、平成24年8月10日に成立しました。
また、平成25年度税制改正では、現下の経済情勢等を踏まえ、「成長と富の創出の好循
環」の実現、社会保障・税一体改革の着実な実施、震災からの復興の支援等のための税制上
平成24年度実績評価書
- 94 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標2〕
の措置を講ずるほか、期限切れ租税特別措置の延長等を行うため、「所得税法等の一部を改
正する法律案」を国会に提出しました。当該法律案は、平成25年3月29日に成立しました。
(注)なお、同法案については、成立後、一部に改正規定漏れがあり税制改正の大綱等との間で齟
齬を来していることが判明しましたが、政府部内及び与野党での検討を踏まえ、法律の修正は
せず現行の条文の通りに実施することとし、その旨を公表し広報したところです。今後は、一
層のチェック体制の強化を図り、再発防止に努めてまいります。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
目標を巡る外部要因等の動向は、以下の参考指標のとおりです。
○参考指標 総1-1:一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移(P83に掲載)
○参考指標 総2-1:税収比率の推移
年度
昭和 62
63
平成元
2
3
4
5
6
7
%
81.1
82.7
83.4
86.8
84.8
77.2
72.1
69.3
68.4
年度
8
9
10
11
12
13
14
15
16
%
66.1
68.7
58.6
53.1
56.8
56.5
52.4
52.5
53.7
年度
17
18
19
20
21
22
23
%
57.4
60.2
62.3
52.3
38.4
43.5
42.5
24(補) 25(予)
42.4
46.5
(出所)「一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」(平成25年5月作成)を基に主税局総務課で作成
(注1)平成23年度以前は決算額、24年度は補正後予算額、25年度は予算額による。
(注2)公債発行額は、4条公債発行額及び特例公債発行額の合計である。
- 95 -
○参考指標 総2-2:主要税目(国税)の税収の推移
(出所)主税局総務課資料(平成25年5月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/011.htm)
(注) 平成23年度以前は決算額、24年度は補正後予算額、25年度は予算額である。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
税制については、我が国の経済・社会の構造変化に対応し、我が国の喫緊の課題に応え
るため、各年度の税制改正作業等に取り組んでいきます。
平成24年度実績評価書
- 96 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標3〕
○ 総合目標3:経済金融情勢及び財政状況を踏まえつつ、市場との緊密な対話に基づき、国債
発行計画の策定等の国債管理政策を遂行し、中長期的な調達コストの抑制を図
りながら、必要とされる財政資金を確実に調達する。また、対象事業の重点化
・効率化を図りつつ、政策的必要性等の観点から財政投融資を活用するほか、
「新成長戦略における国有財産の有効活用について」等を踏まえ、未利用国有
地等の活用や庁舎及び宿舎の最適化の推進など国有財産の有効活用に取り組む
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
我が国の財政は、国及び地方の長期債務残高が平成24年度末には対GDP比で196%に達すると見
込まれるなど、主要先進国の中で最悪の水準にあります。
このような状況を踏まえ、財務省としては、必要とされる財政資金を確実に調達し、中長期的な調
達コストを抑制していくとの基本的な考え方に沿って、市場との緊密な対話に基づき、そのニーズ・
動向等を踏まえた発行を行うなど、国債管理政策を適切に運営していきます。
また、財政投融資については、対象事業の一層の重点化・効率化等に努めつつ、真に必要な資金需
要に対応していきます。
さらに、国有財産については、「新成長戦略」や「日本再生の基本戦略」に盛り込まれた介護・子
育てなど、すべての人々のための社会・生活基盤の構築のため、未利用国有地等の活用や庁舎及び宿
舎の最適化の推進などを含め、その適正な管理とともに有効活用等に取り組んでいきます。
こうした取組を通じ、国の資産・負債について、適正な財務管理に努めます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣施政方針演説
第183回国会 財務大臣財政演説
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
防災基本計画(平成24年9月6日中央防災会議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
総合目標3としては、重点的に進める業績目標・施策は設定していません。(政策目標
3-1から3-4(P179)を参照)
4.平成24年度の事務運営の報告
(1)国債管理政策
国債発行計画については、国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑制
との国債管理政策の基本目標に沿って、細心の注意を払って策定する必要があり、このた
め、「国債市場特別参加者会合」等の各種懇談会を通じた市場との対話により、市場のニ
ーズ・動向をきめ細かく把握するとともに、償還が将来の特定の年に集中することを回避
する等の国債管理政策上の必要性を踏まえて国債発行計画を策定しました。
平成24年度においては、特例公債法案の成立が遅れる中、市場参加者からの要請に基づ
き、10月に臨時の国債市場特別参加者会合を開催するなど、同法案の成立遅延が市場に与
える影響について市場参加者の意見の把握に努めたほか、平成24年度補正後計画では、年
金特例国債2.6兆円の発行、建設国債5.5兆円の増発等を行いましたが、出納整理期間発行
- 97 -
を活用することにより、入札による市中への発行額の増額を0.6兆円に抑えるとともに、
市場のニーズを踏まえた年限構成による増発を行うことで、市場への影響を極力抑制しま
した。平成25年度当初計画では、建設国債・特例国債・年金特例国債・復興債・借換債・
財投債を合わせた国債発行総額は、170.5兆円となり、このうち、国債発行総額の大宗を
占めている毎月の入札による市中への発行額(カレンダーベース市中発行額)は、平成24
年度補正予算で増発する国債の発行が25年度にずれ込むことなどから増加(5年連続)し、
156.6兆円と過去最大となりましたが、24年度補正予算に伴う2月からの増発と合わせ、
発行年限のバランスのとれた増発を行いました。24年度補正後計画や25年度当初計画の策
定にあたっては、国債市場特別参加者会合や国債投資家懇談会等の場を通じた市場との対
話をきめ細かく行いました。
なお、従来、国債整理基金残高により備えてきたオペレーショナル・リスク(大規模災
害やシステム障害等により借換債発行ができない事態)に対しては、日本銀行と協議した
結果、同行からの一時借入による対応が可能となったことから、平成25年度国債発行計画
においては、基金残高を当該一時借入の対象外である国債入札の偶発的な未達に備えた水
準まで圧縮し、圧縮分は国債償還に充て借換債の発行を抑制することにより、利払費の抑
制に努めることとしました。(基金残高見込み 平成24年度末10.2兆円→平成25年度末3
兆円)
(2)財政投融資
平成25年度財政投融資計画を策定するに当たっては、引き続き対象事業の重点化・効率
化を図るとともに、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえ、引き続き東日本
大震災からの復興に対応しつつ、長期リスクマネー等を呼び水として供給し、民間投資の
喚起、経営改善に取り組む中小企業等の支援や日本企業の海外展開支援等に積極的に対応
することとしました。
その結果、平成25年度財政投融資計画の規模は18兆3,896億円、対前年度当初計画比で
+4.2%の増加となりました。このうち長期リスクマネーを供給する産業投資については、
日本の豊富な民間資金、多様な人材、優れた技術力などの潜在力を最大限引き出し「成長
による富の創出」を実現するため、2,638億円(24年度計画比46.2%増)に大幅拡充する
こととしました。また、財政投融資計画残高については、平成25年度末で177.2兆円(見
込)と、対前年度末比で▲1.2兆円となる見込みです。
(3)国有財産
国民共有の貴重な財産である国有財産については、売却等を通じて国の財政に貢献する
とともに、地方公共団体等と連携を図り、地域や社会のニーズに対応した有効活用を図っ
ていくこととし、「新成長戦略における国有財産の有効活用について」(平成22年6月公
表)及び「国有財産行政におけるPRE戦略について」(平成22年12月公表)を踏まえ、
国有財産の適正な管理及び有効活用等に取り組みました。
具体的には、未利用国有地について、売却に加えて、新規の貸付(定期借地)や交換な
ど、個々の土地の特性に応じ、最適な活用手段を選択しました。また、管理処分に当たっ
平成24年度政策評価書
- 98 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標3〕
ては、公用・公共用優先の考え方を原則とし、地方公共団体等からの要望を優先するなど、
地方公共団体との連携を通じ、地域や社会のニーズに対応した国有財産の有効活用を図り
ました。
庁舎については、現下の厳しい財政事情を踏まえ、長寿命化によるコスト低減効果を総
合的に勘案しつつ、省庁横断的な入替調整等を積極的に行うことにより、既存庁舎の効率
的な使用を推進しました。
また、宿舎については、平成23年12月に取りまとめられた「国家公務員宿舎の削減計
画」を踏まえ、平成24年11月に「『国家公務員宿舎の削減計画』に基づくコスト比較等に
よる個別検討結果及び宿舎使用料の見直しについて」を取りまとめるとともに、廃止する
ことを決定した宿舎については、宿舎の廃止に向けて入居者への退去期限を定めた退去要
請を実施するなど、できる限り速やかに宿舎の廃止・売却を進め、跡地の売却収入等が得
られるよう取組を進めました。この結果、平成24年度末時点における削減計画等に基づく
国家公務員宿舎跡地の売却実績は、216住宅、契約金額418億円となりました。
なお、東日本大震災への対応として、地方公共団体等に対し未利用国有地・国家公務員
宿舎等の情報を提供し、要請に応じて無償提供等を行いました。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
目標を巡る外部要因等の動向は、以下の参考指標のとおりです。
○参考指標 総3-1:財政投融資計画及び計画残高の推移
区
分
平成21年度
22年度
(単位:億円)
23年度
24年度
25年度
財政融資
当初計画
119,918
135,057
109,101
135,242
改定計画
184,421
137,157
165,392
145,138
実
135,188
107,594
102,510
(1,639,062)
(1,522,635)
(1,432,515)
1,619,062
1,522,635
1,432,515
当初計画
1,138
974
2,912
1,804
改定計画
3,821
1,214
3,262
5,863
実
3,190
1,002
2,988
37,013
37,898
37,898
37,576
47,538
37,046
績
年度末残高
130,621
産業投資
績
年度末残高
2,638
政府保証
当初計画
- 99 -
39,436
50,637
改定計画
50,876
47,538
37,046
実
33,181
30,869
32,886
343,197
331,077
338,157
当初計画
158,632
183,569
149,059
176,482
改定計画
239,118
185,909
205,700
190,437
実
171,559
139,465
138,383
(2,019,272)
(1,891,610)
(1,811,298)
1,999,272
1,891,610
1,811,298
績
年度末残高
39,436
財政投融資合計
績
年度末残高
183,896
(出所)理財局財政投融資総括課調
(注1)( )書き計数は、財政投融資制度の改革に伴い、平成13年度から廃止された資金運用事業を含めたベー
スである。
(注2)平成22年度の実績は資金年度ベースにおける計数整理を行ったものであり、22年度政策評価書の計数と
異なっている。
(注3)平成23年度の実績の計数は、23年度の決算時の見込値である。
(参考)財投残高において、財政融資資金及び簡易生命保険資金の引き受けた債券は引受価格(収入金ベース)で
計上し、政府保証債は額面金額(政府保証外債は額面金額を外国貨幣換算率によって換算した金額)で計
上している。
○参考指標 総3-2:財務省所管国有地の売却実績の推移
平成20年度
国有地の売却額
1,275
21年度
1,382
(単位:億円)
22年度
864
23年度
24年度
867
N.A
(出所)理財局国有財産業務課調
(注) 平成24年度実績については、25年7月以降にデータが確定するため、25年度政策評価書に掲載予定。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
① 国債管理政策
我が国の財政は、過去に例を見ない厳しい状況にあり、今後も大量の国債発行が見込
まれています。国債発行当局として確実かつ円滑な国債発行により、必要とされる財政
資金を確実に調達するとともに、中長期的な調達コストを抑制していくことによって、
円滑な財政運営の基盤を確保するという基本的な考え方に基づき、国債管理政策を運営
します。
② 財政投融資
各年度の財政投融資計画の編成においては、政策的必要性、民業補完性や償還確実性
の観点から毎年度見直しを行い、対象事業の重点化・効率化を図りつつ、国民のニーズ
や社会経済情勢の変化などを踏まえ、必要な事業への資金供給を確保します。
③ 国有財産
国民共有の貴重な財産である国有財産については、売却等を通じて国の財政に貢献す
平成24年度政策評価書
- 100 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標3〕
るとともに、地方公共団体等と連携を図り、地域や社会のニーズに対応した有効活用を
図っていくこととし、国有財産の適正な管理及び有効活用等に取り組みます。
庁舎については、長寿命化によるコスト低減効果を総合的に勘案しつつ、省庁横断的
な入替調整等を積極的に行うことにより、既存庁舎の効率的な使用を推進します。また、
老朽化等により長寿命化が困難な庁舎については、建替えと民間借受けのコスト比較を
行い、最も効率的な調達方法の選択に努めます。
宿舎については、「国家公務員宿舎の削減計画」及び「『国家公務員宿舎の削減計
画』に基づくコスト比較等による個別検討結果及び宿舎使用料の見直しについて」に基
づく宿舎戸数の削減等及び宿舎使用料の見直しを着実に実施していきます。
- 101 -
○ 総合目標4:金融システムの状況を踏まえながら、関係機関との連携を図りつつ、金融破綻
処理制度の整備・運用を図るとともに、預金保険法等の法令に基づき、金融危
機管理を行うことにより、金融システムの安定の確保を図る。また、通貨の流
通状況を把握し、偽造・変造の防止等に取り組み高い品質の通貨を円滑に供給
することにより、通貨に対する信頼の維持に貢献する
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
金融システムは、資金仲介・リスク仲介機能や決済機能を担い、経済活動の基盤をなすものである
ことから、国民経済の発展のためには金融システムの安定の確保が不可欠です。
1990年代のバブル経済崩壊の中で、我が国の金融機関は多額の不良債権を抱えることになりました
が、その後、政府は金融機能の安定及び再生を図るための断固たる措置を講じた結果、金融システム
は全体として安定していました。しかし、先般の米国発の金融危機は、各国の金融・資本市場と世界
経済に大きな影響を及ぼすこととなりました。我が国の金融システムに対する影響は欧米諸国に比べ
ると相対的には限定されていましたが、実体経済や株価等に深刻な影響を及ぼしました。金融危機を
受け、G20・FSB等の場で、金融規制改革の議論が進展しています。
財務省は、金融システムの状況や国際的な金融規制改革の進展を適切に踏まえながら、引き続き金
融庁等と緊密な連携を図りつつ、健全な財政の確保等の観点から、「経済危機対策」に掲げられた金
融機能強化法の活用促進等の金融破綻処理制度の適切な整備・運用を図るとともに、迅速・的確な金
融危機管理を行うことにより、金融システムの安定が確保されるよう努めていきます。また、東日本
大震災の被災地域における事業者の再生を支援する株式会社東日本大震災事業者支援機構の監督に努
めていきます。
通貨の流通状況を適切に把握し、偽造されにくい通貨を円滑に供給することにより、通貨制度
(注)を適切に運用することは、健全な財政の確保と金融システムの安定と相まって、総合目標の
「通貨に対する信認の確保」に不可欠です。
また、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」に掲げられた、「カード犯罪、偽造通貨等
対策」を推進し、通貨の偽造・変造の防止に取り組んでいきます。
(注)通貨制度とは、通貨の単位や種類を定め、通貨に法的な強制通用力を付与する制度で、我が
国では、財務省が所管する「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」で定めている。
2.内閣の基本的な方針との関連
日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
経済危機対策(平成21年4月10日「経済危機対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚
会議合同会議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 総4-1:金融システムの安定を確保するための取組
[平成24年度実施計画]
金融システムの状況を適切に踏まえながら、健全な財政の確保や通貨に対する信頼の維持等の観
点を踏まえつつ、必要に応じて金融システムの安定のための制度の整備を行います。また、金融庁
等の関係機関と緊密に連携しつつ、預金保険法等の法令に基づき、金融危機管理に関する施策を迅
速・的確に実施することにより、金融システムの安定の確保に万全を期していきます。
平成24年度実績評価書
- 102 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標4〕
[事務運営の報告]
金融システムの安定を確保するためには、金融機関等を巡る状況を勘案し、信用秩序維
持のための制度の整備・運用を進めていく一方で、金融機関の安易な救済によって国民負
担が生じないよう、バランスを取ることが重要です。
平成24年度は、このような考えの下、金融庁等と連携を取りつつ、リーマンショック後
の国際的な議論も受けて、金融機関の秩序ある処理の枠組みについて議論した金融審議会
への参画、預金保険機構等に対する政府保証枠の設定等を行いました。
また、個々の企業の再生支援も含めた地域活性化に資する支援を通じて、地域の信用秩
序の基盤強化を図ることも重要です。平成24年度は、金融庁、内閣府等と連携し、株式会
社地域活性化支援機構の改組等を通じて、地域活性化に資する支援も行いました。
○参考指標 総4-1:預金保険機構等に対する政府保証枠(評価意見P28に記載)
○参考指標 総4-2:預金保険機構等の借入残高(政府保証付)
平成20年度末 21年度末
預金保険機構
(単位:億円)
22年度末
23年度末
24年度末
60,722
54,847
40,921
28,378
28,373
一般勘定
11,432
4,389
923
-
-
危機対応勘定
18,413
17,963
13,714
4,552
4,447
金融再生勘定
19,205
19,008
18,794
18,610
18,454
金融機能早期健全化勘定
10,000
10,000
4,000
-
-
金融機能強化勘定
1,672
3,487
3,490
5,216
5,472
生命保険契約者保護機構
373
348
―
―
―
銀行等保有株式取得機構
5,000
3,500
5,000
5,500
7,500
―
3,550
3,500
3,870
―
(内訳)
(株)地域経済活性化支援機構
(出所)預金保険機構等の資料を基に、大臣官房信用機構課で作成。
施
策 総4-2:通貨制度を適切に運用するための取組
[平成24年度実施計画]
通貨が様々な経済取引の決済において、国民から信頼され、安心して使われるために、通貨の流
通状況等を適切に把握し、偽造されにくい通貨を円滑に供給できるよう製造計画を策定すること等
により、日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止等通貨制度の適切な運用に万全を期
していきます。
[事務運営の報告]
① 日本銀行券及び貨幣の発行・製造計画の策定
平成24年度途中に当該年度の需要を再度見極め、貨幣については所要の計画変更を行
いました。
また、平成25年度の製造計画については、必要とされる日本銀行券及び貨幣の円滑な
供給を図る観点から、市中の流通状況や独立行政法人国立印刷局・独立行政法人造幣局
の製造能力等を勘案し策定しました。
- 103 -
(新)○参考指標 4-3:平成24年度における日本銀行券及び貨幣の製造枚数(評価意見P28に
記載)
② 通貨の偽造・変造の防止
通貨の偽造・変造は、国民の通貨に対する信頼を失わせ、経済社会に深刻な影響を及
ぼすおそれがあることから、引き続き、独立行政法人国立印刷局、独立行政法人造幣局、
日本銀行、警察当局や税関当局等とも連絡を密にし、通貨の偽造・変造を防止する環境
の整備を行いました。
通貨偽造の最近の国内外の発生状況を踏まえ、国内外の関係機関との意見交換や情報
収集を実施し、また、当該意見交換・情報収集が円滑かつ迅速に行える態勢を整備した
他、関係業界団体等との連携強化も図りました。
また、独立行政法人造幣局とともに、偽造防止技術の向上等を図ることとしており、
平成24年度に発行した記念貨幣に、照明位置や観察角度により、模様の映り方がランダ
ムに変化し、一部が虹色に発色する「虹色発色」技術を採用したほか、通常の五百円貨
幣に採用されている「斜めギザ」より、視認性が高く、大量生産が困難な「異形斜めギ
ザ」及び偽造抵抗力が高いとされる「バイカラー・クラッド(二色三層構造)」を引き
続き採用するなど、偽造抵抗力の向上に努めました。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
(1)金融システムの安定の確保に向けた適切な制度の整備・運用
施策総4-1の記載のとおりです。
(2)通貨の偽造・変造の防止
施策総4-2の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)自己資本比率の状況
平成25年3月期の主要行等の自己資本比率は、国際統一基準行が17.5%、国内基準行が
14.7%となり、地域銀行は、国際統一基準行が14.3%、国内基準行が11.2%となりました。
(注1)主要行等とは、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行、三菱東京UFJ
銀行、三菱UFJ信託銀行、三井住友銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行、新生銀行及びあ
おぞら銀行を指す。
(注2)国際統一基準行は、平成25年3月期よりバーゼル3の適用を開始している。主要行等のう
ち国際統一基準行は、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行、三菱東京UFJ銀行、三菱
UFJ信託銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行である。また、地域銀行のうち国際統一基
準行は、群馬銀行、千葉銀行、横浜銀行、八十二銀行、静岡銀行、滋賀銀行、中国銀行、山口
銀行、伊予銀行、名古屋銀行である。
○参考指標 総4-4:自己資本比率
(単位:%)
平成21年3月期 22年3月期 23年3月期 24年3月期
主要行等
12.4
15.8
17.3
平成24年度実績評価書
- 104 -
18.0
25年3月期
(国際統一基準行)17.5
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標4〕
(国内基準行)14.7
地域銀行
10.5
11.3
11.6
(国際統一基準行)14.3
11.9
(国内基準行)11.2
(出所)「主要行等の平成24年3月期決算の概要」(平成24年6月 金融庁)(http://www.fsa.go.jp/news/23
/ginkou/20120608-4.html)
「地域銀行の平成24年3月期決算の概要」(平成24年6月 金融庁)(http://www.fsa.go.jp/news/23
/ginkou/20120608-3.html)等
(注) 全国銀行を対象とした自己資本比率は、公表されていない。
(2)不良債権の状況
平成25年3月期における主要行等の不良債権残高(金融再生法開示債権)は5.1兆円
(前年比+0.1兆円)となり、不良債権比率については1.8%となりました。地域銀行の不
良債権残高は6.8兆円(前年比0兆円)となり、不良債権比率については3.1%となりまし
た。
○参考指標 総4-5:不良債権比率・残高
主要行等
地域銀行
全国銀行
(単位:兆円、%)
平成21年3月期
22年3月期
23年3月期
24年3月期
25年3月期
不良債権残高
4.8
5.0
4.9
5.0
5.1
不良債権比率
1.7
1.9
1.8
1.8
1.8
不良債権残高
7.1
6.6
6.7
6.8
6.8
不良債権比率
3.4
3.2
3.2
3.2
3.1
不良債権残高
11.9
11.6
11.5
11.7
11.8(注2)
不良債権比率
2.4
2.4
2.4
2.5
2.4(注2)
(出所)「主要行等の平成25年3月期決算の概要」(平成25年6月 金融庁)(http://www.fsa.go.jp/news/24
/ginkou/20130607-4.html)
「地域銀行の平成25年3月期決算の概要」(平成25年6月 金融庁)(http://www.fsa.go.jp/news/24
/ginkou/20130607-5.html)等
(注1)不良債権残高は金融再生法開示債権残高、不良債権比率は金融再生法開示債権残高の対総与信比率。
(注2)平成24年9月期の数値を記載。
(3)貸出金残高の状況
平成25年3月期の預金取扱機関の貸出金残高は682.0兆円(前年比+27.4兆円)となり
ました。
○参考指標 総4-6:貸出金残高
平成20年度末
貸出金残高
659.0
(単位:兆円)
21年度末
645.2
22年度末
641.0
23年度末
654.6
24年度末
682.0
(出所)「資金循環統計」(日本銀行)(http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html)より「資産・貸出
/預金取扱機関/ストック」のデータを抽出
(4)株式市場の状況
平成24年度の株式相場(日経平均株価)は、平成24年6月4日に同年度最安値(8,295
- 105 -
円)をつけた後、11月中旬までもみ合いが続きましたが、その後上昇基調となり、平成25
年3月21日に同年度最高値(12,635円)をつけました。平成25年3月末終値は12,397円と
なり、平成24年3月末終値(10,083円)との比較では、2,314円の上昇となりました。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
① 金融システムの安定の確保に向けた適切な制度の整備・運用
金融システムの状況を適切に踏まえながら、金融庁等と連携をとりつつ、金融破綻処
理制度の適切な整備・運用や迅速かつ的確な金融危機管理に努めていきます。
② 通貨の偽造・変造の防止
通貨の偽造・変造の防止について、引き続き、独立行政法人国立印刷局、独立行政法
人造幣局、日本銀行、警察当局及び税関当局等とも連絡を密にし、通貨の偽造・変造を
防止する環境を整備するとともに、海外の通貨当局との連携を図るよう努めます。
平成24年度実績評価書
- 106 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標5〕
重 総合目標5:我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問題への対応を含む国
○
際的な協力等に積極的に取り組むことにより、世界経済の持続的発展、国際
金融システムの安定及びそれに向けた制度強化、アジアにおける地域協力の
強化、開発途上国の経済社会の発展、国際貿易の秩序ある発展を目指す。特
に、我が国を含むアジア諸国が共に成長するため、アジアにおける「新成長
戦略」を推進する
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
経済のグローバル化が進む中で、通貨に対する信認を確保しつつ、我が国経済の健全な発展を実現
するためには、国際金融システムを安定させ、強固で持続可能かつ均衡ある世界経済の成長を生み出
すとともに、保護主義に陥ることなく国際貿易の秩序ある発展を図ることが重要となっています。ま
た、貧困や地球環境問題、テロ・大量破壊兵器の拡散といった問題にも国際社会が協力して積極的に
取り組む必要があります。我が国は、こうした国際的協力において主体的な役割を果たしていきます。
特に、急速な成長を遂げているアジア地域において、環境やインフラ分野等で我が国の固有の強みを
生かすこと等により、アジア全体の活力ある発展をさらに着実なものとしつつ、アジアの成長を日本
の成長に結実させていきます。
本目標は、新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)や、その実行加速や強化・再設計を定めた日
本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)等の、以下に掲げる内閣の基本的な方針を踏まえ、
特に重要な取組として推進していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第179回国会 総理大臣所信表明演説
第180回国会 総理大臣施政方針演説
第180回国会 財務大臣財政演説
包括的経済連携に関する基本方針(平成22年11月9日閣議決定)
日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 総5-1:世界経済の持続的発展等に向けた国際的な協力への取組
[平成24年度実施計画]
平成20年秋の金融・世界経済危機による世界的な景気後退に引き続き、平成23年夏ごろから、欧
州の政府債務問題の深刻化により、金融市場が不安定化し、経済の先行きへの不透明感が拡大して
います。こうした中、国際金融システムの安定を実現し、更に、開発途上国における貧困の問題や
地球温暖化をはじめとした地球環境問題やテロ・大量破壊兵器の拡散といった問題の解決を図るこ
とにより、強固で持続可能かつ均衡ある世界経済の成長を生み出すための取組を進めます。
このため、我が国は、G20、G7等における国際的な議論に積極的に参画し、国際機関および各
国の財務金融当局等との政策対話も積極的に行います。また、我が国との関係が深いアジア諸国経
済の持続的発展に貢献することは、我が国経済の発展にもつながる重要な取組であるため、ASE
AN(東南アジア諸国連合)+3(日中韓)、APEC(アジア太平洋経済協力)等の多国間のフ
- 107 -
ォーラムで主体的役割を果たしていきます。また、日中財務対話、日韓財務対話等の二国間の会議
を通じて、アジア諸国等との関係を更に深化、拡大させていきます。
[事務運営の報告]
① 世界経済の持続的発展や国際金融システムの安定に向けた国際的な取組への参画
イ 国際金融システムの安定(G20サミット、G7等を通じた取組)
我が国は、世界経済の持続的発展や国際金融システムの安定に向けた取組に関し、
G20やG7等における国際的な議論に積極的に参画しました。
平成24年4月19日、20日のG20財務大臣・中央銀行総裁会議においては、IMFの
資金基盤強化に関し、我が国は直前の17日に先頭を切る形でIMFに対する600億ド
ルの融資枠の貢献を行う方針を表明し、各国に対し貢献を表明するよう促してきたと
ころ、4300億ドルを上回る確実なコミットメントという、市場を安心させることがで
きる規模の強化に合意できました。6月18日、19日に開催されたG20ロスカボス・サ
ミットでも、中国、インド、ブラジル、ロシアを含め多くの国から具体的な貢献額の
表明があり、最終的な資金基盤強化の総額は、同年10月のIMF・世界銀行年次総会
において、約4,610億ドルとなりました。これは、IMF・G20にとって大きな成果
となり、合意形成に大きな役割を果たした我が国に対し、IMFをはじめ各国から高
い評価が示されました。
外国為替市場の安定に向けた取組に関しては、G7声明(平成25年2月12日)にお
いて、「為替レートは市場において決定されるべき」、「為替市場における行動に関
して緊密に協議すべき」といった従来からのコミットメントを再確認するとともに、
日本を含むG7各国の財政・金融政策が、為替レートではなく、「国内目的を達成す
ることに向けられてきていること」、「今後もそうしていくこと」を確認しました。
また、G20(20か国財務大臣・中央銀行総裁会議)、金融・世界経済に関する首脳会
合(G20サミット)等の国際会議において、国際金融市場の動向や各国の対応等に関
して議論を行いました。
また、資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止等促進に向け、我が国は、
G7や、FATF(金融活動作業部会)における取組等へ積極的に参画しました。北
朝鮮に関しては、累次の国連安保理決議に基づき、核関連計画等に関与する者に対す
る外為法による資産凍結等の措置を講じてきているところ、平成25年1月に安保理決
議第2087号により指定された対象者に対し、資産凍結等措置を実施しました。テロリ
スト等に対しても、国連安保理決議を受けて、累次にわたり資産凍結等の措置を行い
ました。
ロ IMF改革
平成20年秋の金融・世界経済危機後、IMFでは、主に危機予防を目的とした新た
な融資制度の創設及び改善、資金基盤強化を行ってきました。我が国は、欧州政府債
務危機等を受けた追加的な資金基盤強化の必要性に関するG20やIMF理事会等での
議論に積極的に貢献し、上記①イの通り、平成24年4月には、IMFに対する600億ド
ルの融資枠の設定による資金貢献を行う方針を表明し、同年10月に融資契約の署名を
平成24年度実績評価書
- 108 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標5〕
行いました。
IMFの機能強化等に関する議論にも、我が国は積極的に参画しました。IMFの
サーベイランス(政策監視)の枠組みの見直しに関しては、世界経済・金融の相互連
関性の高まりや一国の政策が他国に及ぼす波及効果(スピルオーバー)の増大といっ
た世界経済の現状を踏まえ、サーベイランスの範囲を拡大すべきとの我が国の主張も
受け、IMFは、平成24年7月、「統合サーベイランス決定」を採択し、スピルオー
バーの分析の強化を行うことなどに合意しました。
② アジアにおける地域金融協力の推進
イ ASEAN+3財務大臣プロセスにおける地域金融協力の取組
平成24年5月開催のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議において、チェ
ンマイ・イニシアティブに関しては、その有効性を高めるべく、規模の増額を含む
現行の危機対応機能の強化、及び危機予防機能を柱とする強化策に合意しました。
また、域内の経済監視を行う常設機関であるASEAN+3マクロ経済リサーチ・
オフィス(AMRO)に関して、更なる組織強化の検討及び国際機関化に向けた準
備の加速に合意しました。
アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)では、平成22年11月に設立され
た、アジア域内企業の社債に保証を供与し、域内債券市場の育成に貢献する「信用
保証・投資ファシリティ(CGIF)」に関して、保証案件の組成に向けた作業を
進めました。
ロ APECの枠組みにおける地域金融協力の取組
平成24年8月のAPEC財務大臣会合(ロシア・モスクワ)において、金融リテ
ラシーの向上や自然災害の影響に対応するための財政上・金融上の方策等、アジ
ア・太平洋地域における経済・金融分野の協力について議論を行いました。
ハ 二国間における金融協力等
韓国及び中国との間では、財務対話を開催し、両国・両省間の協力等の議題に関
して意見交換を行いました。平成23年12月に日中首脳間で合意された日中金融協力
の強化に関しては、平成24年6月、東京市場と上海市場で円と人民元の直接交換取
引が開始されました。また、インドとの間では、総額150億ドルの二国間日印通貨ス
ワップ取極を平成24年12月に締結しました。さらに、ASEAN諸国等との二国間
の金融協力強化の検討を開始しました。
③ 開発途上国の経済社会の発展
イ 途上国支援
我が国は、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成等に向けて、積極的に途上国
支援に取り組みました。また、途上国にとって必要不可欠な経済・社会インフラの
整備等のための有償資金協力を積極的に行ったほか、国際協力機構(JICA)の
- 109 -
海外投融資に関して、パイロットアプローチ案件を実施し、実施体制の検証と案件
選択のルールの詰めを完了した上で、平成24年10月、本格再開を実現しました。な
お、ミャンマーに関しては、同国の民主化等の進展を見守りつつ、我が国や国際機
関等に対する延滞債務問題の解決に向け、全体的な道筋を付けていく努力を行いま
した。
ロ 国際開発金融機関(MDBs)の強化に関する取組
国際開発金融機関(MDBs:世界銀行グループ、アジア開発銀行、米州開発銀
行、アフリカ開発銀行、欧州復興開発銀行)は、途上国の開発支援のため、加盟国
からの出資を基に市場からの資金調達を行い、これを原資として長期開発資金の融
資等を行っています。また、欧州復興開発銀行(EBRD)以外での機関では、M
DBs本体とは別に、低所得国向けに、先進国等の資金拠出を受けて、超長期・低利
の融資やグラントを供与するウインドウも設けられています。
平成24年度においては、10月に東京で開催されたIMF・世界銀行年次総会の機
会を捉え、仙台において、世銀と共に「防災と開発に関する仙台会合」を開催し、
開発を進めるにあたって、防災対策が重要であることを確認しました。この点は、
仙台ステートメントや世銀・IMF合同開発委員会のコミュニケにも盛り込まれて
います。
さらに、我が国は、途上国支援の効果向上を目的としたMDBsとJICAやJ
BICとの協調・連携をすすめ、MDBsの長所を我が国の開発援助に活用してい
ます。例えば、平成24年度についても、ミャンマーの民政移管以降の様々な改革の
進展を踏まえ、延滞債務問題を包括的に解決する道筋につき合意し、世銀・ADB
及び我が国に対する延滞債務を解消し、本格支援が再開することで、同国が抱える
延滞債務問題の包括的な解決が図られました。この他、平成24年10月、アフリカ開
発銀行は、アジア代表事務所を東京に開設しました。今後、本事務所が我が国とア
フリカ開発銀行の協力関係のさらなる発展に加え、アフリカとアジアの架け橋とな
ることが、大いに期待されています。
ハ 地球環境保全・改善に向けた開発途上国の取組支援
気候変動や、生物多様性の危機等、将来の世代に重大な影響を及ぼすような地球
環境問題が、国際的に大きな課題として取り上げられるようになっています。財務
省は、外務省などの関係省庁と緊密に連携して、これらの影響に脆弱な開発途上国
等における環境の保全・改善のため、二国間・多国間の協力を進めました。
二国間の協力としては、ベトナムなどの気候変動対策に取り組んでいる途上国に
対して、JICAを通じて気候変動対策円借款の供与を行った他、JBICを活用
して環境投資を支援しました。
多国間の協力としては、緑の気候基金(GCF)の詳細設計の議論に参加したほ
か、世界銀行の信託基金である地球環境ファシリティ(GEF)及び気候投資基金
(CIF)を通じた支援に積極的に参画しました。なお、GEFに関しては、平成2
平成24年度実績評価書
- 110 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標5〕
4年8月、石井菜穂子元副財務官がCEOに就任しました。
④ アジア成長戦略の推進
近年のアジア諸国の急速な成長を踏まえ、我が国のアジア市場における取引活動を拡
大し、アジアの内需を日本の内需として取り込むことにより、我が国自身の成長機会を
創出することが重要となっており、こうした観点から、新成長戦略の柱の1つであるア
ジア経済戦略に関して、財務省は、関係省庁と連携しつつ積極的に推進しました。
我が国システムの海外展開の促進をファイナンス面から支援すべく、STEP(本邦
技術活用条件)案件の推進を含む、円借款の一層の積極的な活用に取り組みました。平
成24年4月、JBICが日本政策金融公庫から分離して新たな組織となったことを受け、
我が国企業による海外事業展開がより積極的に行われるよう、円高対応緊急ファシリテ
ィを積極的に支援すると共に、リスクマネー供給のため「海外展開支援出資ファシリテ
ィ」を創設するなど、財務省としても支援しました。
⑤ 第67回(2012年)IMF・世界銀行年次総会の開催
平成24年10月9日(火)から14日(日)にかけて、188の加盟国から財務大臣や中央
銀行総裁をはじめとした、政府代表団、金融機関関係者、報道関係者など総勢約2万人
の参加を得て、IMF・世界銀行年次総会を我が国で48年ぶりに開催しました。IM
F・世銀との緊密な協力の下、年次総会に併せて様々な会合やセミナーを開催するとと
もに、多くの二国間会談を実施しました。これら会合においては、世界経済に関しては
欧州債務問題等の主要課題への対応、開発に関しては、防災、雇用の創出、食料安全保
障、中東・北アフリカ支援、保健医療等といった重要課題の有意義な議論を実現しまし
た。また、会議の運営面においても、日本の技術や文化を紹介しつつ、多数の会合を円
滑に実施することで、各国の参加者からも高い評価を得ました。
施
策 総5-2:国際貿易の秩序ある発展に向けた国際的な協力への取組
[平成24年度実施計画]
現下の経済情勢に鑑みれば、貿易拡大を通じた世界経済の成長が必要です。
財務省としては、我が国経済の成長と世界経済の持続的な発展のため、WTO(世界貿易機
関)ドーハ・ラウンド交渉に引き続き積極的に取り組みます。財務省においては、この取組の中
で、特に貿易手続の透明性・予見可能性・公平性の向上、簡素化・迅速化等を進める貿易円滑化
交渉を積極的に推進していきます。
また、我が国経済の成長・発展基盤の再構築のため、「包括的経済連携に関する基本方針」に
沿って、世界の主要貿易国との間で、世界の潮流から見て遜色のない高いレベルの経済連携を積
極的に進めていきます。
[事務運営の報告]
平成13年に開始されたWTOドーハ・ラウンド交渉が全体としては停滞する中、財務
省が主に交渉を担当する貿易円滑化分野は、ドーハ・ラウンドにおいて唯一全加盟国に
よる交渉が継続している分野となっており、財務省は同交渉に積極的に取り組みました。
今後、交渉が妥結しWTO貿易円滑化協定が発効すれば、貿易円滑化分野でもWTOの
- 111 -
紛争解決制度による制裁発動が可能となり、この分野の規律の強化が見込まれます。
また、WTOドーハ・ラウンド交渉が膠着する一方、主要先進国・新興国間のFT
A・EPAは広がっていく状況にあり、我が国においては、環太平洋パートナーシップ
(TPP)協定に関する交渉参加の意思の正式表明、日EU・EPAに関する交渉開始
の正式表明、RCEPに関する交渉開始の宣言、日中韓FTAに関する交渉開始の宣言
及び第1回交渉会合の開催等の進展がありました。
今後仮にこれらの協定がすべて発効すれば、我が国の貿易量の84.6%がEPA・FT
A協定の対象となります(現在の我が国のEPA締結国との貿易量は18.9%)。
財務省は、主に関税制度や税関行政を所管する立場から、EPA共同議長4省の一角
として交渉に参加していますが、以上の通り平成24年度は、EPA交渉がこれまでにな
く大きく進展した年であり、こうした政府全体の取組に積極的に貢献しました。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
IMFやMDBsにおける日本人スタッフの増加を含む職員の多様性確保に関する取組に
ついては、政策目標6-1に記載しています。その他については「4.平成24年度の事務運
営の報告」に記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)最近の世界経済の動向
最近の世界経済の動向は以下のとおりです。
○参考指標 総5-1:最近の世界経済動向
(出所)IMF “World Economic Outlook”(2013.4)
(http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2013/01/weodata/index.aspx)
平成24年度実績評価書
- 112 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標5〕
(新)○参考指標 総5-2:欧州における国債市場の動向
(2)テロリスト等に対する我が国による資産凍結措置対象者数
テロリスト等に対する我が国による資産凍結措置対象者数は、平成24年度末現在、合計
455個人・団体となっています。
○参考指標 6-1-8:テロリスト等に対する我が国による資産凍結措置対象者数(P316に
掲載)
(3)途上国の貧困削減状況
1日1.25ドル以下で生活する人口が1996年の1,704百万人から2008年には1,302百万人に
低下する等、開発途上国全体の貧困削減に関しては改善が見られますが、地域的な進ちょ
く状況は一様ではありません。
○参考指標 総5-3:途上国の貧困削減状況
1日1.25ドル以下で生活している人口(数)
東アジア・太洋州
南アジア
欧州・中央アジア
中東・北アフリカ
サブサハラ・アフリカ
1996年
640
631
18
12
349
1999年
656
619
18
14
376
- 113 -
(単位:百万人)
2002年
523
640
11
12
390
2005年
332
598
6
10
395
2008年
284
571
2
9
399
中南米
合
計
54
60
63
48
37
1,704
1,743
1,639
1,389
1,302
(出所)世界銀行 World Development Indicators 2013
(http://databank.worldbank.org/data/download/WDI-2013-ebook.pdf)
(4)我が国の貿易動向
平成24年の我が国の貿易動向に関してみると、輸出額は、63兆7,476億円(対前年比2.
7%減)と連続の減少となりました。これは、海外景気の減速等を受け、中国及びEU向
け輸出が減少したことなどによるものです。一方、輸入額は、70兆6,886億円(対前年比
3.8%増)と3年連続で増加しました。これは、燃料価格の高止まり等を受け、液化天然
ガスや原粗油が増加したこと等によるものです。
この結果、輸出額から輸入額を引いた差引額は、▲6兆9,411億円と2年連続の赤字と
なりました。
○参考指標 総5-4:輸出入額及び貿易バランス(対GDP比を含む)の推移
(単位:億円、%)
平成20年
21年
22年
23年
対前年比
伸率
24年
輸出額
(対GDP比)
輸入額
(対GDP比)
810,181
(16.2)
789,547
(15.8)
541,706
(11.5)
514,994
(10.9)
673,996
(14.0)
607,650
(12.6)
655,465
(13.9)
681,112
(14.5)
637,476
(13.4%)
706,886
(14.9%)
差引額
(対GDP比)
20,633
(0.4)
26,712
(0.6)
66,347
(1.4)
▲25,647
(-)
▲69,411
(-)
▲2.7%
3.8%
-
(出所)財務省貿易統計、内閣府GDP統計
(注1)輸出入額の対GDP比は、「輸出入額/名目GDP」で算出。
(注2)平成24年の名目GDPは、第2次速報ベース。
(5)関税負担率の推移とその国際比較
関税率の水準を示す代表的な指標としては、関税負担率(関税収入額の総輸入額に対す
る比率)があります。我が国の関税負担率は、国内産業保護の必要性にかんがみ比較的高
い関税率が設定されている品目がある一方で、無税品目も多いため、参考指標 総5-5のと
おり、主要先進国との比較において同等もしくは低い水準となっており、平成23年度にお
いては1.3%となっています。
○参考指標 総5-5:関税負担率の推移とその国際比較
年度
平成18年度
19年度
(単位:%)
20年度
21年度
22年度
日 本
1.4
1.3
1.2
1.4
1.3
米 国
1.5
1.5
1.4
1.4
1.6
E U
1.4
1.4
1.2
1.4
1.1
カナダ
1.0
1.0
0.9
0.9
0.8
平成24年度実績評価書
- 114 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標5〕
オーストラリア
3.1
3.0
3.3
2.5
2.8
韓 国
2.4
2.7
1.9
2.2
2.2
(出所)関税局関税課調
(注1)年度は各国の会計年度(但し、EUは暦年)。
(注2)関税負担率=関税収入額/総輸入額。
(注3)諸外国の負担率に関しては、OECD「REVENUE STATISTICS」及び「Monthly Statistics of Internat
ional Trade」を基に計算したものである。
(注4)EUの負担率は域外からの輸入額に係るものであり、関税収入額には農産品に対する輸入課徴金を含む。
なお、EUの2004年から2007年までの数値は、EU加盟国のうち、OECDに加盟している19か国の
各年における関税収入額と域外からの輸入額を用いて計算した関税負担率である。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
① 世界経済の持続的発展等に向けた国際的な協力への取組
我が国は、今後とも、G20、G7等の枠組みにおける議論・取組への積極的参画を通
じて、世界経済の持続的発展、国際金融システムの安定、開発・貧困削減、気候変動、
アジアにおける地域金融協力の強化やテロ資金対策等の諸問題への取組を行います。
また、国際会議等の場で、日本の経済・金融情勢等や経済運営の考え方などに関して、
各国の理解が高まるよう取り組みます。IMFに関しては、危機予防・対処の両面から
IMFが引き続き重要な役割を果たせるよう、我が国は、資金基盤の確保やサーベイラ
ンス機能の強化に関する議論に積極的に参画します。テロ資金対策に関しては、今後と
もFATFやG7の協調等を通じて国際的な対策を積極的に講じます。
アジアにおける地域金融協力の強化に関しては、平成24年5月のASEAN+3財務
大臣・中央銀行総裁会議(於:マニラ)においてチェンマイ・イニシアティブ(CMI
M)の強化策に合意したことを受け、現行のCMIM契約及び実務ガイドラインの必要
な改正を進めていきます。ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)
に関しては、組織能力強化策の検討、関係国際金融機関との連携強化、AMROの国際
機関化に向けた準備を進めていきます。また、アジア債券市場育成イニシアティブでは、
信用保証・投資ファシリティにおける保証案件の組成等を進めてまいります。二国間金
融協力の推進に関しては、日中金融協力に加え、ASEAN諸国等との間でも積極的に
取り組んでいきます。
ODAに関しては、開発途上国における安定的な経済社会の発展に寄与するため、我
が国の厳しい財政状況や国民のODAに対する見方も踏まえつつ、効果的かつ効率的な
資金協力等を実施していきます。
MDBsに関しては、主要出資国として業務運営に積極的に参画し、我が国のODA
政策・開発理念をMDBsの政策に反映させるとともに、我が国の開発援助にMDBs
の専門的知見や人材を活用していきます。また、各機関相互や他の援助主体との間の協
調・連携の推進、重点分野の明確化、結果を重視した援助の取組、援助効果の評価の推
進を図ることにより、支援の効率性・有効性を高めるMDBsの取組を積極的に支援し
ていきます。
気候変動に関しては、資金に関する国連の気候変動交渉をフォローするとともに、我
- 115 -
が国がこれまで行ってきた二国間・多国間の支援を引き続き実施していきます。
我が国のアジア市場における取引活動を拡大し、アジアの内需を日本の内需として取
り込むことにより、我が国自身の成長機会を創出するため、財務省は関係省庁と連携し
つつ、積極的に推進していきます。そのため、我が国システムの海外展開の促進のため、
STEP(本邦技術活用条件)案件の推進を含む、円借款の一層の積極的な活用やJB
ICの投資金融などの枠組みの活用を通じて、ファイナンス面から支援していきます。
② 関税に関する国際的な取組
現下の経済情勢に鑑みれば、貿易拡大を通じた世界経済の成長が必要です。
財務省としては、我が国経済の成長と世界経済の持続的な発展のため、WTO(世
界貿易機関)ドーハ・ラウンド交渉に引き続き積極的に取り組みます。財務省におい
ては、この取組の中で、特に貿易手続の透明性・予見可能性・公平性の向上、簡素
化・迅速化等を進める貿易円滑化交渉を積極的に推進していきます。
また、アジア・太平洋地域、東アジア地域、欧州などとの経済連携を戦略的に推進し
ていきます。
平成24年度実績評価書
- 116 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標6〕
○ 総合目標6:総合目標1から5の目標を追求しつつ、震災対応に取り組むとともに、財政健
全化と経済成長との両立を図る観点から、デフレ脱却・安定的な経済成長の実
現に寄与することを目指し、関係機関との連携を図りつつ、適切な財政・経済
の運営を行う
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
平成24年度の我が国経済は、夏場にかけて回復に向けた動きが見られたものの、その後、世界景
気の減速等を背景として輸出や生産が減少するなど、弱い動きとなり、底割れが懸念される状況と
なりました。しかし、年末からは、景気回復への期待を先取りする形で、株価の回復等もみられて
います。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっています。
デフレ不況から脱却し、雇用や所得を拡大させ、強い日本経済を取り戻すには、東日本大震災か
らの復興を現場の目線に立って加速するとともに、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資
を喚起する成長戦略の「三本の矢」を一体的かつ強力に実行していくことが重要です。政府として
は、日本銀行との「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携につ
いて(共同声明)」をとりまとめ、平成24年度補正予算の編成等に取り組みます。日本経済の競争
力と成長力の強化に向け、経済構造の変革を図る観点から、大胆な規制・制度改革、イノベーショ
ンの促進といった取組を推進していきます。
財政赤字が拡大を続け、債務残高が増大した場合、国債費の増加による政策の自由度の低下、世
代間の不公平の拡大など、様々な要因を通じて、経済、財政、国民生活に重大な影響を与えかねな
いため、政府としては、中長期的に持続可能な財政構造を目指していきます。また、少子高齢化が
進展する中で、社会保障の安定財源を確保し、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度
の確立に取り組むことも重要です。財務省としても、関係府省と連携しながら、社会保障・税一体
改革を継続するとともに、財政健全化と経済成長との両立を図るべく、適切な財政・経済の運営を
行っていきます。
加えて、マクロ経済政策の一翼を担う金融政策についても、政府の財政・経済政策と一体的・整
合的に運営されるよう、金融政策を所管する日本銀行と議論を重ねます。この観点から、平成25年
1月に取りまとめた共同声明にのっとり、政府及び日本銀行は、政策連携を強化し、デフレ脱却と
経済成長の実現に向け、一体となって取り組んでいきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 財務大臣財政演説
日本再生戦略(平成24年7月31日閣議決定)
日本再生加速プログラム(平成24年11月30日閣議決定)
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
総合目標6においては、業績目標・施策は設定していません。
4.平成24年度の事務運営の報告
(1)平成24年度の我が国経済は、夏場にかけて回復に向けた動きが見られたものの、その後、
世界景気の減速等を背景として輸出や生産が減少するなど、弱い動きとなりました。こう
した状況に対し、政府は、平成24年10月30日に日本銀行との間で「デフレ脱却に向けた取
組について」(共通理解)を発表し、日本銀行と一体となってデフレからの早期脱却に最
大限の努力を行うとしたことに加え、平成24年11月30日に「日本再生加速プログラム」を
- 117 -
策定し、予備費の使用等を決定しました。その後、年末からは、景気回復への期待を先取
りする形で、株価の回復等もみられ、景気については、一部に弱さが残るものの、持ち直
しの動きがみられました。
デフレ不況から脱却し、雇用や所得を拡大させ、強い日本経済を取り戻すため、大胆な
金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」を一体的かつ
強力に実行しています。
まず、デフレ脱却と経済成長の実現に向け、日本銀行と政策連携を強化し、一体となっ
た取組として、平成25年1月22日に共同声明を取りまとめました。具体的には、日本銀行
は、2%の物価安定目標を定め、金融緩和を推進して、この目標をできるだけ早期に実現
することを目指すこととしています。一方、政府は、機動的なマクロ経済政策運営に努め
るとともに、競争力・成長力の強化の取組を実行し、また、財政運営に対する信認を確保
する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進することとしてい
ます。
次に、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」に基づき、「復興・防災対策」、「成長
による富の重点化」、「暮らしの安心・地域活性化」の3分野に重点化した平成24年度補
正予算を編成し、その速やかな執行に努めるとともに、いわゆる「15ヶ月予算」の考え方
の下、平成24年度補正予算と一体的なものとして平成25年度予算を編成しました。
平成25年度税制改正について、「平成25年度税制改正の大綱」(平成25年1月29日閣議
決定)に基づき、「所得税法等の一部を改正する法律案」を提出し、同法律案は、平成25
年3月29日に成立しました。
さらに、政府は、日本経済の競争力と成長力の強化に向け、大胆な規制・制度改革を含
む野心的な成長戦略を平成25年半ばを目途に取りまとめることとしています。
一方、いつまでも財政出動を続けることはできず、依然として非常に厳しい我が国財政
の現状も踏まえ、日本の財政に対する信認を確保することも重要です。
「平成25年度予算編成の基本方針」において、平成27年度(2015年度)までに国・地方
のプライマリーバランスの赤字の対GDP比を平成22年度(2010年度)の水準から半減し、
平成32年度(2020年度)までに国・地方のプライマリーバランスを黒字化するとの財政健
全化目標を決定しました。
また、本基本方針において、今後は、財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋
について、経済財政諮問会議において検討を進めていくこととしています。
平成25年度予算編成については、4年振りに税収が公債金を上回る状態を回復するなど、
プライマリーバランスを着実に改善させ、財政健全化目標の達成に向けた第一歩となる予
算としました。
なお、社会保障・税一体改革については、平成24年8月10日に「社会保障の安定財源の
確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」
等が成立しました。
(2)平成24年度も引き続き、内閣府等関係機関と連携しつつ、日本経済の現状及び今後の見
通しについて、策定時点において入手可能な情報を基に、的確な判断に努めました。具体
平成24年度実績評価書
- 118 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔総合目標6〕
的には、政府が景気の現状判断を示す「月例経済報告」(毎月)、年度を通じた経済の姿
を示す「平成25年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」等を策定するに当たり、
的確な判断及び分析となるよう、内閣府と幾次にもわたる協議を重ねました。
(3)また、日本銀行の金融政策運営が政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよ
う、日本銀行の金融政策決定会合に財務省から副大臣等が出席し、意見を述べるほか、
事務担当者レベルでも頻繁に意見交換を行うなど、緊密な連携をとりました。
(参考)
平成24年(2012年)
7月31日
「日本再生戦略」閣議決定
8月10日
「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費
税法等の一部を改正する等の法律案」等成立
10月30日
「デフレ脱却に向けた取組について」(共通理解)
11月30日
「日本再生加速プログラム」閣議決定
平成25年(2013年)
1月11日
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」閣議決定
1月22日
「デフレ脱却と持続可能な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連
携について」(共同声明)
1月24日
「平成25年度予算編成の基本方針」閣議決定
1月29日
「平成25年度税制改正大綱」閣議決定
1月31日
平成24年度補正予算国会提出(2月26日成立)
2月28日
「平成25年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」閣議決定
平成25年度予算国会提出
3月1日
「所得税法等の一部を改正する法律案」国会提出(3月29日成立)
3月27日
平成25年度暫定予算国会提出(3月29日成立)
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
平成24年7月31日に「日本再生戦略」を策定しました。その他については「4.平成24年度
の事務運営の報告」に記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
「4.平成24年度の事務運営の報告」に記載しています。
○参考指標 総6-1:主要経済指標
平成23年度
実 績
実質成長率
民間最終消費支出(伸び率)
- 119 -
平成24年度
実績見込み
平成25年度
見通し
0.3%
1.0%程度
2.5%程度
1.5%
1.2%程度
1.6%程度
民間住宅(伸び率)
3.7%
3.1%程度
6.8%程度
民間企業設備(伸び率)
4.1%
▲0.7%程度
3.5%程度
政府支出(伸び率)
0.9%
4.2%程度
3.1%程度
1.5%
2.9%程度
1.1%程度
▲2.3%
10.2%程度
11.9%程度
1.3%
1.9%程度
2.5%程度
民需寄与度
1.0%
0.8%程度
1.7%程度
公需寄与度
0.2%
1.0%程度
0.8%程度
▲1.0%
▲0.9%程度
0.0%程度
名目成長率
▲1.4%
0.3%程度
2.7%程度
鉱工業生産指数(増減率)
▲1.0%
▲2.9%程度
3.4%程度
経常収支(名目額)
7.6兆円
4.4兆円程度
5.0兆円程度
1.6%
0.9%程度
1.0%程度
▲0.1%
▲0.1%程度
0.5%程度
国内企業物価指数(騰落率)
1.4%
1.2%程度
0.8%程度
完全失業率
4.5%
4.2%程度
3.9%程度
マネーストック(M2前年比)
2.7%
2.5%
―
政府最終消費支出(伸び率)
公的資本形成(伸び率)
内需寄与度
外需寄与度
(対名目GDP比)
消費者物価指数(騰落率)
(出所)平成25年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(平成25年1月28日閣議決定)
(http://www5.cao.go.jp/keizai1/mitoshi/2013/0228mitoshi.pdf)
日本銀行「マネーストック」
(注1)政府経済見通しは民間の予測のような単なる経済動向の予測ではなく、経済運営に当たっての政府の基
本的態度に基づく経済の姿を示すものであるため、ある程度の幅をもって考えられるべきものです。
(注2)消費者物価指数は総合。
(注3)完全失業率の平成23年度については、岩手県、宮城県及び福島県について補完的に推計した全国値。
(注4)マネーストック(M2前年比)は暦年の値。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
引き続き、震災対応に取り組むとともに、財政健全化と経済成長との両立を図る観点か
ら、デフレ脱却・安定的な経済成長の実現に寄与することを目指し、関係機関との連携を
図りつつ、適切な財政・経済の運営を行います。
政府は、日本経済の競争力と成長力の強化に向け、大胆な規制・制度改革を含む野心的
な成長戦略を平成25年半ばを目途に取りまとめることとしており、財務省としても、関係
府省と連携し、この検討に参画していきます。
また、政府は、財政健全化と日本経済再生の双方を実現する道筋について、経済財政諮
問会議において検討を進めていきます。その上で、財政健全化目標を実現するための中期
財政計画を年央を目途に作成することとしています。財務省としても、関係府省と連携し
ながら、社会保障・税一体改革を継続するなど、適切な財政・経済の運営を行っていきま
す。
また、共同声明にのっとり、政府及び日本銀行の政策連携を強化し、デフレ脱却と経済
成長の実現に向け、一体となって取り組んでいきます。
平成24年度実績評価書
- 120 -
政策目標1:健全な財政の確保
重 政策目標1-1:重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進
○
重 ・1-1-1:重点的な予算配分に向けた取組
○
・1-1-2:広報活動
重 政策目標1-2:必要な歳入の確保
○
○ 政策目標1-3:予算執行の透明性の向上・適正な予算執行の確保
・1-3-1:予算執行に関する情報開示の充実
・1-3-2:効率的な予算執行の確保
・1-3-3:予算執行調査の実施
・1-3-4:各府省庁等に対する予算の適正かつ効率的な執行の確保のための要請等
○ 政策目標1-4:決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示
・1-4-1:予算使用の状況、国庫歳入歳出状況及び決算概要の報告
・1-4-2:平成23年度歳入歳出決算の国会への早期提出
○ 政策目標1-5:地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務の適切な遂行
・1-5-1:国と地方の改革
○ 政策目標1-6:公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築及びその適正な運
営
・1-6-1:国の財務書類の作成・公表等
重 ・1-6-2:特別会計改革
○
重 」マークは、重点的に進めるものを示しています。
※「○
- 121 -
- 122 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-1〕
重 政策目標1-1:重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進
○
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
国家は、多岐にわたる分野で多くの活動を行っており、これらの活動に必要な資金を租税や公債な
どの手段により調達し、必要な分野に資金を供給しています。
経済財政状況を踏まえつつ、選択と集中の考え方により、一般会計と特別会計を合わせた歳出全体
を必要性の高い分野に重点的に配分し、逆に重要性や必要性の低い分野、相対的な優先度の低い分野
には配分しないという考えの下、財政活動全般を効率的、効果的なものとする必要があり、以下に掲
げる内閣の基本的方針を踏まえ、特に重要な取組として推進していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣所信表明演説
第183回国会 総理大臣施政方針演説
第183回国会 財務大臣財政演説
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 1-1-1:重点的な予算配分に向けた取組
4.平成24年度の事務運営の報告
重 施
○
策 1-1-1:重点的な予算配分に向けた取組
[平成24年度実施計画]
予算編成に当たっては、日本経済再生に向けて、緊急経済対策に基づく24年度補正予算と一体的
なものとして、いわゆる「15ヶ月予算」として編成し、「復興・防災対策」、「成長による富の創
出」、「暮らしの安心・地域活性化」の3分野に重点化するとの方針に基づいて、重点的な配分を
行います。また、老朽化対策など国民の命と暮らしを守る公共事業予算や国民の安心のための防衛
予算を充実させる一方で、生活保護や地方公務員給与等について適正化・見直しを行うなど、予算
の効率化を図ります。
引き続き、予算執行調査を着実に実施するとともに、その調査結果、政策評価、決算及び決算検
査報告、国会での指摘・議決などの予算編成等への適切な活用・反映に努めます。
また、国債に対する信認を確保するため、公債発行額をできる限り抑制し、財政健全化目標を踏
まえ、税収が公債金を上回る状態を回復させるなど、中長期的に持続可能な財政構造を目指します。
さらに、社会保障・税一体改革を継続するとともに、平成27年度(2015年度)までに国・地方の
プライマリーバランスの赤字の対GDP比を平成22年度(2010年度)の水準から半減し、平成32年
度(2020年度)までに黒字化するとの財政健全化目標の実現を目指します。
上記に加えて、復興関連予算は、「流用」等の批判を招くことがないよう、使途の厳格化を行い、
被災地の復旧・復興に直接資するものを基本とし、東日本大震災からの復興を目に見える形で大き
く前進させます。また、平成27年度までのいわゆる復興財源フレームを見直し、平成25年度を含め
今後の事業費が19兆円を上回る部分について、日本郵政株式の売却収入等の6兆円程度を充てるこ
ととし、復興財源に対する被災地の不安を払拭することとします。
なお、本施策は、内閣の基本的な方針も踏まえ、特に重要な取組として推進していきます。
[事務運営の報告]
① 平成24年度中に編成された予算や使用決定された経済危機対応・地域活性化予備費等
イ 平成24年度補正予算、平成24年度経済危機対応・地域活性化予備費等
- 123 -
政府は、景気の底割れを回避し、民間投資を喚起して持続的な成長につなげるため
の政府対応の第一弾として、平成25年1月11日に「日本経済再生に向けた緊急経済対
策」を取りまとめました。この対策に盛り込まれた施策の実施等のために必要な経費
の追加等を行うため、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安
心・地域活性化」の3分野に重点配分を行った平成24年度補正予算を編成しました。
当該補正予算は、1月31日に国会に提出され、審議を経て2月14日に衆議院において
可決、2月26日に参議院において可決・成立しました。また、平成24年度予算に盛り
込まれた経済危機対応・地域活性化予備費等については、昨年秋の景気の先行き悪化
懸念を踏まえ、緊要性が高く前倒しが必要な施策を速やかに実施するため、政府は、
10月26日と11月30日の2度にわたり、使用の決定を行いました。
ロ 平成25年度予算、平成25年度暫定予算
平成25年度予算については、平成25年1月24日に閣議決定された「予算編成の基本
方針」に沿って、予算編成を行い、1月29日に概算の閣議決定が行われました。その
後、国会に提出され、審議を経て4月16日に衆議院において可決される一方、5月15
日に参議院において否決されたため、両院協議会が開かれました。この結果、両院の
意見が一致しなかったため、平成25年度予算は同日、日本国憲法第60条第2項前段の
規定により、成立しました。なお、国会における審議状況に鑑み、本予算成立までの
応急的な措置として、平成25年4月1日から5月20日までの期間に係る暫定予算を編
成し、当該暫定予算は、3月27日に国会に提出され、3月29日に成立しました。
② 平成25年度予算編成における財政支出の効率化・質的改善に向けた取組
イ 総論
予算編成に当たっては、日本経済再生に向けて、緊急経済対策に基づく平成24年度
補正予算と一体的なものとして、いわゆる「15ヶ月予算」として編成し、平成24年度
補正予算と同様、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・
地域活性化」の3分野に重点化するとの方針に基づいて、重点的な配分を行いました。
また、老朽化対策など国民の命と暮らしを守る公共事業予算や国民の安心のための防
衛予算を充実させる一方で、生活保護や地方公務員給与等についての適正化・見直し
や、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(平成24年法律第2号、
以下「給与改定臨時特例法」という。)に基づく給与減額支給措置等による国家公務
員等の人件費削減を行うなど、予算の効率化を図りました。
加えて、復興関連予算は、「流用」等の批判を招くことがないよう、使途の厳格化
を行っています。
基礎的財政収支対象経費(国の一般会計歳出から国債費を除いたもの)については、
70兆3,700億円であり、これに国債費22兆2,415億円を合わせた一般会計総額は、92兆
6,115億円としています。
一方、歳入面については、適切な税収の見積もり等に努め、租税等の収入において
前年度当初予算額と比べ7,500億円増の43兆960億円を見込み、その他収入は、4兆
平成24年度実績評価書
- 124 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-1〕
535億円を見込んでいます。また、公債金は42兆8,510億円、年金特例公債金は2兆
6,110億円となっています。
以上のように、歳出・歳入両面において最大限の努力を行った結果、4年振りに税
収が公債金を上回る状態を回復させるとともに、プライマリーバランスを着実に改善
させ、財政健全化目標の達成に向けた第一歩となる予算としました。
○参考指標 1-1-1:一般会計予算の主要経費構成比
(単位:億円、%)
一般会計
歳出総額
926,115
(100.0%)
食料安定供給
10,539
(1.1)
中小企業対策
1,811
(0.2)
エネルギー対策
8,496
(0.9)
恩給
5,045
(0.5)
経済協力
5,150
(0.6)
59,931
(6.5)
3,500
(0.4)
その他の事項経費
予備費
(出所)「平成25年度予算のポイント」(平成25年1月 主計局調査課)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/01point.pdf)
(注) 計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。
- 125 -
また、一般会計歳出の所管別内訳、構成比、伸率は以下に示すとおりです。
○参考指標 1-1-2:一般会計所管別内訳の構成比と伸率
所 管 別
皇
室
平成24年度
25 年 度
予 算 額
予 算 額
(単位:億円、%)
構成比
伸率
費
62
61
0.0
△1.9
会
1,384
1,350
0.1
△2.4
所
3,147
2,989
0.3
△5.0
会 計 検 査 院
166
159
0.0
△4.2
内
閣
985
970
0.1
△1.6
府
14,119
7,477
0.8
△47.0
内 閣 本 府 等
11,719
5,067
0.5
△56.8
国
裁
判
内
閣
警
察
庁
2,400
2,410
0.3
0.4
総
務
省
174,526
172,329
18.6
△1.3
法
務
省
7,325
6,965
0.8
△4.9
外
務
省
6,173
6,083
0.7
△1.5
財
務
省
249,838
248,043
26.8
△0.7
文 部 科 学 省
54,128
53,558
5.8
△1.1
厚 生 労 働 省
266,873
294,321
31.8
10.3
農 林 水 産 省
20,388
21,292
2.3
4.4
経 済 産 業 省
8,846
8,948
1.0
1.2
国 土 交 通 省
45,960
51,454
5.6
12.0
環
境
省
2,285
2,585
0.3
13.1
防
衛
省
47,135
47,532
5.1
0.8
903,339
926,115
100.0
2.5
合
計
(出所)「平成25年度一般会計歳入歳出概算」(平成25年1月 主計局総務課)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/03gaisan.pdf)
(注1)計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。
(注2)前年度予算額は、平成25年度予算額との比較対照のため、組替えをしてある。
平成24年度実績評価書
- 126 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-1〕
なお、歳出構造の全体的な傾向をみると、公債残高の累増に伴い、一般会計歳出に
占める国債費の割合が増大していることにより、政策的な経費の割合が大幅に低下し、
財政の対応力が失われつつあります。
また、基礎的財政収支対象経費の内訳をみると、社会保障関係費の割合が大幅に伸
びる一方で、その他の経費の割合は概ね横ばい、ないしは縮小傾向にあります。
○参考指標1-1-3:一般会計歳出(国債費・基礎的財政収支対象経費)の構成比と推移
(単位:%)
(出所)「平成25年度 日本の財政関係資料」(平成25年1月 主計局調査課)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/04zaisei.pdf)
ロ 分野別の概要
(a)東日本大震災からの復興
平成25年度においても、引き続き被災地の復興の加速を最優先として、きめ細や
かな復興施策を実施するとともに、福島の再生のため原子力災害等からの迅速な再
生を推進することとしています。このため、まちづくりなどの復興の加速化、早期
帰還支援など福島の復興の加速などのための経費4兆3,840億円を東日本大震災復
興特別会計に計上しています。
なお、復興関連予算については、被災地の復旧・復興に直接資するものを基本と
し、使途の厳格化を行うこととしています。全国向け予算については、子どもの安
全確保に係る特に緊要性の高い学校の耐震化事業や津波災害を踏まえて新たに必要
性が認識された一部公共事業、既契約の国庫債務負担行為の歳出化分に限り、例外
的に復興特別会計に計上することとし、これら経費に係る財源は一般会計から繰入
- 127 -
れ、各府省に計上しています。また、平成27年度までのいわゆる復興財源フレーム
を見直し、平成25年度を含め今後の事業費が19兆円を上回る部分について、日本郵
政株式の売却収入等の6兆円程度を充てることとし、復興財源に対する被災地の不
安を払拭することとします。
(b)社会保障
社会保障関係費については、高齢化等に伴って必要となる年金・医療等の経費に
ついて、重点化を図りつつ所要額を確保しています。また、暮らしの安心を確保す
るため、生活保護の適正化と同時に生活困窮者の自立・就労支援及び生活保護世帯
の子どもに対する学習支援等を推進することとしています。加えて、待機児童解消
のための保育所の定員増加等子育て支援の充実や難病・がん対策の充実・強化に取
り組むとともに、成長による富の創出の実現のため、医療関連分野におけるイノベ
ーションの一体的推進に取り組むこととしています。
年金については、年金特例公債の発行によって年金差額分を確保することにより、
基礎年金の2分の1を国庫で負担することとしています。
これらの結果、平成25年度の社会保障関係費は、平成24年度当初予算額に対して
2兆7,323億円(10.4%)増の29兆1,224億円を計上しています。
○参考指標 1-1-4:社会保障関係費の推移及び内訳
平成
22年度
21年度
年金医療介護給 付費
23年度
伸率
196,004
203,363
(単位:億円、%)
24年度
伸率
3.8
210,366
3.4
25年度
伸率
190,845 △ 9.3
14.5
28,614
1.0
生
活
保
護
費
20,969
22,388
6.8
26,065
16.4
28,319
社
会
福
祉
費
25,091
39,305
56.6
44,194
12.4
38,746 △ 12.3
保 健 衛 生 対 策 費
4,346
4,262 △ 1.9
3,905 △ 8.4
3,788 △ 3.0
3,539 △ 6.6
雇 用 労 災 対 策 費
1,934
3,367
74.1
2,549 △ 24.3
2,204 △ 13.5
1,986 △ 9.9
248,344
272,686
9.8
合
計
287,079
5.3
8.6
伸率
218,475
263,901 △ 8.1
38,610 △ 0.4
291,224
10.4
(出所)「平成25年度社会保障関係予算のポイント」(平成25年1月 主計局厚生労働係)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/06-5.pdf)
(注1)各年度の予算額は当初予算額である。以下、参考指標 1-1-12まで同じ。
(注2)計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。以下、参考
指標 1-1-12まで同じ。
(c)文教及び科学技術
文教及び科学技術の振興については、基礎学力の向上等を目指して、教育環境を
整備し、学校・家庭・地域の連携を支援するとともに、高等教育の振興を図ること
とし、科学技術においては、科学技術イノベーションの推進の基盤を成す基礎研究
や、最先端の研究開発に対する支援等に重点化を図ることとしています。その結果、
文教及び科学振興費は、5兆3,687億円(平成24年度当初予算比426億円(0.8%)
減)を計上しています(うち科学技術振興費は1兆3,007億円(平成24年度当初予算
比128億円(1.0%)減))。
平成24年度実績評価書
- 128 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-1〕
○参考指標 1-1-5:文教及び科学振興費の推移及び内訳
平成 21 年度
区
22 年度
(単位:億円、%)
23 年度
24 年度
25 年度
分
伸率
文教及び科学振興費
伸率
伸率
伸率
伸率
53,104
△0.0
55,860
5.2
55,100
△1.3
54,113
△1.8
53,687
△ 0.8
義務教育費国庫負担金
16,483
△1.9
15,938
△3.3
15,666
△1.7
15,575
△0.6
14,879
△ 4.5
科学技術振興費
13,777
1.1
13,321
△3.3
13,352
0.1
13,135
△1.6
13,007
△ 1.0
1,156
0
1,157
0.1
917
△20.8
601
△34.5
1,293
115.0
20,197
0.8
23,956
18.6
23,766
△0.8
23,421
△1.5
23,301
△ 0.5
1,492
△0.7
1,487
△0.3
1,398
△6.0
1,380
△1.3
1,208
△12.5
(内訳)
文教施設費
教育振興助成費
育英事業費
(出所)「平成25年度文教・科学技術予算のポイント」(平成25年1月 主計局文部科学係)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/06-4.pdf)
(注) 平成24年度予算額は、平成25年度予算額との比較対照のため組替えている。
(d)社会資本の整備
公共事業関係費については、東日本大震災からの復興加速を図るため、復興のた
めの施策を着実に推進するほか、引き続き、投資の重点化・効率化を図りつつ、国
民の命と暮らしを守る老朽化対策や防災・減災対策などの課題に対応するため、真
に必要な社会資本整備等に取り組むこととしています。
また、地域自主戦略交付金を平成25年度に廃止し、各省庁の交付金等に移行する
こととしており、公共事業関係費への移行額は6,395億円となります。
これらの結果、平成25年度の公共事業関係費は、平成24年度当初予算額に対して
7,119億円(15.6%)増の5兆2,853億円を計上しています。
このほか、東日本大震災からの復興への取組として、復興進度に応じた災害復旧
等事業費の追加や、被災地の復興に向けたまちづくりの支援等を実施するとともに、
全国的な防災・減災対策として、従来の対象事業を厳格に見直し、巨大津波による
被害を受けて新たに認識された技術上の課題に対応するための事業であって、緊急
的に実施する必要が高く、即効性のあるものに限定して実施することとしており、
東日本大震災復興特別会計に公共事業関係費8,487億円を計上しています。
○参考指標 1-1-6:公共事業関係費の推移
平成21年度
伸率
予 算 額
70,701
5.0
22年度
(単位:億円、%)
23年度
伸率
57,731 △18.3
24年度
伸率
49,743
△13.8
25年度
伸率
45,734
△8.1
伸率
52,853
15.6
(出所)「平成25年度国土交通省・公共事業関係予算のポイント」(平成25年1月 主計局国土交通・公共事業
総括係)(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/06-7.pdf)
- 129 -
(e)経済協力
平成25年度一般会計ODA予算については、ODA事業量の確保に配慮しつつ、
経費の見直しを行い、予算編成の基本方針で示された「成長による富の創出」に資
する観点等から、成長するアジア経済圏等の新興国・途上国の活力を取り込むため
の日本の技術・インフラ輸出の推進等による日本企業の海外展開支援、ミャンマー
の安定的発展を図るためのミャンマーの国造り支援・日本企業進出支援等に必要な
経費に重点化を行っています。
○参考指標 1-1-7:ODA予算の推移
平成21年度
22年度
(単位:億円、%)
23年度
24年度
25年度
予 算 額
6,772
6,187
5,727
5,612
5,573
伸
△4.0
△7.9
△7.4
△2.0
△0.7
率
(出所)「平成25年度内閣、復興、外務・経協係関係予算のポイント」(平成25年1月 主計局経済協力係)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/06-1.pdf)
(f)防衛力の整備
防衛関係費については、平成25年1月25日の安全保障会議及び閣議において決定
された「平成25年度の防衛力整備等について」等を踏まえ、各種事態への実効的な
対応及び即応性の向上等を図る一方、効果的・効率的な防衛力整備のため、ライフ
サイクルコスト(構想・開発、量産、運用・維持、廃棄に至るまでの生涯費用)の
抑制、調達プロセスの透明化及び契約制度の適正化等を行うこととし、平成24年度
当初予算額に対して400億円(0.8%)増の4兆7,538億円を計上しています。
なお、南西地域における情報収集・警戒監視や安全確保に万全を期すため、関連
する自衛隊の部隊において計287人の自衛官の実員を増員することにより、態勢の
強化を図ることとしています。
また、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告に盛り込まれた措置を
実施するために必要な経費は88億円、「在日米軍の兵力構成見直し等に関する政府
の取組について」(平成18年5月30日閣議決定)及び「平成22年5月28日に日米安
全保障協議委員会において承認された事項に関する当面の政府の取組について」
(平成22年5月28日閣議決定)に基づく再編関連措置のうち地元の負担軽減に資す
る措置を実施するために必要な経費は646億円であり、これらを除いた防衛関係費
は、4兆6,804億円(平成24年度当初予算比351億円(0.8%)増)となります。
平成24年度実績評価書
- 130 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-1〕
○参考指標 1-1-8:防衛関係費の推移及び内訳
区
平成 21 年度
分
22 年度
伸率
人 件 ・ 糧 食
(単位:億円、%)
23 年度
伸率
24 年度
伸率
25 年度
伸率
伸率
20,773
△0.8
20,850
0.4
20,916
0.3
20,701
△1.0
19,896
△3.9
歳 出 化 経 費
17,091
△2.0
16,980
△0.6
16,658
△1.9
16,655
△0.0
17,149
3.0
一 般 物 件 費
9,877
4.9
10,072
2.0
10,178
1.0
9,782
△3.9
10,493
7.3
防 衛 関 係 費
47,741
△0.1
47,903
0.3
47,752
△0.3
47,138
△1.3
47,538
0.8
SACO関係経費
112
△37.9
169
50.9
101
△40.2
86
△14.7
88
2.6
602
215.1
909
50.9
1,027
12.9
599
△41.6
646
7.8
47,028
△0.8
46,826
△0.4
46,625
△0.4
46,453
△0.4
46,804
0.8
費
米軍再編関係経費
(地元負担軽減)
そ
の
他
(出所)「平成25年度防衛関係予算のポイント」(平成25年1月 主計局防衛係)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/06-8.pdf)
(注1)「人件・糧食費」とは、隊員等に支給される給与等及び営内で生活している隊員等の食事代である。
「歳出化経費」とは、過去の年度に締結した契約に基づいて生じる当年度の支払いである。
(注2)平成23年度予算の一般物件費のうち0.1億円、平成24年度予算の歳出化経費のうち2.6億円、平成25年
度予算の一般物件費のうち0.02億円、歳出化経費のうち6億円は財務省計上のもの(札幌病院の建替
え)である。
(g)中小企業対策
中小企業対策費については、小規模事業者に係る支援を拡充しつつ、株式会社日
本政策金融公庫出資金等の中小企業の資金調達の円滑化に必要な経費、研究開発支
援を含む経営革新・創業促進等について、資金の重点的な配分を図ることとする一
方、事業の執行状況等を踏まえた既存事業の見直し等により支出の抑制を図り、平
成24年度当初予算額に対して9億円(0.5%)増の1,811億円を計上しています。
○参考指標 1-1-9:中小企業対策費の推移
平成21年度
予 算 額
伸
22年度
(単位:億円、%)
23年度
24年度
25年度
1,890
1,911
1,969
1,802
1,811
7.3
1.1
3.0
△8.5
0.5
率
(出所)「平成25年度予算のポイント 司法・警察、財務、経済産業、環境係予算」(平成25年1月 主計局
経済産業係)(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/06-2.pdf)
(h)エネルギー対策
エネルギー対策については、新エネルギーの開発・利用の促進や省エネルギー対
策、エネルギー起源二酸化炭素排出抑制対策等に取り組むとともに、エネルギーの
安定供給の確保や安全かつ安定的な電力供給の確保等についても取り組むなど、中
長期的な観点に立った総合的なエネルギー政策を着実に推進することとしています。
このため、平成25年度予算においては、一般会計のエネルギー対策費として、
- 131 -
8,496億円(平成24年度当初予算比352億円、4.3%増)を計上しています。
○参考指標 1-1-10:エネルギー対策費の推移
平成21年度
22年度
(単位:億円、%)
23年度
24年度
25年度
予 算 額
8,562
8,420
8,559
8,144
8,496
伸
△1.1
△1.7
1.7
△4.8
4.3
率
(出所)「平成25年度予算のポイント 司法・警察、財務、経済産業、環境係予算」(平成25年1月 主計局経
済産業係)(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/06-2.pdf)
(注) 平成24年度予算額は、平成25年度予算額との比較対照のため組替えている。
(i)農林水産業
農林水産関係予算については、我が国の農林水産業の高付加価値化等を図り、競
争力のある「攻めの農林水産業」を展開する観点から、輸出拡大対策、競争力強化
対策、バイオマス等を活用した再生可能エネルギーの導入促進、農林水産業の基盤
整備及び新規就業者の確保対策等を推進し、平成24年度当初予算額に対して1,249
億円(5.7%)増の2兆2,976億円を計上しています。
○参考指標 1-1-11:農林水産関係予算の推移及び内訳
21年度
区 分
22年度
(単位:億円、%)
23年度
25年度
24年度
増△減
(△ 2.9)
25,605
(△ 4.2)
24,517
(△ 7.4)
22,712
(△ 4.3)
21,727
22,976
(5.7)
1,249
(△ 10.1)
9,952
(△ 34.1)
6,563
(△ 20.9)
5,194
(△ 5.7)
4,896
<28.3>
6,506
(32.9)
1,611
業
(2.3)
15,653
(14.7)
17,954
(△ 2.4)
17,517
(△ 3.9)
16,831
16,469
(△ 2.1)
△ 362
食 料 安 定 供 給関 係費
8,679
11,612
(△ 0.2)
11,587
(△ 4.7)
11,041
<45.9>
10,539
(△ 4.5)
△ 502
一
般
農
政
費
6,974
6,342
(△ 6.5)
5,931
(△ 2.4)
5,790
<25.8>
5,930
(2.4)
140
農
業
関
係
予
算
19,410
18,324
17,672
17,190
17,128
△ 62
林
業
関
係
予
算
3,787
2,874
2,720
2,608
2,899
291
算
2,408
1,819
2,002
1,832
1,820
△ 13
農 山漁村活性 化交付金
-
1,500
318
96
1,128
1,032
農林水産関係予算総額
(1) 公 共 事 業 関 係 費
(2) 非
水
産
公
業
共
関
係
事
予
(出所)「平成25年度農林水産関係予算のポイント」(平成25年1月 主計局農林水産係)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/06-6.pdf)
(注1)予算額上段の( )書きは対前年度増△減率、〈 〉書きは農林水産関係予算に占める構成比である。
(注2)平成23年度においては、食料安定供給関係費と一般農政費の間で組み替えたので、過年度についても組
替後の計数としている。
(注3)平成17年度から措置された地域再生基盤強化交付金額を除く。
(注4)平成23年度及び24年度予算は、一括交付金等への拠出額を除く。
(j)治安対策
最近の治安情勢は、刑法犯認知件数が減少するなど一定程度改善しつつあります
が、サイバー犯罪・サイバー攻撃、国際テロや組織犯罪の脅威の深刻化等の治安上
平成24年度実績評価書
- 132 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-1〕
の重大な脅威に直面しており、国民の治安に対する不安が解消したとは言えない状
況にあることから、平成25年度予算においては、治安水準の更なる向上に向けた施
策や基盤整備、再犯防止に向けた取組等に重点化を行うこととし、そのために必要
な予算を計上しています。
(k)地方財政
平成25年度の地方財政については、震災復興特別交付税6,198億円を措置するなど震
災対応に万全を期すほか、「平成25年度予算編成の基本方針」に沿って、歳出面では、
国の歳出の取組と基調を合わせて、給与関係経費をはじめとする歳出分野にわたり抑
制を図るとともに、歳入面では、地方財政の運営に支障が生じないよう、適切な補
填措置を講じました。これらの結果、平成25年度予算における地方交付税交付金等
の額は、平成24年度当初予算額に比べ2,013億円(1.2%)減の16兆3,927億円、地
方団体に交付される地方交付税交付金の総額は6年ぶりに減少となっていますが、
地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源の総額については、平成24年
度と同水準を確保するなど、引き続き地方に最大限配慮しています。
(l)公務員等の人件費
公務員等の人件費については、我が国の厳しい財政状況及び東日本大震災や地域
の防災・経済活性化などに対処する必要性に鑑み、国・地方を通じて、例年にない
大きな抑制を行っています。
国については、給与改定臨時特例法に基づく給与減額支給措置を実施しており、
また、退職給付の官民較差解消のために退職手当を段階的に14.9%引き下げること
等の取組を実施しています。行政機関の定員についても、現下の重要課題に適切に
対応しつつ、厳しく業務の見直しや効率化に取り組み、2,374人(0.8%)純減する
こととしています。その結果、平成25年度予算における国家公務員の人件費は、一
般会計及び特別会計の純計で、平成24年度当初予算額に対して、2,713億円
(5.3%)減の4兆8,231億円となっています。
地方については、給与改定臨時特例法に基づく国家公務員の給与減額支給措置を
踏まえ、各地方公共団体において速やかに国に準じて必要な措置を講ずるよう要請
されたことを受け、平成25年7月から国家公務員と同様の給与削減を実施すること
を前提とした削減を見込むほか、国の取組を踏まえた退職手当の引下げ、定員純減
等により、平成25年度においても引き続き給与関係経費の抑制を図ることとしてい
ます。
独立行政法人等については、国の取組を踏まえた給与及び退職手当の引下げを実
施することとしています。
(m)特別会計
特別会計については、「特別会計に関する法律の一部を改正する法律」(平成24
年法律第15号)に基づき、平成24年度から東日本大震災復興特別会計が時限的に設
- 133 -
置されました。また、「国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有
林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律」(平成24年法律第42
号)の成立に伴い、国有林野事業特別会計が平成24年度末をもって廃止されました
(平成25年度から経過的に国有林野事業債務管理特別会計を設置)。
さらに、平成25年度予算については、特別会計の歳出総額から重複計上分等並び
に国債償還、社会保障給付及び地方財政対策等を控除した額は、12兆74億円となっ
ており、東日本大震災からの復興に関する事業に係る経費を除いた額は、平成24年
度当初予算額に対して2,113億円(2.5%)減の8兆2,382億円となっています。
なお、平成25年1月24日に閣議決定された「平成25年度予算編成の基本方針」で
は、「特別会計改革の基本方針」(平成24年1月24日閣議決定)を当面凍結しつつ、
特別会計の見直しについて引き続き検討し、改革に取り組むこととされました。こ
れを受けて、平成25年2月27日には第1回行政改革推進会議が開催され、特別会計
改革に関する議論が始まったところです。
(n)決算等の反映
決算及び決算検査報告等の予算への反映については、これまでも、積極的に取り組
んできているところであり、平成25年度予算においても会計検査院の指摘や決算に関
する国会の議決等を踏まえ、独立行政法人に対する出資額の見直しを行うなど、その
結果を予算等に的確に反映しています。
また、平成24年度予算執行調査については、75件の調査を実施しています。この
うち67件の結果を踏まえ、事業等の必要性、有効性及び効率性について検証を行っ
ており、平成25年度予算への反映額は172億円となっています。
さらに、各府省の政策評価に示された達成すべき目標、目標を達成するための手
段、どの程度目標が達成されたかに関する事後評価等を精査の上、各事業の必要性、
有効性及び効率性を検証し所要額を精査する等、政策評価の結果を予算編成過程の
中で適切に活用しています。例えば「公共職業安定機関等における需給調整機能の
強化及び労働者派遣事業の適正な運営を確保すること」について、効率的な事業運
営を行う必要があるとしている政策評価を踏まえ、職業相談員の配置数等を見直す
などしています。
(o)補助金等
補助金等については、全ての施策や事業に関し、国と地方及び官と民の役割分担の見
直し、国及び地方を通じた行政のスリム化、更なるコスト効率化等あらゆる観点から、
制度改正も含めた聖域なき見直しを徹底し、その整理合理化を一層推進しました。
平成24年度実績評価書
- 134 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-1〕
○参考指標 1-1-12:補助金等の内訳(交付先別、主要経費別)
(単位:億円、%)
補助金等の交付先別概要(一般会計)
交
付
先
21
年
予算額
度
伸
22
率
年
予算額
度
伸
23
率
年
予算額
度
伸
24
率
年
予算額
度
伸
25
率
年
予算額
度
伸
率
地 方 公共 団体
180,117
7.8
187,176
3.9
191,417
2.3
196,304
2.6
201,166
2.5
特殊法人等
23,751
37.5
25,638
7.9
26,777
4.4
26,156
△ 2.3
27,142
3.8
独 立 行政 法人
22,604
△ 3.5
22,025
△ 2.6
21,889
△ 0.6
20,107
△ 8.1
19,688
△ 2.1
国 立 大学 法人
12,243
△ 0.6
12,187
△ 0.4
12,134
△ 0.4
12,158
0.2
11,581
△ 4.7
民間団体等
16,753
5.5
20,073
19.9
18,988
△ 5.4
19,614
3.3
19,114
△ 2.6
255,468
8.2
267,099
4.6
271,205
1.5
274,338
1.2
278,690
1.6
合
計
補助金等の主要経費別内訳(一般会計)
- 135 -
事
21
項
年
予算額
社 会保 障関 係 費
度
伸
22
率
年
予算額
度
伸
度
伸
24
率
5.6
度
伸
文教及び科学振興費
50,716
△ 0.0
53,741
6.0
53,197
△ 1.0
52,147
公 共事 業関 係 費
35,775
25.1
32,217
△ 9.9
25,085
△ 22.1
20,451
の
156,955
年
予算額
7.8
合
5.6
年
予算額
140,788
そ
148,631
23
率
25
率
163,405
年
予算額
4.1
度
伸
168,768
3.3
△ 2.0
50,957
△ 2.3
△ 18.5
27,322
33.6
他
28,189
7.9
32,510
15.3
35,967
10.6
38,335
6.6
31,644
△ 17.4
計
255,468
8.2
267,099
4.6
271,205
1.5
274,338
1.2
278,690
1.6
(出所)主計局補助金係調
(注1)各年度の伸率は比較対照のため前年度の予算額を組替えて算出している場合がある。
○参考指標 1-1-13:補助金等の整理合理化状況
区
年
度
19
20
21
22
23
新
分
件
数
規
金
額
(10)
200
(33)
228
(7)
174
(11)
227
(0)
224
(3,291)
2,792
(1,499)
46,536
(688)
13,355
(393)
35,278
(0)
12,647
187
(1)
242
3,919
(0)
13,132
24
25
合理化廃止 ア
合理化減額 イ
件
件
数
金
額
数
金
額
(単位:件、億円)
補助率
統合・メニュー化件数
引下げ
件数ウ 統合前エ 統合後 差 引
終 期
設 定
件数オ
定 員 削 減 カ
件
数
金
額
その他
件 数
キ
合
計
件 数 金 額
ア~キ ア+イ+カ
200
4,907
694
4,411
11
11
5
6
377
14
6
232
1,539
9,324
193
6,298
606 38,280
5
7
3
4
476
11
5
161
1,459 44,584
161
2,766
763
3,095
2
22
12
10
286
9
2
116
1,359
5,863
281
4,036
817
5,576
2
22
15
7
438
10
2
136
1,706
9,614
268
7,036
842
6,688
3
11
10
1
462
7
4
67
1,660 13,728
114
1,763
835
8,084
0
14
6
8
188
6
1
66
1,223
146
8,114
736 10,044
0
12
10
2
390
5
2
94
1,383 18,160
9,848
(出所)主計局補助金係調
(注1)上段( )は、行政改革推進法に基づき新たに設立された独立行政法人に対する運営費交付金等を指し、外書である。
(注2)その他件数の主な内訳は、採択基準の見直し等である。
(注3)件数は整理合理化の区分ごとに措置した補助事項単位で計上しており、合計の件数はそれらの延べ件数である。
③ 平成25年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算
中期的視点に立った財政運営の検討の手掛かりを示すことを目的として、一定の経済前提
を置いた上で、平成25年度(2013年度)予算における制度・施策を前提とした場合に、平成2
8年度(2016年度)までの3年間の歳出・歳入がどのような姿になるかについて、社会保障・
税一体改革の実施に伴う歳出・歳入への影響も反映し、機械的に試算した「平成25年度予算
の後年度歳出・歳入への影響試算」を公表しました(http://www.mof.go.jp/budget/topics/
outlook/sy2503a.htm)。
施
率
策 1-1-2:広報活動
[平成24年度実施計画]
納税者の視点に立った予算編成を行い、予算の効率性を高めていくために予算編成プロセスの透
明化・可視化を実施することとし、以下の取組を行います。
① 各府省のホームページにおいて公開される概算要求書及び政策評価調書を、各府省の協力のも
と、財務省ホームページから閲覧できるようにします。
② 決定した予算の内容や執行状況について、広く国民全般に分かりやすい情報開示の方法を工夫
し、一般会計と特別会計、当初予算と補正予算を含めた予算の全体像についても、より分かりや
すく国民への情報発信を行うよう努めます。
[事務運営の報告]
予算編成プロセスを透明化・可視化し、財政の状況について国民各層の理解を得られる
平成24年度実績評価書
- 136 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-1〕
ようにする観点から、財務省ホームページにおいて、予算編成過程に沿った資料を提供す
るとともに、財政の現状や政府の取組について図表等を用いて分かりやすく説明した資料
やホームページコンテンツの作成を行いました。また、各府省のホームページにおいて公
開されている概算要求書及び政策評価調書についても、財務省ホームページ(http://www.
mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/index.htm)から閲覧できるようにし
ました。このように、各種資料やホームページ等の多様な媒体を用いて、我が国の財政に
ついて積極的に広報活動を行いました。
◎業績指標 1-1-1:予算・決算ホームページへのアクセス件数
アクセス件数
20年度
21年度
22年度
23年度
361,899
413,516
465,764
398,758
(単位:件)
24年度
目標値
増加
実績値
316,812
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注1)財務省ホームページ内に開設している予算・決算ホームページ(http://www.mof.go.jp/budget/index
を含むURL)へのアクセス件数。
(注2)平成23年3月26日に財務省ホームページをリニューアルしたため、平成22年度以前と平成23年度以降で
はアクセス件数を集計した対象ページが異なる。
(注3)平成24年度実績値が減少した要因として、平成23年3月に東日本大震災が発生し、その後平成23年度に
おいて、相次いで補正予算が編成(計4回)された一方、平成24年度においては補正予算の編成は1回の
みであったためアクセスが減少したことが考えられる。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:2,347百万円 [23年度予算額:2,615百万円]
平成24年度において、財政の効率化・質的改善を推進するための予算・決算の作成、調
査研究等、並びに予算編成事務等の合理化、迅速化を図るための予算編成支援システムの
運用に必要な経費として2,347百万円の予算措置を行いました。
平成24年度予算の主な減要因は、予算編成支援システムの運用に係る経費等が平成23年
度より減少したことです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成 24 年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
平成25年度予算は、次のような経済情勢及び財政事情の下で編成されました。
(1)経済情勢
平成24年度の我が国経済は、東日本大震災からの復興需要や政策効果の発現等により、
夏場にかけて回復に向けた動きが見られました。しかしその後、世界経済の減速等を背景
として輸出や生産が減少するなど、景気は弱い動きとなり、底割れが懸念される状況とな
りました。こうした状況に対し、政府は、平成25年1月に「日本経済再生に向けた緊急経
済対策」を策定しました。本対策による政策効果に加え、世界経済の緩やかな持ち直しが
期待されることから、我が国経済は緩やかに回復していくと見込まれました。物価の動向
を見ると、緩やかなデフレ状況が続いていました。消費者物価は4年連続の下落となりま
- 137 -
した。平成24年度の国内総生産の実質成長率は、復興需要による景気の下支え等があった
ものの、夏以降の世界経済の減速等により外需が減少したことから、1.0%と見込まれま
した。また、名目成長率は0.3%程度と見込まれました。
平成25年度の我が国経済は、世界経済の緩やかな回復が期待される中で、「平成25年度
の経済財政運営の基本的態度」に示された施策の推進等により、着実な需要の発現と雇用
創出が見込まれ、国内需要主導で回復が進みます。物価については、消費者物価上昇率は
0.5%程度になると見込まれます。GDPデフレーターはプラスになると見込まれます。
完全失業率は、雇用者数が増加することから低下することが見込まれます。こうした結果、
平成25年度の国内総生産の実質成長率は2.5%程度(名目成長率は2.7%程度)になると見
込まれます。なお、先行きのリスクとしては、欧州の政府債務問題等、海外経済を巡る不
確実性、為替市場の動向、電力供給の制約等があることに留意する必要があります。
(2)財政事情
我が国財政は、平成24年度補正後予算では公債依存度が49.2%にも及び、国・地方合わ
せた長期債務残高が平成24年度末においてGDP比198%程度になると見込まれました。
我が国財政は主要先進国中最悪の水準であるなど、極めて深刻な状況にあり、こうした厳
しい財政事情の下、政府としては、平成25年1月に閣議決定された「予算編成の基本方
針」において、平成27年度(2015年度)までに国・地方のプライマリーバランスの赤字の
対GDP比を平成22年度(2010年度)の水準から半減し、平成32年度(2020年度)までに
黒字化するとの財政健全化目標を掲げています。
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
国債に対する信認を確保するため、公債発行額をできる限り抑制し、財政健全化目標を
踏まえ、税収が公債金を上回る状態を維持するなど、中長期的に持続可能な財政構造を目
指します。
さらに、社会保障・税一体改革を継続するとともに、平成25年度年央に策定する中長期
の財政健全化目標の実現を目指します。このため、引き続き、歳出・歳入両面にわたる予
算の無駄の点検等に努め、歳出全体を必要性の高い分野に重点的に配分します。同時に、
予算執行調査、政策評価、決算及び決算検査報告、国会での指摘・議決などの予算への反
映・適切な活用に努めます。
広報活動については、財政の現状や政府の取組に係る図表等を用いた分かりやすい説明
を、資料やホームページ等の多様な媒体によって、引き続き積極的に行います。
(2)平成26年度予算要求等への反映
引き続き、財政の効率化・質的改善を推進するための調査研究等及び予算編成支援シス
テムの運用に必要な経費の確保に努めます。
平成24年度実績評価書
- 138 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-2〕
重 政策目標1-2:必要な歳入の確保
○
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
健全な財政を確保するためには、財政需要について、原則として公債や借入金にはよらず、税収等
で賄うという考え方が基本となります(非募債主義・財政法第4条第1項)。
このうち、まず税収は、内国税である租税及び印紙収入並びに輸入品に対し課される関税等から成
るものです。毎年度の予算編成においては、税収について、その時点で判明している課税実績、政府
経済見通しに係る諸指標等を基礎に、適切な見積りに努めます。また、税収の見積り等に関する情報
を「租税及び印紙収入予算の説明」やホームページにおいて開示してきたところですが、今後ともこ
れらの方法を通じて説明責任の向上に努めていきます。
次に、税収及び公債金収入以外の国の歳入である「その他収入」については、現下の極めて厳しい
財政事情の下、可能な限りその確保に努めるとともに、各項目別に最近の実績等を基礎に適切な見積
りに努めます。
最後に、公債の発行は、歳出の重点化、節減合理化に努めてもなお財源が不足する場合に限って、
やむを得ない措置として行います。
本目標は、以下に掲げる内閣の基本的な方針を踏まえ、特に重要な取組として推進していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣所信表明演説
第183回国会 総理大臣施政方針演説
第183回国会 財務大臣財政演説
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
政策目標1-2においては、業績目標・施策は設定していません。
4.平成24年度の事務運営の報告
(1)平成24年度中に見積もった税収
① 平成24年度補正予算
税収については、平成24年度当初予算編成時(平成23年12月)に、平成23年度の実績
見込みや平成24年度政府経済見通し(平成23年12月)の雇用・生産・消費等の諸指標の
伸び率等を勘案して、所得税、法人税、消費税等の個別税目ごとに見積りを行いました。
その後、平成24年度補正予算編成時(平成25年1月)において、それまでに判明して
いた課税実績等を勘案して見積りを行った結果、当初予算額から2,610億円の増額補正
を行うこととしました。
(参考)
平成24年度補正予算編成時(平成25年1月)において判明していた税収実績
(平成24年度11月末税収累計)
対前年比101.7%(24年度当初予算額の対23年度決算額比98.9%)
予算に対する進捗割合51.5%(過去5年平均49.6%)
- 139 -
② 平成25年度予算
平成25年度予算の編成に当たり、歳入予算の主要な項目である税収について、個別税
目ごとに適切な見積りを行うことに努めました。具体的には、平成23年度税収決算(平
成24年7月31日発表)の分析、上場企業の四半期決算の集計など、企業収益に関する資
料の収集、民間調査機関からのヒアリング等を行った上で、平成25年度税収について、
平成25年度政府経済見通し(平成25年1月)による経済諸指標や予算編成時点までに判
明している課税実績等を勘案して、個別税目ごとの積上げによる見積りを行いました。
また、平成25年度税制改正における資産課税・法人課税の改正により2,360億円の減
収を見込んでいます。
これらの税収の見積り等に関する情報を「租税及び印紙収入予算の説明」やホームペ
ージ(http://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/index.html)に開示することによ
って、説明責任の向上に取り組んでいます。
(参考)
1.平成23年度税収決算について
平成23年度税収決算については、42兆8,326億円となり、補正後予算(42兆300億
円)を8,026億円上回りました。その主たる要因は、法人税について、非製造業の企業
収益の改善等により増収(5,444億円)となったことです。
2.税収見積りの精度向上に対する取組について
平成25年度税収見積りに当たっては、税収見積りの精度向上に資するため、上場会
社等の四半期決算時の情報・分析に努めました。
(2)税外収入
平成25年度予算の編成に当たり、現下の極めて厳しい財政事情の下、できる限りの税外
収入確保に努めるとともに、各項目別に、過年度の動向や最近の実績等を基として、適切
な収入の見積りに努めました。その結果、平成25年度税外収入は3兆8,333億円を見込ん
でいます。
(3)公債金収入等
公債発行に関しては、平成25年度予算の編成において、政策目標1-1で述べたように、
予算の重点配分や歳入確保を図りつつ、公債発行額を極力抑制するよう努めました。しか
しながら、なお不足する財源については、やむを得ない措置として公債の発行で対応する
こととしております。その結果、新規公債発行額は42兆8,510億円となりました。一方で、
平成25年度の税収は43兆960億円であり、4年振りに税収が公債金を上回る状態を回復さ
せました。その結果、公債依存度は46.3%となります。(平成24年度当初予算47.6%(基
礎年金国庫負担2分の1の実現に必要な経費を勘案した場合))
また、基礎年金国庫負担を2分の1に引き上げるための恒久的な財源として、平成26年
度以降の消費税率引き上げによる増収分を別途確保した上で発行する年金特例公債2兆6,
110億円とともに、前年度剰余金を2,202億円計上しています。
平成24年度実績評価書
- 140 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-2〕
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成 24 年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
近年における一般会計歳入予算の推移は、以下のとおりです。
○参考指標 1-2-1:一般会計歳入予算の推移と内訳
項
目
租税及印紙収入
平成21年度
22年度
(単位:億円)
23年度
24年度
25年度
461,030
373,960
409,270
423,460
430,960
入
91,510
106,002
71,866
37,439
38,333
金
332,940
443,030
442,980
442,440
428,510
年金特例公債金
-
-
-
-
26,110
前年度剰余金
-
-
-
-
2,202
885,480
922,992
924,116
903,339
926,115
税
外
公
収
債
合
計
(出所)「平成25年度一般会計歳入歳出概算」(平成25年1月 主計局総務課)
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/seifuan25/03gaisan.pdf)
(注) 各年度の計数は、当初予算額(単位未満四捨五入)である。
(1)税収
税収(一般会計分)については、バブル期に大きな伸びを示し、ピークとなった平成2
年度には税収が60.1兆円に上りましたが、バブルに起因する一時的な増収の剥落や累次に
わたる減税の実施などの影響もあり、平成15年度には43.3兆円まで落ちこみました。その
後、景気回復局面において、法人税を中心に税収が上向く中、定率減税の縮減・廃止等も
あり、平成19年度には51.0兆円まで回復しましたが、平成20年度以降の急速な景気の悪化
等の影響により、平成21年度には38.7兆円まで落ち込み、現在は、43兆円程度の水準とな
っています。
- 141 -
○参考指標 1-2-2:一般会計税収の推移
(単位:兆円)
(出所)「一般会計税収の推移」(平成 25 年5月 主税局総務課資料)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.htm)
(注) 23年度以前は決算額、24年度は補正後予算額、25年度は予算額である。
(2)税外収入
税外収入については、現下の極めて厳しい財政事情の下、できる限りの確保を図ること
としており、その推移は参考指標 1-2-1(P141に掲載)のとおりです。
(3)公債金収入等
予算の重点配分や歳入確保を図りつつ、公債発行額を極力抑制するよう努めながら、な
お不足する財源については、やむを得ない措置として公債の発行で対応することとしてい
ます。平成25年度予算においては、公債を42兆8,510億円、年金特例公債を2兆6,110億円
発行するほか、前年度剰余金を2,202億円計上しております。
○参考指標 総1-1:一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移(P83に掲載)
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
今後も、経済情勢等に配意し税収及び税外収入の確保に努めるとともに、税収の適切な
見積りや説明責任の向上に努めていきます。
平成24年度実績評価書
- 142 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-3〕
○ 政策目標1-3:予算執行の透明性の向上・適正な予算執行の確保
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
国の予算の執行の責任及び権限は各省各庁の長に委ねられていますが、財政当局としても予算執行
が法令の定めに則り、かつ経済的、効率的に行われるよう各省各庁への要請等を行っています。特に
公共調達のあり方については、引き続き入札契約の改善や随意契約の適正化を図る必要があり、その
ための取組を進めています。
また、予算の質の向上・効率化を図るためには、予算執行の実態を把握し、いわゆるPDCAサイ
クルにおける、C(=チェック)及びA(=アクション)の機能を強化するとともに、予算執行の透
明性の向上や国民への情報開示の充実を図る必要があります。
財務省としては、引き続き予算執行調査を実施し、予算執行の実態をより的確に把握して、予算執
行の適正化、効率化を図るとともに、次年度以降の予算編成等への反映に努めています。
2.内閣の基本的な方針との関連
該当なし
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 1-3-1:予算執行に関する情報開示の充実
[平成24年度実施計画]
予算執行の透明性を確保する観点から、各府省は、予算の執行状況を定期的にホームページで開
示するとともに、公共事業等の箇所付け等、予算執行上の重要な決定についても開示を行うことと
されています。
財務省においては、各府省の協力のもと、財務省ホームページから、各府省の予算執行に関する
開示情報を閲覧できるようにする等、国民自らが支出の無駄をチェックできるよう情報提供の充
実・改善に努めます。
[事務運営の報告]
予算執行に関する情報開示を充実し、適正かつ効率的な予算執行を確保することは重要
な課題であると考えており、各府省の協力のもと、財務省ホームページ(http://www.mof.
go.jp/budget/topics/portalsite.htm)から各府省の予算執行に関する情報開示を閲覧で
きるように情報の更新を行う等、情報の充実・改善を図りました。
施
策 1-3-2:効率的な予算執行の確保
[平成24年度実施計画]
国の予算は、国会の議決に基づき各省各庁の長に配賦され、その執行の責任及び権限は各省各庁
の長に委ねられています。その執行に当たっては、財務大臣の承認を要するものが法令で定められ
ており、これらの法令の定めに則り、繰越明許費、国庫債務負担行為及び移流用を活用すること等
によって、経済的、効率的に予算執行がなされるよう努めています。
特に、繰越手続については、平成21年度より、繰越要件の明確化や手続の簡素化等を図っており、
繰越制度が一層活用されるよう努めるとともに、東日本大震災の被災地における復興事業の円滑な
執行に資するよう取り組みます。
- 143 -
今後とも、法令や予算との整合性等に留意するとともに、会計検査院など関係省庁との連携を図
ることなどにより、効率的な予算執行が確保されるよう努めます。
[事務運営の報告]
平成24年度予算成立直後の平成24年4月6日に、予算の執行の適正を期すため、会計法
第46条第1項の規定に基づき、予算の移替え及び予算の流用等の予算執行に関する手続等
について閣議決定を経た上で各省各庁に指示し、年度当初から速やかに予算執行に入れる
よう体制を整えるとともに、法令や予算との整合性等を確保するとの観点から、以下の取
組を行いました。
① 支出負担行為実施計画の承認
予算の執行段階において、具体的な事業箇所、内容、規模等を確定しなければならな
い経費(公共事業予算その他財務大臣の指定したもの)の財政法第34条の2の規定によ
る支出負担行為実施計画の承認に当たっては、
イ 法令又は予算の定めに違反することはないか
ロ 積算の基礎が確実であるか
ハ 後年度負担や地方財政への影響及び事業の進捗状況
等を審査するとともに、
イ 年度を通じ、機動的な施行を図る
ロ 経済活性効果の高い事業の優先的施行
ハ 年度当初からの円滑な事業実施
等に留意しました。
② 支払計画の承認
支払計画の承認(財政法第34条)は、資金繰りの観点から国庫金、歳入の状況等を勘
案して調整するために行うものであり、その承認に当たっては、
イ 法令又は予算の定めに違反することはないか
ロ 経費の支出の要否及び時期の適否
ハ 前年度以前の年度における支出実績との比較においてどうか
を審査し、効率的な予算の執行に努めました。
なお、平成24年度は特例公債法案が11月16日まで未成立の状態が続いたことから、こ
の間の予算の執行に当たっては、まずは、きめ細かな対応として、支払計画の承認期間
を通常の3か月から1か月に短縮するなどの対応を行うとともに、9月7日には、財政
法第34条第2項の規定に基づく支払の計画の承認に関する方針として「9月以降の一般
会計予算の執行について」を閣議決定し、特例公債金が財源となる経費について、予算
執行の抑制を行いました。
③ 移流用の承認
予算編成後における情勢の変化、計画の変更等によって、成立予算のとおり実行し得
ない場合等に、国会の議決と法令の範囲内で科目相互間あるいは組織相互間において予
平成24年度実績評価書
- 144 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-3〕
算を彼此融通することが認められています(財政法第33条)。
その承認に当たっては、
イ 法令又は予算の定めに違反することはないか
ロ やむを得ない事情によるものか
ハ 予算の効率的、弾力的執行に資するものであるか
等について審査しました。
④ 繰越の承認
繰越制度は、「毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用す
ることができない」(財政法第42条)とされる歳出予算の性質と、「各会計年度におけ
る経費は、その年度の歳入を以って、これを支弁しなければならない」(財政法第12
条)とされる会計年度独立の原則の特例をなすもので、経費の性質上年度内にその支出
を終らない見込のあるものについては、あらかじめ国会の議決を経て、翌年度に繰り越
して使用することができること等とされているものです。
平成21年度より、繰越要件の明確化や手続の簡素化等を図っており、予算の経済的、
効率的な執行の観点から、繰越制度の一層の活用に向けて取り組むとともに、平成24年
度補正予算は、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(平成24年1月11日閣議決定)
等を実施する予算であり、早期執行に万全を期することとされたことから、各地方出先
機関等と各地方自治体との間においても、添付資料やヒアリングの廃止など繰越事務手
続の簡素化の徹底を図りました。
また、東日本大震災からの被災地の復興を着実に進める観点から、復興事業の円滑な
執行に資するよう、添付資料や財務局によるヒアリングの廃止など事故繰越事務手続の
簡素化を図り、対応しました。
なお、繰越の承認に当たっては、
イ 予算に定められた目的に反していないか
ロ 国会の議決を受けた繰越明許費要求書の掲げられた事由に該当するか
ハ 事故繰越しについては、その原因が支出負担行為後に発生した避け難い事故による
ものであるか
等について審査しました。
⑤ 前金払、概算払の承認
前金払、概算払の制度は、国の支払義務履行に関する特例であり、その承認に当たっ
ては、
イ 予算決算及び会計令等の定めに該当する経費であるか
ロ 契約の内容や契約先の支出の状況はどのようになっているか
等について審査しました。
なお、東日本大震災の被災地域においては、迅速な請負代金の支払など資金需要へ
の対応が必要であるとの観点から、土木建築に関する工事の前払率を通常の4割以内
- 145 -
から5割以内へ引き上げるなどについて承認しました。
施
策 1-3-3:予算執行調査の実施
[平成24年度実施計画]
予算執行調査は、財務省主計局の予算査定担当者、予算執行調査担当者及び財務局の担当職員が、
次年度以降の予算編成に向けた問題意識等から選定した事業について、それぞれの事業の現場に赴
き、実際に予算が効率的かつ効果的に執行されているかといった観点から調査を行うものです。平
成23年度においては、東日本大震災を踏まえ、各府省等の繁忙度合い等を見極めつつ、対応可能な
事案から順次着手することにより、65件の調査を実施し、その調査結果及び予算への反映額(反映
額については、平成24年度予算への反映が直ちに可能な54件の調査によるもの)を公表したところ
です。
平成24年度については、引き続き予算の無駄の排除を一層推進するため、予算執行調査を着実に
実施することとし、徹底した予算の効率化が図られるよう、様々な視点から、より深度のある調査
の実施に努めます。
なお、予算執行調査の実施にあたっては、
① 調査対象につき、特別会計の事業を含め、予算の執行状況全般を選定の対象とするほか、全
国の財務局を活用して、現場の視点等で案件を発掘するなど、調査の充実に努めます。また、
平成18年12月に財務省ホームページに設置した「予算執行ご意見箱」(https://www2.mof.go.j
p/enquete/yosan_opinion.html)を、平成24年度も継続し、広く国民の意見を聞きます。
② 予算執行調査の結果については、執行や予算編成に反映することとし、その反映状況を予算
の決定時に公表します。
[事務運営の報告]
① 調査の充実・強化
平成24年度においては、調査結果の分析等に当たり、財務省が選定した外部有識者よ
り意見を徴するなど、調査の質の向上等を図りつつ、75件の調査を実施しており、予算
執行調査の充実・強化に努めました。
なお、事案選定に当たっては、財務局の現場の視点も活用しました。また、「予算執
行ご意見箱」を、平成24年度も継続し、広く国民の意見を聞きました。
◎業績指標 1-3-1:予算執行調査の実施件数
平成20年度
実施件数
21年度
63
73
(単位:件)
22年度
100
23年度
65
24年度
目標値
75 程度
実績値
75
(出所)主計局司計課調
② 各府省庁との連携強化
予算執行調査の円滑な実施等を図るため、会計検査院との意見交換の場を設ける等、
連携強化を図りました。
イ 会計検査院との幹部意見交換会
平成24年11月1日
ロ 会計検査院との事務連絡会
平成24年8月24日~8月31日及び平成25年3月18日~3月28日
平成24年度実績評価書
- 146 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-3〕
③ 予算編成等への反映
平成24年度の予算執行調査の結果については、平成25年度予算への反映に努めました。
具体的には、調査結果を踏まえ、現状の取組が事業効果に結び付くものとなっているか
明らかでない「国内旅行活性化のための環境整備事業」や、事業ニーズの把握が十分で
ない「シニアワークプログラム事業」など計10件について全部又は一部を廃止する等、
67件について、その結果を平成25年度予算に的確に反映し、総額で172億円の予算の効
率化に結び付けています。
詳細な反映状況については財務省ホームページにて公表しています。(http://www.m
of.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2012/hanei/index.html)
施
策 1-3-4:各府省庁等に対する予算の適正かつ効率的な執行の確保のための要請等
[平成24年度実施計画]
予算の適正かつ効率的な執行を確保するために、各府省庁等に対し文書による要請を行うととも
に、担当職員の資質の向上及び会計事務に携わる心構え等が重要であることから、各府省庁等の会
計事務職員を対象とした会議・研修(注)を実施します。
また、随意契約の適正化のため、現在、各府省庁等において、「随意契約見直し計画」に基づき、
速やかな一般競争入札等への移行を進めていますが、財務省としても引き続きその取組実績等のフ
ォローアップを行っていくこととしています。
(注)実施予定の会議・研修
イ 会議
財務省と会計検査院との事務連絡会、各省各庁等予算執行・決算担当者会議、財務局等
繰越決算事務担当者会議、補助金適正化中央連絡会議幹事会
ロ 研修
会計事務職員研修、政府関係法人会計事務職員研修、会計事務職員契約管理研修、予算
担当職員初任者研修
[事務運営の報告]
① 会議・研修等
各府省庁等の会計事務職員を対象とした会議・研修や各省各庁等に対する文書による
予算の適正な執行の要請を以下のとおり実施しました。また、会議の際には併せて、前
年度以前の執行及び決算の結果や決算の国会の議決及び国会の議論等が次年度以降の予
算の作成や執行に反映されるよう注意を喚起しました。
イ 会計検査院との幹部意見交換会
平成24年11月1日
ロ 会計検査院との事務連絡会
平成24年8月24日~8月31日及び平成25年3月18日~3月28日
ハ 各省各庁等予算執行・決算担当者会議
平成24年8月2日及び平成25年1月25日
ニ 財務局等繰越決算事務担当者会議
ホ 各府省地方支分部局等予算・決算関係事務研修会
平成25年2月1日
平成24年5月14日~6月8日
へ 各省各庁等に対する文書による予算の適正な執行の要請
「会計検査院の指摘事項の周知徹底と適正な予算執行について」
平成25年1月25日付事務連絡
ト 会計事務職員研修 平成24年4月4日~7月6日及び平成24年9月5日~12月7日
チ 政府関係法人会計事務職員研修
- 147 -
平成24年10月2日~11月16日
リ 会計事務職員契約管理研修
平成24年5月17日~6月22日
ヌ 予算担当職員初任者研修
平成24年4月23日~4月27日
○参考指標 1-3-1:会計事務職員研修等の実績
研 修 名
(単位:名)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
会計事務職員研修
115
107
119
91
97
(各府省庁等、都道府県)
116
136
111
117
120
120
117
130
131
122
68
65
78
60
62
127
117
119
98
105
(対象職員)
政府関係法人
会計事務職員研修
(政府関係法人)
会計事務職員
契約管理研修
(各府省庁等、都道府県)
予算担当職員
初任者研修
(各府省庁等)
(出所)会計センター研修部調
(注) 会計事務職員研修の上段は春季、下段は秋季の研修である。
② 随意契約の適正化
財務省としては、各府省庁等の「随意契約見直し計画」による取組と併せて契約の透
明性を高める観点から、平成24年12月に、各府省庁等が平成23年度に締結した契約(少
額随意契約等を除く。)について、「契約金額及び件数に関する統計」(注1)及び
「随意契約に関する統計」(注2)としてとりまとめて公表(http://www.mof.go.jp/bu
dget/topics/public_purchase/sy241221/index.htm)し、各府省庁等の取組実績等のフ
ォローアップを行いました。
(注1)「契約金額及び件数に関する統計」
契約全体を公共工事等と物品役務等に区分し、かつ、一般競争契約、指名競争契約及び
随意契約に区分して件数及び金額を記載したもの。
(注2)「随意契約に関する統計」
随意契約を契約の相手先ごと(所管公益法人、その他の公益法人、独立行政法人等、
特殊法人等、特定民間法人及びその他の法人)に区分し、それぞれについて、随意契約
の根拠とした条文別に件数及び金額並びに企画競争又は公募を行った件数及び金額を記
載したもの。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:9,357百万円[23年度予算額:7,520百万円]
平成24年度において、適正な予算執行の確保に必要な経費や会計センターに必要な経費
として9,357百万円の予算措置を行い、予算執行調査や官庁会計システムの運用等を実施
平成24年度実績評価書
- 148 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-3〕
しました。
平成24年度予算の主な増要因は、官庁会計システム等経費が平成23年度より増加したこ
とによるものです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成 24 年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
会計検査院検査報告の状況
最近における会計検査院の検査結果によると、法令、予算に違反し不当と認めた事項(不
当事項)、意見を表示し又は処置を要求した事項(意見表示、処置要求事項)等依然として
指摘されている事項が多数あります。その件数は次のとおりとなっています。
○参考指標 1-3-2:会計検査院検査報告に掲記された不当事項等の推移
平成19年度
(事
項
20年度
21年度
(単位:件)
22年度
23年度
別)
A.不当事項
B.意見表示又は処置要求事項
C.検査院の指摘に基づき改善処
置を講じた事項(処置済事
項)
859
593
874
425
357
53
69
66
76
81
55
46
39
54
53
(出所)各年度の「決算検査報告」(会計検査院作成)を基に、主計局司計課で作成。
(注) 上記のほか、「特に掲記を要すると認めた事項」等がある。
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
予算執行に関する情報開示を充実し、適正かつ効率的な予算執行を確保することは重要
な課題であると考えており、引き続き、法令及び予算に則った予算執行に係る各手続の適
切な審査や各府省庁等の会計事務職員を対象とした会議・研修等の効果的な実施、入札契
約の改善や随意契約の適正化の推進に努めていきます。
また、予算執行調査を着実に実施することとし、徹底した予算の効率化が図られるよう、
様々な視点から、より深度のある調査の実施に努めます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
引き続き、予算執行の透明性の向上・適正な予算執行の確保を図るため、予算執行状況
について調査の着実な実施等に取り組むために必要な経費の確保に努めます。
- 149 -
○ 政策目標1-4:決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
国の決算は、国会の議決によって成立した予算の執行実績を示すものであり、一会計年度における
収入・支出の実績を計算、整理、記録したものです。したがって、決算は予算のような規範性はなく、
政府が財政法、会計法等の定めるところに従い執行した実績を国民及び国会に対して報告する性格を
持っています。
このような決算の性格を踏まえ、広く国民が財政に対する関心及び理解を深めるためにも、今後と
も正確で分かりやすい決算の作成に努めます。また、決算及び決算検査報告、決算に関する国会での
指摘・議決等については、予算編成や執行への反映に努めます。
2.内閣の基本的な方針との関連
該当なし
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 1-4-1:予算使用の状況、国庫歳入歳出状況及び決算概要の報告
[平成24年度実施計画]
年度の途中における予算使用の状況、国庫歳入歳出状況及び予算の執行実績である決算の概要につい
て、これまでに引き続き、官報やホームページ(http://www.mof.go.jp/budget/index.html)を活用す
るなどして、国民及び国会に対する適時適切な報告に努めます。
[事務運営の報告]
憲法第91条及び財政法第46条において、内閣の国会及び国民に対する財政状況の報告が
義務づけられていますが、近時の財政に対する国民の関心の高まりも踏まえつつ、財政に
関する透明性の確保や説明責任を果たす観点から、官報やホームページを活用し、その広
報、公開に努めたところです。具体的な内容及び掲載方法は次のとおりです。
① 「平成24年度財政法第46条に基づく国民への財政報告(うち平成22年度決算に関す
ること)」:官報及びホームページ掲載
(http://www.mof.go.jp/budget/report/46_report/fy2012/index.htm)
② 「予算使用の状況」(財政法第46条第2項の規定に基づくもので四半期毎):官報及
びホームページ掲載
(http://www.mof.go.jp/budget/report/budget_use/index.htm)
③ 「国庫歳入歳出状況」(毎月):官報及びホームページ掲載
(http://www.mof.go.jp/budget/report/revenue_and_expenditure/index.htm)
④ 「平成23年度決算概要(見込み)」:記者発表及びホームページ掲載
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2011/ke240702.htm)
⑤ 「平成23年度決算概要」:記者発表及びホームページ掲載
平成24年度実績評価書
- 150 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-4〕
イ 一般会計
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2011/ke240731.htm)
ロ 特別会計
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2011/ke240731tokai.htm)
⑥ 「平成23年度決算の国会提出」:ホームページ掲載
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2011/ke2411.htm)
⑦ 「平成23年度決算書の情報」:ホームページ掲載
(http://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxss010bh23a.html)
⑧ 「平成23年度決算の説明」:ホームページ掲載
(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2011/ke_setsumei23.htm)
政府が財政法、会計法等の定めるところにしたがって執行した実績の国民及び国会に対
する報告である決算書については、政策ごとに予算・決算とその成果を比較対照可能とし、
事後的な評価を行いやすくするため、予算書・決算書の表示科目の単位(項・事項)と政
策評価の単位とを原則として対応させるよう作成しました。
また、決算審議の参考に供するために作成している「決算の説明」についても、可能な
限り、事務・事業の計画と実績、主要な長期計画の実施状況等定量的データを積極的に取
り入れるなど、各種の分析や評価に資するものを掲載するよう各省各庁を指導し、分かり
やすい資料の作成に努めるとともに、平成23年度決算においては、東日本大震災復旧・復
興関係経費の決算の概要を明らかにすることを目的として、その経費の概要や事業実績等
を掲載し、内容の拡充を図りました。
なお、各省各庁が作成した平成21年度、平成22年度、平成23年度の決算の参照書類に
誤りが見つかったため、平成24年11月16日、平成25年5月10日に国会へ正誤表を提出し
ました。今後、このようなことが生じないよう、各省各庁に再発防止の徹底を文書で要
請しました。
◎業績指標 1-4-1:予算使用の状況、国庫歳入歳出状況及び決算概要の定期的な公表資
料の公表状況
24年度
目標
実績
作成頻度
平成
20年度
21年度
22年度
23年度
予算使用の状況
年5回
○
○
○
○
○
○
国庫歳入歳出状況
年15回
○
○
○
○
○
○
決算概要
年1回
○
○
○
○
○
○
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
割 合
(出所)主計局司計課調
- 151 -
100.0% 100.0%
施
策 1-4-2:平成23年度歳入歳出決算の国会への早期提出
[平成24年度実施計画]
平成23年度歳入歳出決算については、平成22年度歳入歳出決算に引き続き、会計検査院へ早期に
送付し、11月20日前後に国会提出が可能となるよう努めます。
[事務運営の報告]
平成23年度歳入歳出決算については、国会等の議論も踏まえ、国会における決算審議
の充実等に資する観点から、会計検査院へ早期に送付するとともに、平成24年11月16日
に国会へ提出しました。
◎業績指標 1-4-2:歳入歳出決算の会計検査院への送付日
平成20年度
(19年度決算)
21年度
(20年度決算)
22年度
(21年度決算)
23年度
(22年度決算)
20.9.9
21.9.8
22.9.7
23.9.6
送付日
24年度
(23年度決算)
目標
実績
24.9.10前後
24.9.4
(出所)主計局司計課調
◎業績指標 1-4-3:歳入歳出決算の国会への提出日
提出日
平成20年度
(19年度決算)
21年度
(20年度決算)
22年度
(21年度決算)
23年度
(22年度決算)
20.11.21
21.11.24
22.11.19
23.11.22
24年度
(23年度決算)
目標
実績
24.11.20前後
24.11.16
(出所)主計局司計課調
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成 24 年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
歳入歳出決算の国会への提出時期
決算の国会提出に当たっては、会計検査院の検査を経るとともに検査報告を決算に添付す
ること等が前提となっています。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
財政状況についての透明性の確保や説明責任の向上及びその早期公表は極めて重要です。
具体的には、年度途中における予算使用の状況、国庫歳入歳出状況及び予算の執行実績
である決算の概要について、国民及び国会に対し適時適切に報告するとともに、平成24年
度歳入歳出決算については、平成23年度歳入歳出決算に引き続き、会計検査院へ早期に送
付し、平成25年11月20日前後には国会提出が可能となるよう努めます。
平成24年度実績評価書
- 152 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-5〕
○ 政策目標1-5:地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務の適切な遂行
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
平成24年度の国・地方の財政状況は、国税・地方税の税収の増加により財源不足は前年度に比べ縮
小する見込みではあるものの、引き続き厳しい状況にあります。
地方財政に関する事務については、地方財政計画の策定、地方税制度、地方債計画及び地方債同意
等基準の策定、地方債の同意等を所管する総務省との調整が重要となります。
このような状況において、国の財務を総括する観点から、地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移
転に関する事務を適切かつ円滑に遂行します。
また、地方財政について、国の取組と歩調を合わせて、給与関係経費などを始めとする地方財政計
画の歳出を見直し、抑制を図るとともに、安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一
般財源の総額を確保します。
2.内閣の基本的な方針との関連
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
平成25年度税制改正の大綱(平成25年1月29日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 1-5-1:国と地方の改革
[平成24年度実施計画]
国の財政健全化と整合的な形での地方財政の安定的な運営や震災への対応等について検討等を行
い、国の歳出の取組と基調を合わせつつ、前年度と実質的に同水準となるよう地方の一般財源総額
を確保します。
[事務運営の報告]
① 地方財政計画
「平成25年度地方財政計画」においては、震災復興特別交付税6,198億円を措置するなど、
震災対応に万全を期すほか、「平成25年度予算編成の基本方針」に沿って、歳出面では、国の
歳出の取組と基調を合わせて、給与関係経費をはじめとする歳出各分野にわたり抑制を図ると
ともに、歳入面では、地方財政の運営に支障が生じないよう、適切な補填措置を講じました。
これらの結果、平成25年度予算における地方交付税交付金等の額は、平成24年度当初予算額に
比べ2,013億円(1.2%)減の16兆3,927億円、地方団体に交付される地方交付税交付金の総額
は6年ぶりに減少となっていますが、地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源の
総額については、平成24年度と同水準を確保するなど、引き続き地方に最大限配慮しています。
② 地方税制改正
平成25年度地方税制改正については、「平成25年度税制改正の大綱」に基づき、成長
と富の創出に向けた生産等整備投資促進税制の創設や研究開発税制の拡充等の税制上の
措置等を講じることとしました。また、社会保障・税一体改革の着実な実施に向け、住
宅取得等に係る税制上の措置等を講じるほか、復興支援のための税制上の措置を講じる
- 153 -
こととしました。
財務省は、地方税法を総務省と共管する立場から、国税・地方税を通ずる諸課題や平成25
年度税制改正を取り巻く状況等について、総務省と密接に意見の交換を行いました。また、
必要に応じ総務省と調整を行うとともに、地方税法改正法について、総務省から協議を受け、
共同請議を行いました。
③ 地方債計画の策定及び地方債の同意等協議
地方債計画は、地方財政法(昭和23年法律第109号)に基づき、総務省と財務省が協
議して策定しています。「平成25年度地方債計画」においては、引き続き厳しい地方財
政の状況の下で、地方公共団体が、必要性の高い分野への重点的な投資を行えるよう、
所要の地方債資金の確保を図ることとして策定されたところです。
地方債の発行等において、総務大臣又は都道府県知事の同意等の基準となる地方債同意等
基準については、地方公共団体の自主性及び自立性を高めるとともに、その運用の公正・透
明性の確保を図るよう、総務省と財務省が協議して策定しています。平成24年度についても、
「平成24年度地方債計画」及び「平成24年度地方債同意等基準」等に基づき、適切かつ円滑
な地方債の発行に資するよう、必要に応じて、地方債の同意等協議を行いました。
④ 国庫補助負担金
平成25年度当初予算における地方公共団体に対する国庫補助負担金については、社会
保障関連の国庫補助負担金が平成24年度当初予算比で0.5兆円増加しました。その一方
で、「地域自主戦略交付金」が廃止され、各省庁の交付金等に移行したこと等に伴い、
その他事項経費については0.4兆円減少しました。平成25年度予算における総額は一般
会計・特別会計を合わせて23.9兆円(復興特別会計計上分を除くと22.1兆円)となって
います。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
国税・地方税を通ずる諸課題等について、必要に応じて総務省と調整を行いました。詳
細は、「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
平成24年度実績評価書
- 154 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-5〕
○参考指標 1-5-1:平成 25 年度地方財政計画(通常収支分)
(単位 :億円、%)
24年度
25年度
増減額
地
方
地
方
地
方
譲
特
与
例
交
付
伸率
税
336,569
340,175
+3,606
税
22,615
23,470
+855
+1.1%
+3.8%
金
1,275
1,255
▲ 20
▲ 1.6%
▲ 2.2%
地
方
交
付
税
174,545
170,624
▲ 3,921
国
庫
支
出
金
117,604
118,503
+899
+0.8%
債
111,654
111,517
▲ 137
▲ 0.1%
地
方
( う ち 臨 時 財 政
対 策
債 )
61,333
62,132
+799
+1.3%
数
料
14,037
13,888
▲ 149
▲ 1.1%
入
40,444
39,852
▲ 592
▲ 1.5%
全 国 防 災 事 業 一 般 財 源 充 当 分
▲ 96
▲ 130
▲ 34
+35.4%
計
818,647
819,154
+507
+0.1%
源
596,337
597,656
+1,319
+0.2%
▲ 1.2%
使
用
料
・
雑
手
収
歳
入
地
方
一
般
財
ス )
164,665
162,672
▲ 1,994
地 方 交 付 税 交 付 金 等 ( 一 般 会 計 )
165,940
163,927
▲ 2,013
▲ 1.2%
地 方 交 付 税 (
174,545
170,624
▲ 3,921
▲ 2.2%
地 方 交 付 税 (
給
与
退
出 口 ベ ー
関
職
係
手
退
一
入 口 ベ ー
経
当
職
般
ス )
以
手
行
政
経
費
209,760
197,479
▲ 12,281
▲ 5.9%
外
188,247
177,892
▲ 10,355
▲ 5.5%
当
21,513
19,587
▲ 1,926
▲ 9.0%
費
311,406
318,257
+6,851
+2.2%
+3.2%
う
ち
補
助
分
158,820
163,919
+5,099
う
ち
単
独
分
138,095
139,993
+1,898
+1.4%
うち国民健康保険・後期高齢者医療制度
関係事業費
14,491
14,345
▲ 146
▲ 1.0%
地 域 経 済 基 盤 強 化・ 雇用 等対 策費
公
債
費
14,950
14,950
ー
ー
130,790
131,078
+288
+0.2%
維
持
補
修
費
9,667
9,889
+222
+2.3%
投
資
的
経
費
108,984
106,698
▲ 2,286
▲ 2.1%
分
57,354
56,668
▲ 686
▲ 1.2%
分
51,630
50,030
▲ 1,600
▲ 3.1%
応
分
-
7,550
皆増 業
費
-
4,550
皆増 皆増 地 域 の 元 気 づ く り 事 業 費
-
3,000
皆増 皆増 う
ち
う
給
与
の
緊
急
公
営
う
水
直
臨
防
企
ち
企
準
・
補
単
時
災
特
・
例
減
業
業
対
災
事
繰
債
出
償
経
出
般
助
独
超
歳
一
轄
ち
歳
還
皆増 金
26,590
25,753
▲ 837
▲ 3.1%
費
16,824
16,376
▲ 448
▲ 2.7%
費
6,500
7,500
+1,000
+15.4%
計
818,647
819,154
+507
+0.1%
出
664,533
664,200
▲ 333
▲ 0.1%
(出典)主計局地方財政係調。
(注1)予算ベースの地方交付税(入口ベース)の増減額は▲1,994億円、地方交付税(出口ベース)の増減は▲3,921億円。
(注2)計数は四捨五入しているため、合計において一致しない場合がある。
(注3)全国防災事業一般財源充当分の平成24年度の額は、平成24年度地方財政計画の歳入に計上された
「緊急防災・減災事業一般財源充当分」の額である。
(注4)一般歳出は、歳出計から公債費、公営企業繰出金のうち企業債償還費及び水準超経費を控除したものである。
(注5)25年度においては上記の他、復興特会からの繰入6,053億円を財源として、交付税特会において震災復興特別交付税
6,198億円を計上。
- 155 -
○参考指標 1-5-2:地方向け補助金等の全体像
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)経済情勢
政策目標1-1 6.(1)に記載しています(P137参照)。
(2)財政事情
政策目標1-1 6.(2)に記載しています(P138参照)。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
財源における地方の自立性を高めるため、国・地方の財政状況を踏まえつつ、国庫補助
負担金、地方交付税、税源移譲を含めた税源配分の見直しの一体的な改革に向け地方債を
含め検討する必要があり、国・地方の財政の健全化や、地域の自主性及び自立性を高める
ための改革に係る議論等を踏まえて、地方歳出の削減努力、地方交付税の制度改革、地方
間の税源の偏在等、国税・地方税を通ずる諸課題等について必要に応じて総務省と調整を
行っていきます。
平成24年度実績評価書
- 156 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-6〕
○ 政策目標1-6:公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築及びその適正な運営
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
現行の財政・会計に係る制度の基本にある考え方は、①国の財政を処理する権限は国会の議決に基
づいて行使しなければならないこと、②財政の健全性を確保すること、③国の支出は適正かつ公正に
行われなければならないこと、といった点です。
一般会計に限らず特別会計についても、財政に対する国民の信頼向上のために、必要性、有効性、
効率性の観点から、「平成25年度予算編成の基本方針」に基づき、改革に取り組んでいきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 1-6-2:特別会計改革
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 1-6-1:国の財務書類の作成・公表等
[平成24年度実施計画]
国の財政状況に関するストック及びフローの情報の充実を図るため、各府省が作成している省庁
別財務書類の計数を基礎として、国全体の財務状況を開示する国の財務書類を平成15年度分から作
成・公表しているところです。今後も、公表に当たっては、ホームページ(http://www.mof.go.jp
/budget/report/public_finance_fact_sheet/index.htm)も活用して、広く国民に対する情報開示
に努めます。
また、財務省は、各府省の作成する省庁別財務書類について、財務情報の的確な開示が行われる
よう必要な助言等を行います。
さらに、平成23年度から本番運用を行っている財務書類の作成・公表の早期化を図るための「財
務書類作成システム」を適切に運用し、平成25年度予算の審議に活用するために、平成23年度分の
国の財務書類(一般会計・特別会計)を平成25年1月頃に公表できるよう努めます。
「政策別コスト情報の把握と開示について」(平成22年7月財政制度等審議会)に基づいて作成
された「政策別コスト情報」については、平成23年度において、平成21年度分が各府省から作成・
公表されたところですが、今後も的確な情報開示が行われるように必要な助言等を行い、自らの事
業のコスト意識の醸成、経年変化や他事業との比較を通じた効率化への取組促進、国民の行政活動
に関する理解の促進に努めます。
[事務運営の報告]
各省庁が作成した「省庁別財務書類」を基礎として国全体のストックとフローの財務情
報を提供するため、「国の財務書類」(平成22年度分、平成23年度分)を作成し、平成22
年度分については、平成24年5月28日に公表し、平成23年度分については、平成25年1月
29日に公表しました。「国の財務書類」は、従来、対象年度の翌々年度5月以降に公表し
ていましたが、財務書類の作成・公表の早期化等を図るための「財務書類作成システム」
の運用等により、公表時期の早期化が図られました。
また、公表のための説明資料については、財政制度等審議会における議論を踏まえ、国
の資産の見方についての解説や資産や負債などの項目ごとにポイントとなる内容を記載す
- 157 -
るなどの充実を図り、より分かりやすい説明による国民に対する情報開示に努めました。
「特別会計財務書類」については、平成22年度分に引き続き、平成23年度分を会計検査
院の検査を経た上で国会へ提出しました。
各省庁において作成・公表する「省庁別財務書類」及び「政策別コスト情報」について
は、作成上の問題点に対する解決策を提示するなど、財務情報の適切な開示が行われるよ
う必要な助言等を行いました。
この「省庁別財務書類」及び「政策別コスト情報」の理解及び利用を促進するため、わ
かりやすく概要をとりまとめた「政策別コスト情報・省庁別財務書類の概要」を各省庁に
おいて作成・公表することとし、財政制度等審議会で議論いただいた説明資料のひな形を
示すなど、適切な開示が行われるよう必要な助言等を行いました。
○参考指標 1-6-1:国の財務書類及び省庁別財務書類の公表状況(平成24年度)
日付
種 類
平成24年
5月28日
平成25年
1月29日
備 考
国の財務書類(平成22年度分)
説明資料もあわせて作成・公表
国の財務書類(平成23年度分)
平成23年度省庁別財務書類
説明資料もあわせて作成・公表
「特別会計に関する法律」第19
条に基づき、会計検査院の検査
を経て、国会に提出
特別会計財務書類と同時に公表
連結財務書類(平成23年度分)
翌年度内に公表
平成23年度特別会計財務書類
3月29日
(出所)主計局法規課公会計室調
◎業績指標 1-6-1:国の財務書類(一般会計・特別会計)の公表日の推移
種類
公表日
平成20年度
21年度
22年度
23年度
(18年度分) (19年度分) (20年度分) (21年度分)
20.8.22
21.7.24
22.6.25
23.6.28
24年度(22年度分)
(23年度分)
目標
実績
24.5~6頃
24.5.28
25.1頃
25.1.29
(出所)主計局法規課公会計室調
重施
○
策 1-6-2:特別会計改革
[平成24年度実施計画]
特別会計については、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」
(平成18年6月施行)において定められている特別会計の統廃合を盛り込んだ「特別会計に関する
法律」が平成19年4月に施行されました。平成25年1月24日に閣議決定された「平成25年度予算編
成の基本方針」では、更なる特別会計改革の具体的内容と実施時期を定めた「特別会計改革の基本
方針」(平成24年1月24日閣議決定)を当面凍結しつつ、特別会計の見直しについては引き続き検
討し、改革に取り組むこととしており、これに沿って対応していきます。特別会計の改革を行うこ
とは、財政に対する国民の信頼向上のために、必要性、有効性、効率性等の観点から重要と考えら
れることから、本施策を重要施策として位置づけ、今後も推進していきます。
平成24年度実績評価書
- 158 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標1-6〕
[事務運営の報告]
特別会計については、「特別会計に関する法律の一部を改正する法律」(平成24年法律
第15号)に基づき、平成24年度から東日本大震災復興特別会計が時限的に設置されました。
また、「国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関す
る法律等の一部を改正する等の法律」(平成24年法律第42号)の成立に伴い、国有林野事
業特別会計が平成24年度末をもって廃止されました(平成25年度から経過的に国有林野事
業債務管理特別会計を設置)。
平成25年1月24日に閣議決定された「平成25年度予算編成の基本方針」では、「特別会
計改革の基本方針」(平成24年1月24日閣議決定)を当面凍結しつつ、特別会計の見直し
について引き続き検討し、改革に取り組むこととされました。これを受けて、平成25年2
月27日には第1回行政改革推進会議が開催され、特別会計改革に関する議論が始まったと
ころです。
○参考指標 1-6-2:特別会計の数の推移
平成19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
28
21
21
18
17
18
特別会計の数
(出所)主計局法規課調
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:37百万円[23年度予算額:86百万円]
平成24年度において、「財務書類作成システム」の整備に必要な経費等として計上しま
した。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
(1)国の財務書類の作成・公表等
施策1-6-1の記載のとおりです。
(2)特別会計改革
施策1-6-2の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
「4.平成24年度の事務運営の報告」に記載しています。
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 国の財務書類の作成・公表等
「国の財務書類」については、平成23年度分に引き続き、より充実した説明資料も併
せて作成・公表し、国民に対する分かりやすい説明に努め、予算の審議に活用するため
に、翌年度1月頃に公表します。「特別会計財務書類」については、会計検査院の検査
を経た上で国会へ提出します。さらに「省庁別財務書類」についても、各省庁より的確
- 159 -
な財務情報の開示がなされるよう必要な助言等を行います。
また、「政策別コスト情報」を各省庁が作成・公表するにあたって、的確な情報開示
が行われるように必要な助言等を行います。
② 特別会計改革
特別会計については、平成25年1月に閣議決定された「平成25年度予算編成の基本方
針」において、その見直しについて引き続き検討し、改革に取り組むこととしており、
今後、行政改革推進会議における議論も踏まえつつ、適切に対応していきます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
「国の財務書類の作成・公表等」に関して、財務書類作成の充実・強化を図るために必
要な経費の確保に努めます
平成24年度実績評価書
- 160 -
政策目標2:適正かつ公平な課税の実現
重 政策目標2-1:我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に応
○
えるための税制の構築
重 ・2-1-1:我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に応えるため
○
の税制の構築
・2-1-2:税制改正についての広報の充実
○ 政策目標(実績目標)2-2:内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収
○ 政策目標(実績目標)2-3:酒類業の健全な発達の促進
○ 政策目標(実績目標)2-4:税理士業務の適正な運営の確保
(注)政策目標2-2~2-4は、国税庁の実績の評価(平成24年7月から平成25年6月)の実績
目標です。
国税庁の実績の評価については、中央省庁等改革基本法第16条第6項第2号により、「府省
の長は、実施庁の長にその権限が委任された事務の実施基準その他当該事務の実施に必要な準
則を定めて公表するとともに、実施庁が達成すべき目標を設定し、その目標に対する実績を評
価して公表すること」と規定されています。国税庁の事務が事務年度(7月から翌年6月)に
基づいて実施されていることに鑑み、平成24事務年度評価書を平成25年9月末を目途に作成し
公表します。
重 」マークは、重点的に進めるものを示しています。
※「○
- 161 -
- 162 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標2-1〕
重
政策目標2-1:我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に
○
応えるための税制の構築
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
総合目標2において述べたように、「社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成」への
第一歩を踏み出すとともに、我が国の経済・社会構造と内外の環境の変化に対応し、新たな日本
にふさわしい税制を構築することを目指し、社会保障・税一体改革等に関する政府の方針を踏ま
えながら、関係府省と連携しつつ、税制改正や税制の抜本的な改革のための取組を進めます。
なお、以下に掲げる内閣の基本方針を踏まえ、社会保障・税一体改革によって税制の抜本的な
改革に取り組む本目標は、特に重要な取組として推進していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣所信表明演説
第180回、第183回国会 総理大臣施政方針演説
第180回、第183回国会 財務大臣財政演説
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
平成25年度税制改正の大綱(平成25年1月29日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 2-1-1:我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に応
えるための税制の構築
4.平成24年度の事務運営の報告
重 施
○
策 2-1-1:我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に
応えるための税制の構築
[平成24年度実施計画]
税制の企画・立案当局の立場から、地方税を所管する総務省とともに、「公平・中立・簡
素」という税制の基本的な原則を踏まえつつ、国民の安心を支え、経済社会の活力を高め、国
民・納税者の信頼を得ることができる税制の構築に向け、広く税制上の課題に取り組みます。
平成24年度税制改正については、「平成24年度税制改正大綱」(平成23年12月10日閣議決
定)に基づき、特に喫緊の対応を要する、①新成長戦略実現に向けた税制措置、②税制の公平
性確保と課税の適正化に向けた取組み、③平成23年度税制改正における積残し事項への対応を
中心に改正を行うこととする「租税特別措置法等の一部を改正する法律案」を第180回国会に
提出しました。同法律案は、平成24年3月30日に可決・成立し、4月1日から、別段の定めが
あるものを除いて、施行されます。
また、税制の抜本的な改革については、総合目標2に記載しているとおり、社会保障・税一
体改革に関する政府の方針を踏まえながら、関係府省と連携しつつ、取り組んでいきます。
本施策は、上記政策目標を実現するための特に重要な取組として推進していきます。
上記に加えて、東日本大震災からの復旧・復興を支援するための税制措置については、「東
日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」により、現行税制をその
まま適用することが被災納税者の実態等に照らして適当でないと考えられるもの等についての
緊急措置のほか、新規立地新設企業を5年間無税とする措置等の復興特区制度に係る税制措置
などの支援措置を講じています。また、平成24年度税制改正において、原子力災害からの復興
を支援するため、福島復興再生特別措置法(仮称)の制定に伴う復興特区税制の特例措置等を
講じることとしています。
- 163 -
なお、租税特別措置については、要望時において各府省等に対し、「政策の達成目標」の実
現状況など各府省等が行った政策評価の結果を記載した要望書の提出を求め、税制改正案の立
案に向けた各府省等との議論の材料とします。その際、各府省等の要望に関して、①政策目的
と整合的な手段として税制が機能するか、②明確かつ形式的な要件が設定でき税制として成り
立つか、また執行可能であるか、③税制措置により国の歳入にどのような影響を与えるか、な
どの点について検証を行います。
[事務運営の報告]
税制の抜本的な改革では、総合目標2に記載しているとおり、社会保障・税一体改
革の具体化に向けて検討を行い、社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時
に達成することを目指し、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革
を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」を国会に提出しました。当該
法律案は、自由民主党、公明党、民主党の3党の協議・合意を踏まえ、一部修正され、
平成24年8月10日に成立しました。
また、平成25年度税制改正では、現下の経済情勢等を踏まえ、「成長と富の創出の
好循環」の実現、社会保障・税一体改革の着実な実施、震災からの復興の支援等のた
めの税制上の措置として、生産等設備投資促進税制及び所得拡大促進税制の創設、研
究開発税制の拡充、事業承継税制の見直し、所得税の最高税率の見直し、相続税の基
礎控除及び税率構造の見直し等を行うほか、期限切れ租税特別措置の延長等を行うた
め、「所得税法等の一部を改正する法律案」を国会に提出しました。当該法律案は、
平成25年3月29日に成立しました。
(注)なお、同法案については、成立後、一部に改正規定漏れがあり税制改正の大綱等との
間で齟齬を来していることが判明しましたが、政府部内及び与野党での検討を踏まえ、
法律の修正はせず現行の条文の通りに実施するという方針を決定し、その旨を公表し広
報したところです。今後は、一層のチェック体制の強化を図り、再発防止に努めてまい
ります。
租税特別措置については、要望時において各府省等に対し、「政策の達成目標」の
実現状況など各府省等が行った政策評価の結果を記載した要望書の提出を求め、上記
①から③などの点について検証を行い、税制改正案の立案に向けた各府省等との議論
の材料としました。この結果、適用件数が僅少であったものについて、その要因を分
析し、政策や施策の見直しを行う等しました。
施
策 2-1-2:税制改正についての広報の充実
[平成24年度実施計画]
税は国民生活と密接に関わるものであることから、税制に関する広報に積極的に取り組み、
税制全般に対する国民の理解が深まるよう努めます。具体的には、パンフレットの作成・配布、
ホームページを通じた情報提供、全国各地における講演、税制メールマガジンの配信等の広報
活動を行います。
また国際社会に対して積極的な情報発信を行っていく観点から、租税条約に関するプレスリ
リース等の英語版を逐次掲載するなど、英語版ホームページの充実等の広報活動も行います。
税制改正についての広報の充実に関して、以下の業績指標を設定し、財務省ホームページの
税制に関するページへのアクセス件数及び税制メールマガジンの登録者数の増加を目指します。
平成24年度実績評価書
- 164 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標2-1〕
[事務運営の報告]
税制の現状や課題、税制改正の内容等を説明したパンフレットの作成・配布、税制
調査会の議論の財務省ホームページを通じた情報発信、税制改正の内容等についての
説明会への講師派遣など、様々な媒体を活用して広報活動を行いました。
財務省ホームページの税制に関するページへのアクセス件数については、対前年度
比で増加を目標にしておりましたが、年間517,473件(約20%減)でした。今後は国
民の皆様に適切な情報提供ができるよう、今まで以上に広報活動の充実を図ります。
また、税制メールマガジンの登録者数については、対前年度比で増加を目標にして
おりましたが、平成24年度末で26,261人(約4%増)でした。
◎業績指標 2-1-1:財務省ホームページの税制に関するページへのアクセス件数
(単位:件)
平成20年度
アクセス件数
646,822
21年度
22年度
23年度
668,319
623,134
618,450
24年度
目標値
実績値
増加
517,473
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注) 財務省ホームページの税制に関するページ(http://www.mof.go.jp/tax_policy/index.html及
びhttp://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_information.htm)へのアクセス件数。
◎業績指標 2-1-2:税制メールマガジン登録者数
平成20年度
登録者数
21,731
21年度
23,029
22年度
24,178
(単位:人)
23年度
25,248
24年度
目標値
増加
実績値
26,261
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注) 税制メールマガジンの年度末の登録者数。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:168百万円[23年度予算額:169百万円]
平成24年度においては、税制の企画及び立案に必要な経費として、主税局一般事務
費、税制改正関係経費の予算措置を行いました。
平成24年度予算の前年度予算に対する主な減要因は、諸外国の税制に関する調査委
託経費の見直しによるものです。
平成24年度行政事業レビューの点検結果を受けて、平成25年度の概算要求に向けて、
積算単価を見直すことで、更なる経費の効率化に努めました。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
(1)我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に応えるための税
制の構築
施策2-1-1の記載のとおりです。
- 165 -
(2)税制改正についての広報の充実
施策2-1-2の記載のとおりです。
(3)政策評価の活用
施策2-1-1の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
目標を巡る外部要因等の動向は、以下の参考指標のとおりです。
○参考指標 総1-1:一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移(P83に掲載)
○参考指標 総2-1:税収比率の推移(P95に掲載)
○参考指標 総2-2:主要税目(国税)の税収の推移(P96に掲載)
○参考指標 2-1-1:所得・消費・資産等の税収構成比の推移(国税)
(出所)主税局調査課資料(平成25年5月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/013.htm)
(注1)平成9年度までは決算額、平成25年度は当初予算額による。
(注2)所得課税には資産性所得に対する課税を含む。
平成24年度実績評価書
- 166 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標2-1〕
○参考指標 2-1-2:国民負担率の内訳の国際比較
(出所)主税局調査課資料(平成25年5月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/020.htm)
(注1)日本は平成22年度(2010年度)実績、諸外国は、OECD "Revenue Statistics 1965-2011"及び
同 "National Accounts "による。なお、日本の平成25年度(2013年度)予算ベースでは、国民
負担率:40.0%、租税負担率:22.7%、個人所得課税:7.3%、法人所得課税:4.6%、消費課税:
7.1%、資産課税等:3.7%、社会保障負担率:17.3%となっている。
(注2)租税負担率は国税及び地方税の合計の数値である。また所得課税には資産性所得に対する課税
を含む。
(注3)四捨五入の関係上、各項目の計数の和が合計値と一致しないことがある。
(注4)老年人口比率については、日本は2010年の推計値(総務省「人口推計」における10月1日現在
人口)、諸外国は2010年の数値(国際連合 "World Population Prospects: The 2010 Revision
Population Database"による)である。なお、日本の2013年の推計値(国立社会保障・人口問題
研究所「日本の将来推計人口」(平成24年(2012年)1月推計)による)は25.1となっている。
- 167 -
○参考指標 2-1-3:税制改正(内国税関係)による増減収見込額
(出所)主税局総務課資料(平成25年1月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2013/250129taikou.pdf)
(注1)上場株式等に係る配当等の7%軽減税率の適用期限(平成25年12月31日)が到来した後の本則
税率(15%)適用に伴う増収見込額(平年度)は1,710億円である。
(注2)住宅ローン減税の拡充による平年度減収見込額は、平成26年から平成29年までの居住分につい
て改正後の制度を適用した場合の減収見込額の平均と、改正前の制度(平成25年中に居住の用に
供する場合に適用される制度)を適用した場合の減収見込額との差額を計上している。
(注3)※は「日本経済再生に向けた緊急経済対策」に係る項目であり、減収見込額は、平年度▲
3,330億円、初年度▲2,370億円である。
平成24年度実績評価書
- 168 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標2-1〕
○参考指標 2-1-4:個人所得課税の税率の推移
(出所)主税局税制第一課資料(平22年11月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/033.htm)
(注) 昭和62年分の所得税の税率は、10.5、12、16、20、25、30、35、40、45、50、55、60%の12段
階。(住民税(63年度)の最高税率は16%、住民税と合わせた最高税率は76%)
昭和63年分の所得税の税率は、10、20、30、40、50、60%の6段階。(住民税(元年度)の最
高税率は15%、住民税と合わせた最高税率は75%)
○参考指標 2-1-5:個人所得課税の実効税率の国際比較(夫婦子2人(専業主婦)の
給与所得者)
(出所)主税局調査課資料(平成25年1月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/028a.htm)
(注1)本資料においては、統一的な国際比較を行う観点から、諸外国の税法に記載されている様々な
所得控除や税額控除のうち、一定の家族構成や給与所得を前提として実際の税額計算において一
般的に適用されているもののみを考慮して、個人所得課税の実効税率を計算している。従って、
イギリスの勤労税額控除(全額給付)等は計算に含めていない。
(注2)個人所得課税には、所得税及び個人住民税等(フランスでは、所得税とは別途、収入に対して
- 169 -
社会保障関連諸税(一般社会税等)が定率(現在、合計8%)で課されている。)が含まれる。
なお、フランスでは、別途、財政赤字が解消するまでの措置として、一時的に発生した高額所得
に対する所得課税(最高税率4%)を2012年より導入している(上記表中においてはこれを加味
していない)。
(注3)日本においては子のうち1人が特定扶養親族、1人が一般扶養親族、アメリカにおいては子が
17歳以上に該当するものとしている。
(注4)日本の個人住民税は所得割のみである。アメリカの個人住民税の例としては、ニューヨーク州
の個人所得税を採用している。
(注5)アメリカでは、一定の納税者について上記において行った通常の税額計算とは別の方法による
計算を行い、高い方の税額を採用する制度(代替ミニマム税)がある。
(注6)邦貨換算レート:1ドル=81円、1ポンド=130円、1ユーロ=104円(基準外国為替相場及び
裁定外国為替相場:平成24年(2012年)11月中における実勢相場の平均値)
(注7)表中の数値は、給与収入3,000万円、5,000万円及び7,000万円の場合の各国の実効税率である。
なお、端数は四捨五入している。
○参考指標 2-1-6:法人税率の推移
(出所)主税局税制第三課資料(平成25年5月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/082.htm)
(注) 平成24年4月1日から平成27年3月31日の間に開始する各事業年度に適用される税率。
(※) 昭和56年4月1日前に終了する事業年度については年700万円以下の所得に適用。
平成24年度実績評価書
- 170 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標2-1〕
○参考指標 2-1-7:法人所得課税の実効税率の国際比較
(出所)主税局調査課資料(平成25年1月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm)
(注1)上記の実効税率は、法人所得に対する租税負担の一部が損金算入されることを調整した上で、
それぞれの税率を合計したものである。
(注2)日本の地方税には、地方法人特別税(都道府県により国税として徴収され、一旦国庫に払い込
まれた後に、地方法人特別譲与税として都道府県に譲与される)を含む。また、法人事業税及び
地方法人特別税については、外形標準課税の対象となる資本金1億円超の法人に適用される税率
を用いている。なお、このほか、付加価値割及び資本割が課される。上記に加えて、平成24年度
以降の3年間は法人税額の10%の復興特別法人税が課される。
(注3)アメリカでは、州税に加えて、一部の市で市法人税が課される場合があり、例えばニューヨー
ク市では連邦税・州税(7.1%、付加税[税額の17%])・市税(8.85%)を合わせた実効税率
は45.67%となる。また、一部の州では、法人所得課税が課されない場合もあり、例えばネバダ
州では実効税率は連邦法人税率の35%となる。
(注4)イギリスにおける2013年4月からの法人税率は23%である。また、2014年4月より21%、2015
年4月より20%に引き下げることが検討されている。
(注5)フランスでは、別途法人利益社会税(法人税額の3.3%)が課され、法人利益社会税を含めた
実効税率は34.43%となる(ただし、法人利益社会税の算定においては、法人税額から76.3万ユ
ーロの控除が行われるが、前記実効税率の計算にあたり当該控除は勘案されていない)。さらに、
別途、売上高2.5億ユーロ超の企業に対する法人税付加税(法人税額の5%)を2012年より導入
している(2年間の時限措置)。なお、法人所得課税のほか、国土経済税(地方税)等が課され
る。
(注6)ドイツの法人税は連邦と州の共有税(50:50)、連帯付加税は連邦税である。なお、営業税は
市町村税であり、営業収益の3.5%に対し、市町村ごとに異なる賦課率を乗じて税額が算出され
る。本資料では、連邦統計庁の発表内容に従い、賦課率392%(2011年の全ドイツ平均値)に基
づいた場合の計数を表示している。
(注7)中国の法人税は中央政府と地方政府の共有税(原則として60:40)である。
(注8)韓国の地方税においては、上記の地方所得税のほかに資本金額及び従業員数に応じた住民税
(均等割)等が課される。
- 171 -
○参考指標 2-1-8:国民所得に占める消費課税(国税・地方税)の割合
(参考)国内総生産に占める消費課税・付加価値税(消費税)の割合(%)
日 本
イギリス
ドイツ
フランス
消費課税
5.2
10.9
10.8
10.9
アメリカ
4.5
内 付加価値税等
2.6
6.5
7.2
7.3
2.0
(出所)主税局調査課資料(平成25年5月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/101.htm)
(注) 日本は平成22年度(2010年度)実績。諸外国はOECD"Revenue Statistics 1965-2011"及び同
"National Accounts "による。
平成24年度実績評価書
- 172 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標2-1〕
○参考指標 2-1-9:付加価値税率(標準税率)の国際比較
(出所)主税局調査課資料(平成25年1月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/102.htm)
(注1)日本の消費税率5%のうち1%相当は地方消費税(地方税)である。
(注2)カナダにおいては、連邦の財貨・サービス税(付加価値税)の他に、ほとんどの州で州の付加
価値税等が課される(例:オンタリオ州 8%)。
(注3)アメリカは、州、郡、市により小売売上税が課されている(例:ニューヨーク州及びニューヨ
ーク市の合計 8.875%)。
(注4)各国大使館聞き取り調査、欧州連合及び各国政府ホームページ等による。
○参考指標 2-1-10:最近における相続税の主な改正
- 173 -
(出所)主税局税制第一課資料(平成25年5月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/143.htm)
(注1)基礎控除の( )内は、法定相続人が3人(例:配偶者+子2人)の場合の額である。
(注2)課税割合は、課税件数/死亡者数であり、負担割合は、納付税額/合計課税価格である。
(注3)合計課税価格とは、小規模宅地の特例による減額等を行った後、基礎控除を差し引く前の課税
対象財産の価格である。
○参考指標 2-1-11:主要諸外国の相続税の負担率
(出所)主税局調査課資料(平成25年1月作成)
(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/149.htm)
(注1)配偶者が遺産の半分、子が残りの遺産を均等に取得した場合である。
(注2)フランスでは、夫婦の財産は原則として共有財産となり、配偶者の持分は相続の対象ではない
が、比較便宜のため、課税価格に含めている。
(注3)フランスでは、2012年第2次修正予算法における税制改正により、2012年8月17日以降の相続
について、直系血族に係る基礎控除額が159,325ユーロ(1,657万円)から100,000ユーロ(1,040
万円)に引き下げられた。
(注4)ドイツでは、死亡配偶者の婚姻後における財産の増加分が生存配偶者のそれを上回る場合、生
存配偶者はその差額の2分の1相当額が非課税になる(ここでは、配偶者相続分の2分の1とし
ている)。
(注5)アメリカでは、2010年に遺産税は一旦廃止されたが、2011年に、基礎控除500万ドル(4億
円)、最高税率35%で復活した。当該措置は2012年までの時限措置であったところ、2013年以降
については、
2012年米国納税者救済法により、基礎控除500万ドル(4億円)は維持しつつ最高税率を40%
へ引き上げることとされた。
(注6)邦貨換算レート:1ドル=81円、1ポンド=130円、1ユーロ=104円(基準外国為替相場及び
裁定外国為替相場:平成24年(2012年)11月中における実勢相場の平均値)。なお、端数は四捨五
入している。
平成24年度実績評価書
- 174 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標2-1〕
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
①
我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に応えるための
税制の構築
年度改正等の税制については、我が国の経済・社会の構造変化に対応し、我が国
の喫緊の課題に応えるため、各年度の税制改正作業等に取り組みます。
②
税制改正についての広報の充実
税の意義・役割、税の使途、税制の現状と課題、税制改正の内容など、税制全般
に対する国民の理解・納得が深まるよう、幅広い媒体を活用し、広報活動の一層の
充実を図ります。
③
政策評価の活用
租税特別措置を含めた税制改正を行うに当たって、要望時において各府省等に対
し、「政策の達成目標」の実現状況など各府省等が行った政策評価の結果を記載し
た要望書の提出を求め、税制改正案の立案に向けた各府省等との議論の材料としま
す。
(2)平成26年度予算要求等への反映
我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に応えるための税
制の構築に向け、税制の企画・立案体制を整備するとともに、税制に関する調査研究
や広報の一層の充実等に必要な経費を確保するよう努めます。
- 175 -
- 176 -
政策目標3:国の資産・負債の適正な管理
○ 政策目標3-1:国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑制
重 ・3-1-1:市場のニーズ・動向等を踏まえた国債発行
○
・3-1-2:適切な債務管理
・3-1-3:国債市場の流動性維持・向上
・3-1-4:市場との対話等
・3-1-5:保有者層の多様化
・3-1-6:国債に係る広報・広告の充実
○
政策目標3-2:財政投融資の対象として必要な事業を実施する機関への資金供給の確保と
重点化・効率化及びディスクロージャーの徹底
重 ・3-2-1:社会経済情勢等に応じた財政投融資計画の編成
○
・3-2-2:財政投融資対象機関に対する適切な審査
・3-2-3:政策評価の活用
・3-2-4:貸付金の確実な回収とALMの充実等による財務の健全性の確保
・3-2-5:財政投融資のディスクロージャーの徹底
・3-2-6:政策コスト分析の充実
・3-2-7:財政投融資対象機関に対する実地監査等の充実
○ 政策目標3-3:国有財産の適正な管理及び有効活用等と情報提供の充実
・3-3-1:行政財産等の監査と使用調整等の推進
重 ・3-3-2:未利用国有地等の有効活用の促進
○
・3-3-3:事務の効率化及び外部委託の活用などによる普通財産(土地、政府保有
株式等)の管理及び処分の適正かつ迅速な事務処理
・3-3-4:国有財産の現在額等の的確な把握と情報提供の内容及びその手段の充実
○ 政策目標3-4:庁舎及び宿舎の最適化の推進
重 ・3-4-1:「国家公務員宿舎の削減計画」の実施
○
・3-4-2:庁舎及び宿舎の長寿命化等の推進
・3-4-3:特定国有財産整備計画による庁舎等の効率的な整備の推進
○ 政策目標3-5:国庫金の正確で効率的な管理
重 ・3-5-1:国庫収支の調整による国庫金の効率的な管理
○
・3-5-2:国庫金の出納事務の正確性の確保
・3-5-3:国庫収支に関する情報提供
重 」マークは、重点的に進めるものを示しています。
※「○
- 177 -
- 178 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-1〕
○ 政策目標3-1:国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑制
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
我が国の財政は、過去に例を見ない厳しい状況にあり、今後も大量の国債発行が見込まれています。
国債発行当局としては、
① 確実かつ円滑な国債発行により、必要とされる財政資金を確実に調達するとともに、
② 中長期的な調達コストを抑制していくことによって、円滑な財政運営の基盤を確保する、
という基本的な考え方に基づき、国債管理政策を運営していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 財務大臣財政演説
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 3-1-1:市場のニーズ・動向等を踏まえた国債発行
4.平成24年度の事務運営の報告
重 施
○
策 3-1-1:市場のニーズ・動向等を踏まえた国債発行
[平成24年度実施計画]
国債発行については、市場のニーズ・動向等を踏まえ平成23年12月に策定した平成24年度国債発
行計画に沿って発行し、必要とされる財政資金を確実に調達します。
今後、平成24年度中の財政需要の変更や市場の状況等を踏まえ、必要に応じ、年度の途中でも発
行計画を機動的かつ柔軟に見直します。
また、平成25年度国債発行計画の策定にあたっても、中長期的な調達コストを抑制しつつ、確実
かつ円滑に国債が発行できるよう、市場のニーズ・動向等を踏まえ、国債の発行年限のバランスの
とれた計画を策定します。
[事務運営の報告]
国債発行計画については、上記の国債管理政策の基本的考え方に沿って、細心の注意を
払って策定する必要があり、このため、
「国債市場特別参加者会合」等の各種懇談会を通じ
た市場との対話により、市場のニーズ・動向等をきめ細かく把握するとともに、償還が将
来の特定の年に集中することを回避する等の国債管理政策上の必要性を踏まえて国債発行
計画を策定しました。
毎月の入札による利付国債の市中発行は、例年、年度当初から建設国債、特例国債、財
投債、借換債を混合して発行していますが、平成24年度においては、特例公債法案の成立
が11月16日まで遅れたため、同法案成立施行までの間は特例国債以外の国債を先行して発
行することにより、平成24年度国債発行計画における毎月の入札による市中発行額を維持
し、
市場に悪影響を及ぼすことなく、
年度を通じて必要な財政資金を確実に調達しました。
また、特例公債法案の成立が遅れる中、市場参加者からの要請に基づき、10月26日に臨時
の「国債市場特別参加者会合」を開催するなど、同法案の成立遅延が市場に与える影響に
ついて市場参加者の意見の把握に努めました。
- 179 -
国債発行計画は、市場に対し、今後1年間の国債発行予定を明示し、市場の予見可能性、
安定性を高める役割を果たしていますが、補正予算で要調達額に変更があった場合や、市
場のニーズ・動向等が変化した場合には、市場と対話しつつ、機動的かつ柔軟に見直すこ
とが必要です。平成24年度においても、補正予算の編成等に伴い、国債発行計画を変更し
ました。
平成24年度補正後計画(平成25年1月15日公表)では、年金特例国債2.6兆円の発行、建
設国債5.5兆円の増発等を行いましたが、出納整理期間発行を活用することにより、入札に
よる市中への発行額の増額を0.6兆円に抑えるとともに、
市場のニーズを踏まえた年限構成
による増発を行うことで、市場への影響を極力抑制しました。具体的には、5年債を0.2
兆円、10年債を0.4兆円増額しました。
平成25年度当初計画(平成25年1月29日公表)では、建設国債・特例国債・年金特例国
債・復興債・借換債・財投債を合わせた国債発行総額は170.5兆円となり、対前年度当初比
で3.7兆円の減額となりましたが、このうち、国債発行総額の大宗を占めている毎月の入札
による市中への発行額(カレンダーベース市中発行額)は5年連続で増加し過去最大とな
る156.6兆円(前年度当初比+6.9兆円)となりました。
銘柄別の増減を見ると、24年度当初計画と比べて2年債、5年債、10年債及び30年債を
増額しました。2年債については、平成25年4月以降、毎月0.2兆円増額し、2.4兆円の増
額としました。5年債及び10年債については、24年度補正後計画の水準を維持することと
した結果、24年度当初計画と比べて5年債は2.4兆円、10年債は1.2兆円の増額となりまし
た。カレンダーベース市中発行額が過去最大となる中で、24年度補正予算に伴う2月から
の増発と合わせ、発行年限のバランスのとれた増発を行うことで、市場への影響を極力抑
制しました。
30年債については、生保等の長期運用ニーズを踏まえ、現在の年間8回発行から、毎月
発行に移行し、市場を育成することとしました。物価連動債については、償還時の元本保
証を設けた新たな商品性により発行を再開します。具体的な再開時期等については市場関
係者を交え検討することとしました。なお、カレンダーベース市中発行分の平均償還年限
は前年度当初計画より着実に長期化し、7年11か月となりました。
これらの発行額の設定に当たっては、
「国債市場特別参加者会合」や「国債投資家懇談会」
等の場を通じ、市場のニーズ・動向等を踏まえて行いました。こうした取組について、市
場関係者からは、市場における各年限の消化余力を見極めてネガティブ・サプライズの回
避に成功した等の評価を受けたところです。
○参考指標 3-1-1:カレンダーベース市中発行額の平均償還年限の推移
平均償還年限
平成21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
7年3か月
7年7か月
7年9か月
7年10か月
7年11か月
(出所)
「カレンダーベース市中発行額の平均償還年限」
(理財局国債企画課)
(http://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2013/gaiyou13.pdf)
(注) 平成24年度までは実績、25年度は当初計画ベース。
平成24年度実績評価書
- 180 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-1〕
施
策 3-1-2:適切な債務管理
[平成24年度実施計画]
適切な債務管理を行うため、平成24年度においても引き続きコスト・アット・リスク分析を活用
した定量的なリスクの把握を行うこととしています。
国債整理基金特別会計においても、
「特別会計改革の基本方針」における特別会計改革の工程表に
基づき、同特別会計に関する情報の透明性の向上等に努めます。
[事務運営の報告]
平成24年度においてもコスト・アット・リスク分析の手法を用いて金利変動リスクを定
量的に分析・把握し、国債発行計画を検討する上での一つの参考としました。
また、従来、国債整理基金残高により備えてきたオペレーショナル・リスク(大規模災
害やシステム障害等により借換債発行ができない事態)に対しては、日本銀行と協議した
結果、同行からの一時借入による対応が可能となったことから、平成25年度国債発行計画
においては、基金残高を当該一時借入の対象外である国債入札の偶発的な未達に備えた水
準まで圧縮し、圧縮分は国債償還に充て借換債の発行を抑制することにより、利払費の抑
制に努めることとしました。
(基金残高見込み 平成24年度末10.2兆円→平成25年度末3兆
円)
施
策 3-1-3:国債市場の流動性維持・向上
[平成24年度実施計画]
国債の大量発行が続く中、国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑制の観点か
ら、国債市場の流動性の維持・向上を後押しする施策を行うことは重要な課題と考えています。
国債市場の流動性の維持・向上を図る観点から、平成24年度においては、流動性供給入札につい
ては、平成23年度の1回当たりの規模を維持しての実施を継続することとしています(総額7.2兆円。
具体的な実施方法は、四半期毎に市場の状況を見ながら決定)
。
また、市中からの買入消却については、
「特別会計改革の基本方針」における特別会計改革の工程
表に基づき、オペレーショナル・リスクの観点を踏まえつつ国債整理基金残高を活用した買入消却
を総額3兆円程度実施する予定です(具体的な実施方法は、これまでの買入消却と同様、四半期毎
に市場の状況を見ながら決定)
。
[事務運営の報告]
国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コスト抑制のため、国債市場の流動性の
維持・向上を主眼に、平成24年度には、四半期毎の国債市場特別参加者会合等の場を通じ
た市場との対話を踏まえて、以下の施策を実施しました。
流動性供給入札については、平成23年度の1回当たりの規模を維持して、総額7.2兆円程
度の実施を継続しました。
市中からの買入消却については、需給が悪化している物価連動債及び変動利付債に重点
をおいて、国債整理基金残高等を活用し、総額2.7兆円実施しました。
施
策 3-1-4:市場との対話等
[平成24年度実施計画]
市場参加者との定期的かつオープンな対話を通じ、当局の施策を適時・的確に市場に発信するこ
と、市場のニーズや動向を的確に把握することは、国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達
コストの抑制のために重要です。こうした観点から、
「国債市場特別参加者会合」や「国債投資家懇
- 181 -
談会」等を引き続き開催し、市場参加者との意見交換を行うとともに、中長期的な視点から、国債
管理政策を中心とする国の債務管理について高い識見を有する民間人等から意見・助言等を伺うべ
く、
「国の債務管理の在り方に関する懇談会」を引き続き開催します。
また、公的債務全体の現状や政策を概観する「債務管理リポート」を平成24年度も発行し、国債
管理政策の透明性の向上等を図ります。
さらに、国債発行当局としては、入札の結果発表等を確実かつ速やかに行うことで、市場参加者
の予測可能性を高めることに努めます。
こうした観点から、以下の業績指標を設定しており、必要な財政資金を確実に調達するとともに、
市場参加者の予測可能性を十分に確保するよう努めます。
[事務運営の報告]
「国債市場特別参加者会合」や「国債投資家懇談会」を定期的に開催したほか、施策3-1-1
で記載したとおり、特例公債法案の成立が遅れる中において、市場参加者からの要請に基
づき、10月26日に臨時の「国債市場特別参加者会合」を開催するなど、市場関係者や投資
家、民間有識者等ときめ細かく意見交換を行いました。
なお、国の債務管理の在り方に関する懇談会については、平成21年度に「国債管理政策
の現状と課題」
についての論点整理を行い、
平成22年度にそのフォローアップを行った後、
大きな状況の変化もなかったこと等から、平成24年度においては開催しておりません。
また、平成23年度に引き続き、公的債務全体の現状や政策を概観する「債務管理リポー
ト」
(http://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2012/index.htm
l)を発行しました。
さらに、財政運営のために必要とされる資金を、確実かつ円滑に確保し、資金調達事務
を効率的かつ機動的に行うとともに、入札予定や発行予定の事前公表や入札の結果発表等
を確実かつ速やかに行うことで、市場参加者の予測可能性を高めることに努めました。
平成24年度においては、日本銀行のシステムトラブル(1件)及び入札参加者のミスに
起因する事務トラブル(1件)により、当日所定の時刻に公表できなかった事例があった
ため、入札の結果発表を当日所定の時刻に行った割合が99.1%となりました。
入札時にトラブルが発生した場合にも適時に適切な対応ができるよう、担当業務の理解
の深化を目的とした研修・勉強会を実施するとともに、入札事務における確認体制の強化
を図りました。
◎業績指標 3-1-1:国債関係の定期的な懇談会等の開催状況
平成
会合名
21年度 22年度
20年度
23年度
24年度
目標値 実績値
○
×
国の債務管理の在り方に関する懇談会
○
○
○
×
国債市場特別参加者会合
○
○
○
○
○
○
国債投資家懇談会
○
○
○
○
○
○
国債トップリテーラー会議
○
○
○
○
○
○
(出所)理財局国債企画課調
(参考)平成24年度においては、国債市場特別参加者会合を7回、国債投資家懇談会を6回、国債トップリテ
ーラー会議を2回開催した。
平成24年度実績評価書
- 182 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-1〕
◎業績指標 3-1-2:入札の結果発表を当日所定の時刻に行った割合
平成20年度
入札回数 (a)
うち入札の結果発
表を所定の時刻に
行った回数(b)
割合(%) (b)/(a)
21年度
22年度
23年度
(単位:回、%)
24年度
目標値
実績値
227
227
209
216
217
222
209
216
217
221
227
225
100.0
100.0
100.0
99.5
100.0
99.1
(出所)理財局国債業務課調
(注1)国債(割引短期国債は除く)の入札結果発表は、入札当日の午後0時45分頃(それ以前は午後1時頃)
に実施。
(注2)国庫短期証券(平成21年2月より割引短期国債及び政府短期証券統合発行)の入札結果発表は、入札当
日の午後0時35分頃(それ以前は午後0時40分頃)に実施。
(注3)借入金等の入札結果発表は、入札当日の午後1時頃(それ以前は午後1時30分頃)に実施。
(注4)平成23年度において、入札の結果発表を当日所定の時刻に公表できなかった理由は、財務省ホームペー
ジのシステムトラブル(1件)。
(注5)平成24年度において、入札の結果発表を当日所定の時刻に公表できなかった理由は、日銀のシステムト
ラブル(1件)、入札参加者のミスに起因する事務トラブル(1件)。
◎業績指標 3-1-3:
「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」を所定の時期に公表した
割合
(単位:%)
24年度
平成20年度 21年度
22年度
23年度
目標値
実績値
前年度
○
○
○
○
○
○
第4四半期分
第1四半期分
○
○
○
○
○
○
第2四半期分
○
○
○
○
○
○
第3四半期分
○
○
○
○
○
○
割 合
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(出所)理財局国債企画課調
(注) 各四半期末時点における国債及び借入金並びに政府保証債務現在高は、当該四半期終了後1ヶ月半以内
に公表。
施
策 3-1-5:保有者層の多様化
[平成24年度実施計画]
投資家等の多様なニーズに応じられるように国債の商品性の多様化を進めることや、国債の保有
者層の多様化を進めることで、国債がより安定的に消化されるように努めます。
個人投資家については、平成24年度発行計画においては、個人向け国債の発行予定額を2.5兆円に
するとともに、新型窓販による発行予定額を0.5兆円としているところであり、引き続きこれらの商
品性の理解・浸透に努めます。
平成24年度においては、東日本大震災からの復興に向けた施策のために必要となる資金を国民の
皆様から幅広くお寄せいただけるよう、平成23年度に引き続き「個人向け復興国債」を販売するこ
ととしています。また、これに加えて、平成24年度より新しい商品として「個人向け復興応援国債」
を募集します。この「個人向け復興応援国債」は、東日本大震災からの復興を応援する観点から、
当初の3年間は通常より低い金利(個人向け国債の下限金利である0.05%)で復興資金を提供して
いただける方を募るものであり、これをご購入いただき100万円以上の資金を3年間提供していただ
いた方々に対して、集中復興期間の最終年度である平成27年度に発行する「東日本大震災復興事業
記念貨幣」を贈呈することとしています。
さらに、取扱機関と当局との間で相互に意見を交換する場として「国債トップリテーラー会議」
の開催、ホームページ上での個人向け国債等販売上位機関の公表(http://www.mof.go.jp/about_m
of/councils/meeting_of_jgbtr/index.html)等を行うことにより、個人投資家の国債保有促進に努
- 183 -
めます。
海外投資家については、平成24年度においても、既存のネットワークを通じた情報提供を継続す
るとともに、新たな海外IRの展開に当たっては、個別投資家訪問を中心に行い、きめ細かく投資
家ニーズ等の把握に取り組んでいくことにより、引き続き日本国債の保有促進に努めていくことと
しています。
生保等の機関投資家については、金融機関の中でも長期安定投資家として位置付けられます。平
成24年度においては、これらの機関投資家の長期運用ニーズの増大を踏まえ、中長期的な借換リス
クの低減に配慮して、10年債・20年債の発行額を合わせて年間2.4兆円増加することとします。
[事務運営の報告]
現在、我が国の財投債を含む国債残高は800兆円を超えており、他の部門や諸外国と比較
して、相対的に国債の保有割合の低い個人や海外部門を含め、幅広い層に国債を保有して
頂くことにより、このように大量に発行されている国債の安定消化を図ることが重要な課
題となっているところです。
我が国の国債保有構造を見ると、銀行等の市中金融機関の保有割合が高く、個人や海外
投資家の保有割合が低い状況にあり、市場の状況が変化した場合に、市場参加者の取引が
一方向に流れがちな傾向にあるとの指摘があります。
国債の保有者層を多様化すれば、様々な市場の見方や投資スタンスに基づいた国債取引
が行われ、国債市場の安定化に資すると考えられることから、個人や海外投資家の保有割
合を高めるなど保有者層の多様化に取り組んできたところです(家計の保有割合:平成14
年度末2.1%、平成24年度末2.5%。海外の保有割合:平成14年度末3.6%、平成24年度末
8.4%。
)
。
生保等の機関投資家については、金融機関の中でも長期安定投資家として位置付けられます。
平成24年度中に策定した平成25年度国債発行計画においては、これらの機関投資家の長期運用
ニーズの増大や良好な需要環境を踏まえ、中長期的な借換リスクの低減にも配慮して、平成24
年度当初計画と比べて10年債及び30年債の発行額を合わせて年間2.4兆円増加しました。
個人投資家については、平成24年度において、平成23年度に引き続き「個人向け復興国
債」を発行したほか、新たに「個人向け復興応援国債」を発行しました。「個人向け復興
応援国債」は、当初3年間は通常より低い金利が適用され、購入者には3年目の残高に応
じて平成27年度に発行する「東日本大震災復興事業記念貨幣」を贈呈するものです。また、
施策3-1-6でも記載しますが、イメージ・キャラクターに著名人を起用するなど、
「個人向
け復興国債」及び「個人向け復興応援国債」の一層の販売促進に努めました。一方で、復
興債の購入に対する個人のニーズに一巡感があることや金利低下等の影響により、足元で
は個人向け販売が低迷しています。そのため、
「国債トップリテーラー会議」等を通じ、引
き続き個人投資家に対する販売促進に取り組んでいます。このほか、前年度と同様、取扱
機関の販売ランキングの公表を行いました。
海外投資家については、平成24年度において、北米地域、中東地域、欧州地域及びアジア
地域で、70件程度の投資家を訪問し、日本国債や日本経済・財政状況等について、海外投資
家に対して直接説明を行いました。さらに、訪日した海外投資家との面談、メール、電話会
議等を活用しながら、積極的に情報発信を行うことで、日本の国債管理政策等についての正
確な理解を促すとともに、海外投資家とのネットワークの構築・維持に努めました。
平成24年度実績評価書
- 184 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-1〕
○参考指標 3-1-2:国債の所有者別内訳の推移
所
有
者
平成20年度末
一般政府
21年度末
(単位:億円)
22年度末
23年度末
24年度末
割 合
164,921
132,029
251,566
142,868
151,271
1.6%
公的年金
804,222
763,089
726,306
691,495
629,929
6.5%
財政融資資金
90,896
13,861
8,056
8,795
44,034
0.5%
日本銀行
651,151
740,237
784,458
889,508
1,278,814
13.2%
5,135,714
5,631,416
5,936,689
6,269,318
6,353,887
65.6%
海外
555,293
463,619
617,872
766,024
815,479
8.4%
家計
360,155
343,876
311,209
276,729
242,126
2.5%
その他
199,302
217,731
125,590
155,783
175,687
1.8%
7,961,654
8,305,858
8,761,746
9,200,520
9,691,227
100.0%
(除く公的年金)
市中金融機関
合
計
(出所)
「資金循環統計」
(平成25年6月日本銀行作成)を基に、理財局国債企画課で集計。
施
策 3-1-6:国債に係る広報・広告の充実
[平成24年度実施計画]
国債の安定消化を確保する等の観点から、国債市場や国債管理政策についての透明性を高め、積
極的にホームページ等を通じた情報発信や広報活動に努めます。具体的には、
「債務管理リポート」
(日本語版、英語版)を年一回発行するなど、国内の主要金融機関、海外の在外公館等を通じて、
我が国の国債市場や国債管理政策についての情報を発信していきます。
また、テレビCMや新聞広告など様々な媒体による広告展開を図り、個人向け復興国債や平成24年
度から新たに発行する個人向け復興応援国債の一層の周知に努めます。
[事務運営の報告]
平成24年度の国債広告では、復興応援国債の保有者に贈呈される東日本大震災復興事業
記念貨幣を周知するためのリーフレットを作成するとともに、イメージ・キャラクターと
して複数名の著名人を起用するなど、
「個人向け復興国債」及び「個人向け復興応援国債」
の一層の周知に努めました。
こうした努力の結果、下記のとおり、国債等に関する情報のホームページへのアクセス
件数と個人向け国債のホームページへのアクセス件数の合計については減少したものの、
個人向け国債お知らせメールの登録者数については、平成24年度末時点で22,633件と平成
23年度と比較して増加しました。
◎業績指標 3-1-4:国債関係の定期的な公表資料の公表状況
作成頻度
平成
20年度
21年度
22年度
23年度
債務管理リポート(日)
年1回
○
○
○
債務管理リポート(英)
年1回
○
○
日本国債ニュースレター(日) 年4回
○
日本国債ニュースレター(英) 年4回
○
- 185 -
24年度
目標値
実績値
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
国債統計年報
割
年1回
○
合
○
100.0%
○
100.0% 100.0%
○
○
○
100.0%
100.0%
100.0%
(出所)理財局国債企画課調
○参考指標 3-1-3:国債等に関する情報のホームページへのアクセス件数と個人向け国債
ホームページへのアクセス件数の合計
平成20年度
21年度
2,120,650
1,844,323
国債関連のホームページ
へのアクセス件数
(単位:件)
22年度
23年度
24年度
1,826,949
1,231,962
721,512
(出所) 大臣官房文書課広報室調
(注1) 財務省ホームページ内に開設している「国債等に関する情報」
(http://www.mof.go.jp/jgbs/index.html)
と「個人向け国債」
( http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/)へのアクセス件数の合計。
(注2) 平成23年度実績値が減少した主な要因として、平成23年3月の財務省ホームページのリニューアルの際
に、掲載期間を設定し、掲載から一定期間が経過したページを削除したことが考えられる。
○参考指標 3-1-4:個人向け国債お知らせメールの登録者数
平成20年度末
登録者数
21年度末
21,530
22,571
22年度末
(単位:件)
23年度末
21,723
22,580
24年度末
22,633
(出所)大臣官房文書課広報室調
政策目標に係る予算額:平成24年度一般会計予算額:20,555,874百万円
[23年度予算額:20,269,407百万円(復興債分を含む)
]
平成24年度国債整理基金特別会計予算額:195,705,379百万円
[23年度予算額:195,877,652百万円]
平成24年度東日本大震災復興特別会計予算額:1,035,138百万円
平成24年度における主な施策として、国債の償還・利払い・事務手数料、国債の円滑な発
行を図るための国庫事務電算化システムの運用等に使用するための経費等があげられます。
予算の増減要因の主なものは、一般会計においては、国債の償還に必要な経費の増加、
国債整理基金特別会計においては、国債の利払いに必要な経費の減少となっています。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
(1)市場のニーズ・動向等を踏まえた国債発行計画の策定
施策3-1-1、施策3-1-2及び施策3-1-4の記載のとおりです。
(2)国債市場の流動性維持・向上
施策3-1-3の記載のとおりです。
(3)保有者層の多様化
施策3-1-5の記載のとおりです。
(4)国債に係る広報・広告の充実
施策3-1-6の記載のとおりです。
平成24年度実績評価書
- 186 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-1〕
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)国債残高の推移
国債の発行額は、近年、増加を続けており、平成24年度末の普通国債発行残高は712.7
兆円と、国債発行残高は増加し続けています。
○参考指標 3-1-5:国債残高の推移
(兆円)
800
750
750
復興債残高
713
11
700
670
650
636 11
248
12
256
251
594 246
600
527 532
550
499
500
247 243
541 546
238
237 225
457 241
481
450
421 226
392
400
368
222
411
216
245
250
225
207
200
150
100
71
82
56
50
0
0
356
295 197
300
1
2
2
2
3
4
6
8
10
15
13
22
17
32
43
42
193
158
178
166 172
142
157 161
131
145 152
116
134
102 108
122
91 97
110
81 87
96
75
69
63
56
49
35
22 28
15
10
21 28
33
40
47
53
59
64
65
65
64
65
40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 502 515 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2
64
63
61
64
67
3
4
5
6
7
390
4条公債残高
332 209
350
451
321
305
258 187
280
175
288
258
168
231
199
176
158
134
108
77
83
8
9
特例公債残高
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
(年度末)
(注1)公債残高は各年度の3月末現在額。ただし、平成24年度末は補正後予算案に基づく見込み、平成25年度末は政府案に基づく見込み。
(注2)特例公債残高は、国鉄長期債務、国有林野累積債務等の一般会計承継による借換国債、臨時特別公債、減税特例公債及び年金特例公債を含む。
(注3)東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一般会計において、平成24年度以降は東日本大震災復興特別会計において負担)
を公債残高に含めている(平成23年度末で10.7兆円、平成24年度末で11.2兆円、平成25年度末で12.2兆円)。
(注4)平成25年度末の翌年度借換のための前倒債限度額を除いた見込額は730兆円程度。
○参考指標 3-1-6:普通国債残高の満期構成(2013年3月末時点)
(出所)理財局国債企画課調
- 187 -
(2)国債金利の推移
平成23年夏頃から、長期金利は1%前後で推移していましたが、平成24年4月以降、欧
州債務問題等によるリスクオフの流れから日本国債が買われ、
長期金利は0.7%台に低下し
ました。年末には、円安を好感した株高等を背景に長期金利は一時0.8%まで上昇しました
が、平成25年1月以降、日本銀行の更なる金融緩和期待等により再び低下し、年度末には
0.56%まで低下しました。
○参考指標 3-1-7:10年新発債利回りの推移
(出所)10年新発債利回り(日本相互証券)を基に、理財局国債業務課で作成。
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
我が国の財政は、過去に例を見ない厳しい状況にあり、今後も大量の国債発行が見込まれ
ています。国債発行当局として確実かつ円滑な国債発行により、必要とされる財政資金を確
実に調達するとともに、中長期的な調達コストを抑制していくことによって、円滑な財政運
営の基盤を確保するという基本的な考え方に基づき、国債管理政策を運営していきます。
① 市場のニーズ・動向等を踏まえた国債発行
国債発行計画の策定に当たっては、国債管理政策上の必要性と市場のニーズ・動向等
を踏まえ、国債の発行年限のバランスのとれた発行額を設定する必要があります。
平成25年度においても、
「国債市場特別参加者会合」や「国債投資家懇談会」等の場を
通じた市場との対話をきめ細かく行います。また、コスト・アット・リスク分析の手法
平成24年度実績評価書
- 188 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-1〕
を用いた金利変動リスクを引き続き定量的に分析・把握し、国債発行計画を検討する上
での一つの参考とします。
② 国債市場の流動性維持・向上
国債発行当局として、市中からの買入消却や流動性供給入札など、国債市場の流動性
向上に向けた施策を実施しており、また、我が国の国債市場が高い流動性を有すること
は、市場参加者の求めるところでもあります。平成25年度においても、引き続き、
「国債
市場特別参加者会合」等の場を通じた市場との対話を踏まえながら、国債市場の流動性
維持・向上に向けたこれらの取組を進めます。
③ 円滑な国債入札の実施に向けた対応
入札時にトラブルが発生した場合の対応については、予め定められた手順に沿って適
時に適切な対応を行うことにより、円滑な国債入札の実施に努めます。
④ 保有者層の多様化
個人投資家については、復興債の購入に対する個人のニーズに一巡感があることや金
利低下等の影響により、足元では個人向け販売が低迷しています。そのため、「国債ト
ップリテーラー会議」での市場関係者からの意見を踏まえ、今後の個人向け国債の販売
促進の観点から、発行月について、すべての個人向け国債を、3年債同様毎月発行とす
ることの検討を進めるなど、
引き続き個人の国債保有の促進に向けた取組みを行います。
海外投資家については、
日本国債や日本経済・財政等に関する海外投資家の正しい理解
を促し、そうした投資家とのネットワークを構築・維持するほか、直接投資家を訪問す
る以外にも、メール、電話会議等を活用しつつ、より一層積極的なコミュニケーション
に努めます。
⑤ 国債に係る広報・広告の充実
平成25年度においても、国債の安定消化を確保する等の観点から、国債市場や国債管
理政策についての透明性を高めるため、積極的にホームページ等を通じた情報発信や広
報活動に引き続き努めます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
これからも引き続き、国債の確実かつ円滑な発行・償還のために必要な経費の確保に努
めます。
- 189 -
○ 政策目標3-2:財政投融資の対象として必要な事業を実施する機関への資金供給の確保と
重点化・効率化及びディスクロージャーの徹底
1.
「政策の目標」に関する基本的考え方
財政投融資は、財投債(国債)の発行などにより調達した資金を財源として、政策金融機関・独立
行政法人等や地方公共団体に対し、政策的な必要性はあるものの、民間では対応が困難な長期・低利
の資金供給や大規模・超長期プロジェクトへの資金供給を行うものです。また、補助金等の予算措置
とは異なり、利用料収入が見込まれる等、将来のリターンを前提としている点に特徴があります。
財政投融資の資金を、どのような事業に、どの程度供給するかについては、必要な事業への資金供
給を確保しつつ、国民のニーズや社会経済情勢の変化などを踏まえ、政策的必要性、民業補完性や償
還確実性の観点から毎年度徹底的に見直し、対象事業の重点化・効率化を図っていきます。
さらに、財政投融資に対する国民の信頼を確保し、対象事業の重点化・効率化を一層推進する観点
から、財政投融資計画編成、運用プロセス、将来の政策コスト等に関する情報開示の徹底を通じて、
財政投融資に関する透明化を一層進めていきます。
その他、財政融資資金の資産・債務管理(ALM)の高度化のための施策を引き続き実施していきま
す。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣施政方針演説
第183回国会 財務大臣財政演説
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
平成25年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(平成25年2月28日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 3-2-1:社会経済情勢等に応じた財政投融資計画の編成
4.平成24年度の事務運営の報告
重 施
○
策 3-2-1:社会経済情勢等に応じた財政投融資計画の編成
[平成24年度実施計画]
財政投融資計画の編成においては、政策的必要性、民業補完性の観点から毎年度見直しを行い、
対象事業の重点化・効率化を図りつつ、国民のニーズや社会経済情勢の変化などを踏まえ、必要な
事業への資金供給を確保します。
平成24年度においては、「特別会計改革の基本方針」(平成24年1月24日閣議決定)を踏まえ、
対象事業の重点化・効率化を図るとともに、現下の厳しい経済・財政事情を踏まえつつ、税財源に
よらない財政対応の重要性を勘案し、「東日本大震災復興基本法」(平成23年6月24日法律第76号)
において財政投融資に係る資金の積極的な活用を図ることとされたこと及び「日本再生の基本戦略」
等を踏まえ、東日本大震災からの復興及び日本再生・成長力強化に積極的に対応していきます。
また、財政投融資計画の編成にあわせて、財政融資資金による新たな貸付け及び既往の貸付けの
継続に必要な資金を十分に精査し、財投債の発行規模を決定します。
なお、財政投融資は、資源配分の調整機能や経済の安定化機能を通じて、我が国経済の健全な発
展を実現する上で重要な役割を果たしており、社会経済情勢や日本再生の基本戦略等に応じた財政
投融資計画の編成はとりわけ重要と考えられることから、本施策を重点施策として位置付け、推進
していきます。
平成24年度実績評価書
- 190 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
[事務運営の報告]
① 平成25年度財政投融資計画の策定に当たっては、引き続き対象事業の重点化・効率化
を図るとともに、
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえ、引き続き東日本大
震災からの復興に対応しつつ、長期リスクマネー等を呼び水として供給し、民間投資の
喚起、経営改善に取り組む中小企業等の支援や日本企業の海外展開支援等に積極的に対
応することとしました。
その結果、平成25年度財政投融資計画の規模は18兆3,896億円、対前年度当初計画比で
+4.2%の増加となりました。
このうち長期リスクマネーを供給する産業投資については、
日本の豊富な民間資金、多様な人材、優れた技術力などの潜在力を最大限引き出し「成
長による富の創出」を実現するため、2,638億円(平成24年度計画比46.2%増)に大幅拡
充することとしました。また、財政投融資計画残高については、平成25年度末で177.2
兆円(見込)と、対前年度末比で▲1.2兆円となる見込みです。
② なお、平成24年度においては、民間投資の喚起、中小企業等の支援や日本企業の海外
展開支援といった、成長による富の創出等に資する分野に重点化して、中小企業の資金
繰り等を支援する長期資金を供給する財政融資と長期リスクマネーを供給する産業投資
を行うため、8機関に対し、総額8,087億円(財政融資4,028億円、産業投資4,059億円)
の財政投融資計画の補正追加(平成25年2月26日予算成立)を行いました。
(参考)
(単位:兆円)
(単位:億円)
24年度当初
1.民間投融資等支援関連
(1)長期リスクマネー供給
石油天然ガス・金属鉱物資源機構
クール・ジャパン推進のための機関
農林漁業成長産業化支援機構
産業革新機構
(2)民間企業等金融支援
日本政策金融公庫(国民・中小)
国際協力銀行
日本政策投資銀行
2.地方
地方公共団体
3.教育・福祉・医療
日本学生支援機構
福祉医療機構
4.その他
財 政 投 融 資 計 画
う ち 産 業 投 資
25年度計画 (伸率)
82,779
1,482
932
300
200
81,297
41,960
6,115
8,500
46,970
38,870
13,365
8,383
3,588
33,368
88,137
4,508
1,158
500
350
100
83,629
40,705
12,600
6,500
48,510
36,810
14,080
8,605
4,205
33,169
176,482
1,804
(出所)理財局財政投融資総括課調
- 191 -
<参考> 24年度補正
(△0.6%)
8,059
1,469
329
100
1,040
6,590
4,900
690
1,000
28
183,896
( 4.2% )
8,087
2,638
( 46.2% )
4,059
( 6.5% )
( 204.2% )
( 2.9% )
( 3.3% )
( 5.3% )
○参考指標 3-2-1:財政投融資計画の推移(フロー、ストック)
財政投融資計画の推移(フロー)
(兆円)
45.0
40.0
35.0
40.5
30.0
金融危機対応
39.3
39.3
震災対応
37.5
36.7
32.5
25.0
[23.9]
26.8
23.4
20.0
[18.6]
[20.6]
[19.0]
[16.6]
20.5
15.0
18.4
17.2
15.9
15.0
10.0
14.2
17.6 18.4
14.9
13.9
5.0
0.0
平成8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25 (年度)
財投改革
スタート
(注)1.
2.
当初計画ベース。平成20年度から平成24年度の[
平成12年度以前は、一般財政投融資ベース。
財政投融資計画残高の推移(ストック)
(兆円)
450.0
400.0
417.8
410.2
414.3
390.6
400.8
350.0
300.0
250.0
]は補正・弾力による改定後。
354.0
394.9
332.5
299.6
377.3
200.0
275.5
245.1
216.0
201.9
150.0
100.0
189.2
50.0
0.0
178.4
平成 8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
改革
22
177.2
181.1
23
24
財投改革
(注)1.平成23年度までは実績。
2.平成24年度末及び成25年度末の残高は、平成25年1月時点の見込みであり、今後異動することがある。
(出所)理財局財政投融資総括課資料(http://www.mof.go.jp/filp/reference/statistics.html)
平成24年度実績評価書
- 192 -
25
(年度末)
(見込) (見込)
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
施
策 3-2-2:財政投融資対象機関に対する適切な審査
[平成24年度実施計画]
財政投融資対象機関については、国民のニーズや社会経済情勢の変化などに応じつつ、民業補完
原則の徹底、事業等の有効性、事業等の進捗状況・収支状況等の把握を通じた償還確実性の担保と
いった観点からの適切な審査により、その内容を各年度の財政投融資計画に反映させます。
[事務運営の報告]
① 平成25年度財政投融資計画要求の審査に当たっては、対象事業の重点化・効率化を図
る一方、
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」等を踏まえ、必要な資金需要に的確に対
応することとし、
各府省庁・各機関より提出された政策評価や政策コスト分析を活用し、
各事業の民業補完性・償還確実性等を精査することに努めました。
その結果、平成25年度財政投融資計画の規模は18兆3,896億円、対前年度当初計画比で
+4.2%の増加となりました。
② 各分野別について見ると、以下のとおりです。
イ 民間投融資等支援関連のうち、長期リスクマネー供給については、
(独)石油天然ガ
ス・金属鉱物資源機構において、天然ガス、石炭、地熱及び金属鉱物に係る探鉱・開
発事業等を支援することとしているほか、クール・ジャパンを推進するため、
(株)海
外需要開拓支援機構(仮称)を設立し、我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある
商品等の海外需要の開拓等を支援することとし、これらのために必要な資金需要に的
確に対応した結果、4,508億円(対前年度当初計画比+204.2%)と増加しています。
ロ 民間企業等金融支援については、
(株)日本政策金融公庫において、新事業展開や経
営改善等に取り組む中小企業・小規模事業者を重点的に支援するとともに、
(株)国際
協力銀行において、資源・エネルギーの安定供給確保・開発促進への支援を図りつつ、
中堅・中小企業を含む日本企業による海外企業の買収やインフラ分野等への海外展開
を促進すること等とし、必要な資金需要に的確に対応した結果、8兆3,629億円(対前
年度当初計画比+2.9%)と増加しています。
ハ 地方公共団体向けについては、
住民生活に密着した社会資本整備等を推進するため、
地方公共団体の円滑な資金調達に配慮し、必要な資金需要に的確に対応した結果、4
兆8,510億円(対前年度当初計画比+3.3%)と増加しています。
ニ 教育・福祉・医療関連については、
(独)日本学生支援機構において、引き続き、有
利子貸与事業の充実を図ることとしているほか、
(独)福祉医療機構等において、東日
本大震災により被災した福祉・医療施設の復興等に必要な資金を含め、福祉医療サー
ビスの基盤強化の観点から、
必要な資金需要に的確に対応した結果、
1兆4,080億円
(対
前年度当初計画比+5.3%)と増加しています。
- 193 -
施
策 3-2-3:政策評価の活用
[平成24年度実施計画]
財政投融資については、政策目的を的確に達成するため、どの分野、どの事業を財政投融資の対
象とするかについて、民業補完性や償還確実性等の観点から、引き続き見直しを行います。その際、
各省庁・各機関に対しては、財政投融資計画要求に際し、財政投融資要求額に係る政策評価に加え、
個別制度要求毎に、民業補完性、有効性、財務の健全性への影響等の観点から施策の必要性等を検
討した政策評価の提出を求め、これを審査において積極的に活用するとともに、審査における政策
評価の活用事例を公表します。
[事務運営の報告]
平成25年度財政投融資計画の要求に当たり、引き続き、①施策の意図・目的、②施策の
必要性、③手段の適正性、④施策の達成効果・達成時期について記述した政策評価の提出
を求めることとし、その各府省庁・各機関による政策評価を踏まえ、理財局として民業補
完性、有効性、財務の健全性への影響等の政策評価の観点から審査を行いました。また、
審査における政策評価の活用事例(民間金融機関が対応しにくい一時的に業況が悪化して
いる中小企業等に対しての資金繰り支援は、民業補完性・有効性が認められるとの判断で
当該制度を継続、等)を「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会(平成25年3月)
」に
て公表しました。
施
策 3-2-4:貸付金の確実な回収とALMの充実等による財務の健全性の確保
[平成24年度実施計画]
財政投融資対象機関に対する既往の貸付金について、適切なモニタリングを行いつつ、約定通り
の確実な回収を行います。また、ALM(資産・負債管理)の高度化のため、平成23年度から金利
スワップ取引や財投債の買入消却の実施といった措置を講じています。
「特別会計改革の基本方針」
において、
「ALMの高度化のための施策を引き続き実施するものとする」とされたこと等を踏まえ、
財政投融資特別会計の財務の健全性の確保のため、平成24年度も引き続き適切なALMに取り組む
こととします。なお、財政投融資特別会計財政融資資金勘定の剰余金・積立金については、
「東日本
大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」
(平成23
年12月2日法律第117号)において復興財源に貢献するため国債整理基金特別会計に繰り入れること
としていますが、今後の剰余金の復興財源への活用については、予算編成過程において、同勘定の
財務の健全性にも配意しつつ検討することとしています。
[事務運営の報告]
財政投融資対象機関に対する既往の貸付金について、適切なモニタリングを行いつつ、
約定通りの確実な回収を行いました。
しかしながら、貸付金の回収が主に均等償還型であるのに対し、財投債及び預託金の償
還が満期一括型となっているため、貸付金の回収時期と財投債の償還期間のずれ(マチュ
リティギャップ)が存在することから、一定の金利変動リスクは引き続き残っており、A
LMの観点からはデュレーションギャップの水準を最小化しつつ、マチュリティギャップ
を縮小することが課題となっています。
また、平成20年度以降、一般会計の厳しい財政事情に鑑み、臨時特例的な措置として一
般会計等への繰入れの結果、積立金が枯渇し、金利変動に対する対応余力が著しく低下し
ているため、財務の健全性確保が必要となっています。なお、平成24年度においては復興
財源に貢献するため、平成24年度末積立金残高見込額の全額を国債整理基金特別会計への
平成24年度実績評価書
- 194 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
繰入れを行っています。
これらを踏まえ、金利変動リスクの低減を図り財務の健全性を確保する観点から、金利
スワップ取引や財投債の買入消却を実施するなど適切なALMに取り組みました。
施
策 3-2-5:財政投融資のディスクロージャーの徹底
[平成24年度実施計画]
財政投融資に関する透明性を一層高め、国民からの信頼、市場からの信認を維持するため、財政
投融資計画の編成及び運用、財政融資資金の資産・負債の状況等に関して情報開示を行い、財政投
融資計画の編成に当たって審査過程がオープンなものとなるよう努めます。
これまで、財務省のホームページ(http://www.mof.go.jp/filp/index.html)や「財政投融資リ
ポート」について、内容の充実を図り、より分かりやすいものとなるよう工夫するなど、情報提供
の強化に努めてきており、平成22年度には、新たに財投機関別の残高見込、財政投融資計画補足説
明資料及び機関別事業計画・資金計画を作成するとともに、機関別・月別の財政投融資の実績とと
もにホームページにおいて公表したところです。平成24年度においても、引き続きディスクロージ
ャーの徹底を図り、財政投融資の広報に努めます。
当該施策に対応する業績指標として、
「財政投融資関係の定期的な公表資料の公表状況及び内容の
充実」を設定し、情報提供の状況を測定します。
[事務運営の報告]
財政投融資について、国民の理解を深め、その運営についてのチェックを容易にする観
点から、平成22年4月16日に取りまとめた財政投融資の透明性の向上についての実施プラ
ン(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/pr
oceedings/material/zaitoa220416/01.pdf)に基づき、平成24年度においても引き続き、
PDCAの各段階において、わかりやすい情報発信を行い、透明性の向上を推進してきた
ところです。
具体的には、財政投融資計画の決定(Plan)時に財政投融資計画の公表を行い、その
計画の通年の執行(Do)においても、貸付等の実行状況等の月次公表を行いました。
その後のチェック段階(Check)として、貸付先への実地監査、地方の財務状況把握、
財政融資資金運用報告、などを行ったほか、財政融資資金の資産・負債の状況について、
平成24年度においても、財政投融資特別会計の貸借対照表及び損益計算書を作成し、予算
及び決算に添付して国会に提出しました。
これら財務諸表のほか、運用・調達における平均残高や、預託者別期末残高及び残存
期間別預託残高など、財政融資資金の資産・負債に関するデータを幅広く掲載したディス
クロージャー資料「財政投融資リポート」
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/fil
p_report/zaito2012/index.html)について、政策的な課題に対する財政投融資の対応に関
するトピックを新たに作成するなど、内容を一層充実させたうえで、8月に公表しました。
「財政投融資リポート」や、財政融資資金の月々の資産・負債の概要を示している「財政
融資資金月報」は、より多くの人がより手軽にアクセスできるよう、財務省ホームページ
(http://www.mof.go.jp/filp/reference/flf_balance/data.htm)に掲載しました。
平成25年度財政投融資計画の編成(Action)に当たっては、審査過程の透明性の確保
にも配慮しました。具体的には、計画編成過程において平成24年11月に、財政制度等審
議会財政投融資分科会の委員の方々に平成25年度財政投融資計画要求について御議論い
- 195 -
ただき、その議事要旨、議事録及び提出資料については、財務省ホームページ(http://
www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings
/index.html)に掲載し、広く一般にも公開しました。また、
「財政投融資計画の編成の
流れ」の図をホームページに掲載し、各プロセスの情報と関連付けるとともに、編成上
の論点とそれに対する考え方を整理する等、わかりやすい情報を適時に公表しました。
さらに、財政投融資計画公表時には、重点分野をわかりやすく説明した「財政投融資計
画のポイント」や「財政投融資計画補足説明資料」を公表しました。
◎業績指標 3-2-1:財政投融資関係の定期的な公表資料の公表状況及び内容の充実
作成
頻度
平成
20年度
21年度
22年度
23年度
財政投融資リポート
年1回
○
○
○
FILP REPORT
年1回
○
○
年1回
○
年1回
財政金融統計月報
財政融資資金現在高
リポート等
財政投融資リポート
(別冊)
FILP REPORT
(Extension Volume)
財政融資資金預託金利・
貸付金利
前年度財政融資資金運
用報告書
翌年度財政投融資計画
要求
翌年度財政投融資計画
割
24年度
目標値
実績値
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
年1回
○
○
○
○
○
○
月1回
○
○
○
○
○
○
月1回
○
○
○
○
○
○
年1回
○
○
○
○
○
○
年1回
○
○
○
○
○
○
年1回
○
○
○
○
○
○
合
100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
財政投融資リポートにおいて
トピック等を解説するコラムの数
9
10
10
10
13
12
(出所)理財局財政投融資総括課調
(注) 内容の質は担保されており、次年度は増加予定。
○参考指標 3-2-2:財政投融資に関するホームページへのアクセス件数の推移(単位:件)
平成20年度
アクセス件数
307,117
21年度
247,666
22年度
165,774
23年度
104,752
24年度
154,383
(出所)理財局財政投融資総括課調
(注) 平成23年度実績値が減少した主な要因として、平成23年3月の財務省ホームページのリニューアルの際
に、掲載期間を設定し、掲載から一定期間が経過したページを削除したことが考えられる。
平成24年度実績評価書
- 196 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
施
策 3-2-6:政策コスト分析の充実
[平成24年度実施計画]
政策コスト分析とは、財政投融資を活用する事業について、一定の前提条件を設定して将来キャ
ッシュフロー等を推計し、これに基づいて、事業の実施に関して、①将来、国から支出されると見
込まれる補助金等と、②将来、国に納付されると見込まれる国庫納付・法人税等、及び③既に投入
された出資金等による利払軽減効果の額を、各財投機関が試算したものです。事業の妥当性を判断
する材料として、将来どの程度の補助金等が投入され、あるいはあらかじめ投入された出資金等に
よるメリットがどの程度になるかを試算し、その結果を政策コストとして開示することは、財政投
融資の透明性を高める役割があると考えています。
引き続き財政融資対象の全機関において政策コスト分析の公表を行うとともに、今後とも、分析
手法の改善等、その内容の充実に努めます。
[事務運営の報告]
政策コスト分析については、財政融資を活用している事業について、23機関が一定の前
提条件を設定して試算したものを取りまとめ、その結果を引き続き公表しました。また、
財政投融資計画編成時において、償還確実性の確認に活用しました。
分析手法については、①前提金利の変化による影響等を排除した、平成23年度から平成
24年度にかけての実質的な政策コストの増減額の試算、②投入時点別政策コスト内訳(前
年度末までに既に投入された出資金等による利払軽減効果と今年度以降に見込まれる政策
コストを切り分け)
、
③感応度分析
(金利や事業収入等の前提条件の一部が変化した場合に、
政策コストがどれだけ増減するかを試算したもの)を公表しました。
さらに、政策コスト分析をより国民に分かりやすくするため、公表資料の構成を見直す
など、ディスクロージャーの充実を図りました。
政策コスト分析の詳細は「財政投融資リポート2012別冊・財政投融資対象事業に関する
政策コスト分析(平成24年度)
」
(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_sys
tem_council/sub-of_filp/report/zaitoa240731.htm)をご覧下さい。
- 197 -
○参考指標 3-2-3:政策コスト分析
24年度政策コスト
財投機関
政策コスト
<公庫等>
9,499億円
(株) 日本政策金融公庫
1,446億円
(国民一般向け業務勘定)
(中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定)
1,057億円
(農林水産業者向け業務勘定)
1,384億円
(危機対応円滑化業務勘定)
5,606億円
6億円
(特定事業等促進円滑化業務勘定)
△131億円
沖縄振興開発金融公庫
(株) 国際協力銀行
748億円
(独) 国際協力機構
5,024億円
<独立行政法人等>
644億円
(独) 住宅金融支援機構
△16,160億円
(独) 都市再生機構
1,213億円
(独) 水資源機構
△3,800億円
地方公共団体金融機構
△135億円
(独) 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
-
(建設勘定)
△135億円
(海事勘定)
5億円
(独) 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
(金属鉱業一般勘定)
5億円
(石油天然ガス勘定)
0億円
(独) 福祉医療機構
304億円
(独) 国立病院機構
1,441億円
(独) 国立がん研究センター
110億円
(独) 国立国際医療研究センター
429億円
日本私立学校振興・共済事業団
160億円
4億円
(独) 国立大学財務・経営センター
(独) 日本学生支援機構
1,905億円
(独) 森林総合研究所
6,928億円
22,434億円
(独) 日本高速道路保有・債務返済機構
<特殊会社等>
461億円
新関西国際空港(株)
△301億円
中部国際空港(株)
△4,510億円
(株) 日本政策投資銀行
△1億円
(財) 民間都市開発推進機構
合
計
(出所) 「財政投融資リポート2012別冊・財政投融資対象事業に関する政策コスト分析(平成24年度)」
(財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/reference/policy_cost_analysis/bunsekih24.htm)
平成24年度実績評価書
- 198 -
26,270億円
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
施
策 3-2-7:財政投融資対象機関に対する実地監査等の充実
[平成24年度実施計画]
財政投融資対象機関に対する実地監査及び地方公共団体の財務状況把握の充実・活用を図るとと
もに、引き続き、実施結果を公表します。
平成22年度から、従来の監査に加えて、財政投融資の透明性の向上の観点から、政策効果の検証
等に重点を置いた監査を実施しており、平成24年度においても引き続き実施する予定です。
また、実地監査の結果を毎年度の財投編成時の審査等に活用し、事業の見直し等に努めます。
このため、平成24年度においても、引き続き、計画件数に対して100%実施するよう努めます。
[事務運営の報告]
① 平成24年度の法人等実地監査においては、平成23年度に引き続き、効率的な監査の実
施に努め、5件に対して監査を実施しました。なお、平成22年度から、従来の監査に加
えて、財政投融資の透明性の向上の観点から、政策効果の検証等に重点を置いた監査を
実施しております。また、地方公共団体実地監査において、
「財政投融資改革の総点検フ
ォローアップ(平成17年12月)
」の指摘を受けて、平成20年度から、貸付対象外費用の確
認中心から公営企業の経営状況把握に重点を置いた実地監査へ実質的な転換を図ってお
り、平成24年度においては、304の地方公共団体、484の公営企業に対して実地監査を実
施しました。実地監査の結果については、財政制度等審議会財政投融資分科会において
報告を行っています。
平成25年度の財政投融資計画編成時においては、財投機関に対して通知した指摘に基
づいて見直された長期収支計画や経営指標などを参考として、財政投融資の償還確実性
等を審査するとともに、財政投融資対象事業の適正な執行が確保されるよう各財投機関
における債務管理を適正に行うためのマニュアルの整備や貸付規定、審査基準など内部
規程の見直し等を行いました。
また、財政投融資対象機関が実施している事業については、上記実地監査によるチェ
ックに加えて、毎月定期的に実施しているヒアリング等を通じて各事業の実施状況や政
策効果を確認し、適正な執行がなされるよう取り組みました。
② さらに、地方向け財政融資資金の融資審査の充実を図る観点から、平成17年度以降、
財務状況把握を実施し、その結果を財政制度等審議会財政投融資分科会に報告の上、公
表しています。平成24年度は、モニタリングを行った1,789団体のうち、299団体に対し
てヒアリングを行い、その結果を分かりやすく示す文書を作成した上で、財務の健全化
に向けたアドバイス(情報提供等)をしています。
- 199 -
◎業績指標 3-2-2:実地監査結果
(独立行政法人等)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
計画件数
5
6
5(1)
11(5)
実績件数
5
5
5(1)
11(5)
100.0
83.3
100.0
100.0
実施率(%)
24年度
目標値
実績値
5(0)
5(0)
100.0
100.0
(地方公共団体)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
目標値
実績値
団体数
368
354
324
302
303
公営企業数
967
820
626
518
482
団体数
367
354
326
301
304
公営企業数
924
816
620
513
484
実施率
団体数
99.7
100.0
100.6
99.7
100.0
100.3
(%)
公営企業数
95.6
99.5
99.0
99.0
100.0
100.4
計 画
実 績
(出所) 理財局管理課調
(注1) 独立行政法人等については、事務年度(7月から翌年6月までの期間)ベースで計上しており、( )書
きについては、政策効果の検証等に重点をおいた監査の件数であり内数。
(注2) 公営企業数は、経営状況把握を実施した公営企業数。
(注3) 地方公共団体については、年度の途中において監査予定先の変更・追加があったため、当初計画を超え
る実績値となった。
政策目標に係る予算額:平成24年度財政投融資特別会計予算額:34,365,949百万円
[23年度予算額:40,369,978百万円]
平成24年度において、民間では実施困難ではあるが政策として必要な事業を実施する機
関への資金供給の確保と、財政投融資対象事業の重点化・効率化等のために必要な経費と
して、財政投融資特別会計において34,365,949百万円の予算措置を行いました。
予算の増減の主なものは、財政融資資金の財源のための公債発行に伴う財政融資資金への
繰入れの減少1,500,000百万円、公債の償還・利払いのための国債整理基金特別会計への繰
入れの減少4,729,096百万円、産業投資に必要な経費の増加260,100百万円となっています。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)財政投融資計画等
財政投融資の実行においては、時々の社会経済情勢の変化等の影響を受け、各機関が行
う事業の進捗状況や各機関の資金繰り状況などから、結果として実績が計画額を下回るこ
とがあります。近年の財政投融資計画及び実績は次のようになっています。
平成24年度実績評価書
- 200 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
○参考指標 3-2-4:財政投融資計画及び実績(機関別)
平成23年度財政投融資計画及び実績
(単位:億円)
財政融資
産業投資
政府保証
財政投融資合計
区分
当初計画
改定計画
実績
当初計画 改定計画
実績
当初計画 改定計画
実績
当初計画 改定計画
実績
〈特別会計〉
エネルギー対策特別会計
331
531
428
-
-
-
-
-
-
331
531
428
56
61
57
-
-
-
-
-
-
56
61
57
46,870
87,848
41,636
2,367
2,417
2,370
8,250
8,250
5,022
57,487
98,515
49,028
食料安定供給特別会計
〈公庫等〉
株式会社日本政策金融公庫
沖縄振興開発金融公庫
独立行政法人国際協力機構
830
830
770
7
7
4
-
-
-
837
837
774
4,380
4,380
782
-
-
-
-
-
-
4,380
4,380
782
300
2,100
168
-
-
-
-
-
-
300
2,100
168
3,990
3,990
3,523
-
-
-
-
-
-
3,990
3,990
3,523
103
106
106
-
-
-
-
-
-
103
106
106
-
-
-
-
-
-
7,100
7,100
7,099
7,100
7,100
7,099
531
531
531
-
-
-
-
-
-
531
531
531
〈独立行政法人等〉
独立行政法人住宅金融支援機構
独立行政法人都市再生機構
独立行政法人水資源機構
地方公共団体金融機構
独立行政法人鉄道建設・
運輸施設整備支援機構
独立行政法人石油天然ガス・
金属鉱物資源機構
8
8
5
121
121
92
-
-
-
129
129
97
独立行政法人福祉医療機構
2,460
4,224
3,193
-
-
-
-
-
-
2,460
4,224
3,193
独立行政法人国立病院機構
272
272
100
-
-
-
-
-
-
272
272
100
32
32
25
-
-
-
-
-
-
32
32
25
独立行政法人
国立がん研究センター
独立行政法人
国立国際医療研究センター
日本私立学校振興・
共済事業団
独立行政法人国立大学
財務・経営センター
独立行政法人日本学生支援機構
18
18
7
-
-
-
-
-
-
18
18
7
307
748
145
-
-
-
-
-
-
307
748
145
548
548
519
-
-
-
-
-
-
548
548
519
7,688
7,688
7,573
-
-
-
-
-
-
7,688
7,688
7,573
独立行政法人農業・食品産
業技術総合研究機構
-
-
-
3
3
3
-
-
-
3
3
3
独立行政法人森林総合研究所
67
67
67
-
-
-
-
-
-
67
67
67
-
-
-
-
-
-
17,200
17,200
17,127
17,200
17,200
17,127
-
-
-
2
2
2
-
-
-
2
2
2
12
12
-
-
12
12
12
-
37,310
46,410
37,875
独立行政法人日本高速道路
保有・債務返済機構
独立行政法人
奄美群島振興開発基金
独立行政法人新エネルギー・
産業技術総合開発機構
-
〈地方公共団体〉
地方公共団体
-
-
12
-
37,310
46,410
37,875
-
-
-
-
-
財団法人民間都市開発推進機構
-
-
-
-
-
-
300
300
-
300
300
-
関西国際空港株式会社
-
-
-
-
-
-
490
490
490
490
490
490
中部国際空港株式会社
-
-
-
-
-
-
206
206
188
206
206
188
3,000
5,000
5,000
-
200
4
3,500
3,500
2,959
6,500
8,700
7,963
-
400
500
500
〈特殊会社等〉
株式会社日本政策投資銀行
株式会社産業革新機構
合
計
-
-
-
400
500
500
-
-
109,101
165,392
102,510
2,912
3,262
2,988
37,046
37,046
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
(注)1.実績の数値は平成23年度の決算時の見込値です。
2.財政融資は全額財政融資資金です。
- 201 -
32,886 149,059 205,700 138,383
○参考指標 3-2-4:財政投融資計画及び実績(機関別)
(続)
平成24年度財政投融資計画
(単位:億円)
財政融資
区分
産業投資
改定計画
当初計画
政府保証
改定計画
当初計画
当初計画
財政投融資
改定計画
当初計画
改定計画
〈 特 別 会 計〉
エネルギー対策特別会計
食料安定供給特別会計
900
900
-
-
-
-
900
900
64
78
-
-
-
-
64
78
59,420
63,420
310
1,210
1,850
1,850
61,580
66,480
〈公庫等〉
株式会社日本政策金融公庫
沖縄振興開発金融公庫
825
825
7
7
-
-
832
832
株式会社国際協力銀行
4,000
4,000
-
690
2,115
2,115
6,115
6,805
独立行政法人国際協力機構
4,270
4,270
-
-
-
-
4,270
4,270
独立行政法人住宅金融支援機構
3,000
3,000
-
-
-
-
3,000
3,000
独立行政法人都市再生機構
4,777
4,777
-
-
-
-
4,777
4,777
99
113
-
-
-
-
99
113
-
-
-
-
8,100
8,100
8,100
8,100
581
581
-
-
-
-
581
581
〈 独 立 行 政法 人 等 〉
独立行政法人水資源機構
地方公共団体金融機構
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
5
5
927
1,256
-
-
932
1,261
独立行政法人福祉医療機構
3,588
3,588
-
-
-
-
3,588
3,588
独立行政法人国立病院機構
291
291
-
-
-
-
291
291
30
30
-
-
-
-
30
30
9
9
-
-
-
-
9
9
545
545
-
-
-
-
545
545
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
独立行政法人国立がん研究センター
独立行政法人国立国際医療研究センター
日本私立学校振興・共済事業団
519
519
-
-
-
-
519
519
8,383
8,383
-
-
-
-
8,383
8,383
-
-
3
3
-
-
3
3
独立行政法人森林総合研究所
66
66
-
-
-
-
66
66
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
-
-
-
-
22,860
22,860
22,860
22,860
独立行政法人奄美群島振興開発基金
-
-
2
2
-
-
2
2
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
-
-
5
5
-
-
5
5
38,870
44,738
-
-
-
-
38,870
44,738
財団法人民間都市開発推進機構
-
-
-
-
300
300
300
300
株式会社農林漁業成長産業化支援機構
-
-
300
400
-
-
300
400
新関西国際空港株式会社
-
-
-
-
230
230
230
230
独立行政法人国立大学財務・経営センター
独立行政法人日本学生支援機構
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
〈 地 方 公 共団 体 〉
地方公共団体
〈 特 殊 会 社等 〉
中部国際空港株式会社
-
-
-
-
481
481
481
481
株式会社民間資金等活用事業推進機構(仮称)
-
-
50
50
-
-
50
50
5,000
5,000
-
1,000
3,500
3,500
8,500
9,500
-
-
200
1,240
-
-
200
1,240
135,242
145,138
1,804
5,863
39,436
39,436
176,482
190,437
株式会社日本政策投資銀行
株式会社産業革新機構
合
計
(出所)理財局財政投融資総括課調
(注) 財政融資は、全額財政融資資金である。
平成24年度実績評価書
- 202 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
○参考指標 3-2-4:財政投融資計画及び実績(機関別)
(続)
平成25年度財政投融資計画
区分
財政融資
(単位:億円)
財政投融資
合 計
産業投資
政府保証
〈特別会計〉
エネルギー対策特別会計
231
-
-
231
41
-
-
41
57,520
455
1,850
59,825
沖縄振興開発金融公庫
855
5
-
860
株式会社国際協力銀行
6,000
-
6,600
12,600
独立行政法人国際協力機構
3,844
-
-
3,844
独立行政法人住宅金融支援機構
2,640
-
-
2,640
独立行政法人都市再生機構
4,910
-
-
4,910
独立行政法人水資源機構
68
-
-
68
地方公共団体金融機構
-
-
11,700
11,700
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
524
-
-
524
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
33
1,125
-
1,158
独立行政法人福祉医療機構
4,205
-
-
4,205
独立行政法人国立病院機構
291
-
-
291
独立行政法人国立がん研究センター
18
-
-
18
独立行政法人国立国際医療研究センター
30
-
-
30
日本私立学校振興・共済事業団
385
-
-
385
独立行政法人国立大学財務・経営センター
546
-
-
546
8,605
-
-
8,605
独立行政法人森林総合研究所
65
-
-
65
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
-
-
23,860
23,860
独立行政法人奄美群島振興開発基金
-
2
-
2
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
-
1
-
1
36,810
-
-
36,810
食料安定供給特別会計
〈政府関係機関〉
株式会社日本政策金融公庫
〈独立行政法人等〉
独立行政法人日本学生支援機構
〈地方公共団体〉
地方公共団体
〈特殊会社等〉
一般財団法人民間都市開発推進機構
-
-
300
300
株式会社農林漁業成長産業化支援機構
-
350
-
350
新関西国際空港株式会社
-
-
440
440
中部国際空港株式会社
-
-
87
87
株式会社民間資金等活用事業推進機構(仮称)
-
100
2,300
2,400
3,000
-
3,500
6,500
株式会社産業革新機構
-
100
-
100
株式会社海外需要開拓支援機構(仮称)
-
500
-
500
130,621
2,638
50,637
183,896
株式会社日本政策投資銀行
合
計
(出所)理財局財政投融資総括課調
(注)「財政融資」は、全額財政融資資金である。
- 203 -
○参考指標 3-2-5:財政投融資計画(機関別)の推移
21年度
<特別会計>
エネルギー対策特別会計
国立高度専門医療センター特別会計
食料安定供給特別会計
社会資本整備事業特別会計
<政府関係機関>
株式会社日本政策金融公庫
沖縄振興開発金融公庫
株式会社国際協力銀行
独立行政法人国際協力機構
22年度
23年度
24年度
(単位:億円)
25年度
317
98
163
882
427
54
687
331
56
-
900
64
-
231
41
-
63,866
881
3,056
85,638
842
3,949
57,487
837
4,380
61,580
832
6,115
4,270
59,825
860
12,600
3,844
300
4,972
127
300
4,065
105
300
3,990
103
3,000
4,777
99
2,640
4,910
68
<独立行政法人等>
独立行政法人住宅金融支援機構
独立行政法人都市再生機構
独立行政法人水資源機構
地方公共団体金融機構
(旧:地方公営企業等金融機構)
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
独立行政法人福祉医療機構
独立行政法人国立病院機構
独立行政法人国立がん研究センター
独立行政法人国立循環器病研究センター
独立行政法人国立国際医療研究センター
独立行政法人医薬基盤研究所
日本私立学校振興・共済事業団
独立行政法人国立大学財務・経営センター
独立行政法人日本学生支援機構
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
独立行政法人森林総合研究所
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
独立行政法人奄美群島振興開発基金
預金保険機構
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
独立行政法人情報通信研究機構
8,200
7,500
7,100
8,100
11,700
539
77
2,828
200
8
163
545
4,942
9
59
18,160
3
100
105
26
532
77
2,083
246
28
3
7
4
326
484
7,240
17
71
18,490
2
50
14
531
129
2,460
272
32
18
307
548
7,688
3
67
17,200
2
12
-
581
932
3,588
291
30
9
545
519
8,383
3
66
22,860
2
5
-
524
1,158
4,205
291
18
30
385
546
8,605
65
23,860
2
1
-
<地方公共団体>
地方公共団体
39,340
43,390
37,310
38,870
36,810
-
-
300
300
300
365
122
579
364
35
-
-
300
-
350
-
155
180
490
230
440
146
6,500
400
-
168
6,500
90
-
206
6,500
400
-
481
50
8,500
200
-
87
2,400
6,500
100
500
158,632
183,569
149,059
176,482
183,896
<特殊会社等>
一般財団法人民間都市開発推進機構
(旧:財団法人民間都市開発推進機構)
株式会社農林漁業成長産業化支援機構
東日本高速道路株式会社
首都高速道路株式会社
中日本高速道路株式会社
西日本高速道路株式会社
阪神高速道路株式会社
新関西国際空港株式会社
(旧:関西国際空港株式会社)
中部国際空港株式会社
株式会社民間資金等活用事業推進機構(仮称)
株式会社日本政策投資銀行
株式会社産業革新機構
株式会社海外需要開拓支援機構(仮称)
合 計
(出所)理財局財政投融資総括課調
(注) 計数は当初計画額である。
平成24年度実績評価書
- 204 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
○参考指標 3-2-6:財政投融資計画(使途別分類)の推移
(単位:億円、%)
昭和40年度
昭和50年度
昭和60年度
平成7年度
平成23年度
平成22年度
平成24年度
平成25年度
区 分
金額
構成比
金額
構成比
金額
構成比
金額
構成比
金額
構成比
金額
構成比
金額
構成比
金額
構成比
(1)住宅
2,259
13.9
19,966
21.4
52,893
25.4 141,927
35.3
6,044
3.3
5,776
3.9
9,234
5.2
9,291
5.1
(2)生活環境整備
2,010
12.4
15,573
16.7
32,809
15.7
66,115
16.4
31,275
17.0
27,248
18.3
27,125
15.4
28,051
15.3
(3)厚生福祉
585
3.6
3,133
3.4
5,957
2.8
16,113
4.0
5,060
2.8
5,504
3.7
7,426
4.2
7,026
3.8
(4)文教
493
3.1
2,752
2.9
7,453
3.6
8,172
2.0
11,346
6.2
11,758
7.9
12,316
7.0
15,224
8.3
(5)中小企業
2,045
12.6
14,505
15.6
37,644
18.0
61,619
15.3
56,732
30.9
36,274
24.3
43,228
24.5
41,967
22.8
(6)農林漁業
1,169
7.2
3,795
4.1
8,906
4.3
11,819
3.0
4,044
2.2
3,449
2.3
3,733
2.1
4,068
2.2
506
3.1
1,100
1.2
4,728
2.3
5,104
1.3
2,434
1.3
1,799
1.2
6,445
3.7
3,476
1.9
(8)道路
1,284
7.9
7,444
8.0
18,264
8.8
31,254
7.7
24,258
13.2
22,480
15.1
28,130
15.9
29,391
16.0
(9)運輸通信
2,250
13.9
11,849
12.7
17,634
8.4
18,511
4.6
4,359
2.4
4,077
2.7
3,839
2.2
5,191
2.8
(10)地域開発
1,124
7.0
3,059
3.3
5,112
2.4
10,508
2.6
4,409
2.4
4,667
3.1
4,470
2.5
3,716
2.0
(11)産業・技術
1,262
7.8
2,764
3.0
6,033
2.9
12,324
3.1
19,071
10.4
6,246
4.2
20,150
11.4
20,050
10.9
(12)貿易・経済協力
1,219
7.5
7,160
7.7
11,147
5.4
18,935
4.7
14,538
7.9
19,780
13.3
10,385
5.9
16,444
8.9
16,206
100.0
93,100
100.0 183,896
100.0
(7)国土保全・
災害復旧
合 計
100.0 208,580
100.0 402,401
100.0 183,569
100.0 149,059
100.0 176,482
(出所)理財局財政投融資総括課調
(注)1.使途別分類表は、昭和36年の資金運用部資金法改正により作成されるようになったものである。
2.計数は当初計画額である。
3.平成13年度には資金運用事業(昭和62年度開始)が廃止されたことに伴い、平成7年度は、資金運用事業を除いた合計額及び構成比を記載している。
- 205 -
また、財政融資資金の過去からの貸付実績を残高で見ると次のとおりです。
○参考指標 3-2-7:財政投融資計画残高(機関別)
平成21・22・23年度末財政投融資計画残高
(単位:億円)
財政融資
産業投資
区 分
政府保証
合 計
財政融資資金
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
平成
21年度
平成
22年度
平成
23年度
<一般会計及び特別会計>
一般会計
33,211
26,413
18,233
33,211
26,413
18,233
-
-
-
-
-
-
33,211
26,413
24
16
8
24
16
8
-
-
-
-
-
-
24
16
8
エネルギー対策特別会計
1,828
2,059
2,294
1,828
2,059
2,294
-
-
-
-
-
-
1,828
2,059
2,294
国立高度専門医療センター特別会計
1,728
-
-
1,728
-
-
-
-
-
-
-
-
1,728
-
-
345
413
461
345
413
461
-
-
-
-
-
-
345
413
461
財政投融資
特別会計
特定国有財産
整備特別会計
食料安定供給特別会計
18,233
国有林野事業特別会計
5,599
5,160
4,722
5,599
5,160
4,722
-
-
-
-
-
-
5,599
5,160
4,722
社会資本整備事業特別会計
8,931
8,851
7,968
8,931
8,851
7,968
-
-
-
-
-
-
8,931
8,851
7,968
194,815
202,645
203,974
194,804
202,645
203,974
13,387
14,062
16,430
31,056
27,345
28,294
239,258
244,052
248,698
7,723
6,996
6,306
7,708
6,996
6,306
64
66
71
-
-
-
7,787
7,062
6,376
27,302
24,598
22,200
27,302
24,598
22,200
-
-
-
-
-
-
27,302
24,598
22,200
独立行政法人住宅金融支援機構
244,806
213,449
174,470
244,692
213,449
174,470
995
995
889
7,116
1,100
-
252,917
215,544
175,359
独立行政法人都市再生機構
107,458
107,017
106,333
106,823
106,767
106,167
612
612
612
-
-
-
108,070
107,629
106,945
1,521
-
-
1,521
-
-
-
-
-
-
-
-
1,521
-
-
175
153
131
175
153
131
-
-
-
-
-
-
175
153
131
6,174
5,568
5,163
5,953
5,568
5,163
-
-
-
-
-
-
6,174
5,568
5,163
-
-
-
-
-
-
-
-
-
116,739
105,669
95,283
116,739
105,669
95,283
14,478
12,820
11,220
14,473
12,820
11,220
508
503
503
-
-
-
14,986
13,323
11,723
462
318
200
462
318
200
-
-
-
-
-
-
462
318
200
53
49
46
53
49
46
476
662
762
-
-
-
529
711
808
独立行政法人福祉医療機構
28,695
27,723
27,716
28,695
27,723
27,716
-
-
-
-
-
-
28,695
27,723
27,716
独立行政法人国立病院機構
5,249
4,941
4,579
5,249
4,941
4,579
-
-
-
-
-
-
5,249
4,941
4,579
独立行政法人国立がん研究センター
-
155
176
-
155
176
-
-
-
-
-
-
-
155
176
独立行政法人国立循環器病研究センター
-
21
18
-
21
18
-
-
-
-
-
-
-
21
18
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター
-
31
30
-
31
30
-
-
-
-
-
-
-
31
30
独立行政法人国立国際医療研究センター
-
182
183
-
182
183
-
-
-
-
-
-
-
182
183
独立行政法人国立成育医療研究センター
-
96
89
-
96
89
-
-
-
-
-
-
-
96
89
独立行政法人国立長寿医療研究センター
-
9
7
-
9
7
-
-
-
-
-
-
-
9
7
独立行政法人医薬基盤研究所
-
-
-
-
-
-
373
376
357
-
-
-
373
376
357
日本私立学校振興・共済事業団
1,907
2,048
2,021
1,899
2,048
2,021
-
-
-
-
-
-
1,907
2,048
2,021
独立行政法人国立大学財務・経営センター
8,633
8,251
7,981
8,633
8,251
7,981
-
-
-
-
-
-
8,633
8,251
7,981
30,738
35,876
40,610
30,738
35,876
40,610
-
-
-
-
-
-
30,738
35,876
40,610
<公庫等>
株式会社日本政策金融公庫
沖縄振興開発金融公庫
独立行政法人国際協力機構
(独立行政法人等)
年金積立金管理運用独立行政法人
独立行政法人
雇用・能力開発機構
独立行政法人
勤労者退職金共済機構
独立行政法人水資源機構
地方公共団体金融機構
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
独立行政法人環境再生保全機構
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
独立行政法人日本学生支援機構
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
独立行政法人森林総合研究所
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
-
-
-
-
-
-
346
349
351
-
-
-
346
349
351
2,803
2,591
2,387
2,803
2,591
2,387
-
-
-
-
-
-
2,803
2,591
2,387
91,571
66,146
46,599
80,617
66,146
46,599
-
-
-
146,400
160,356
177,551
237,971
226,502
224,150
独立行政法人中小企業基盤整備機構
20
-
-
-
-
-
651
648
648
-
-
-
671
648
648
独立行政法人奄美群島振興開発基金
-
-
-
-
-
-
74
76
78
-
-
-
74
76
78
預金保険機構
-
-
-
-
-
-
100
100
100
-
-
-
100
100
100
独立行政法人科学技術振興機構
-
-
-
-
-
-
734
734
734
-
-
-
734
734
734
独立行政法人情報処理推進機構
-
-
-
-
-
-
43
37
37
-
-
-
43
37
37
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
-
-
-
-
-
-
783
700
742
-
-
-
783
700
742
独立行政法人情報通信研究機構
-
-
-
-
-
-
874
885
716
-
-
-
874
885
716
735,851
706,715
687,821
565,214
552,043
540,529
-
-
-
175
-
-
736,026
706,715
687,821
1,795
1,638
1,498
1,783
1,638
1,498
-
-
-
-
-
-
1,795
1,638
1,498
-
-
-
-
-
-
-
-
-
37
28
20
37
28
20
100
-
-
100
-
-
1,016
1,016
1,016
-
-
-
1,116
1,016
1,016
2,600
<地方公共団体>
地方公共団体
<特殊会社等>
東京地下鉄株式会社
財団法人民間都市開発推進機構
株式会社商工組合中央金庫
東日本高速道路株式会社
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2,600
2,600
2,600
2,600
2,600
首都高速道路株式会社
-
-
-
-
-
-
-
-
-
883
883
883
883
883
883
中日本高速道路株式会社
-
-
-
-
-
-
-
-
-
3,700
2,500
2,500
3,700
2,500
2,500
西日本高速道路株式会社
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2,904
2,904
2,904
2,904
2,904
2,904
阪神高速道路株式会社
63
-
-
63
-
-
-
-
-
405
342
342
468
342
342
成田国際空港株式会社
254
-
-
87
-
-
-
-
-
866
866
866
1,120
866
866
関西国際空港株式会社
-
-
-
-
-
-
622
622
622
3,920
3,878
3,761
4,542
4,500
4,383
中部国際空港株式会社
株式会社日本政策投資銀行
電源開発株式会社
株式会社ゆうちょ銀行
株式会社産業革新機構
小 計 信託受益権等
合 計
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2,031
1,679
1,641
2,031
1,679
1,641
52,534
47,470
44,854
52,509
47,470
44,854
14,535
14,535
14,539
22,435
20,578
21,514
89,503
82,583
80,907
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1,930
350
-
1,930
350
-
20,000
-
-
20,000
-
-
-
-
-
-
-
-
20,000
-
-
-
-
-
-
-
-
820
920
1,420
-
-
-
820
920
1,420
1,636,846
1,520,418
1,430,299
1,454,021
1,365,497
1,282,841
37,013
37,898
40,625
343,197
331,077
338,157
2,017,055
1,889,394
1,809,081
2,216
2,216
2,216
2,216
2,216
2,216
-
-
-
-
-
-
2,216
2,216
2,216
1,639,062
1,522,635
1,432,515
1,456,237
1,367,713
1,285,057
37,013
37,898
40,625
343,197
331,077
338,157
2,019,272
1,891,610
1,811,298
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
(注)1.財政融資資金及び簡易生命保険資金の引き受けた債券は引受価格(収入金ベース)で計上し、政府保証債は額面金額で計上しています。
2.「財政融資」は、財政融資資金、郵便貯金資産及び簡易生命保険資産(平成19年9月末までの日本郵政公社の郵便貯金資金及び簡易生命保険資金を含む。)の残高を計上しています。
3.「産業投資」は、財政投融資特別会計投資勘定の出資金及び貸付金の残高を計上しています。
4.財政投融資改革に伴い、平成13年度から財政投融資計画に政府保証外債を加えたことから、「政府保証」の残高には、12年度以前の発行分を含めて計上しています。
5.「一般会計」の平成21年度は、旧日本国有鉄道、旧日本国有鉄道清算事業団、旧国営土地改良事業特別会計及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構からの承継分を計上し、平成22年度は、旧日本国有鉄道、旧日本国有鉄道清算事業団、
旧国営土地改良事業特別会計、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構及び旧国立高度専門医療センター特別会計からの承継分を計上し、平成23年度は、旧国営土地改良事業特別会計、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構及び
旧国立高度専門医療センター特別会計からの承継分を計上しています。
平成24年度実績評価書
- 206 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
次に、財政融資資金の対象機関に対する融通条件を見てみると、それぞれ次のようにな
っています。
○参考指標 3-2-8:財政融資資金の各機関への融通条件
(旧・参考指標:地方公共団体向け財政融資資金の融通条件を含む)
平成25年度の財政融資資金の融通条件
機関名
償還期限
13年以内〔2年以内〕
5年以内
株式会社日本政策金融公庫
ただし、平成25年度における貸付けのうち3,850億円につい
国民一般向け業務
ては、9年以内、300億円については、15年以内。
5年以内
ただし、①5年経過ごと金利見直し貸付に係る貸付けについ
中小企業者向け業務
ては、5年以内(満期一括償還)とすることができる。②平成
25年度における貸付けのうち5,800億円については、10年以内。
20年以内〔3年以内〕
ただし、平成25年度における貸付けのうち470億円について
農林水産業者向け業務
は、10年以内〔2年以内〕
20年以内〔3年以内〕
ただし、①指定金融機関(株式会社日本政策金融公庫法(平
19法57)第11条第2項に規定する指定金融機関をいう。以下同
じ。
)への貸付条件を15年以内〔3年以内〕とする貸付けにつ
いては、15年以内〔3年以内〕
。②指定金融機関への貸付条件
を10年以内〔2年以内〕とする貸付に係る貸付けについては、
10年以内〔2年以内〕
。③指定金融機関への貸付条件を10年以
内(満期一括償還)とする貸付に係る貸付けについては、10年
以内(満期一括償還)
。④指定金融機関への貸付条件を7年以
危機対応円滑化業務
内〔2年以内〕とする貸付に係る貸付けについては、7年以内
〔2年以内〕
。⑤指定金融機関への貸付条件を7年以内(満期
一括償還)とする貸付に係る貸付けについては、7年以内(満
期一括償還)
。⑥指定金融機関への貸付条件を5年以内〔1年
以内〕とする貸付に係る貸付けについては、5年以内〔1年以
内〕
。⑦指定金融機関への貸付条件を5年以内(満期一括償還)
とする貸付に係る貸付けについては、5年以内(満期一括償
還)
。
①特定事業促進円滑化業務 20年以内〔3年以内〕
ただし、平成25年度における貸付けのうち150億円について
は、15年以内〔3年以内〕
、300億円については、10年以内〔2
特定事業等促進円滑化業 年以内〕
②事業再構築等促進円滑化業務 15年以内〔3年以内〕
務
ただし、平成25年度における貸付けのうち150億円について
は、10年以内〔2年以内〕
、300億円については、7年以内〔2
年以内〕
エネルギー対策特別会計
- 207 -
独立行政法人
日本学生支援機構
地方公共団体
株式会社
日本政策投資銀行
20年以内
ただし、①学資の返還期間の状況に応じて、15年以内〔1年
以内〕とすることができる。②当年度中に学資の貸与期間が終
了しないものに対する貸与に係る貸付けについては、5年以内
〔1年以内〕
。
25年以内〔5年以内〕
ただし、特に必要と認められるものについては、償還期限を
30年まで延長することができる。
15年以内〔3年以内〕
ただし、平成25年度における貸付けのうち1,800億円につい
ては、20年以内〔3年以内〕
(出所)平成25年度財政融資資金融通条件(平成25年1月27日財政投融資分科会提出資料)
(注) 1.〔 〕内は据置期間。
2. 上記は、全機関の一部を例示したものであり、詳細については、財務省HP( http://www.mof.go.
jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings/material/zaitoa250127
/1-3.pdf)参照。
(2)財政投融資の運用等に関するディスクロージャー
近年、財務省では、財政投融資の運用等に関するディスクロージャーの充実を進めてい
ます。
○参考指標 3-2-9:財政投融資特別会計財政融資資金勘定の損益計算書・貸借対照表
■損益計算書
利益
資金運用収入
有価証券利子
貸付金利子
有価証券売却益
有価証券償還益
公債償還益 (注1)
雑収入
合計
損失
諸支出金
運用手数料 (注2)
有価証券売却損
有価証券償還損
預託金利子
支払利子
事務取扱費
公債金利子 (注3)
財政融資資金証券利子
公債等発行諸費 (注4)
公債発行差金償却 (注5)
公債償還損 (注1)
本年度利益
合計
平 成 1 9年 度
平 成 2 0年 度
5 9 ,3 7 4
7 ,1 2 5
5 1 ,4 7 3
31
745
410
5 9 ,7 8 4
平 成 1 9年 度
4 8 ,5 1 4
3 ,5 5 2
4 2 ,7 8 7
2 ,0 5 6
119
112
194
4 8 ,8 2 0
平 成 2 0年 度
1 9 ,6 0 4
1
275
2 ,5 7 3
1 6 ,7 5 5
58
1 6 ,9 4 4
50
114
2 3 ,0 1 5
5 9 ,7 8 4
9 ,8 0 6
1
486
400
8 ,9 1 8
62
1 7 ,2 4 7
49
114
2 1 ,5 4 3
4 8 ,8 2 0
平 成 2 1年 度
3 7 ,9 4 4
1 ,6 1 7
3 6 ,3 2 1
6
34
356
3 8 ,3 3 4
平 成 2 1年 度
7 ,0 2 2
0
750
6 ,2 7 2
50
1 6 ,7 8 1
14
109
1
1 4 ,3 5 8
3 8 ,3 3 4
平 成 2 2年 度
3 3 ,2 1 6
1 ,5 1 3
3 1 ,7 0 3
57
3 3 ,2 7 3
平 成 2 2年 度
6 ,0 4 8
0
900
5 ,1 4 8
48
1 6 ,7 5 7
13
105
1 0 ,3 0 2
3 3 ,2 7 3
(単位:億円)
平 成 2 3年 度
2 9 ,7 4 5
864
2 8 ,8 8 2
1
62
2 9 ,8 0 9
平 成 2 3年 度
4 ,8 4 6
0
324
4 ,5 2 2
0
52
1 5 ,7 0 9
0
13
106
41
9 ,0 4 2
2 9 ,8 0 9
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
(注)1.公債償還益・公債償還損=財投債の買入消却を実施することに伴う消却時の価格と収入金額との差額等である。
2.運用手数料=財政融資資金の運用預託事務を委託している日本銀行に対して支払う手数料等である。
3.公債金利子=財投債利子の当期発生額からオーバーパーで発行した財投債の額面金額と収入金額の差額(長期前
受収益)の当期取崩額を差引き、物価連動債の当期年度末想定元金への見直しによる増減を加減した額である。 4.公債等発行諸費=公債および融通証券発行に際して必要となる引受手数料、利払手数料、償還手数料等である。
5.公債発行差金償却=アンダーパーで発行した財投債の額面金額と収入金額との差額(公債発行差金)の当期償却
額である。
平成24年度実績評価書
- 208 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
○参考指標 3-2-9:財政投融資特別会計財政融資資金勘定の損益計算書・貸借対照表(続)
■貸借対照表
借方
現金預金
有価証券
国債 (注1)
政府関係機関債券
(注2)
特別法人債券
金融債
外国債
信託受益権等
貸付金
一般会計および特別会計貸付金
政府関係機関貸付金
地方公共団体貸付金
(注2)
特別法人貸付金
(注3)
未収収益
公債発行差金 (注4)
(注5)
購入証券経過利子
合計
貸方
預託金
特別会計預託金
資金預託金
共済組合預託金
その他預託金
(注6)
公債
補償金返還金 (注7)
(注8)
未払費用
(注9)
前受金
(注10)
長期前受収益
繰越利益
金利変動準備金
本年度利益
合計
平 成 19年 度 末
平 成 20年 度 末
1 9 ,6 9 9
3 3 1 ,7 8 7
2 7 1 ,9 6 2
2 ,5 0 4
5 4 ,6 2 1
300
1 ,4 0 0
1 ,0 0 0
2 ,0 8 7 ,9 6 3
3 4 7 ,7 8 5
2 4 9 ,0 4 2
6 2 9 ,3 7 7
8 6 1 ,7 5 9
7 ,3 3 8
813
88
2 ,4 4 7 ,6 8 9
平 成 19年 度 末
1 0 ,2 3 1
1 8 2 ,6 0 3
1 4 8 ,9 3 0
3 ,7 0 6
2 6 ,3 3 1
1 ,4 0 0
2 ,2 3 7
1 ,8 3 8 ,5 5 2
3 5 4 ,0 9 2
1 9 0 ,0 4 3
5 9 0 ,0 6 9
7 0 4 ,3 4 8
5 ,7 2 9
765
84
2 ,0 3 7 ,9 6 5
平 成 20年 度 末
平 成 21年 度 末
7 ,4 4 1
5 1 ,4 7 7
2 3 ,2 1 9
2 4 ,6 4 2
1 ,4 0 0
2 ,2 1 6
1 ,7 2 2 ,4 6 7
3 4 4 ,7 2 6
2 2 9 ,8 1 4
5 6 5 ,2 2 1
5 8 2 ,7 0 6
4 ,7 0 9
744
11
1 ,7 8 6 ,8 4 9
平 成 21年 度 末
平 成 22年 度 末
9 ,85 1
6 3 ,5 1 1
3 6 ,2 0 3
2 4 ,54 2
5 50
2 ,2 16
1 ,6 17 ,1 9 0
3 1 9 ,1 3 4
2 3 4 ,2 3 9
5 5 2 ,0 5 7
5 1 1 ,7 6 0
4 ,0 65
719
23
1 ,6 95 ,3 5 8
平 成 22年 度 末
(単位:億円)
平 成 23年 度 末
7 ,9 8 0
6 7 ,4 5 8
4 0 ,2 0 0
2 4 ,5 4 2
500
2 ,2 1 6
1 ,5 1 6 ,6 9 2
2 9 2 ,0 6 8
2 3 2 ,4 7 9
5 4 0 ,5 3 9
4 5 1 ,6 0 5
3 ,2 6 9
671
24
1 ,5 9 6 ,0 9 3
平 成 23年 度 末
8 4 2 ,6 4 4
5 4 8 ,4 5 0
3 0 ,9 1 2
5 2 ,0 5 9
2 1 1 ,2 2 3
1 ,3 9 7 ,5 4 3
5
3 ,9 6 7
26
1 ,7 9 8
6 1 1 ,8 2 5
4 3 7 ,1 3 7
2 7 ,7 5 8
4 8 ,2 5 4
9 8 ,6 7 6
1 ,3 1 0 ,5 0 1
5
4 ,0 2 3
15
1 ,5 2 7
5 0 8 ,4 0 8
4 1 1 ,0 7 4
9 ,5 0 4
4 4 ,5 0 3
4 3 ,3 2 8
1 ,2 2 2 ,2 5 3
5
3 ,7 4 8
15
1 ,3 4 4
4 9 4 ,7 9 9
4 2 7 ,0 4 8
6 ,78 3
4 3 ,07 1
1 7 ,8 9 7
1 ,1 81 ,9 1 8
5
3 ,6 69
13
1 ,1 17
4 7 0 ,4 1 4
3 8 9 ,9 9 3
5 ,8 6 5
4 2 ,0 3 0
3 2 ,5 2 6
1 ,1 0 9 ,1 2 2
5
3 ,2 9 3
8
961
1 7 8 ,6 9 1
2 3 ,0 1 5
2 ,4 4 7 ,6 8 9
8 8 ,5 2 6
2 1 ,5 4 3
2 ,0 3 7 ,9 6 5
3 6 ,7 1 9
1 4 ,3 5 8
1 ,7 8 6 ,8 4 9
3 ,5 3 5
1 0 ,30 2
1 ,6 95 ,3 5 8
3 ,2 4 9
9 ,0 4 2
1 ,5 9 6 ,0 9 3
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
(注)1.国債には国庫短期証券、中期国債、長期国債、超長期国債、日本国有鉄道清算事業団債券承継国債、石油債券承継国債、本州
四国連絡橋債券承継国債および道路債券承継国債を含み、また、売戻条件付利付国庫債券を含む。
2.特別法人=特別の法律により、国、政府関係機関および地方公共団体のみの出資により設立された法人である。
3.未収収益=有価証券利子および貸付金利子で、当該年度の最終利払日から年度末までの未収となっている期間利子等である。
4.公債発行差金=アンダーパーで発行した財投債の額面金額と収入金額の差額のうちの未償却残高である。
5.購入証券経過利子=利払日以降に購入された利付債につき、債券発行機関に代わって、利払日から取引日までの経過日数に応
じた利子相当額を立替払整理した額である。
6.公債=財投債の未償還額面残高である(物価連動債については当該年度末における想定元本である)。
7.補償金返還金=旧預金部資金の資産再評価後、評価損失として確定され一般会計で補填されたもののうち、その後同資金が回
収されたため、一般会計に繰り入れ等を行った残額である。
8.未払費用=預託金利子および公債金等利子で、当該年度の最終利払日から年度末までの未払となっている期間利子等である。
9.前受金=年度末における公債発行に伴い発生する経過利子受入の前受に相当する金額である。
10.長期前受収益=オーバーパーで発行した財投債の額面金額と収入金額の差額のうちの未取崩残高である。
- 209 -
○参考指標 3-2-10:財政融資資金の保有有価証券の期末残高の推移
■保有有価証券の期末残高
(単位:億円[構成比:%])
平 成1 9年 度末
区分
国債
政府関係機関債券
特別法人債券
平成 21年 度 末
平成 20 年度 末
平 成 23年 度 末
平 成 23年 度末
271,962
[82.0]
148,930
[81.6]
23,219
[45.1]
36,203
[57.0]
40,200
2,504
[0.8]
3,706
[2.0]
-
[-]
-
[-]
-
[59.6]
[-]
54,621
[16.5]
26,331
[14.4]
24,642
[47.9]
24,542
[38.6]
24,542
[36.4]
金融債
300
[0.1]
-
[-]
-
[-]
-
[-]
-
[-]
外国債
1,400
[0.4]
1,400
[0.8]
1,400
[2.7]
550
[0.9]
500
[0.7]
1,000
[0.3]
2,237
[1.2]
2,216
[4.3]
2,216
[3.5]
2,216
[3.3]
信託受益権等
合計
331,787 [100.0]
182,603 [100.0]
51,477 [100.0]
63,511 [100.0]
67,458 [100.0]
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
○参考指標 3-2-11:財政融資資金の保有有価証券の残存期間別残高の推移
保有有価証券の残存期間別残高
(単位:億円)
区分
平成19年度末
1年以下
平成20年度末
平成21年度末
平成22年度末
平成23年度末
257,289
147,096
16,941
29,025
33,072
1年超2年以下
6,229
950
50
100
21,733
2年超3年以下
950
50
100
21,733
10,037
3年超4年以下
50
100
21,733
10,037
-
4年超5年以下
100
21,733
10,037
-
400
5年超6年以下
25,733
10,037
-
400
250
6年超7年以下
20,037
-
400
250
1,966
7年超8年以下
10,000
400
250
1,966
-
8年超9年以下
10,400
250
1,966
-
-
9年超10年以下
1,000
1,987
-
-
-
-
-
-
-
-
331,787
182,603
51,477
63,511
67,458
10年超
合計
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
○参考指標 3-2-12:財政融資資金の預託者別期末残高の推移
■預託者別期末残高
(単位:億円[構成比:%])
区分
外国為替資金特別会計
平成19年度末
184,557
労働保険特別会計
125,781
年金特別会計
210,673
共済組合
52,059
(株)日本政策金融公庫
地震再保険特別会計
貿易再保険特別会計
雇用安定資金
3,999
11,187
7,300
10,004
自動車安全特別会計
財政投融資特別会計(投資勘定)
その他
3,622
1,076
232,386
合計
842,644
平成20年度末
[21.9]
[14.9]
[25.0]
[6.2]
[0.5]
[1.3]
[0.9]
[1.2]
[0.4]
[0.1]
[27.6]
[100.0]
205,825
134,435
68,944
48,254
11,478
11,843
7,299
10,679
3,397
748
108,924
611,825
平成21年度末
[33.6]
[22.0]
[11.3]
[7.9]
[1.9]
[1.9]
[1.2]
[1.7]
[0.6]
[0.1]
[17.8]
[100.0]
215,886
124,966
42,738
44,503
23,134
12,507
7,458
8,001
3,238
686
25,292
508,408
平成22年度末
[42.5]
[24.6]
[8.4]
[8.8]
[4.6]
[2.5]
[1.5]
[1.6]
[0.6]
[0.1]
[5.0]
[100.0]
207,263
124,752
67,135
43,071
17,715
13,167
7,436
5,048
3,098
791
5,324
494,799
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
(注)1.厚生保険特別会計及び国民年金特別会計は、平成19年4月1日に廃止され、両特別会計の預託金は年金特別会計に承継されました。
2.中小企業金融公庫および農林漁業金融公庫は、平成20年10月1日に解散し、両公庫の預託金は株式会社日本政策金融公庫に承継されました。
3.自動車損害賠償保障事業特別会計及び自動車検査登録特別会計は、平成20年3月31日に廃止され、両特別会計の預託金は自動車安全特別会計に承継されました。
4.船員保険特別会計は、平成21年12月31日に廃止され、同特別会計の預託金100,474,644,000円は労働保険特別会計に承継されました。
5.産業投資特別会計産業投資勘定は、平成20年4月1日に廃止され、同勘定の預託金は財政投融資特別会計投資勘定に承継されました。
平成24年度実績評価書
- 210 -
平成23年度末
[41.9]
[25.2]
[13.6]
[8.7]
[3.6]
[2.7]
[1.5]
[1.0]
[0.6]
[0.2]
[1.1]
[100.0]
164,762
130,344
70,463
42,030
32,369
8,213
7,759
3,895
2,985
2,039
5,556
470,414
[35.0]
[27.7]
[15.0]
[8.9]
[6.9]
[1.7]
[1.6]
[0.8]
[0.6]
[0.4]
[1.2]
[100.0]
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
○参考指標 3-2-13:財政融資資金の預託金の残存期間別残高の推移
預託金の残存期間別残高
(単位:億円)
区分
平成19年度末
1年未満
平成20年度末
平成21年度末
平成22年度末
平成23年度末
409,559
236,100
152,870
184,259
209,848
1年以上2年未満
99,410
55,867
72,307
49,717
45,936
2年以上3年未満
46,818
61,642
46,384
45,406
46,753
3年以上4年未満
61,642
36,655
46,608
46,729
40,138
4年以上5年未満
34,655
48,952
38,695
41,577
21,248
5年以上6年未満
41,655
35,911
30,645
23,090
22,173
6年以上7年未満
27,707
29,945
23,090
22,449
12,507
121,197
106,753
97,810
81,571
71,812
842,644
611,825
508,408
494,799
470,414
7年以上
合計
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
○参考指標 3-2-14:財政投融資特別会計財政融資資金勘定の資金運用・調達における
平均残高の推移
■資金の運用・調達における平均残高
(単位:億円)
区分
平 成 19 年 度 末
資金運用
平 成 2 0年 度 末
平 成 2 1年 度 末
平 成 2 2年 度 末
平 成 2 3年 度 末
2 ,6 8 6,3 8 5
2,2 3 5,74 0
1,91 8,84 0
1,77 8,54 0
1,63 2 ,60 5
2 ,2 2 3,1 9 8
1,9 5 9,68 3
1,78 1,84 8
1,66 6,03 4
1,56 1 ,16 6
4 3 6,1 1 8
2 5 6,44 0
12 3,03 1
11 0,58 7
6 6 ,34 0
資金調達
2 ,5 0 3,4 3 0
2,0 8 0,74 1
1,81 8,38 7
1,72 7,20 1
1,61 7 ,46 9
うち預託金
1 ,0 8 4,4 5 3
7 1 6,55 8
54 5,28 5
49 7,42 1
46 4 ,50 5
うち公債金
1 ,4 1 8,9 7 7
1,3 6 4,18 3
1,27 3,10 2
1,22 9,78 0
1,15 2 ,51 3
うち貸付金
うち有価証券
(注)
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
(注)有価証券には購入証券経過利子を含む。
〇参考指標 3-2-15:財政投融資特別会計投資勘定の損益計算書・貸借対照表
貸借対照表
(単 位 : 億円 )
借方
現金預金
未収収益
貸付金
土地等 (注1)
(注2)
出資金
未収出資回収金
合計
貸方
資本
利益積立金
本年度利益
(注3)
固定資産評価差益
合計
平成19年度末 平成20年度末 平成21年度末 平成22年度末 平成23年度末
1,266
748
687
798
2,040
0
0
0
0
0
42
28
20
13
59
35
32
18
22
103,607
82,147
91,329
91,214
91,918
105
105,021
82,958
92,067
92,043
94,039
平成19年度末 平成20年度末 平成21年度末 平成22年度末 平成23年度末
22,446
22,446
24,652
24,652
24,652
14,115
14,203
15,152
15,969
15,466
605
948
1,028
1,199
5,017
67,855
45,360
51,236
50,224
48,905
105,021
82,958
92,067
92,043
94,039
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
(注)1.土地等は、政策金融機関の組織再編に伴い、国に承継されることとなった各機関の不要資産のうち、
当勘定に帰属した土地・建物等の年度末の国有財産台帳価格を計上している。
2.出資金は、国有財産法施行令(昭和23年政令第246号)第23条の規定により各年度末において実施
した国有財産の価格改定後の額を計上したものである。
3.固定資産評価差益は、出資金等の価格改定により生じた評価差益を計上したものである。
固定資産評価差益は、政府保有義務が課されている、日本電信電話株式会社の株式及び日本たばこ
産業株式会社の株式の時価評価によるものが主なものとなっている。
- 211 -
損益計算書
( 単位:億円)
利益
貸付金利息
預託金利子
納付金
中小企業金融公庫納付金
株式会社日本政策金融公庫納付金
日本政策投資銀行納付金
国際協力銀行納付金
独立行政法人情報通信研究機構納付金
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物
資源機構納付金
独立行政法人新エネルギー・産業技術
総合開発機構納付金
独立行政法人医薬基盤研究所納付金
独立行政法人住宅金融支援機構納付金
株式配当金
日本たばこ産業株式会社配当金
日本電信電話株式会社配当金
株式会社日本政策投資銀行配当金
株式会社商工組合中央金庫配当金
資産承継時益 (注)
農林漁業金融公庫資産承継時益
中小企業金融公庫資産承継時益
公営企業金融公庫資産承継時益
日本政策投資銀行資産承継時益
国際協力銀行資産承継時益
株式処分益
雑収入
雑益
合計
損失
事務取扱費
出資金償却損
国債整理基金特別会計への固定資産無
償所属替損
雑損
本年度利益
合計
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
2
9
300
2
10
288
-
1
8
117
78
35
-
1
1
134
134
-
0
2
163
163
-
0
3
292
288
1
-
2
-
-
-
671
220
451
0
982
1
790
260
530
33
3
1
5
11
13
0
949
895
280
610
5
0
0
1,031
1,037
290
636
100
10
0
1
1,202
1
1
1
1,560
400
649
500
10
3,331
0
5,185
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
1
377
1
-
1
-
1
-
1
-
605
982
0
948
949
2
1,028
1,031
3
1,199
1,202
167
0
5,017
5,185
(出所)「財政投融資リポート2012」(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
(注)資産承継時益は、政策金融機関の組織再編に伴い、国に承継されることとなった各機関の不要資産の
うち、当勘定に帰属した土地・建物等の承継時の評価益等を計上している。
(3)財投債の発行
財政投融資特別会計国債(財投債)は、国がその信用に基づいて発行する債券であると
いう意味では、一般にいう国債とは違いはありません。したがって、財投債も他の国債と
同様に、発行限度額について国会の議決を受けており、国債発行計画の中に位置付けられ
ています。
(注)財投債は国が発行する国債の一種であり、商品性も通常の国債と同じで、発行も通常の国債
と合わせて行われている。ただし、国債の発行によって調達された資金が財政融資資金の貸付
けの財源となるとともに、償還・利払いが財政融資資金の貸付回収金によって賄われている点
が、一般会計の歳出の財源となり、租税などを償還財源とする通常の国債とは異なるため、国
の長期債務残高にも含まれていない。また、財投債は、国民経済計算体系(SNA)上も、一
般政府の債務には分類されていない。
平成24年度実績評価書
- 212 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
○参考指標 3-2-16:財投債の種類別発行予定額の推移
財投債の種類別発行予定額
(収入金ベース、単位:億円)
21年度
区 分
市
中
消
化
21年度
21年度
(1次補正後)
(年限振替後)
22年度
23年度
23年度
23年度
(1次補正後) (3次補正後)
24年度
25年度
30年債
1,000
1,000
1,000
1,000
800
1,000
1,000
1,200
1,100
20年債
8,000
15,100
15,100
12,000
9,800
11,200
11,500
7,800
5,500
-
-
-
-
-
-
-
-
-
32,000
45,000
65,000
34,000
39,200
44,800
46,200
45,000
28,050
15年変動利付債
10年債
10年物価連動債
5年債
-
-
-
-
-
-
-
-
-
21,000
43,000
50,100
54,000
44,800
51,200
52,800
52,500
40,150
2年債
18,000
36,900
9,800
54,000
45,400
51,800
53,500
43,500
35,200
合 計
80,000
141,000
141,000
155,000
140,000
160,000
165,000
150,000
110,000
(出所)「財政投融資リポート2012」等(平成24年8月 理財局財政投融資総括課)
(http://www.mof.go.jp/filp/publication/filp_report/zaito2012/index.html)
○参考指標 3-2-17:財投債の発行年度別償還年次表
財政投融資特別会計国債の発行年度別償還年次表
区 分
平成 26 年度
平成21年度発行分
平成22年度発行分
2,226,763,550
平成23年度 発行分
-
-
4,350,018,600
-
〃
28
〃
-
-
〃
29
〃
-
-
-
〃
30
〃
238,986,300
-
-
-
〃
31
〃
4,259,317,100
-
-
-
5,255,203,350
〃
32
〃
-
-
〃
33
〃
-
-
〃
34
〃
-
-
-
〃
35
〃
-
-
-
-
〃
36
〃
-
-
-
-
-
1,674,691,200
〃
37
〃
-
-
-
-
-
1,368,603,050
〃
38
〃
-
-
-
-
-
2,016,289,400
〃
39
〃
-
-
-
-
-
1,203,964,600
〃
40
〃
60,098,300
-
-
-
-
1,202,403,850
〃
41
〃
1,097,544,250
-
-
-
1,266,951,300
〃
42
〃
-
-
-
1,538,377,200
〃
43
〃
-
-
331,980,400
-
1,113,233,950
〃
44
〃
-
-
-
448,995,200
-
850,930,300
〃
45
〃
-
-
-
-
〃
46
〃
-
-
-
-
-
394,423,900
〃
47
〃
-
-
-
-
-
261,025,400
〃
48
〃
-
-
-
-
-
437,781,600
〃
49
〃
-
-
-
-
-
212,563,850
〃
50
〃
-
-
-
-
-
100,529,700
〃
51
〃
-
19,078,650
-
-
-
19,078,650
〃
52
〃
-
81,082,100
-
-
121,381,650
〃
53
〃
-
-
59,024,650
-
108,599,600
〃
54
〃
-
-
-
60,132,050
-
〃
55
〃
-
-
-
-
〃
59
〃
-
-
-
-
-
-
〃
60
〃
-
-
-
-
-
-
〃
61
〃
-
-
-
-
-
-
〃
62
〃
-
-
-
-
-
-
〃
63
〃
-
-
-
-
-
-
〃
64
〃
-
-
-
-
-
-
〃 65 〃
合 計
-
-
-
-
-
940,755,250
169,407,050
1,027,514,100
5,006,800,800
932,073,800
3,104,879,650
510,863,100
478,962,250
40,299,550
49,574,950
8,500,394,350
5,248,922,850
3,520,000,000
19,553,288,352
〃
3,383,741,050
-
-
27
470,886,250
-
(単位:千円)
計
平成25年度発行分
〃
7,882,709,500
2,298,077,400
平成 24年度発行分
16,724,375,931
-
14,827,892,100
-
8,201,180,405
4,015,000,000
6,643,928,050
-
3,456,294,850
847,226,500
-
5,923,881,850
3,641,659,250
-
5,249,013,800
14,987,959,500
2,805,000,000
550,000,000
110,000,000
11,000,000,000
4,378,409,700
955,917,350
60,132,050
110,000,000
105,230,346,989
(出所) 理財局財政投融資総括課調
(注1) 本表は、平成25年度末現在高見込額についての償還年次表である。
(注2) 平成25年度発行分の償還予定については、特別会計予算総則第10条第1項ただし書の規定により国債発行の限度額が増額され、その増額の範囲内において国債が発行された場合は、その発行され
た国債の額面による金額が増額される。
(注3) 平成25年度発行分の国債が、平成25年4月1日から同年5月31日までの間に発行された場合は、償還年次及び計数は異動することがある。
(注4) 平成25年度発行分の国債が、既発行の国債と同一銘柄の国債として発行された場合は、償還年次及び計数は異動することがある。
(注5) 本表の金額は、国債の額面による金額(次項に掲げる国債については次項に掲げる金額)であり、国債の発行による収入金額とは合致しない。
(注6) 発行後にその元金が増減することとなる国債(物価連動国債)については、平成24年12月31日の想定元金額で計上している。
(注7) 千円未満を切り捨ててあるので、合計とは端数において合致しないものがある。
(注8) 入札の結果等により、計数は一部平成23年度政策評価書の計数と異なっている。
- 213 -
また、財投機関の資金調達手段の一つに財投機関債があります。財投機関債は、財投機関
が民間金融市場において個別に発行する政府保証のない公募債券です。
財投機関債の発行に
よって、財投機関は財務状況や経営成績について外部の評価を受けることになるため、事業
運営の効率化・透明化が図られるようになります。
平成21~23年度の発行予定額及び実績、平成24~25年度の発行予定額は以下の通りです。
○参考指標 3-2-18:財投機関債の発行予定額の推移
財投機関債の発行予定額の推移
(単位:億円)
金 額
機 関 名
21年度
予定
株式会社日本政策金融公庫
沖縄振興開発金融公庫
22年度
実績
予定
23年度
実績
予定
実績
うち 普通社債
資産担保証券
独立行政法人都市再生機構
予定
1,860
5,000
3,250
4,950
2,950
3,750
3,400
200
200
220
200
200
100
200
100
500
200
24年4月1日設立
独立行政法人住宅金融支援機構
25年度
予定
2,000
株式会社国際協力銀行
独立行政法人国際協力機構
24年度
500
500
800
600
800
600
800
800
51,692
19,220
34,550
21,763
28,237
27,728
22,333
25,220
5,041
2,260
7,510
4,022
4,592
4,020
5,233
6,630
46,651
16,960
27,040
17,741
23,645
23,708
17,100
18,590
800
700
600
900
350
800
800
1,000(100)
90
70
105(20)
105
85(20)
105
80
50
1,030(10)
1,200
1,000(30)
1,050
1,370
1,370
1,160
1,560
独立行政法人福祉医療機構
740
440
920
790
1,150
1,000
730
200
独立行政法人国立病院機構
50
-
50
-
50
-
50
50
日本私立学校振興・共済事業団
80
80
80
80
50
50
50
-
独立行政法人国立大学財務・経営センター
50
50
50
50
50
50
50
50
1,170
1,170
1,600
1,600
1,700
1,700
1,800
1,800
独立行政法人水資源機構
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
独立行政法人日本学生支援機構
39
39
-
-
-
-
-
-
4,700(330)
5,778
6,700
5,900
4,600
5,200
6,100
6,400
東日本高速道路株式会社
600
600
財投対象外
財投対象外
財投対象外
財投対象外
首都高速道路株式会社
400
550
財投対象外
財投対象外
財投対象外
財投対象外
中日本高速道路株式会社
1,500
1,500
財投対象外
財投対象外
財投対象外
財投対象外
西日本高速道路株式会社
600
800
財投対象外
財投対象外
財投対象外
財投対象外
阪神高速道路株式会社
250
250
財投対象外
財投対象外
財投対象外
財投対象外
独立行政法人森林総合研究所
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
新関西国際空港株式会社
(関西国際空港株式会社)
426(38)
437
689
-(21)
3
637(18)
283
中部国際空港株式会社
26(53)
115
29
-
78(29)
100
-
-
株式会社日本政策投資銀行
2,400
1,584
3,000
800
3,500
2,531
4,000
4,000
69,343
37,142
55,787
37,477
47,720
43,837
43,040
44,913
(431)【22】
【21】
(177)【16】
【14】
(70)【15】
【15】
(18)【16】
【15】
合 計
【機関数】
683(27)
うち 普通社債
22,692
20,182
28,747
19,736
24,075
20,129
25,940
26,323
資産担保証券
46,651
16,960
27,040
17,741
23,645
23,708
17,100
18,590
(出所)理財局財政投融資総括課調
(注) 1. 機関名欄の( )書は、組織変更前の機関名である。
2. 金額は額面ベース(改定後)であり、金額欄の( )書は、前年度繰越分で外書である。
3. 株式会社国際協力銀行は24年4月1日をもって設立され、株式会社日本政策金融公庫の(国際協力銀行業務)の業務を承継した。
平成24年度実績評価書
- 214 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-2〕
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 各年度の財政投融資計画の編成においては、各府省庁・各機関より提出された政策評
価や政策コスト分析を活用し、政策的必要性、民業補完性の観点から毎年度見直しを行
い、対象事業の重点化・効率化を図りつつ、国民のニーズや社会経済情勢の変化などを
踏まえ、必要な事業への資金供給を確保します。また、財政投融資対象機関に対する適
切な審査により、その内容を、財政投融資計画に反映させます。
② 財政投融資対象機関に対する既往の貸付金について、
適切なモニタリングを行いつつ、
約定通りの確実な回収を行います。また、引き続き適切なALMに取り組むこと等によ
り、可能な限り金利変動リスクの低減に努めます。
また、政策コスト分析の活用、公表に引き続き取り組みます。
③ 財政投融資について、国民の理解を一層深めるとともに、運営に対するチェックを容
易にするため、平成22年4月16日に取りまとめた財政投融資の透明性の向上についての
実施プランに基づき、PDCAの各段階における情報開示の拡充や実地監査等により、
引き続き透明性の向上に取り組みます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
引き続き、民間では実施困難であるが政策として必要な事業を実施する機関への資金供
給の確保と、適切なALMを実施するために必要な経費の確保に努めます。
- 215 -
○ 政策目標3-3:国有財産の適正な管理及び有効活用等と情報提供の充実
1.
「政策の目標」に関する基本的考え方
「新成長戦略」に盛り込まれた施策の実施に当たって、地域や社会のニーズに対応した国有財産の有
効活用を図っていくこととし、平成22年6月に公表した「新成長戦略における国有財産の有効活用につ
いて」(http://www.mof.go.jp/national_property/topics/arikata/220618_01.pdf)及び平成22年12
月に公表した「国有財産行政におけるPRE戦略について」(http://www.mof.go.jp/national_property/
councils/pre/shiryou/221208_01.pdf)を踏まえ、以下のとおり取り組みます。
なお、東日本大震災における被災地の応急措置に対応するため、地方公共団体の要請に応じて未利用国
有地を無償貸付により提供するなど、大震災への対応を優先して行うこととします。
(1)国有財産の適正な管理及び有効活用の促進
国有財産の適正な管理及び有効活用を促進するため、毎年度監査計画を策定し、監査の充実・強
化を進めていきます。
未利用国有地については、売却に加えて、定期借地権を利用した新規の貸付や交換など、個々の土地の
特性に応じ、最適な活用手段を選択します。また、管理処分に当たっては、公用・公共用優先の考え方を
原則とし、地方公共団体等からの要望を優先しています。特に、「新成長戦略」や「日本再生の基本戦略」
に盛り込まれた介護・子育てなど、すべての人々のための社会・生活基盤の構築のため活用したいとの要
望があった場合は、これを優先します。公用・公共用の要望もなく売却が適当なものについては、速やか
に一般競争入札により売却します。
(2)国有財産の現在額等の的確な把握と情報提供の充実
国有財産総合情報管理システム(国有財産関係業務の業務・システム最適化計画に基づく新システム)
を活用して、国有財産現在額等をより効率的かつ的確に把握します。また、積極的な情報の公開・発信と
ともに、引き続き、情報提供の内容の充実やホームページの利便性向上に取り組みます。
2.内閣の基本的な方針との関連
新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)
新成長戦略実現2011(平成23年1月25日閣議決定)
日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)
防災基本計画(平成24年9月6日中央防災会議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 3-3-2:未利用国有地等の有効活用の促進
4.平成24年度の事務運営の報告
(1)国有財産の適正な管理及び有効活用の促進
施
策 3-3-1:行政財産等の監査と使用調整等の推進
[平成24年度実施計画]
「新成長戦略における国有財産の有効活用について」
(平成22年6月18日発表)等を踏まえ、国有
財産の監査の充実・強化を図ることとし、従来の書面を中心とした監査から現地における深度ある
監査へと運用を改めました。
具体的には、
① 市街地に所在する公共用財産(道路・河川)及びそれらを管理する公用財産を対象に、公共用
財産の目的に応じた機能の発揮、未利用国有地の洗い出し等の観点から一体的な監査を実施して
います。
② 各省各庁の長が所管し、管理処分している特別会計所属普通財産を対象に、特別会計改革にお
平成24年度実績評価書
- 216 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-3〕
ける取組とも連携を図りつつ、財産管理の適正化や売却の促進等を図る観点から、監査を実施し
ています。
平成24年度においても、引き続き、こうした方針に基づき、現地における深度ある監査を監査計
画に対して100%実施するよう努めます。
なお、行政組織の見直し等によって生じる既存庁舎等の過不足を解消するため、監査の結果など
を有効に活用することにより、省庁横断的な入替調整等を積極的に行い、既存庁舎等の効率的な使
用を推進します。
[事務運営の報告]
平成24年度においては、公共用財産の監査の指摘割合が高かった前年度の監査結果を踏
まえ、
「市街地に所在する道路、河川等の公共用財産の監査」に事務量を重点的に配分する
との方針の下、監査計画を策定しました。
公共用財産の監査は、未利用国有地の洗い出しに主眼を置いており、財産の必要性等に
ついて折衝を重ねる外、計画件数1件に対する監査箇所数も多数にのぼり、多くの事務量
を要することから、前年度に比べて計画件数が減少する結果となりましたが、上記の方針
に基づき、現地において、昨年度と同様、国有財産の現況を正しく把握したうえで、更に
財政への貢献や地域のニーズを踏まえた有効活用を求める等深度ある監査を計画どおり実
施しました。
◎業績指標3-3-1:監査結果
(単位:件、%)
平成23年度
24年度
監査計画
1,748
451
実
績
1,748
451
実 施 率
100.0
100.0
(出所)理財局国有財産調整課国有財産監査室調
○参考指標3-3-1:対象財産別の監査実施状況
(単位:件)
平成23年度
庁舎等、省庁別宿舎の公用財産に対する監査
市街地に所在する道路、河川等の公共用財産に対
する監査
特別会計所属の普通財産に対する監査
合 計
24年度
548
133
150
179
1,050
139
1,748
451
(出所)理財局国有財産調整課国有財産監査室調
なお、省庁横断的な入替調整等を積極的に実施するため、入居官署の移転に伴い空きス
ペースが生じたこと等を踏まえ、
財政制度等審議会の意見を聴いた上で、
平成24年9月に、
経済産業省別館等全国6市・区に所在する合計8庁舎について、庁舎等使用調整計画(ht
tp://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_national_prop
erty/proceedings_np/index.html)を策定しました。
- 217 -
○参考指標 3-3-2:既存庁舎等の入替調整実績の推移
平成20年度
21年度
(単位:件)
22年度
23年度
24年度
庁 舎 数
90
73
40
79
61
官 署 数
152
120
72
122
101
(出所)理財局国有財産調整課調
重 施
○
策 3-3-2:未利用国有地等の有効活用の促進
[平成24年度実施計画]
① 東日本大震災における被災地の応急措置に対応するため、地方公共団体の要請に応じて未利用
国有地を応急仮設住宅用地として、引き続き無償貸付により提供します。あわせて、被害を受け
た中小企業を支援するため、その仮設店舗・事業所用地として、地方公共団体を通じた無償貸付
を行うなど、未利用国有地の活用を推進します。
また、災害発生時の応急措置に速やかに対応するため、地方公共団体との連携強化に努めます。
② 未利用国有地については、1.(1)で示した基本的な考え方に即し、平成23年度中に発生し
た未利用国有地について、1年以内に財産の特性に応じた処理方針を策定します。
③ 特に、介護・子育てなどすべての人々のための社会・生活基盤の構築のため、「新成長戦略」
や「日本再生の基本戦略」に盛り込まれた施策である国有地の定期借地権制度等を活用した施設
整備を推進することを通じ、地域における福祉サービス等の提供体制の強化を図り、地方公共団
体との連携に努めます。
④ なお、規模の大きな土地については、資産価値の向上や街づくりの観点から、二段階一般競争
入札や地区計画活用型一般競争入札の活用も含めて検討します。
⑤ 無道路地・不整形地といった土地の形状により建物が建てられない財産等において、隣接して
いる土地と交換することで土地の有効活用が可能な場合には、交換制度の活用を検討します。ま
た、隣接地との境界が未確定となっている財産等については、その現状を明示した上で積極的に
入札(瑕疵等明示売却)に付します。
⑥ 売却困難財産及び売れ残り財産については、税外収入の確保に加え管理コストを削減する観点
から、一時貸付期間の延長やより積極的に貸付に応じるなど、より一層その有効活用を図ること
とします。
⑦ 売却や貸付を行うに当たっては、明確化された手続に従い、透明、公平な処理を行います。ま
た、入札に当たっては、警察当局と連携して暴力団等の排除を徹底します。
なお、国有財産は国民共有の貴重な財産であるため、「新成長戦略」等を踏まえ、未利用国有地
を売却して税外収入を確保することに加え、地域や社会の要請に応じて有効活用を図ることや、災
害が発生した場合における応急措置に対応することはとりわけ重要と考えられることから、本施策
を重点施策として位置付け、推進していきます。
[事務運営の報告]
① 東日本大震災への対応及び防災に関する取組
震災直後(平成23年3月12日)から、東北財務局をはじめとする各財務局・各財務事
務所から被災した地方公共団体及び政府の緊急災害対策本部事務局等に対し、応急仮設
住宅建設用地やがれき置き場等の緊急対応に利用可能な未利用国有地(財務省所管・各
省各庁所管)に関する情報を提供し、地方公共団体からの要請に応じて無償貸付を行い
ました。
また、
「防災基本計画」
(中央防災会議)において、防災に関する諸活動の推進に当た
っては、国有財産の有効活用を図るとされたことを受けて、防災目的のために国有財産
を取得等することが可能である旨を全国の地方公共団体防災担当に周知するとともに、
利用可能な国有財産を情報提供するスキームを構築しました。
平成24年度実績評価書
- 218 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-3〕
② 財産の特性に応じた処理方針の策定
未利用国有地については、売却に加えて、新規の貸付(定期借地)や交換など、個々
の土地の特性に応じ、最適な活用手段を選択することとし、平成23年度に発生した未利
用国有地539件について、1年以内に全ての処理方針を策定しました。
また、東日本大震災の復興財源の確保及び行政改革を推進する観点から、一般競争入
札の実施に当たって、物納不動産(土地)に限らず、すべての不動産について、原則と
して最低売却価格(予定価格)を公表する制度改正を行いました。
◎業績指標 3-3-2:未利用国有地発生後、1年以内に財産の特性に応じた処理方針を策定
した割合
(単位:件、%)
平成22年度
未利用国有地発生件数 A
うち1年以内に財産の特性に応じ
た処理方針を策定した件数B
23年度
24年度
747
615
539
747
615
539
(目標値)
実施率 B/A
100.0
100.0
100.0
(実績値)
100.0
(出所)財務局等から報告を受けて、理財局国有財産業務課で集計。
(注) 未利用国有地発生件数は、前年度中の件数(平成23年度の件数は、東日本大震災対応のために地方公共
団体へ情報提供したものを除く)
。
○参考指標 3-3-3:未利用国有地の状況(平成23年度末)
合計 3,628件 (4,800億円)
地方公共団体等が利用する財産
国利用
54件
(364億円)
地方公共
団体等利用
151件
(942億円)
処分対象財産
処分困難事由のある財産
入札未実施
売残(注1)
直困難(注2)
当分困難(注3)
863件
(601億円)
1,064件
(395億円)
611件
(1,579億円)
885件
(916億円)
(出所)財務局等から報告を受けて、理財局国有財産業務課で集計。
(注1)
「売残」は、過去の入札において、成約に至らなかった財産である。
(注2)
「直困難」は、境界の再確認等のために直ちには入札により処分することができない財産である。
(注3)
「当分困難」は、境界係争中など、当分の間処分が困難な財産である。
○参考指標 3-3-4:未利用国有地等(財務省所管一般会計所属普通財産)の売却結果の推
移
(単位:件数、%、億円)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
実施件数
3,425
3,240
2,715
1,353
1,801
落札件数
792
857
713
400
597
契約件数
1,035
1,130
942
479
757
成 約 率
30.2
34.9
34.7
35.4
42.0
- 219 -
契約金額
315
522
428
268
486
(出所)財務局等から報告を受けて、理財局国有財産業務課で集計。
(注1)上記表は、一般競争入札の売却結果の推移を示したものである。
(注2)平成24年度実績は速報値。25年度に確定後、25年度政策評価書に掲載。
(注3)平成23年度の契約件数については、入札の結果、不落・不調となった財産を、24年4月1日以降に随意
契約により売却したものを含むため、23年度実績評価書の計数と異なっている。
(注4)契約金額は、各年度に入札を実施したものであり、翌年度に契約したものも含まれる。
○参考指標 3-3-5:一般競争入札における落札状況
平成20年度
合
計
最低売却価格
公表物件
最低売却価格
非公表物件
21年度
(単位:件、%)
22年度
23年度
24年度
実施件数
3,425
3,240
2,715
1,353
1,801
落札件数
792
857
713
400
597
落札率
23.1
26.5
26.3
29.6
33.1
実施件数
2,291
2,028
1,636
701
1,283
落札件数
579
625
518
281
487
落札率
25.3
30.8
31.7
40.1
38.0
実施件数
1,134
1,212
1,079
652
518
落札件数
213
232
195
119
110
落札率
18.8
19.1
18.1
18.3
21.2
(出所)財務局等から報告を受けて、理財局国有財産業務課で集計。
③ 国有地の定期借地権制度等を活用した施設整備の推進
地域や社会のニーズに対応した国有財産の有効活用を推進する観点から、保育・介護・
医療など人々の安心につながる分野で国有財産を積極的に活用することとし、地方公共
団体に対しては、未利用国有地の情報とともに定期借地権を利用した貸付制度について
の情報提供に取り組みました。
この結果、平成24年度中新たに保育所3件、障害者福祉施設3件及び老人福祉施設2
件について、地方公共団体もしくは社会福祉法人と定期借地契約を締結しました。
④ 処分困難事由のある財産の処理推進
土地の形状により建物が建てられない財産、隣接地との境界が未確定となっている財
産など処分困難事由のある財産について、その処理方針を検討し、積極的な処理促進に
努めました。
具体的には、瑕疵等を明示して一般競争入札を実施した財産について、304件契約を締
結しました。
⑤ 暫定活用の推進
売却までの間、暫定活用が可能な未利用国有地や、一般競争入札に付したものの成約
に至らなかった売れ残り財産等については、
ホームページで一時貸付に係る要望を募り、
暫定活用の推進に努めた結果、平成24年度においては、457件の財産について一時貸付契
平成24年度実績評価書
- 220 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-3〕
約を締結しました。
施
策 3-3-3:事務の効率化及び外部委託の活用などによる普通財産(土地、政府保有
株式等)の管理及び処分の適正かつ迅速な事務処理
[平成24年度実施計画]
① 未利用国有地の管理(草刈・柵設置・不法投棄物処理等)については、外部委託の活用により、
費用対効果の観点を踏まえつつ、経費の節減に取り組むとともに、効率的な事務処理を行います。
その際、一部地域においては、市場化テスト(民間競争入札)による包括的な外部委託を行いま
す。
② 物納財産などの貸付中財産については、機会を捉えて積極的に買受勧奨を行います。なお、東
日本大震災における被災地に所在する貸付中財産については、その被災状況に応じて貸付期間の
不算入措置や貸付料の減額措置を講ずるなど、貸付相手方からの相談に丁寧に対応していきます。
③ 旧里道・旧水路及び国有畦畔・脱落地等についての調査依頼、並びに境界確認に関する申請及
び時効取得確認申請などに対しては、関係機関への照会調査や現地確認調査などを的確に行い、
適正な事務処理を行います。その結果、誤信使用財産であることが確認された場合には、使用者
等の申請により売却等を行います。売却に当たっては、申請書を受理してから売却価格を通知す
るまでの期間を30日(休日その他の閉庁日を除く。)以内とするよう努め、その処理率の向上を
目指します。
(注)自己が正当に使用することができる財産であるとの誤信により使用が開始された等の経緯
を有する財産を誤信使用財産といい、例えば、住宅の建替えに伴い、所有地内に機能を喪失
した旧里道・旧水路等が確認される場合が挙げられます。
なお、誤信使用財産については、一層の適正な管理処分のため、計画的かつ効率的に処理すべ
く、態様別に分類し、優先順位をつけた計画を策定し、着実に実施に移します。
④ 上記②及び③に関する事務について、市場化テスト(民間競争入札)による包括的な外部委託
により、効率的な事務処理を行います。
⑤ このほか、国の事務・事業の減量及びその運営の効率化を推進する観点から、一般競争入札に
係る物件調書の作成、売却等に係る鑑定評価及び合同宿舎の施設改修工事の設計・監理の事務の
うち、会計法令により国自らが行わなければならない事務を除き、100%の外部委託を目指します。
⑥ なお、相続税物納申請財産については、物納許可基準及び物納許可に係る行政側の審査期間が
明確化されていることなどを踏まえ、引受事務が長期化しないよう、今後とも税務署等と緊密な
連携体制をとりつつ、管理又は処分する上で問題があると判断される場合や補完又は措置を求め
る必要がある場合には、税務署等に対し、これらの事項を速やかに連絡することにより、迅速な
事務処理を行います。
⑦ 国有財産に関する相談、照会に対しては、できる限りその場で回答することとしますが、それ
が難しい場合は、その理由を示すとともに原則として1週間以内に回答又は途中経過を連絡しま
す。
平成24年度は、すべての財務局等において引き続き迅速な対応をすべく、相談、照会件数に対
して1週間以内に回答又は途中経過を連絡する処理率の向上を目指します。
なお、応接に当たっては、できる限り専門用語を避け、平易な言葉を用いつつ、親切・丁寧に
応接します。
⑧ 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置
法」(平成23年12月2日法律第117号)に基づき復興債の償還費用の財源に充てることとされてい
る日本たばこ産業株式会社及び東京地下鉄株式会社の株式の売却については、株式市況等を勘案
しつつ、個々の株式売却の環境が整った時に売却が可能となるよう所要の事務準備を進めます。
[事務運営の報告]
① 財務省所管普通財産の管理
財務省所管普通財産を売却するまでの維持管理業務については、予算の効率的使用に
留意しつつ、定期的な草刈や不法占拠のおそれがある国有地への柵の設置など適切かつ
効率的な管理に努めました。一部地域においては、市場化テスト(民間競争入札)によ
る包括的な外部委託を活用し、効率的な事務処理を行いました。
- 221 -
○参考指標 3-3-6:財務省所管普通財産の管理業務の状況
平成20年度
21年度
(単位:件、箇所、棟)
22年度
23年度
24年度
巡 回
箇所
5,524
4,262
4,742
4,376
3,953
草 刈
箇所
3,839
3,779
4,336
3,948
3,994
柵設置
箇所
989
726
595
569
622
不法投棄物処理 件
382
408
305
384
426
立木伐採・剪定 箇所
362
367
428
445
569
立看板設置
件
1,882
1,479
1,470
947
1,059
建物解体
棟
107
71
24
30
30
13,085
11,092
11,900
10,699
10,653
合 計 件、箇所、棟
(出所)財務局等から報告を受けて、理財局国有財産業務課で集計。
② 貸付中及び旧里道・旧水路等の財産の処理
イ 貸付中の財産
貸付中の財産については、管理事務の軽減等の観点から、借主に対して買受意向の
確認調査を実施するとともに、機会を捉えて積極的に買受勧奨を行うことにより、売
却促進に努めました。その結果、943件(速報値)の財産を売却しました。
また、東日本大震災における被災地に所在する貸付中の財産については、その被災
状況に応じて貸付期間の不算入措置や貸付料の減額措置を講ずるなど、貸付相手方か
らの相談に丁寧に対応しました。
ロ 旧里道・旧水路及び国有畦畔等の財産
旧里道・旧水路及び国有畦畔・脱落地等に関する所有確認の調査依頼や国有地と民
有地との境界の確認に関する申請等に対して、その調査や立会を的確に行い、適切な
対応に努めました。
なお、調査の結果、誤信使用財産と確認されたものについては、適正な管理処分の
ため、財産を態様別に分類し、優先順位をつけた計画を策定し、5,910件(速報値)に
ついて、計画的かつ効率的に処理を進めました。
また、売却事務は民間事業者に業務委託しており、申請書を受理してから売却価格
を通知するまでの期間を30日(休日その他の閉庁日を除く。
)以内として、迅速な事務
処理を徹底するよう指導に努めましたが、相手方による申請書類の補正や農地法の所
有権移転に伴う許可などに時間を要した事案が多かったことなどから、平成24年度に
おける処理率は82.7%となりました。
平成24年度実績評価書
- 222 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-3〕
◎業績指標 3-3-3:旧里道・旧水路等の売却事務処理状況
平成20年度 21年度
売却価格通知
件数
A
うち30日
(閉庁日を除く)以内
処理件数 B
処理率B/A
22年度
23年度
(単位:件、%)
24年度
目標値
実績値
2,838
2,529
2,363
2,495
2,664
2,565
2,339
2,050
2,166
2,202
90.4
92.5
86.8
86.8
86.8
以上
82.7
(出所)財務局等から報告を受けて、理財局国有財産業務課で集計。
ハ これらに関する事務について、市場化テスト(民間競争入札)による包括的な外部
委託を活用し、効率的な事務処理を行いました。
③ 普通財産の管理処分事務等の外部委託
一般競争入札に係る物件調書の作成、地方公共団体への売払い等に係る鑑定評価及び
合同宿舎の施設改修工事の設計・監理(会計法令により国自らが行わなければならない
事務を除く。
)の外部委託率は、平成24年度においては、100%となりました。
◎業績指標 3-3-4:財務省所管普通財産の管理処分事務等の外部委託状況(単位:件、%)
区 分 発注すべき
もの(国の責
によらずに発 発 注 し た も
注できないも
の
の(注1)を除
B
く) (注2)
項 目
平 成
20年度
21年度
22年度
23年度
一般競争入札に係る物件調書の作成
一般競争入札による売払いに係る鑑定評価
地方公共団体への売払い等に係る鑑定評価
合同宿舎の施設改修工事の設計業務
合同宿舎の施設改修工事の監理業務
合
計
一般競争入札に係る物件調書の作成
一般競争入札による売払いに係る鑑定評価
地方公共団体への売払い等に係る鑑定評価
合同宿舎の施設改修工事の設計業務
合同宿舎の施設改修工事の監理業務
合
計
一般競争入札に係る物件調書の作成
一般競争入札による売払いに係る鑑定評価
地方公共団体への売払い等に係る鑑定評価
合同宿舎の施設改修工事の設計業務
合同宿舎の施設改修工事の監理業務
合
計
一般競争入札に係る物件調書の作成
一般競争入札による売払いに係る鑑定評価
地方公共団体への売払い等に係る鑑定評価
合同宿舎の施設改修工事の設計業務
合同宿舎の施設改修工事の監理業務
合
計
- 223 -
A
3,769
2,075
182
68
87
6,181
3,917
1,728
152
66
76
5,939
3,945
1,368
163
60
78
5,614
3,223
1,012
144
37
54
4,470
3,768
2,075
182
67
86
6,178
3,917
1,728
152
66
74
5,937
3,945
1,368
163
60
78
5,614
3,223
1,012
144
37
54
4,470
発注しな
かったも
の
(注2)
委託発注率
B/A
(注2)
1
0
0
1
1
3
0
0
0
0
2
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
100.0
100.0
100.0
98.5
98.9
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
97.4
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
24年度
一般競争入札に係る物件調書の作成
一般競争入札による売払いに係る鑑定評価
地方公共団体への売払い等に係る鑑定評価
合同宿舎の施設改修工事の設計業務
合同宿舎の施設改修工事の監理業務
1,178
1,084
165
39
50
1,178
1,084
165
39
50
0
0
0
0
0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(目標値)
合
2,516
計
2,516
0
100.0
(実績値)
100.0
(出所)財務局等から報告を受けて、理財局国有財産企画課、国有財産調整課及び国有財産業務課で集計。
(注1) 発注すべきもののうち国の責によらずに発注できないものとは、業者の募集をしたものの応募が無かったもの、
及び、受託した業者が経営上等の理由により受託した業務から撤退した場合である。
(注2)平成20年度の発注すべきものの計数及び発注しなかったものの計数には、発注すべきもののうち国の責によら
ずに発注できないものを含んでいる。このため、20年度の委託発注率欄の計数は、参考として表記している。
(注3)平成22年度まで計上していた「旧里道・旧水路の売払い」、「旧里道・旧水路の貸付け」、「権利付財
産の売払い」、「権利付財産の新規貸付け」、「権利付財産の継続貸付け」及び「取得時効に関する処理
業務」の計数については、市場化テストの導入により、24年度実績値として計上しない。このため、これ
らの過年度の計数についても掲載していない。
④ 国有財産に関する相談・照会
国有財産に関する相談・照会については、迅速な対応に努め、平成24年度においては、相
談・照会件数のうち、99.8%について1週間以内に回答又は途中経過の連絡を行いました。
なお、応接に当たっては、できる限り専門用語を避け、平易な言葉を用いつつ、親切・
丁寧な対応を心掛けました。
◎業績指標 3-3-5:国有財産に関する相談、照会の処理状況
5,805
6,209
5,979
8,900
(単位:件、%)
24年度
目標値
実績値
9,791
5,771
6,204
5,965
8,889
9,775
99.4
99.9
99.8
99.9
平成20年度
相談・照会件数 A
うち一週間以内に回
答又は途中経過を連
絡した件数 B
処理率B/A
21年度
22年度
23年度
99以上
99.8
(出所)財務局等からの報告及び理財局国有財産業務課国有財産審理室における処理件数を同室で集計。
⑤ 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する
特別措置法」(平成23年法律第117号)等により売却可能となった日本たばこ産業株式会
社株式3億3,333万3,200株については、株式市況等を見極めた結果、平成25年2月から
3月にかけて、日本たばこ産業株式会社の自己株式取得への売付けにより8,007万1,400
株、売出しにより2億5,326万1,800株を売却しました。この結果、ネット売却収入は約
9,734億円となりました。東京地下鉄株式会社株式については、株式売却の環境が整った
時に売却が可能となるよう所要の事務準備を進めました。
(2)国有財産の現在額等の的確な把握と情報提供の充実
施
策 3-3-4:国有財産の現在額等の的確な把握と情報提供の内容及びその手段の充実
[平成24年度実施計画]
① 国有財産総合情報管理システムにより、国有財産現在額等をより効率的に把握し、国有財産法
平成24年度実績評価書
- 224 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-3〕
第34条及び第37条の規定に基づき、毎年度、会計検査院の検査を経た上で国会に報告します。
② 財務局等が管理する国有地について、一般競争入札等で売却した結果を取りまとめ、公表しま
す。
③ 「新成長戦略における国有財産の有効活用について」(平成22年6月公表)の国有財産の情報
提供の充実化を踏まえ、財務省ホームページや国有財産情報公開システムを改善し、情報内容の
充実、利便性の向上を図ります。
具体的には、地方公共団体の保有する土地の売却情報及び各省財産の売却情報へのリンク化並
びに、財務省ホームページ上への国有財産に関するアイディア募集コンテンツ掲載・募集を引き
続き行います。
さらに、行政財産の一件別情報への地図情報の追加、個別国有地に関するアイディア募集コン
テンツの掲載・募集など情報提供の充実に引き続き取り組みます。
また、「国有財産行政におけるPRE戦略について」(平成22年12月公表)を踏まえ、国有財
産行政の透明性を高め、より積極的な説明責任を果たす観点から、最新の国有財産行政を反映し
た国有財産レポートを作成し、引き続き公表します。
④ 国有財産の各種統計や処分状況等の情報について、毎年1回発行の「財政金融統計月報(国有
財産特集)」に掲載するとともに、ホームページ(国有財産情報公開システム等)に掲載するな
ど内容の充実を図ります。また、売却が適当なすべての未利用国有地については、引き続き、所
在地、数量のほか都市計画法上の制限や図面など国民のニーズに即応した情報のタイムリーな公
開に努めます。
[事務運営の報告]
① 国有財産法第34条及び第37条の規定に基づく総計算書については、国有財産総合情報
管理システムを活用し、作成の上、平成24年9月に会計検査院へ提出しました。その後、
同院による検査を経て、平成24年11月、その説明書である「国有財産の増減及び現在額
に関する説明書・国有財産の無償貸付に関する説明書」とともに国会へ報告し、併せて
ホームページ(http://www.mof.go.jp/national_property/reference/index.html)に掲
載しました。
② 財務局等が管理する国有地について、一般競争入札等で売却した結果を取りまとめて
随時公表し、積極的に情報開示を行いました。
また、売却結果の公表に当たっては、これまでは契約相手方の同意を得られた場合に
のみ売却金額を公表していましたが、入札公示書等に契約締結後売却金額等を事後公表
する旨を明記した上で、契約を締結したすべての物件について売却金額を公表すること
とし、更なる国有財産の情報提供の充実化を図りました。
③ 「新成長戦略における国有財産の有効活用について」における国有財産の情報提供の
充実化を踏まえ、財務省ホームページや国有財産情報公開システムを改善し、情報内容
の充実、利便性の向上を図りました。具体的には、地方公共団体の保有する土地の売却
情報及び各省財産の売却情報へのリンク化並びに、財務省ホームページ上への国有財産
に関するアイディア募集コンテンツ掲載・募集を引き続き行いました。加えて、最新の
国有財産行政を反映した「国有財産レポート」を引き続き作成し、財務省ホームページ
上に公表しました。
なお、行政財産の一件別情報への地図情報の追加、個別国有地に関するアイディア募
集コンテンツの掲載・募集については、システムの改修を行ったものの、当該運用に関
- 225 -
しては、国有財産情報公開システムのセキュリティ対策の一層の強化を優先したことか
ら、見合わせました。
④ 国有財産に関する各種統計や処分状況等について、
「財政金融統計月報(国有財産特
集)
」
を発行するとともにホームぺージ
(国有財産情報公開システム等)
に掲載しました。
また、売却が適当なすべての未利用国有地については、引き続き、所在地、数量のほ
か都市計画法上の制限や図面など国民のニーズに即応した情報のタイムリーな公開に努
めました。
◎業績指標 3-3-6:新成長戦略における国有財産の情報提供の充実化情報
平成24年度
情報提供の充実化に関する取組状況
目標
実績
地方公共団体の保有する土地の売却情報へのリンク化
○
○
財務省ホームページ上への国有財産に関するアイディア募集コ
○
○
ンテンツ掲載・募集
行政財産の一件別情報への地図情報の追加
○
×
国有財産情報公開システム内での各省売却情報等へのリンク化
○
○
個別国有地のアイディア募集コンテンツの掲載・募集
○
×
(出所)理財局管理課国有財産情報室調
○参考指標 3-3-7:国有財産情報公開システムへのアクセス件数
平成20年度
アクセス件数
266,554
21年度
22年度
152,332
(単位:件)
23年度
24年度
133,307
123,692
69,657
(出所)理財局管理課国有財産情報室調
(注) 平成24年度のアクセス件数は、国有財産情報公開システムのセキュリティ対策の一層の強化のため、運
用を見合わせたことから、4月から6月の件数となっている。
○参考指標 3-3-8:国有財産に関する定期的な公表資料の公表状況及び内容の充実
平成
作成頻度
21年度 22年度 23年度 24年度
20年度
財政金融統計月報
年1回
○
○
○
○
○
(国有財産特集)
国有財産増減現在額総計算書
年1回
○
○
○
○
○
国有財産無償貸付状況総計算書
年1回
○
○
○
○
○
国有財産の増減及び現在額に
関する説明書・国有財産の無償
貸付状況に関する説明書
年1回
○
○
○
○
○
(出所)理財局管理課国有財産情報室調
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:9,027百万円[23年度予算額:10,363百万円]
平成24年度予算においては、国有財産の管理及び処分に必要な経費として、国有財産一
般事務費、普通財産管理処分経費、国有財産制度等調査経費等の予算措置を行いました。
平成24年度実績評価書
- 226 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-3〕
なお、平成24年度予算が前年度比で減少しているのは、普通財産管理処分経費のうち、
国有地を売却等するための物件整備経費について、個別事案(建物等解体撤去)に係るも
のが減少したこと等によるものです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
(1)行政財産等の監査
施策3-3-1の記載のとおりです。
(2)既存庁舎等の効率的な使用の推進
施策3-3-1の記載のとおりです。
(3)未利用国有地等の有効活用の促進
施策3-3-2の記載のとおりです。
(4)東日本大震災への対応
施策3-3-2、施策3-3-3の記載のとおりです。
(5)貸付中及び旧里道・旧水路等の財産の処理促進
施策3-3-3の記載のとおりです。
(6)国有財産に関する的確な現状把握と情報提供の充実
施策3-3-4の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)国有財産の現在額及び増減額
国有財産の現在額については、国有財産法第33条及び第34条の規定に基づき会計検査院
の検査を経た上で国会に報告していますが、平成23年度末の現在額の状況は以下のとおり
です。
○参考指標 3-3-9:国有財産現在額の状況(国有財産区分別現在額)
財産区分
土 地
立木竹
建 物
工作物
機械器具
船 舶
航空機
地上権等
数
量
8万7,663
58
2,252 隻
1,743 機
2
- 227 -
平成23年度末現在
台帳価格
17兆2,455 億円
6兆9,444 億円
3兆5,838 億円
4兆7,786 億円
0 億円
1兆3,948 億円
7,276 億円
8 億円
割 合
16.8
6.8
3.5
4.6
0.0
1.4
0.7
0.0
%
%
%
%
%
%
%
%
特許権等
政府出資等
不動産の信託の受益権
合
148万9,000 件
25 億円
68兆1,639 億円
118 億円
0.0 %
66.3 %
0.0 %
102兆8,543 億円
100.0 %
1 件
計
(出所)
「平成23年度国有財産増減及び現在額総計算書」(24年9月 理財局管理課国有財産情報室)
(http://www.mof.go.jp/national_property/reference/statistics/ichiran23/index.htm)
(注) 公園・広場以外の公共用財産(道路・河川・海浜地等)は含まれていない。
(2)財務省の管理する普通財産の適正かつ効率的な管理及び処分
未利用国有地の総点検結果
平成23年度末における財務省所管一般会計所属普通財産(土地)の状況は以下のとお
りです。
○参考指標 3-3-10:財務省所管一般会計所属普通財産(土地)の年度別現在額の推移
(単位:百万㎡、億円)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
積
792
789
789
790
N.A
台帳価格
51,626
51,232
49,299
47,602
N.A
面
(出所)
「国有財産増減及び現在額報告書」(平成24年7月 理財局管理課国有財産情報室)
(http://www.mof.go.jp/national_property/reference/statistics/ichiran23/index.htm)
(注) 平成24年度については、25年11月に確定後、国会に報告される国有財産増減及び現在額総計算書に掲載
予定。
○参考指標 3-3-11:未利用国有地の推移
平成20年度
(単位:件、百万㎡、億円)
21年度
22年度
23年度
24年度
件
数
4,105
3,816
3,540
3,628
N.A
面
積
8
8
8
9
N.A
台帳価格
4,038
3,789
4,690
4,800
N.A
(出所)理財局国有財産業務課調
(注) 平成24年度については、25年11月に確定後、平成25年度実績評価書に掲載予定。
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
国民共有の貴重な財産である国有財産については、売却等を通じて国の財政に貢献するとと
もに、地方公共団体等と連携を図り、地域や社会のニーズに対応した有効活用を図っていくこ
ととし、国有財産の適正な管理及び有効活用等に引き続き取り組みます。
① 行政財産等の監査
国有財産の監査の充実・強化を図るため、引き続き、現地における深度ある監査を実
施します。具体的には、市街地に所在する道路、河川等の公共用財産及び庁舎等、省庁
別宿舎の公用財産の監査に事務量を重点的に配分し、未利用国有地の洗い出し及び空き
スペースの創出に主眼を置いた監査を実施します。
平成24年度実績評価書
- 228 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-3〕
② 既存庁舎等の効率的な使用の推進
行政組織の見直し等によって生じる既存庁舎の過不足を解消するため、監査の結果な
どを活用し、省庁横断的な入替調整を積極的に行うこととします。
③ 未利用国有地等の有効活用の促進
未利用国有地等の管理処分に当たっては、
「防災基本計画」
(中央防災会議)を踏まえ、
災害応急対策等への備えとして避難場所、避難施設、備蓄など防災に関する諸活動の推
進に配慮します。
また、売却困難財産及び売れ残り財産については、税外収入の確保に加え管理コスト
を削減する観点から、一時貸付による暫定活用を推進していきます。
④ 東日本大震災への対応
東日本大震災による被災地の応急措置に対応するため、地方公共団体の要請に応じて
未利用国有地を無償貸付により提供します。あわせて、被害を受けた中小企業を支援す
るため、その仮設店舗・事業所用地として、地方公共団体を通じた無償貸付を推進して
いきます。
また、被災地に所在する貸付中財産については、その被災状況に応じて貸付期間の不
算入措置を講ずるなど、貸付相手方からの相談に丁寧に対応していきます。
⑤ 貸付中及び旧里道・旧水路等の財産の処理促進
貸付中の財産については、管理事務軽減及び税外収入確保の観点から、機会を捉えて
積極的に買受勧奨を行うことにより、売却促進に努めていきます。
また、誤信使用財産については、一層の適正な管理処分のため、計画的かつ効率的に
処理をすべく、態様別に分類し、優先順位をつけた計画を策定するとともに、平成24年
3月の処理の長期化を防止する内容を盛り込んだ改正通達に基づく、的確な事務処理に
努めていきます。
⑥ 国有財産に関する的確な現状把握と情報提供の充実
国有財産に関する情報提供の充実、利便性の向上を図るため、地方公共団体の保有す
る土地の売却情報及び各省財産の売却情報へのリンク化並びに、財務省ホームページ上
への国有財産に関するアイディア募集コンテンツ掲載・募集を引き続き行います。
また、最新の国有財産行政を反映した「国有財産レポート」を引き続き作成・公表し、
国有財産に関する情報公開に努めます。
このほか、売却が適当なすべての未利用国有地について、引き続き国民のニーズに即
応した情報提供を行います。
(2)平成26年度予算要求等への反映
国有財産の適正な管理及び有効活用の促進並びに情報提供の充実のために必要な経費
の確保に努めます。
- 229 -
○ 政策目標3-4:庁舎及び宿舎の最適化の推進
1.
「政策の目標」に関する基本的考え方
庁舎及び宿舎については、国有財産の個々の特性を踏まえた柔軟な対応を含め、経済財政状況や行
政ニーズの変化に即応した国有財産行政を展開するとの基本的考え方の下、その最適化を推進します。
なお、宿舎については、東日本大震災における被災者の方々の二次避難のために地方公共団体に情
報提供を行っているところであり、庁舎についても、震災により被災した庁舎施設の復旧に注力する
など、大震災への対応を優先して行うこととします。
また、平成23年12月1日に「国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会」においてとりまと
められた「国家公務員宿舎の削減計画」を着実に実施していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)
新成長戦略実現2011(平成23年1月25日閣議決定)
日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 3-4-1:「国家公務員宿舎の削減計画」の実施
4.平成24年度の事務運営の報告
重 施
○
策 3-4-1:
「国家公務員宿舎の削減計画」の実施
[平成24年度実施計画]
平成23年12月に「国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会」においてとりまとめられた
「国家公務員宿舎の削減計画」(以下、「削減計画」という。)(http://www.mof.go.jp/national
_property/councils/syukusyaarikata/231201_01.pdf)を着実に実施していきます。
なお、削減計画は、衆議院決算行政監視委員会行政監視に関する小委員会における議論や、民主
党財務金融部門公務員宿舎のあり方に関するワーキングチームによる提言等を踏まえ、「国家公務
員宿舎の削減のあり方についての検討会」においてとりまとめられた、今後の宿舎行政の指針とな
る計画であり、その実施についてはとりわけ重要と考えられることから、本施策を重点施策として
位置付け、推進していきます。
[事務運営の報告]
(1)削減計画を踏まえ、平成24年11月に、以下の内容の「
『国家公務員宿舎の削減計画』に
基づくコスト比較等による個別検討結果及び宿舎使用料の見直しについて」
(http://www.mof.go.jp/national_property/topics/housing_reduction/examination/
all.pdf)を取りまとめました。
① 廃止戸数については、5.6万戸程度の削減のため全国10,684住宅のうち、5,046住宅
の廃止を決定しました。
なお、存置することとした老朽化し耐震性等に問題がある宿舎については、財政制
度等審議会国有財産分科会における審議を経てコスト比較等の手法を策定し、これに
基づき、耐震改修等(長寿命化)
、借受への移行、建替のいずれの処置を行うか判定を
平成24年度実績評価書
- 230 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-4〕
行った結果、耐震改修等(471住宅)
、借受への移行(62住宅)
、建替(38住宅)により
対応することとしました。これら個別検討結果については、廃止宿舎の一覧とあわせ
て公表しました。
② 宿舎使用料については、現時点における試算では、宿舎に係る歳出に概ね見合う歳
入(使用料収入)を得るため、全体として、宿舎使用料(駐車場の使用料を含む)を
概ね2倍弱増加させることとし、平成24年4月から平成26年3月までの間国家公務員
給与について減額支給措置が講じられていることから、国家公務員給与の減額支給措
置終了後の平成26年4月から引上げを開始することとしました。
また、今回の引上げが過去に例のない規模であることから、激変緩和措置として、
2年ごとに3段階で引上げを実施することとしました。
(2)廃止することを決定した宿舎については、宿舎の廃止に向けて入居者への退去期限を
定めた退去要請を実施するなど、できる限り速やかに宿舎の廃止・売却を進め、跡地の
売却収入等が得られるよう取組を進めました。この結果、平成24年度末時点における削
減計画等に基づく国家公務員宿舎跡地の売却実績は、216住宅、契約金額418億円となり
ました。
○参考指標 3-4-1:宿舎戸数の推移(評価意見P45に記載)
施
策 3-4-2:庁舎及び宿舎の長寿命化等の推進
[平成24年度実施計画]
「新成長戦略」に盛り込まれた施策の実施に当たって、地域や社会のニーズに対応した国有財産
の有効活用を図っていくこととし、平成22年6月に公表した「新成長戦略における国有財産の有効
活用について」(http://www.mof.go.jp/national_property/topics/arikata/220618_01.pdf)及び
平成22年12月に公表した「国有財産行政におけるPRE戦略について」(http://www.mof.go.jp/n
ational_property/councils/pre/shiryou/221208_01.pdf)等を踏まえ、以下のとおり取り組みます。
① 庁舎・宿舎については、国有財産全体の最適化戦略である「国有財産行政におけるPRE戦略につ
いて」及び前述の「国家公務員宿舎の削減計画」の方針に基づき、長寿命化等を進めます。
具体的には、庁舎について、コスト低減効果を総合的に勘案し、長寿命化によりコスト低減が図
られるものについて長寿命化を推進します。長寿命化しない庁舎については、利用者利便向上に十
分配慮しつつ移転・集約化を推進するとともに、建替えと民間借受けのコスト比較を行い、最も効
率的な調達方法を選択します。
また、庁舎については、震災により被災した庁舎施設の復旧の状況を踏まえた上で、長寿命化選
定基準等の策定や移転・集約化の検討を進めることとします。
② 「新成長戦略における国有財産の有効活用について」の一環として、地方公共団体における家庭的保
育(保育ママ)事業の実施場所として、宿舎の空きスペースの貸付等を行います。
③ 東日本大震災への対応として、被災者の方々の二次避難のため、復興庁との連携の下、直ちに利
用可能な宿舎等を公表し、地方公共団体に情報提供しているところであり、今後も、被災者の方々
に提供されている宿舎については、継続使用し、地方公共団体からの要請に応じ宿舎を無償提供
するとともに、被災者の方々の円滑な受入れ・入居に向けて、人的支援を含め、地方公共団体と
の連携に努めていきます。
- 231 -
[事務運営の報告]
① 庁舎については、現下の厳しい財政事情を踏まえ、長寿命化によるコスト低減効果を
総合的に勘案しつつ、省庁横断的な入替調整等を積極的に行うことにより、既存庁舎の
効率的な使用を推進しました。
また、
老朽化等により長寿命化が困難な庁舎については、
利用者利便向上に十分配慮しつつ、移転・集約化等を推進するとともに、建替えと民間
借受けのコスト比較を行い、最も効率的な調達方法の選択に努めました。
② 家庭的保育(保育ママ)事業の実施場所としての宿舎の空きスペースの貸付等につい
ては、地方公共団体に対し活用可能な宿舎の情報提供を行った結果、全国 19 ヶ所(平成
25 年3月末時点)の公務員宿舎において、保育ママ事業が開始されています。
③ 東日本大震災への対応
被災者の方々の二次避難のため、復興庁との連携の下、引き続き、受け入れが可能な
国家公務員宿舎等の情報をとりまとめ、同じく利用可能な公営住宅等とあわせ、復興庁
のホームページにおいて公表し、各財務局・各財務事務所から各都道府県に情報提供を
行いました。また、地方公共団体の要請に応じ、既に被災者の方々に提供されている宿
舎については継続使用し、
新たに要請のあった宿舎については無償提供を行いました
(平
成25年3月29日時点の国家公務員宿舎等への入居戸数:1,382戸)
。
(注)復興庁のホームページにおける公表は、平成24年9月末をもって終了。
施
策 3-4-3:特定国有財産整備計画による庁舎等の効率的な整備の推進
[平成24年度実施計画]
特定国有財産整備計画は、庁舎等を集約立体化・移転再配置する場合又は地震防災機能を発揮す
るために必要な庁舎を整備する場合に、スクラップ・アンド・ビルドの考え方に基づき、財務大臣
が定める国有財産の取得及び処分に関する計画です。
① 各省各庁から提出された庁舎等の整備に関する要求について、国有財産の有効活用を図る観点
から、整備の必要性・緊要性、規模・立地条件、処分予定財産の適否の審査を的確に行った上で、
特定国有財産整備計画を策定します。なお、既存の特定国有財産整備計画については、出先機関
改革の動向等を踏まえ、整備の必要性・規模等の適否を改めて審査します。
② 事業の収支が見合うよう、処分財産の処分見込額を地価動向等の実情に即して厳しい評価を行
うほか、売却までに必要な作業、手続の管理を徹底するなど計画どおりの処分を行い、債務返済
に支障が生じないよう厳格な事業運営を行います。
③ 地震防災体制の構築の観点から、地域の防災拠点としての役割を担う庁舎の耐震化に取り組み
ます。
[事務運営の報告]
既存の特定国有財産整備計画については、出先機関改革の動向等を踏まえ、整備の必要
性・規模等の適否を改めて審査し計画の見直しに向けて検討を進めました。
なお、地震防災体制の構築の観点から、地域の防災拠点としての役割を担う庁舎の耐震化
を図るため、平成24年度においては、特定国有財産整備計画に基づき11施設の整備に取り組
みました。
(注)当該施策は、
「平成25年度政策評価実施計画」において、
「施策 3-4-2:庁舎及び宿舎
平成24年度実績評価書
- 232 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-4〕
の長寿命化等の推進」に統合しています。
政策目標に係る予算額:平成24年度一般会計予算額:11,839百万円
[23年度予算額:16,122百万円]
平成24年度財政投融資特別会計特定国有財産整備勘定予算額:
37,684百万円
[23年度予算額:40,511百万円]
平成24年度予算においては、庁舎の耐震化に必要な経費、削減計画の方針を踏まえた宿
舎の耐震改修に必要な経費等の予算措置を行いました。
平成24年度予算の主な減要因は、一般会計では宿舎の新規建替えの抑制に伴い宿舎整備
に必要な経費が減少したこと、財政投融資特別会計特定国有財産整備勘定では事業完了等
に伴い特定施設整備に必要な経費が減少したことによるものです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
(1)庁舎
施策3-4-2、施策3-4-3の記載のとおりです。
(2)宿舎
施策3-4-1の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
庁舎・宿舎については、現下の厳しい財政事情下で、財政コストの低減の観点から、より
効率的な整備・維持管理が求められています。
○参考指標 3-4-2:庁舎整備関係予算(改修予算を含む)の推移
平成20年度
予算額
2,938
21年度
3,079
22年度
2,310
(単位:億円)
23年度
3,483
24年度
2,634
(出所)理財局国有財産調整課調
(注) 予算額は、特定国有財産整備特別会計、国土交通省所管一般会計(官庁営繕費)及び各省各庁の庁舎
等整備関係予算(補正予算を含む)の合計。
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 庁舎
庁舎については、長寿命化によるコスト低減効果を総合的に勘案しつつ、省庁横断的
な入替調整等を積極的に行うことにより、既存庁舎の効率的な使用を推進します。また、
老朽化等により長寿命化が困難な庁舎については、利用者利便向上に十分配慮しつつ、
特定国有財産整備計画の活用も含めた移転・集約化等を推進するとともに、建替えと民
間借受けのコスト比較を行い、最も効率的な調達方法の選択に努めます。
- 233 -
② 宿舎
宿舎については、削減計画及び「『国家公務員宿舎の削減計画』に基づくコスト比較
等による個別検討結果及び宿舎使用料の見直しについて」に基づく宿舎戸数の削減等及
び宿舎使用料の見直しを着実に実施していきます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
庁舎の計画的かつ効率的な整備に必要な経費の確保に努めるほか、地震防災体制の構築
の観点から、庁舎の耐震化に必要な経費の確保に努めます。
また、削減計画における個別検討結果等を踏まえ、宿舎の耐震改修に必要な経費等の確
保に努めます。
平成24年度実績評価書
- 234 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-5〕
○ 政策目標3-5:国庫金の正確で効率的な管理
1.
「政策の目標」に関する基本的考え方
財務省では、国庫金(注1)の受払状況や残高の確認及び予測に基づいて国庫金の過不足の調整(注
2)をすること等、国庫金の管理を行っています。このような国庫金の管理を適切に行うため、出納
の正確性を引き続き確保します。さらに、現下の極めて厳しい財政事情も踏まえ、国庫金の管理を一
層効率的に行うことを目指します。
(注1)国は、租税及び国債を主たる財源として現金を調達し、これにより公共事業、社会保障、教
育、防衛等多様なサービスを提供している。こうした財政活動の主体としてとらえた国のこと
を「国庫」と呼び、国庫に属する現金を「国庫金」と呼ぶ。また、国庫金の出納等は日本銀行
が行っている。
(注2)国庫金の過不足の調整は、国庫金の受入(納税等)や支払(年金支払等)がなされる時期は様々
であり、時期によって国庫には現金不足や余剰が生じることから、予算の支出を支障なく執行す
るために必要なものであり、
① 国庫全体として現金の不足が見込まれる場合には、財務省証券を発行することにより不足
現金を調達し、
② 国庫に一時的に余裕金(国庫余裕金)が発生した場合には、日本銀行に設けられている政
府預金の中の当座預金から利子の付される国内指定預金に組み替えることにより国庫余裕
金を管理している。
2.内閣の基本的な方針との関連
該当なし
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 3-5-1:国庫収支の調整による国庫金の効率的な管理
4.平成24年度の事務運営の報告
重 施
○
策 3-5-1:国庫収支の調整による国庫金の効率的な管理
[平成24年度実施計画]
① 国庫金残高は日々の受払状況に応じて絶えず変動することから、予め受払の見込みを行ってい
ます。平成17年4月からは電子情報化によって各府省庁等との迅速な情報伝達環境の整備を進め
ており、今後とも蓄積したデータの活用によって、受払の見込み精度の向上に努めます。
② 国庫金の受入と支払のタイミングのずれにより、国庫に一時的に余裕金(国庫余裕金)が発生
します。この国庫余裕金を抑制するため、以下の業績指標を設定し、国庫金の受入日と支払日を
合わせる調整を一層行います。この調整を行うことにより、国庫金の対民間部門との収支の振れ
幅が小さくなると、政府短期証券等による調達額が抑制され、コストの削減にもつながります。
なお、国庫金の受払は、受入期限や支払日が法令で定められている場合があり、受入日と支払
日を合わせることができないものもあります。
③ 上記の②を行った上で、生じる国庫金の過不足については、以下のとおり調整します。
イ 国庫全体として現金に余裕が生じている場合には、現金不足の特別会計等に無利子で貸し付
けること(国庫余裕金の繰替使用)により、政府短期証券等による調達を減少させ、利子負担
を軽減させます。具体的には、外国為替資金に国庫余裕金の繰替使用を積極的に行えば、外国
為替資金証券の発行残高が抑制されます。
上記②及び③イにより、引き続きその時々に必要な資金需要に対応しつつ、可能な限り政府
預金(国内指定預金(一般口)
)の残高を抑制します。
ロ 国庫金が不足する場合には、財務省証券を発行し現金を調達しています。しかし、財務省証
券の発行はコスト(利払費)の発生をもたらすことから、必要額を見極め、可能な限り発行残
高を抑制します。このため、必要な期間を見極めた上で、国債整理基金等国庫内における引受
- 235 -
にかかる調整を行うほか、2ヶ月程度よりも償還期限が短い財務省証券を発行するなどにより、
国庫の資金繰りを一層きめ細かく行います。
④ 国の当座預金には、支払準備金として、1,500億円を置き、それを超えた金額は国内指定預金(一
般口)に預けていますが、万一、これらの合計額を超えるような予期せざる現金需要等が生じた
場合には、財務省証券を発行し日本銀行が所要額の引受けを行います。
なお、現下の極めて厳しい財政状況を踏まえれば、国庫金の管理を行うためには、時期によって
過不足が生じる国庫収支の調整を行い、国庫全体の調達コストの軽減を図ることがとりわけ重要と
考えられることから、本施策を重点施策として位置付け、推進していきます。
[事務運営の報告]
① 国庫収支事務の電子情報化
国庫収支事務オンラインシステムを活用することで、各府省庁等の歳出金等の支払情
報を迅速に入手し、国庫の資金繰り業務を効率的に行いました。平成24年度においては、
各都道府県(支出官)の公共事業関係費等に係る支払情報の国庫収支事務オンラインシ
ステムへの登録により、迅速な情報伝達環境の整備が更に進み、また、受払の見込み精
度の向上に活用するためのデータが蓄積されました。
② 国庫収支の調整
国庫金の受入と支払のタイミングのずれにより発生する国庫余裕金残高を可能な限り
抑制するため、国庫金の受入日と支払日を合わせる調整を一層行いました。
具体的には、普通交付税、国立大学法人運営費交付金及び独立行政法人の運営費交付
金の交付日を、引き続き、租税・年金保険料の受入日とするよう調整しました。また、
各都道府県(支出官)が独自に設定していた社会保障費の支払日を、引き続き、租税・
年金保険料の受入日等に統一するよう調整しました。
上記以外の支払日が法定されていない歳出金等についても、可能な限り租税・年金保
険料の受入日に合わせるべく、各府省庁等に対して説明会を実施するなど、働きかけを
強化したこともあり、平成24年度における受入日と支払日を合わせる調整を行った件数
は、495となり、目標値である460件を上回りました。
こうした取組を行う前の平成16年度においては、国庫金の対民間部門との大きな収支
の振れ要因である年金と普通交付税の支払日における振れ幅は5兆円から6兆円程度ま
でありましたが、国庫金の受入日と支払日を合わせる調整を行った結果、平成24年度に
おいては、国庫金の対民間部門との収支の振れ幅が5兆円を超えた事例(国債の発行・
償還日を除く)は、ありませんでした。
◎業績指標 3-5-1:国庫金の受入日と支払日を合わせる調整を行った件数 (単位:件)
平成20年度
調整件数
334
21年度
22年度
389
413
23年度
450
24年度
目標値
実績値
460
495
(出所)理財局国庫課調
(注1)本表の計数は、国庫金の受入日と支払日を合わせる調整を行うことについて、各府省庁等から報告があ
ったものの件数。
(注2)国庫金の受入日と支払日を合わせる調整は平成17年9月から実施。
平成24年度実績評価書
- 236 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-5〕
○参考指標 3-5-1:国庫対民間収入・支出の各月最大額の推移
受取超過額の各月最大額とその日付
平成20年度
21年度
22年度
(単位:億円)
23年度
24年度
4月
(4日) 15,914 (13日) 26,919 (20日) 40,137 (19日) 22,401 (20日) 34,605
5月
(20日) 27,975 (25日) 41,951 (7日) 35,684 (9日) 33,809 (21日) 37,754
6月
(3日) 24,074 (1日) 20,775 (2日) 30,289 (1日) 14,971 (1日) 15,121
7月
(2日) 28,109 (14日) 24,433 (9日) 26,573 (20日) 38,888 (12日) 27,322
8月
(25日) 21,554 (7日) 30,860 (4日) 39,268 (16日) 24,372 (23日) 28,895
9月
(29日) 14,098 (29日) 14,506 (29日) 11,707 (2日) 11,398 (4日) 43,372
10月
(7日) 18,334 (20日) 38,480 (22日) 23,686 (7日) 27,077 (9日) 30,333
11月
(10日) 21,270 (17日) 26,911 (8日) 26,132 (18日) 26,598 (2日) 32,337
12月
(3日) 22,420 (2日) 55,798 (2日) 33,263 (2日) 31,951 (4日) 22,234
1月
(14日) 31,329 (12日) 30,196 (12日) 23,793 (24日) 30,585 (10日) 29,405
2月
(16日) 29,869 (3日) 42,542 (4日) 31,813 (2日) 26,308 (4日) 36,299
3月
(4日) 33,642 (3日) 38,111 (2日) 39,391 (2日) 43,015 (4日) 34,502
年間最大
受取超過日
33,642
(3月4日)
55,798
(12月2日)
40,137
(4月20日)
43,015
(3月2日)
43,372
(9月4日)
(出所)理財局国庫課調
(注) 網掛けは、受取超過額が5兆円超となった日(国債発行日を除く)である。
支払超過額の各月最大額とその日付
平成20年度
21年度
(単位:億円)
22年度
23年度
24年度
4月
(15日) 13,682 (15日) 38,496 (15日) 52,170 (15日) 21,519 (13日) 26,973
5月
(27日) 11,051 (26日) 11,680 (26日) 16,183 (26日) 19,067 (30日)
6月
(20日) 55,237 (22日) 52,297 (15日) 40,443 (20日) 74,346 (20日) 73,296
7月
(25日) 6,953 (3日) 6,248 (26日) 14,656 (15日) 13,888 (17日) 12,993
8月
(15日) 36,866 (14日) 28,908 (13日) 34,200 (8日) 44,744 (15日) 27,628
9月
(22日) 55,092 (24日) 47,780 (21日) 34,699 (20日) 68,914 (20日) 57,267
10月
(15日) 28,100 (15日) 59,151 (15日) 27,117 (14日) 38,722 (15日) 40,066
11月
(17日) 10,752 (5日) 6,910 (4日) 12,488 (2日) 76,901 (19日) 24,239
12月
(22日) 46,761 (21日) 59,623 (20日) 47,052 (20日)108,387 (20日) 58,440
1月
(8日) 4,001 (8日) 3,475 (28日) 5,708 (25日) 3,881 (25日) 10,349
2月
(13日) 69,250 (15日) 46,360 (15日) 57,780 (15日) 33,826 (15日) 50,309
3月
(23日) 47,506 (23日) 70,770 (22日) 93,458 (21日) 86,934 (21日) 48,402
年間最大
支払超過日
69,250
(2月13日)
70,770
(3月23日)
93,458
(3月22日)
108,387
(12月20日)
(出所)理財局国庫課調
(注) 網掛けは、支払超過額が5兆円超となった日(国債償還日を除く)である。
- 237 -
6,161
73,296
(6月20日)
③ 国庫金の過不足の調整
イ 外国為替資金証券
上記②における国庫余裕金残高の抑制を行った上で、それでも、国庫に余裕が生じ
ている場合には、上記実施計画のとおり、外国為替資金に国庫余裕金の繰替使用を行
うことにより、外国為替資金証券の発行残高の抑制に努めました。
○参考指標 3-5-2:国庫余裕金繰替使用による外国為替資金証券発行残高抑制額(平均残
高)の推移
平成20年度
(単位:億円)
21年度
22年度
23年度
24年度
4月
2,100
67
11,000
13,400
28,300
5月
6月
12,903
7,700
-
3,200
-
226
6,033
7月
8月
13,032
-
19
29,687
-
15,677
9月
10月
3,142
15,355
2,277
-
13,500
19,774
-
933
2,387
11月
12月
900
12,742
-
28,867
64,065
900
17,968
-
1月
2月
129
14,571
10,677
55,411
50,484
80,000
51,226
114,586
48,393
3月
17,806
60,000
57,516
103,000
77,581
年度平均
8,368
10,446
29,602
24,836
14,753
年度末残
1,000
39,000
34,000
57,000
36,000
(出所)理財局国庫課調
ロ 財務省証券
上記②の受払日の調整を行っても国庫金が不足する場合には、上記実施計画のとお
り、必要な金額及び期間を見極め、償還期間を機動的に設定した財務省証券を国債整
理基金等国庫内引受で発行することにより、きめ細かい資金繰りを行い、財務省証券
の発行残高の抑制に努めました。
○参考指標 3-5-3:財務省証券の平均残高の推移
平成20年度
21年度
(単位:億円)
22年度
23年度
24年度
4月
50,733
35,200
10,933
15,000
7,200
5月
61,483
56,258
11,484
45,710
15,516
6月
3,533
65,433
13,133
50,533
16,467
7月
-
66,741
24,806
77,065
25,935
8月
-
27,741
419
33,387
3,548
9月
-
33,082
-
92,600
17,467
平成24年度実績評価書
- 238 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-5〕
10月
-
15,745
-
92,999
33,645
11月
200
28,900
-
44,965
39,467
12月
7,581
8,581
-
903
69,903
1月
11,226
1,419
-
-
53,581
2月
-
-
-
-
1,607
3月
-
-
-
-
-
年度平均
11,296
28,355
5,096
37,828
23,915
年度末残
-
-
-
-
-
(出所)理財局国庫課調
(注) 特例公債法の成立が平成23年度は8月26日、24年度は11月26日となったこと等により、財務省証券の発行
が増加しました。
施
策 3-5-2:国庫金の出納事務の正確性の確保
[平成24年度実施計画]
国庫金の出納事務は、会計法第34条第1項及び日本銀行法第35条第1項の規定により、各府省庁
等から指示を受けて日本銀行が行うこととされていることから、国庫金の出納は様々な経路を通り
全て日本銀行に集中されており、日本銀行により総括的な計算整理がされています。財務省は、日
本銀行の国庫金の取扱事務を監督しています。
また、財務省では、日本銀行からの報告に基づいて、国庫金の出納結果を記帳した「国庫原簿」
を作成し、この国庫原簿と各府省庁等の予算執行の結果(歳入歳出主計簿)とを突合し両者が一致
することを確認して、国庫金の出納事務が正確に行われているかどうかの検証を行っています。
平成24年度においても引き続きこのような検証を行い、日本銀行の国庫金の出納事務が正確に行
われていくように進めていきます。
(注1)国庫原簿とは、予算決算及び会計令第128条の規定により、財務省が作成する帳簿をいう。
(注2)財務省では、国庫原簿と歳入歳出主計簿が一致しない場合、その原因を特定した上で、日本銀行が指
図どおりに正確な出納事務を行っていたかどうかの検証を行う。
[事務運営の報告]
国庫原簿と各府省庁等の予算執行の結果(一般会計歳入歳出主計簿)とを突合し両者が
一致することにより、
国庫金の出納事務が正確に行われていることを確認しました。
また、
特別会計についても、国庫原簿と予算執行の結果(歳入歳出主計簿)の突合を行いました。
◎業績指標 3-5-2:一般会計歳入歳出主計簿と国庫原簿との突合結果
事
平成20年度
(19年度分)
21年度
(20年度分)
22年度
項
(単位:円)
歳入歳出差引
剰余金
収納済歳入額
支出済歳出額
歳入歳出主計簿(A)
84,553,478,596,738
81,842,570,225,810
2,710,908,370,928
国庫原簿(B)
84,553,478,596,738
81,842,570,225,810
2,710,908,370,928
比較増減額(A)-(B)
0
0
0
歳入歳出主計簿(A)
89,208,229,535,617
84,697,395,043,011
4,510,834,492,606
国庫原簿(B)
89,208,229,535,617
84,697,395,043,011
4,510,834,492,606
0
0
0
歳入歳出主計簿(A) 107,114,243,108,424 100,973,424,388,131
6,140,818,720,293
比較増減額(A)-(B)
- 239 -
(21年度分) 国庫原簿(B)
107,114,243,108,424 100,973,424,388,131
比較増減額(A)-(B)
23年度
(22年度分)
24年度
6,140,818,720,293
0
0
0
歳入歳出主計簿(A) 100,534,562,749,975
95,312,341,707,553
5,222,221,042,422
国庫原簿(B)
100,534,562,749,975
95,312,341,707,553
5,222,221,042,422
0
0
0
歳入歳出主計簿(A) 109,979,527,619,256 100,715,409,134,750
9,264,118,484,506
比較増減額(A)-(B)
国庫原簿(B)
109.979,527,619,256 100,715,409,134,750
(23年度分)
比較増減額(A)-(B)
0
9,264,118,484,506
0
(目標値)
(実績値)
(出所)主計局司計課、理財局国庫課調(突合は、翌年度の7月に実施。
)
施
策 3-5-3:国庫収支に関する情報提供
[平成24年度実施計画]
平成24年度においても引き続き、次のとおり、国庫収支に関する迅速かつ正確な情報提供を行い
ます。
(参考)財務省ホームページ(http://www.mof.go.jp/exchequer/reference/index.html)
① 国庫と民間との間における資金受払の収支(国庫対民間収支)に、財政活動に伴う通貨量の増
減をより的確に表すため所要の調整を行った「財政資金対民間収支」の前月実績、当月見込の計
数を報道発表し、ホームページに掲載します(原則毎月第1営業日)
。
② 財政法第46条第2項の規定に基づく国会及び国民に対する報告として、政府預金の増減並びに
その原因となる財政資金対民間収支及び国庫対日銀収支の状況について集計を行った「国庫の状
況報告書」を作成し、閣議を経て国会に報告するとともに官報及びホームページに掲載します(四
半期毎)
。
③ 「財政金融統計月報(国庫収支特集)
」に前年度の財政資金対民間収支の実績と国庫収支に関す
る統計資料を掲載します(毎年1回)
。
また、国庫収支の概要を説明した資料「国庫収支の状況」をホームページに掲載します。
平成24年度においては、国庫の状況に関するホームページの充実に向けた取組として、
・
「国庫金収支関係の用語集」を財務省HPにあるその他用語集等と統一し「財務省FAQ」
(仮称)として掲載する、
・
「国庫制度の概要」等に用語の解説を追加する、
ことにより公表資料の利便性の向上を図ります。
[事務運営の報告]
① 国庫収支に関する定期的な公表資料の公表状況
インターネットを通じた国庫収支に関する情報の提供は財務省ホームページ(http:/
/www.mof.go.jp/exchequer/index.html等)により積極的に行っています。
平成24年度においても引き続き、以下の業績指標のとおり、公表資料を定期的に公表
しました。
② 国庫の状況に関するホームページの充実
平成24年度においては、国庫収支の概要を説明した資料「国庫収支の状況」をホーム
ページに掲載するとともに、
「よくあるご質問(財政資金対民間収支:用語の解説)
」
(h
ttp://www.mof.go.jp/exchequer/reference/receipts_payments/term.htm)に用語の解
説を追加し、国庫の状況に関するホームページの充実を図りました。
平成24年度実績評価書
- 240 -
0
0
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-5〕
◎業績指標 3-5-3:国庫収支に関する定期的な公表資料の公表の状況及び内容の充実
作成
頻度
24年度
目標値
実績値
平成
21年度 22年度 23年度
20年度
財政資金対民間収支
年12回
○
○
○
○
○
○
国庫の状況報告書
年4回
○
○
○
○
○
○
財政金融統計月報
(国庫収支特集)
年1回
○
○
○
○
○
○
100.0%
100.0%
ホームページに
おける
・国庫制度の概要等
に用語解説の追加
○
割 合
100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
国庫の状況に関する公表資料の
充実に向けた取組み
○
○
○
○
(出所)理財局国庫課調
(注) 掲載しているホームページは以下のとおり。
・財政資金対民間収支(http://www.mof.go.jp/exchequer/reference/receipts_payments/data.htm)
・国庫の状況報告書(http://www.mof.go.jp/exchequer/reference/exchequer_report/data.htm)
・財政金融統計月報(http://www.mof.go.jp/exchequer/publication/zaikin_geppo/index.htm)
○参考指標 3-5-4:国庫の状況に関する情報のホームページへのアクセス件数(単位:件)
平成20年度
アクセス件数
40,367
21年度
38,337
22年度
36,454
23年度
24年度
18,211
29,320
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注1)上記は、財務省ホームページ内に開設している財政資金対民間収支のホームページ(http://www.mof.g
o.jp/exchequer/reference/receipts_payments/data.htm)及び国庫の状況報告書のホームページ(http:
//www.mof.go.jp/exchequer/reference/exchequer_report/data.htm)へのアクセス件数の合計。
(注2)平成23年度実績値が減少した主な要因として、平成23年3月の財務省ホームページのリニューアルの際
に、掲載期間を設定し、掲載から一定期間が経過したページを削除したことが考えられる。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:223百万円[23年度予算額:144百万円]
平成24年度においても、国庫金の管理に必要な経費として国庫収支事務オンラインシス
テムに関する経費等について予算措置しました。なお、予算額の増加は、システムの更改
に伴う改修経費の増加等によるものです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
国庫金の現状
平成24年度末における国庫金の現状については、以下のとおりです。
- 241 -
(参考)国庫金の状況
(単位:億円)
国庫金の状況(平成25年3月31日)
国庫金の種類
項
目
(各会計の手元現金)
一般会計
特別会計
社会資本整備事業特別
会計
年金特別会計
外国為替資金特別会計
食料安定供給特別会計
国債整理基金特別会計
その他
計
(資金等)
国税収納金整理資金
預託金
国庫余裕金繰替
特別会計補足繰入
その他
うち外国為替資金
計
(公庫預託金)
(国庫金の補てん)
財務省証券発行高
食糧証券発行高
石油証券発行高
外国為替資金証券発行高
一時借入金
公債償還資金
計
(財政融資資金)
財政投融資特別会計
財政融資資金
計
合
計
政府預金の種類
残 高
項
目
当座預金
残 高
1,500
△ 69,335
57,637
11,950
7,913
148
2,112 別口預金
105
35,407
△ 11,698
3,885
45,816
1,041 指定預金
△ 36,000
国内指定預金
△ 1,139,510
一般口
13,836
外国為替資金口
1,619
食糧管理口
△ 1,114,817
財政融資資金口
177
1,139,510
571
外貨指定預金
在外指定預金
計
1,140,081 小額紙幣引換準備預金
9,581
6,802
1,619
591
569
2
0
9,583
0
7,165
△ 5,940
1,225
14,968
(出所)理財局国庫課調
平成24年度実績評価書
- 242 -
合
計
14,968
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標3-5〕
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 確実な資金繰りを確保しつつ、
国庫に一時的に留まる現金を可能な限り抑制するため、
国庫金の受入日と支払日を合わせる調整について、各府省庁等の支払いの個別事情にも
対応した取組を行います。
② 国庫の状況に関するホームページの充実に向けた取組として、
「国庫制度の概要」等に
用語の解説を追加することにより、公表資料の利便性の向上を図ります。
③ 国庫原簿と歳入歳出主計簿との突合により日本銀行の国庫金の出納事務が正確に行わ
れているかどうかの検証を行います。
(2)平成26年度予算要求等への反映
国庫収支の見込みの精度向上に必要な経費等、国庫金の効率的な管理に必要な経費の確
保に努めます。
- 243 -
- 244 -
政策目標4:通貨及び信用秩序に対する信頼の維持
○ 政策目標4-1:日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止
・4-1-1:日本銀行券及び貨幣の発行・製造計画の策定
重 ・4-1-2:通貨の偽造・変造の防止
○
・4-1-3:国家的な記念事業として記念貨幣を発行
・4-1-4:貨幣回収準備資金の適正な管理
・4-1-5:通貨に関する情報提供
○ 政策目標4-2:金融破綻処理制度の適切な整備・運用及び迅速・的確な金融危機管理
・4-2-1:金融システムの安定のために必要な制度の整備
・4-2-2:預金保険機構等の適切な監督、金融システムの安定のための諸措置の実施
重 」マークは、重点的に進めるものを示しています。
※「○
- 245 -
- 246 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標4-1〕
○ 政策目標4-1:日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
財務省設置法第3条では「通貨に対する信頼の維持」が任務とされています。これは、通貨を通じ
た取引の安全の確保という国民生活に直結する重要な責務です。通貨に対する信頼を維持することを
目的として、日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止等通貨制度の適切な運用を行いま
す。特に、偽造・変造の防止については、最近の通貨偽造の状況を踏まえ、重点的に取り組みます。
(注)政策目標4-1の記述において、通貨とは、日本銀行券及び貨幣をいう(通貨の単位及び貨幣の
発行等に関する法律第2条第3項)。
日本銀行券は、独立行政法人国立印刷局が製造し、日本銀行が発行(日本銀行法第46条)。
また、貨幣は、独立行政法人造幣局が製造し、政府(財務省)が日本銀行に交付することによ
り発行(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第4条)。
2.内閣の基本的な方針との関連
該当なし
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 4-1-2:通貨の偽造・変造の防止
4.平成 24 年度の事務運営の報告
施
策 4-1-1:日本銀行券及び貨幣の発行・製造計画の策定
[平成24年度実施計画]
① 財務省においては、必要とされる日本銀行券及び貨幣の円滑な供給を図る観点から、市中の流
通状況等を勘案の上、日本銀行券製造計画、貨幣発行・製造計画を策定し、これらの計画におい
て、日本銀行券については製造枚数、貨幣については発行・製造枚数を定めています。
平成24年度においても、市中の流通状況等を適切に勘案し、日本銀行券製造枚数を定める製造
計画、貨幣については発行・製造枚数を定める発行・製造計画を策定します。
② 財務省は、国民の通貨に対する信頼の維持を図るため、財務大臣を執行官として、市中に対し
て貨幣の量目が適正であることを公開の場で確認する製造貨幣大試験を明治5年以降行っていま
す。平成24年度に製造された貨幣についても、製造貨幣大試験を行います。
(注)量目とは、「りょうめ」と読み、量(目方)のことをいう。
[事務運営の報告]
① 平成24年度の製造計画においては、貨幣について、平成24年度途中に当該年度の需要
を再度見極め、所要の計画変更を行うなど、日本銀行券、貨幣のいずれについても適正
に製造計画を策定し、独立行政法人国立印刷局・独立行政法人造幣局に対し、製造計画
の指示等を行いました。
また、平成25年度の製造計画については、必要とされる日本銀行券及び貨幣の円滑な
供給を図る観点から、市中の流通状況等を勘案しつつ、日本銀行券については、クリー
ン度を維持すること、また、貨幣については、過去の偽造五百円貨幣の大量発生や貨幣
の磨損状況等を踏まえ、偽造貨幣の発見を容易にするために実施している五百円貨幣の
クリーン化を引き続き継続するとともに、百円貨幣についても本格的にクリーン化を行
うこと等を踏まえて策定しました。
- 247 -
なお、その計画内容は、財務省ホームページに掲載し公表しました。
また、貨幣の製造に必要な経費については、平成24年度行政事業レビューの点検結果
を踏まえ、貨幣製造における回収貨幣の使用率を向上させるなど、縮減に努めました。
(注1)「貨幣のクリーン化」
日本銀行に還流する貨幣の政府への回収割合を高めることにより、新規製造貨幣の市中流
通を促進すること。
(注2)財務省ホームページ
日本銀行券(http://www.mof.go.jp/currency/bill/lot/2013ginnkoukennkeikaku.html)
貨幣(http://www.mof.go.jp/currency/coin/lot/2013kaheiseizoukeikaku.htm )
② 平成24年度に製造された貨幣について、国民の通貨に対する信頼の維持を図るため、
財務大臣が貨幣の量目が適正であることを公開の場で確認する製造貨幣大試験を行いま
した。
○参考指標 4-1-1:製造貨幣大試験の実施状況
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
開 催 日
20.12.5(金)
21.10.15(木)
22.11.22(月)
23.11.21(月)
24.11.12(月)
試験対象枚数
776百万枚
467百万枚
500百万枚
495百万枚
893百万枚
試験枚数
14,962枚
9,945枚
10,720枚
10,701枚
18,425枚
試験結果
適 正
適 正
適 正
適 正
適 正
(出所)理財局国庫課通貨企画調整室調
(注) 当年度分の試験対象貨幣は、年度初日から製造貨幣大試験実施日の14日前までに製造されたものであり、
製造計画枚数及び試験の開催時期により、その枚数は増減する。
重 施
○
策 4-1-2:通貨の偽造・変造の防止
[平成24年度実施計画]
通貨の偽造・変造は、国民の通貨に対する信頼を失わせ、経済社会に深刻な影響を及ぼすおそ
れがあることから、本施策を重点施策として位置付け、犯罪に強い社会の実現のための行動計画
2008を踏まえ、引き続き独立行政法人国立印刷局、独立行政法人造幣局、日本銀行、警察当局及び
税関当局等とも連絡を密にし、偽造・変造の増加を防止する環境整備に努めます。
具体的には、
① 通貨偽造の最近の国内外の発生状況を踏まえ、国内外の関係機関との意見交換・情報収集、及
び当該意見交換・情報収集が円滑かつ迅速に行える体制強化に努めるほか、関係業界団体等との
連携強化も図ります。
② 財務省だけでは対応できない高度な技術的問題については、国際的な取組みも含め、実際に通
貨を製造している独立行政法人国立印刷局及び独立行政法人造幣局とも情報交換しながら連携し
て取り組みます。
③ 過去の偽造500円貨幣の大量発生や貨幣の磨損状況等を踏まえ、偽造通貨の発見を容易にする
ため、市中に流通する500円貨幣のクリーン化を平成24年度においても引き続き実施するほか、
100円貨幣のクリーン化も実施します。
④ ホームページへの掲載やポスターの発行等により、通貨偽造防止等に関する広報を行います。
[事務運営の報告]
平成24年度は、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」(平成20年12月22日
犯罪対策閣僚会議決定)に基づき、以下により、通貨の偽造・変造を防止する環境の整
備を行いました。
平成24年度実績評価書
- 248 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標4-1〕
(注)犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008 偽造通貨等対策の推進
関係業界等との連携強化を図って偽造通貨を行使しにくい環境の整備を進めるとともに、
偽造通貨等の海外からの流入阻止を図る。
① 通貨の偽造については、平成24年度においても日本銀行券1,570枚、五百円貨幣1,915
枚発見されており、こういった最近の国内外の発生状況を踏まえ、国内外の関係機関と
の意見交換・情報収集を実施しました。また、当該意見交換・情報収集が円滑かつ迅速
に行える態勢を整備しました。
具体的には、海外関係機関との間では、銀行券の偽造防止技術に関する国際会議への
出席や日本国通貨の偽造事案を通じて情報交換を行った一方、国内においては、意見交
換を実施する等関係業界団体との連携強化も図りました。
② 偽造貨幣の抑制に向けて、貨幣の偽造抵抗力の向上等に努めました。
具体的には、
イ 独立行政法人造幣局とともに偽造防止技術の向上等を図ることとしており、平成20
年度から継続して発行している地方自治法施行60周年記念五百円貨幣については、我
が国独自の偽造防止技術である「異形斜めギザ」に加え、偽造抵抗力が高いとされる
「バイカラー・クラッド(二色三層構造)」を引き続き採用しました。
ロ 平成24年度に発行した第67回国際通貨基金・世界銀行グループ年次総会記念貨幣に
ついては、新たな偽造防止技術である「虹色発色」技術(照明位置や観察角度により、
模様の映り方がランダムに変化し、一部が虹色に発色する)を採用しました。
ハ 五百円貨幣については、平成17年3月に警察庁、金融庁及び財務省で取りまとめた
対応策について、引き続き、五百円貨幣のクリーン化等を行いました。また、発行開
始から長期間経過し、磨損が進んでいる百円貨幣についても、クリーン化を実施しま
した。
③ 政府広報(ホームページ・CD)においても、引き続き、通貨偽造に関する注意喚起
のための広報を行い、独立行政法人国立印刷局、独立行政法人造幣局とともに通貨の偽
造防止技術を紹介したテレビ番組(政府インターネットテレビ)の制作を行いました。
④ 偽造通貨が行使されにくい環境整備の一環として、コンビニやたばこ店に対し、通貨
の偽造防止技術を記載したポスター(14万5千枚)を配布しました。
⑤ 通貨偽造の最近の国外での発生状況を踏まえ、アジア及び欧米主要国の在外日本国大
使館等に対して、日本通貨の特徴等を周知しており、現地警察当局等からの問い合わせ
に引き続き迅速に対応できるよう努めました。
(参考)政府インターネットテレビ 「徳光&木佐の知りたいニッポン!」
内閣府ホームページ(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg7736.html?t=64)
施
策 4-1-3:国家的な記念事業として記念貨幣を発行
[平成24年度実施計画]
記念貨幣については、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第5条第2項において、
「国家的な記念事業として閣議の決定を経て発行する」こととされています。
これに基づき、政府は、東日本大震災からの復興事業を国民的事業と位置付け、東日本大震災復
興事業記念貨幣を発行することとしました。
- 249 -
本記念貨幣は、プレミアム型の一万円金貨幣及び千円銀貨幣を発行する予定であり、集中復興期
間の最終年度である平成27年度の発行に向けて、デザインの公募等、所要の準備を進めます。
また、平成20年度より発行を開始した地方自治法施行60周年記念貨幣についても、平成24年度に
予定している6県を確実に発行するとともに、引き続き、有識者会合(「地方自治法施行60周年記
念貨幣の発行に関する会合」)の開催事務や関係都道府県との連絡調整等を実施し、平成25年度以
降の発行について検討していきます。
(注1)「東日本大震災復興事業記念貨幣の発行決定及びデザインの公募について」
財務省ホームページ
(http://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/earthquake_reconstructi
on/kk240221.html)
(注2)地方自治法施行60周年記念貨幣は、平成20年度から28年度までの間、47都道府県ごとの
図柄により、千円銀貨幣及び五百円貨幣を順次発行することとしている。
(注3)「地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合」議事要旨等
財務省ホームページ
(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/47_pref_coin_program/index.html)
(注4)地方自治法施行60周年記念貨幣のうち平成24年度に発行を予定している県は、前半に沖
縄県、神奈川県及び宮崎県、後半に栃木県、大分県及び兵庫県。
財務省ホームページ
(http://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/index.html)
[事務運営の報告]
記念貨幣を発行することには、皇室の御慶事や国際的行事の開催等について、通常の貨
幣とは別に、これらの出来事を示す特別な貨幣を発行することにより、国としてこれらの
出来事を記念し、後世に伝えるという意義があります。これにより貨幣に対して国民に関
心を持って頂き、ひいては、通貨に対する信頼の維持につながるものです。
平成24年度においては、
① 地方自治法施行60周年記念貨幣について、同年度発行分の図柄や発行枚数等を定める
政令改正を行い、以下のとおり発行しました。
発行県
沖縄県
神奈川県
宮崎県
栃木県
大分県
兵庫県
発行テーマ
千円貨幣
沖縄復帰40周年
平成24年5月
武家の古都・鎌倉
平成24年7月
宮崎県庁本館の景観重要建造物指 平成24年8月
五百円貨幣
平成24年7月18日
(水)
定
とちぎの魅力 豊かな自然・文
平成24年10月
化・歴史
八幡宮総本社宇佐神宮と大偉業を
平成24年11月
果たした相撲の達人
平成25年1月
コウノトリ
平成25年1月16日
(水)
(注)千円銀貨は発送開始時期、五百円貨幣は金融機関における引換開始時期。
また、「地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合」の御意見を踏まえ、平成
25年度後半発行県及び平成26年度前半発行県を決定しました。
(注1)地方自治法施行60周年記念貨幣は、平成20年度から平成28年度までの間、47都道府県ご
との図柄により、千円銀貨幣及び五百円貨幣を順次発行することとしている(平成20年5
月13日閣議決定)。
(注2)地方自治法施行60周年記念貨幣のうち平成24年度以降に発行を予定している県は、以下
平成24年度実績評価書
- 250 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標4-1〕
のとおり。
・平成25年度前半:宮城県、広島県、群馬県
・平成25年度後半:岡山県、静岡県、山梨県、鹿児島県
・平成26年度前半:山形県、三重県、愛媛県
財務省ホームページ
( http://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/47_pref_coin_program/
index.html)
(注3)「地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する会合」議事要旨等
財務省ホームページ
(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/47_pref_coin_program/index.html)
② 東日本大震災からの復興事業を国民的事業と位置付け、復興への願いと鎮魂の思いを
込めて、集中復興期間の最終年度である平成27年度に「東日本大震災復興事業記念貨
幣」を発行することとし(平成24年2月21日閣議決定)、その発行に向け、一万円金貨
幣及び千円銀貨幣の図柄等を決定しました。
(注)東日本大震災復興事業記念貨幣は、四次にわたって発行され、第一次発行分の図柄につい
ては造幣局が作成したデザインを用い、第二次発行分から第四次発行分の図柄については、
公募されたデザインを用いている。
財務省ホームページ
(http://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/earthquake_reconstructio
n/index.html)
③ 平成24年10月に「第67回国際通貨基金・世界銀行グループ年次総会」が48年ぶりに日
本で開催されることを記念して、千円銀貨幣を発行することとし(平成24年6月29日閣
議決定)、開催に合わせて発行しました。
(注)第67回国際通貨基金・世界銀行グループ年次総会記念貨幣は、新たな偽造防止技術である
「虹色発色」技術(照明位置や観察角度により、模様の映り方がランダムに変化し、一部が
虹色に発色する)を採用している。
財務省ホームページ
(http://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/imf_wb_2012/index.html)
施
策 4-1-4:貨幣回収準備資金の適正な管理
[平成24年度実施計画]
引換貨幣及び引換貨幣を溶解した地金については、原則として新たな貨幣を製造するために使
用していますが、新たな貨幣の製造等に使用しないものについて、「貨幣回収準備資金に関する法
律」第9条第2項の規定に基づき、平成 16 年度から一般競争入札により、売却しています。
平成 24 年度においても、需要動向を考慮しながら、極力多くの地金を定期的に売り払います。
売払いに当たっては、入札の参加対象となりうる業者により広く売却情報を周知するため、非鉄金
属の専門紙に広告を掲載するほか、入札公告をホームページに掲載します。また、引き続き入札の
効率化を図る観点から、電子入札システムを利用していきます。
(注1)引換貨幣とは、磨耗等により市中の流通に不適当となって、日本銀行において引き換えら
れ、政府が受入れた貨幣等をいう。
(注2)貨幣回収準備資金とは、貨幣に対する信頼の維持を目的として、政府による貨幣の発行、
引換え及び回収が円滑に行われるよう、一般会計に設置された資金である(貨幣回収準備資
金に関する法律第1条及び第8条)。
[事務運営の報告]
平成24年度においては、貨幣回収準備資金の適正な管理のため、引換貨幣及び引換貨幣
- 251 -
を溶解した地金のうち、新たな貨幣の製造等に使用しないものについて、需要動向を考慮
しながら一般競争入札により、売払いを実施しました。売払いに当たっては、入札に参加
すると想定される非鉄金属の専門紙に広告を掲載すると共に、入札公告をホームページに
掲載し、その周知を図りました。
また、売払いの機動性を高めるため、地金の保管状況及び市場の動向を見極めた上で、
上半期・下半期に分けて売払い計画を策定し、公表しました。
更に、入札の効率化を図るため、応札及び入開札手続は「財務省電子入札システム」を利
用して実施しました。
◎業績指標 4-1-1:地金の売払い計画及び入札実施の推移
平成20年度
区 分
21年度
22年度
(単位:トン、%)
23年度
24年度
一般競争入札 一般競争入札 一般競争入札 一般競争入札
一般競争入札
計画量
2,800.0
3,800.0
3,800.0
4,400.0
3,300.0
入札実施量
3,808.2
3,818.4
4,316.0
4,411.3
3,306.8
入札実施率
136.0
100.5
113.6
100.3
目標値100.0
実績値100.2
(出所)理財局国庫課通貨企画調整室調
(注) 入札実施量には、競争に付しても入札者がない場合、又は入札をしても落札者がない場合も含む。
◎業績指標 4-1-2:電子入札に対応した入札実施回数及び実施率の推移 (単位:回、%)
24年度
目標値
実績値
平成20年度
21年度
22年度
23年度
入札実施回数
36
40
46
50
44
44
電子入札実施回数
36
40
46
41
44
44
100.0
100.0
100.0
82.0
100.0
100.0
電子入札実施率
(出所)理財局国庫課通貨企画調整室調
(注) 平成23年度については、財務省電子入札システムの更新にともない、23年12月~24年1月まで利用停止とな
ったことから、電子入札実施回数が入札実施回数を下回っている。
施
策 4-1-5:通貨に関する情報提供
[平成24年度実施計画]
通貨は生活上も商業上も身近で必要不可欠な存在であり、通貨に関しては、個人や一般企業から
マスコミ関係まで含め様々な質問、照会が寄せられます。国民の通貨に関する関心が高まること
は、ひいては通貨に対する信頼の維持に寄与するものです。財務省に寄せられた質問、照会につい
ては、速やかに回答するとともに、応接に当たっては、できる限り専門用語を避け、平易な言葉を
用いつつ、親切丁寧な応接に心掛けます。
[事務運営の報告]
平成24年度においても、通貨やこれに関する法令、記念貨幣の発行の情報等について、
質問や照会が多数寄せられました。
寄せられた質問や照会については、出来る限り専門用語を避け、インターネットが使
用できる方には内容に関連する事項が掲載されているホームページも参照していただく
など、分かりやすい回答に努めました。
平成24年度実績評価書
- 252 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標4-1〕
また、以下のとおり通貨に関するホームページ等の情報提供の充実を図りました。
① 地方自治法施行60周年記念貨幣の発行状況が見やすくなるよう、引き続き、日本地
図によるデザインのページ(http://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_c
oin/47_pref_coin_program/joukyou.htm)を掲載しました。
② 地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に関する報道発表については、財務局・発行
対象団体等を通じ、ホームページへの掲載、地元報道機関への周知、ポスターの配布
等、全国各地域での情報発信の強化に努めました。
③ 地方自治法施行60周年記念五百円貨幣の引換開始日に関する情報については、引き
続き、政府広報を通じ、インターネット上での情報発信の強化に努めました。
④ 東日本大震災復興事業記念貨幣のデザイン公募については、入選者の方々を財務省
へお招きして表彰式を開催(平成24年6月11日)するなど、本記念貨幣の広報に努め
ました。
○参考指標 4-1-2:通貨に関する質問、照会等の受付件数
平成20年度
質問・照会等
件
数
2,327
21年度
22年度
2,419
1,647
(単位:件)
23年度
1,126
24年度
1,006
(出所)理財局国庫課通貨企画調整室調
(注) 理財局国庫課通貨企画調整室にあった質問、照会の件数。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:14,895百万円[23年度予算額:15,269百万円]
平成24年度においても、貨幣の円滑な供給のほか、五百円貨幣のクリーン度の向上、記念
貨幣の発行等のために必要な経費、通貨の偽造・変造の増加を防止する環境整備に関する情
報収集のために必要な経費等について予算措置しました。
平成24年度予算の主な減要因は、独立行政法人造幣局において国家公務員の給与削減と同
様に人件費を削減していることから、この人件費削減に係る貨幣製造費を減額したことによ
るものです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)通貨の流通高の推移
平成25年3月末の通貨の流通高は、前年同月末と比べると、日本銀行券、貨幣ともに
減少しました。
○参考指標 4-1-3:通貨の流通高(評価意見P47記載)
(2)偽造通貨の発見枚数
偽造日本銀行券の発見枚数は、平成16年度に新しい様式の日本銀行券を発行して以降、
- 253 -
それ以前に比べて低い水準で推移しています。
偽造五百円貨幣の発見枚数については、旧白銅貨幣の偽造貨幣の発生等により、平成22
年度に増加しましたが、平成23年度においては減少しています。
○参考指標 4-1-4:偽造通貨の発見枚数(評価意見P47記載)
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
引き続き、通貨に対する信頼を維持することを目的として、日本銀行券・貨幣の円滑な
供給及び偽造・変造の防止等通貨制度の適切な運用を行います。
特に通貨の偽造・変造は、国民の通貨に対する信頼を失わせ、経済社会に深刻な影響を
及ぼす恐れがあります。その防止については、引き続き、重点的に進める施策として位置
付け、以下のような取組を行います。
① 偽造・変造を防止する環境を整備するため、最近の通貨偽造の状況を踏まえ、国庫企
画官を中心に、独立行政法人国立印刷局、独立行政法人造幣局、日本銀行、警察当局及
び税関当局等とも連絡を密にするとともに、海外の通貨当局との連携を図るよう努めま
す。
② 通貨の偽造防止技術を記載したポスターを小売店等に対し機会を捉えて配布する等に
より、偽造通貨が行使されにくい環境の整備に努めます。
③ 偽造防止技術の向上のため、平成24年度に発行した記念貨幣のうち、平成20年度から
継続して発行している地方自治法施行60周年記念五百円貨幣については、視認性が高く、
大量生産が困難な「異形斜めギザ」に加え、偽造抵抗力が高いとされる「バイカラー・
クラッド(二色三層構造)」を引き続き採用したところですが、今後とも偽造抵抗力の
向上に独立行政法人国立印刷局及び独立行政法人造幣局と連携して取り組みます。
また、偽造防止技術を中心とした製造技術やデザイン力等の維持・向上及び国際協力
を図る観点から、新興国等への国づくり支援として、外国政府等の通貨等製造及び製造
技術協力の実施について、独立行政法人国立印刷局及び独立行政法人造幣局と連携を図
ります。
(2)平成26年度予算要求等への反映
貨幣の円滑な供給のほか、五百円貨幣のクリーン度の維持、記念貨幣の発行等のために
必要な経費、通貨の偽造・変造の増加を防止する環境整備に関する情報収集のために必要
な経費の確保に努めます。
なお、平成25年度においては、五百円貨幣のクリーン度を維持するための経費及び、記
念貨幣に「バイカラー・クラッド(二色三層構造)」を採用するための経費等を含む予算
(貨幣製造費:14,615百万円)等を措置しています。
平成24年度実績評価書
- 254 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標4-2〕
○ 政策目標4-2:金融破綻処理制度の適切な整備・運用及び迅速・的確な金融危機管理
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
金融関連法令のうち金融破綻処理制度及び金融危機管理に関するものの企画・立案については、財
務省と金融庁等との共管となっており、その制定・改廃、調査等を行っています。
金融機関の破綻処理、金融危機管理、預金保険制度の運用等に関する業務を行う預金保険機構は、
財務省と金融庁の共管となっており、信用秩序の維持等の観点から、定款変更・予算に関する認可等、
その業務及び組織の適正な運営を確保するための監督を行っています。保険会社の破綻に係る保険契
約者保護制度の運用に関する業務を行う保険契約者保護機構及び証券会社の破綻に係る一般投資者保
護制度の運用に関する業務を行う投資者保護基金等についても同様の監督を行っています。さらに、
東日本大震災の被災地域における事業者の再生を支援する株式会社東日本大震災事業者支援機構につ
いて監督を行っています。
また、仮に金融システムの安定に支障が生じるおそれがある場合には、金融庁等の関係機関と緊密
に連携しつつ、必要に応じて預金保険法等の法令に基づき、金融システムの安定のための諸措置の実
施に努めます。
2.内閣の基本的な方針との関連
日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 4-2-1:金融システムの安定のために必要な制度の整備
[平成24年度実施計画]
金融破綻処理制度及び金融危機管理の企画・立案に関する情報収集等を行い、金融庁等と連携し
て、必要な制度整備を行います。
また、金融システムのセーフティネットとしての公的資金枠については適切に設定していく必要
があります。そのため、預金保険機構等における公的資金枠について、金融機関の経営状況や市場
の動向も踏まえつつ、公的資金枠が適切なものとなるよう努めます。
[事務運営の報告]
金融システムの安定のために必要な制度の整備・運用
①
株式会社企業再生支援機構を株式会社地域経済活性化支援機構に改組
中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の期限が平成
25年3月末に到来することを踏まえ、個々の事業者に対する事業再生等の支援に加えて、
地域活性化に資する支援を推進するため、株式会社企業再生支援機構法を改正し、平成
25年3月18日に株式会社企業再生支援機構を株式会社地域経済活性化支援機構に改組し、
事業再生や地域経済活性化のための専門家の派遣を可能とする等の機能を拡充しました。
- 255 -
②
金融審議会の審議への参画
金融機関の秩序ある処理の枠組み等について検討するために設置された金融審議会
の審議に参画しました。当審議会においては、従来の預金取扱金融機関の全債務を保護
する金融危機対応措置の他に、金融業全体(保険会社、金融商品取引業者等を含む)を
対象として、金融システム上の重要な取引を保護する新たな枠組みを整備すること等に
ついて結論が得られました。その報告書(平成25年1月公表)を受け、第183回国会に
おいて、金融商品取引法等の一部を改正する法律が成立しました(平成25年6月12日)。
③
預金保険料の還付
預金保険機構は、平成22年度末に責任準備金の欠損が解消されたことや金融機関の
保険料負担能力等を考慮し、平成24年度から3年間は、金融機関の破綻等が発生しな
かった場合に預金保険料の一部を払い戻すことを決定し、財務省及び金融庁は認可を
行いました。その決定に基づき、平成24年度内に金融機関の破綻がなかったため、保
険料収入7,310億円のうち、1,245億円を利息を付さずに還付しています。
④
政府保証枠の設定
平成25年度予算において、預金保険機構等に対して政府保証枠を設定しました。
○参考指標 総4-1:預金保険機構等に対する政府保証枠(評価意見P49に掲載)
○参考指標 総4-2:預金保険機構等の借入残高(政府保証付)(P103に記載)
施
策 4-2-2:預金保険機構等の適切な監督、金融システムの安定のための諸措置の実
施
[平成24年度実施計画]
金融機関の破綻に関する業務を主に行っている預金保険機構等について、金融庁等とともに、預
金保険法等の法令に基づき、予算・資金計画の策定及び借入残高の管理や既に供与した公的資金の
回収が適切に行われるよう監督を行っていきます。
仮に金融システムの安定に支障が生じるおそれがある場合には、金融庁等の関係機関と緊密に連
携しつつ、必要に応じて預金保険法等の法令に基づき、金融システムの安定のための諸措置の実施
に努めます。
また、地域の中堅事業者、中小企業者その他の事業者の事業再生を支援する株式会社企業再生支援機
構について、公的資金の適正な管理等の観点から、適切な業務運営が行われるよう監督に努めます。
さらに、東日本大震災の被災地域において事業の再生を図ろうとする事業者の再生を支援する株
式会社東日本大震災事業者再生支援機構について、公的資金の適正な管理等の観点から、適切な業
務運営が行われるよう監督に努めます。
[事務運営の報告]
預金保険機構等の適切な監督等
① 預金保険機構は、平成24年度も引き続き、平成22年9月に破綻した日本振興銀行から
63百万円の資産の買取りを実施し、財務省及び金融庁はその報告を受けました。なお、
平成24年9月に行われた管理を命ずる処分の取消によって、日本振興銀行に対する破綻
処理は終了しています。このほか、平成25年度予算や資金計画、定款変更の認可等の監
平成24年度実績評価書
- 256 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標4-2〕
督を行いました。
○参考指標 4-2-1:預金保険機構の資金援助の件数及び額の推移
平成20年度
資金援助の件数
金銭贈与
21年度
22年度
(単位:件、億円)
23年度
24年度
1
0
0
1
0(注)
2,563
-
-
461
―
―
―
―
751
―
17
―
―
530
1
金銭贈与
(衡平資金援助)
資産買取
(出所)「資金援助実績表(年度別内訳)」(預金保険機構)(http://www.dic.go.jp/katsudo/shikinenjo/ji
sseki-nendo.html)
「資金援助実績表(個別内訳)平成20年度」(預金保険機構)(http://www.dic.go.jp/katsudo/shiki
nenjo/jisseki-kobetsu/h20.html)
「資金援助実績表(個別内訳)平成23年度」(預金保険機構)(http://www.dic.go.jp/katsudo/shiki
nenjo/jisseki-kobetsu/h23.html)
(注)日本振興銀行に係る資産買取りは平成23年度から24年度にかけて実行されているが、その太宗が23年度中
に行われたことから、資金援助の件数としては、23年度に計上している。
また、金融機能強化法に基づき、計3金融機関、合計650億円の国の資本参加決定に
対して同意を行い、2金融機関の返済にかかる承認を行いました。このほか、過去に行
った早期健全化法に基づく資本増強に対して一部返済が行われ、金融機能強化法分と合
わせて返済額は2,623億円となりました。
○参考指標 4-2-2:預金保険機構の資本増強額の状況(残高、返済額) (単位:億円)
根拠法
平成20年度
旧金融安定化法
早期健全化法
預金保険法
(102 条1項1号措置)
金融機能強化法
返済額
21年度
22年度
23年度
24年度
1,900
8,287
1,900
7,687
1,900
6,957
1,900
6,957
1,900
4,688
19,253
19,253
7,117
7,117
7,117
1,615
3,495
3,495
5,260
5,556
4,462
600
12,866
―
2,623
(年度ごと)
(出所)預金保険機構の資料を基に、大臣官房信用機構課で作成。
② 生命保険契約者保護機構については、平成25年度予算や資金計画の認可等の監督を行
いました。なお、平成24年度において、資金援助が行われる事態は生じませんでした。
○参考指標 4-2-3:生命保険契約者保護機構の資金援助の件数及び額の推移
(単位:件、億円)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
資金援助件数
0
1
0
0
0
資金援助額
―
281
―
―
―
(出所)生命保険契約者保護機構の資料を基に、大臣官房信用機構課で作成。
- 257 -
③ 投資者保護基金については、財務諸表の承認等の監督を行いました。なお、平成24年
度において、証券会社の破綻等に伴う一般顧客に対する支払いが行われる事態は生じま
せんでした。
④ 銀行等保有株式取得機構については、平成25年度予算や資金計画の認可等の監督を行
いました。なお、平成24年度の買取額は1,876億円、これまでの買取累計額は2兆4,720
億円となりました(平成25年3月末時点)。買取った株式等については、引き続き、市
中における売却を一時凍結しています。
○参考指標 4-2-4:銀行等保有株式取得機構の株式等買取額の推移
平成20 年度
株式等買取額
415
21年度
3,534
22年度
1,831
(単位:億円)
23年度
1,197
24年度
1,876
(出所)「銀行等保有株式取得機構による買取実績」(銀行等保有株式取得機構)(http://www.bspc.jp/pdf/k
aitori.pdf)を基に、大臣官房信用機構課で作成。
⑤ 株式会社地域経済活性化支援機構については、平成25年度予算の認可、借入の認可等
の監督を行いました。なお、平成24年度においては、8件の支援決定が行われました。
○参考指標 4-2-5:(株)地域経済活性化支援機構の支援決定件数の推移
平成22年度
支援決定件数
11
23年度
11
24年度
8
(出所)大臣官房信用機構課で作成。
⑥ 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構については、平成25年度予算の認可等の監
督を行いました。なお、平成24年度においては、167件の支援決定が行われました。
(新)○参考指標 4-2-6:(株)東日本大震災事業者再生支援機構の支援決定件数の推移
平成23年度
支援決定件数
0
24年度
167
(出所)(株)東日本大震災事業者再生支援機構の資料を基に、大臣官房信用機構課で作成。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:12百万円[23年度予算額:12百万円]
平成24年度においては、金融破綻処理制度の適切な整備・運用を図るとともに、迅速・
的確な金融危機管理を行うことによる金融システムの安定の確保を目的として、事務運営
のために必要な経費として、前年度と同規模の一般事務費12百万円の予算措置を行いまし
た。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
平成24年度実績評価書
- 258 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標4-2〕
6.目標を巡る外部要因等の動向
金融機関・株式市場の状況
総合目標4(P102)を参照。
○参考指標 総4-4:自己資本比率(P105掲載)
○参考指標 総4-5:不良債権比率・残高(P105に掲載)
○参考指標 総4-6:貸出金残高(P105に掲載)
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
金融システムの状況を適切に踏まえながら、金融庁等と連携をとりつつ、政府保証枠
の適切な設定、預金保険機構等の監督等、金融破綻処理制度の適切な整備・運用や迅速
かつ的確な金融危機管理に努めていきます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
金融破綻処理制度の適切な整備・運用を図るとともに、迅速・的確な金融危機管理を
行うことによる金融システムの安定の確保を目的として、引き続き、事務運営のために
必要な経費の確保に努めます。
- 259 -
- 260 -
政策目標5:貿易の秩序維持と健全な発展
○ 政策目標5-1:内外経済情勢等を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度の改善等
・5-1-1:適切な関税改正の実施
・5-1-2:特殊関税制度の適正な運用
重 政策目標5-2:多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進、税関分野における貿易円滑化
○
の推進
重 ・5-2-1:多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進
○
重 ・5-2-2:税関分野における貿易円滑化の推進
○
○
政策目標5-3:関税等の適正な賦課及び徴収、社会悪物品等の密輸阻止並びに税関手続に
おける利用者利便の向上
・5-3-1:関税等の適正な賦課及び徴収
・5-3-2:社会悪物品等の密輸阻止
重 ・5-3-3:税関手続における利用者利便の向上
○
・5-3-4:税関手続システムの機能拡充及び利用者利便の向上
・5-3-5:実効性ある税関行政実現のための情報提供
重 」マークは、重点的に進めるものを示しています。
※「○
- 261 -
- 262 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-1〕
○
政策目標5-1:内外経済情勢等を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度の改善等
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
関税率の設定・関税制度の改善等に際しては、関税の機能の一つとしての国内産業保護機能に留意
しつつ、国際的な経済・貿易の発展への貢献、国内産業の実情、需要者・消費者への影響等を総合的
に勘案し、他の政策手段とあいまって、国民経済の健全な発展、更には世界経済の健全な発展につな
がるものとする必要があります。
2.内閣の基本的な方針との関連
平成25年度税制改正の大綱(平成25年1月29日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
業績目標 5-1-1:適切な関税改正の実施
[平成24年度実施計画]
関税率の設定・関税制度の改善に当たっては、最近における内外の経済情勢、貿易動向、国民の
ニーズ等を踏まえ、公平・簡素・透明という観点に留意しつつ法令改正(関税改正)を行っており、
平成24年度においても、この基本的な考え方に基づいて関税改正の検討を行っていきます。
各年度における関税率の設定・関税制度の見直しに当たっては、生産者・消費者・利用者等の現
状や諸外国の関税制度等も踏まえて検討を行っています。また、関係省庁から提出される関税改正
要望について、その政策目標・効果等を踏まえて検討を行うなど、関税改正における政策評価の活
用を図っています。
さらに、平成23年度においては、学識経験者、消費者の代表者からなる関税・外国為替等審議会
関税分科会企画部会において取りまとめられた「平成24年度関税改正に関する論点整理」を踏まえ
て関税改正案を策定し、これを税制調査会に諮った上で、関税改正の主要事項を平成24年度税制改
正大綱に盛り込んでいます。平成24年度においても、これらの取組を着実に実施します。
[事務運営の報告]
(1)関係府省からの関税改正要望において、政策の目的、要望措置の必要性・適正性・効
果、政策評価の結果等に関して記載を求めました。平成25年度関税改正要望として、経
済産業省、農林水産省及び財務省より暫定関税率等の適用期限の延長等、国土交通省よ
り指定保税地域の指定範囲の拡充等が提出され、当該要望の精査に当たっては、関係府
省の政策評価結果を活用しました。また、関係府省からその所管する産業の情勢や個別
要望の国民経済全体への影響を聴取しました。
(2)平成24年6月から、関税評価に関する法令等(関税定率法及び関税定率法施行令等)
のあり方について検討を行うため、「関税評価のあり方に関するワーキンググループ」
が設置され、専門的で深度のある議論が行われました。同ワーキンググループは、学識
経験者や通関実務者をその委員として、計3回にわたり議論を重ね、①輸入貨物に係る
取引形態の複雑化を踏まえた関税定率法上の課税要件の明確化、及び、②十分かつ正確
- 263 -
な資料が提供されない場合における関税評価の明確化、を提言する報告書を取りまとめ
ました。
(注)関税評価とは、関税の課税標準となる価格(課税価格)を法令の規定に基づいて決定す
ることを言います。
(3)上記項目を含めた関税改正に係る検討結果は、関税・外国為替等審議会に報告され、
改正の方向性についての審議が行われ、「平成25年度関税改正に関する論点整理」がま
とめられました。
(4)
本論点整理を踏まえて策定した関税改正案の主要事項を
「平成25年度税制改正の大綱」
に盛り込みました。
(5)これらを踏まえて作成した関税定率法等の一部を改正する法律案を、平成25年3月1
日に通常国会に提出しました。同法律案は、同年3月29日に成立、同月30日に公布され、
一部の規定を除き同年4月1日から施行されています。
主な平成25年度関税改正の背景及び概要は以下の通りです。
イ 適切な関税率の設定
ⅰ. 内外の経済情勢の変化等への対応
国内産業の保護の必要性や国内需要者のニーズ、
消費者への影響等を勘案しつつ、
社会・経済情勢の変化を踏まえ、個別品目の関税率の設定等を行っています。
【改正概要】
(ⅰ) 暫定関税率等の適用期限の延長等
① 暫定税率(433品目)、特別緊急関税制度及び牛肉等に係る関税の緊急措置(牛
肉についての発動基準数量の算定基礎の特例を含む。)の適用期限を1年延長
しました。
(ⅱ) 特恵関税制度に係る改正
① 産品の競争力に基づく国別・品目別特恵適用除外措置により、中国を原産と
する化粧用噴霧器等25品目を特恵適用の対象から除外しました。
② 世界銀行統計の高所得国に3年連続して該当したクロアチアを特恵受益国等
から除外しました。
ロ 関税制度の改善
ⅰ. 適正な課税のための規定の整備
(ⅰ) 関税評価に係る規定の整備
現行の関税評価に係る関税関係法令の規定は、
GATT協定の発効に当たり、
1980
年(昭和55年)に整備されましたが、その後、輸入貨物に係る取引が複雑化・多様
化する等の状況変化の下、適正な課税価格により申告がなされない事例や訴訟に発
展する事例が出ており、適正な関税評価が難しくなっていました。
平成24年度実績評価書
- 264 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-1〕
【改正概要】
適正な課税価格により申告がなされるよう、①輸入取引をするために支払われる
特許権等の使用の対価を、課税価格に算入すること、②本邦にある者が、提供した
原材料を外国にある者に加工させてできた貨物を輸入する場合に、加工賃に提供し
た原材料の価格等を加えた価格を当該貨物の課税価格とすること、③輸入者が、課
税価格を計算する際、合理的な根拠を示す資料に基づき、また、会計原則に従って
計算しなければならないこと等、関税評価に係る法律上の規定を明確化しました。
(ⅱ) 納税環境の整備
① 延滞税とは、納付遅延の際に課される遅延利息に相当するものであり、納税
者の負担の公平の確保、未納の関税の早期納付を促す等の観点から設けられた
もので、還付加算金とは、納税者の未納額について延滞税が課されることとの
バランスに鑑み、還付金に対して一種の利子を付す観点から設けられたもので
す。延滞税については、「平成24年度税制改正大綱」(平成23年12月10日閣議
決定)において、延滞税のあり方について「検討する」旨が記載され、また、
「税制抜本改革法案の国会提出に伴う今後の対応について」(平成24年3月30
日閣議決定)において、「延滞税の利率を含めた負担の見直しについては、税
の確実な収納を勘案しつつ、低金利下における利率のあり方、事業者の負担等
を考慮し、平成25年度税制改正時に成案を得る。」旨が盛り込まれていました。
【改正概要】
納付を促す効果に配慮しつつ、現下の低金利の状況等に鑑み、延滞税等の利
率を見直し、当分の間の措置として、各年の特例基準割合が年7.3%に満たな
い場合には、その年中においては、年14.6%の割合の延滞税は当該特例基準割
合に年7.3%を加算した割合、年7.3%の割合の延滞税は当該特例基準割合に年
1%を加算した割合(当該加算した割合が年7.3%を超える場合には、年7.3%
の割合)、還付加算金は当該特例基準割合としました。
(注)「特例基準割合」とは、各年の前々年の10 月から前年の9月までの各月に
おける銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12 で除して得た割合として各年
の前年の12 月15 日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合
をいいます。
② 更正の請求とは、納税者が納税申告にかかる税額が過大であることを知った
場合に、
課税庁に対し、
その税額を減額すべきことを請求することを言います。
更正の請求の期限が災害により延長される等の場合、その請求に対し税関が更
正をすることのできない期間が生じる場合がありました。
【改正概要】
更正の請求期間につき、災害により期限延長される場合等において、当該期
間の満了日が通常の更正の除斥期間経過後に到来するときは、当該期間の満了
日から6月間更正の請求に係る更正等を行うことができることとするほか、所
- 265 -
要の措置を講じました。
ⅱ. 貿易の円滑化
(ⅰ)指定保税地域の指定範囲の拡充
指定保税地域とは、税関手続きを簡易、迅速に処理するため、外国貨物を積卸
し、運搬し、又は一時置くことができる場所として財務大臣が指定した施設等を
言います。平成23年、港湾法の一部が改正され、港湾運営会社制度が創設されま
した。港湾運営会社は、国または地方公共団体等から埠頭の貸付を受け、自らの
施設と一体的に運用するものであり、これにより、港湾運営の民営化、施設整備
の推進、港湾の国際競争力の強化を図るものです。港湾運営会社に貸し付けられ
た埠頭は指定保税地域の対象となっていましたが、港湾運営会社が自ら所有する
施設は指定保税地域の対象となっていませんでした。
【改正概要】
港湾運営会社が自ら所有する施設を指定保税地域の対象としました。
業績目標 5-1-2:特殊関税制度の適正な運用
[平成24年度実施計画]
特殊関税制度については、不公正な貿易取引、輸入急増による国内産業への損害への対応などの
役割を通じて、自由貿易体制の秩序維持・強化に資することが期待されていますが、反面、制度の
濫用や恣意的な運用を避けなければならないことから、特殊関税の調査や賦課決定等の制度の運用
に当たっては、WTO協定及び国内関係法令に則り、透明かつ公平・適正な運用に努めていきます。
なお、特殊関税制度の運用に当たっては、関税・外国為替等審議会に諮ることとしており、平成
24年度においても、これらの取組を着実に実施します。
[事務運営の報告]
特殊関税制度は、特別な事情がある場合に通常の関税のほかに割増関税を賦課する制度
で、WTO協定上の利益を守り、その目的を達成するための「報復関税」、不当廉売され
た輸入貨物に対する「不当廉売関税」、外国政府による補助金付きの輸入貨物に対する「相
殺関税」、予期しなかった輸入の増加に対処するための「緊急関税」があります。
平成24年度における特殊関税の課税の状況等は以下のとおりとなっています。
イ 米国バード修正条項に対する報復関税
バード修正条項(1930年関税法を修正する条項)は、不当廉売関税及び相殺関税によ
り米国政府が得た税収を不当廉売又は補助金による被害を申し立てた国内企業等に対し
て分配する法律で、不当廉売関税等の賦課及び税収の分配により二重の利益を与え、ま
た、不当廉売関税等の賦課の提訴を助長する性質を持つとして、平成15年1月にWTO
協定違反が確定しています。我が国は平成16年11月、本条項に対して対抗措置をとるこ
とについてWTOの承認を受け、平成17年9月1日、米国から輸入される玉軸受(ボー
ルベアリング)等15品目につき、分配額に基づき税率15%の報復関税(適用期間1年)
を発動しました。その後も依然としてWTO協定違反の状態が継続していることから平
成18年から24年の間毎年、対抗措置を1年間延長しました。また、平成20年の延長以降
平成24年度実績評価書
- 266 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-1〕
は、分配額の減少に応じて、対象品目を2品目(玉軸受及び円すいころ軸受)に絞り込
むと共に、税率を順次10.6%、9.6%、4.1%及び1.7%に変更しました。さらに、平成24
年9月1日には、分配額の減少に応じて、対象品目を1品目(円すいころ軸受)に絞り
込むと共に税率を4.0%に変更した上で7度目の延長を行いました。
(注)本件については、EU及びカナダが平成17年5月から、メキシコが同年8月からそれぞれ
対抗措置を発動し、このうちEUは平成24年においても対抗措置を延長しました。
ロ インドネシア産カットシート紙に対する不当廉売関税調査
平成24年5月10日に本邦産業から財務大臣に対し、
インドネシア産カットシート紙
(コ
ピー用紙や上質紙など)に対する不当廉売関税の課税申請書が提出されました。当該申
請について、関係法令に照らして検討を行った結果、調査を行うに足る十分な証拠を備
えたものであると認められたため、同年6月29日、不当廉売関税の課税に関する調査を
開始しました。
ハ 南アフリカ、中国、スペイン及びオーストラリア産の電解二酸化マンガンに対する不
当廉売関税
南アフリカ、
中国、
スペイン及びオーストラリア産の電解二酸化マンガンについては、
平成20年9月1日から平成25年8月31日までを課税期間として、不当廉売関税が課され
ているところですが、平成24年8月30日に本邦産業から財務大臣に対し、当該不当廉売
関税の課税期間延長に係る申請書(生産者が廃業したオーストラリアを除く)が提出さ
れました。当該申請について、関係法令に照らして検討を行った結果、調査を行うに足
る十分な証拠を備えたものであると認められたため、同年10月30日、不当廉売関税の課
税期間の延長に関する調査を開始しました。
二 韓国及び台湾産ポリエステル短繊維に対する不当廉売関税
韓国及び台湾産ポリエステル短繊維については、平成14年7月26日から平成24年6月
28日までを課税期間として、不当廉売関税が課されていました(当初、平成19年6月30
日までを課税期間としていましたが、平成18年6月30日に本邦産業から、不当廉売関税
の課税期間延長に係る申請書が提出されたことを受け、調査を行った結果、課税期間を
5年間延長しました)。当該課税期間満了日の1年前までに本邦産業から課税期間の再
延長の申請が行われず、課税期間が満了しました。
【事務運営プロセスの改善に係る取組】
(1)平成25年度関税改正に当たって、関係省庁の要望に係る検討をより効果的・効率的に
行うため、一覧的・統一的に関税措置の必要性等に係る客観的情報、政策分析等の提示
を求め、それらを十分に活用して、効率的な事務運営に努めました。
(2)特殊関税制度の運用に当たって、関係省庁間で綿密な連携をとりながら、透明かつ公
平・適正な運用に努めました。
- 267 -
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:353百万円[23年度予算額:469百万円]
当該予算は、関税制度等の企画及び立案や、その基礎データとなる貿易統計等を作成す
るための貿易統計業務機能の開発・運用等に係る経費です。平成24年度の主な減要因は、
通関情報総合判定システムの貿易統計業務機能プログラム変更に要する経費の減によるも
のです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
開発途上国の経済発展を支援する観点から、途上国からの輸入品に対して通常より低い
税率を適用(特恵関税制度)しています。
平成24年度時点の特恵受益国等は144か国・地域となっています。
なお、平成23年度以降のの特恵適用輸入額が減少しているのは、平成23年度関税改正に
おいて、産品の競争力に基づく国別・品目別特恵適用除外措置を見直したことによるもの
です
○参考指標 5-1-1:特恵関税を適用した輸入額
平成20年度
輸 入 額
20,775
21年度
15,519
(単位:億円)
22年度
17,632
23年度
10,150
24年度
9,214
(出所)関税局関税課調
(注) 確定値による(平成24年度の1、2月分は確報値、3月分は速報値)。
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 関税改正に当たっては、内外の経済情勢の変化等を踏まえつつ、関係府省より提出さ
れた改正要望について、措置の必要性や実現される具体的な効果、更にはその所管する
産業の情勢や個別要望の国民経済全体への影響を聴取し、関係府省とも協議を十分に行
った上で、関税・外国為替等審議会の調査・審議の結果を踏まえながら、関税改正案を
策定して税制改正の大綱に盛り込み、これを踏まえた関税改正法案を策定する必要があ
ると考えます。
また、今後とも、政策評価の関税改正への活用を図る観点から、官民の検討の場にお
ける議論等を踏まえるなど、国民のニーズの的確な把握に努めるとともに、内外の市況
や国内の生産者の状況など客観的なデータの収集・検討を行った上で、毎年度の関税改
正作業を行っていくことが必要であると考えます。
② 特殊関税の調査や賦課決定等の制度の運用に当たっては、関係省庁と緊密に連携しつ
つ、関税・外国為替等審議会の調査・審議の結果を踏まえながら、WTO協定及び国内
関係法令等に則り、透明かつ公平・適正に運用する必要があると考えます。
平成24年度実績評価書
- 268 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-1〕
(2)平成26年度予算要求等への反映
最近における内外の経済情勢等を踏まえ、公平・簡素・透明という観点に留意しつつ、
関税改正において適切な関税率の設定及び特殊関税、特恵関税等の関税制度の改善とそ
の適正な運営を行うため、
関税制度等の企画及び立案等に必要な経費の確保に努めます。
- 269 -
重 政策目標5-2:多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進、税関分野における貿易円滑化
○
の推進
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
当該目標は「新成長戦略」や「包括的経済連携に関する基本方針」等に取り上げられており、世界
の成長力を自らの成長に取り込み、また、我が国が世界経済に貢献していくために、今後重点的に進
めるべき目標であることから「重点目標」として設定しています。
我が国経済の成長・発展基盤の再構築と世界経済の持続的発展のため、WTO(世界貿易機関)ド
ーハ・ラウンド交渉に引き続き積極的に取り組むとともに、「包括的経済連携に関する基本方針」に
沿って、世界の主要貿易国との間で、世界の潮流からみて遜色のない高いレベルの経済連携を積極的
に推進していきます。
また、貿易ビジネス環境の改善を通じて我が国企業の国際競争力の強化を図り、ASEAN(東南
アジア諸国連合)を中心とするアジアに切れ目のない市場を創出し、成長著しいアジア諸国の需要を
取り込むことなどにより、我が国経済の成長力を強化していく観点から、ADB(アジア開発銀行)、
JICA(国際協力機構)、及びWCO(世界税関機構)との連携を戦略的支柱にした「アジア・カ
ーゴ・ハイウェイ」構想の実現により、貿易円滑化を積極的に推進し、具体的な成果を追及していき
ます。
さらに、現在、WCO等の国際機関をはじめ、日中韓の地域協力の枠組み、EPA(経済連携協定)
及び外国税関当局との協力の枠組みにおいて、税関手続の国際的調和・簡素化を推進するための取組
や税関分野における国際貿易の安全確保に向けた取組がなされています。これらの取組等を通じ、税
関手続の国際的標準化等を図ることにより、国際貿易の円滑化が促進され、ひいては税関手続におけ
る利用者利便の向上、社会悪物品の密輸阻止等にも資するものと考えられます。
貿易大国である我が国としては、こうした取組の重要性に鑑み、上記の国際機関、地域協力の枠組
み及びEPA等において、税関分野における手続等の国際的調和の推進に積極的に取り組みます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣施政方針演説
包括的経済連携に関する基本方針(平成22年11月9日閣議決定)
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
知的財産推進計画2012(平成24年5月29日知的財産戦略本部決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
業績目標 5-2-1:多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進
業績目標 5-2-2:税関分野における貿易円滑化の推進
4.平成24年度の事務運営の報告
重 業績目標 5-2-1:多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進
○
[平成24年度実施計画]
① WTOにおける取組
WTOドーハ・ラウンド交渉は、関税引下げ等の貿易自由化に加え、貿易円滑化や不当廉売関
税(アンチダンピング税)等の貿易規則の明確化・拡充をも対象とするものであり、貿易自由化
を通じた経済の活性化にとって重要な意義を持っています。
平成23年11月のG20カンヌ・サミットやAPEC閣僚会議・首脳会議で、ドーハ・ラウンド交
渉を進めるために、斬新で信頼性のあるアプローチを追求するとのコミットメントが確認されま
した。平成23年12月のWTO第8回閣僚会議の議長声明では、近い将来に交渉の全ての要素が同
時に妥結する可能性は低いことを率直に認めつつも、交渉を諦めることなく、先行合意等のこれ
平成24年度実績評価書
- 270 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-2〕
までと異なる交渉アプローチを探求することとされました。
財務省は、多角的貿易体制の維持・強化に向け、開発途上国の関心や懸念にも配慮しつつ、同
交渉に積極的に取り組んでいきます。また、この取組の中で、特に貿易手続の透明性・予見可能
性・公平性の向上、簡素化・迅速化等を進める貿易円滑化交渉を積極的に推進していきます。
② EPAにおける取組
アジア・太平洋の増大する需要を始めとするグローバル需要の取り込みは、我が国が経済成長
を維持・増進していくためにも不可欠であり、世界の成長力を自らの成長に取り込み、また我が
国が世界経済に貢献していくためには、我が国が率先して高いレベルの経済連携を進め、新たな
貿易・投資ルールの形式を主導していくことが重要です。こうした観点から、平成22年11月に閣
議決定された「包括的経済連携に関する基本方針」及び平成23年12月に閣議決定された「日本再
生の基本戦略」等に沿って、我が国として主要な貿易相手を始めとする幅広い国々と戦略的かつ
多角的に経済連携を進めていくこととしています。
アジア太平洋地域においては、日韓・日豪のEPA交渉を推進し、日中韓、日カナダ、日モン
ゴル、ASEAN+3,ASEAN+6といった経済連携の早期交渉開始等を目指します。
TPP(環太平洋パートナーシップ)協定については、交渉参加に向けた関係国との協議を行
い、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って、TPPについて結論を得て
いくこととしております。
(注)TPP協定交渉には、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリ、米国、オー
ストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの9カ国が参加している。
アジア太平洋地域以外では、日EU等の早期交渉開始を目指します。また、現在交渉中のGC
C(湾岸協力理事会)との交渉の促進に努めることとしています。
なお、平成23年度には、インド(平成23年8月)及びペルー(平成24年3月)との間のEPA
が発行しました。
財務省は、関税政策・税関行政を所管する立場から、関係省庁との連携を密にし、こうした具
体的取組を推進していきます。
[事務運営の報告]
平成13年に開始されたWTOドーハ・ラウンド交渉は、平成23年4月以降、全体として
は停滞しています。こうした状況で、財務省が主に交渉を担当する貿易円滑化分野につい
ては、ドーハ・ラウンドにおいて唯一全加盟国による交渉が継続している分野となってお
り、財務省は同交渉に積極的に取り組みました。今後、交渉が妥結しWTO貿易円滑化協
定が発効することになれば、これまでWTOルールのなかった貿易円滑化分野でもWTO
の紛争解決制度による制裁発動が可能となり、この分野の規律の強化が見込まれます。
また、WTOドーハ・ラウンド交渉が全体として膠着状況が続く一方、主要先進国・新
興国間のFTA・EPAは広がっていく状況にあり、我が国においては以下のような進展
がありました。
■ 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については、平成25年3月15日、安倍総理
が交渉参加の意思を正式に表明しました。
■ 日EU・EPAについては、平成25年3月25日に安倍総理とファン=ロンパイ欧州理
事会議長、バローゾ欧州委員会委員長との間で日EU電話首脳会談が行われ、4月の
交渉開始を正式表明し、同月、第1回交渉会合を開催しました。
■ RCEPについては、平成24年11月のASEAN関連首脳会議の機会に交渉開始を宣
言し、平成25年5月、第1回交渉会合を開催しました。
■ 日中韓FTAについては、平成24年11月に交渉開始を宣言し、平成25年3月、第1回
交渉会合を開催しました。
このほか、我が国はカナダ、コロンビア、モンゴルとEPA交渉を開始し、オーストラ
リア等とのEPA交渉も実施しています。更にトルコとの間で交渉開始に向けた官民共同
- 271 -
研究を実施しています。
今後仮にこれらの協定がすべて発効すれば、我が国の貿易量の 84.6%がEPA・FTA
協定の対象となります(現在の我が国のEPA締結国との貿易量は 18.9%)。
財務省は、主に関税制度や税関行政を所管する立場から、EPA共同議長4省の一角と
して交渉に参加していますが、以上の通り平成24年度は、EPA交渉がこれまでになく大
きく進展した年であり、こうした政府全体の取組に積極的に貢献しました。
(参考)各国との経済連携の進捗状況(平成 25 年5月現在)
(出所)関税局参事官室(国際調査担当)・経済連携室調
重 業績目標 5-2-2:税関分野における貿易円滑化の推進
○
[平成24年度実施計画]
① 「アジア・カーゴ・ハイウェイ」構想に関する取組
我が国経済の成長力を強化していく観点から、我が国との経済関係の深いASEAN諸国等に
重点を置いて、相手国における貿易ビジネス環境の改善に積極的に関与していきます。
こうした観点から、平成23年4月には、「貿易円滑化に関する日ASEAN関税局長・長官会
合」を開催し、「アジア・カーゴ・ハイウェイ」構想を提案しました。同構想を踏まえ、同年10
月から11月にかけて、財務省関税局は、ADB、JICA(国際協力機構)及びWCOの4者と
ASEAN各国の税関との間で、貿易円滑化の目標、スケジュール、及び国ごとの支援策につい
て、相手国との間で合意するに至りました。今後とも、具体的な成果を追求するとともに、成果
について事後的に検証していきます。
また、平成23年7月には、今後2年程度をかけて我が国のNACCSをベースにした新システ
平成24年度実績評価書
- 272 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-2〕
ムをベトナムに導入することで基本的な合意に達しました。導入にあたっては、ベトナムが日本
の優れた技術を活用した通関システムを構築するよう積極的に関与していくとともに、同システ
ムが実現する貿易手続の所要時間短縮や貿易コストの縮減等を通して貿易円滑化を着実に推進し
ていきます。
② 地域協力の枠組みにおける取組
我が国とアジア太平洋地域との間の地域協力であるAPEC、さらに我が国を含むアジア地域
とヨーロッパとの間の地域協力であるASEM等の枠組みについても、貿易円滑化に関する上述
の我が国の構想などを推進する観点から積極的に活用します。
APECについては、平成22年9月に東京で開催されたAPEC関税局長・長官会合におい
て、今後APECの税関当局が推進すべき項目として合意されたAEO(認定事業者)制度構築
支援と相互承認の推進、②シングルウィンドウの構築、③知的財産侵害物品の水際取締り強化等
8項目の着実な実行を通じ、アジア太平洋地域における貿易円滑化を推進しています。
平成24年度のAPECにおける我が国の具体的な取組としては、APEC域内における知的
財産侵害物品の水際取締の強化、AEO制度の構築、及びシングルウィンドウの開発に向けたキ
ャパシティビルディング(途上国の能力構築)支援の実施を通じ、貿易円滑化等の実現に向けて
積極的に貢献してまいります。
ASEMでは、平成23年10月にホアヒン(タイ)で開催されたASEM関税局長・長官会合に
おいて承認されたASEM貿易円滑化行動計画(平成24年-平成26年)に基づき、貿易円滑化の
促進に引き続き貢献していくとともに、ASEMがアジアと欧州の間の比較的多数の国が参加す
る地域協力の枠組みであることを踏まえ、、我が国の立場が反映されるための枠組みとして活用
してまいります。
日本、中国、韓国の3か国間の地域協力の枠組みにおいては、平成23年11月の第4回日中韓3
か国関税局長・長官会議において策定された「日中韓3か国税関の協力に係る改定行動計画」に
基づき、3か国税関当局の協力強化の取組が進められています。今後とも、貿易の安全確保と円
滑化という各国共通の目標に向け、良好な協力関係を維持するとともに、行動計画を着実に実施
するよう取り組んでいきます。
③ WCO等国際機関等における取組
WCOでの貿易の円滑化・安全確保の取組において、我が国は「基準の枠組み(国際貿易の暗
然確保及び円滑化のための基準の枠組み)」(平成17年6月採択)や「改正京都規約(税関手続
の簡易化及び調和に関する国際規約)」(平成18年2月発効)等の各国における着実な実施を推
進し、税関分野における手続等の国際的調和・簡素化に向けた各種取組に積極的に貢献していま
す。これらの取組を通じ、我が国の国際競争力の強化、及び我が国経済の成長に資する内容が国
際標準として反映されるよう取り組むことを基本方針とします。更に、WCOにおいて推進され
ている水際取締に係る国際協力にも積極的に関与し、我が国社会の安全・安心の確保にも貢献し
ていきます。
④ EPAにおける税関協力等に関する取組
EPAの交渉分野には、貿易円滑化を促進する観点から、税関手続の国際的調和・簡素化や税
関協力等が含まれており、今後のEPA交渉においても、同様の規定が盛り込まれるよう取り組
んでいきます。
⑤ 税関当局間の情報交換等に関する取組
不正薬物等の水際におけるより効果的な取締りを推進するため、他国の税関当局との間で、関
連する情報の交換を行うために相互に支援すること、また、貿易円滑化の取組を含む税関当局間
の協力関係を強化することを定めた政府間協定・税関当局間取決(税関相互支援協定)を締結し
ています。
[事務運営の報告]
① 「アジア・カーゴ・ハイウェイ」構想に関する取組
関税局が中心となり、ADB、JICA、WCOの3者及びASEAN各国税関との
協議を行い、国別・分野別に重点分野を特定し、今後概ね3年間の支援内容・支援主体
を規定した支援計画を策定し、ASEAN各国の税関の発展段階に応じて関税技術協力
(関税評価や関税分類といった基礎的な税関分野を中心とした、途上国に対するキャパ
- 273 -
シティビルディング)を実施してまいりました。また、その成果について事後的に評価
を行い、各国の貿易円滑化に係るニーズ等を把握し、次年度以降の支援計画の策定に反
映させました。
ベトナム税関の近代化のための通関手続の電子化等を目的とした、我が国のNACC
Sをベースにした新システムのベトナムへの導入については、平成24年3月に両国政府
間で無償資金協力案件として合意に達したことから、ベトナムが日本の優れた技術を活
用した通関システムを2年間で構築するよう1年目は予定通り詳細仕様確定作業への
支援を実施する等、貿易円滑化に向けた取組を実施しました。
さらに、日本企業がASEAN諸国等を中心にサプライチェーンを高度化・複雑化さ
せている現状を踏まえ、今後も関税技術協力により、我が国と経済的関係性の深い、ベ
トナムを含む、ASEAN諸国について、貿易手続の改善を通して相手国における貿易
ビジネス環境の改善に積極的に関与してまいります。
② 地域協力の枠組みにおける取組
APECにおいては、域内の能力構築を目指した取組として、シングルウィンドウ構
築、AEO制度構築のワークショップを開催しました。また、知的財産侵害物品の水際
取締強化を狙ったワークショップ開催に向けた活動を継続しており、これらの取組を通
じてアジア太平洋地域における貿易円滑化の推進に貢献しました。
ASEMにおいては、関税局長・長官会合で合意された7つの優先分野のうち、我が
国はAEO制度構築・実施支援の分野でアジア側のリード国を務める等、税関手続の調
和・簡素化をはじめとした、手続・執行面におけるアジア・欧州間の税関協力促進に積
極的に貢献しました。
日中韓の税関協力の枠組みにおいては、貿易の安全確保と円滑化という各国共通の目
標に向け、「日中韓3か国税関の協力に係る改定行動計画」を着実に実施するよう取り
組みました。
③ WCO等国際機関等における取組
WCOにおいては、我が国が積極的に関与してきている「基準の枠組み(国際貿易の
安全確保及び円滑化のための基準の枠組み)」の実施を推進するため、途上国を対象と
した技術協力プログラム等を継続的に実施しました。また、「改正京都規約(税関手続
の簡易化及び調和に関する国際規約)」への加入促進のため、国際会議等の場で、未加
入国に対し働きかけを行いました。さらに、税関手続等の国際的調和・簡素化に向けた
各種取組において、我が国企業の国際競争力を高め、我が国経済の成長力を強化してい
く観点から、国際標準に関する議論に積極的に参加しました。
平成24年12月にWCOの政策全般を検討する政策委員会が京都で開かれ、税関が世界
経済に積極的に貢献するための方策につき議論が行われました。その結果、税関当局と
して貿易円滑化の推進を通じた経済成長への取組を進めることとされました。また、国
際開発金融機関(MDBs)の日本基金を通じた途上国税関当局へのキャパシティビル
ディングを今後より一層拡大していくこととなりました。
平成24年度実績評価書
- 274 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-2〕
また、地域的取組として、タイに所在するROCB A/P(WCOキャパシティ・
ビルディング・アジア大洋州地域事務所)と連携して、我が国は地域の支援ニーズの把
握、支援案件の形成・調整・実施といった、WCOがアジア大洋州地域で行うキャパビ
ル活動に貢献しております。
知的財産侵害物品の水際取締りについては、WCOの模倣品・海賊版部会における議
論に参加した他、日中韓での意見交換を進める等、国際的な協調を進めました。また、
「ACTA(偽造品の取引の防止に関する協定)」については、平成23年10月の署名式
会合(東京)等を経て、現在、関係各国において発効に向けた手続が行われております。
WTOドーハ・ラウンドの貿易円滑化交渉においては、平成21年12月に条文提案を統
合した統合テキスト案が策定されて以降は、統合テキスト中、意見の収斂に至っていな
い文言に付されている括弧書き(ブラケット)を減らすべく議論が行われてきました。
財務省は、交渉会合等に積極的に参加し、メンバー主導によるテキストの改訂に貢献し
ております。
④ EPAにおける税関協力等に関する取組
交渉中のEPAにおいて税関手続の国際的調和・簡素化や税関協力を推進するための
規定を盛り込むよう積極的に取り組みました。
⑤ 税関当局間の情報交換等に関する取組
不正薬物、銃砲及び知的財産侵害物品等の水際におけるより効果的な取締りを推進す
るため、
他国・地域の税関当局との間で関連する情報の交換に積極的に取り組みました。
また、政府間協定・税関当局間取決め(税関相互支援協定)の締結にも積極的に取り組
みました。また、EPA交渉中の国について、双方のニーズ・権限等を踏まえ、税関の
相互支援に係る規定をEPAに盛り込む取組も実施しました。
平成24年度においては、南アフリカとの間で税関相互支援に係る政府間協定を、フラ
ンスとの間で税関支援に係る税関当局間取決めをそれぞれ締結しました。
◎業績指標 5-2-1:税関相互支援協定等の締結数
平成20年度
締結数
18
21年度
20
(単位:国・地域)
22年度
23年度
21
22
24年度
目標値
増加
実績値
24
(出所)関税局参事官室(国際調査担当)調
(注1)各年度末における累計。
(注2)締結数には、税関相互支援協定及び税関相互支援協定と同様の規定が盛り込まれているEPA(署名済
(未発効)のものを含む)を計上。
- 275 -
(参考)税関相互支援協定等の現状(平成25年4月現在)
○EPA関連(注1)(10か国)
シンガポール(2002年11月)、マレーシア(2006年7月)、
タイ(2007年11月) 、インドネシア(2008年7月)、
ブルネイ(2008年7月)、フィリピン(2008年12月)、
スイス(2009年9月)、ベトナム(2009年10月)、インド(2011年8月)、
発効済
(24か国・地
域)
ペルー(2012年3月)
○政府間協定(8か国・地域)
米国(1997年6月)、韓国(2004年12月)、中国(2006年4月)、
EC(2008年2月)、ロシア(2009年5月)、オランダ(2010年3月)、イ
タリア(2012年4月)、南アフリカ(2012年7月)
○税関当局間取決め(6か国・地域)
オーストラリア(2003年6月)(注2)、ニュージーランド(2004年4月)、
カナダ(2005年6月)(注2)、香港(2008年1月)、マカオ(2008年9月)、
フランス(2012年6月)
○EPA関連(注2)(1地域)
交渉中
GCC(湾岸協力会議)(2006年9月~)
(5か国・地 ○政府間協定(4か国)
域)
スペイン(2010年7月~)、ドイツ(2010年2月~)、ブラジル(2011年
5月~)、ノルウェー(2012年7月)
(出所)関税局参事官室(国際調査担当)調
(注1)EPAの条文の中に税関の相互支援に係る規定が盛り込まれているもの。
(注2)EPAの条文の中に税関の相互支援に係る規定を盛り込む方向で交渉中。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:119百万円[23年度予算額:43百万円]
当該予算は、多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進や、税関分野における手続等の
国際的調和の推進に係る経費です。平成24年度予算の主な増要因は、WCO政策委員会の
日本開催に必要な経費の増によるものです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)我が国の貿易動向
総合目標5 6.(4)(P114)参照。
平成24年度実績評価書
- 276 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-2〕
○参考指標 5-2-1:アジア諸国との貿易額・シェアの推移
平成20年度
21年度
22年度
(単位:兆円、%)
23年度
24年度
貿易額
65.1
56.6
66.5
67.0
66.8
シェア
45.5
50.2
51.1
49.7
49.1
(出所)財務省貿易統計(貿易額については、http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time.htm参照)
(注1)平成24年度の輸出額については確報値、輸入額については9桁速報値を使用。
(注2)貿易額は、輸出額と輸入額の合計。
(注3)シェアは、「アジア貿易額/世界貿易額」で算出。
(2)関税負担率の推移とその国際比較
総合目標5 6.(5)(P114)参照。
○参考指標 総5-4:関税負担率の推移とその国際比較(P114に掲載)
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進
多角的貿易体制の維持・強化に向け、開発途上国の関心や懸念にも配慮しながら、ド
ーハ・ラウンド交渉に積極的に取り組みつつ、特に貿易手続の透明性・予見可能性・公
平性の向上、簡素化・迅速化等を進める貿易円滑化交渉を積極的に推進していきます。
アジア・太平洋地域及び東アジア地域においては、TPP協定、RCEP、日中韓、
日韓、日豪、日モンゴル、日カナダ、日コロンビア、といった経済連携交渉の推進を目
指します。
欧州では、EUとの経済連携交渉に積極的に取り組みます。
財務省は、関税政策・税関行政を所管する立場から、関係省庁との連携を密にし、こ
うした具体的取組を推進していきます。
② 税関分野における貿易円滑化の推進
イ アジアにおける税関近代化・高度化支援の取組
日本企業がASEAN諸国等を中心にサプライチェーンを高度化・複雑化させてい
る現状も踏まえ、キャパシティビルディング等により、我が国と経済的関係性の深い
国における貿易手続の改善を通して相手国における貿易ビジネス環境の改善に積極的
に関与していきます。
また、ベトナムが日本の優れた技術を活用した通関システムを構築するよう積極的
に関与していくとともに、同システムが実現する貿易手続の所要時間短縮や貿易コス
トの縮減等を通して、貿易円滑化を着実に推進していきます。
その他の国においても、今後とも、各国に進出している日本企業からの具体的な貿
易円滑化ニーズなどを踏まえ、きめ細かな関税技術協力を実施しその成果を定期的に
検証する方針です。
ロ 地域協力の枠組みにおける取組
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APECやASEM等の枠組みを貿易円滑化などを推進する観点から積極的に活用
します。
日中韓の3か国間の地域協力の枠組みにおいては、貿易の安全確保と円滑化という
各国共通の目標に向け取り組んでいきます。
ハ WCO(世界税関機構)等国際機関等における取組
WCOにおいては、税関手続の国際的調和・簡素化を通じた貿易円滑化や国際貿易
の安全確保の取組に積極的に貢献していくとともに、国際標準に関する議論に参加す
ることにより、引き続き我が国企業の国際競争力の強化及び我が国経済の成長力強化
を図っていきます。更に、WCOにおいて進められている不正薬物、知的財産侵害物
品等の水際取締に係る国際協力の推進にも積極的に関与し、我が国社会の安全・安心
の確保にも貢献していきます。
WTOドーハ・ラウンド交渉においては、貿易手続の透明性等の向上、簡素化・迅
速化等を進めるため、実効性のあるルールの策定を目指し、積極的に貢献していきま
す。
ニ EPAにおける税関協力等に関する取組
貿易円滑化を促進する観点から、税関手続の国際的調和・簡素化や税関協力等に関
する規定が盛り込まれるよう取り組んでいきます。
ホ 税関当局間の情報交換等に関する取組
不正薬物等の水際におけるより効果的な取締りを推進するため、他国・地域の税関
当局との間で、関連する情報の交換を行うために相互に支援すること、また、貿易円
滑化の取組を含む税関当局間の協力関係を強化することを定めた政府間協定・税関当
局間取決め(税関相互支援協定)を締結しています。これまで、14か国・地域と締結
しており、平成24年度においては、新たにノルウェーと交渉を開始しました。今後も、
各国・地域との締結に向け努力していきます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
世界経済の持続的な成長に資するため、WTOドーハ・ラウンド交渉やEPA交渉など
を通じた多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進、税関分野における貿易円滑化の推進
に必要な経費の確保に努めます。
平成24年度実績評価書
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2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
○ 政策目標5-3:関税等の適正な賦課及び徴収、社会悪物品等の密輸阻止並びに税関手続に
おける利用者利便の向上
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
経済のグローバル化、ネットワーク化が急速に進む中で、貿易の秩序維持と健全な発展を目指すに
当たっては、変化する時代の要請に積極的に応えていくことが重要です。
急成長するアジア諸国の需要を取り込み、我が国の成長につなげていくため、貿易円滑化を推進す
ることが要請されています。
一方、緊迫の度合いを高める東アジア情勢や、世界的な物流の拡大・複雑化に伴う密輸手口の巧妙
化を背景に、不正薬物、銃器をはじめ、テロ関連物品、知的財産侵害物品等の社会の安全・安心を脅
かす物品等の密輸出入に対して、より一層厳格な水際での取締りが要請されています。
これらの要請に応えるために、税関手続の改善、リスク管理手法の高度化等により、貿易円滑化の
推進と水際取締りの強化をより高いレベルで両立させることを目標として、税関行政の運営に取り組
んでいきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
日本再生戦略(平成24年7月31日閣議決定)
平成25年度税制改正の大綱(平成25年1月29日閣議決定)
知的財産推進計画2012(平成24年5月29日知的財産戦略本部決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
業績目標 5-3-3:税関手続における利用者利便の向上
4.平成24年度の事務運営の報告
業績目標 5-3-1:関税等の適正な賦課及び徴収
[平成24年度実施計画]
① 貨物の品目分類、課税価格の評価及び原産地規則の適正性の確保
関税等の適正な賦課・徴収を確保するために、税関では、引き続き納税環境の整備を進めるほ
か、輸入(納税)申告された貨物について、その申告内容(品目分類、課税価格及び原産地等)
の適正性を審査・確認し、必要に応じ、貨物の検査や分析を実施します。また、輸入許可後にお
いて事業所などを個別に訪問して関係帳簿書類を調査すること等により、輸入貨物に係る輸入(納
税)申告が適正に行われていたかを確認する輸入事後調査に重点的に取り組んでいきます。
さらに、適正な輸入(納税)申告や輸出申告が行われるためには、通関業務の専門家である通
関業者・通関士の適正な業務遂行が必要であることから、通関業者・通関士に対する指導・監督
を適切に実施します。
② 事前教示の充実
税関においては、輸入を予定している貨物の品目分類、課税価格の評価及び原産地規則につい
て、事前に照会を受け付け、回答を行う事前教示制度を設けています。事前教示制度の事務処理
に当たっては、分類センターや評価センター等による全国レベルでの事例の分析や進捗管理を実
施するとともに、データベースの税関における一層の活用を推進します。
③ 保税制度の適切な運用
税関では、保税地域の巡回や保税地域に出し入れされる貨物の取締り及び検査を実施する等、
保税地域における外国貨物の適正な管理を行うことにより、貿易秩序を維持するとともに適正な
輸入(納税)申告の確保を図ります。
- 279 -
[事務運営の報告]
① 貨物の品目分類、課税価格の評価及び原産地証明の適正性の確保
イ 重点的な審査・検査の実施
貨物の品目分類、課税価格の評価及び原産地証明の適正性を確保するため、コンピ
ュータシステムを活用しつつ、輸出入申告に対する審査・検査を的確に実施し、申告
誤りといった非違事案の捕捉に努めました。また、輸出入通関に関連する部門間にお
ける一層の連携強化や研修等を通じた通関部門職員の知識と専門性の向上を図りまし
た。
◎業績指標 5-3-1:審査・検査における非違発見件数(評価意見P52に掲載)
ロ 輸入事後調査の実施
輸入事後調査を適切に実施し、関税等の適正な賦課・徴収の確保に努めた結果、平
成23事務年度における不足申告価格(申告漏れ)は約2,469億円となり、これに対する
関税・消費税の追徴税額は約156億円となりました。
○参考指標 5-3-1:輸入事後調査実績
事務年度(7~6月) 平成20年度
実施件数
不足申告価格
非違の割合
(単位:件、百万円、%)
21年度
22年度
23年度
24年度
6,080
6,204
6,031
6,098
N.A.
198,375
198,044
193,341
246,851
N.A.
68.9
70.2
70.1
70.4
N.A.
(出所)関税局調査課調
(注1)輸入事後調査部門において実地調査を行った輸入者数。
(注2)不足申告価格については、非違に係る申告漏れ課税価格。
(注3)非違の割合については、非違発見件数(実地調査を行った輸入者のうち非違のあった輸入者数)/実施
件数。
(注4)平成24年度(事務年度)実績値は、25年7月以降にデータが確定するため、平成25年度実績評価書へ掲載
予定。
○参考指標 5-3-2:関税等徴収額(国税全体に対する割合を併記)
(単位:億円、%)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
徴収額
54,768
44,800
49,634
56,465
N.A.
国税全体に対する割合
11.9%
11.1
11.4
12.5
N.A.
(出所)関税局業務課調
(注1)徴収額:税関による関税、消費税及び地方消費税、酒税、たばこ税及びたばこ特別税、揮発油税及び地
方揮発油税(地方道路税)、石油石炭税(石油税)並びにとん税及び特別とん税の徴収額を合算したもの。
(注2)国税全体に対する割合:税関による徴収額/国税徴収額。
(注3)平成24年度実績値は、25年7月以降にデータが確定するため、平成25年度実績評価書に掲載予定。
○参考指標 5-3-3:関税等の滞納整理中の税額
平成20年度
滞納整理中の税額
26,553
21年度
26,618
(出所)関税局業務課調
平成24年度実績評価書
- 280 -
(単位:百万円)
22年度
31,560
23年度
31,552
24年度
52,505
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
(注) 関税、消費税等を合算した年度末における総滞納税額
ハ 通関業者に対する適切な指導・監督
通関業者の営業所に対する定期的な立入調査のほか、通関業者の経営者層に対し、
非違の発生状況に応じた原因究明と再発防止策を検討させたうえで、コンプライアン
ス体制の整備について助言を行うなど、通関業者に対する適切な指導・監督に努めま
した。また、改善を指導した通関業者については、事後的に改善状況の確認を行い指
導の実効性を確保したほか、関税法等の規定に違反した通関業者に対しては、厳正な
監督処分の実施に努めました。
○参考指標 5-3-4:通関業者の業務の運営状況(通関業の許可件数及び総数、通関業者・
通関士の処分件数)
平成20年度
許可件数
総 数
処分件数
(単位:件)
21年度
22年度
23年度
24年度
53
34
46
30
47
1,391
1,392
1,415
1,428
1,437
3
0
7
8
1
(出所)関税局業務課調
(注1)許可件数:年度内に通関業の許可を与えた件数。
(注2)総数:各年度末における通関業許可件数。
(注3)処分件数:通関業者・通関士に対する通関業法上の監督処分及び懲戒処分を行った件数。
② 事前教示の充実
事前教示制度の運用状況
より適正かつ迅速な通関を行う観点から文書による事前教示手続の慫慂に努めると
ともに、分類センターによる全国レベルでの分類事例の分析や、データベースの税関
における一層の活用を推進するなど回答の更なる早期化に努めました。
こうした取組の結果、業績指標 5-3-2「事前教示制度の運用状況(一定期間以内で
回答した割合)」については、文書による照会に対しては、30日以内に回答した割合
について目標値を達成するとともに、平均処理日数についても13.2日と平成23年度と
同様に迅速な回答を行いました。また、口頭による照会に対して即日回答した割合に
ついては、回答に慎重な検討を要する照会が多かったため、目標値の99.9%には僅か
に届かなかったものの、十分に高い水準を確保できました。
◎業績指標 5-3-2:事前教示制度の運用状況(一定期間以内で回答した割合)
(単位:%、日)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
目標値
実績値
文書による回答
99.9
99.9
99.9
99.8
99.9
99.9
平均処理日数
14.3
13.9
13.9
13.2
14
13.2
口頭による回答
99.7
99.4
99.6
99.6
99.9
99.7
- 281 -
(出所)関税局業務課調
(注) 品目分類に係る事前教示回答件数のうち、受付から回答までの所要時間が一定期間(文書による回答に
ついては30日(回答するために必要な資料等の提供が遅れるなど税関が関与できない要因により30日以内
に回答できない場合を除く。)、口頭による回答については即日(回答又は質問のための税関からの電話
等に照会者が応答しないなど税関が関与できない要因により即日に回答できない場合を除く。))以内で
あったものの割合。
③ 保税制度の適切な運用
定期的に保税地域への立入検査等を行い、直接その場で必要な指導等を行いました。
また、税関への手続きを怠るなどの法令違反があった場合には、関税法の規定に基づ
き、非違の程度に応じて、外国貨物の搬入停止処分を行い改善を求めるなど、保税制度
の適切な運用に努めました。
○参考指標 5-3-5:保税業務検査等における非違発見件数及び処分件数
事務年度(7~6月) 平成20年度
21年度
22年度
(単位:件)
23年度
24年度
非違発見件数
141
99
87
127
N.A.
処分件数
16
8
8
9
N.A.
(出所)関税局監視課調
(注1)非違発見件数:保税蔵置場等に対する検査等を行った結果、保税蔵置場等の業務について記帳義務違反
などの関税法の規定に違反する行為(非違)を発見した件数。
(注2)処分件数:非違のあったもののうち、その非違の程度(回数、実行行為者等)によって保税蔵置場に外
国貨物を搬入することの停止又は保税蔵置場の許可の取消しなどの行政処分を行った件数。
(注3)平成24年度(事務年度)実績値は、25年7月以降にデータが確定するため、平成25年度実績評価書に掲
載予定。
業績目標 5-3-2:社会悪物品等の密輸阻止
[平成24年度実施計画]
① 取締体制の整備
税関では、覚醒剤・麻薬・銃砲等のいわゆる社会悪物品、知的財産侵害物品、テロ関連物品等
の輸出入が禁止されている物品について、国際貿易における秩序維持を図るため、関係機関と連
携し、水際における取締りを行っています。
社会悪物品等の水際取締りに当たっては、貨物情報や旅客情報をできるだけ早く入手し、取締
対象を絞り込んでハイリスク貨物に対する重点的な取締りを行うことが効果的かつ効率的である
ことから、外国貿易船等の入港前に船長等から報告を受けている積荷、旅客及び乗組員に関する
事項とともに、混載貨物の詳細情報を活用し、より充実した貨物及び旅客のスクリーニングを行
っていきます。同時に、X線検査装置をはじめとする各種取締機器の活用による重点的な水際取
締りを行います。
また、知的財産侵害物品の水際取締りについては、「知的財産推進計画」に基づく取組も含め
た制度改正や体制強化を通じて、より一層強化していく必要があります。
さらに、テロ関連物品等の不正輸出を阻止するため、事業所などを個別に訪問して関係帳簿書
類を調査すること等により、輸出手続が適正に行われていたかを確認する輸出事後調査について
も積極的に実施し、国際犯罪組織の摘発及びテロの未然防止を図ります。また、マネーロンダリ
ング(資金洗浄)及びテロ資金供与対策の一つとして、キャッシュ・クーリエ(現金等の携帯輸
出入)対策に引き続き取り組みます。
② 関係機関との連携と情報の収集
社会悪物品等の密輸を水際で阻止するためには、内外の関係機関との連携を積極的に図るとと
もに、関係機関のみならず民間からも密輸情報を収集し、それらの情報を有効に活用する必要が
あります。
このため、合同取締りや犯則事件の共同調査・捜査を通じて、関係機関との連携を強化します。
また、警察・海上保安庁等の国内関係機関や外国税関・WCO等の外国関係機関との情報交換を
平成24年度実績評価書
- 282 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
積極的に推進するとともに、諸外国と税関相互支援協定等締結への取組を積極的に進めていきま
す。
こうして得られた密輸情報を全国的一元的に管理するとともに、分析手法の向上を図り、収集
した情報を積極的に活用することにより、密輸の摘発に努めます。
[事務運営の報告]
① 取締体制の整備
社会悪物品や知的財産侵害物品等の水際における取締りに当たっては、旅客や貨物が
到着する前に入手した情報や混載貨物の詳細情報等の各種情報を活用し、取締対象を絞
り込んだ効果的かつ効率的な取締りを実施しました。
また、行政事業レビューの結果を踏まえ取締・検査機器を適正に配備するとともに、
これらの効率的な活用に努めました。さらに、検査機器に関する知識等職員の能力向上
に向けた研修等を充実・強化するとともに、大学・研究機関等と共同で、先端技術を活
用した検査機器の導入に向けた取組を行いました。
さらに、テロ関連物品等の不正輸出を阻止するため、輸出事後調査を実施しました。
イ 不正薬物の水際押収量の割合
不正薬物のほとんどは海外から密輸されるものであることから、水際における押収
量の割合を指標として取締りに努めた結果、当期(平成19年から23年)においては、
前期(18年から22年)から増加しており、覚醒剤にあっては94.2%から97.7%と増加し
ました。(税関での水際押収量は、下記参考指標 5-3-6を参照。)
◎業績指標 5-3-3:税関における不正薬物の水際押収量の割合(評価意見P52に掲載)
密輸摘発実績等のうち、覚醒剤について、平成24年の摘発件数は141件(対前年比24%
減)と過去最高であった平成23年の185件を下回りましたが、押収量は約482㎏(対前年
比20%増)と、過去10年で最高の数量となりました。覚醒剤の密輸入形態としては、航
空機旅客による密輸入事犯の摘発件数が最も多い84件であり、押収量についても、約
204kgと依然高水準を維持しております。また、国際郵便を利用した密輸入事犯が大幅
に増加し、摘発件数、押収量ともに過去2番目を記録しました。これらに的確に対応す
るため、各種情報や検査機器の有効活用に努め、社会悪物品等の一層効果的な水際取締
りを行っていきます。
また、平成24年の知的財産侵害物品の輸入差止件数は26,607件となり、過去最高を記
録しました。平成24年の輸出事後調査の実施件数は658件であり、不正輸出の事実が把握
される等、深度ある調査を実施しました。
- 283 -
○参考指標 5-3-6:社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績
不正薬物
覚醒剤
銃砲
偽造カード等
ワシントン条約
該当物品(輸入
差止件数)
知的財産侵害物品
(輸入差止件数)
盗難車両(輸出
申告時における
摘発件数)
平成20年
313件
498㎏
162千錠
110件
408kg
1件
1丁
21年
22年
23年
24年
402
403
93
164
333
2
2
296
364
30
152
322
-
326
509
18
185
402
-
308
626
16
141
482
3
4
12件
8,809枚
10
4,377
3
953
1
8
-
661件
1,134
1,096
913
627
26,415件
21,893
23,233
23,280
26,607
148件
289台
157
276
137
206
131
199
84
136
(出所)関税局調査課、業務課調
(注1)偽造カード等とは、偽造クレジットカード及び偽造クレジットカード作成用のプラスチックカード(い
わゆる生カード)をいう。
(注2)ワシントン条約とは、国際取引によって生存を脅かされている又は絶滅してしまう恐れのある野生動植
物を保護することを目的とした条約で、
同条約で輸出入の規制の対象となっている動植物を輸入するには、
条約で定めた機関の発行する書類が必要である。
○参考指標 5-3-7:航空機旅客等による不正薬物の密輸事犯の摘発実績
不正薬物
覚醒剤
平成20年
147件
141㎏
145,620錠
72件
90kg
21年
22年
173
187
76,232
117
152
23年
152
254
10,019
119
235
24年
175
279
44
141
232
130
269
45
84
204
(出所)関税局調査課調
(注)航空機旅客等には、航空機乗組員を含む。
○参考指標 5-3-8:知的財産侵害物品に係る輸入差止申立件数
平成20年
輸入差止申立件数
21年
690
22年
597
(単位:件)
23年
636
24年
652
715
(出所)関税局業務課調
(注) 各年12月31日時点において有効な輸入差止申立件数。
○参考指標 5-3-9:輸出事後調査実績(実施件数)
平成20年
実施件数
765
21年
(単位:件)
22年
846
(出所)関税局調査課調
平成24年度実績評価書
- 284 -
23年
788
24年
763
658
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
ロ 事前報告情報を活用した検査の強化
業績指標 5-3-4「事前選定による検査指数」を設定し、我が国へ到着する海上貨物
に関する事前報告情報を活用して要注意貨物のスクリーニングを行う海上貨物スクリ
ーニングシステムを利用した重点的な取締りに努めました。平成24年度においては、
目標値には届きませんでしたが、検査対象を絞り込んで重点的な取締り等を実施しま
した。
今後、検査対象貨物を輸入申告前に事前選定する際に用いている事前貨物情報につ
いて、一層の充実を図り、取締りの強化に努めます。
◎業績指標 5-3-4:事前選定による検査指数
平成20年度
事前選定による検査指数
21年度
22年度
23年度
168
176
194
201
24年度
目標値 実績値
200
178
(出所)関税局監視課調
(注) 平成18年3月に運用を開始した海上貨物スクリーニングシステムを利用して事前選定した貨物の検査の
実施状況について、平成18年度の検査件数を100とし、その指数を測定する。
(参考)事前選定による検査の割合
(単位:%)
平成24年度
事前選定の割合
25年度目標値
19.4
向上
(出所)関税局監視課調
(注1)海上輸入貨物に対する検査のうち、事前選定により検査を実施した割合。
(注2)「平成25年度政策評価実施計画」において、新しく「業績指標」に追加した。
ハ 大型X線検査装置等による検査の強化
業績指標 5-3-5「大型X線検査装置による検査指数」を設定し、大型X線検査装置
を活用した効果的・効率的な取締りに努めました。
平成24年度においては、検査対象を絞り込んで重点的な取締りを実施したことに加
え、一部の検査装置について、故障による稼働停止等のため目標値を達成することが
できませんでしたが、大型X線検査後の開披検査を強化する等深度ある検査に努めま
した。
今後とも、大型X線検査装置を活用しつつ、各種の検査機器を組み合わせ、効果的・
効率的な検査を行っていくこととしております。
◎業績指標 5-3-5:大型X線検査装置による検査指数
平成20年度
大型X線検査装置
による検査指数
109
21年度
22年度
23年度
96
93
83
24年度
目標値 実績値
95
83
(出所)関税局監視課調
(注1)大型X線検査装置による検査の実施状況について、平成18年度の検査件数を100とし、その指数を測定す
- 285 -
る(各年度の指数の測定にあたっては、当該年度に更新等のため稼働停止している装置を除いたうえで、
18年度の検査件数を修正している)。
(注2)全国13港16箇所に設置されている大型X線検査装置は、平成18年3月までに設置された。
② 関係機関との連携と情報の収集
警察、海上保安庁等との合同取締りの実施や関係取締機関及び外国税関当局等と情報
交換の更なる拡大・充実及び税関相互支援協定等の締結国拡大に努め、関係機関の連携
強化及び取締能力の向上を図るとともに、WCOや国際連合等の国際機関主催の会議や
協力枠組みにも積極的に参画し、外国関係機関との連携強化により一層努めました。
また、関係団体には「密輸防止に関する覚書」に基づき密輸に関する情報提供や、税
関ホームページやポスター等により、幅広く密輸に関する情報提供を依頼しました。
○参考指標 5-3-10:関係機関との連携・情報収集の実績
平成20年度
国内関係機関からの情
報入手件数
密輸情報ダイヤルへ
の情報提供件数
国内関係機関との合同
取締・犯則調査件数
21年度
(単位:件)
22年度
23年度
24年度
168
170
140
154
200
277
214
192
225
188
5,699
4,906
5,592
5,052
5,357
(出所)関税局監視課、調査課調
(注1)国内関係機関からの情報入手件数については、国内の関係機関(警察、海上保安部、地方厚生局麻薬取
締部、入国管理局等)から入手した社会悪物品等の密輸に関する個別情報(国内で摘発した密輸事件につ
いての通報(文書か否かを問わない)を受けたものを含む。)の件数。
(注2)密輸情報ダイヤルへの情報提供件数については、各税関に設置されている密輸情報提供のためのフリー
ダイヤルへの民間からの情報提供件数。
(注3)国内関係機関との合同取締・犯則調査件数については、国内関係機関(警察、海上保安部、地方厚生局
麻薬取締部、入国管理局等)と合同で取締りを行った件数及び社会悪物品等密輸事件を共同で犯則調査し
た件数。
(単位:件)
平成20年
外国関係機関との情報
交換件数
密輸防止に関する覚書
に基づく通報件数
21年
22年
23年
24年
6,605
8,767
14,469
17,132
13,994
2,035
2,920
3,031
2,697
3,001
(出所)関税局監視課、調査課調
(注1)外国関係機関との情報交換件数については、外国税関(含む在京アタッシェ)、WCO、RILO等か
らの個別情報及び新聞報道等を含む一般的な情報提供、入手件数。
(注2)密輸防止に関する覚書に基づく通報件数については、「密輸防止に関する覚書」に係る関係業界団体か
らの通報件数。
重 業績目標 5-3-3:税関手続における利用者利便の向上
○
[平成24年度実施計画]
近年、税関における水際取締りの強化について社会の要請が強まると同時に、年々増加する輸出
入申告を迅速・円滑に処理することが求められており、適正な通関を確保しつつ、国際物流の迅速
平成24年度実績評価書
- 286 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
化・円滑化及び利用者利便の向上に貢献することは、税関に課せられた重要な使命となっています。
具体的には、ハイリスク貨物に対する重点的な審査・検査や、X線検査装置等の取締機器の有効
活用に努めるとともに、AEO制度をはじめ、輸出入通関・保税その他の税関手続に係わる様々な
制度の改善を行っていきます。
これらの取組に加え、税関手続における利用者利便について、アンケート調査を通じて利用者の
意見等を聴取し、その結果の分析を踏まえ、制度の改善を図り、利用者利便の一層の向上に努めま
す。
上記に加え、東日本大震災への対応について、震災により影響が出ている貨物に関連した税関手
続について、利用者に十分配慮し、迅速な通関を行うなど、迅速かつ柔軟な対応を進めていきます。
また平成23年5月30日に発表した「東日本大震災からの復興に係る税関の支援策」に基づいて、被
災地の復興支援に取り組んでいきます。
[事務運営の報告]
① 輸入通関における平均所要時間
業績指標 5-3-6「輸入通関における平均所要時間」については、平成24年3月に調査
を実施し、その調査結果を同年9月に公表しました。
平均所要時間は、前回調査(平成21年3月)と比べ、海上一般貨物については3.1時間
から2.6時間に、航空一般貨物については0.4時間から0.3時間に短縮しました。これは、
予備審査制を利用した輸入申告が増加していることなどの理由により、全体として所要
時間が短縮したものと考えられます。
◎業績指標 5-3-6:輸入通関における平均所要時間(評価意見P52に掲載)
② AEO(認定事業者)制度の推進
AEO制度の信頼性を維持・向上に努めつつ、普及に努めたところ、業績指標 5-3-7
「事業者のAEO制度利用状況(AEO事業者新規承認数)」については、目標値の30
者を上回る47者となりました。これは、AEO輸入者が行う特例申告(輸入申告と納税
申告を分離し、納税申告前に貨物を引き取ることができる制度)について担保提供の要
件を緩和するなど関係民間事業者等のご意見も踏まえ、制度の利便性向上に取り組んだ
ことによるものと考えられます。
また、AEO輸出者が行った輸出申告について、許可後に積載船名や価格等を変更す
る場合の許可内容変更手続を緩和する等の制度の利便性向上にも取り組みました。
さらに、日米AEO相互承認の実施について、これまで日本から米国向けの物流のみ
を対象としていましたが、平成24年12月より、米国から日本向けの物流についても対象
を拡大し、相互承認の双方向化を開始しました。
③ 通関手続の利用者利便の向上のための取組
平成24年7月より、輸出申告及び輸入申告に際して税関に提出しなければならないこ
ととしている仕入書について、税関長が輸出又は輸入の許可の判断のために必要な場合
等に提出を求めることとし、併せて、審査・検査が不要とされた輸出入申告に係る通関
関係書類の提出を原則省略することとしました。
- 287 -
(新)◎業績指標 5-3-7:事業者のAEO制度利用状況(AEO事業者新規承認数)
(評価意見P52に掲載)
④ 輸出入通関における利用者満足度
業績指標 5-3-8「輸出入通関における利用者満足度」については、7段階評価のうち
上位3段階の評価(「大変良い」、「良い」及び「やや良い」)を得た割合は、輸出入
者については50.0%、通関業者については59.6%と目標値を超えることができませんで
した。一方で、以前と比べて良くなったとの評価が29.5%であり、悪くなったとの評価
の2.4%を大きく上回っております。前年のアンケート調査結果を踏まえて、職員の資質
向上のための研修の充実、窓口における回答・判断の統一化の徹底、貿易関係者への一
層の情報提供など、各種の取組に努めたところですが、本年についても「職員からの回
答・判断のばらつき」について、多くの方から意見がよせられました。この結果を踏ま
えて、引き続き、利用者満足度が向上するよう更なる改善に努めていきます。
◎業績指標 5-3-8:輸出入通関における利用者満足度
平成
20年度
輸出入者
満足度
(上位3段階)
通関業者
(上位3段階)
21年度
(単位:%)
22年度
24年度
目標値 実績値
23年度
52.3
54.3
57.4
52.7
60.0
50.0
69.8
70.3
73.2
67.3
75.0
59.6
(出所)関税局業務課調。アンケート調査により計測。アンケート調査の概要はP420参照。
(参考)24年度における輸出入通関における利用者満足度調査の結果
大変
良い
良い
やや良い
普通
やや悪い
(単位:%)
悪い
大変
悪い
輸出入者
6.14
31.14
12.72
46.05
3.51
0.44
0.00
通関業者
7.56
30.01
21.99
33.56
5.96
0.80
0.11
(出所)関税局業務課調。アンケート調査により計測。アンケート調査の概要はP420参照。
⑤ 旅具通関における利用者満足度
参考指標 5-3-4「旅具通関に対する利用者の評価」については、7段階評価のうち上
位3段階の評価(「大変良い」、「良い」及び「やや良い」)を得た割合は66.9%であ
り、例年に比して低くなっております。これは、平成23年度以前のアンケートでは中間
の評価を「どちらともいえない」との書きぶりにしていたものを、わかりやすさの向上
を目的として、平成24年度において「普通」へと改めたこともあり、中間の評価が増加
したことによるものです。なお、7段階評価のうち下位3段階の評価(「やや悪い」、
「悪い」及び「大変悪い」)を得た割合は平成23年度が3.1%、平成24年度が3.3%であり、
また、以前と比べて良くなったとの評価が28.6%で、悪くなったとの評価の0.9%を大き
く上回っており、必ずしも利用者の評価が低くなっているものではありません。引き続
平成24年度実績評価書
- 288 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
き必要な検査を行いながら、更なる税関職員の接遇の向上等に努めます。
○参考指標 5-3-11:旅具通関に対する利用者の評価
平成20年度
評
価
(上位3段階)
75.6
21年度
72.6
(単位:%)
22年度
23年度
72.0
77.6
24年度
66.9
(出所)関税局監視課調。アンケート調査により計測。アンケート調査の概要はP421参照。
⑥ 東日本大震災への対応状況
東日本大震災への対応については、平成23年5月30日に発表した「東日本大震災から
の復興に係る税関の支援策」(http://www.mof.go.jp/customs_tariff/ka230530.htm)
に基づき、被災地域に所在する輸出入者等の事務負担の軽減等を行うなど、被災地域の
物流・貿易の円滑化・活性化により、被災地の復興支援に引き続き取り組みました。
施
策 5-3-4:税関手続システムの機能拡充及び利用者利便の向上
[平成24年度実施計画]
① 税関手続システムの現状
輸出入及び港湾・空港の税関手続のシステム化については、昭和53年に航空貨物通関情報処理
システム(Air-NACCS)を、平成3年に海上貨物通関情報処理システム(Sea-NA
CCS)を導入して以降、累次のシステム更改を行い、平成22年2月からは、Air-NACC
SとSea-NACCSを統合した輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)を稼働さ
せています。
このような継続的なシステムの見直しや機能向上を実施することにより、システムの安定稼働
を通じて、通関の迅速化や利用者利便の向上を図っていきます。
② 国際的なシステム連携とNACCS型システムの海外展開
財務省及び輸出入・港湾関連情報処理センターでは、国際的なシステム連携の一形態として、
NACCSとマレーシアの貿易関連システムを接続し、日マレーシア経済連携協定(EPA)に
係る原産地証明書の電子化に向けての実証実験を行っています。今後は技術的な問題点を洗い出
し、必要なシステムの改修を行った後、平成24年度中には本格実施に移行する予定としています。
また、NACCS型システムの海外展開、システム化支援を通じて、諸外国における税関手続
の簡素化、効率化を推進していくこととしており、平成23年7月には、ベトナムとの間でNAC
CSの導入について基本的な合意に達し、両国間で検討を開始しているところです。
[事務運営の報告]
① 税関手続きシステムの見直し、機能向上
利用者からの要望を踏まえたプログラム変更等を実施することにより、システムの見
直しを実施しました。その他、シングルウィンドウを更に発展させた取組として、NA
CCSと関係省庁システムの統合を進めているところですが、厚生労働省の食品衛生関
連システム(FAINS)、農林水産省の動物検疫関連システム(ANIPAS)及び
植物防疫関連システム(PQ-NETWORK)について、NACCSへ統合する方向
で検討を実施し、予定通り平成25年10月に統合を実施することになりました。当該統合
により、関係省庁の手続において、貨物情報の利用が可能となる等、機能向上が図られ
ることとなります。
なお、税関手続システムの安定稼働については、取組システム障害時に迅速な復旧を
- 289 -
確保するため、障害対応訓練の実施及び障害対応マニュアルの点検を行い、システムの
安定的な稼働に努めました。
こうした利便性向上への取組の結果、業績指標として設定したシステム処理率につい
ては98%となっています。また、システム稼働率については99.99%であり、それぞれ目
標値を達成しています。
② 国際的なシステム連携とNACCS型システムの海外展開への取組
日マレーシア経済連携協定
(EPA)
に係る原産地証明書電子化への取組については、
実証実験がマレーシア側のシステム不具合等により中断となり、本格実施に移行するこ
とができませんでした。今後はマレーシア側と問題点の解決に向けた協議を継続して実
施する等、実証実験の早期再開に向けた取組を引き続き実施していきます。
NACCS型システムの海外展開については、日本及びベトナム税関当局間でのベト
ナムへのシステム導入の基本的合意後、平成24年3月に両国政府間で無償資金協力案件
として合意に達したことから、システムの詳細仕様確定作業への支援を実施する等、円
滑なシステム稼働に向けた取組を実施しました。
◎業績指標 5-3-9:NACCSの利用状況(システム処理率)(評価意見P53に掲載)
◎業績指標 5-3-10:NACCSの運用状況(システム稼働率)(評価意見P53に掲載)
施
策 5-3-5:実効性ある税関行政実現のための情報提供
[平成24年度実施計画]
関税等の適正な賦課及び徴収を確保するためには、輸入者に対して、関税制度や輸入しようとす
る貨物の関税等に関する情報を提供することが必要です。また、国際貿易の安全確保と円滑化の両
立を進めるため、AEO制度等の輸出入通関制度の情報を利用者が必要とする時に、分かり易い形
で得られるようにすることが重要です。
このため、税関ホームページにおいて、AEO制度、品目分類、関税評価等に関する情報の充実
を図るとともに、各コンテンツから関連情報へのリンクの追加や、各税関ホームページへのアクセ
スを簡素化して利用者利便を向上させます。
また、税関相談官制度を構成する個別の事務の内容について、アンケート調査により利用者の印
象、意見等を聴取し、その結果を分析することにより、業務の改善を図ります。
さらに税関ホームページに掲載している「カスタムスアンサー」を充実させるとともに、制度改
正等を踏まえた質問・回答内容の見直しを適時に実施する等、利用者にとってより使い易いものに
していきます。
[事務運営の報告]
ホームページのバリアフリー化を進めるため、税関手続のFAQ等使用頻度の高いコン
テンツや各税関ホームページに対して容易にアクセスできるように改善を図るとともに、
より分かり易く、見易いホームページ作りに取り組みました。
税関ホームページを通じた情報提供については、AEO制度、品目分類又は関税評価と
いった輸出入通関制度や海外旅行の通関手続等の内容の充実及び利便性の向上に取り組ん
だほか、ソーシャルメディアを活用し、積極的な情報提供に努めました。
平成24年度の業績指標5-3-11「税関ホームページへのアクセス状況」については、訪問
平成24年度実績評価書
- 290 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
者数が2,480,750者となりました。また、業績指標5-3-12「講演会及び税関見学における満
足度」については、97.3%であり、前年度の実績を若干下回りましたが、引き続き高い満
足度を維持しています。
◎業績指標 5-3-11:税関ホームページへのアクセス状況(評価意見P53に掲載)
◎業績指標5-3-12:講演会及び税関見学における満足度
平成20年度
満足度
21年度
95.2
22年度
94.2
(単位:%)
24年度
目標値
実績値
23年度
98.1
98.3
維持
97.3
(出所)関税局総務課調。アンケート調査により計測。概要についてはP420参照。
業績指標 5-3-13「輸出入通関制度の認知度」については、輸出入者を対象としてアンケ
ート調査を実施していますが、平成24年度については目標値を下回りました。これは、個々
の制度の周知が輸出入者にまで十分浸透していないことが原因の一つとして考えられます。
引き続き、税関ホームページや輸出入者を対象にした説明会を通じて、認知度の改善を図
っていきます。
◎業績指標 5-3-13:輸出入通関制度の認知度
平成20年度
(単位:%)
21年度
22年度
23年度
24年度
目標値 実績値
70.4
71.7
69.1
68.5
75.0
69.4
NACCSを利用した他法令手続
67.7
64.7
65.8
65.0
70.0
62.7
納期限延長制度
75.8
76.7
67.4
71.3
80.0
68.7
輸入者のAEO制度
86.3
80.0
74.7
78.9
90.0
80.2
輸出者のAEO制度
75.8
81.4
77.4
81.1
90.0
82.4
開庁時間外における通関
88.3
81.3
79.8
80.0
90.0
79.3
事前教示制度
(出所)関税局業務課調。アンケート調査により計測。概要についてはP420参照。
業績指標 5-3-14「密輸取締り活動に関する認知度」については、全国の税関においてア
ンケート調査を実施しましたが、平成24年度については前年度を上回ったものの目標値を
下回りました。港湾地区のパトロール等の認知度が低かったことから、引き続き、税関ホ
ームページや全国の税関で行っている講演会等を通じて積極的に紹介し、国民の皆様に税
関における密輸取締り活動について理解と協力を呼び掛けていきます。
◎業績指標 5-3-14:密輸取締り活動に関する認知度
平成20年度
認知度
80.0
21年度
80.4
22年度
78.1
(単位:%)
23年度
75.4
(出所)関税局総務課調。アンケート調査により計測。概要についてはP420参照。
- 291 -
24年度
目標値 実績値
80.0
77.8
業績指標 5-3-15「貿易統計の公表状況」については、定期的な資料の公表を正確かつ
迅速に実施し、平成24年度は目標値を達成しました。貿易統計は、国や公共機関、民間企
業等にとって貴重な資料として広く利用されるとともに、国際収支統計など各種統計の基
礎資料として利用されているため、今後も正確かつ迅速な情報提供に努めていきます。
(新)◎業績指標 5-3-15:貿易統計の公表状況
作成
頻度
普通貿易統計(速報)
平成
20年度
(単位:回、%)
21年度
22年度
23年度
24年度
目標値 実績値
月1回
12/12
12/12
12/12
12/12 12/12
12/12
月1回
12/12
12/12
12/12
12/12 12/12
12/12
月1回
12/12
12/12
12/12
12/12 12/12
12/12
普通貿易統計(確報等) 月1回
12/12
12/12
12/12
12/12 12/12
12/12
月分※
普通貿易統計(速報)
上旬分
普通貿易統計(速報)
上中旬分
普通貿易統計(確定)
年1回
0/1
1/1
1/1
特殊貿易統計(確報)
月1回
12/12
12/12
12/12
特殊貿易統計(確定)
年1回
1/1
1/1
1/1
船舶・航空機統計(確報) 月1回
12/12
12/12
12/12
船舶・航空機統計(確定) 年1回
1/1
1/1
1/1
1/1
98.7%
100%
100%
100%
達成割合
1/1
1/1
12/12 12/12
1/1
1/1
12/12 12/12
1/1
100%
1/1
12/12
1/1
12/12
1/1
100%
(出所) 関税局調査課調
(注1) 3月分に併せて年度分、6月分に併せて年上半期分、9月分に併せて年度上半期分、12月分に併せて
年分も公表。
(注2) 貿易統計ホームページ(http://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm)
業績指標 5-3-16「税関相談官制度の運用状況(税関相談についての利用者満足度)」に
ついては、窓口来訪者、輸出入者、通関業者に対するアンケート調査を行った結果、7段
階評価のうち上位3段階の評価(「大変良い」、「良い」及び「やや良い」)を得た割合
である「税関相談制度の運用状況(税関相談についての利用者満足度)」は、76.3%と目
標値に達しませんでした。
これらの結果を踏まえ、職員の接遇及び説明技術の改善を図るなどにより税関相談につ
いての利用者満足度の更なる向上に努めていきます。
◎業績指標 5-3-16:税関相談官制度の運用状況(税関相談についての利用者満足度)
(単位:%)
平成20年度
満足度
79.5
21年度
78.2
22年度
78.4
23年度
76.9
(上位3段階)
(出所)関税局業務課調。アンケート調査により計測。概要についてはP421参照。
平成24年度実績評価書
- 292 -
24年度
目標値 実績値
80.0
76.3
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
○参考指標 5-3-12:税関相談制度の運用状況(相談処理件数)
平成20年
処理件数
21年
190,249
22年
190,244
(単位:件)
23年
182,142
24年
179,918
174,305
(出所)関税局業務課調
(注) 税関相談官が税関相談を受け付けた件数。
業績指標 5-3-17「カスタムスアンサー(インターネット版)利用件数」については、パ
ンフレットを作成・配布するなど積極的な広報を行うとともに、利用者にとって使い易い
ものとなるよう、制度改正等を反映し質問・回答内容を適時に見直すなどの取組を行った
結果、平成24年度の実績は147,423件となりました。今後も、更なる改善に努め、利用者に
より便利なものとなるよう取り組みます。
◎業績指標 5-3-17:カスタムスアンサー(インターネット版)利用件数
平成20年度
21年度
22年度
利用件数 (181,752) (172,410) (178,082)
23年度
(単位:件)
24年度
目標値
実績値
138,123
128,000
147,423
(出所)関税局業務課調
(注1)カスタムスアンサー(インターネット版)のトップページへのアクセス件数。
(注2)平成23年3月に行った機器更改に伴い、アクセス状況を集計するソフトウェアの変更が行われ、集計方
法が変更されたことから、旧ソフトウェアによるアクセス件数を括弧書きで記載している。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:28,757百万円[23年度予算額:28,808百万円]
当該予算は、通関、徴税、監視取締り等税関業務を行う上で必要な業務経費です。
平成24年度予算は、国民の安全・安心の確保を図る観点から、不正薬物・銃砲等の社会
悪物品、知的財産侵害物品、テロ関連物資等の水際取締り強化を図るための機器整備経費
のほか、国際物流の迅速化・円滑化及び利用者利便の向上を図るための税関システムの運
用に係る経費です。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
目標を巡る外部要因等の動向は、以下の参考指標のとおりです。(「4.平成24年度の事
務運営の報告」に記載。)
○参考指標 5-3-2:関税等徴収額(国税全体に対する割合を併記)
○参考指標 5-3-3:関税等の滞納整理中の税額
○参考指標 5-3-6:社会悪物品等の密輸事犯の摘発実績
○参考指標 5-3-7:航空機旅客等による不正薬物の密輸事犯の摘発実績
○参考指標 5-3-8:知的財産侵害物品に係る輸入差止申立件数
○参考指標 5-3-9:輸出事後調査実績(実施件数)
- 293 -
○参考指標 5-3-10:関係機関との連携・情報収集の実績
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 関税等の適正な賦課及び徴収
イ 通関審査・検査及び輸入事後調査の的確な実施
通関時において的確に審査・検査を実施できるよう、引き続き研修等を通じて通関部
門職員の関係法令や貨物等に対する知識向上に努めます。また、輸入事後調査において
も、引き続き調査水準の維持・向上に努めていきます。
ロ 通関業者に対する指導・監督
適正かつ迅速な通関を確保するために、誤った申告等に対する適時適切な指導をは
じめ、立入調査による法令遵守体制の検証・助言など、通関業者に対する、指導・監
督の充実に努めます。
ハ 事前教示制度
文書及び口頭による照会に対する事前教示制度については、税関窓口等においてメリ
ット等を丁寧に周知するほか、その対応に際しては全国レベルでの事例の分析や進捗管
理を実施するとともに、照会に対し迅速な回答が確保されるよう、業務運営に取り組み
ます。
ニ 保税制度の適切な運用
保税地域の許可等の際に申請者の法令遵守状況、貨物管理体制等について審査を行う
とともに、被許可者に対しても、保税地域の立入検査を実施すること等により保税制
度の適切な運用に努めます。
② 社会悪物品等の密輸阻止
イ 取締体制の整備
水際における取締りに当たっては、取締対象を絞り込んでハイリスク貨物に対する
重点的な取締りを行うことが効果的かつ効率的であることから、より充実した貨物、
旅客等のリスク評価を行っていきます。また、テロ関連物品や有害廃棄物の不正輸出
を阻止するため、輸出事後調査についても積極的に実施します。このほか、取締・検
査機器の拡充・高度化を図り、効率的な活用に努めます。さらに、大学・研究機関等
と共同で、先端技術を活用した検査機器の導入に向けた取組を行います。
また、知的財産侵害物品の水際取締りについても、「知的財産推進計画」に基づく
取組も含め、制度改正や体制強化を行うなどより一層強化していきます。
平成24年度実績評価書
- 294 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標5-3〕
ロ 関係機関との連携と情報の収集等
引き続きその更なる拡大・充実に努めるとともに、WCOや国際連合等の国際機関
主催の会議や協力枠組みにも積極的に参画し、外国関係機関との連携強化に努めます。
外国税関との協力関係については、国際的組織犯罪の台頭を踏まえて、仕出地での情
報を確保する観点から、税関相互支援協定等の締結国の拡大を図るとともに、積極的
な情報交換を図っていきます。
③ 税関手続における利用者利便の向上
イ 通関手続の利用者利便の向上のための取組等
更なる貿易円滑化の観点から、通関関係書類の電子化・ペーパーレス化を促進する
こととしており、その一環としてこれまで書面での提出を求めていた通関関係書類に
ついて、平成25年10月よりNACCSを利用したPDF等の電磁的記録による提出を
可能とすることとします。
また、AEO制度の対象事業者、関係業界団体等に対して税関ホームページや説明
会等を通じてそのPRに努めるとともに、制度の利用者利便について意見を聴取し制
度の改善に努め、利用の拡大を図ります。また、AEO事業者の承認等の業務に関し
税関内で経験の一層の共有を図り、的確な運用にも努めます。更に、AEO制度の相
互承認協議等を推進するとともに、将来の相互承認署名・実施を目指して、アジア諸
国等におけるAEO制度に関する技術支援を実施します。
ロ 利用者満足度の向上
輸出入者及び通関業者の方々の利用者満足度が向上するよう、引き続き、職員の資
質の向上や法令・商品知識などの向上を図るための研修を充実させるとともに、文書
による事前教示制度のより一層の利用促進、全国レベルでの事例分析やデータベース
の税関における一層の活用に努めていきます。
④ 税関手続システムの機能拡充及び利用者利便の向上
関係省庁システムのNACCSへの統合については、平成25年10月の統合に向け、引
続き関係省庁間の協議を実施します。
また、NACCS型システムの海外展開については、ベトナムへのシステム導入に向
けた協力を引続き実施する他、他国へのシステム導入の可能性についても検討を実施し
ていきます。
⑤ 実効性ある税関行政実現のための情報提供
イ 税関広報活動の一層の充実
利用者の情報ニーズを踏まえた上で、AEO制度等の輸出入通関制度や水際取締り
の状況等の情報を更なる内容の充実及び利便性の向上を図りつつ税関ホームページ等
において提供するとともに、講演会や説明会等に加えて、ソーシャルメディアも活用
し、これらの情報を積極的に発信していきます。
- 295 -
ロ 税関相談制度
関税に関する法律の解釈・適用、申告・申請等の手続等について、的確かつ迅速に
実施していくよう努めます。また、国民の皆様が相談しやすい窓口となるよう職員の
接遇の改善に努めます。
カスタムスアンサーについては、制度改正等を踏まえた掲載項目の追加等による内
容の充実や従来の質問・回答設定の見直しを行います。
(2)平成26年度予算要求等への反映
納税環境の整備を通じて適正な納税申告が行われ、関税等の適正な賦課及び徴収が確保
されるよう、通関審査及び輸入事後調査の的確な実施、通関業者に対する指導・監督、保
税制度の適切な運用等に必要な経費の確保に努めます。
また、安全・安心な社会の構築のため、内外関係機関との積極的連携や情報交換等を行
うとともに、近年の密輸事犯の悪質・巧妙化や多様化に対応した取締体制の整備及び検査
機器等の充実化を図ることにより、社会悪物品、テロ関連物品、知的財産侵害物品等の一
層効果的な水際取締りが可能となるよう、必要な経費の確保に努めます。
さらに、国際貿易の安全確保と円滑化を両立させるため、貨物のセキュリティ管理と法
令遵守の体制が整備された事業者の貨物に関する手続を迅速化・簡素化するAEO制度の
利用拡大に努めるとともに、我が国と同様のAEO制度を導入している国との間の相互承
認の早期実現や適切な実施に向けて協議を推進するため、必要な経費の確保に努めます。
加えて、税関ホームページや説明会等を通じて、利用者ニーズを踏まえつつ、これらの
施策や制度のメリット等について、情報を提供・発信することによって税関の取組に対す
る国民の理解向上や新しい制度等の利用拡大が図られるよう、必要な経費の確保に努めま
す。その際、ソーシャルメディアを活用した情報提供を充実させることにより、経費の抑
制に努めます。
平成24年度実績評価書
- 296 -
政策目標6:国際金融システムの安定的かつ健全な発展と開発途上国の
経済社会の発展の促進
重 政策目標6-1:外国為替市場の安定並びに国際金融システムの安定に向けた制度強化及び
○
その適切な運用の確保
重 ・6-1-1:外国為替市場の安定
○
重 ・6-1-2:国際金融システムの安定に向けた制度強化に関する国際的な取組への参画
○
・6-1-3:アジアにおける地域金融協力の推進等
・6-1-4:北朝鮮・イランの核開発等に係る問題への対策及びテロ資金や大量破壊
兵器の拡散に関連する資金等による国際金融システムの濫用への対応
○
政策目標6-2:開発途上国における安定的な経済社会の発展に資するための資金協力・知
的支援を含む多様な協力の推進
・6-2-1:ODA等の効率的・戦略的な活用
重 ・6-2-2:有償資金協力(国際協力機構)、国際協力銀行業務、国際開発金融機関を
○
通じた支援
・6-2-3:債務問題への取組
・6-2-4:知的支援
重 政策目標6-3:アジア経済戦略の推進(新成長戦略)
○
重 ・6-3-1:アジア経済戦略の推進
○
重 」マークは、重点的に進めるものを示しています。
※「○
- 297 -
- 298 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
重 政策目標6-1:外国為替市場の安定並びに国際金融システムの安定に向けた制度強化及
○
びその適切な運用の確保
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
世界各国の経済の相互連関が深まり、国際的な資金移動が活発化する中で、我が国と外国との間
の資金移動が円滑に行われる環境を整えるとともに、国際金融市場の混乱に端を発する世界的な景
気後退が発生した平成20年以降、国際金融システムを安定させることが重要となっています。この
ような認識の下、財務省では、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づいて外国為替制度の運営
に当たっているほか、国際金融システムの安定に向けた制度強化が急務となっています。
また、従来より我が国と密接な経済的結びつきを有するアジア地域の経済の安定は重要であり、
域内における地域金融協力を更に強化していきます。このほか、テロ資金供与や大量破壊兵器の拡
散への資金支援といった国際金融システムの濫用の防止にも取り組んでいきます。
本目標は、以下に掲げる内閣の基本的な方針を踏まえ、特に重要な取組として推進していきま
す。
2.内閣の基本的な方針との関連
第179回国会 総理大臣所信表明演説
第180回国会 総理大臣施政方針演説
第183回国会 財務大臣財政演説
日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)
特別会計改革の基本方針(平成24年1月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 6-1-1:外国為替市場の安定
施
策 6-1-2:国際金融システムの安定に向けた制度強化に関する国際的な取組への参画
4.平成24年度の事務運営の報告
重 施
○
策 6-1-1:外国為替市場の安定
[平成24年度実施計画]
為替レートは、経済ファンダメンタルズ(経済の基礎的状況)を反映しつつ、安定的に推移する
ことが重要であり、為替レートの過度の変動は、経済や金融の安定に対して悪影響を与え、望まし
くないと考えられます。平成23年12月24日に閣議決定された「日本再生の基本戦略」においても、
「為替市場の過度な変動は、経済・金融の安定に悪影響を及ぼすものであり、引き続き、市場を注
視し、適切に対応する。」とされています。
このような観点から、通貨当局としては、日常的な国際金融市場のモニタリング、各国の通貨当
局との意見交換や国際協調等を行うほか、必要に応じた為替介入等を通じ、外国為替相場の安定に
向けた取組を重点施策として行っています。平成23年度には、為替市場の投機的な動き・無秩序な
動きへの対応に万全を期し、日本経済への下振れリスクを具現化させないため、同年8月に続き、
10月末から11月初にかけて、為替介入(合計13兆6,045億円)を行いました。また、為替市場のい
かなる動向にも十分な余裕をもって機動的な対応を行いうるようにするため、平成23年度当初予算
で150兆円としていた外国為替資金証券(FB)発行等限度額を、第3次補正予算で15兆円引き上
げ165兆円とし、第4次補正予算で更に30兆円引き上げ195兆円としています。引上げが実施された
ことにより、過去最大規模(69兆円)の追加FB発行枠(為替介入可能額)を確保することとなり
ます。また、平成23年8月に発表した「円高対応緊急パッケージ」において、急激な円高の進行に
対し、民間円資金の外貨への転換(いわゆる円投)の促進による為替相場の安定化と、長期的な国
- 299 -
富の増大のため、外為特会のドル資金をJBICを経由して活用する「円高対応緊急ファシリテ
ィ」を創設しました。為替介入等を通じて保有することとなった外貨準備は、政府短期証券により
調達した円資金に見合う外貨資産を保有しているものであり、我が国通貨の安定を実現するために
必要な外国為替等の売買に備え、安全性及び流動性に最大限留意しつつ、可能な限り収益性を追求
する運用を行っています。また、平成22年10月に実施された事業仕分けの結果、外国為替資金特別
会計の「剰余金は、一定のルールに基づいて、一般会計に繰り入れる方式にする」とされたことを
踏まえ、平成22年12月に、毎年度の剰余金の一般会計繰入ルールを定め、公表しました。また、積
立金の扱いについて「財投預託されている積立金(20兆円)については、中長期的に債務(FB)
の償還に充てることにより、B/Sの両サイドを減らしていく」、金融資産(外貨運用益の円転の
ためのFB発行)について「FBの発行によって外貨運用益を円転し、負債が積み上がる構造の解
消を図る」とされたこと等を踏まえ、「財投預託金(資産計上)を減額し、それにより政府短期証
券(負債計上)を償還することを通じた資産・債務残高の縮減、また、外為特会に留保する剰余金
相当額について、円貨資産として保有し続けないで済む等の対応を図るものとし、平成24年の通常
国会に法案を提出するもの」(特別会計改革の基本方針(平成24年1月24日閣議決定))としてい
ます。
国際金融市場のモニタリングは、外為法に基づき定期的に提出される報告書から作成する統計を
ベースとし、関係者からのヒアリングや、専門家との意見交換、必要に応じ捕捉的な報告を求める
ことにより、経常収支・資本収支の動向や取引実態の把握に努めています。
報告を取りまとめ作成・公表する「国際収支統計」、「対外及び対内証券売買契約等の状況」等
は、対外的な資金の流れに関して、市場に対する正確かつ適時な情報の提供、及び経常収支・資本
収支の動向の把握といった観点から重要です。加えて、国際収支統計は、内閣府において作成・公
表される「国民経済計算」及び「四半期別GDP」の基礎統計ともなっており、今後とも、適切な
作成・公表を行っていきます。なお、国際収支統計作成のガイドラインであるIMF国際収支マニ
ュアルの改訂を受け、我が国としても平成26年より当該マニュアルに基づく国際収支統計の作成・
公表を開始することを予定しています。このため、平成23年12月には関連省令を改正し、当該マニ
ュアルに基づく統計作成が可能となるよう報告様式等の見直しを行いましたが、今後は、平成26年
1月の改正省令の施行に向け、見直し内容の周知徹底を図っていきます。なお、「円高対応緊急パ
ッケージ」では、平成23年8月末より、為替相場の安定を図るための為替市場のモニタリング強化
を目的に、外為法に基づき、主要金融機関に対して為替トレーダーが保有する外国為替の持高(自
己ポジション)の報告を求めることとしており、現時点では、当該措置を平成24年6月末まで継続
する予定です。
[事務運営の報告]
① 外国為替市場の安定に向けた取組に関して
平成24年度においても、日常的な国際金融市場のモニタリング、各国通貨当局との意
見交換や緊密な協力等を通じて、外国為替相場に関する情報の収集・分析を行い、その
安定に向けて取り組みました。
イ 外国為替市場の安定
平成24年度においては、グローバルな金融市場に不安定化のリスクが残る中、G7
(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議、平成24年4月、6月、平成25年2月に声明を
公表)やG20(20か国財務大臣・中央銀行総裁会議、平成24年4月、6月、11月、平
成25年2月に開催)、金融世界経済に関する首脳会合(G20サミット)(平成24年6
月に開催)等の国際会議において、国際金融市場の動向や各国の対応等に関して議論
を行いました。為替に関しては、G7声明(平成25年2月12日)において、日本を含
むG7各国の財政・金融政策が、為替レートではなく、「国内目的を達成することに
向けられてきていること」、「今後もそうしていくこと」を確認するとともに、「為
替レートは市場において決定されるべき」、「為替市場における行動に関して緊密に
協議すべき」といった従来からのコミットメントが再確認されました。G20(平成25
平成24年度実績評価書
- 300 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
年2月15~16日)においても、「市場で決定される為替レート」や「為替の柔軟性」
の重要性が確認されるとともに、「通貨の競争的な切り下げを回避する」、「競争力
のために為替レートを目的とはしない」との共通認識を確認しました。
また、為替市場のモニタリングに関しては、外為法に基づき、平成23年8月末から、
主要金融機関に対して為替トレーダーが保有する外国為替の持高(自己ポジション)
の報告を求めてきたところ、本報告に関しては、その後の国際金融市場の動向に鑑み、
平成25年6月末まで継続することとしました。
さらに、欧州の時限的な危機対応メカニズムである欧州金融ファシリティ(EFS
F)が発行する債券に関して、平成23年1月以降、日本は、外貨準備において継続的
に購入し、EFSF債の信認の向上・欧州における金融の安定に貢献してきました。
平成25年1月には、欧州の金融安定化が円を含む通貨の安定に資するとの観点から、
欧州自身の金融安定化に向けた今後の更なる取組を踏まえつつ、EFSFの業務を引
き継ぐ恒久的な危機対応メカニズムである欧州安定メカニズム(ESM)が発行する
債券を主要なユーロ建国債と並ぶ重要な投資対象と位置づけ、外貨準備を活用してE
SM債の一定部分を継続的に購入していくこととしました。
○参考指標 6-1-1:外国為替平衡操作の実施状況
平成20年度
金 額
21年度
0円
22年度
23年度
24年度
0円 2兆8,174億円 13兆6,045億円
0円
(出所)財務省「外国為替平衡操作の実施状況」
(http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/feio/data.htm)
ロ 国際収支統計等の作成・公表
我が国の対外的な資金の流れに関する統計として「国際収支統計」、「対外及び対
内証券売買契約等の状況」等を引き続き作成し公表しました。平成24年度中の国際収
支統計は、中国・EU向けを中心に輸出が減少した一方、鉱物性燃料や通信機などを
中心に輸入が増加したことから、貿易収支は-6兆8,947億円の赤字となったほか、経
常収支も4兆2,931億円の黒字となりました。また、平成20年12月のIMFの国際収支
マニュアルの改訂を受け、我が国としても当該マニュアル(IMF国際収支マニュア
ル第6版)に移行し、平成26年より当該マニュアルに基づく国際収支統計の作成・公
表を開始することとしました。このため、IMF国際収支マニュアル第6版に合わせ
た新しい公表様式への見直しを行っているほか、平成23年12月に公布した関連省令の
改正に伴う報告様式等の見直しを行い、報告者(金融機関等)への通知を行いました。
◎業績指標 6-1-1:正確かつ適時な情報の提供
平成
作成頻度
20年度
21年度
22年度
(単位:回、%)
24年度
23年度
実績値
国際収支状況
月1回
10/12
12/12
12/12
12/12
12/12
本邦対外資産負債残高
年1回
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
- 301 -
外貨準備等の状況
外国為替資金特別会計の
外貨建資産の内訳及び運
用収入の内訳等
外国為替平衡操作実施状
況(月ベース)
外国為替平衡操作実施状
況(日ベース)
オフショア勘定残高
対外及び対内証券売買契
約等の状況
達成割合
月1回
12/12
12/12
12/12
12/12
12/12
年1回
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
月1回
12/12
12/12
12/12
12/12
12/12
年4回
4/4
4/4
4/4
4/4
4/4
月1回
12/12
12/12
12/12
12/12
12/12
月1回
12/12
12/12
12/12
12/12
12/12
96.9%
100%
100%
100%
100%
(出所)国際局為替市場課調
(注) 国際収支状況
<http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/data.htm >
本邦対外資産負債残高< http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/data.htm >
外貨準備等の状況
<http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/official_reserve_assets/data.htm >
外国為替資金特別会計の外貨建資産の内訳及び運用収入の内訳等
<http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/gaitametokkai/index.htm >
外国為替平衡操作実施状況
<http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/feio/data.htm >
オフショア勘定残高
<http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/offshore/data.htm >
対外及び対内証券売買契約等の状況
<http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/itn_transactions_in_securities/data.htm >
(新)◎業績指標 6-1-2:国際収支統計の移行に向けた準備作業の実施
作業項目
平成24年度
実施
改正省令に基づく新報告様式等に係る記載要領の作成・公表(注)
○
改正省令別表第 1(国際収支項目番号)に係る解説資料の作成・公表(注)
○
関連HPにおける省令改正を踏まえたQ&Aの拡充
平成25年度
新国際収支統計の定義・見方等を取りまとめた解説資料の作成・公表
に実施
(注)公表は平成25年4月。
② 外国為替資金特別会計(外為特会)の状況
外為特会の保有する外貨資産に関しては、「安全性及び流動性に最大限留意した運用を
行うこととし、この制約の範囲内で可能な限り収益性を追求する」(「外国為替資金特別
会計が保有する外貨資産に関する運用に関して」(平成17年4月4日))との考え方の下、
国債、政府機関債及び国際機関債等の債券や預金等によって運用しています。
平成24年度は、平成23年度と比較して、米国の金利が低下(2年債:0.26%(平成24年
度平均)←0.34%(平成23年度平均)、5年債:0.73%←1.20%)したこと等から、外為
特会の運用収入は2.1兆円に減少すると見込まれています(平成23年度(決算):2.4兆
円)。
平成24年度実績評価書
- 302 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
外為特会の剰余金は、外貨建て資産と円建ての政府短期証券の金利差(内外金利差)
から生じるものですが、この内外金利差は、インフレ率の見通しの差等を背景としてお
り、インフレ率のより高い国の通貨(ドル)の価値は、インフレ率のより低い国の通貨
(円)との関係では、長期的に下落する傾向にあるため、外貨資産には、将来的に、外
国通貨の減価(ドル安)による為替差損等が発生するリスクがあります。特別会計に関
する法律においては、外為特会の剰余金に関して、外国為替相場の変動、市場金利の変
動等の要因を勘案し、同会計の健全な運営を確保するために必要な金額を、積立金とし
て積み立てるとともに、予算で定めるところにより、一般会計に繰り入れることができ
ることとされています。
外為特会の積立金が中長期的な必要水準(保有外貨資産の約30%)に達していないこ
とから、当分の間、剰余金の一部を外為特会に留保し、積立金の保有外貨資産に対する
割合を中長期的な必要水準に向け高めていくことを基本としているところです。
平成22年10月には、同会計の財務の健全性を確保する観点から、毎年度の剰余金の一
般会計繰入ルールを定め、公表しました。この一般会計繰入ルールを踏まえ、平成25年
度予算においては、一般会計の極めて厳しい財政状況に最大限配慮し、平成24年度の剰
余金見込額2.20兆円のうち0.21兆円を積み立て、残りの1.9兆円を一般会計に繰り入れ
ることとしました。これにより、これまでの外為特会から一般会計への繰入累計額は
35.3兆円となる見込みです。
○参考指標 6-1-2:外貨準備動向
平成20年度末
外貨準備高
1,018,549
(単位:百万ドル)
21年度末
1,042,715
22年度末
1,116,025
23年度末
1,288,703
24年度末
1,254,356
(出所)財務省「外貨準備等の状況」
(http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/official_reserve_assets/data.htm)
- 303 -
(参考1)米独の金利動向
平成24年度実績評価書
- 304 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
(参考2)外為特会の保有する外貨資産の状況
(詳細は財務省ホームページ(http://www.mof.go.jp/international_policy/
reference/gaitametokkai/index.htm)参照)
①運用資産利回り
平成20年度
21年度
22年度
23年度
3.69%
3.08%
3.13%
2.66%
運用資産利回り
②外貨証券の満期別構成
満 期
平成23年度末残高
1年以下
11.1兆円( 12.9%)
1年超5年以下
50.8兆円( 58.8%)
5年超
24.4兆円( 28.3%)
合 計
86.4兆円(100.0%)
③外貨証券の国債・非国債の構成割合
銘 柄
平成23年度末残高
国 債
64.4兆円( 74.6%)
国債以外の証券
22.0兆円( 25.4%)
合 計
86.4兆円(100.0%)
(注)時価ベース。円建て換算は、特別会計に関する法律第79条の規定に基づき、年度末の基準外国為替相場
等により行っている。
(参考3)財務省ホームページにおける積立金に関する説明(平成23年度決算)
(http://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/special_account/gaitame/201
1account.htm)
(積立金の目的)
「特別会計に関する法律」第80条第1項の規定により、外国為替相場の変動、
市場金利の変動その他の要因を勘案し、外国為替資金特別会計の健全な運営を確
保するために必要な金額を積立金として積み立てることとしている。
(積立金の水準)
積立金に必要な金額としては、外国為替相場や市場金利の変動等があっても、保
有外貨資産に発生する評価損を概ね下回らない水準であるところの保有外貨資産の
100分の30が目安となり、中長期的にはこの水準まで積み立てることが望ましい。
重 施
○
策 6-1-2:国際金融システムの安定に向けた制度強化に関する国際的な取組への参画
[平成24年度実施計画]
① 国際金融システムの安定
平成19年以降、国際金融市場において取引される資金量の急増、金融取引技術の飛躍的な進歩
- 305 -
を背景に、大規模で周辺国にも波及効果があるような金融危機が発生するなど、様々な国際金融
システムの不安定要因が顕在化しました。特に、平成20年秋以降には、国際金融市場の混乱が信
用収縮等を通じて実体経済に悪影響を及ぼし、世界的な景気後退を発生させました。また、平成
23年夏ごろから、欧州の政府債務問題が深刻化し、ギリシャ等ユーロ圏周辺国の国債金利の高騰
などの問題がイタリア・スペインへと波及するなど、金融市場が不安定化するとともに、経済の
先行きへの不透明感が拡大しました。アジア等新興市場国の一部においては、欧州等先進国の状
況を受けて、経済成長の減速や資金の引揚げへの懸念が高まっています。こうした中、強固で持
続可能かつ均衡ある世界経済の成長を生み出すために、G20、G7等の枠組みを通じ、各国と一
層協働して国際金融システムの安定に向けた取組を進めていきます。
② IMF改革
平成20年秋の金融危機発生以降、IMFは、加盟国が危機から脱却する上で極めて重要な役割
を果たしてきました。また、平成21年4月のロンドン・サミットにおいてIMFの資金基盤の3
倍増が合意されたほか、危機予防目的の多額の資金支援を可能にする新たな予防的融資制度(フ
レキシブル・クレジット・ライン、予防的クレジット・ライン)の創設、特に金融セクター向け
のサーベイランスの強化など、その機能は大幅に強化されました。さらに、平成23年11月のカン
ヌ・サミットでは、予防的クレジット・ラインを改善し、予防・流動性ラインとすることが合意
されました。我が国は、平成20年11月に他国に先駆けてIMFへの1,000億ドルの融資を表明し
IMF資金基盤の拡充に向けた議論を主導したり、予防的融資制度の改善に関する提案を行いI
MF融資制度改革の議論を主導するなど、IMFの機能強化に積極的に貢献してきました。
クォータ(出資割当額)の見直しやガバナンスの強化を含む包括的なIMF改革についても議
論が進められ、平成22年12月、IMFの総務会でクォータの倍増と新興国・途上国のシェア(投
票権)の上昇を主な内容とする決議が採択されました。現在各国はこの決議を発効させるための
国内手続を進めており、我が国は加盟国中最初に増資への同意通告を行いました。また、IMF
が真にグローバルな機関として、その役割を果たすためには、スタッフの多様性確保が重要であ
り、我が国においても、日本人スタッフの増加のために努力を続けていきます。
また、欧州における政府債務危機の拡大を受け、IMFの資金基盤について改めて議論が行わ
れており、平成23年11月のカンヌ・サミットでは、IMFが加盟国全体の利益となるよう、その
責任を果たすために十分な資金基盤を持ち続けることが合意されております。我が国は、IMF
に対する世界第2位の出資国としての責任ある立場から、こうしたIMFの課題への議論に積極
的に参画し、IMFの更なる機能強化に取り組んで参ります。
以上のような、G20、G7、IMF等における議論へ積極的に参画することを通じて、国際金融
システムの安定化を目指していくことは極めて重要です。G20サミットは、平成20年秋の金融危機
発生による混乱が実体経済にまで波及し、世界経済の先行きに対する懸念が急速に高まる中で、新
興国を含めた枠組みによって対応を議論する必要性が認識されて発足したものであり、国際経済協
力に関する第一のフォーラムとされています。G7も、例えば、平成23年3月の東日本大震災や同
年夏以降の欧州政府債務問題の深刻化による金融市場の不安定化に際して、緊密に連絡を取りつつ
対応を協議してきました。また、IMFは、危機予防目的の資金支援等に加え、加盟国へのサーベ
イランスの一層の強化やG20、G7への技術的なインプットを期待されています。我が国は、国際
金融システムの安定化に向けて、これらの議論に積極的に参画していきます。
[事務運営の報告]
① 国際金融システムの安定
我が国は、G20、G7等の枠組みを通じて、金融危機への対応、危機後の世界経済の
体制強化に関しての議論に積極的に参画しました。
イ G20サミット等への参画を通じた取組
IMF資金基盤強化に関して、我が国は、G20での合意に向けた流れを作るため、
会合前の平成24年4月17日に非ユーロ圏の国として先頭を切る形でIMFに対し600
億ドルの融資枠の貢献を行う方針を表明し、各国に対して日本の後に続いて貢献を表
明するよう促してきました。その後、短期間に多くの国が我が国に呼応して貢献を表
平成24年度実績評価書
- 306 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
明し、同会合において、4300億ドルを上回る確実なコミットメントという、市場を安
心させることができる規模の資金基盤強化に合意できました。これは、IMF・G20
にとって大きな成果となり、合意形成に大きな役割を果たした我が国に対し、IMF
をはじめ各国から高い評価が示されました。
6月18日、19日に開催されたG20ロスカボス・サミットでは、欧州債務問題への対
応や、経済成長と財政健全化の両立といった現下の世界経済の最重要課題を中心に、
活発な議論が行われました。また、IMF資金基盤強化に関して、中国、インド、ブ
ラジル、ロシアを含め多くの国から具体的な貢献額の表明があり、最終的な資金基盤
強化の総額は、同年10月のIMF・世界銀行年次総会において、約4,610億ドルとな
りました。
11月4日、5日にメキシコ・メキシコシティにて開催されたG20では、欧州債務問
題や米国の財政の崖の問題が世界経済の下方リスクとして注目され、これらを巡り活
発な議論が行われました。また、為替に関して、我が国から円高に対する強い懸念な
どをしっかりと説明した結果、G20として、「為替レートの無秩序な動きは経済及び
金融の安定に対して悪影響を与える」との認識を改めて確認することができました。
平成25年2月15日、16日に、ロシア・モスクワにて開催されたG20は、平成24年12
月に成立した日本の新政権の経済政策に対し、各国から高い関心が示される中での開
催となりました。こうした中、世界経済に関して議論するセッションでは、我が国か
ら、日本の新政権が「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起
する成長戦略」という「三本の矢」を同時に推進することで日本経済の再生に取り組
んでいることを説明しました。また、金融緩和等の政策はデフレ不況からの脱却を目
的とするものであり、これを着実に実施して日本経済を再生されることは世界経済に
も良い影響をもたらすことも説明しました。合意されたコミュニケでは、日本の政策
を含めて、足元では先進国・地域の経済政策が、世界経済や金融市場に良い影響を与
えているとの認識が示されています。
ロ G7(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議)への参画を通じた取組
平成24年度は、対面会合としては、平成24年4月19日、G20会合の開催前に、ワ
シントンDCにおいて、G7財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催されまし
た。また、10月11日には、IMF・世界銀行年次総会の間に、東京にてG7が開催
されました。G20がコミュニケを作成しフォーマルな議論を行う場としての性格を
強めているのに対し、G7は、主要な金融市場を持つ国々が率直な意見交換を行う
場としての役割を強めていることから、コミュニケの採択は行われませんでしたが、
世界経済・金融情勢などに関して有意義な意見交換が行われました。
こうした対面会合とは別に、その時々の経済・金融情勢に応じ、G7では電話会議
での意見交換や声明の発出も行っています。平成24年6月には、ユーロ圏によるスペ
イン支援の発表を歓迎する声明、及びギリシャ選挙結果に関する声明を発出しました。
8月には石油価格の高騰が世界経済にもたらすリスクを鑑み、石油価格の上昇への警
戒を示す声明を発出しました。また、平成25年2月には、モスクワで開催されるG20
- 307 -
に先立ち、G7としての統一的な考え方を示す観点から、G7声明を発出しました。
このG7声明では、日本を含むG7各国の財政・金融政策が、為替レートではなく、
これまでも日本における長引くデフレからの早期脱却など国内目的を達成することに
向けられてきていること、今後もそうしていくことを確認するとともに、「為替レー
トは市場において決定されるべき」、「為替市場における行動に関して緊密に協議す
べき」といった従来からのコミットメントが再確認されています。
② IMF改革
平成20年秋の金融・世界経済危機後、IMFは、主に危機予防を目的とした新たな融
資制度の創設及び改善、資金基盤強化を行ってきました。
資金基盤増強に関して、我が国は、欧州政府債務危機等を受けた追加的な資金基盤強
化の必要性に関するG20やIMF理事会等での議論に積極的に貢献し、上記①イの通り、
平成24年4月には、IMFに対する600億ドルの融資枠の設定による資金貢献を行う方
針を表明し、同年10月に融資契約の署名を行いました。
我が国は、IMFの低所得国支援にも積極的に貢献しており、平成23年9月の国際通
貨金融委員会(IMFC)において、IMFの低所得国向け融資のための信託基金(P
RGT:Poverty Reduction and Growth Trust)に、利子補給金として平成26年までに
2,880万SDR(約40億円)を追加貢献することを表明し、平成24年度の約9億円を含
め、これまでに約19億円の貢献を行いました。また、平成24年2月のIMF理事会での
決定に基づき、PRGTへの貢献を前提に加盟各国に配分された、IMFが保有する金
売却益の一部(総額7億SDR(約966億円))に関して、我が国への配分額(約55億
円)を平成24年度の補正予算で措置し、平成25年3月にPRGTへの貢献を行いました。
さらに、IMFが保有する残りの金売却益(総額17.5億SDR(約2,415億円))に関
しても、平成24年9月のIMF理事会での決定に基づき、平成24年10月のIMFCにお
いて、我が国への配分額(約159億円)をPRGTに貢献することを表明しました。
IMFの組織のあり方に関しては、IMFの正当性、有効性、信頼性を高めるために、
IMFスタッフの出身地域、学業・職業の経歴等多様性を改善する必要があることに加
え、日本から人材面でも貢献を行う準備があることを国際通貨金融委員会(IMFC)
等の場で主張してきました。
最後に、我が国は、IMFの機能強化等の議論にも積極的に参画しました。IMFの
サーベイランス(政策監視)の枠組みの見直しに関しては、我が国は、世界経済・金融
の相互連関性の高まりや一国の政策が他国に及ぼす波及効果の増大といった世界経済の
現状を踏まえ、サーベイランスの範囲を拡大することがIMFの正当性の向上にも資す
るとの主張を、IMF理事会等の場で行ってきました。こうした我が国の主張も踏まえ、
IMFは、平成24年7月、バイ及びマルチのサーベイランス双方をカバーする「統合サ
ーベイランス決定」を採択し、マルチ・サーベイランスの実施をIMFに対する協定上
の義務として位置付け、IMFが各国との4条協議をバイのみならずマルチ・サーベイ
ランスのための手段として活用することによって、国際収支や為替レートに直接的に影
響を与えない国内政策やスピルオーバーの分析の強化を行うことなどに関して合意され
平成24年度実績評価書
- 308 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
ました。「統合サーベイランス決定」は平成25年1月に発効しました。
○参考指標 6-1-3:IMFへの主要国出資
国
名
(平成24年3月第2段階特別増資発効後)
出資額(億SDR)
421.2
156.3
145.7
107.4
107.4
米
日
独
英
仏
シェア(%)
17.69
6.56
6.12
4.51
4.51
(出所)IMF公表統計等
(注) SDR(Special Drawing Right)は、金やドル等の既存の準備資産を補完するための公的準備資産と
して創設されたもの。1SDR=約1.50米ドル=約141円(平成25年3月28日現在)
○参考指標 6-1-4:IMFの活動状況(日本人幹部職員数等を含む)
IMFの融資状況(平成25年3月末現在)
(単位:億SDR)
一般資金勘定融資残高(借入国:35か国)
905.1
譲許的融資残高(借入国:63か国)
58.4
(出所)IMFホームページ(http://www.imf.org)
IMFにおける日本人職員数等
平成21年4月
日本人職員数
日本人幹部職員数
日本人比率
41(13)
22年4月
48(18)
23年4月
24年4月
53(19)
25年1月
57(19)
61(22)
10
10
9
9
10
1.70%
2.01%
2.17%
2.28%
2.43%
(出所)IMF公表統計等
(注1)( )内は女性職員数。
(注2)日本人幹部職員数は、審議役以上を指す。
(注3)マネジメントを含む。
③ 二国間における情報交換・意見交換の取組
上記のような多国間の国際会議に向けて主要国との意見の調整を図り、また、特定の
国との間の個別的な問題に対処するため、主要国財務省との間で国際金融システムの安
定に必要なマクロ経済・財政政策に関して二国間で情報・意見交換を行い、緊密な連携
をとっています。
平成24年度は、欧州債務問題やそれに伴う市場の不安定化などに対して国際的に協調
して対応するため、主要国との間で積極的に情報・意見交換を行いました。特に、米国
との間では、G20(4月)、IMF・世界銀行年次総会(10月)といった国際会議の際
などに、財務大臣会談等を行い、マクロ経済・財政政策等に関して連携を深めました。
- 309 -
施
策 6-1-3:アジアにおける地域金融協力の推進等
[平成24年度実施計画]
アジア地域は、底堅い内需により堅調な成長を続けているものの、グローバル経済・金融環境の
変化が、地域経済および金融市場へ悪影響を及ぼすリスクが存在します。これらを防止し、地域金
融市場の安定を図るため、アジア地域での金融協力を強化することは重要です。平成23年5月に開
催されたASEAN+3(日中韓)財務大臣会議では、世界規模で起こりうる危機の伝播の阻止、
および金融市場を通じたアジア経済の更なる発展のため、今後の地域金融協力の更なる強化策につ
いて議論がされました。
こうした地域金融協力の取組は、施策 6-3-1(アジア経済戦略の推進)に述べるとおり、成長の
フロンティアとしてのアジアの活力を取り込んでいく上でますます重要となっています。
① チェンマイ・イニシアティブ及び二国間の金融協力
我が国はこれまで、通貨危機への対処として、危機時に外貨資金(ドル)を相互に融通するた
めのセーフティネットを構築するチェンマイ・イニシアティブ(平成12年5月開催のASEAN
+3蔵相会議にて合意)に基づき、二国間通貨スワップ取極のネットワーク構築を進めてきまし
た。平成21年12月には、チェンマイ・イニシアティブの発動の迅速化・円滑化を図る観点から、
二国間通貨スワップ取極のネットワークを一本の契約に基づく仕組みとする、総額1,200億ドル
のマルチ化契約を締結し、平成22年3月に発効しました。今後、マルチ化したチェンマイ・イニ
シアティブについて、規模の増額を含む現行の危機対応機能の強化、及び危機予防機能(平成23
年5月開催のASEAN+3財務大臣会議において研究を進めることに合意)の導入について、
議論を進めていきます。
こうした金融協力が有効に機能するためには、域内経済情勢や各国の政策課題に関する政策対
話を実施・強化していくことが重要です。平成23年4月、域内の経済監視を行う常設機関である
「ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)」が、シンガポールを本部として
活動を開始しました。今後、AMROがその目的を全うするため、その組織や各国との政策対話
がさらに充実したものとなるように議論を主導し、域内経済の安定を図っていきます。
さらに、ASEAN+3リサーチ・グループにおいては、アジア域内の民間研究機関の知見を
活用し、更なる地域金融協力の中長期的な課題について、学術的な観点から研究を実施していま
す。平成23年から24年にかけては、ASEAN+3財務大臣会議の合意に基づき、「ASEAN
+3地域の金融システムにおける銀行セクターの役割と機能」等の研究を行っており、これらの
研究についても、我が国は引き続き積極的に参加・貢献していきます。
平成23年には、こうしたASEAN+3におけるマルチの地域協力の枠組みに加え、欧州のソ
ブリン問題等世界経済が不安定な中、金融市場の安定のため、韓国及びインドとの二国間通貨ス
ワップ取極の拡充に合意しました。また、日中韓財務大臣会議や日中、日韓二国間の財務対話を
開催するなど、日中韓の政策対話を引き続き積極的に実施していきます。今後も、金融市場の安
定のため、マルチ及びバイの場を通じ、適切に対応してまいります。
② アジア債券市場育成イニシアティブ
アジア債券市場育成イニシアティブは、平成15年8月開催のASEAN+3財務大臣会議にて
合意・開始され、域内債券市場の発展に向けて、現地通貨建て債券の発行・需要の促進や、規制
枠組み・債券市場関連インフラの改善に取り組んでいます。本イニシアティブは、アジアの安定
的な成長に向けて、域内の貯蓄を域内の投資につなげるものとして、成長戦略を進める上でも重
要となっています。
本イニシアティブによって、これまで域内現地通貨建て債券の発行体や債券の種類が多様化す
る等、既に多くの成果が実現しており、平成14年末と比べ、ASEAN+3の現地通貨建て債券
市場の規模は約5倍に拡大しています。
アジア債券市場の更なる発展のためには、本イニシアティブを強化していくことが重要です。
こうした観点から、平成23年5月開催のASEAN+3財務大臣会議にて、域内の著しい経済的
発展に鑑み、本イニシアティブの更なる改善・強化策について検討を進めることに合意しました。
アジア域内で活動する日系企業の資金調達の円滑化の観点からも、アジア債券市場の更なる発展
は重要であり、我が国は、本イニシアティブに引き続き積極的に参加・貢献していきます。
③ アジアと連携した我が国の金融・資本市場の活性化
我が国の金融・資本市場の活性化は、経済発展の基盤となる金融インフラを提供するとともに、
様々な投資主体の間におけるリスクの適切な分配を促すことを通じ、内外の企業等への成長資金
を供給し、家計部門への適切な投資機会を提供するとともに、日本の金融機関のビジネス・チャ
ンスの拡大等に繋がることが期待されるものです。また、我が国市場の活性化を通じて、アジア
平成24年度実績評価書
- 310 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
を中心に円の国際的な利用が図られることとなれば、日本経済全体としても為替変動の影響を受
けにくくなるということも期待できます。
地域金融協力への取組は、我が国金融・資本市場の活性化にもつながるものです。平成23年12
月には、日中首脳間で日中金融協力の強化について合意され、両国間の金融取引や両国の金融市
場の発展に向けた議論等が今後進められる予定です。アジア債券市場育成イニシアティブでは、
東京プロボンド市場の活用による東京市場の更なる活性化を通じ、アジア債券市場の発展を促進
することなども議論されています。
アジア経済との連携が一層深まる中、財務省は、アジアとの関係も視野に入れつつ、我が国の
金融・資本市場の活性化に資する取組を継続していきます。
[事務運営の報告]
アジア地域は平成20年以降の金融危機からいち早く回復しましたが、平成22年秋以降、
海外からの資本流入急増やインフレの上昇への対応が新たな政策課題となるなど、グロー
バル及び地域における経済情勢を踏まえつつ、域内の金融市場の安定と持続的な成長を図
ることが引き続き重要です。我が国はASEAN+3(日中韓)財務大臣プロセスにおい
て、地域金融協力の推進において積極的に取り組みました。
① ASEAN+3等における地域金融協力の取組
イ チェンマイ・イニシアティブの推進
平成24年5月開催のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議において、チェン
マイ・イニシアティブに関しては、その有効性を高めるべく、規模の増額を含む現行
の危機対応機能の強化、及び危機予防機能を柱とする強化策に合意しました。また、
域内の経済監視を行う常設機関であるASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス
(AMRO)に関して、更なる組織強化の検討及び国際機関化に向けた準備の加速に
合意しました。
○参考指標 6-1-5:強化後のチェンマイ・イニシアティブのマルチ化における各国の貢献
額と買入可能総額
貢献額
貢献割合
(億ドル)
(%)
日中韓
1,920.0
中国
(億㌦)
80.00
1,173.0
28.50
0.5
342.0
84.0
3.50
2.5
63.0
日本
768.0
32.00
0.5
384.0
韓国
384.0
16.00
1
384.0
480.0
20.00
インドネシア
91.04
3.793
2.5
227.6
タイ
91.04
3.793
2.5
227.6
マレーシア
91.04
3.793
2.5
227.6
中国
(香港除く)
香港
ASEAN
768.0
684.0
借入可能総額
借入乗数
32.00
- 311 -
1262.0
シンガポール
91.04
3.793
2.5
227.6
フィリピン
91.04
3.793
2.5
227.6
20.0
0.833
5
100.0
カンボジア
2.4
0.100
5
12.0
ミャンマー
1.2
0.050
5
6.0
ブルネイ
0.6
0.025
5
3.0
ラオス
0.6
0.025
5
3.0
2,400.0
100.00
ベトナム
合計
2,435.0
(出所)国際局地域協力課調(平成24年5月時点)
ロ アジアの債券市場育成
アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)では、アジア域内企業の社債に保
証を供与し、域内債券市場の育成に貢献する「信用保証・投資ファシリティ(CGI
F)」に関して、保証案件の組成に向けた作業を進めました。
また、ASEAN+3債券市場フォーラム(ABMF)では、ASEAN+3域内
のクロスボーダー債券取引の障害となっている各国の規制、市場慣行に関する情報収
集、並びに取引慣行及び決済上のメッセージ・フォーマットの調和化に向けた検討課
題に関して調査を行い、平成24年4月には、包括的な「ASEAN+3債券市場ガイ
ド」を公表しました。
ハ ASEAN+3リサーチ・グループ
ASEAN+3各国政府・中央銀行関係者及び民間の研究者・研究機関から構成さ
れる「リサーチ・グループ」では、中長期的な地域金融協力の更なる強化のための研
究の実施及びその報告を行っています。平成24年度は、我が国と韓国の共同提案によ
り、「格付け機関に関する国際的な議論及びASEAN+3域内における地域の格付
け能力の強化のためのインフラの向上」に関する様々な調査・研究を進めました。
二 将来の地域金融協力の優先課題の研究
ASEAN+3では、地域金融協力の将来の優先課題の一つとして、災害リスク保
険に関する研究が行われており、我が国はリード国として研究・議論を主導しました。
災害リスク保険の分野では、平成25年1月、我が国は、世界銀行等と協力の上、太平
洋島嶼(とうしょ)国5か国(サモア、ソロモン諸島、トンガ、バヌアツ、マーシャル
諸島)を対象とした太平洋自然災害リスク保険のパイロット・プログラムを開始しま
した。
② 日中韓の枠組みにおける地域金融協力の取組
平成24年5月に日中韓財務大臣会議を開催し、地域及び3か国の経済情勢に関しての
意見交換を行った他、地域金融協力に3か国が引き続き緊密に協力していくことを再確
平成24年度実績評価書
- 312 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
認しました。
③ APECの枠組みにおける地域金融協力の取組
平成24年8月のAPEC財務大臣会合(ロシア、モスクワ)において、「協調的自主
的な行動」と「開かれた地域協力」とのAPECの特色を踏まえつつ、金融リテラシー
の向上や自然災害の影響に対応するための財政上・金融上の方策等、アジア・太平洋地
域における経済・金融分野の協力に関して議論を行いました。
④ 二国間における情報交換・意見交換等
国際的な金融危機による諸課題に対応し、アジア地域の経済回復を確かなものとする
ため、アジア各国当局と緊密に情報交換・意見交換を行いました。
韓国及び中国との間では、財務対話を開催し、世界・地域経済、両国の経済、両国・
両省間の協力等の議題に関して意見交換を行いました。
また、インドとの間では、総額150億ドルの二国間日印通貨スワップ取極を平成24年
12月に締結しました。平成23年12月に日中首脳間で合意された日中金融協力の強化に関
しては、平成24年6月、東京市場と上海市場で円と人民元の直接交換取引が開始されま
した。さらに、ASEAN諸国等との二国間の金融協力強化の検討を開始しました。
(新)○参考指標 6-1-6:アジア諸国との二国間通貨スワップ取極の締結状況
アジア諸国との二国間通貨スワップ取極(平成25年3月現在)
危機型
(チェンマイ・イニシアティブに基づく二国間通貨スワップ(注1))
契約当事者
韓国
インドネシア
フィリピン
日本財務省と
韓国銀行
日本財務省と
インドネシア銀行
日本財務省と
フィリピン中央銀行
片方向
双方向
米ドル⇔ルピア
米ドル⇔自国通貨
日→尼:120億㌦
日→比:60億㌦
比→日: 5億㌦
双方向or片方
双方向
向
使用通貨
米ドル⇔自国通貨
スワップ額
日→韓:100億㌦
韓→日: 50億㌦
備考
・全額を引き出すには、IMFプログラムの存在が必要(IMFプログ
ラムがない場合(デリンク割合)は20%まで)
インド
契約当事者
日本財務省と
インド準備銀行
双方向or片方
双方向
向
使用通貨
米ドル⇔自国通貨
平時型
中国
韓国
日本銀行と
中国人民銀行
日本銀行と
韓国銀行
双方向
双方向
円⇔人民元
円⇔韓国ウォン
- 313 -
スワップ額
日→印:150億ドル
印→日:150億ドル
日→中:30億㌦相当
中→日:30億㌦相当
備考
・全額を引き出すには、
IMFプログラムの存在
が必要(IMFプログラ
ムがない場合(デリンク
割合)は20%まで)
日→韓:30億㌦相当
韓→日:30億㌦相当
・2011年10月~2012
年10月末まで30億㌦
相当から300億㌦相
当に増額。
(注1)韓国、インドネシア、フィリピンとの通貨スワップは、CMIMを補完するものとして存在。
(注2)平時型、及びインドとの通貨スワップは、CMIMとは別途締結されているもの。
⑤ 我が国の金融・資本市場の活性化
外国政府等の東京市場での円建外債(サムライ債)発行を後押しし我が国の金融・資
本市場の活性化を図るため、平成24年度においては、JBICの保証機能等を活用して、
サムライ債に対する保証を3件(発行額計1,700億円のうち元本全額及び利息の一部を
保証)、一部取得を1件(発行額計800億円のうち一部を取得)実施する等の措置を講
じました。
○参考指標 6-1-7:JBICによるサムライ債発行支援の実績(平成24年度)
(単位:百万円)
国
名
発 行 人
サムライ債発行額
一部取得
メキシコ
メキシコ政府
80,000
保証
カタール
カタール国営石油公社
85,000
保証
インドネシア
インドネシア政府
60,000
保証
チュニジア
チュニジア中央銀行
25,000
(出所)国際協力銀行調
施
策 6-1-4:北朝鮮・イランの核開発等に係る問題への対策及びテロ資金や大量破壊
兵器の拡散に関連する資金等による国際金融システムの濫用への対応
[平成24年度実施計画]
国際社会の平和と安全を脅かすテロリストの活動、及び現在の核不拡散体制に対する大きな脅威
である北朝鮮やイランの核開発問題は国際社会全体の課題です。これらに対処するため、資金面か
らのアプローチ、すなわち、テロ資金や大量破壊兵器の拡散に関連した資金が国際金融システムを
濫用する形で移転していくことを防止することも必要となっています。
このような観点から、財務省としては、国連安保理決議等を踏まえ、外為法に基づき、様々な制
裁措置を講じてきました。具体的には、北朝鮮のミサイル・大量破壊兵器計画及びイランの核活動
等に関し、制裁対象者に対する資産凍結等措置や資金移転防止措置を講じてきています。特に、イ
ランの核活動に関しては、累次の国連安保理決議に基づく措置に加え、平成22年6月の国連安保理
決議第1929号に付随する措置として、資産凍結等対象者の追加や資産凍結等措置によるコルレス関
係の停止等の措置を実施しています。今後も、関係各国や関係省庁、金融機関等との連携を密にし、
これら措置の着実な実施を図ります。
また、上記資産凍結等措置の実効性を担保する上で、外国送金等の外国為替業務に係る取引につ
いて、外為法等の規定が遵守されているかの確認を目的とした金融機関等に対する外国為替検査を
実施します。平成23年6月には、外為法及び犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下外為法
等)に関する検査の項目を定めた外国為替検査マニュアルを改正し、資金決済に関する法律(平成
22年4月施行)により、外国送金を取り扱うこととなった資金移動業者に対しても外為法の義務が
平成24年度実績評価書
- 314 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
かかることについて明記し、検査内容の強化・充実を図っています。なお、当該改正については、
金融機関等に対する説明会を実施し、内容の周知に努めています。また、同マニュアルでは、特に
北朝鮮やイランに対する措置への対応等を重点項目としており、今後も、金融機関等における外為
法等の遵守体制の整備・強化を図っていきます。
さらに、国際社会と協調して、資金洗浄・テロ資金対策に関するFATF(金融活動作業部会)
勧告の実施等を進めていきます。平成20年10月に公表された我が国のFATF勧告実施状況に関す
る対日相互審査の結果については、審査団からの指摘事項を踏まえて、平成22年10月から平成25年
2月に第5回のフォローアップ報告書を提出しました。次回報告は平成25年6月に予定されており、
引き続き関係省庁と協力して必要な対応を進めていきます。
[事務運営の報告]
平成24年度も、国際社会と協調してテロの脅威と闘うため、資金洗浄及びテロ資金対策
の強化を図るために様々な取組を進めました。また、資金洗浄・テロ資金対策に関する国
際基準の遵守状況の確認を目的としたFATF(Financial Action Task Force:金融活
動作業部会)の対日相互審査報告書の結果を踏まえ、平成24年6月、平成24年10月、平成
25年2月にフォローアップ報告が議論されました。
タリバーン関係者等や大量破壊兵器等の開発に関与する者等に対しては、安保理決議に
基づき、資産凍結等の措置を行いました。
また、イランに関しては、国際的な制裁を踏まえつつ、関係省庁及び関係国と連携して
米国から国防授権法の例外規定の適用延長を受けるなど、適切に対処しました。
北朝鮮の核関連計画等に関与する者に対しては、新たな安保理決議に基づき、資産凍結
等の措置を行うとともに、北朝鮮に対する金融制裁につき、日米財務省間で、緊密に連携
しました。
① 国際社会における資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止策
我が国は、資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止策に係る取組に関し
て、FATFのメンバーとして、その活動に積極的に参画しました。その一環として、
G20ロンドン・サミット及びG20ピッツバーグ・サミットでのG20諸国等の要請を受
け、平成22年2月以降、資金洗浄・テロ資金供与対策に非協力的な国・地域を特定し、
公表しています。また、FATFの第4次相互審査準備を含む、国際基準の改善とそ
の世界的な履行のための活動に積極的に参画しました。
② 我が国としての資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止策等
我が国は資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止策等として、以下に挙げ
る資産凍結措置等、FATFの勧告の要請する措置及び金融機関等に対する外国為替検
査を実施しました。
イ 資産凍結措置等
(a)タリバーン関係者等
国連安保理において、各国に対しタリバーン関係者その他のテロリスト等に対す
る資産凍結等の措置を講ずることを求める諸決議が採択され、我が国もこれまで、
これらの決議に基づき、タリバーン関係者その他のテロリスト等に対し、平成13年
- 315 -
9月以降、累次にわたって資産凍結等の措置を講じてきました。
平成24年度末時点で資産凍結等の措置の対象に指定されているタリバーン関係者
その他のテロリスト等は計455個人・団体です。
(b)北朝鮮
北朝鮮に関しては、平成18年9月以降の累次の国連安保理決議に基づき、核関連
等計画に関与する者に対する資産凍結等の措置等を実施しています。平成24年12月
の北朝鮮によるミサイル発射を受けて採択された安保理決議2087号に基づき、平成
25年2月、当該対象者に対する資産凍結等の措置を実施しました。平成24年度末時
点で北朝鮮関連の資産凍結等の措置の対象者は26個人・団体です。
また、経済産業省において、外為法に基づき北朝鮮との間の輸出入を全面的に禁
止していますが(輸入禁止:平成18年10月から。輸出禁止:平成21年6月から。)、
財務省においては、金融機関に対して、輸入代金等の決済が行われないよう確認の
徹底を要請しているところです。
(c)イラン
イランに関しては、平成19年2月以降、累次の国連安保理決議に基づき、核開発
等に関与する者に対する資産凍結等の措置を講じているほか、核開発等に寄与し得
る者として指定されたイランの銀行に関して、資産凍結を通じたコルレス関係の停
止等の措置を実施しています。平成24年度末時点でイラン関連の資産凍結等の措置
の対象者は359個人・団体です。
○参考指標 6-1-8:テロリスト等に対する我が国による資産凍結措置対象者数
資産凍結対象
追
加
解
除
平成13年度
299個人・団体
6団体
14年度
72個人・団体
7個人・団体
15年度
86個人・団体
-
16年度
29個人・団体
1個人
17年度
38個人・団体
3個人
18年度
15個人・団体
1個人
19年度
11個人
15個人・団体
20年度
29個人・団体
12個人・団体
21年度
10個人・団体
15個人・団体
22年度
21個人・団体
35個人・団体
23年度
17個人・団体
34個人・団体
24年度
30個人・団体
73個人・団体
657個人・団体
202個人・団体
小
計
累
計
455個人・団体
(出所)国際局調査課外国為替室調
平成24年度実績評価書
- 316 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
ロ FATF勧告の実施
資金洗浄・テロ資金供与対策に関する国際基準の遵守状況の確認を目的としたFA
TFの対日相互審査報告書の結果を踏まえ、平成24年6月、平成24年10月、平成25年
2月にフォローアップ報告が議論されました。今後平成25年6月に予定されている第
6回フォローアップ報告に向け、関係省庁と局長級会合を開催するなど、政府全体と
して必要な対応を進めていきます。
ハ 外国為替検査の実施等
資産凍結等経済制裁措置に係る外為法等の遵守を確保するため、国際局調査課為替
実査室及び各財務局において、「外国為替検査マニュアル」(注)に従い、外国為替検
査を行っており、平成24年度は計149の金融機関等を対象としました。平成24年度は
特に、北朝鮮やイランに対する措置への対応等を検査の重点項目としました。
(注)同マニュアルには、①外為法令等遵守のための内部管理体制は整備されているか、②資
産凍結等経済制裁に関する外為法令の遵守状況はどうか、③金融機関等の本人確認義務等
に関する外為法令等の遵守状況はどうか、④特別国際金融取引勘定の経理等に関する外為
法令の遵守状況はどうか、⑤両替業務に係る疑わしい取引の届出義務等に関する犯罪収益
移転防止法令の遵守状況はどうか、⑥外国為替取引に係る通知義務に関する犯罪収益移転
防止法令の遵守状況はどうか等を確認するためのチェックリストが定められています。
○参考指標 6-1-9:外国為替検査の実施状況
平成20年度
都市銀行
信託銀行
在日外国銀行
外資系信託銀行
地方銀行
信用金庫
その他金融機関
資金移動業者
両替業者
証券会社
計
延べ人日数
(単位:件、人日)
検査実施件数
22年度
21年度
23年度
24年度
1
5
7
4
4
13
22
16
18
23
51
52
4
149
0
270
1,725
38
92
2
9
0
168
1,642
29
80
10
7
32
0
181
1,450
37
48
6
9
38
0
160
1,535
41
44
11
8
18
0
149
1,617
(出所)国際局調査課為替実査室調
政策目標に係る予算額:平成24年度外国為替資金特別会計予算額:1,288,422百万円
[23年度予算額:1,073,615百万円]
平成24年度においては、政府短期証券の利子の支払に充てるための国債整理基金特別会
計への繰入れ等に必要な経費として1,288,422百万円の予算措置を行いました。予算の増
要因の主なものは、政府短期証券の利子の支払に充てるための国債整理基金特別会計への
繰入れの増加となっています。
- 317 -
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
平成23年度末までの為替相場の動向は次のとおりです。
○参考指標 6-1-10:為替相場の動向
為替市場の推移 (2012年4月1日~2013年3月31日)
ドル・円
(円)
円 安
ドル高
85
83
81
79
77
円 高
ドル安
75
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
(出所)Bloomberg (日次、NY終値)より財務省国際局為替市場課作成
円の最安値
円の最高値
最高値と最安値の変化幅
96円71銭
77円13銭
19円58銭
(25年3月12日)
(24年9月13日)
(20.2%)
85円53銭
75円32銭
10円21銭
(23年4月6日)
(23年10月31日)
(11.9%)
94円99銭
76円25銭
18円74銭
(22年5月4日,5日)
(23年3月17日)
(19.7%)
平成24年度
23年度
22年度
ユーロ・円
(円)
125
120
円 安
ユーロ高
115
110
105
100
円 高
ユーロ安
95
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
(出所)Bloomberg (日次、NY終値)より財務省国際局為替市場課作成
平成24年度実績評価書
- 318 -
12月
1月
2月
3月
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
為替市場では、平成24年2月以降、本邦貿易収支の赤字化、日銀による金融緩和策、第
二次ギリシャ支援の進展等を受け、対主要通貨で円売りが優勢となり、ドル円は3月15日
に84.18円まで円安方向に推移しました。しかし、その後欧州債務危機の深刻化への懸念
を背景に再度円高が進行し、4月末には80円台を割れると、5月~9月上旬にかけては概
ね70円台後半で推移しました。9月13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加の資
産買入措置が決定された後、ドル円は年度中最安値となる77.13円まで円高方向へ推移し
ました。
10月以降は、日銀による金融緩和や欧州債務危機の懸念後退等を受け、ドル円は3ヶ月
ぶりに80円台を回復、その後も、日経平均株価が上昇する中、ドル円は年末にかけて85円
近辺まで円安方向へ推移しました。
平成25年1月に入ると、年末を期限とした米国の財政の崖問題が決着したこと、米経済
が改善したこと及び日銀による「物価安定の目標(2%)」導入等を背景に、ドル円は90
円台まで円安方向へ推移しました。その後、G7声明(平成25年2月12日)において、日
本を含むG7各国の財政・金融政策が、為替レートではなく、「国内目的を達成すること
に向けられてきていること」、「今後もそうしていくこと」を確認するとともに、「為替
レートは市場において決定されるべき」、「為替市場における行動に関して緊密に協議す
べき」といった従来からのコミットメントが確認されたこと、日銀新総裁人事を巡る金融
緩和期待等を背景に、ドル円は3月12日に年度中最高値となる96.71円まで円安方向に推
移しました。
○参考指標 6-1-11:国際収支動向
国際収支状況
(単位:億円)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
経常収支
247,220
126,071
163,382
貿易収支
11,591
65,998
64,995
-34,697 速報値5月発表
輸出
677,117
555,669
644,513
626,276 速報値5月発表
輸入
665,527
489,671
579,557
660,973 速報値5月発表
サービス収支
-20,469
-18,185
-12,730
-18,627 速報値5月発表
所得収支
148,239
126,325
126,117
140,070 速報値5月発表
資本収支
-223,531
-173,053
-152,474
-119,306
-60,990
-48,639
-95,892 速報値5月発表
18,219
7,995
-3,500
1,019 速報値5月発表
-176,609
-102,988
-262,576
-61,439 速報値5月発表
-79,346
-34,844
191,406
118,688 速報値5月発表
169,349
35,198
-34,222
50,640 速報値5月発表
直接投資(資産)
〃(負債)
証券投資(資産)
〃(負債)
その他投資(ネット)
166,593
-155,636
76,179
29,618
(出所)財務省「国際収支統計」
(注1) 資本収支の「-」は資本の流出(資産の増加、負債の減少)を示す。
(注2) 平成24年度実績値は速報値。25年7月にデータが確定するため、平成25年度実績評価書に掲載予定。
- 319 -
直接投資・証券投資の地域別状況(国際収支ベース)
(単位:億円)
資産(本邦資本)
直接投資
証券投資
世界
米国
EU
アジア
平成23年度
負債(外国資本)
直接投資
証券投資
-95,892
-61,439
1,019
118,668
24年度
速報値5月発表
速報値5月発表
速報値5月発表
速報値5月発表
23年度
-18,026
-21,591
1,307
-97,004
24年度
速報値5月発表
速報値5月発表
速報値5月発表
速報値5月発表
23年度
-29,109
10,335
2,332
452,047
24年度
速報値5月発表
速報値5月発表
速報値5月発表
速報値5月発表
23年度
-30,219
-3,655
2,224
-84,641
24年度
速報値5月発表
速報値5月発表
速報値5月発表
速報値5月発表
(出所)財務省「国際収支統計」
(注1)「-」は資本の流出(資産の増加、負債の減少)を示す。証券投資は証券貸借取引を除くベース。
(注2)平成24年度実績値は速報値。25年7月にデータが確定するため、平成25年度実績評価書に掲載予定。
国際経済情勢の変動に的確に対応する前提として、その取引の実態を的確に把握すると
ともに、国境を越える資金の流れに関して市場に正確な情報提供を図るため、国際収支統
計等を公表しています。
平成24年度中の経常収支(速報)は4兆2,931億円の黒字となったことから、経常収支
の黒字幅は縮小しました。
主要な内訳項目をみていきますと、貿易収支に関しては、-6兆8,947億円の赤字(対前
年度比-3兆4,250億円)となりました。
所得収支に関しては、14兆7,245億円の黒字(対前年度比+7,176億円(+5.1(P)%))
となりました。配当金・配分済支店収益及び再投資収益の受取増加を主因として直接投資
収益が増加したこと等により、所得収支の黒字幅は拡大しました。
次に、資本収支に関して主要な内訳をみていきますと、直接投資(資産)に関しては、
本邦企業による海外子会社の増資引受等がみられ、流出超幅が拡大(-10兆506億円の流出
超)しました。直接投資(負債)に関しては、海外企業による本邦子会社への追加出資
(株式)がみられたこと等から、流入超が継続(1,575億円の流入超)しました。
証券投資(資産、除く証券貸借取引)に関しては、対外株式投資において、銀行等(信
託勘定)が売り越しに転じた等から、流入(処分)超(5兆1,048億円の流入超)に転じ
ました。対外中長期債投資において、生命保険会社の買い越し幅が拡大したことや、投資
信託委託会社等が買い越しに転じたことから、流出(取得)超幅が拡大(-7兆5,891億円
の流出超億円)しました。
一方、証券投資(負債、除く証券貸借取引)に関しては、対内株式投資において、輸送
用機器や銀行業などの幅広い業種で買い越しとなり、流入(取得)超(5兆543億円の流
入超)に転じました。対内中長期債投資において、中長期国債の買い越し幅が拡大したこ
と等により、流入(取得)超幅が拡大(3兆5,821億円の流入超)しました。
(http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/data.h
tm参照)
平成24年度実績評価書
- 320 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-1〕
○参考指標 6-1-12:対外資産負債残高(対GDP比を含む)
主要国の対外資産負債残高(円ベース比較)
対外純資産額
日本
296兆3,150億円(平成24年末)
アメリカ
▲382兆2,258億円(平成24年末)
イギリス
▲74兆2,972億円(平成24年末)
ドイツ
121兆8,960億円(平成24年末)
フランス
▲32兆267億円(平成23年末)
イタリア
▲43兆5,262億円(平成24年末)
カナダ
▲25兆988億円(平成24年末)
中国
150兆2,875億円(平成24年末)
(出所)日本:財務省「本邦対外資産負債残高」
その他:各国政府資料
(注) 日本以外の計数は、各年末のIFSレートで円換算した。
平成24年末現在の対外純資産は296兆3,150億円となり、2年連続で増加しました。(対
前年末比+30兆8,880億円、同比+11.6%)。
これは、海外投資家による本邦への証券投資等が増加する一方、外貨建て資産の為替相
場変動に伴う円評価額の増加等による対外資産の増加が、対外負債の増加を上回ったこと
によるものです。(http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/data.ht
m参照)
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 外国為替市場の安定に向けた取組
今後とも、為替レートの過度の変動や無秩序な動きが、経済及び金融の安定に対して
悪影響を与えるとの認識の下、為替市場を中心とした日常的な国際金融市場のモニタリ
ングや各国の通貨当局との意見交換、緊密な協力等を行う等、必要に応じた為替介入等
を通じ、外国為替相場の安定に向けた取組を行っていきます。特に、グローバルな金融
市場に不安定化のリスクが残る中においては、こうした取組に一層注力していきます。
また、外貨準備に関しては安全性及び流動性に最大限留意しつつ、可能な限り収益性を
追求する運用を行い、為替介入を実施する際に機動的に対応できるようにしていきます。
国際収支統計に関しては、平成26年1月の改正省令の施行に向け、業績指標を設け、見
直し内容の周知徹底を図っていきます。
② 国際金融システムの安定に向けた制度強化に関する国際的な取組への参画
イ 国際金融システムの安定
引き続き、国際金融システムの安定や強固で持続可能かつ均衡ある世界経済の成長
の実現に関して、G20やG7における国際的な取組に積極的に参画していきます。
- 321 -
ロ IMF改革
危機予防・対処の両面からIMFが引き続き重要な役割を果たせるよう、我が国は、
資金基盤の強化、クォータ(出資割当額)の見直し、及び、サーベイランス機能の強
化に関しての議論に積極的に参画していきます。さらに、新しいNABの主要貢献国
として、またIMFとの間の600億ドル相当の融資契約を通じ、我が国はIMFの資
金基盤の拡充・確保を支援していきます。
③ アジアにおける地域金融協力の強化
ASEAN+3財務大臣プロセスでは、平成24年5月のASEAN+3財務大臣・
中央銀行総裁会議(於:マニラ)において、規模の倍増、危機予防機能の導入等を柱と
するチェンマイ・イニシアティブ(CMIM)の強化策に合意したことを受け、現行の
CMIM契約及び実務ガイドラインの必要な改正を進めていきます。
独立した地域経済のサーベイランスユニットであるAMROに関しては、その組織
能力強化策の検討、ADB、IMF、世界銀行、その他の関係国際金融機関との更な
る連携強化、また、AMROの国際機関化に向けた準備を進めていきます。
また、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)では、信用保証・投資ファ
シリティ(CGIF)における第1号の保証案件の組成や、ASEAN+3債券市場フ
ォーラム(ABMF)における、各国のプロ投資家向け社債市場をベースにした、域内
での債券共通発行プログラムの策定等を進めてまいります。
④ 二国間における情報交換・意見交換等
国際的な金融危機による諸課題に対応し、アジア地域の経済回復を確かなものとする
ため、アジア各国当局と緊密に情報交換・意見交換を行います。特に、韓国及び中国と
の定期的な財務対話等を通じて、より率直かつ密接な意見交換を行う他、他のアジア諸
国とも意見交換を行っていきます。
⑤ 資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止策等
イ 国際社会における資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止策等
我が国は、国際社会における資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止等
の促進に向けた様々な作業に、積極的に参加・貢献します。
ロ 我が国としての資金洗浄、テロ資金対策及び大量破壊兵器拡散防止策等
今後とも、各国・関連国際機関等との協力、外為法の実効性の確保、「犯罪による
収益の移転防止に関する法律」の着実な施行、FATF勧告の実施に向けた更なる国
内措置の検討北朝鮮やイラン等に係る資産凍結等の措置等を適切に実施していきます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
平成24年度政策評価結果を踏まえ、国際的な取組への参画及び外国為替資金の運営の
ため、必要な経費の確保に努めます。
平成24年度実績評価書
- 322 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
○
政策目標6-2:開発途上国における安定的な経済社会の発展に資するための資金協力・
知的支援を含む多様な協力の推進
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
自由かつ公正な国際経済社会の実現やその安定的発展に向け、開発途上国における貧困の問題や地
球温暖化をはじめとした地球環境問題等の課題への対応を含む国際的な協力に積極的に取り組むこと
を通じて、世界経済の中で大きな地位を占める我が国が主体的な役割を果たすことが求められていま
す。こうした状況に鑑み、我が国の厳しい財政状況や国民のODAに対する見方も踏まえつつ、開発
途上国における安定的な経済社会の発展に資するための効果的かつ効率的な資金協力等を実施してい
きます。国際協力機構の有償資金協力や国際協力銀行による支援については、開発途上国の経済発展
を支援しつつ、我が国のパッケージ型インフラの海外展開を推進していく観点からも、重点的に取り
組んでいきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第179回国会 総理大臣所信表明演説
第180回国会 総理大臣施政方針演説
第180回国会 財務大臣財政演説
円高への総合的対応策(平成23年10月21日閣議決定)
日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 6-2-2:有償資金協力(国際協力機構)、国際協力銀行業務、国際開発金融機関を
通じた支援
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 6-2-1:ODA等の効率的・戦略的な活用
[平成24年度実施計画]
我が国は、ミレニアム開発目標やODA等に関する様々な国際公約の達成に向けた取組を含め、
安定的な経済社会の発展に資するための国際的な協力を積極的に推進しており、平成22年9月に開
催されたミレニアム開発目標国連首脳会合では、教育及び保健の分野において平成23年からの5年
間で合計85億ドルの支援を行う「菅コミットメント」を発表したところです。一方、我が国の厳し
い財政状況や国民の視点を踏まえると、これまで以上に戦略的実施や開発効果の向上等に努めて行
くことが課題となっており、行政刷新会議や行政事業レビューにおいても、ODAについては一層
の効率化を図ることが求められました。
また、アジアを中心とする旺盛なインフラ需要に応えるべく、日本企業の海外でのビジネス展開
を支援する観点も重要です。こうした点を踏まえ、財務省は、関係省庁間で密接な連携を図りなが
ら、円借款・技術協力・無償資金協力の一体的活用、国際開発金融機関及び諸外国との援助協調の
推進、国別援助計画の策定、ODA評価の充実、NGOや民間企業等との連携、国際協力銀行の機
能強化等を進めてきたところであり、今後も引き続きODA等の効率的・戦略的な活用に取り組ん
でいきます。
[事務運営の報告]
① 有償資金協力、技術協力、無償資金協力の連携による二国間ODAの一層の効率的・
- 323 -
戦略的実施
ミレニアム開発目標の達成等に向け、ODAによる積極的な貢献が求められる一方、
現下の我が国の厳しい財政状況等を踏まえ、二国間ODAの一層の効率的・戦略的実施
が求められています。こうした観点から、我が国は、アジアのみならず中南米やアフリ
カ等へのODAの供与にあたり、国 際 開 発 金 融 機 関 (Multilateral Development
Banks:MDBs)との連携を深めつつ、有償資金協力、技術協力、無償資金協力と
いう3つの援助手法を有機的に活用するため、ベトナム等円借款の主な供与国と経済協
力政策協議を行い、関係省庁間の密接な連携を図るなど、二国間ODAの更なる効率
的・戦略的実施に取り組んできました。
② MDBsと我が国ODA関係機関との政策対話の実施
ODAの効果や効率性を高めるには、国内の関係機関だけではなく、世界銀行、アジ
ア開発銀行(ADB)等のMDBsとの協調が重要です。そうした観点から、特定の国
や地域等をテーマとして、MDBsと我が国ODA関係機関が集まり、政策対話を実施
しました。
<平成24年度に実施された世界銀行、ADBとの主な政策対話の実績>
イ 世界銀行アフリカ局との政策対話(平成25年2月)
参加者:世界銀行、財務省、外務省、国際協力銀行、国際協力機構
議題 :世界銀行の南アジア地域戦略、アフリカにおける民間セクター支援等
ロ 世界銀行東アジア局との政策対話(平成25年2月)
参加者:世界銀行、財務省、外務省、国際協力銀行、国際協力機構
議題 :世界銀行の東アジア地域戦略、東アジア地域における防災の主流化
ハ 世界銀行南アジア局との政策対話(平成25年3月)
参加者:世界銀行、アジア開発銀行、財務省、外務省、国際協力機構
議題 :世界銀行の南アジア地域戦略、世界銀行と日本との協力等
ニ アジア開発銀行とのハイレベル政策対話(平成25年2月)
参加者:アジア開発銀行、財務省、外務省、国際協力銀行、国際協力機構
議題 :アジア開発銀行のアジア・太平洋地域開発への貢献、アジア開発銀行
と日本との協力等
③ NGOや民間企業等との連携
途上国の開発を進めるに当たっては、NGOの果たす役割も重要です。財務省は、N
GOと定期的な協議会の場を設けており、平成24年度は3回開催しました。
途上国の開発を進めるためには、公的セクターだけでなく、開発に寄与する経済活動
を行う民間セクターの関与を促していくことが重要です。
平成24年度実績評価書
- 324 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
重 施
○
策 6-2-2:有償資金協力(国際協力機構)、国際協力銀行業務、国際開発金融機関
を通じた支援
[平成24年度実施計画]
財務省は、有償資金協力や国際協力銀行業務、国際開発金融機関に関する業務を所管する立場か
ら、日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)等にも盛り込まれている当該施策を重点施
策として設定しており、具体的には以下に取り組んでいきます。
① 有償資金協力(国際協力機構)
開発途上国に対して、長期・低利の緩やかな条件で開発資金を融資する円借款は、途上国にと
って必要不可欠な経済インフラの整備や社会開発を推進するために重要な役割を果たしています。
一方、円借款は、返済が求められる有償の資金であることから、債務償還確実性の確保に慎重を
期す必要があります。財務省としては、IMFを始めとする国際金融機関の知見も活用しつつ、
途上国の財政や国際収支の状況を分析するなど、債務の持続可能性に目を配るとともに、世銀を
始めとする国際開発金融機関との連携が図られるように意を用いるなど、援助効果の向上に努め
ており、こうした観点から、相手国政府との協議や、それを受けて策定される国別援助方針、更
には、個々の円借款の案件の形成に参画しています。
平成24年度においては、アジア地域を中心に供与を行っていくとともに、アフリカ開発銀行と
の共同イニシアティブであるEPSA(Enhanced Private Sector Assistance for Africa)を
活用したアフリカ支援を含め、引き続き、国際開発金融機関との連携を深めながら、開発効果の
高い円借款の供与を図っていきます。また、経済・社会情勢の変化に応じて、円借款制度の見直
しを検討していきます。
また、国際協力機構の海外投融資について、「新成長戦略実現2011」を踏まえ、財務省として
も、具体的案件の実施を通じて、①新実施体制の検証・改善、②案件選択ルールの策定を行う
「パイロットアプローチ」の実施に引き続き取り組んでいきます。
② 国際協力銀行業務
国際協力銀行(JBIC)業務については、引き続き、民業補完の原則の下、国策上重要な海
外資源確保、我が国産業の国際競争力の維持・向上、地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目
的とする事業の促進、国際金融秩序の混乱への対処に努めていきます。
平成23年春には、「パッケージ型インフラの海外展開」の支援等、JBICに期待される新た
な役割に対応するため、「株式会社国際協力銀行法」が制定されました。これを受け、平成24年
4月、JBICは日本政策金融公庫から分離して新たな組織となり、業務機能も強化される予定
であるところ、「日本再生の基本戦略」に盛り込まれているパッケージ型インフラ海外展開の拡
充等、我が国企業による海外事業展開がより積極的に行われることが期待されます。
また、円高のメリットを最大限活用して、我が国の産業競争力を伸ばし、国富を増大させるべ
きとの観点から、平成23年8月、外為特会のドル資金をJBICを経由して活用する「円高対応
緊急ファシリティ」を創設しました。これは、海外企業の買収や資源・エネルギーの確保などを
積極的に支援することを目的としており、本ファシリティを通じ、長期的な国富の増大等につな
がるよう、引き続き取り組んでいきます。
この他、JBICは、平成21年に、国際金融市場の混乱のため一時的に外国債の発行が困難と
なった途上国に対する支援として設立したサムライ債発行支援ファシリティについて、平成22年
4月には同ファシリティを発展・強化させ、海外発行体の東京市場への呼び込み・定着、日本の
投資家の投資機会拡大に寄与し、ひいては東京市場の活性化をはかる新規サムライ債発行支援フ
ァシリティを設立しました。これまで、インドネシア、フィリピン、コロンビア、メキシコ、パ
ナマ、インド(輸出入銀行)、トルコ、ウルグアイといった途上国政府が同ファシリティを活用
してサムライ債を発行しました。引き続き、途上国政府等のサムライ債発行支援を推進し、我が
国のサムライ債市場の活性化等に貢献します。
③ 国際開発金融機関等
世界銀行、アジア開発銀行等の国際開発金融機関(Multilateral Development Banks: MDB
s)は開発援助における豊富な経験を有し、最先端の専門的知識を持った人材を数多く有すると
共に、その広範な情報網を活用し現地の支援ニーズを的確に把握することにより、効果的な援助
を行うことができるなどの長所があります。また、貧困削減や成長といった中核的役割を引き続
き担うことに加え、世界経済・金融危機のような緊急課題や、気候変動、食糧安全保障などグロ
ーバルな課題への対応が求められる中、MDBsの重要性はますます高まっています。
財務省はこのようなMDBsの長所や重要性を十分認識し、世界経済・金融危機対応において、
G20諸国との協調により、MDBsの融資等の拡大を通じて途上国や世界の貧困層が蒙る危機の
- 325 -
影響を軽減させ、世界銀行グループ所属機関(国際復興開発銀行、国際金融公社、国際開発協
会)を始めとするMDBsの改革や増資に合意するなど、その活動に積極的に関与・貢献してお
ります。MDBsの増資に必要な国内措置として、世界銀行グループについては加盟措置法の改
正案が平成23年3月に国会で可決され、各機関について所要の予算措置を講じて対応をしていま
す。また、平成24年10月に東京において開催されるIMF・世界銀行年次総会において、積極的
に知的貢献を行います。さらに、平成23年9月に開始された、アジアの最貧国向けの無償支援や
長期で低金利の融資を行う基金であるアジア開発基金(ADF)の第11次交渉の議論に積極的に
参加し、アジア地域の発展に貢献して参ります。
今後も、MDBsの主要出資国として、業務運営に積極的に参画し、我が国のODA政策・開
発理念をMDBsの政策に反映させ、また、引き続き、我が国の開発援助にMDBsの専門的知
見や人材を活用することで、我が国支援の効果・効率を増大させていきます。さらに、各機関相
互や他の援助主体との間の協調・連携の推進、重点分野の明確化、結果を重視した援助の取組、
援助効果の評価の推進、日本人スタッフの増加を含むスタッフの多様性確保を図ることにより、
支援の効率性・有効性を高めるMDBsの取組を積極的に支援していきます。以上の取組を推進
していく観点から、開発問題研究会を開催し、我が国の援助政策に実務家等の幅広い知見を取り
入れ開発援助政策の立案に活かすとともに、政策協議の場を活用し、MDBsとの意見交換・議
論を活発に行っていきます。
また、MDBsを通じた開発援助について、広く一般に紹介していきます。
④ 地球環境保全・改善に向けた開発途上国の取組支援
平成21年12月に開催された気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)で取りまとめられ
た「コペンハーゲン合意」を踏まえ、我が国は、平成24年までの約3年間に、官民合計で1兆
7,500億円規模の支援を実施すること等を内容とする「鳩山イニシアティブ」を着実に実施して
いるところです。特に、財務省は、気候変動対策円借款やJBICを通じて、開発途上国の気候
変動対策を積極的に支援しています。
平成23年11月から12月にかけて開催された気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)で
は、温室効果ガスの排出量削減に関する将来の枠組みについて検討を行う「強化された行動のた
めのダーバン・プラットフォーム特別作業部会」を立ち上げ、新たな枠組みへの合意を形成する
道筋がつけられました。こうした中、平成22年11月から12月にかけて開催された気候変動枠組条
約第16回締約国会議(COP16)で設立が決定した緑の気候基金(Green Climate Fund:GC
F)に関して、GCFの基本設計文書が合意され、今後理事会を立ち上げGCFの詳細設計につ
いて議論することが決定されました。
また、我が国は、世界銀行の信託基金である地球環境ファシリティ(Global Environment
Facility:GEF)及び気候投資基金(Climate Investment Funds:CIF)においても主要な
拠出国となっています。我が国としては、これらの気候変動対策の議論に、引き続き積極的に参
画していきます。
[事務運営の報告]
① 有償資金協力(国際協力機構)、国際協力銀行業務
開発途上国に対して、ODA資金として、長期・低利の固定金利により、開発に要
する資金を提供する円借款に関しては、無償資金協力・技術協力と共に、独立行政法人
国際協力機構(JICA)の下において、一元的に実施されており、援助効果の促進に
努めています。また、国際協力銀行(JBIC)業務に関しては、民業補完の原則の下、
我が国にとって重要な資源の海外における開発・取得の促進や我が国の産業の国際競争
力の維持及び向上、地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする事業の促進、国
際金融秩序の混乱への対処に努めているところです。
イ 円借款業務
平成24年度の円借款業務は、アジア地域を中心に、全体で1兆2,265億円の円借款
供与を決定しました。円借款供与は、日本経済再生に向けた緊急経済対策等の趣旨も
踏まえ、我が国の優れた技術を活用した形で、アジアを始めとする開発途上国の経済
開発等を支援できるよう意を用いました。
平成24年度実績評価書
- 326 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
(a)アジア地域
平成24年度は、円借款供与総額の約86%がアジア地域に対するものでした。主な供
与国は、インド、ベトナム、ミャンマー、及びバングラデシュでした。円借款支援と
して、以下のような支援協力を行いました。
(ⅰ)ベトナム支援
平成25年1月16日、日越首脳会談において、我が国は、ベトナムへの最大の援
助国として、ベトナムの経済社会発展を引き続き支援し、総額約466億円の円借
款の供与を表明しました。平成24年度全体では、12件総額約2,029億円の円借款
供与を決定しました。なお、ベトナムに対しては、インフラ案件のみならず、日
系企業のベトナムでの活動に資する支援を行っており、平成24年度からは、世界
銀行と協調融資で投資環境整備や同国のマクロ経済状況改善に資する金融セクタ
ー改革や国営企業改革に焦点を当てた新たなプログラムローン(経済運営・競争
力強化借款(EMCC
: Economic Management and Competitiveness
Credit))を開始しています。
(ⅱ)ミャンマー支援
ミャンマーが民政移管以降、民主化・国民和解・経済改革を急ピッチ進めてきてい
ることを踏まえ、我が国は、平成24年4月、日ミャンマー首脳会談で、延滞債務問題
を包括的に解決する道筋に関して合意し、同年10月には、ミャンマーに関する東京会
合を主催して国際社会の議論をリードしてきました。その結果、平成25年1月、ブリ
ッジローンを活用した返済や債務免除等により、ミャンマーの世銀・ADB及び円借
款に対する延滞債務が解消され、同年3月には、本格支援の第一弾として、510.5億円
の円借款による支援にコミットしました。同月には、1月に供与したプログラム・ロ
ーン(円借款)に関する第1回日・ミャンマー政府間モニタリング会合を開催し、ミ
ャンマーが取り組む政策課題の実施状況に関して意見交換を行いました。
(b)MDBsとの協調融資
我が国は、世界銀行やアフリカ開発銀行等のMDBsとの協調融資を行っており、
民間セクター開発等の分野へ支援を行っています。
(ⅰ)EPSAイニシアティブ
アフリカにおける民間主導の経済成長を実現することを目的として、我が国が
アフリカ開発銀行との共同イニシアティブとして発表した、EPSA(エプサ:
Enhanced Private Sector Assistance for Africa)の枠組みの下、平成24年度は
ザンビア・ボツワナに対する円借款(約116億円)を供与しました。
また、これまでの実績を踏まえ、平成24年5月のG8キャンプ・デービット・
サミットに際して、新たに5年間で10億ドルの円借款供与を表明し、その際、J
ICA調達規則の適用拡大や協調融資案件に係る監理手数料の半減等に関して、
- 327 -
アフリカ開発銀行と合意しました。
(ⅱ)IDB協調融資スキーム(CORE)
我が国は、中南米における気候変動対策の促進のため、米州開発銀行(ID
B)との間で省エネルギー・再生可能エネルギー分野に関して協調融資を行う枠
組 C O R E ( コ ア : Cofinancing for Renewable Energy and Energy
Efficiency)の下、平成25年3月、第一号案件として、コスタリカのグアナカス
テ地熱開発に対して約560億円の円借款供与を決定しました。
今後も引き続き、この枠組みに基づく具体的な案件の組成を図っていきます。
○参考指標 6-2-1:円借款実施状況
円借款実績の推移
(単位:億円、件数)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
金 額
8,443
9,797
4,716
10,622
12,265
件 数
52
62
34
68
53
(出所)国際局開発政策課(参事官室)調
(注) 数字はE/Nベース(債務救済を含まない)。
円借款実施状況(地域別)の推移
平成 20 年度
金額
アジア
(金額単位:億円、シェア:%)
21 年度
シェア
金額
22 年度
シェア
金額
23 年度
シェア
金額
24 年度
シェア
金額
シェア
6,632
78.5
6,606
67.4
3,110
65.9
8,478
79.8 10,548
86.0
3,045
36.1
3,408
34.8
2,052
43.5
4,345
40.9
4,791
39.1
中央アジア・コーカサス
433
5.1
177
1.8
338
7.2
181
1.7
-
-
中東・北アフリカ
604
7.2
1,552
15.8
421
8.9
943
8.9
901
7.3
サブサハラ
442
5.2
534
5.5
508
10.8
161
1.5
472
3.8
中南米
221
2.6
299
3.1
339
7.2
576
5.4
211
1.7
大洋州
-
-
83
0.8
-
-
-
-
133
1.1
欧州
111
1.3
545
5.6
-
-
283
2.7
-
-
合計
8,443
100.0
9,797
100.0
4,716
100.0 12,265
100.0
ASEAN
100.0 10,622
(出所)国際局開発政策課(参事官室)調
(注1)数字はE/Nベース(債務救済を含まない)。
(注2)地域分類は外務省による。
(注3)アフリカ開発銀行はサブサハラに分類。
ロ JICA海外投融資業務
JICAの海外投融資に関して、具体的案件の実施を通じて新実施体制の検証・改善
と案件選択ルールの詰めを行う「パイロットアプローチ」の下、具体的な案件審査と制
度設計等に取り組んできたことを踏まえ、平成24年10月に本格再開を決定しました。
平成24年度実績評価書
- 328 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
ハ JBIC業務
平成24年度のJBIC出融資および保証の承諾額合計は4兆2,410億円で、対前年
度比で2兆6,450億円(166%)増加しています。このうち、出融資承諾額は3兆
9,377億円で、対前年度比で2兆5,704億円(188%)増加しています。また、保証承
諾額は3,033億円で、前年度比で747億円(33%)増加しています。地域別出融資承諾
額では豪州・大洋州向けが最も多く全体の26%を占めています。
なお、外為特会の外貨資金をJBICを経由して活用する「円高対応緊急ファシリ
ティ」は、日本企業による海外企業の買収や資源・エネルギーの確保等を促進し、長
期的な国富の増大等を図るものであり、ファシリティ創設からの実績は64件、約4兆
円となっています。
また、メキシコ、カタール、インドネシア、チュニジアの各政府等が日本市場で円
建ての国債、いわゆるサムライ債を発行する際、これを円滑に行えるようJBICが
支援を行い、平成24年度のJBICによる保証・一部取得を通じたサムライ債の発行
額は2,500億円となりました。
ニ JBICの機能強化
平成24年4月、JBICは日本政策金融公庫から分離して新たな組織となり、今後の
経済成長の大きな柱である我が国企業による海外展開を積極的に支援すべく機能強化さ
れました。これを受け、平成24年度は円高対応緊急ファシリティのM&A案件などを積
極的に支援すると共に、リスクマネー供給のため「海外展開支援出資ファシリティ」を
創設しました(出資規模2,000億円)。なお、円高対応緊急ファシリティは3月末に期限
を迎えましたが、これを「海外展開支援融資ファシリティ」に発展的に改編し、4月以
降も日本企業の海外展開支援を更に拡充することとしました。
○参考指標 6-2-2:JBICによる出融資等実施状況(国際協力銀行業務)
出融資および保証承諾状況
(承諾ベース、単位:億円、件数)
平成20年度
件数
融 資
金額
183 20,853
21年度
件数
22年度
金額
件数
194 26,441
23年度
金額
件数
24年度
金額
104 11.079
130 13.658
件数
金額
213 38.634
輸出金融
24
277
46
979
35 1,512
40 2,079
40
1,267
輸入金融
2
155
1
82
1 1,695
3 1,726
4
3,043
149 18,166
134 21,937
60 7,103
84 9,620
8 2,255
13 3,443
8
3
保 証
30 5,230
22 7,080
出 資
5
5
投資金融
事業開発等金
融等
合 計
857
218 26,940
130
221 33,651
(出所)国際協力銀行調
(注) 四捨五入の関係上、端数が一致しないことがある。
- 329 -
768
157 31,386
232
12
2,938
26 6,382
15 2,286
21
3,033
3
1
8
744
198
133 17,659
15
146 15,959
242 42,410
地域別出融資承諾状況
アジア
(東南アジア)
大洋州
中央アジア
ヨーロッパ
中 東
アフリカ
北 米
中南米
国際機関等
その他
合
計
平成20年度
3,412
(2,693)
2,561
‐
6,016
2,101
965
2,158
2,695
1,802
21,709
(承諾ベース、単位:億円)
21年度
5,365
(4,320)
1,754
1,009
4,804
1,027
258
2,884
2,628
92
6,751
26,572
22年度
1,041
(538)
84
‐
625
2,102
664
746
1,846
149
4,020
11,277
23年度
2,561
(2,174)
1,705
2,167
1,400
33
495
3,578
94
1,639
13,673
24年度
3,904
(3,259)
10,057
335
6,606
2,165
594
6,596
7,576
1,543
39,377
(出所)国際協力銀行調
(注) 四捨五入の関係上、端数が一致しないことがある。
地域別保証承諾状況
アジア
(東南アジア)
大洋州
中央アジア
ヨーロッパ
中 東
アフリカ
北 米
中南米
国際機関等
その他
合
計
平成20年度
849
(758)
47
170
2,156
2,008
5,230
(承諾ベース、単位:億円)
21年度
2,107
(2,081)
29
380
2,076
2,488
7,080
22年度
1,175
(912)
1,958
739
2,416
94
6,382
23年度
138
(49)
900
641
577
29
2,286
24年度
897
(818)
895
250
512
479
3,033
(出所)国際協力銀行調
(注) 四捨五入の関係上、端数が一致しないことがある。
② MDBsを通じた支援
イ MDBsとの協調・連携
平成24年度においては、10月に東京で開催されたIMF・世界銀行年次総会の機会
を捉え、仙台において、世銀と共に「防災と開発に関する仙台会合」を開催し、開発
を進めるにあたって、防災対策が重要であることを確認しました。例えば、大規模な
自然災害が発生すれば、事前に対策を講ずる余裕のない貧困層に偏った形で被害が生
ずる惧れがあります。また、一旦、大規模な自然災害が発生すれば、長年にわたる開
発の努力が水泡に帰し、貴い人命が多数失われることにもなりかねません。加えて、
自然災害が発生してから復旧を行うよりは、あらかじめ被害の程度を抑制・緩和する
ための方策(防災対策)を講じた方がトータルとしてのコストが小さいことが強調さ
れました。こうした点は仙台ステートメントや世銀・IMF合同開発委員会のコミュ
平成24年度実績評価書
- 330 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
ニケにも盛り込まれています。
また、平成24年10月、アフリカ開発銀行は、アジア代表事務所を東京に開設しまし
た。本事務所は、今後、我が国とアフリカ開発銀行との協力関係のさらなる発展に加
え、アフリカとアジアの架け橋として大きな役割を果たすことを期待されています。
このほか、MDBsパンフレットの作成等を通じ、これらの機関を通じた開発援助に
関して、広く一般に紹介するように努めました。
(http://www.mof.go.jp/international_policy/publication/mdbs2013/index.html)
◎業績指標 6-2-1:MDBsとの政策協議・開発問題研究会の開催回数 (単位:回)
平成20年度
開催回数
21年度
42
22年度
43
23年度
44
45
24年度
目標値
実績値
45以上
45
(出所)国際局開発機関課調
(注1)総会及びそれに準じる規模の会合その他の課長レベル以上が対応する政策協議(個別面会を除く)及び、
開発問題研究会の回数。
(注2)開発問題研究会は、我が国の援助政策に実務家等の幅広い知見を取り入れ、開発援助政策の立案に活か
すことを目的として、MDBs職員(幹部含む)等、開発分野の専門的知見・経験を有する者と財務省職
員(課長以上含む)との間で意見交換・議論を行うもの。
○参考指標6-2-3:MDBsに対する主要国の出資
世界銀行グループ
国際復興開発銀行
(IBRD)
日
7.2%
(順位)
(第2位)
米
16.7
独
4.2
英
3.9
仏
3.9
国際開発協会
(IDA)
18.9%
(第2位)
20.7
10.7
11.2
7.0
国際金融公社 多数国間投資保証機関
(IFC)
(MIGA)
6.0%
5.1%
(第2位)
(第2位)
24.0
18.4
5.4
5.1
4.8
4.8
4.8
4.8
アジア開発銀行
通常資本
(OCR)
日
(順位)
米
独
英
仏
アジア開発基金
(ADF)
15.7%
(第1位)
15.7
4.3
2.1
2.3
- 331 -
37.3%
(第1位)
15.5
6.2
4.7
4.6
通常資本
(OC)
5.0%
(第6位)
30.0
1.9
1.0
1.9
日
(順位)
米
独
英
仏
米州開発銀行グループ
米州開発銀行
特別業務基金
多数国間投資資金
(FSO)
(MIF)
6.1%
32.3%
(第2位)
(第2位)
49.6
36.9
2.4
―
1.8
1.3
2.3
0.9
アフリカ開発銀行グループ
アフリカ開発銀行
アフリカ開発基金
(AfDB)
(AfDF)
日
5.5%
10.9%
(順位)
(第3位)
(第2位)
米
6.6
11.6
独
4.1
10.1
英
1.7
8.9
仏
3.8
10.1
米州投資公社
(IIC)
3.5%
(第6位)
23.2
1.9
―
3.1
欧州復興開発銀行
(EBRD)
日
(順位)
米
独
英
仏
9.0%
(第2位)
7.4
9.0
9.0
9.0
(出所)各機関年次報告書(平成24年4月現在における最新版。但し、国際復興開発銀行(IBRD)を除く)
(注) 国際復興開発銀行(IBRD)の出資シェアに関しては、2011年3月に決定された増資に係る手続きが
各国とも完了した場合の数字。
ロ MDBsに設けた日本信託基金を通じた支援
MDBsは、加盟国からの出資を基に長期の開発資金を供与していますが、そうし
た支援が効果的に実施されるためには、技術協力等を通じて途上国の能力構築を図っ
ていく必要があります。また、貧困層向けのコミュニティ・ベースの支援など革新的な
援助手法の導入に当たっては、途上国の現場で、試行的な取組を行う必要があります。
こうした様々なニーズに応えるための追加的な資金を各国から得るための手法とし
て、MDBsは信託基金を活用してきました。
平成24年度においては、防災対策、アフリカ支援(我が国とアフリカの関係強化の
ために外務省が中心となって、政府全体として、すすめているTICAD(アフリカ
開発会議)の一環として位置付け)等を実施しました。
○参考指標6-2-4:MDBs等に対する拠出金
平成20年度
MDBs
世界銀行グループ
アジア開発銀行
米州開発銀行
アフリカ開発銀行
欧州復興開発銀行
IMF拠出金
合 計
(単位:億円)
192.3
177.7
22年度
215.6
99.5
75.4
11.6
1.4
4.4
41.2
233.4
85.8
69.2
9.4
9.4
3.9
47.4
225.1
111.0
86.9
8.8
2.1
6.9
33.8
249.4
平成24年度実績評価書
- 332 -
21年度
23年度
165.4
24年度
211.7
92.8
79.2
5.6
1.9
0.5
36.6
202.0
130.1
66.0
4.9
1.4
0.3
34.8
246.5
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
(出所)国際局開発機関課調
<平成24年度に承認された日本信託基金のプロジェクト例>
(a)世界銀行
:・政府等への耐震基準等に関する能力強化プロジェクト
(バングラデシュ)
平成24年7月承認(承認額:約300万ドル)
・青少年の社会参加支援プロジェクト(ヨルダン)平成24年11月
承認(承認額:約300万ドル)
・衛生設備改善支援プロジェクト(ガーナ)
平成24年12月承認(承認額:約300万ドル)
(b)アジア開発銀行:・農業備蓄倉庫の整備及び農業生産・管理能力強化支援(アフガ
ニスタン)
平成24年7月承認(承認額:1,850万ドル)
・人工衛星を活用した農業データの収集・分析支援(リージョナ
ル)
平成24年11月承認(承認額:200万ドル)
・送配電網整備に向けた調査(ミャンマー)
平成25年1月承認(承認額:150万ドル)
③ 地球環境保全・改善に向けた開発途上国の取組支援
我が国は、開発途上国における環境の保全・改善のため、二国間・多国間の協力を進
めています。二国間の取組としてインドネシアやベトナムなどの気候変動対策に積極的
に取り組んでいる途上国に対して、JICAを通じて気候変動対策円借款の供与を行っ
ている他、JBICを活用して、途上国で省エネ設備の導入等環境保全効果を有する事
業に必要な資金を民間金融機関や国際機関と協調して融資するといった環境投資を積極
的に支援しました。
多国間の取組としては、気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)で基本設計
文書に合意した緑の気候基金(GCF:Green Climate Fund)の理事会が平成24年8月
より始まり、我が国は理事として基金の制度設計等の議論に積極的に参加しました。ま
た、世界銀行の信託基金である地球環境ファシリティ(GEF)及び気候投資基金(C
IF)を通じた支援にも取り組んでいます。GEFは、生物多様性、気候変動等の地球
環境分野において途上国の取組を支援することを目的に、CIFは途上国の気候変動対
策支援を目的にそれぞれ設立された多国間資金メカニズムです。我が国は、これらの基
金の主要な拠出国として、運営の改革・改善やプロジェクトの進捗の議論に積極的に参
画しました。なお、GEFに関しては、平成24年8月、石井菜穂子元副財務官がCEO
に就任しました。
その他、島嶼国(ドミニカ国等)の気候変動対策支援等にも取り組みました。
- 333 -
施
策 6-2-3:債務問題への取組
[平成24年度実施計画]
我が国は、債務問題に直面した開発途上国政府に対し、パリクラブ(主要債権国会合)合意に基
づき、適切に公的債権の繰り延べや削減を行っています。とりわけ、重債務貧困国(Heavily
Indebted Poor Countries:HIPCs)に対しては、「拡大HIPCイニシアティブ」に基づく
債務救済を通じて、その貧困削減への取組に大きく貢献しており、今後とも、拡大HIPCイニシ
アティブの着実な進捗等、債務問題の解決に向け引き続き取り組みます。
また、IMFや世界銀行は、我が国を含めた全ての債権者やドナーが債務持続性分析の枠組みに
沿った行動をとるよう促しています。財務省としても、債務持続性を脆弱なものとする非譲許的借
入などの途上国が直面する債務に関する諸問題について、IMF、世界銀行やパリクラブ等の国際
的枠組における議論に積極的に参加していきます。
[事務運営の報告]
① パリクラブ債務救済の実績
平成24年度においては、5件の合意が成立しました。
(参考)平成24年度のパリクラブ合意
年月
国名
平成24年5月
セントクリストフ
ァー・ネーヴィス
パリクラブ合意内容
我が国の対応
クラシックターム
対象債権なし
24年6月
コートジボワール
ケルンターム
二国間合意文書締結済
24年10月
ギニア
ケルンターム
二国間合意文書締結準備中
25年1月
ミャンマー
アドホック
二国間合意文書締結済
25年2月
コモロ
ケルンターム
対象債権なし
② 拡大HIPCイニシアティブ
過剰な対外債務を負ったままでは、途上国の経済開発を持続的に進めることはできま
せん。こうした観点に立ち、国際社会全体として、拡大HIPCイニシアティブを推進
しています。これは、HIPCsがIMFの経済構造改革プログラムの実施や、「貧困
削減戦略ペーパー」(Poverty Reduction Strategy Paper:PRSP)の作成等に取り
組むことを条件に、大幅な債務削減を実施するものです。
我が国は、他のG7諸国とともに、拡大HIPCイニシアティブを超えた自発的な措
置として、完了時点(注)に到達したHIPCsの債務を全額放棄しています。現在、
完了時点到達国は全体で35か国となっています。
(注)完了時点(Completion Point :CP)とは、拡大HIPCイニシアティブの適用対象国が、
世銀・IMF理事会において、上記プログラムの着実な実施や貧困削減戦略ペーパーの完成
などの条件を満たしたと承認される時点のことです。
平成24年度実績評価書
- 334 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
施
策 6-2-4:知的支援
[平成24年度実施計画]
開発途上国が持続的な経済発展を進めるためには、財政金融分野等における適切な制度の構築が
必要です。また、開発途上国と我が国が貿易投資等の経済関係や、密輸阻止及びテロ防止等の協力
関係を深める前提として、相手国当局の能力強化が重要です。
この観点から、これまでの取組を踏まえつつ、開発途上国の政策担当者等を対象にした日本の経
済財政政策等についての研修・セミナー、開発途上国が抱える政策課題等についてのワークショッ
プ等の研究交流、さらに開発途上国の財政・税制・金融等についての研究調査・セミナー等を行い、
我が国の経験に裏打ちされた知識やノウハウを提供することで、開発途上国における政策立案・実
施能力の向上等を目的とした人材育成支援を中心とする国際協力に積極的に取り組んでいきます。
また、開発途上国の税関当局に対しても、WCO(世界税関機構)等の国際機関や、APEC
(アジア太平洋経済協力)、ASEM(アジア欧州会合)等の地域協力の枠組み及び二国間の取組
等を通じ、税関分野の制度構築・整備、執行改善・能力強化を支援し、我が国との貿易投資等の経
済関係及び水際取締りに関する協力関係の強化に取り組んでいきます。特に、開発途上国の税関に
おける知的財産侵害物品の水際取締能力の向上を図るため、WCOの枠組みを通じた支援に積極的
に取り組んでいきます。同時にこれまで行った支援の不断の点検と改善を行うことにより、今後実
施する支援が質の高いものとなるよう努めます。
政策実施の効果を客観的・定量的に測定することが可能なものとして、「知的支援に関する研
修・セミナー参加者の満足度」(研修・セミナーを「有意義」以上と回答した者の割合)を、業績
指標として設定しました。また、その目標値について、平成23年度は「70%以上」としていました
が、知的支援の効果・有効性の向上をより一層図っていく観点から、平成24年度の目標値を「80%
以上」に引き上げます。
[事務運営の報告]
開発途上国が発展段階や経済構造に応じて適切な経済社会制度の設計及び運用を行うこ
とは、その国が今後、経済発展を遂げる上で非常に重要です。平成24年度は、経済・社会
開発の担い手となる開発途上国の政策担当者等に対する人材育成を目的とした研修・セミ
ナーや開発途上国に専門的なアドバイスをするための専門家派遣、開発途上国が抱える政
策課題等に関してのワークショップを実施しました。
実施に際しては、相手国政府の現地担当者、在外公館の財政経済担当者及び長期派遣さ
れているJICA専門家等へのヒアリング等を通じて、事前に相手国の要望や現状を的確
に把握するとともに、今後の研修・セミナーの内容の改善を図るため、終了時に参加者と
の協議やアンケートを実施しました。その他、参加者のその後の活動状況や、今後の技術
協力に関する要望等を把握することを目的に、現地へ専門家を派遣した機会に、相手国政
府担当者や過去の研修生との協議を実施しました。
このように、平成24年度は、国際協力・交流の推進に積極的に取り組むとともに、技術
協力の相手先から把握した要望や意見に即した効果的・効率的な支援になるよう取り組み
ました。
平成24年8月には、ミャンマー政府からの要請に基づき、ミャンマー中央銀行と証券取
引法令の策定及び関連する人材育成支援に関する覚書を結び、平成27年(2015年)までの
証券取引所設立に向けた資本市場育成支援を行っています。
開発途上国の税関当局が、関税等の適正・公平な課税、安全・安心な社会の確保、貿易
の円滑化といった使命を果たしていくためには、税関の改革・近代化が非常に重要です。
平成24年度は、税関の改革・近代化に取り組んでいる開発途上国税関当局が抱えるそれぞ
れの課題を把握した上で、支援対象国と支援分野の重点化を図った研修を計画し、本邦受
- 335 -
入研修や専門家派遣を実施しました。支援の分野に関しては、関税評価や知的財産の保護、
輸出入貨物のリスク判定能力等、税関当局として税収の確保や適正な水際取締り、貿易の
円滑化のために必要な技術的分野を重点的に支援する分野とし、特に、知的財産の保護に
関しては、WCOの枠組みを通じ、専門家派遣等に積極的に取り組み、税関当局間の連携
強化等を図りました。
支援対象国に関しては、各国税関当局の改革・近代化を実施する能力に配慮しつつ、
「アジア・カーゴ・ハイウェイ」構想によりASEAN諸国を重点支援地域としました。
平成24年度において開催した研修・セミナーは以下のとおりです。
【財務総合政策研究所による知的支援】
平成24年度の実施状況
財政経済セミナー
中央アジア・コーカ
サス夏期セミナー
ウズベキスタン金融
財政アカデミー支援
ラオス開発銀行支援
(中小企業金融分
野)
ミャンマー資本市場
育成支援
・開発途上国の財政・経済の政策運営の中心となる人材を育成する
ことを目的として、日本と社会・経済的に関係の密接なアジアを
中心とした開発途上国の財務省等の若手幹部候補生を受け入れ、
日本にてセミナーを実施しました。
・大学教授や財務省職員等が講師となって、財政経済全般にわたる
日本の諸政策や経験等に関して講義を実施したほか、グループワ
ーク指導等を行いました。
・中央アジア・コーカサス地域の市場経済移行国に対する人材育成
を目的として、ウズベキスタン金融財政アカデミーの学生のほ
か、アゼルバイジャン、アルメニア、カザフスタン、キルギス、
タジキスタン及びトルクメニスタンの財務省職員等を対象に、日
本にてセミナーを実施しました。
・大学教授や財務省職員等が講師となって、財政経済全般にわたる
日本の諸政策や経験等に関して講義を実施したほか、ポリシーペ
ーパー指導等を行いました。
・ウズベキスタン政府により、財政等の専門家育成を目的に設立さ
れたウズベキスタン金融財政アカデミーから、人材育成を目的と
して、同アカデミーの学生を中央アジア・コーカサス夏期セミナ
ー(上述)へ招へいしました。
・同アカデミーでの英語による講義及び修士論文の口頭試問への参
加等のため、現地(タシケント)へ専門家を派遣しました。
・ラオス開発銀行との中小企業金融分野に関する技術協力プロジェ
クトである「人材育成と融資業務の改善」に関して、平成23年6
月に締結した技術協力に関する覚書に基づき、日本招へい研修や
現地セミナーを実施し、信用調査及び債権管理手法に関して講義
を行いました。
・平成24年8月、ミャンマー中央銀行と資本市場育成支援に関する
覚書を締結しました。同覚書に基づき、日本の証券市場に関する
学識者及び実務家で組織した日本側ワーキンググループによるミ
ャンマー側ワーキンググループの証券取引関係法令の策定への助
言、日本招へい研修を実施しました。
平成24年度実績評価書
- 336 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
【財務省関税局による知的支援】
平成24年度の実施状況
二国間援助経費
受入研修
・ASEAN諸国を中心に、国別研修と専門家派遣
を連動させ支援分野の重点化・絞込みに努め、相
手国の実情により即した受入研修を実施しまし
た。
JICAプログラム ・JICAと協力して、日本の関税行政の全般的な
知識の修得を目的とした税関行政セミナー及び地
域別や国別の研修を実施しました。
WCOプログラム
・WCOに加入している開発途上国の税関当局の中
堅職員に対し、WCO事務局における理論研修及
び我が国における実務研修を実施しました。
・WCO本部及び同アジア・大洋州地域事務所と協
力して、技術的なの能力向上に資する地域セミナ
ー等を実施しました。
二国間援助経費
専門家派遣
・受入研修との連動に努めつつ、東アジアの国及び
南部アフリカに、貿易円滑化、関税分類、関税評
価等の分野の専門家派遣を実施しました。
JICAプログラム ・カンボジア関税消費税局、インドネシア経済担当
調整大臣府、マレ-シア関税局、フィリピン関税
局、ベトナム関税局、ボツワナ歳入庁及びケニア
歳入庁等に加え、新たにミャンマー関税局、タイ
関税局、西アフリカ経済通貨同盟事務局へ長期専
門家を派遣しました。また、各国からの要請に基
づき短期専門家の派遣を実施しました。
WCOプログラム
・WCO本部及び同アジア・大洋州地域事務所と協
力して、関税評価、知的財産の保護等に関する地
域セミナー等を実施し、専門家を派遣しました。
◎業績指標 6-2-2:知的支援に関する研修・セミナー参加者の満足度
研修・セミナーを「有意義」以上と回
答した者の割合
平成22年度
23年度
98.4%
98.0%
(単位:%)
24年度
目標
実績
80%以上
98.6%
(出所)関税局参事官室(国際協力担当)、財務総合政策研究所国際交流室調
(注1)研修・セミナーの参加者を対象に実施するアンケート調査で「非常に有意義」、「有意義」、「普
通」、「あまり有意義ではない」、「有意義ではない」の回答項目の内、研修・セミナーの総合的な評
価に対して「非常に有意義」、「有意義」、と回答した者の割合。なお、アンケート調査の概要に関し
てはP421参照。
(注2)数値(割合)はそれぞれの研修・セミナーのアンケート調査で得られた数値を単純平均したもの。
- 337 -
○参考指標 6-2-5:研修・セミナー等の実施状況(財務総合政策研究所・関税局)
[受入研修・セミナーの実績]
(単位:件、人)
コース数
財務総研
関税局
平成20年度
5
27
21年度
4
41
22年度
2
37
23年度
3
31
24年度
4
27
受入人数
合計
財務総研
関税局
32
58
262
45
42
376
39
38
422
34
38
226
31
62
316
合計
320
418
460
264
378
(出所)財務総合政策研究所、関税局参事官室(国際協力担当)調
[専門家派遣の実績](財務総研分)
平成20年度
21年度
案件数
16
11
48
47
派遣人数
22年度
11
46
(単位:件、人)
23年度
24年度
11
13
45
59
(出所)財務総合政策研究所調
(注) 専門家派遣には現地セミナーを含む。
[専門家派遣及び地域セミナーの実績](関税局分)
専門家派遣
セミナー
平成19年度
76
10
20年度
(単位:人、件)
21年度
66
9
22年度
69
21
23年度
65
8
58
10
(出所)関税局参事官室(国際協力担当)調
(注) 税関、税関研修所、関税中央分析所を含む。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:85,128百万円[23年度予算額:72,111百万円]
平成24年度においては、経済協力に必要な経費として、独立行政法人国際協力機構有償
資金協力部門出資経費、アジア開発銀行等拠出経費、二国間技術援助等経費などの予算措
置を行いました。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成 24 年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)開発途上国に対する資金の流れ
我が国の平成23年における開発途上国に対する資金の流れの総額(平成25年1月公表の
最新値)は、全体として対前年比13,615百万ドル増の61,828百万ドルになりました。我が
国から開発途上国に対する資金の流れのうち、7割は民間資金によって占められており、
途上国の開発を進めるに当たっては、ODAやその他政府資金(OOF)を活用して、基
礎的な経済インフラや制度・政策環境の改善を図ることを通じて、民間投資を促して行く
ことが極めて重要であると考えられます。
なお、平成23年におけるODA実績は、対前年比190百万ドル減の10,831百万ドル、O
平成24年度実績評価書
- 338 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
OF実績は対前年比757百万ドル減の2,905百万ドル、民間資金実績は対前年比14,757百万
ドル増の47,594百万ドルとなりました。
(注)実績は全て支出純額(支出総額から回収額を差し引いたもの)。
○参考指標 6-2-6:開発途上国に対する資金の流れ
開発途上国に対する資金の流れ
(百万ドル)
平成19年
ODA
ODA以外の政府資金(OOF)
民間資金
非営利団体による贈与
総計
20年
21年
22年
23年
7,679
9,601
9,467
11,021
10,831
211
-1,986
8,237
3,662
2,905
21,979
23,738
27,217
32,837
47,594
446
452
533
692
497
30,315
31,805
45,454
48,213
61,828
(出所)外務省資料、財務省資料
( http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/financial_flows_to_developing_countr
ies/index.htm)
(注) DACにおいて現在では開発途上国として分類されない東欧・卒業国、及び欧州復興開発銀行(E
BRD)向けを除く。なお、平成21年からは欧州開発復興銀行(EBRD)向け拠出金の一部を除く。
- 339 -
(参考)平成22年、23年における日本の開発途上国に対する資金の流れ
平成22年 平成23年
無償資金協力
3,464
4,682
技術協力
3,478
3,534
395
-1,624
3,684
4,239
11,021
10,831
-1,039
-622
4,217
3,889
485
-362
3,662
2,905
2,767
1.853
21,650
40,315
7,428
5,844
992
-419
32,837
47,594
692
497
48,213
61,828
贈与
二国間
ODA
政府貸付等
国際機関に対する出資・拠出等
ODA計
輸出信用(1年超)
OOF
直接投資金融等
経済協力総額
国際機関に対する融資等
OOF計
輸出信用(1年超)
直接投資等
民間資金
その他二国間証券投資等
国際機関に対する融資等
民間資金
計
非営利団体による贈与
ネットベース、単位:百万ドル
資金の流れ総計
(出所)外務省資料、財務省資料
(http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/financial_flows_to_developing_countries/index.htm)
(注) DACにおいて現在では開発途上国として分類されない東欧・卒業国、及び欧州復興開発銀行(EBRD)向
け拠出金の一部を除く。
平成24年度実績評価書
- 340 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
(2)MDBs等の活動状況
○参考指標 6-2-7:MDBsの活動状況(日本人幹部職員数等を含む)
世界銀行(セクター別融資承諾額)
(単位:億ドル)
平成20年
21年
22年
23年
24年
農業・漁業・林業
13.6
34.0
26.2
21.3
31.3
教 育
19.3
34.5
49.4
17.3
29.6
エネルギー・鉱業
41.8
62.7
99.3
58.1
50.0
金 融
15.4
42.4
91.4
9.0
17.6
保健・その他の社会サービス
16.1
63.0
67.9
67.1
42.0
産業・貿易
15.4
28.1
12.5
21.7
13.5
情報・通信
0.6
3.3
1.5
6.4
1.6
法務・司法・行政
53.0
94.9
108.3
96.7
87.3
運 輸
48.3
62.6
90.0
86.4
44.5
上下水・治水
23.6
43.6
41.0
46.2
36.1
247.0
469.1
587.5
430.1
353.4
合
計
(出所)世界銀行年次報告書
(注1)世界銀行の年度は、前年7/1~当年6/30。
(注2)国際開発協会分を含む。
アジア開発銀行(セクター別融資承諾額)
農業・天然資源
エネルギー
金 融
産業・貿易
教 育
保健・社会保障
給水・衛生・廃棄物処理
運輸・通信
公共政策
多目的
合
計
平成20年
4.4
24.6
1.2
1.7
1.3
2.1
4.0
27.3
19.5
18.8
104.9
(単位:億ドル)
21年
4.4
21.3
5.1
1.0
0.9
0.9
8.1
23.5
53.1
14.1
132.3
22年
6.1
24.5
12.6
1.0
0.7
1.8
6.1
38.3
8.9
15.5
114.6
23年
8.4
39.4
1.8
0.0
5.4
0.2
11.8
36.0
5.3
17.7
126.1
24年
10.4
26.0
7.8
1.8
2.8
0.7
12.1
36.7
14.4
4.6
117.2
(出所)アジア開発銀行年次報告書等
(注1) アジア開発銀行の年度は、1/1~12/31。
(注2) アジア開発基金分を含む(グラント除く)。
(3)MDBsにおける日本人職員数等
日本人は様々な分野で活動しています。例えば世銀グループの多国間投資保証機関
(MIGA)の長官として、小林いずみ氏(平成25年7月15日付で本田桂子氏が就任予
定)、地球環境ファシリティ(GEF)のCEOとして石井菜穂子氏、アジア開発銀行
(ADB)の総裁として、中尾武彦氏が務めています。
- 341 -
我が国としては、MDBsにおいて、日本人職員が一層活躍することを目指し、各MD
Bsと協力しながら、例えば、採用決定権を持つ採用担当者が参加するリクルートミッシ
ョンの来日を求め、日本国内の採用活動の実施を促すことや、将来の正規職員となるため
に必要な知識・経験を積む機会を提供するプログラムを設けるなど、日本人採用の促進に
積極的に取り組んでいます。
MDBsにおける日本人職員数等
世界銀行
グループ
日本人職員数
アジア 米州開発銀行
開発銀行
グループ
アフリカ
開発銀行
欧州復興
開発銀行
平成23年12月
102
137
17
3
15
24年12月
101
148
5
5
16
7
7
3
1
2
2.1%
14.0%
1.0%
0.6%
1.3%
日本人幹部職員数
(24年12月)
日本人比率
(出所)各機関資料、理事室調べ
(注1) 世界銀行グループに関して、日本人職員数の平成23年12月の行は平成23年6月末現在、日本人職員
数の平成24年12月の行及び日本人幹部職員数は平成24年6月末、日本人比率に関しては、平成24年6月
末現在の数値。
(注2) 日本人幹部職員数は局長以上を指す。
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① ODAの効率的・戦略的な活用
これまでにパッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合で行われた議論等を踏まえつ
つ、関係省庁間で密接な連携を図りながら、MDBs及び諸外国との援助協調の推進、
官民連携やNGOとの連携の促進、国別援助方針の策定等を通じて、財務省が所管する
ODAの一層効率的・戦略的な活用に取り組みます。
② 有償資金協力
円借款業務に関しては、債務の償還確実性を確保するとともに援助効果の向上を図る
観点から、関係省と調整しつつ、相手国政府と協議の上、適切な円借款供与に取り組ん
でいきます。
平成25年度に関しては、アジアを中心とする開発途上国の経済・社会開発に寄与し、
我が国との経済交流を促進すること等を目指して、円借款供与を実施していきます。そ
の際、日本経済再生に向けた緊急経済対策等の趣旨を踏まえ、我が国の優れた技術の活
用が図られるよう、意を用いてまいります。JICAの海外投融資に関しては、その本
格再開が決定したことを踏まえ、財務省としても、開発効果の高い案件を着実に実施す
るとともに、実施体制や案件選択の方法等に関して随時レビューを行い、必要な改善を
行っていきます。
平成24年度実績評価書
- 342 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-2〕
③ 国際協力銀行業務
国際協力銀行(JBIC)業務に関しては、引き続き、民業補完の原則の下、国策上
重要な海外資源確保、我が国産業の国際競争力の維持・向上、地球温暖化の防止等の地
球環境の保全を目的とする事業の促進、国際金融秩序の混乱への対処に取り組んでいき
ます。また、日本経済再生に向けた民間投資を喚起するための成長戦略として重要な柱
の一つである日本企業の海外展開支援として、JBICによる「海外展開支援出資ファ
シリティ」と「海外展開支援融資ファシリティ」を車の両輪として日本企業の海外展開
支援も推進していきます。
④ MDBsを通じた支援
MDBsに関しては、引き続き主要出資国として業務運営に積極的に参画し、我が国
のODA政策・開発理念をMDBsの政策に反映させ、また、我が国の開発援助にMD
Bsの専門的知見や人材を活用することで、我が国支援の効果・効率を増大させていき
ます。さらに、各機関相互や他の援助主体との間の協調・連携の推進、重点分野の明確
化、結果を重視した援助の取組、援助効果の評価の推進等を図ることにより、支援の効
率性・有効性を高めるMDBsの取組を積極的に支援していきます。
また、MDBsを通じた開発援助に関して、広く一般に紹介していきます。
⑤ 地球環境保全・改善に向けた開発途上国の取組み支援
我が国は、気候変動等の地球環境問題が開発途上国に与える問題の重要性を認識し、
引き続き必要な援助を提供することにより開発途上国における地球環境の保全・改善を
支援する観点から、資金に関する国連の気候変動交渉をフォローするとともに、これま
で我が国がこれまで行ってきた二国間・多国間の支援を引き続き実施していきます。具
体的には、我が国が主要な拠出国となっているGEF及びCIFの運営や、COP17で
基本設計文書に合意した緑の気候基金(GCF:Green Climate Fund)の詳細設計に係
る議論に、積極的に参画していきます。
⑥ 債務救済への取組
対外債務支払に係る一時的な流動性不足や、債務持続性の確保が困難な状況に直面し
た途上国に対しては、パリクラブの一員として、途上国の支払能力や今後の債務持続性
の見通しなどを踏まえた適切な債務救済を行うべく、合意形成に向けた議論に積極的に
参加します。
HIPCsに関しては、拡大HIPCイニシアティブに基づく大幅な債務救済を通じ
て、構造改革を実施したHIPCsに対する債務問題の解決を図るとともに、貧困削減
への取組を支援します。
中所得国に関しては、将来にわたる債務返済能力を個別に分析し、各国の状況に見合
った措置を検討するなど債務問題に適切に対処します。
債務国の債務持続性枠組みや拡大HIPCイニシアティブ等債務問題一般に関しては、
世界銀行・IMF等の枠組みでの議論に積極的に参加します。
- 343 -
⑦ 知的支援
研修・セミナー、専門家派遣の実施に当たっては、今後も相手国の要望に即した内容
となるように事前に相手国の政策・実務担当者、在外公館の財政経済担当者及び長期派
遣されているJICA専門家等との意見交換を十分に行うとともに、事後に実施するア
ンケート・意見交換に基づき、内容の見直しに引き続き努めていきます。また、開発途
上国が抱える政策課題等に関してのワークショップ等も行い、我が国の経験に裏打ちさ
れた知識やノウハウの提供に努め、政策立案・実施能力の向上等を目的とした人材育成
支援を中心とする国際協力に積極的に取り組んでいきます。
さらに、効果的な技術協力の実現のために、引き続き、我が国の財政・経済分野の技
術協力関係者間の緊密な連携を行うとともに、IMF、世銀、ADBの現地事務所等、
援助関係機関との現地での緊密な情報交換に努めます。
開発途上国の税関職員に対する技術協力に関しては、日系企業の海外展開支援の観点
と、各国からの支援要望分野及び各国における実施の可能性をそれぞれに勘案した上で、
貿易の円滑化と、税収の確保や適正な水際取締りをバランスよく実施できるような技術
的分野の能力向上を図り、開発途上国税関の改革・近代化の実現を支援することを目的
として研修・セミナー、専門家派遣の実施に取り組んでいきます。また、WCOを通じ、
途上国税関における改革・近代化及び知的財産侵害物品の取締りの能力向上に向けた知
的支援を一層推進します。
(2)平成26年度予算要求等への反映
平成24年度政策評価結果等を踏まえつつ、国際社会の平和と発展に貢献し、これを通
じて我が国の安全と繁栄を確保するとともに、国際公約及び国際的責務を果たすため、平
成26年度予算要求において、必要な経費の確保に努めていきます。
平成24年度実績評価書
- 344 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-3〕
重 政策目標6-3:アジア経済戦略の推進(新成長戦略)
○
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
近年、アジア諸国は、日本企業と共に産業集積を形成し、豊富で勤勉な労働力を背景に力強く、急
速な成長を遂げてきました。アジア各国は、世界的な金融危機にも適切に対応し、今や世界経済の牽
引役として堅調な経済回復をみせています。
アジアでは中間所得者層の成長が著しいこと、また、環境問題や都市化等、我が国が先に直面し、
克服してきた制約要因や課題を抱えながら成長していることは、我が国にとって、大きなビジネス機
会といえます。今日のアジアの著しい成長を更に着実なものとしつつ、アジアの成長を日本の成長に
確実に結実させるためには、我が国がこれまでの経済発展の過程で学んだ多くの経験をアジア諸国と
共有し、我が国がアジアの成長の「架け橋」となるとともに、環境やインフラ分野等で固有の強みを
集結し、総合的かつ戦略的にアジア地域でビジネスを展開する必要があります。また、アジアを基点
として、こうした取組を広く世界に展開して行くことが求められています。このように、我が国がア
ジアの一員としてアジア全体の活力ある発展を促し、アジア市場における取引活動を拡大させ、アジ
アの内需を日本の内需として取り込みつつ、また、こうした取組をアジアを基点として世界に展開し
て行くことにより、我が国自身の大きな成長機会を創出することが重要となっています。財務省とし
ても、新成長戦略の実行加速や強化・再設計を定めた日本再生の基本戦略も踏まえ、下記4.に掲げ
る施策などを関係省庁と連携しつつ、こうした「アジア経済戦略」(新成長戦略)について、重点目
標として引き続き積極的に推進していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第179回国会 総理大臣所信表明演説
第180回国会 総理大臣施政方針演説
第180回国会 財務大臣財政演説
新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)
日本再生の基本戦略(平成23年12月24日閣議決定)
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 6-3-1:アジア経済戦略の推進
4.平成24年度の事務運営の報告
重 施
○
策 6-3-1:アジア経済戦略の推進
[平成24年度実施計画]
① 我が国システムの海外展開の促進
今日のアジアの著しい成長を着実なものとし、アジアの成長を日本の成長に結実させるために
は、我が国が強みを持つ環境やインフラ分野等で、総合的かつ戦略的にアジア地域でビジネスを
展開するとともに、アジアを基点として、こうした取組を、広く世界に展開して行くことが求め
られます。具体的には、鉄道、水、エネルギーなどのインフラ整備支援や、環境共生型都市の開
発支援については、民間の金融機関だけでは対応できないリスクの高いものもあります。日本企
業の海外でのビジネス展開に対しては、これまでも円借款や国際協力銀行業務等を通じて支援を
行ってきたところですが、国際的な競争が激しくなっている分野の案件については、官民あげて
一層取り組む必要があり、財務省は、円借款のSTEP制度(本邦技術活用条件)やJBICの
投資金融などの枠組みを活用して、ファイナンス面から支援していきます。
② アジア債券市場の構築支援(アジア債券市場育成イニシアティブ)とアジアにおける地域金融
- 345 -
協力の推進【施策 6-1-3参照】
成長著しいアジアの途上国は政府・企業ともに資金需要が旺盛です。アジア債券市場育成イニ
シアティブを推進し、アジアの債券市場を整備することは、アジアの成長に向けて、域内の豊富
な貯蓄を域内の投資に活用するための環境を整備するとともに、日系企業が安心して事業活動・
投資を進めるにあたり不可欠なアジアの安定的な成長の実現が図られます。また、資本市場での
調達手段を提供することで、日系企業等の現地通貨建てでの資金調達の円滑化にも貢献します。
このように、アジア経済戦略を推進する観点からも、アジア債券市場育成イニシアティブ(施
策 6-1-3参照)で我が国は主導的な役割を果たしていきます。具体的には、ASEAN+3債券
市場フォーラム(ABMF)では、ASEAN+3域内のクロスボーダー債券取引の活性化に向
けた課題について、官民が一体となり議論を進めており、クロスボーダー債券取引の障害となっ
ている各国の規制、市場慣行に関する情報収集、並びに取引慣行及び決済上のメッセージ・フォ
ーマットの調和化に向けた検討課題を取りまとめた報告書が近日中に公表されることになってい
ます。また、信用保証・投資ファシリティ(CGIF)は、ASEAN+3域内の現地通貨建て
債券に対する保証案件の組成を進めることにより、アジアの債券市場の更なる活性化を図ります。
また、アジア債券市場育成イニシアティブだけでなく、チェンマイ・イニシアティブ等の地域
金融協力を推進していくことは、ひいてはアジア全体の成長の基盤となるものであり、これらに
積極的に取り組んでいきます。
[事務運営の報告]
① アジア経済戦略の推進
アジアを中心とする旺盛なインフラ需要に応えつつ、我が国システムの海外展開の促
進をファイナンス面から支援するため、STEP(本邦技術活用条件)案件の推進を含
む、円借款の一層の積極的な活用に努めました。さらに、円借款に関しては、国際ルー
ルを踏まえつつ日本企業が裨益できる円借款制度の在り方に関して検討を行っています。
国際協力銀行(JBIC)業務に関しては、我が国企業による海外事業展開がより積
極的に行われるよう投資金融などJBICの更なる機能強化に取り組みました。平成24
年度は、円高対応緊急ファシリティを積極的に推進し、ファシリティ創設から64件、約
4兆円の実績を上げると共に、リスクマネー供給のため「海外展開支援出資ファシリテ
ィ」を創設しました。円高対応緊急ファシリティは3月末に期限を迎えましたが、これ
を「海外展開支援融資ファシリティ」に発展的に改編し、4月以降も日本企業の海外展
開支援を更に拡充することとしました。
② アジア債券市場の構築支援(アジア債券市場育成イニシアティブ)とアジアにおける
地域金融協力の推進
アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)の下、信用保証・投資ファシリティ
(CGIF)における保証案件の組成や、ASEAN+3債券市場フォーラム(ABM
F)における、各国のプロ投資家向け社債市場をベースにした、域内での債券共通発行
プログラムの策定等に取り組みました。
また、国際的な金融危機による諸課題に対応し、アジア地域の経済回復を確かなもの
とするため、アジア各国当局と緊密に情報交換・意見交換も行いました。平成23年12月
に日中首脳間で合意された日中金融協力の強化に関しては、平成24年6月、東京市場と
上海市場で円と人民元の直接交換取引が開始されました。さらに、現地通貨建てファイ
ナンスの支援を含むASEAN諸国等との二国間の金融協力強化の検討を開始しました。
平成24年度実績評価書
- 346 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-3〕
○参考指標 6-3-1:アジア債券市場の規模
ASEAN+3(除く日本)の現地通貨建て債券市場の規模
平成9年
14年
22年
(単位:10 億ドル)
24年
対前年比
23年
中国
116
342
3,052
3,392
3,811
+12%
香港
46
68
163
169
178
+5%
韓国
130
486
1,149
1,229
1,471
+20%
インドネシア
5
56
107
110
111
+1%
マレーシア
57
79
247
263
327
+24%
フィリピン
17
27
73
77
100
+30%
シンガポール
24
61
169
189
241
+28%
タイ
10
47
225
225
279
+24%
ベトナム
―
0
16
17
25
+47%
405
1,167
5,200
5,671
6,543
+15%
合計
(出所)ADB“Asian Bonds Online”
(注) 数値は国債及び社債の発行残高の合計
○参考指標 6-3-2:アジア地域における案件に対するJBICの出融資承諾状況(国際協
力銀行業務)
(承諾ベース、単位:億円)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
中国
430
163
135
30
122
韓国
74
289
107
-
-
香港
-
30
-
13
40
台湾
4
-
-
-
64
508
483
243
43
226
-
-
-
-
-
1,225
3,063
138
597
1,338
マレーシア
55
909
13
23
140
ミャンマー
-
-
-
-
833
フィリピン
60
-
-
607
164
シンガポール
589
85
128
61
353
タイ
549
171
131
659
428
ベトナム
215
92
129
227
4
2,693
4,320
538
2,174
3,259
211
559
260
343
419
スリランカ
-
-
-
1
-
モルディブ
-
4
-
-
-
東アジア
計
ブルネイ
インドネシア
東南アジア
計
インド
南アジア
計
211
563
260
344
419
アジア
計
3,412
5,365
1,041
2,561
3,904
- 347 -
(出所)国際協力銀行調
(注) 四捨五入の関係上、端数が一致しないことがある。
○参考指標 6-3-3:アジア地域に対する円借款実施状況
平成 20 年度
21 年度
22 年度
東アジア
(E/N ベース、単位:億円)
23 年度
24 年度
3,045
3,437
2,102
4,414
4,791
1,206
1,139
439
739
155
35
72
-
114
-
630
45
239
-
-
-
-
-
53
-
フィリピン
341
680
508
683
618
ベトナム
832
1,456
866
2,700
2,029
マレーシア
-
-
-
67
-
ミャンマー
-
-
-
-
1,989
モンゴル
-
29
50
16
-
ラオス
-
15
-
42
-
3,587
3,170
1,008
4,065
5,757
2,360
2,182
480
2,898
3,531
350
367
331
495
411
-
-
-
-
151
パキスタン
479
233
197
50
-
バングラデシュ
397
388
-
600
1,664
ブータン
-
-
-
22
-
モルディブ
-
-
-
-
-
6,632
6,606
3,110
8,478
10,548
インドネシア
カンボジア
タイ
東ティモール
南アジア
インド
スリランカ
ネパール
アジア合計
(出所)国際局開発政策課(参事官室)調
(注1)数字はE/Nベース(債務救済を含まない)。
(注2)地域分類は外務省による。
○参考指標 6-1-7:JBICによるサムライ債発行支援の実績(平成24年度)
(P314に掲載)
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成 24 年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
内需を牽引役として、アジア経済は堅調な成長を続けています。IMFでは、平成25年
のアジア途上国の経済成長率も前年比7.2%増(平成24年10月時点予測)と、引き続き堅調
に拡大すると予測しています。
他方で、アジア経済のリスク要因として、欧州債務問題や米国財政問題といった不確実性
平成24年度実績評価書
- 348 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標6-3〕
の残存、中東の地政学リスクを背景としたエネルギー価格の上昇、不安定な資本フローの動
向等が挙げられます。各国政府・中銀はこうしたリスクに関して適切に対処し、アジアの著
しい成長を確固たるものとしていくことが重要です。
(参考)アジア主要国の経済見通し
平成21年
(単位:%)
22年
23年
24 年
25 年
(予測)
(予測)
中国
9.2
10.4
9.2
7.8
8.2
韓国
0.3
6.3
3.6
2.7
3.6
インド
5.9
10.1
6.8
4.9
6.0
インドネシア
4.6
6.2
6.5
6.0
6.3
マレーシア
-1.5
7.2
5.1
4.4
4.7
フィリピン
1.1
7.6
3.9
4.8
4.8
シンガポール
-1.0
14.8
4.9
2.1
2.9
タイ
-2.3
7.8
0.1
5.6
6.0
5.3
6.8
5.9
5.1
5.9
ベトナム
(出所)IMF世界経済見通し(平成 24 年 10 月)
(http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2012/02/pdf/text.pdf)
(注) 平成 24 年、25 年は予測。数値は全て実質。
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
日本企業の海外でのビジネス展開に対しては、これまでも円借款や国際協力銀行業務
等を通じて支援を行ってきたところであり、STEP(本邦技術活用条件)案件の推進を
含め、円借款の一層の積極的な活用やJBICの投資金融などの枠組みを活用したファイ
ナンス面からの支援に努めます。さらに、日本経済再生に向けた民間投資を喚起するため
の成長戦略として重要な柱の一つである日本企業の海外展開支援として、JBICによる
「海外展開支援出資ファシリティ」と「海外展開支援融資ファシリティ」を車の両輪とし
て日本企業の海外展開支援も推進していきます。
また、アジア各国当局と緊密に情報交換・意見交換を行います。日中金融協力の強化
に加え、ASEAN諸国等との二国間の金融協力の強化にも積極的に取り組み、債券市場
の発展支援、日系中堅・中小企業の資金需要やインフラ投資のための中長期資金需要への
対応等、各国におけるニーズに応じて、協力を行っていきます。
- 349 -
- 350 -
財務省が所管する法人及び事業等の適正な管理、運営の確保
○ 政策目標7-1:政府関係金融機関等の適正かつ効率的な運営の確保
・7-1-1:政府関係金融機関等の適正な運営の確保
・7-1-2:政府関係金融機関等の財務の健全性及び適正な業務運営の確保
○ 政策目標8-1:地震再保険事業の健全な運営
・8-1-1:地震保険の普及
・8-1-2:地震保険検査の実施
○ 政策目標9-1:安定的で効率的な国家公務員共済制度等の構築及び管理
・9-1-1:社会保障改革への対応
・9-1-2:諸外国との社会保障協定への対応
・9-1-3:国家公務員共済組合連合会等の適正な運営の確保
○ 政策目標10-1:日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保
○ 政策目標11-1:たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保
・11-1-1:WHOたばこ規制枠組条約に係る国内措置に関する取組
・11-1-2:未成年者喫煙防止に対する取組
・11-1-3:たばこ事業の適切な運営と管理・監督
・11-1-4:塩事業の適切な運営の確保
・11-1-5:塩の需給に関する情報提供
- 351 -
- 352 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標7-1〕
○ 政策目標7-1:政府関係金融機関等の適正かつ効率的な運営の確保
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
政策金融は、金融という資金供給の手法によって、特定の政策目的を達成する政策実現手段であり、
税制、補助金等と同様に財政政策の一環として政策的な資源再配分機能を果たしています。政策金融
の機能が的確に発揮されるためには、その担い手である政府関係金融機関等(注)が適正かつ効率的
に運営されていることが重要です。特に、「東日本大震災からの復興の基本方針」において、「企業
の事業継続のため、企業に対する資金繰り支援等を実施する。」とされたことを受け、政府関係金融
機関等では平成24年度においても引き続き被災企業の資金繰りの円滑化を図っていきます。また、「パ
ッケージ型インフラの海外展開」に関する支援や「円高対応緊急ファシリティ」を活用した重要資源
の海外における開発及び取得の促進等に関する業務を行っている株式会社国際協力銀行については、
平成24年4月より、株式会社日本政策金融公庫から分離して設立されました。今後も、政府関係金融
機関等が経済動向を踏まえつつ、必要なニーズに対し、質・量ともに的確な対応を行うことができる
よう、民業補完の観点から不断の業務の見直しを行います。
また、政府関係金融機関等の財務の健全性及び適正な業務運営を確保するため、主務省として、金
融庁や関係省庁と連携しつつ、効果的、効率的な検査等を行います。
(注) 政府関係金融機関(㈱日本政策金融公庫、㈱国際協力銀行、沖縄振興開発金融公庫)、㈱日本
政策投資銀行、㈱商工組合中央金庫及び政策金融機関類似の金融業務を行う独立行政法人(中小
企業基盤整備機構、情報通信研究機構、農林漁業信用基金、奄美群島進行開発基金、住宅金融支
援機構、国際協力機構)をいう。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 財務大臣財政演説(平成25年2月28日)
円高への総合的対応策(平成23年10月21日閣議決定)
日本再生加速プログラム(平成24年11月30日閣議決定)
日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)
東日本大震災からの復興の基本方針(平成23年7月29日東日本大震災復興対策本部決定、平
成23年8月11日改定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 7-1-1:政府関係金融機関等の適正な運営の確保
[平成24年度実施計画]
政府関係金融機関等は国の政策金融の担い手として、経済・金融情勢等に即応して迅速・的確な
対応を行うことが必要です。
平成23年度においては、平成23年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、
イ 政府関係金融機関等(日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫)が主務大臣
の要請を受け、地震当日(3月11日)から特別相談窓口等を開設、
ロ 日本政策金融公庫では、災害復旧貸付とセーフティネット貸付を一本化するとともに、金利等
の条件を大幅に拡充した「東日本大震災復興特別貸付」(最大で基準金利-1.4%など)を創設、
ハ 東日本大震災に係る被害について、主務大臣が危機対応業務の融資等の対象に追加、
などの措置を講じたところですが、「東日本大震災からの復興の基本方針」において、「震災の
復興過程で事業を再開・継続する企業は、借入依存度を高め、資本が毀損している可能性があるこ
とから、これに対する対応策を講じる。(中略)また、企業の事業継続のため、企業に対する資金
- 353 -
繰り支援等を実施する。」とされたことを受け、平成24年度においても引き続き被災企業の資金繰
りの円滑化を図っていきます。
また、平成23年度においては、急激な円高の進行に対応すべく、「円高への総合的対応策」に基
づき、円高で苦境に陥っている中小企業等への金融支援等の拡充として、①平成23年9月末で期限
切れとなる原則全業種に対するセーフティネット保証の延長・要件緩和による対象拡大、②セーフ
ティネット貸付の金利引下げ(最大0.5%)・設備資金貸付の金利引下げ(0.5%)、③危機対応業
務における日本政策投資銀行等を通じた貸付けの金利引下げ(0.5%)等の措置を講じたところです
が、平成24年度においても引き続き企業の資金繰りの円滑化を図っていきます。
(参考)株式会社国際協力銀行が行う業務については、政策目標6-2(施策6-2-2)で記載。
[事務運営の報告]
(1)東日本大震災への対応として、23年度に引き続き、「東日本大震災からの復興の基本
方針」を受け、日本政策金融公庫の融資制度等について、以下の措置を講じ、被災企業
の資金繰りの円滑化を図っていきました。
① 日本政策金融公庫:「東日本大震災復興特別貸付」の継続、「再挑戦支援資金」の
貸付に係る金利等の引下げの継続、「東日本大震災復興緊急保証」の適用期限の延長
② 指定金融機関:危機対応業務の一環として資本性資金を融資する制度を導入
(2)「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を受けて、日本政策金融公庫の融資制度等に
ついて、金融円滑化法の期限到来(平成25年3月末)を見据えて、以下の措置を講ずる
とともに、こうした国の施策に応じて各政府関係金融機関等が適正に業務を運営するよ
う監督していきました。
① 新たな事業展開や事業再生に取り組む中小企業・小規模事業者に対する資本性資金
の拡充、一時的に業況が悪化している中小企業・小規模事業者に対する経営支援と一
体となったセーフティネット貸付の創設
② 中小企業・小規模事業者の経営改善とあわせた資金繰り支援として、経営力強化保
証を中心とした借換保証の推進
上記の施策を講じた結果、政府関係金融機関等において、新体制へ移行した平成20年10
月から平成25年3月末までに、セーフティネット貸付等を17兆円、中堅・大企業向け危機
対応業務を活用した長期資金貸付等を6兆円実施しました。また、東日本大震災復興特別
貸付が5兆円の実績を上げるとともに、東日本大震災復興緊急保証に係る保険引受額が2
兆円に上りました。さらに、日本政策投資銀行において、イノベーション創出のための基
盤強化に取り組むべく「競争力強化ファンド」が創設されました。
施
策 7-1-2:政府関係金融機関等の財務の健全性及び適正な業務運営の確保
[平成24年度実施計画]
政策金融の機能が的確に発揮され、その政策目的が実現されるためには、政府関係金融機関等に
おいて、財務の健全性及び適正な業務運営が確保されていることが重要です。
そのため、主務大臣において、業務の状況等について報告を求め、また、検査を的確に実施する
ことにより、各機関の財務状況や業務運営の適切性を正確に把握し、必要かつ適切な監督を行うこ
とが重要です。
各機関に対する検査の実施に当たっては、財務の健全性及び透明性の確保を一層推進する観点か
ら、民間金融機関を検査している金融庁のノウハウや専門性を活用するため、平成15年度からリス
ク管理分野に関する検査を金融庁に委任しています。
主務省として、金融庁をはじめ関係省庁と緊密に連携しつつ、
平成24年度実績評価書
- 354 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標7-1〕
① 政策目的の実現及び適正な業務運営の確保という観点から、各機関の法令等遵守態勢に関し、
引き続き効果的・効率的な検査を行うとともに、
② 上記リスク管理分野及び法令等遵守態勢に関する検査結果も踏まえて、各機関の財務の健全性
の確保や業務運営体制の改善に努めていきます。
なお、各機関においても、不良債権などの開示について、リスク管理債権を公表するとともに、
財務諸表等において、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第136号)
に基づく開示債権を公表するなど、その充実に取り組んでおり、引き続き適切な開示に努めること
が重要です。
さらに、政府関係金融機関等に対する検査にあたっては、問題の本質的な改善につながる深度あ
る原因分析・解明に努めるとともに、指摘根拠の明示や改善を求めるべき事項の明確化に努めてい
きます。
[事務運営の報告]
検査については、4機関に対して、関係法令・規程等に基づき、政策目的に沿った適切
な業務運営が行われているかを検証し、構築されたコンプライアンス管理体制が適切に機
能しているかについて重点的に確認した結果、個人情報管理や苦情報告体制をはじめとす
る、顧客保護等管理態勢等の改善につながる指摘を行いました。
さらに、これらの検査結果を踏まえて、検査対象機関に対し検査指摘事項に対する改善
報告を求め、その対応状況を確認するとともに、ヒアリングを実施するなど、指摘事項の
改善を早期に実施できるよう監督を行いました。
なお、政府関係金融機関等の適正な業務運営の確保を図る観点から、危機対応業務に係
る情報の開示について、日本政策金融公庫から指定金融機関へ支払われた補償金の実績等
の開示を新たに行いました。
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:154,690百万円[23年度予算額:1,309,220百万
円]
平成24年度は、政府関係金融機関の運営に必要な経費として、株式会社日本政策金融公
庫補助金、株式会社日本政策金融公庫出資金、危機対応円滑化業務出資金などが計上され
ています。主な減要因は、復興事業に関する経理を明確にする観点から、東日本大震災か
らの復興に係る国の資金の流れの透明性を図り、復興債の償還を適切に管理するため、東
日本大震災復興特別貸付等に係る予算が一般会計財務省所管から東日本大震災復興特別会
計復興庁所管に計上先が変更されたこと等によるものです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成 24 年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
- 355 -
6.目標を巡る外部要因等の動向
政府関係金融機関の業務実績等
○参考指標 7-1-1:政府関係金融機関の出融資計画額(補正後)の推移
(評価意見P59に記載)
○参考指標 7-1-2:政府関係金融機関の融資残高の推移
(新体制移行後)
(新体制移行前)
㈱日本政策金融公庫
平成20年度
(下期末)
21年度
22年度
23年度
24年度
国民生活事業
75,393
74,920
74,702
73,409
72,482
農林水産事業
27,583
27,099
26,320
26,307
中小企業事業
56,394
61,805
64,368
国際協力銀行
72,501
87,738
11,156
‐
沖縄振興開発金融公庫
(単位:億円)
㈱国際協力銀行
19年度
末
20年度
(上期末)
旧国民生活金融公庫
78,606
76,564
26,268
旧農林漁業金融公庫
28,232
28,066
64,397
64,593
旧中小企業金融公庫
62,764
58,015
83,944
81,224
‐
旧国際協力銀行
国際金融等勘定
73,127
69,541
10,677
10,019
9,464
8,940
沖縄振興開発金融公庫
11,671
(通期)
‐
‐
‐
105,852
旧日本政策投資銀行
115,767
113,568
旧公営企業金融公庫
232,300
222,152
(出所)各機関から報告を受けて、大臣官房政策金融課で集計。
(注1)政策金融改革の結果、旧日本政策投資銀行及び旧公営企業金融公庫は、平成20年10月1日にそれぞれ民
営化及び廃止されたため、新体制移行後の指標から除いている。
(注2)旧国際協力銀行の海外経済協力勘定は、(株)日本政策金融公庫へ移行されなかったため、指標から除
いている。
(注3)国際協力銀行については、平成24年4月より㈱日本政策金融公庫から分離され、㈱国際協力銀行が設立
された。
○参考指標 7-1-3:政府関係金融機関の金利の推移
(新体制移行後)
国民生活事業
(単位:%)
(新体制移行前)
H25.3.31
H21.3.31
H22.3.31
H23.3.31
H24.3.31
基準利率
2.15
2.15
2.25
2.15
1.95
特利①~
1.25
1.25
1.35
1.25
1.05
~1.75
~1.75
~1.85
~1.75
~1.55
1.85
1.85
1.75
1.45
1.25
基準利率
旧国民生活金融公庫
H20.3.31
H20.9.30
2.10
2.45
1.25
1.75
~1.75
~2.25
1.75
1.85
2.10
2.15
特利①~③
㈱日本政策金融公庫
③
農業基盤整
農業基盤
農林水産事業
旧農林漁業金融公庫
備
整備
中小企業事業
基準利率
1.75
1.75
1.75
1.65
1.45
特利①~
0.85
0.85
0.85
0.75
0.55
~1.35
~1.35
~1.35
~1.25
~1.05
1.85
1.85
1.87
1.56
‐
基準利率
旧中小企業金融公庫
1.25
1.75
特利①~③
③
国際協力銀行
沖縄振興開発金融公庫
㈱国際協力銀行
輸出
1.55
1.30
1.3
1.05
0.85
~2.60
~2.85
~3.10
~3.00
~2.95
‐
‐
‐
‐
1.39
基準利率
輸出
~1.75
旧国際協力銀行
輸出
2.10
2.10
国際金融等勘定
沖縄振興開発金融公庫
一般金利
旧日本政策投資銀行
1.80
1.85
~2.70
~2.70
-
-
基準利率
政策金利
2.47
2.57
~2.85
~2.95
2.40
2.45
Ⅰ~Ⅲ(注
2)
旧公営企業金融公庫
平成24年度実績評価書
- 356 -
基準利率
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標7-1〕
(参考)財政融資資金貸付金利
(財投金利)
0.60
0.40
0.40
0.30
0.10
~1.90
~2.00
~1.90
~1.70
~1.50
2.25
1.60
1.6
1.35
1.15
(参考)長期プライムレート
(参考)財政融資資金貸付金利
(財投金利)
0.70
0.90
~2.10
~2.10
2.10
2.30
(参考)長期プライムレート
(出所)各機関から報告を受けて、大臣官房政策金融課で集計。
(注1)各機関の金利水準は一例。
(注2)政策金融改革の結果、旧日本政策投資銀行及び旧公営企業金融公庫は、平成20年10月1日にそれぞれ民
営化及び廃止されたため、新体制移行後の指標から除いている。
(注3)旧国際協力銀行の海外経済協力勘定は、(株)日本政策金融公庫へ移行されなかったため、指標から除
いている。
(注4)国際協力銀行については、平成24年4月より㈱日本政策金融公庫から分離され、㈱国際協力銀行が設立
された。
○参考指標 7-1-4:政府関係金融機関の平均貸付期間(新規貸出し)
(新体制移行後)
(新体制移行前)
平成20年度
21年度
(下期)
22年度
23年度
24年度
(参考)
20年度
19年度
(上期)
㈱日本政策金融公庫
国民生活事業
5年7か月
5年7か月
5年 10 か月
6年2か月
6年5か月
旧国民生活金融公庫
5年3か月
5年3か月
(生活衛生分)
7年7か月
7年7か月
7年 10 か月
8年1か月
8年5か月
(生活衛生分)
7年 11 か月
8年1か月
農林水産事業
14 年0か月
14 年0か月
14 年2か月
13 年3か月
旧農林漁業金融公庫
16 年0か月
14 年2か月
中小企業事業
7年0か月
7年0か月
6年 11 か月
6年 11 か月
旧中小企業金融公庫
7年9か月
7年9か月
国際協力銀行
7年8か月
7年8か月
8年6か月
12 年7か月
13 年9か月
15 年1か月
沖縄振興開発金融公庫
13 年5か月
(通期)
旧日本政策投資銀行
9年6か月
-
旧公営企業金融公庫
25 年4か月
25 年5か月
13 年4ヶ月
7年0か月
旧国際協力銀行
‐
国際金融等勘定
沖縄振興開発金融公庫
12 年9か月
12 年 0 か月
13 年0か月
13 年2か月
㈱国際協力銀行
‐
‐
‐
‐
11 年 5 か月
13 年3ヶ月
(出所)各機関から報告を受けて、大臣官房政策金融課で集計。
(注1)貸付金額による加重平均。
(注2)(株)日本政策金融公庫国民生活事業(旧国民生活金融公庫)の計数は普通貸付ベース。
(注3)旧公営企業金融公庫は件数平均と金額平均の平均。
(注4)政策金融改革の結果、旧日本政策投資銀行及び旧公営企業金融公庫は、平成20年10月1日にそれぞれ民
営化及び廃止されたため、新体制移行後の指標から除いている。
(注5)旧国際協力銀行の海外経済協力勘定は、(株)日本政策金融公庫へ移行されなかったため、指標から除
いている。
(注6)国際協力銀行については、平成24年4月より㈱日本政策金融公庫から分離され、㈱国際協力銀行が設立
された。
○参考指標 7-1-5:政府関係金融機関の財務諸表等の主要な計数
(新体制移行後)
(新体制移行前)
・財務諸表等
国民生活事業
(単位:億円)
・行政コスト計算財務書類
平成20年度
21年度
22年度
23年度
旧国民生活金融公庫
18年度
20年度
19年度
(下期)
(上期)
㈱ 日本政策金融公庫
経常収益
873
1,690
1,620
1,633
業務収入①
△ 1,641
△1,658
△830
経常費用
1,063
2,182
2,109
1,850
業務費用②
1,733
1,846
1,261
経常利益
△190
△492
△489
△217
業務費用合計(①+②)=③
92
188
431
特別損益
3
△9
△60
△2
機会費用④
99
83
45
△188
△501
△543
△219
190
271
475
当期純利益
- 357 -
行政コスト (③+④)=⑤
農林水産事業
旧農林漁業金融公庫
経常収益
393
723
733
663
業務収入①
△ 676
△632
△343
経常費用
407
741
721
662
業務費用②
983
953
443
経常利益
△14
△18
12
1
業務費用合計(①+②)=③
307
321
101
特別損益
14
18
△13
△1
71
57
32
当期純利益
-
-
△1
-
378
378
133
中小企業事業
機会費用④
行政コスト (③+④)=⑤
旧中小企業金融公庫
㈱ 日本政策金融公庫
経常収益
1,567
2,857
2,768
3,808
業務収入①
△ 5,089
△ 4,499
△2,176
経常費用
8,169
12,957
11,343
7,091
業務費用②
6,621
9,860
4,705
経常利益
△6,602
△10,100
△8,575
△3,283
業務費用合計(①+②)=③
1,532
5,361
2,529
特別損益
1
△5
△35
△1
237
195
94
△6,601
△10,105
△8,611
△3,284
1,769
5,556
2,623
当期純利益
国際協力銀行
機会費用④
行政コスト (③+④)=⑤
旧国際協力銀行国際金融等勘定
経常収益
977
1,912
1,972
‐
業務収入①
△3,698
△3,654
△1,258
経常費用
778
1,634
1,476
‐
業務費用②
3,002
3,015
1,151
経常利益
199
278
496
‐
業務費用合計(①+②)=③
△695
△639
△107
特別損益
69
54
91
‐
機会費用④
163
126
75
268
332
588
‐
行政コスト (③+④)=⑤
△533
△514
△33
当期純利益
沖縄振興開発金融公庫(行政コスト計算財務書類)
沖縄振興開発金融公庫
業務収入①
△272
△254
△243
△219
業務収入①
△ 323
△ 303
(通期)
業務費用②
260
255
220
218
業務費用②
316
269
(通期)
△12
1
△23
△1
業務費用合計(①+②)=③
△7
△ 34
(通期)
11
11
10
8
機会費用④
13
10
(通期)
△2
11
△14
6
行政コスト (③+④)=⑤
6
△ 24
(通期)
業務費用合計(①+②)=③
機会費用④
行政コスト (③+④)=⑤
㈱国際協力銀行
旧日本政策投資銀行
経常収益
‐
‐
‐
2,017
業務収入①
△ 3,983
△ 3,740
△1,644
経常費用
‐
‐
‐
1,446
業務費用②
3,238
3,209
1,926
経常利益
‐
‐
‐
571
△ 745
△ 531
281
特別損益
‐
‐
‐
△46
265
203
111
当期純利益
‐
‐
‐
525
△ 480
△ 328
393
業務収入①
△ 7,327
△ 6,905
△ 3,121
業務費用②
3,892
3,494
1,624
△ 3,436
△ 3,410
△ 1,498
3
3
3
△3,433
△3,408
△1,495
業務費用合計(①+②)=③
機会費用④
行政コスト (③+④)=⑤
旧公営企業金融公庫
業務費用合計(①+②)=③
機会費用④
行政コスト (③+④)=⑤
(出所)各機関から報告を受けて、大臣官房政策金融課で集計。
平成24年度実績評価書
- 358 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標7-1〕
(注1)行政コスト計算財務書類において△(マイナス)は、国民負担が生じていない状態を表す。
(注2)行政コスト計算財務書類は、平成13年6月の財政制度等審議会の報告書に基づき、特殊法人等について
説明責任の確保と透明性の向上の観点から、最終的に国民負担に帰すべきコストを集約表示するため、企
業会計原則に準拠した形で作成された財務書類。政府関係金融機関は平成12年度決算より作成・公表。
(注3)新体制後の(株)日本政策金融公庫(国民生活事業、農林水産事業、中小企業事業、国際協力銀行)に
ついては、行政コスト計算財務書類を作成していない。
(注4)政策金融改革の結果、旧日本政策投資銀行及び旧公営企業金融公庫は、平成20年10月1日にそれぞれ民
営化及び廃止されたため、新体制移行後の指標から除いている。
(注5)旧国際協力銀行の海外経済協力勘定は、(株)日本政策金融公庫へ移行されなかったため、指標から除
いている。
(注6)国際協力銀行については、平成24年4月より㈱日本政策金融公庫から分離され、㈱国際協力銀行が設立
された。
○参考指標 7-1-6:政府関係金融機関の延滞率の推移(評価意見P59に記載)
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 政府系金融機関等は、国の政策金融の担い手として、経済・金融情勢等に即応して迅
速・的確な対応を行うことが必要であることから、関係省庁等と緊密な連携の下、経済
動向を踏まえつつ、必要なニーズに対し、政府系金融機関が質・量ともに的確な対応を
行うことができるよう、民業補完の観点から不断の業務の見直しを行います。
② 主務省として、リスク管理分野に関する検査を委任している金融庁をはじめ関係省庁
と緊密に連携しつつ、政策目的の実現及び適正な業務運営の確保という観点から、各機
関の法令等遵守態勢に関し、引き続き効果的・効率的な検査を行うとともに、上記リス
ク管理分野及び法令等遵守態勢に関する検査結果も踏まえて、各機関の財務の健全性の
確保や業務運営体制の改善に努めていきます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
政府関係金融機関等の適正かつ効率的な運営が確保されるよう、平成26年度予算要求に
おいて、必要な経費の確保に努めます。
- 359 -
○ 政策目標8-1:地震再保険事業の健全な運営
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
地震再保険事業は、民間の損害保険会社が引き受けた地震保険の責任の一部を政府が再保険するも
ので、地震被害が大きく、損害額が巨額に上る場合、民間の損害保険会社だけでは支払いが困難にな
るので、損害額が一定の額を超過した場合、その超過した部分について、国が再保険金を支払うとい
う仕組みです。地震再保険事業は、地震被害に遭った場合の被災者の生活の安定や生活再建等に寄与
することを政策の目標としています。
この目標を実現するためには、地震再保険事業を適切かつ健全に運営することが重要であることか
ら、保険会社等に対して、地震保険検査を実施するとともに、地震保険の普及活動等を積極的に行う
よう指導・助言等を行っています。
また、平成23年3月に発生した東日本大震災に伴う再保険金支払については、日本地震再保険株式
会社からの請求に基づき概算払を行う等迅速な支払を行いました。平成24年度についても引き続き迅
速な支払に努めます。
2.内閣の基本的な方針との関連
特別会計改革の基本方針(平成24年1月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 8-1-1:地震保険の普及
[平成24年度実施計画]
地震保険の加入促進を目的とした広報活動については、従前、全国の都銀、地銀、第二地銀、信
用金庫及び信用組合に対し、各業態の協会を通じて広報ポスターの掲出を要請していました。しか
し、損害保険業界でも同様に広報宣伝活動を実施しており、効率的・効果的な普及促進の観点から、
平成21年度より、同業界に助言等を行うことにより、一体的に実施することとしました。引き続き
広く国民の目に留まるような積極的な広報活動に努めます。
さらに、平成21年10月にとりまとめた地震保険に関する総合評価において、地震保険の加入促進
のためには、地震発生可能性や地震危険に対する意識と地震保険の必要性の認識、地震保険料の水
準に対する理解が重要であると結論づけました。
このため、平成23年度に引き続き、今後の広報活動や保険会社等における説明についてその充実
を図ることにより、周知啓発を強化していくこととします。
具体的な周知啓発の内容については、例えば、
・ 我が国においては全国どこでも地震発生の可能性があること、
・ 地震、特に巨大地震が起きたときの被害が甚大である地震危険に対する意識を高めること、
・ 地震による被災後の生活再建に大きく寄与するといった地震保険の必要性を認識してもらうこと、
・ ノーロス・ノープロフィットの原則により保険料が通常の損害保険より割安、政府が再保険を行
うことにより低廉な保険料で巨大地震にも対応する制度、地震保険料控除などの税のメリットがあ
ることなど保険料水準に対する理解を得ること
といった様々な工夫を施し、併せて、政策評価・独立行政法人評価委員会が認識した課題への対応
についても検討していきます。
また、平成24年1月24日に閣議決定された「特別会計改革の基本方針」に盛り込まれた特別会計
改革の工程表において、「今回の震災を踏まえ、総支払限度額及び官民保険責任額について早急に
改訂を行うとともに、地震保険の商品性についても検討を行うものとする。」とされたことから、
これらについて検討していきます。
地震再保険事業を適切かつ健全に運営するため、地震保険の普及に努めているところですが、そ
平成24年度実績評価書
- 360 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標8-1〕
の業績指標として地震保険の普及率(世帯数に対する契約件数の割合を表したもの)及び付帯率(新
規に契約された火災保険のうち、地震保険を付帯した割合を表したもの)を設定しており、その推
移は下表のようになっています。普及率については23.7%以上、かつ前年度より上昇させることを
平成24年度の目標とするとともに、付帯率については中期的には50%に近づけることを目指すこと
とし、平成24年度は48.1%以上、かつ前年度より上昇させることを目標とします。
[事務運営の報告]
(1)地震保険制度の見直し
東日本大震災等を踏まえ、関連各分野の有識者をメンバーとして平成24年4月に設置
した「地震保険制度に関するプロジェクトチーム」(以下「PT」)において、地震保
険制度をより良いものとするため、制度の見直しについて幅広く検討が行われ、平成24
年11月に報告書が取りまとめられました。
PTの報告書では、東日本大震災により民間準備金が激減する一方、今後も巨大地震
の発生が懸念される中、地震保険制度の強靭性向上が喫緊の課題とされました。これを
受け、平成25年度予算において、巨大地震による民間準備金の枯渇後、補正予算や政省
令改正等によって民間保険責任の減額を行うまでの間をつなぐ方策として、民間の保険
責任額を民間準備金残高よりも低い水準に設定することで保険金の支払能力に余力(バ
ッファー)を確保するよう、官民保険責任額の改訂を行いました。
(注)官民保険責任額の改訂
(単位:億円)
平成24年度
平成25年度
政
府
57,120
→
59,595
民
間
4,880
→
2,405
(2)地震保険の普及
地震保険の普及率(世帯数に対する契約件数の割合を表したもの)については、前年
度対比で2.0ポイント上昇して28.0%、付帯率(新規に契約された火災保険のうち、地震
保険を付保した割合を表したもの)については、前年度対比で2.5ポイント上昇して
56.2%となり、目標値を達成しました。
また、PTの報告書では、住宅ローン問題(いわゆる「二重債務問題」)とマンショ
ン問題(マンション共用部分の地震保険加入率が低水準)が取り上げられ、金融機関、
損害保険会社及び宅建業者が連携して、住宅ローン債務者やマンション管理組合に対し
て地震保険の加入を促進すべき旨の提言がなされました。
この提言を受け、金融庁と国土交通省に対して、所管する各業界団体へ地震保険の一
層の周知を要請する文書を発出し、平成24年12月、金融庁と国土交通省から、所管する
各業界団体へ地震保険の周知を求める文書が発出されました。
更に、日本損害保険協会においても、全国銀行協会、全国宅地建物取引業協会連合会
等の関係団体に対して説明会を開催したほか、住宅ローンを借りる方やマンションにお
住まいの方への制度周知のポスター、チラシを代理店を通して配布する等、地震保険の
加入促進を行いました。
- 361 -
◎業績指標 8-1-1:地震保険の普及率等の推移
(単位:%、千件、千世帯)
21年度
22年度
普及率(A/B)
22.4
23.0
23.7
契約件数(A)
11,841
12,273
12,747
14,088
15,223
世帯数 (B)
52,877
53,362
53,809
54,171
54,345
45.0
46.5
48.1
53.7
付帯率
23年度
24年度
平成20年度
目標値
23.7%以上かつ
26.0
前年度より上昇
実績値
28.0
48.1%以上かつ
前年度より上昇
56.2
(出所)普及率については日本地震再保険株式会社資料、付帯率については損害保険料率算出機構資料
(注) 普及率については、平成24年度実績値は25年4月における暫定値であり、確定値については、25年8月
頃に日本地震再保険株式会社のホームページ等に公表される予定(http://www.nihonjishin.co.jp/top.h
tml)。なお、平成23年度については確定値に改めたため、従来の数値と異なっている。
付帯率については、平成24年2月から25年1月までの直近1年間における暫定値を記載。また、平成24
年4月から25年3月までの実績値は、25年8月頃に損害保険料率算出機構のホームページ等に公表される
予定(http://www.giroj.or.jp/)。なお、平成23年度については確定値に改めたため、従来の数値と異な
っている。
施
策 8-1-2:地震保険検査の実施
[平成24年度実施計画]
地震保険を取り扱う損害保険会社等に対して実施する地震保険検査については、5社程度を目標
とします。
[事務運営の報告]
政府の再保険事業の健全な運営を確保するため、
「地震保険に関する法律」第9条に国の
地震保険事業を行う損害保険会社に対する検査権限を定めており、これに基づき5社に対し
て検査を実施しました。
平成 24 年度は、東日本大震災に係る損害調査書について
・損害状況を正確に認定しているか
・損害割合の算出過程に誤りはないか
等の視点で検査を行い、保険金支払請求書については、
・罹災日、損害認定日、保険金請求日、保険金請求額に齟齬や誤りが無いか
等の視点で検査を行った結果、損害割合の算出過程における計算間違いや、損害調査書の記
載誤りは見受けられましたが、保険金支払額が変更となる事案はありませんでした。
◎業績指標 8-1-2:地震保険検査先数の推移
平成20年度
21年度
22年度
23年度
検査実施会社数
5
5
5
5
検査対象会社数
31
31
31
30
(単位:社)
24年度
目標値
実績値
5社程度
5
31
(出所)大臣官房政策金融課調
(注)検査対象会社数は、各年度4月現在、日本地震再保険株式会社と地震保険の再保険契約を締結している会
社に日本地震再保険株式会社を加えたものである。(日本地震再保険株式会社調)
平成24年度実績評価書
- 362 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標8-1〕
政策目標に係る予算額:平成24年度地震再保険特別会計予算額:96,543百万円
[23年度予算額:78,348百万円]
当該予算は、「地震保険に関する法律」第3条第1項の規定による再保険契約に基づく
支払再保険金として、民間のみでは対応できない巨大地震発生の際に支払う再保険金及び
地震保険検査等に係る経費です。
平成24年度予算の主な増要因は、再保険金が増加したことによるものであり、これは、
地震保険加入者の増加が見込まれることにより再保険料収入が増加すること等に伴うもの
です。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
(1)東日本大震災を受けての地震保険制度に関する検討
PTにおいて地震保険の商品性の検討を行いました。その他については、施策8-1-1(1)
及び(2)の記載のとおりです。
(2)損害保険業界と連携した広報活動の充実強化等の検討
施策8-1-1(2)の記載のとおりです。
(3)東日本大震災を踏まえた再保険事業の健全な運営の確保を図るための検査の実施
施策8-1-2の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
○参考指標 8-1-1:地震保険制度における政府と民間の責任(危険)準備金残高
(単位:億円)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
政府責任準備金
12,040
12,709
13,428
8,869
N.A
民間危険準備金
9,063
9,693
8,611
3,798
N.A
合 計
21,104
22,402
22,039
12,667
N.A
(出所)政府責任準備金については、「特別会計決算参考書」(第181回国会提出)
(http://www.bb.mof.go.jp/server/2011/dlpdf/DL201178001.pdf)
民間責任準備金については、日本地震再保険株式会社調
(注) 平成24年度の計数は、24年度決算が国会で承認された時点で確定するため、25年度政策評価書に掲載予
定。
○参考指標 8-1-2:過去の地震災害の支払額(元受保険会社の支払額)(単位:百万円)
平成20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
元受保険会社支払額
9,350
5,544
1,033
1,240,601
55,884
(うち政府支払額)
(-)
(-)
(-)
(540,176)
(24,277)
(出所)日本地震再保険株式会社調
- 363 -
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 東日本大震災を受けての地震保険制度に関する検討と普及拡大
PTの報告書では地震保険制度に関し、東日本大震災を受け、強靭性、商品性、保険
料率の諸課題について提言がなされました。強靭性については施策8-1-1(1)に記載し
たとおり、平成25年度予算において既に対応していますが、今後はPTの報告書を踏ま
え、商品性や保険料率に係る課題について、適切に対応していきます。
また東日本大震災以後、地震保険制度に対する国民の関心が高まっていることを踏ま
え、引き続き損害保険業界と連携して地震保険の普及拡大を図っていきます。
② 再保険事業の健全な運営の確保を図るための検査の実施
損害保険会社に対し、契約事務及び支払事務が法令等に基づき適切に処理されている
か地震保険検査を実施し、政府の再保険事業の健全な運営の確保を図ることとします。
(2)平成26年度予算要求等への反映
地震保険制度の普及拡大のために、損害保険業界との一体的な広報活動を着実に推進す
るとともに、検査の費用などの必要な経費の確保に努めます。
平成24年度実績評価書
- 364 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標9-1〕
○ 政策目標9-1:安定的で効率的な国家公務員共済制度等の構築及び管理
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
国家公務員共済組合制度は、国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するととも
に国家公務員の職務の能率的運営に資することを目的とする社会保険制度です。具体的には、被保険
者である組合員(国家公務員)と使用者である国とが所要の保険料を分担拠出し、組合員又はその被
扶養者について所要の給付事由が発生した場合に、所定の保険給付等を行っています。
上記の目的を踏まえ、安定的で効率的な国家公務員共済組合制度の構築及び管理を行っていくこと
が重要であると認識しています。その際、社会保障・税一体改革に盛り込まれた社会保障改革に適切
に対応するとともに、福祉事業を含む全ての事業について、適正な運営を確保することが重要である
と考えています。
(注)国家公務員共済組合の事業内容
(1)短期給付事業
① 保健給付 病気、負傷又は出産に係る給付
② 休業給付 育児、介護等の休業に係る給付
③ 災害給付 災害に係る給付
(2)長期給付事業
① 退職給付 退職に係る給付
② 障害給付 病気やケガによる障害に係る給付
③ 遺族給付 死亡に係る給付
(3)福祉事業
病院、宿泊事業等の経営、臨時支出に対する貸付け、生活必需物資の供給等
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣施政方針演説
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 9-1-1:社会保障改革への対応
[平成24年度実施計画]
社会保障・税一体改革に盛り込まれた社会保障改革の実施に向けて、国家公務員共済組合制度を
所管する立場から、関係各省とも連携を図って、検討を進めていきます。
[事務運営の報告]
社会保障・税一体改革に盛り込まれた被用者年金一元化について、国家公務員共済組合
制度を所管する立場から、厚生労働省、総務省及び文部科学省と連携を図り、
「被用者年金
制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案」を平成24年4月
13日に国会に提出しました(平成24年8月10日成立)
。
また、同法案において検討することとされた共済年金の職域部分廃止後の新たな年金制
度について、総務省及び文部科学省と連携を図り、退職手当と合わせた公務員の退職給付
と民間の退職給付の総額を均衡させ、民間の企業年金に相当する「年金払い退職給付」を
- 365 -
設けることとする「国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職
手当法等の一部を改正する法律案」を平成24年11月2日に国会に提出しました(平成24年
11月16日成立)
。
これら法律案の成立に伴い、施行に向けて事務体制や政省令等の検討を行いました。
施
策 9-1-2:諸外国との社会保障協定への対応
[平成24年度実施計画]
国際的な人的交流の活発化に伴い、日本と諸外国との社会保障制度の二重適用の問題や、互いの
国の年金制度の受給資格期間を満たせず保険料が掛捨てになるという問題を解決するため、日本と
諸外国との間で、二国間の社会保障協定が順次締結されています。この社会保障協定締結の更なる
推進に向けた取り組みに対し、関係各省と連携を図って、適切な対応を行います。
[事務運営の報告]
国際的な人事交流の活発化に伴い、在留邦人が外国滞在期間中に日本国と相手国の年金
制度等に二重加入しなければならない等の問題が生じています。このため、国民年金・厚
生年金制度を所管する厚生労働省及び各共済制度を所管する財務省等において、相手国に
一時派遣される者について、
いずれか一方の国の年金制度にのみ加入することとし、
また、
年金受給に必要な加入期間について、日本国と相手国の加入期間を通算すること等を内容
とする社会保障協定の締結を厚生労働省を中心に進めています。平成24年度においては、
新たにインドとの社会保障協定が署名(平成24年度末現在16ヶ国)されました。
社会保障協定の実施に向け、国家公務員共済組合制度関係政省令の整備のための検討を
行いました。
施
策 9-1-3:国家公務員共済組合連合会等の適正な運営の確保
[平成24年度実施計画]
国家公務員共済年金の支給等の実務を担う国家公務員共済組合連合会等の適正な業務運営を確保
することにより、安定的で効率的な国家公務員共済組合制度等の管理・運営に努めます。
[事務運営の報告]
① 業務運営全般について
国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに国家公務員の
職務の能率的運営に資するために国家公務員共済組合連合会等は設立されており、国家
公務員共済年金の支給等の実務を担っています。国家公務員共済組合連合会等の適正な
業務運営をのため、監査を実施し、事務処理日数を定めた内部規則の遵守徹底を指導す
るなど、安定的で効率的な国家公務員共済組合制度等の整備・管理・運営に努めました。
② 平成23年度実施事業を対象に行われた行政事業レビューについて
国家公務員共済組合連合会等助成費について、平成23年度実施事業を対象に行われた
行政事業レビューにおける指摘を踏まえ、平成25年度予算において、印刷製本費などの
一般事務費や、国家公務員共済組合連合会病院の地域医療における診療体制を整備する
ための経費の効率化を図りました。
平成24年度実績評価書
- 366 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標9-1〕
政策目標に係る予算額:平成24年度予算額:73,499百万円 [23年度予算額:75,035百万円]
「国家公務員共済組合法」等に基づく日本郵政共済組合及び国家公務員共済組合連合会
職員共済組合の基礎年金拠出金等に係る国庫負担、「旧令による共済組合等からの年金受
給者のための特別措置法」に基づく国家公務員共済組合連合会の給付に要する費用等につ
いて予算措置しています。
平成24年度予算の前年度予算に対する主な減要因は、事務費等の効率化により、国家公
務員共済組合連合会に対する補助金が減少したことによるものです。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
① 社会保障改革への対応
施策9-1-1の記載のとおりです。
② 諸外国との社会保障協定への対応
施策9-1-2の記載のとおりです。
③ 国家公務員共済組合連合会等の適正な運営の確保
施策9-1-3の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
近年における国家公務員共済組合の組合員と年金受給権者の状況等は以下のとおりです。
○参考指標 9-1-1:男女別組合員数の年次推移
組合員数
(千人)
(単位:千人、%)
平成19年度末
20年度末
21年度末
22年度末
23年度末
男
845
836
823
826
821
女
213
217
220
229
238
計
1,058
1,053
1,044
1,055
1,059
△1.7
△0.5
△0.9
1.0
1.0
対前年度増減割合(%)
(出所)「国家公務員共済組合事業統計年報」(平成25年3月 主計局給与共済課)
(http://www.mof.go.jp/budget/reference/kk_annual_report/index.htm)
(注) 組合員数は、長期組合員数に継続長期組合員数等を加えた長期適用組合員数。
○参考指標 9-1-2:国家公務員共済年金受給権者数及び年金額の年次推移(単位:千人、百万円)
平成19年度末
受給権者数(千人)
20年度末
21年度末
22年度末
23年度末
1,046
1,094
1,139
1,178
1,210
761
799
836
867
891
年金額(百万円)
1,758,797
1,772,454
1,791,880
1,785,182
1,787,601
うち退職給付
1,352,041
1,353,991
1,363,127
1,346,356
1,343,040
うち退職給付
(出所)「国家公務員共済組合事業統計年報」(平成25年3月 主計局給与共済課)
(http://www.mof.go.jp/budget/reference/kk_annual_report/index.htm)
- 367 -
○参考指標 9-1-3:国家公務員共済年金の保険料率の推移
平成20年度末
21年度末
(単位:千分率)
22年度末
23年度末
24年度末
保険料率
150.25
151.54
155.08
158.62
162.16
適用時期
20年9月~
21年9月~
22年9月~
23年9月~
24年9月~
(出所)「私たちの共済年金」(平成24年8月 国家公務員共済組合連合会年金部)
(http://www.kkr.or.jp/seidokaikaku/21saikeisan.html)
(注) 保険料率は、総報酬ベース。
○参考指標 9-1-4:短期負担金・掛金収入及びこれらの総報酬に対する割合(平均掛金率)
の年度別状況
(単位:百万円)
平成19年度末
標準報酬月額+標準
期末手当等の額
短期負担金及び短期
掛金収入の合計額
標準報酬月額+標準
期末手当等の額に対
する収入割合(‰)
20年度末
21年度末
22年度末
23年度末
7,221,683
7,211,172
7,056,950
6,922,271
6,912,215
445,453
444,654
474,054
468,693
482,864
61.68
61.66
67.18
67.71
69.86
(出所)「国家公務員共済組合事業統計年報」(平成25年3月 主計局給与共済課)
(http://www.mof.go.jp/budget/reference/kk_annual_report/index.htm)
○参考指標 9 1-5:短期収入総額と短期支出総額の比較及び年次推移 (単位:百万円)
平成19年度末
20年度末
21年度末
22年度末
23年度末
短期収入総額
500,170
488,812
521,764
512,345
537,425
短期支出総額
483,531
502,003
507,765
545,701
572,699
(出所)「国家公務員共済組合事業統計年報」(平成25年3月 主計局給与共済課)
(http://www.mof.go.jp/budget/reference/kk_annual_report/index.htm)
○参考指標 9 1-6:社会保障協定の締結に向けた当局間協議新規開始国数
平成20年度
1
新規開始国数
国名
21年度
22年度
3
ルクセンブルク
ブラジル
フィリピン
スイス
23年度
3
スロバキア
オーストリア
インド
24年度
2
トルコ
中国
1
フィンランド
(出所)厚生労働省ホームページを基に、主計局給与共済課で集計
(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/shakaihoshou.html)
○参考指標 9-1-7:社会保障協定の署名国数
平成20年度末
署名国数
国名
21年度末
12
平成10年度
11年度
15年度
16年度
17年度
22年度末
13
ドイツ
イギリス
アメリカ、韓国
フランス、ベルギー
カナダ
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
15
23年度末
24年度末
15
オーストラリア
24年度 インド(※)
オランダ、チェコ
スペイン、イタリア(※)
アイルランド
ブラジル、スイス
(出所)厚生労働省ホームページを基に、主計局給与共済課で集計
(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/shakaihoshou.html)
(注) 署名国数は、社会保障協定を署名した国の総数。(※)は、平成24年度末現在、未発効。
平成24年度実績評価書
- 368 -
16
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標9-1〕
7.今後の政策等に反映すべき事項
(1)企画立案に向けた提言
① 社会保障改革への対応
被用者年金一元化及び年金払い退職給付の施行に向けて、引き続き、事務体制や政省
令等の整備を進めます。
また、「社会保障制度改革推進法」に沿って取り組む社会保障改革について、関係各
省とも連携を図って、検討を進めて行きます。
② 諸外国との社会保障協定への対応
各国との人的交流の促進を図る観点から、引き続き我が国と各国間の社会保障制度の適
用について、国民年金・厚生年金制度を所管する厚生労働省等と協力して調整を行うこと
により、今後、順次締結が予定されている各国との社会保障協定への対応を行います。
③ 国家公務員共済組合連合会等の適正な運営の確保
国家公務員共済年金の支給等の実務を担う国家公務員共済組合連合会等の適正な業務運営を
確保することにより、安定的で効率的な国家公務員共済組合制度等の管理・運営に努めます。
(2)平成26年度予算要求等への反映
安定的で効率的な国家公務員共済制度等の構築及び管理のために必要な経費の確保に努めます。
- 369 -
○ 政策目標10-1:日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
財務省設置法(平成11年法律第95号)には、「日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保に関す
ること」が、財務省の所掌事務として規定されています。
一方、日本銀行法(平成9年法律第89号)第5条第1項には、「日本銀行は、その業務及び財産の
公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない。」、また、同条第
2項には、「この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されな
ければならない。」と規定されています。
こうした法律の規定等を踏まえ、平成24年度においても引き続き、人件費を含む経費の予算の認可、
財務諸表の承認等を通じ、日本銀行の業務及び組織の適正な運営が確保されるように努めます。
2.内閣の基本的な方針との関連
該当なし
3.重点的に進める業績目標・施策
政策目標10-1においては、業績目標・施策は設定していません。
4.平成24年度の事務運営の報告
(1)平成23年度決算に係る財務諸表の承認
日本銀行の決算について、日本銀行法第52条は、「日本銀行は、財産目録及び貸借対照
表については四月から九月まで及び十月から翌年三月までの半期ごとに、損益計算書につ
いてはこれらの半期及び事業年度ごとに作成し、これらの書類(以下「財務諸表」という。)
に関する監事の意見書を添付して、当該半期又は当該事業年度経過後二月以内に、これを
財務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。」と規定しています。
平成23年度決算に係る財務諸表については、平成24年5月に日本銀行から承認申請が提
出され、財務省において、関係法令の規定に則して適正な決算処理がなされていることを
確認する等の審査を行った上で、同月、承認しました。
(2)平成25年度経費の予算の認可
日本銀行の予算について、日本銀行法第51条は、「日本銀行は、毎事業年度、経費(通
貨及び金融の調節に支障を生じさせないものとして政令で定める経費に限る。)に関する
予算(以下「経費の予算」という。)を作成し、当該事業年度開始前に、財務大臣に提出
して、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」
と規定しています。
平成25年度の経費の予算については、
平成25年3月に日本銀行から認可申請が提出され、
財務省において、日本銀行の適正かつ効率的な業務運営の確保の観点から審査を行った上
で、同月、認可しました。
平成25年度経費の予算においては、給与等をはじめとする幅広い科目について削減が行
平成24年度実績評価書
- 370 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標 10-1〕
われた結果、全体で1,812億円(▲47億円、▲2.5%)となっています。
○参考指標 10-1-1:認可対象経費の予算
科
銀行券製造費
国庫国債事務費
給与等
交通通信費
修繕費
一般事務費
固定資産取得費
予備費
合
(単位:百万円、%)
平成23年度 前年度
前年度
前年度
24年度予算
25年度予算
予算
比
比
比
銀行券製造費
49,951 ▲2.0
49,745 ▲0.4
48,161 ▲3.2
国庫国債事務費
19,336 ▲1.0
18,883 ▲2.3
18,087 ▲4.2
役員給与
421 ▲1.6
352 ▲16.2
343 ▲2.5
職員給与
40,580
0.5
40,239 ▲0.8
38,017 ▲5.5
退職手当
9,691 ▲2.0
9,937
2.5
9,761 ▲1.8
小
計
50,692 ▲0.0
50,528 ▲0.3
48,122 ▲4.8
旅費交通費
2,135 ▲2.5
1,995 ▲6.6
1,978 ▲0.8
通信費
3,024 ▲5.0
2,935 ▲2.9
2,924 ▲0.4
小
計
5,159 ▲4.0
4,930 ▲4.4
4,902 ▲0.6
修繕費
2,044 ▲2.5
1,998 ▲2.3
1,997 ▲0.0
消耗品費
1,413 ▲11.3
1,326 ▲6.1
1,281 ▲3.4
光熱水道費
2,078 ▲5.1
2,224
7.1
2,162 ▲2.8
建物機械等賃借料
10,740 ▲7.8
11,048
2.9
9,832 ▲11.0
建物機械等保守料
9,828 ▲1.1
9,824 ▲0.0
11,039
12.4
事務費
30,892
13.3
31,956
3.4
31,108 ▲2.7
小
計
54,950
4.4
56,378
2.6
55,421 ▲1.7
固定資産取得費
2,995 ▲16.3
2,450 ▲18.2
3,523
43.8
予備費
1,000
-
1,000
-
1,000
-
計
186,127
0.1
185,911 ▲0.1
181,214 ▲2.5
目
(3)給与等の減額
日本銀行の役職員の給与等について、日本銀行法第31条は、「日本銀行は、その役員及
び職員の報酬(賞与その他の金銭の給付を含む。)、給与(賞与その他の金銭の給付を含
む。)及び退職手当(次項において「給与等」という。)の支給の基準を社会一般の情勢
に適合したものとなるよう定め、これを財務大臣に届け出るとともに、公表しなければな
らない。これを変更したときも、同様とする。」と規定しています。
こうした枠組みの下、財務省では平成24年度において、日本銀行の役職員の給与等につ
いて以下の取組を行いました。
イ.給与の削減
「国家公務員の給与減額支給措置について」(平成23年6月3日閣議決定)等を踏ま
え、日本銀行に対し、国家公務員の給与見直しの動向を見つつ、役職員の給与について
必要な措置を講ずるよう要請しました。同行では、平成24年10月、国家公務員に準じて
平均▲7.5%の職員給与減額措置を行うことを決定
(平成24年3月に決定した役員給与の
減額措置を含め、削減額は24年度・25年度の合計で50億円程度)しました。
ロ.退職手当の削減
「国家公務員の退職手当の支給水準引下げ等について」
(平成24年8月7日閣議決定)
を踏まえ、日本銀行に対し、国家公務員の退職手当見直しの動向を見つつ、必要な措置
を講ずるよう要請しました。同行では、平成25年2月、役員退職手当を特別職の国家公
務員と同様に▲2%引き下げることを決定、同年3月より実施しました。
- 371 -
ハ.給与の比較対象先に係る検証
平成24年12月、閣僚懇談会における副総理指示として、ラスパイレス指数の高い法人
に対し、給与水準の見直し等が指示されました。日本銀行については、給与水準の設定
に係る比較対象企業の選定基準について、その合理性を検証することとされました。同
行では、今後は定期的に比較対象企業を点検し、入替え・拡充を行っていくこととしま
した。
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
近年における日本銀行の財務諸表及び経費予算の推移は、以下のとおりです。
平成 25 年度経費予算の合計額は、給与等を中心とした削減により、現行法施行以降、最少
額の予算となっています。
(新)○参考指標 10-1-2:財務諸表の主要な計数
平成
(単位:億円)
21年度末
22年度末
23年度末
24年度末
1,238,886
1,218,241
1,423,631
1,394,569
1,648,127
買現先勘定
119,520
49,833
6,285
-
-
国債
642,655
730,661
772,992
872,471
1,253,556
15,569
-
2,742
15,948
12,457
434
1,722
2,035
19,906
28,872
11,539
14,255
14,953
14,282
13,780
金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)
-
-
1,851
8,478
15,440
金銭の信託(信託財産不動産投資信託)
-
-
178
736
1,189
貸出金
327,315
357,839
561,360
389,954
254,870
外国為替
108,647
50,227
46,902
58,723
55,264
1,209,732
1,187,969
1,396,325
1,362,415
1,615,239
発行銀行券
768,977
773,527
809,230
808,428
833,782
預金
279,228
234,985
407,900
358,963
583,200
23,745
30,186
23,553
18,324
14,941
103,713
116,515
122,986
143,971
145,054
20年度末
(資産合計)
CP等
社債
金銭の信託(信託財産株式)
(負債合計)
政府預金
売現先勘定
(単位:億円)
平成20年度
(経常利益)
経常収入
21年度
22年度
23年度
24年度
4,390
3,665
542
5,360
11,316
10,714
8,133
7,810
7,638
7,410
平成24年度実績評価書
- 372 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標 10-1〕
長期国債関係損益
89
-
-
12
3
外国為替関係損益
▲4,165
▲2,185
▲4,810
▲606
6,036
▲178
266
116
▲276
▲133
▲1
6
15
92
▲2,950
債券取引損失引当金
-
-
-
-
-
外国為替等取引損失引当金
-
-
-
-
▲3,018
指数連動型上場投資信託取引損失引当金
-
-
▲21
21
-
不動産投資信託取引損失引当金
-
-
▲1
1
-
税引前当期剰余金
4,388
3,671
558
5,453
8,366
法人税、住民税及び事業税
1,385
0
36
162
2,606
当期剰余金
3,002
3,671
521
5,290
5,760
金銭の信託(信託財産株式)運用損益
(特別損益)
(出所)日本銀行「平成20~24年度業務概況書」を基に理財局総務課調査室が作成。
(新)○参考指標 10-1-3:認可対象経費予算の推移(評価意見P63に記載)
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
日本銀行の業務及び財産の公共性にかんがみ、財務諸表の承認においては関係法令の規
定に則して適正な決算処理がなされていること等を確認し、また、経費の予算の認可にお
いては給与等の積算過程も含めた経費効率化の取組等を確認することを通じ、日本銀行の
業務及び組織の適正な運営が確保されるように努めます。
- 373 -
○ 政策目標11-1:たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保
1.
「政策の目標」に関する基本的考え方
たばこ事業法第1条では、
「我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もって財政収入の安定的確保及
び国民経済の健全な発展に資すること」が目的とされています。
一方、近年のWHOたばこ規制枠組条約を始めとする世界的なたばこ規制の流れを受け、喫煙と健
康をめぐる国民の意識が高まっており、健康増進法の施行や地方公共団体の条例制定により公共性の
高い場所における禁煙・分煙化が進んでいるほか、未成年者喫煙防止に対する社会的要請も高まって
います。
また、塩事業法第1条では、
「塩事業の適切な運営による良質な塩の安定的な供給の確保と我が国塩
産業の健全な発展を図るために必要な措置を講ずることとし、もって国民生活の安定に資すること」
が目的とされています。
同法では、塩市場が、製造・輸入・流通を国が包括的に管理して塩の安定供給を図る専売制から、
原則自由の市場構造に転換したことを踏まえ、国の関与も必要最小限度のものとなっています。
以上の観点から、財務省設置法第4条に基づく所掌事務である「たばこ事業及び塩事業の発達、改
善及び調整」に関する施策を進めます。
なお、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置
法(平成23年12月2日法律第117号)
(財確法)附則第13条において日本たばこ産業株式会社の株式に
ついて、たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方を勘案し、その保有の在り方
を見直すことによる処分の可能性について検討を行うこととされています。
また、平成24年度税制改正大綱において、
「今後のたばこ事業のあり方の検討に際しては、平成22年
度税制改正大綱及び平成23年度税制改正大綱で示した方針並びに復興財源確保法に基づく日本たばこ
産業株式会社の株式の処分及びその保有のあり方の検討との整合性に留意します」とされています。
2.内閣の基本的な方針との関連
平成24年度税制改正大綱(平成23年12月10日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 11-1-1:WHOたばこ規制枠組条約に係る国内措置に関する取組
[平成24年度実施計画]
我が国が平成16年6月に締結し、平成17年2月に発効した、たばこ規制枠組条約の内容を踏まえ、
財務省においては、平成17年7月以降、すべてのたばこ製品について新たな注意文言の表示を義務
付けているほか、公共交通機関におけるたばこ広告や屋外広告を原則として禁止する等の措置を行
っています。また、下記施策 11-1-2に掲げる未成年者喫煙防止に対する取組を推進しています。
今後とも、関係省庁と連携しながら、条約を踏まえた国内措置の円滑な実施に適切に対応してい
きます。
[事務運営の報告]
平成17年2月に発効したたばこ規制枠組条約の内容を踏まえ、財務省においては、平成
17年7月以降、
すべてのたばこ製品について新たな注意文言の表示を義務付けているほか、
テレビ、ラジオ及びインターネットにおけるたばこ広告のほか、屋外(公共交通機関を含
む。)におけるたばこ広告を原則として禁止する等の措置を行っています。
また、WHOたばこ規制枠組条約を踏まえた国内措置の円滑な実施に適切に対応するた
平成24年度実績評価書
- 374 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標 11-1〕
め、締約国会議及び作業部会に積極的に参加しました。
更には、下記施策 11-1-2に掲げる未成年者喫煙防止に対する取組を行いました。
施
策 11-1-2:未成年者喫煙防止に対する取組
[平成24年度実施計画]
未成年者喫煙防止を推進する観点から、たばこ業界団体は、平成20年7月から全国で成人識別機
能付たばこ自動販売機(以下「成人識別自販機」という。)の稼動を開始しているところです。
財務省としても、成人識別自販機が全国的に確実に導入されるよう、成人識別自販機の導入を「た
ばこ小売販売業の許可の条件」としており、違反があった場合には、たばこ事業法に基づく行政処
分を行っているところです。これまで30の小売店を営業停止処分とし、6の小売店を許可の取消処
分としています(平成23年12月末現在)。
こうした取組を講じることにより、全国の小売店のほぼすべてのたばこ自販機が成人識別自販機
となりました。
また、成人識別自販機が全国稼働して以降、未成年者が対面販売によりたばこを購入する事例が
増加したことから、警察庁及び財務省の連名により業界団体に対し、対面販売時における年齢確認
の徹底を文書で要請(平成21年6月及び平成22年4月)するとともに、未成年者が自ら喫煙するこ
とを知りながらたばこを販売し、未成年者喫煙禁止法第5条違反として処罰されたたばこ小売販売
業者には、たばこ事業法に基づく行政処分を含め、厳正に対処していく旨を財務省から文書で周知
(平成21年8月)しました。こうした周知等にもかかわらず、同条違反により実際に処罰された小
売販売業者にはたばこ事業法に基づく行政処分を行っているところです。これまで31の小売店を営
業停止処分とし、2の小売店を許可の取消処分としています(平成23年12月末現在)。
さらに、インターネットによるたばこ販売において、販売時に購入希望者の年齢識別が適切に講
じられるよう、あらかじめ公的な証明書により購入希望者の年齢確認等を行った上で販売すること
を「たばこ小売販売業の許可の条件」としました(実施通達を平成22年9月より適用)。
こうした措置を引き続き着実に実施するとともに、関係省庁と連携しながら未成年者の喫煙防止
策の強化に取り組みます。
[事務運営の報告]
① 成人識別自販機の導入を「たばこ小売販売業の許可の条件」としており、平成24年度
においては、6,937の小売店に対して許可条件を付与しました。
② 未成年者喫煙禁止法第5条違反による検挙件数の推移等を踏まえ、業界団体に対し、
対面販売時における年齢確認の徹底についての要請文(平成25年3月28日)を発出しま
した。平成24年度においては、同条違反として処罰された14の小売店に対し、たばこ事
業法に基づいて営業停止処分をしました。
③ インターネットによりたばこを販売する場合には、あらかじめ公的な証明書により購
入希望者の年齢確認等を行った上で販売をすることを「たばこ小売販売業の許可の条
件」としており、平成24年度においては、インターネット販売を行っている6の小売店
に対して許可条件を付与し、年齢確認を徹底するよう指導しました。
施
策 11-1-3:たばこ事業の適切な運営と管理・監督
[平成24年度実施計画]
財務省は、日本たばこ産業株式会社法及びたばこ事業法に基づき、
① 日本たばこ産業株式会社に対する認可等
② 製造たばこ小売定価の認可
③ たばこ事業法に基づき当局が行った処分に対する不服申立て及び訴訟への対応
④ 各財務(支)局等及び各税関が行っているたばこ事業者に対する許可・登録等に関する事務
の調整等
を行っています。
- 375 -
なお、製造たばこの小売販売を業として行おうとする者は、たばこ事業法第22条に基づき、その
営業所ごとに財務大臣の許可を受けなければならないことと規定されています。
許可申請の標準処理期間については、製造たばこ小売販売業許可等取扱要領に基づき、申請を受
理した日の属する月の末日から原則2か月以内としており、以下の業績指標を設定しています。
これらの事務については、各財務(支)局等及び各税関とも連携し、円滑な運営を図るとともに、
たばこ事業の健全な発展に向けた管理・監督を行います。
また、東日本大震災によって被災されたたばこ小売販売業者の営業再開が円滑に行われるよう、
被災地域における小売販売業の許可の取扱いについて、必要な措置を講じていきます。
[事務運営の報告]
① 日本たばこ産業株式会社(JT)の利益処分及び事業計画の認可申請等に対しては、
適正に審査を行いました。また、製造たばこ小売販売業の許可については、平成24年度
の標準処理期間達成率が100.0%と、目標値を達成できました。
② 製造たばこ小売定価の認可申請については、迅速な処理を行いました。
③ 行政不服審査請求に対しては、職権による調査を実施するなど、的確な審査を行いま
した。また、原処分庁である財務(支)局等に対し、関係書類の早期提出を求めるなど、
迅速な処理を行いました。
④ 特定販売業(輸入業)及び卸売販売業の登録については、たばこ事業法に基づき権限
を委任している各税関及び各財務(支)局等とも連携し、適宜異動についての報告を受
けるともに、照会に対応するなど、円滑な運営を図りました。
⑤ 東日本大震災によって被災されたたばこ小売販売業者の営業再開が円滑に行われるよ
う、被災地域での営業所の仮移転の許可、避難施設における出張販売の許可を弾力的に
運用しており、平成24年度においては、63件の処理をしました。
◎業績指標 11-1-1:製造たばこ小売販売業の許可に係る標準処理期間達成率(単位:%)
24年度
平成20年度
達成率
21年度
22年度
23年度
99.4
99.6
99.9
98.0
目標値
実績値
100.0
100.0
(出所)財務(支)局等から報告を受けて、理財局総務課たばこ塩事業室で集計。
(注1)平成20~23年度実績は、各年度に申請を受理したものに係る達成率を示す。平成24年度実績は、平成24年度に
申請を受理したもののうち平成24年度中に処理したものに係る達成率を示す。
(注2)標準処理期間:申請を受理した日の属する月末から2か月以内。
○参考指標 11-1-1:小売販売業許可申請件数及び同許可件数
平成20年度
21年度
22年度
(単位:件)
23年度
24年度
申請件数
15,879
14,634
10,695
12,900
13,716
許可件数
7,165
6,554
5,806
5,854
6,935
(出所)財務(支)局等から報告を受けて、理財局総務課たばこ塩事業室で集計。
施
策 11-1-4:塩事業の適切な運営の確保
[平成24年度実施計画]
塩事業については、平成14年4月以降、原則自由の市場構造に移行しましたが、財務省において
は、塩需給見通し及び塩需給実績の調査・公表、生活用塩の供給業務等を行う塩事業センターに対
平成24年度実績評価書
- 376 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標 11-1〕
する認可、各財務(支)局等及び各税関が行っている塩事業者に対する登録・届出に関する事務の
調整等を通じ、塩事業の適切な運営が確保されるように努めます。
なお、塩の製造、特定販売及び卸売を業として行おうとする者は、塩事業法第5条、第16条及び
第19条に基づき、財務大臣の登録を受けなければならないことと規定されています。
登録申請の標準処理期間については、塩製造業者登録等取扱要領等に基づき、申請を受理した日
の翌日から1か月以内としており、以下の業績指標を設定しています。
また、東日本大震災によって生じた食用塩の需給の不均衡に対応するため、平成23年3月17日に
塩事業センターに対して、同センターが保有する備蓄塩の供給を行うよう塩事業法に基づき命令を
発出しました。今後とも、同法に基づいて、必要に応じて備蓄塩を供給し、食用塩の円滑かつ安定
的な供給に努めていくこととします。
[事務運営の報告]
① 塩の需給及び価格の安定に資するために、塩事業法の規定に基づき、平成25年3月に
平成25年度塩需給見通しを策定し、公表しました。
② 塩事業センターの平成25年度事業計画及び収支予算については、適正な審査の上、認
可しました。
③ また、塩事業者の登録申請等に関しては、塩事業法に基づき権限を委任している各財
務(支)局及び各税関等とも連携し、円滑な運営を行った結果、平成24年度の塩製造業
者等の登録に係る標準処理期間達成率は、100%となっています。
◎業績指標 11-1-2:塩製造業者等の登録に係る標準処理期間達成率
平成20年度
達成率
100.0
21年度
22年度
100.0
100.0
23年度
100.0
(単位:%)
24年度
目標値
100.0
実績値
100.0
(出所)財務(支)局等から報告を受けて、理財局総務課たばこ塩事業室で集計。
(注1)各年4月から翌年3月までに登録したものに係る達成率を示す。
(注2)標準処理期間:申請を受理した日の翌日から1か月以内。
施
策 11-1-5:塩の需給に関する情報提供
[平成24年度実施計画]
平成24年度においても引き続き、次のとおり、塩の需給に関する情報提供を行います。
(参考)財務省ホームページ(http://www.mof.go.jp/tab_salt/reference/index.html)
① 塩事業法第3条第1項の規定に基づき、毎年度、塩の用途別需要見込数量及び供給見込数量
について、塩事業センター及び塩事業者から報告を受けて集計を行った「塩需給見通し」を作
成し、官報及びホームページに掲載します。
② 塩需給見通しを補完するとともに、塩事業者及び消費者に対し必要な情報を提供す
るため、毎年度、塩の需要量及び供給量の実績について、塩事業センター及び塩事業者から報
告を受けて集計を行った「塩需給実績」を作成し、ホームページに掲載します。
[事務運営の報告]
平成24年6月に平成23年度塩需給実績を、平成25年3月に平成25年度塩需給見通しを公
表しました。
平成23年度塩需給実績においては、塩の需要量(消費量)は、生活用、業務用及びソー
ダ工業用とも減少したことから、全体では前年度比▲6.9%となりました。供給量(生産量・
輸入量)については、国内産、外国産とも減少したことから、全体では前年度比▲6.4%と
- 377 -
なりました。
○参考指標 11-1-2:塩需給見通し及び塩需給実績
(平成25年度塩需給見通し)
(単位:千トン)
188
1,843
ソーダ
工業用
5,849
48
214
1,018
1,280
195
1,818
6,026
8,040
国内産
140
817
-
956
外国産
56
1,001
6,026
7,083
計(D)=(B)+(C)
243
2,032
7,045
9,320
期末在庫(D)-(A)
55
189
1,196
1,440
生活用
需要見込数量(A)
期首在庫(B)
供給見込数量(C)
業務用
(平成23年度塩需給実績)
合 計
7,880
(単位:千トン)
平成22年度
A.需要量(消費量)
23年度
増減
前年比
8,637
8,044
-594
-6.9%
生活用
213
188
-26
-12.0%
業務用
1,828
1,803
-25
-1.4%
ソーダ工業用
6,596
6,053
-543
-8.2%
B.期首在庫
1,367
1,309
-59
-4.3%
C.供給量
8,592
8,044
-548
-6.4%
国内産
1,122
978
-144
-12.8%
外国産
7,469
7,066
-404
-5.4%
D.期末在庫
1,309
1,293
-16
-1.2%
13
16
E.誤差脱漏
(B+C-A-D)
(出所)理財局総務課たばこ塩事業室調
(注) 上記以外の年度の塩需給見通し及び塩需給実績は、財務省ホームページに掲載。
塩需給見通し:http://www.mof.go.jp/tab_salt/reference/salt_forecast/data.htm
塩需給実績:http://www.mof.go.jp/tab_salt/reference/salt_result/data.htm
5.平成23年度政策評価結果の政策への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
紙巻たばこの販売数量は、近年たばこを取り巻く環境が厳しくなってきたこと等により、
減少傾向にあります。
平成24年度実績評価書
- 378 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔政策目標 11-1〕
○参考指標 11-1-3:紙巻たばこの販売実績
平成20年度
販 売 数 量
21年度
(単位:億本、%)
22年度
23年度
24年度
2,458
2,339
2,102
1,975
1,951
産
1,599
1,519
1,346
1,084
1,162
外 国 産
859
820
755
891
789
国 産:外国産
65.1:34.9
64.9:35.1
64.1:35.9
54.9:45.1
59.6:40.4
国
(出所)社団法人日本たばこ協会調
7.今後の政策等に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
① たばこ事業の適切な運営の確保
たばこ規制枠組条約の内容を踏まえた国内措置を実施するとともに、対面販売時にお
ける年齢確認の徹底を要請するなど、未成年者喫煙防止に対する取組を推進していきま
す。
また、たばこ事業法及び日本たばこ産業株式会社法に基づき、各財務(支)局等及び
各税関ともに連携し、円滑な運営を図るとともに、たばこ事業の健全な発展に向けた管
理・監督を引き続き行っていきます。
② 塩事業の適切な運営の確保
塩事業については、塩需給見通し及び塩需給実績の調査・公表、生活用塩の供給業務
等を行う塩事業センターに対する業務規程・事業計画及び収支予算の認可、各財務(支)
局等及び各税関が行っている塩事業者の登録・届出に関する事務の調整等を通じ、
塩事業
の適切な運営が確保されるように努めます。
- 379 -
- 380 -
組織運営の方針:高度な専門性に裏打ちされた、効果的・効率的かつ透明性
の高い行政運営の実施及びそのための組織の構築
○ 組織運営の方針1:政策立案・調整・実施機能の発揮
・組1-1:総合的・基本的な政策の企画・立案
・組1-2:政策立案・実施に係る省内各部局間の連携強化
・組1-3:財務局との連携強化
○ 組織運営の方針2:高い能力と見識を有する人材の育成・確保
・組2-1:行政を取り巻く環境の変化に応じた研修ニーズの把握等による研修の充実
○ 組織運営の方針3:国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約
・組3-1:各種施策及び統計の適時適切な公表・説明
・組3-2:広報誌や後援名義を活用した広報
・組3-3:財務省ホームページを活用した広報
・組3-4:パンフレット、ポスター等を活用した広報
・組3-5:有識者への説明
・組3-6:海外への広報、政策一般に関する外国への対応
・組3-7:国民との意見交換の充実
・組3-8:財務行政モニター等からの意見・要望等の受付
・組3-9:情報公開法に基づく行政情報の開示等
・組3-10:個人情報保護法に基づく適切な対応
・組3-11:公文書管理法に基づく行政文書の管理
○ 組織運営の方針4:電子政府実現に向けた行政の情報化の推進
・組4-1:利用者視点に立ったオンラインの利用促進
・組4-2:情報セキュリティ対策の充実・強化
・組4-3:情報システムの調達手続に係る透明性・公平性の確保
・組4-4:府省共通業務・システムの最適化計画等の実施
・組4-5:個別府省業務・システムの最適化計画の実施
- 381 -
重 組織運営の方針5:政策評価の着実な実施、業務運営の在り方や所管する法人の見直し等に
○
よる効果的・効率的な行政運営
・組5-1:「平成23年度政策評価書」等の作成・公表
・組5-2:「平成25年度政策評価実施計画」の策定・公表
・組5-3:学識経験者等の知見の活用
・組5-4:新たな「政策評価に関する基本計画」の策定・公表
・組5-5:各部局が行う評価の支援や政府全体にかかる政策評価の充実の取組への
参画
・組5-6:(財務省予算の)政策評価と予算の連携強化
・組5-7:効果的・効率的な組織・定員管理
・組5-8:必要な予算の確保と経費の効果的、効率的執行
重 ・組5-9:公共調達の適正化
○
重 ・組5-10:行政改革の推進
○
・組5-11:予算編成等の過程における各府省の政策評価の結果の適切な活用
重 」マークは、重点的に進めるものを示しています。
※「○
- 382 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針1〕
○
組織運営の方針1:政策立案・調整・実施機能の発揮
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
内外情勢が変化する中で、その期待される任務を十分に果たし、諸課題に適切に対応するため、
財務省にはより効果的かつ効率的な行政運営を行うことが求められています。
財務省においては、緊密な情報共有と意思疎通を図りながら一体となって政策課題に取り組み
ます。こうした方針の下、省内各部局や財務局との連携強化を図る等の組織運営を行うことによ
り、財務省全体として、政策の立案・調整・実施機能を充分に発揮することができると考えてい
ます。
2.内閣の基本的な方針との関連
基本方針(平成24年12月26日閣議決定)
政・官の在り方(平成24年12月26日閣僚懇談会申合せ)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 組1-1:総合的・基本的な政策の企画・立案
[平成24年度実施計画]
政府の経済財政政策等に係る基本的な方針の策定に当たり、官房が中心となって、省内各部
局及び関係機関の知見・情報を収集しながら、これらの間の調整を行いつつ、財政、税制、通
貨制度等を所管する財務省の政策を企画・立案していきます。
東日本大震災への対応については、「東日本大震災からの復興の基本方針」(平成23年7月
29日決定、8月11日改定)などを踏まえ、被災地域の復旧・復興のため、全力を挙げて取り組
んでいきます。
[事務運営の報告]
「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」の
3分野を重点とする「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(平成25年1月11日閣議
決定)等の、政府の経済財政政策に係る基本的な方針の策定に当たって、省内各部局
や関係機関の知見・情報を収集するとともに、これらの間の必要な調整を行った上で、
方針策定に必要な情報や選択肢を提示しました。
また、東日本大震災への対応については、復興推進会議において、「総理指示を踏
まえた復興加速への当面の取組等について」を関係機関とともに策定するなど、被災
地域の復旧・復興のための取組を推進してきました。
施
策 組1-2:政策立案・実施に係る省内各部局間の連携強化
[平成24年度実施計画]
財務省全体として調和の取れた適切な政策運営及び施策の効率的推進が図られるよう、各部
局の施策・東日本大震災への対応並びに経済・市場動向及び国際情勢等について省内横断的に
情報を共有する機会を積極的に設けるとともに、それぞれの施策が、財務省の基本的な政策の
方向性と調和するよう、連絡調整を行います。
- 383 -
[事務運営の報告]
政策立案過程においては、省内の十分な意思疎通を図るとともに関係機関との間の
調整を行うことが必要であることから、以下のような事務運営を行いました。
①
事務次官以下各局局長等をメンバーとする局長等連絡会議を計50回開催したほか、
時宜に応じ、検討を必要とする政策課題に関し、官房が中心となって各種の会議を
開催しました。
○参考指標 組1-1:局長等連絡会議、財務局長会議の開催状況
(評価意見P65に記載)
②
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」などの重要事案に関し財務省としての方
針を決定する上で、大臣官房として、事案に応じた各局への情報伝達、必要な調整
を行い、財務省として意見集約をしました。
③
財務省として立案する個々の施策に関し、上記のように省内の意思疎通を図るこ
となどにより、以下のように対応しました。
イ
「日本経済再生に向けた緊急経済対策」などの政府全体の政策の策定及び決定
に際し、適切な政策立案を行いました。
ロ
財務省の各種施策を具体化するものとして、平成24年度においては、4本の法
律案につき、関係機関との必要な連絡調整などを行い、提出までの作業を行いま
した。
施
策 組1-3:財務局との連携強化
[平成24年度実施計画]
財務省の総合出先機関である財務局との連絡を密にし、本省の政策・施策について財務局
への周知徹底を図るとともに、財務局の調査・分析結果を以下のような形で活用していきま
す。
① 各財務局において把握した地方における経済情勢を、本省において定期的に開催される
全国財務局長会議で本省幹部に報告する。
② 予算執行調査を、財務局の協力も得つつ実施し、予算執行の実態をより的確に把握して、
予算執行の適正化、効率化を図るとともに、次年度以降の予算編成等への反映に努める。
③ 地方公共団体の財務状況の把握や国有財産の売却・有効活用の検討等、省内各部局にお
いて施策立案の際に特定の事項の調査が必要とされた場合には、財務局の調査・分析機能
を有効に活用していく。
④ 東日本大震災への対応については、財務省及び復興等に関連する省庁・機関と東北財務
局及び関東財務局との間で必要な連絡調整を行う。
[事務運営の報告]
全国の財務局長と本省幹部との間で定期的に意見交換を行うため、平成24年度にお
いて、財務局長会議を計4回開催しました。会議においては、本省から財務省の施策
に関して説明を行うとともに、政策の企画立案の前提となる事項を把握するため、東
日本大震災による管内経済の影響等について、各財務局から大臣をはじめとする本省
幹部に報告を行いました。また、中小企業金融円滑化法の期限到来を見据えた中小企
業への影響等の課題や、国有財産の売却促進と地域貢献等についての報告及び意見交
平成24年度実績評価書
- 384 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針1〕
換を行いました。
上記のほか、財務局の調査・分析結果の本省施策への反映、本省施策の地方への浸
透を図る上で、省内各部局及び関係機関との間で必要な連絡・調整を行いました。
予算執行調査については、財務局が調査、分析を行った財務局調査等の結果を平成
25年度予算へ反映しました。また、財政融資資金の融資先としての地方公共団体の財
務状況把握や国有財産の有効活用の検討に当たり、地方公共団体のニーズを把握する
など、財務局の調査・分析機能を有効活用しました。
東日本大震災の対応については、本省と東北財務局及び関東財務局との間で必要な
連絡調整を行いました。具体的には、被災地の実情を把握するため、大臣、副大臣及
び大臣政務官が、岩手、宮城及び福島の3県に赴き、視察及び首長等と意見交換を行
いました。東北財務局は、被災地方公共団体からの要望等の把握を積極的に行い、実
現に向け省内と調整を行いました。また、引き続き被災した地方公共団体に宿舎及び
未利用国有地等の情報を提供するとともに、被災地の復興を着実に進める観点から復
興事業の円滑な執行に資するよう事故繰越事務手続の簡素化を図り対応しました。
【事務運営のプロセスの改善に係る取組】
上記のように、政策立案に係る省内各部局及び財務局との間の連絡調整を密に行い、
政策立案過程において、効率的な政策の企画・立案に努めました。
5.平成23年度政策評価結果の組織運営への反映状況
(1)総合的・基本的な政策の企画・立案
施策組1-1の記載のとおりです。
(2)政策立案に係る省内各部局間の連携強化
施策組1-2の記載のとおりです。
(3)財務局との連携強化
施策組1-3の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
平成24年度の我が国経済は、東日本大震災からの復興需要や政策効果の発現等によ
り、夏場にかけて回復に向けた動きが見られました。しかしその後、世界経済の減速
等を背景として輸出や生産が減少するなど、景気は弱い動きとなり、底割れが懸念さ
れる状況となりました。このような経済情勢に対応するため、経済財政の基本的な運
営方針などに関する総合的又は基本的な政策の立案を行う必要がありました。
7.今後の組織運営に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
引き続き、我が国経済社会の状況やその動向に適時・的確に対応しつつ、財務省の
- 385 -
政策立案・調整・実施機能が適切に発揮されるよう、官房が中心となって、以下のよ
うな事務運営を効果的かつ効率的に行っていきます。
①
総合的・基本的な政策の企画・立案
経済財政政策等に係る総合的又は基本的な方針の策定を適切に補佐するため、
省内各部局及び関係機関の知見・情報を結集・調整し、財政の健全化と経済成長
との両立に向けて、政策立案に必要な情報や選択肢を提示していきます。
②
政策立案・実施に係る省内各部局間の連携強化
財務省全体として調和が取れた適切な政策運営及び施策の効率的推進が図られ
るよう、各部局の施策・東日本大震災への対応、経済動向、市場動向、国際情勢
等について、省内横断的に情報を共有する機会を積極的に設けるとともに、それ
ぞれの施策が、社会経済情勢に的確に対応し、財務省としての基本的な政策の方
向性と調和するよう必要な連絡調整を行います。
③
財務局との連携強化
財務省の総合出先機関である財務局との連携をより一層強化し、本省における
施策の財務局への周知徹底を図るとともに、財務局の調査・分析結果を各種施策
の立案に活用するとともに国民への提供を行います。また、引き続き、省内幹部
職員を各地に派遣し、財政、税制等を中心とした講演会を積極的に開催し、国民
に施策の情報提供を図ることとします。
平成24年度実績評価書
- 386 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針2〕
○
組織運営の方針2:高い能力と見識を有する人材の育成・確保
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
効果的、効率的な行政運営を行うためには、職員の職務遂行能力の維持・向上を図ることが必
要です。また、専門知識の修得に止まらず、見識を高め、教養を身に付け、良識を涵養すること
も重要です。
このため、財務省では、本省・財務局、税関、国税庁の各組織毎に財務総合政策研究所、税関
研修所、税務大学校の各研修機関が、その専門性に応じて研修を実施し、より高い能力と見識を
有する人材の育成・確保に引き続き努めていきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
該当なし
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 組2-1:行政を取り巻く環境の変化に応じた研修ニーズの把握等による研修
の充実
[平成24年度実施計画]
職員の職務遂行能力の維持・向上や職員の見識・教養の涵養を図る研修をより充実したもの
とするため、引き続き、各研修機関において、各種会議や調査を通じた職場の研修ニーズの把
握やアンケート調査による受講者の意見等の把握に努め、行政を取り巻く環境の変化に応じた
研修の新設や研修内容の充実等を行っていきます。
[事務運営の報告]
財務省では、高い能力と見識を有する人材の育成・確保に資するため、各研修機関
において、職場の研修ニーズやアンケート調査等による受講者の意見等を踏まえ、所
管行政を取り巻く環境の変化に的確に対応した研修の新設や研修内容の充実強化を図
りました。
①
財務総合政策研究所
平成24年度においては、期間短縮や隔年化等の研修の効率化を図った一方で、採
用後3~4年目の財務Ⅰ種採用職員を対象に、経済分析力の底上げを図るため、財
政・経済・金融に関する学問的知識を付与する「財務理論研修(財務Ⅰ種)」を新
設するとともに、企業内容の開示に関する実務研修においては、審査能力の向上を
図るため、カリキュラムの時間数を増加させるなど、研修内容の充実を図りました。
上記のほか、幹部職員として必要な広い視野と見識、柔軟な発想の涵養に資する
ため、幹部職員向けにセミナーを開催しました。
- 387 -
②
税関研修所
平成24年度においては、業務遂行能力の向上を目的とした「専門事務研修(取締
技法コース)」を新設するとともに、関税技術協力事業に従事する職員の確保・拡
充を目的として「関税技術協力研修」の見直しを行うなど、研修内容の充実を図り
ました。
③ 税務大学校
平成24年度においては、調査・徴収事務における国際課税及び審理の分野の能力
の向上を図ることを目的として、海外取引調査法、要件事実論及び税務訴訟などの
カリキュラムを拡充するなど、研修内容の充実を図りました。
○参考指標 組2-1:各種研修の実施状況(評価意見P66に記載)
○参考指標 組2-2:幹部職員向けセミナーの実施状況(評価意見P66に記載)
5.平成23年度政策評価結果の組織運営への反映状況
「4.平成24年度の事務運営の報告」の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
近年、内外の社会経済情勢の大きな変化に応じて、新たな行政需要や対応の必要性が
次々に生じている中で、財務省の業務はますます高度化、複雑化しています。
こうした状況下での行政運営は高度の専門性が求められることから、職員の資質や職
務遂行能力の向上のため、業務の専門性に応じたきめ細かい研修の実施が必要となって
います。
7.今後の組織運営に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
財務省としては、今後とも現行の研修体系をより充実したものとするため、引き続
き、①行政を取り巻く環境の変化に応じた研修ニーズの把握、②アンケート調査等に
よる受講者の意見等の把握を行います。
そして、把握した研修ニーズ等を踏まえ、必要に応じて研修の新設や研修内容の
充実強化を図り、今後とも行政需要に対応した研修を着実に実施することを通じて、
高い能力と見識を有する人材の育成・確保に努めていきます。
平成24年度実績評価書
- 388 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針3〕
○
組織運営の方針3:国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
各種施策及び統計の適時適切な公表・説明、財務省ホームページの充実、国民との意見交換の
充実等、広報活動を幅広く展開することにより、国民・市場に対し的確な情報を、より受け手に
分かりやすく発信するとともに、意見の集約を図ります。
また、国民に開かれた透明性の高い行政を実現するため、情報公開法の下で、行政情報の公開
と国民への説明責任の徹底を図るとともに、個人の権利利益を保護するため、個人情報保護法の
下で、個人情報の取扱いを適切に行います。
2.内閣の基本的な方針との関連
該当なし
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 組3-1:各種施策及び統計の適時適切な公表・説明
[平成24年度実施計画]
財務省の各種施策及び統計資料について、適時適切な公表を行います。このため、職員向け
に広報に関する研修を行います。また、財務大臣・副大臣等の会見等により財務省の各種施策
について説明を行います。
[事務運営の報告]
財務省の各種施策及び統計資料について、市場や国民等との関係からあらかじめ定
めた公表時間を遵守し、適切な公表を行いました。公表内容等に誤りがあった場合に
は、担当部署の確認体制を見直しました。また、財務大臣・副大臣等の会見等を着実
に行ったほか、記者クラブからの要請に基づく会見等を必要に応じて開催し、財務省
の各種施策について説明を行いました。
○参考指標 組3-1:財務大臣・副大臣等の会見回数
平成20年度
(単位:回)
21年度
22年度
23年度
24年度
149
129
131
134
141
副大臣・大臣政務官
0
36
84
80
78
事務次官
82
38
0
0
0
その他
41
9
6
7
1
272
212
221
221
220
財務大臣
合
計
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注) その他は、審議会、懇談会、研究会の座長等による会見。
- 389 -
施
策 組3-2:広報誌や後援名義を活用した広報
[平成24年度実施計画]
財務省広報誌「ファイナンス」や後援名義を活用して、財務省の各種施策について効果的に
広報を行います。なお、「ファイナンス」については、読者の方が財務省の施策等について、
より理解しやすくなるよう、読みやすさを含め、内容の見直しを行います。
[事務運営の報告]
財務省広報誌「ファイナンス」については、財務省の各種施策について、前年に引
き続き効果的な広報となるよう掲載記事の選定を工夫するとともに、特集記事に図解
やイラストを入れる等、見やすさ、読みやすさに配慮した紙面構成としました。後援
名義については、その事業の主催者や内容に照らして、財務省所管行政の推進又は普
及、啓蒙に積極的に寄与すると認められるもの等について、その使用を承認しました。
○参考指標 組3-2:財務省後援名義の使用承認件数
平成20年度
後援名義使用承認件数
(単位:件)
21年度
22年度
23年度
24年度
13
26
16
19
12
(出所)大臣官房文書課広報室調
施
策 組3-3:財務省ホームページを活用した広報
[平成24年度実施計画]
行政情報を有効活用し、国民、企業等の社会・経済活動に有益な情報資源の充実に資する観
点から、「行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針)」(平成16年11月各府省情報
化統括責任者(CIO)連絡会議決定)に基づき、財務省の各種施策等の情報を電子的手段によ
り積極的に提供します。また、ホームページ閲覧者にとっての利便性が向上するよう、平成23
年3月に財務省ホームページを全面的にリニューアルしました。平成24年度も引き続き改善策
を講じるほか、広報にFacebook、Twitter、YouTube及びGoogle+を活用することで、国民・市
場に対し的確な情報を様々な手段で発信していきます。
財務省ホームページに関して、以下の業績指標を設定し、アクセス件数及び財務省関係メー
ルマガジンの登録者数の増加を目指します。
[事務運営の報告]
「行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針)」(平成16年11月各府省情
報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)に基づき、財務省の各種施策等の情報を電子
的手段により積極的に提供しました。
また、ホームページ閲覧者にとっての利便性が向上するよう、ホームページのバリ
ア フ リ ー 化 の 推 進 等 の 改 善 策 を 講 じ た ほ か 、 Facebook 、 Twitter 、 YouTube 及 び
Google+を活用し、国民・市場に対する的確な情報の様々な手段による発信をしまし
た。
震災に関する情報の発信に当たっては、震災関連情報コーナーを引き続き設置し、
現在も財務省ホームページのトップページからのアクセスを可能としています。
財務省関係メールマガジンについては、掲載内容の見直しやホームページを通じた
周知との連携等に努め、利用者の利便性向上を図りました。
平成24年度実績評価書
- 390 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針3〕
◎業績指標 組3-1:財務省ホームページへのアクセス件数
平成21年度
アクセス件数
162,841,994
22年度
23年度
166,041,060
137,283,561
(単位:件)
24年度
目標値
実績値
増加
140,497,891
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注) 利用者が財務省サイト(http://www.mof.go.jp/以下のファイル)を参照した数を集計している。
◎業績指標 組3-2:財務省ホームページ英語版へのアクセス件数(単位:件)
平成21年度
アクセス件数
15,290,047
22年度
23年度
17,858,838
24年度
目標値
11,888,196
増加
実績値
13,448,477
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注) 利用者が、http://www.mof.go.jp/english/以下のファイルを参照した数を集計している。
◎業績指標 組3-3:財務省関係メールマガジン登録者数
平成20年度
登録者数
43,653
21年度
22年度
44,925
(単位:件)
23年度
44,700
45,756
24年度
目標値
実績値
増加
46,663
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注) 各年度末における「新着情報メールマガジン」、「税制メールマガジン」及び「個人向け国債お
知らせメール」の登録者数の合計
施
策 組3-4:パンフレット、ポスター等を活用した広報
[平成24年度実施計画]
財務省の各種施策について、国民の理解を深めるとともに協力を十分に得るため、各種パン
フレット、ポスターを作成します。パンフレット作成の際には、より情報の受け手の立場に立
った編集に努めます。
また、内閣官房内閣広報室及び内閣府大臣官房政府広報室と積極的に連携し、政府広報を活
用して、財務省の各種施策について効果的に広報を行います。
[事務運営の報告]
財政や税制等の各種施策について、パンフレットやポスターを作成しました。パン
フレットについては、より情報の受け手の立場に立った編集に努めました。
また、内閣官房内閣広報室及び内閣府大臣官房政府広報室と積極的に連携し、政府
広報を活用して、社会悪物品の密輸に関する情報提供など財務省の施策について効果
的に広報を行いました。
○参考指標 組3-3:パンフレット・ポスター作成件数
平成20年度
(単位:件)
21年度
22年度
23年度
24年度
パンフレット作成件数
54(22)
41(11)
46(15)
45(12)
38(11)
ポスター作成件数
17 (0)
14 (0)
13 (0)
14 (0)
17 (0)
- 391 -
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注1)件数は、新規作成以外に改訂件数を含む。
(注2)( )は、外国語版件数(内書き)である。
施
策 組3-5:有識者への説明
[平成24年度実施計画]
財務省の各種施策に関して、国内報道機関の論説・解説委員等、市場関係者、学識経験者等
を対象とした説明会を開催します。
[事務運営の報告]
財務省の各種施策に関して、国内報道機関の論説・解説委員、市場関係者、学識経
験者、地方紙東京支社長等を対象に説明会を実施しました。
なお、地方紙東京支社長等を対象とした説明会では、開催希望テーマの把握に努め、
説明会開催に当たっての参考としました。
○参考指標 組3-4:各種施策の説明会の開催件数(国内向け)
平成20年度
開催件数
21年度
12
22年度
7
(単位:件)
23年度
5
24年度
5
6
(出所)大臣官房文書課広報室調
(注) 大臣官房文書課広報室が担当した分で、少人数向けに個別に説明を行ったものは含まない。
施
策 組3-6:海外への広報、政策一般に関する外国への対応
[平成24年度実施計画]
財務省の各種施策に関して、外国報道機関、在京大使館等を対象とし、英語等による説明会
を開催します。
[事務運営の報告]
予算や国際会議等、財務省の各種施策に関して、外国報道機関、在京大使館等を対
象とした英語による説明会を開催しました。
○参考指標 組3-5:各種施策の説明会の開催件数(海外向け)
平成20年度
開催件数
5
21年度
22年度
3
(単位:件)
23年度
5
24年度
4
2
(出所)大臣官房文書課広報室調
施
策 組3-7:国民との意見交換の充実
[平成24年度実施計画]
我が国の財政や将来の国の在り方について、国民の意見を一層的確に把握するとともに、国
民的な議論を積み重ねるため、必要に応じて、大臣・副大臣・大臣政務官による意見交換会を
全国で開催します。
また、財務省講師による各種講演会等を全国各地で開催し、財務省の各種施策の地方への浸
透を図ります。
平成24年度実績評価書
- 392 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針3〕
[事務運営の報告]
内閣官房が主催する社会保障と税の一体改革を考える「明日の安心」対話集会に大臣等
が出席し、国民的な議論を積み重ねるとともに、意見交換を通じた課題及び意見の把握を
積極的に行いました。
また、各財務局・財務事務所主催の財務行政懇話会等の各種講演会等を全国各地で
開催したほか、他機関が主催する講演会等にも財務局職員が講師として出向き、財務
省の各種施策の地方への浸透を図りました。
○参考指標 組3-6:各財務(支)局等における講演会等の開催件数 (単位:件)
平成20年度
開催件数
2,252
21年度
2,288
22年度
23年度
2,329
24年度
2,271
3,076
(出所)大臣官房地方課調
施
策 組3-8:財務行政モニター等からの意見・要望等の受付
[平成24年度実施計画]
全国各地の幅広い層から選定している財務行政モニターから財務省の各種施策に関する意
見の集約を図ります。
なお、財務省ホームページに設置している「ご意見箱」へ寄せられた意見・要望について
は、速やかに省内担当部局に回付し、今後の財務行政の参考にします。また、寄せられた質
問については、質問者の理解が得られるよう、より分かりやすい回答に努め、3日以内の処
理を目指します。
[事務運営の報告]
各財務局・財務事務所で財務行政モニター会議を開催し、財務行政モニターとの意
見交換を行い、財務省の各種施策等に関する意見の集約を図りました。
財務省ホームページに設置している「ご意見箱」へ寄せられた意見・要望について
は、速やかに内容の確認を行い、省内担当部局に回付しました。また、寄せられた質
問については、難解な用語を避け、内容に関連する事項が掲載されているホームペー
ジを紹介するなど、質問者の理解が得られるよう、より分かりやすい回答に努めまし
た。
○参考指標 組3-7:財務省ホームページ「ご意見箱」へ寄せられた質問の3日以内の
処理件数割合
(単位:%)
平成20年度
割
合
82.0
21年度
94.2
22年度
95.4
23年度
92.2
24年度
95.7
(出所)大臣官房文書課調
施
策 組3-9:情報公開法に基づく行政情報の開示等
[平成24年度実施計画]
情報公開制度の適正かつ円滑な運用を図り、開示請求等に迅速かつ適切に対応します。
- 393 -
[事務運営の報告]
開示請求については、開示決定までのスケジュール管理を的確に行うことで、迅速
かつ適切な事務処理に努めました。
また、不服申立て事案についても、情報公開・個人情報保護審査会への早期諮問、
答申後の速やかな裁決・決定に努めました。
○参考指標 組3-8:情報公開法の施行状況
平成20年度
(単位:件)
21年度
22年度
23年度
24年度
開示請求
423
367
354
481
490
開示決定等
373
307
296
325
347
30日以内開示決定等
327
275
265
286
298
不服申立て
15
12
13
4
10
(出所)大臣官房文書課情報公開・個人情報保護室調
施
策 組3-10:個人情報保護法に基づく適切な対応
[平成24年度実施計画]
個人情報の不適切な取扱いによる個人の権利利益の侵害を未然に防止できるよう、個人情報
の適切な管理のための措置を引き続き講じていきます。
また、個人情報の開示請求等に対しても適切な対応を行います。
[事務運営の報告]
個人情報の適切な管理を徹底するため、職員に対する研修を実施しました。
また、個人情報の開示請求等についても適切な対応を行いました。
施
策 組3-11:公文書管理法に基づく行政文書の管理
[平成24年度実施計画]
公文書管理制度の適切な運用を図り、適正に文書管理を行います。
[事務運営の報告]
公文書管理制度の適切な運用を徹底するため、職員に対する研修を実施するととも
に、文書管理状況の点検・監査を行い、適切な管理をするよう指導を行いました。
また、公文書管理法令等に則り、歴史資料として重要な行政文書を独立行政法人国
立公文書館へ移管する等、適正な文書管理を行いました。
5.平成23年度政策評価結果の組織運営への反映状況
(1)的確な情報発信と意見の集約
イ
施策組3-3、組3-5~組3-8の記載のとおりです。
ロ
施策組3-3の記載のとおりです。
ハ
施策組3-3の記載のとおりです。
平成24年度実績評価書
- 394 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針3〕
(2)情報公開法、個人情報保護法及び公文書管理法への適切な対応
施策組3-9~組3-11の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)的確な情報発信と意見の集約
我が国は、内外の経済・社会構造の激しい変化に直面し、様々な問題を抱えています。
財務行政の推進に当たっては、適切な情報発信を行って、国民の理解を促進するととも
に、国民の意識やニーズを幅広く把握することが極めて重要となっています。
(2)情報公開法、個人情報保護法及び公文書管理法への適切な対応
ITを活用した個人情報の取扱いの量的な増加等に伴い、個人情報の不適正な取扱
いによって個人の権利利益が害されるおそれが増大しています。個人情報保護に関す
る国民の意識が高まっている中、情報公開法、個人情報保護法及び公文書管理法への
適切な対応を行うことが極めて重要となっています。
7.今後の組織運営に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
①
的確な情報発信と意見の集約
広報活動の展開に当たっては、財務省の諸施策について国民に広く理解を得られ
るように対応していく必要があると考えています。今後、例えば以下のような取組
を進めることにより、国民・市場に対し的確な情報を、より受け手に分かりやすく
発信するとともに、意見の集約を図っていきます。
イ
諸施策について国民の理解を促進することが極めて重要であることから、より
効果的な広報の在り方について引き続き検討します。
ロ
ホームページについては、「行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指
針)」(平成16年11月12日)に基づき、引き続き行政情報を受け手に分かりやす
く積極的に提供するとともに、閲覧者の利便性の向上に努めます。
②
情報公開法、個人情報保護法及び公文書管理法への適切な対応
情報公開法の下、引き続き迅速かつ適切な事務処理に努め、国民に開かれた透
明性の高い行政の実現を目指します。また、保有する個人情報を適切に管理する
とともに、個人情報保護法に基づく個人情報の本人開示など適切な対応を行いま
す。
また、公文書管理制度の適切な運用を図り、適正に文書管理を行います。
- 395 -
○
組織運営の方針4:電子政府実現に向けた行政の情報化の推進
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
「新たな情報通信技術戦略」(平成22年5月11日IT戦略本部決定)、「電子行政推進に関
する基本方針」(平成23年8月3日IT戦略本部決定)等を踏まえ、情報通信技術(IT)を
活用した行政サービスの提供等を行うことにより、利用者の利便性の向上、行政運営の効率化
を目指します。
具体的には、申請・届出等手続におけるオンライン利用の促進や、システムの最適化等の施
策を着実に実施します。
2.内閣の基本的な方針との関連
電子行政推進に関する基本方針(平成23年8月3日IT戦略本部決定)
新たなオンライン利用に関する計画(平成23年8月3日IT戦略本部決定)
新たな情報通信技術戦略 工程表 改訂版(平成24年7月4日IT戦略本部決定)
電子行政オープンデータ戦略(平成24年7月4日IT戦略本部決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
該当なし
4.平成24年度の事務運営の報告
施
策 組4-1:利用者視点に立ったオンラインの利用促進
[平成24年度実施計画]
「新たなオンライン利用に関する計画」(平成23年8月3日IT戦略本部決定)において
「重点手続」と分類されている税関関係12手続・国税関係15手続を中心に、オンライン利用の
促進を図るため、関係民間団体などの意見を踏まえた「添付書類の省略」及び「受付時間の延
長」などの施策を引き続き実施・検討し、利用者の利便性向上に努めます。
(注)「新たなオンライン利用に関する計画」における「重点手続」とは、年間申請等件数が
100万件以上の手続及び100万件未満であって主として企業等が反復的又は継続的に利用
する手続等。)
法人企業統計調査及び法人企業景気予測調査に関して、毎年連続して調査対象となる企業を
中心に、法人企業統計調査等ネットワークシステムを活用した調査票の提出を引き続き勧奨す
るとともに、利用者利便の向上に努めることで、オンラインによる調査票回収率の向上を図り
ます。
[事務運営の報告]
①
業務プロセス改革計画
「新たなオンライン利用に関する計画」を踏まえ、この計画における「重点手続」
を対象とした「財務省所管オンライン利用促進重点手続に関する業務プロセス改革計
画」(平成24年5月28日
財務省行政情報化推進委員会決定、以下「業務プロセス改
革計画」という。)を策定し、利用者の利便性向上及び行政運営の効率化の取組を実
施しました。この結果、財務省全体のオンライン利用率は、平成23年度と比べて約
1.9%増加しました。また、財務省の重点手続のオンライン利用率は、平成23年度と
比べて約1.7%増加しました。
平成24年度実績評価書
- 396 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針4〕
(主な取組内容)
イ
税関関係手続に関する取組内容
輸出入申告に際して税関に提出しなければならないこととしていた仕入書につ
いて、平成24年7月より、税関長が輸出入許可の判断のために必要な場合等を除
き原則省略することとしました。
また、税関の窓口で電子的に輸出入手続を行うことができる窓口電子申告端末
の導入官署を拡大して設置台数を増設するとともに、同端末の利用促進のために
税関HPにリーフレットを掲載する等、利用者視点に立ったオンライン利用の促
進に取り組みました。
ロ
国税関係手続に関する取組内容
e-Taxの受付時間に関する利用者からの要望を受け、以前より行っている確定
申告期の24時間受付及び法人税等の申告が集中する5月末の受付時間の延長に
加え、8月末及び11月末についても受付時間を延長しました。
また、贈与税申告のe-Tax対応をしました。
さらに、e-Taxのメッセージボックスに「申告に関するお知らせ」等が格納さ
れた場合、その旨をお知らせするメールを送っております。このメールの表示内
容を改善するなどe-Tax利用者の使い勝手の向上に向けたシステム改善を実施す
る等、e-Taxの一層の利用促進に積極的に取り組みました。
◎業績指標 組4-1:申請・届出等手続のオンライン利用率
平成20年度
21年度
22年度
(単位:%、百万件)
23年度
オンライン利用率
59.7
64.2
67.3
69.9
(オンライン受付件数)
(49)
(53)
(58)
(60)
24年度
目標値
実績値
増加
71.8
(63)
(出所)「財務省が所管する法令に基づく行政手続等のオンライン化状況」(大臣官房文書課業務企画室)
(http://www.mof.go.jp/about_mof/other/e-j/index.html)
(注) 国税庁を含めた財務省全体の件数である。
②
オンライン利用の範囲の見直し
「新たなオンライン利用に関する計画」においては、「オンライン利用の範囲の
見直し」を行うこととされており、財務省においてもこれに基づく見直しを実施し、
国税関係528手続のオンライン利用を停止しました。
(注)「オンライン利用の範囲の見直し」とは、オンライン利用が可能な手続について、
実際の利用件数等を踏まえて費用対効果を検証し、効果が乏しい手続を停止する等、
オンライン利用の範囲を見直す取組。「新たなオンライン利用に関する計画」におい
て各府省が取り組むこととされた。
③
法人企業統計調査及び法人企業景気予測調査
法人企業統計調査及び法人企業景気予測調査については、企業における動作環境
上の制約を解消するためのシステム改修を一部前倒しで実施し、それに合わせて集
中的にオンライン利用を勧奨しましたが、オンラインによる調査票の回収率は、目
- 397 -
標値28.0%に対して、実績値は23.2%となりました。
目標値を達成できなかった主な原因として、システム改修以前において企業にお
けるソフトウェアのバージョンアップにより、システムが担保している動作環境外
となったため、システムによる調査票の入力・提出を行うことができず、紙面提出
に切り替える企業が増加したこと、システム改修後についても対応範囲が部分的で
あったこと、企業側の対応可能期間が十分でなかったこと等が考えられます。
このため、平成25年度は、残るシステム改修を早期に完了させ、オンライン利用
の利便性の向上を図るとともに、利用者への周知や勧奨範囲を拡大して実施するこ
とにより、オンラインによる調査票回収率の向上に努めます。
◎業績指標 組4-2:法人企業統計調査等ネットワークシステム調査票回収率
(単位:%)
平成20年度
調査票回収率
21.8
21年度
25.1
22年度
25.8
23年度
24.1
24年度
目標値
28.0
実績値
23.2
(出所)財務総合政策研究所調査統計部調
(注) 調査票のオンラインによる回収率である。
施
策 組4-2:情報セキュリティ対策の充実・強化
[平成24年度実施計画]
情報セキュリティ対策を徹底するため、以下の取組を実施します。
① サイバー攻撃に対応したセキュリティ対策に努めます。
② セキュリティ研修・訓練及び情報セキュリティ監査を引き続き実施することにより、
職員の情報セキュリティに対する意識の向上に努めます。
③ 「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一管理基準群」の改正状況等を踏まえ、
適切に財務省の情報セキュリティポリシーの見直しを行います。
[事務運営の報告]
サイバー攻撃によるセキュリティ事案が判明する等の事態の発生を受け、情報通信
技術の進展や新たな情報セキュリティの脅威等に対応し情報セキュリティ対策の徹底
を図るため、内閣官房情報セキュリティセンター等と連携しつつ、以下の取組を実施
しました。
①
サイバー攻撃の多様化・高度化に対応するためのシステム面の対策を講じたほか、
運用面においては情報セキュリティ上の脅威となる事案が発生した際に、機動的に
対応するためのチーム(CSIRT)を設置することにより、セキュリティ体制の
強化を行いました。
②
情報セキュリティ上遵守すべき事項の周知・徹底するとともに新たな脅威を知り
その対策方法の取得を通じた情報セキュリティ対策水準の維持・強化のため、財務
省の全職員を対象とした情報セキュリティ研修、標的型メール攻撃に係る訓練等の
取組を行い、職員の情報セキュリティに対する意識の向上に努めました。
セキュリティ監査については、最高情報セキュリティアドバイザーにより各部局
平成24年度実績評価書
- 398 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針4〕
の「実施規則」等の「財務省対策基準」への準拠性について監査を実施し、それぞ
れの実施規則が対策基準に準拠していることを確認しました。また、財務省が管
理・運営している情報システムの一定数に対して、外部委託業者による外部監査及
び内部監査を行いました。一部の情報システムについては、監査実施者による指摘
があったため、速やかに指摘事項に対する対応を行いました。
③
情報セキュリティ対策については、「政府機関の情報セキュリティ対策のための
統一管理基準」(平成24年4月26日情報セキュリティ政策会議決定)及び「政府機
関の情報セキュリティ対策のための統一技術基準」(平成24年4月18日情報セキュ
リティ対策推進会議決定)が制定されたことに伴い、財務省の「情報セキュリティ
対策基準」等の規程の改正を実施しました。
施
策 組4-3:情報システムの調達手続に係る透明性・公平性の確保
[平成24年度実施計画]
情報システムの調達においては、「情報システムに係る政府調達の基本指針」(平成19年3
月各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)を踏まえ、仕様書の記載内容の明確化や
分離調達の実施等により、引き続き調達手続の透明性・公平性の確保を図ります。
[事務運営の報告]
情報システムの調達に当たっては、CIO補佐官等の有識者を活用し「情報システ
ムに係る政府調達の基本指針」(平成19年3月1日CIO連絡会議決定)へ準拠する
よう、要求要件の具体化による仕様書の明確化及び適正な分離調達がされているか等
を確認し、調達の透明性・公平性の確保に努めました。
特に新規システムの整備に当たっては、調達の透明性及び公平性を確保するため、
外部コンサルティング業者を活用して、一部の業者に有利となる記載がないような仕
様書を作成し、その妥当性の確認をCIO補佐官により実施しました。その結果、複
数業者による応札を実現することができました。
施
策 組4-4:府省共通業務・システムの最適化計画等の実施
[平成24年度実施計画]
財務省が担当する府省共通業務・システム最適化計画に基づき、内閣官房電子政府推進管理
室及び関係府省と十分な連携を図りつつ、業務処理時間や経費の削減などに努めます。
また、運用段階のシステムについては、引き続き安定運用に努めます。
① 予算・決算業務
予算編成支援システムについては、平成23年5月の機種更新時に、ホストコンピュータ
の撤去及びオープン化を達成し、サブシステムとして一体的な開発・運用を行うこととし
ていた財務書類作成システムについても、平成23年9月に統合運用を開始するなど、最適
化計画を着実に実施いたしました。
また、官庁会計システムについても、平成21年1月にオープン化を行い、運用を開始し
ております。
引き続き、最適化計画で設定した年間ランニングコスト削減額の目標値を達成するため
に効率的な運用に努めます。
② 共済業務
平成21年8月に改定された「共済業務・システム最適化計画」に基づき、共済組合の本
部及び支部における共済業務を一体的に処理する共済組合事務システムを整備し、平成22
年8月より各共済組合へ順次導入中であります。
- 399 -
引き続き、各共済組合への同システムの導入を進めるとともに、効率的・安定的な運用
に努めます。
③ 国有財産関係業務(官庁営繕業務を除く。)
「国有財産関係業務(官庁営繕業務を除く。)の業務・システム最適化計画」に基づき、
国有財産に関する報告事務の電子化による事務量削減及びシステム統合による経常経費の
削減などを目的として、国有財産総合情報管理システムを整備し、平成22年1月より運用
を開始しております。
今後は、システムの安定的な稼動を目指すとともに、次期システムにリプレースに向け
た検討を実施していきます。
④ 輸出入及び港湾・空港手続関係業務
「輸出入及び港湾・空港手続関係業務の業務・システム最適化計画」に基づき、利用者
の利便性向上、事務量の削減及びシステム経常経費の削減を目的とした府省共通ポータル
の整備を行い、シングルウィンドウ化を実現しました。
今後は、引き続きシステムの安定的な運用に努めるとともに、更なる利用者の利便性の
向上に向けた検討を行います。
[事務運営の報告]
財務省が担当する府省共通業務・システム最適化計画は、概ね施策を実施しており
ます。
なお、最適化計画の適切な進捗・管理のため、進捗状況報告等のCIO補佐官によ
る確認を行いました。
①
予算・決算業務
予算編成支援システムについては平成24年度より財務書類作成システムとの本格
的な統合運用を開始し、「予算編成支援システム最適化計画」を着実に実施しまし
た。
これにより、平成24年度において、予め最適化計画に定めた年間ランニングコス
ト削減額の目標値(412百万円)を達成することができました。
なお、「成果重視事業」である「予算編成支援システム最適化計画実施事業」に
係る評価については、別途425ページで行っております。
官庁会計システムについては、平成21年1月の運用開始以降、効率的な運用に努
め、平成24年度は年間ランニングコスト削減額の目標値(1,942百万円)を達成し
ました。
◎業績指標 組4-3:予算編成支援システム最適化実施事業による年間ランニングコス
ト削減額
(単位:百万円)
平成21年度
年間ランニングコスト 目標値
削減額
実績値
22年度
23年度
24年度
127
127
282
412
151
161
319
492
(出所)「業務・システム最適化に係る最適化実施状況報告書及び最適化実施評価報告書」(主計局総務課
主計事務管理室、法規課公会計室)(http://www.mof.go.jp/about_mof/other/e-j/index.html)
(注)各年度の目標値は、「最適化効果指標・サービス指標一覧(予算・決算業務)」に示した最適化実
施前の経費(平成21~23年度2,172百万円、平成24年度2,342百万円)からの削減額の試算値である
(財務書類作成システムを含む)。
平成24年度実績評価書
- 400 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針4〕
◎業績指標 組4-4:官庁会計システム最適化実施事業による年間ランニングコスト削
減額
(単位:百万円)
平成21年度
年間ランニングコスト 目標値
削減額
実績値
22年度
23年度
24年度
1,748
1,942
1,942
1,942
2,200
2,524
2,536
3,336
(出所)「業務・システム最適化に係る最適化実施状況報告書及び最適化実施評価報告書」(会計センタ
ー)(http://www.mof.go.jp/about_mof/other/e-j/index.html)
(注) 各年度の目標値は、「最適化効果指標・サービス指標一覧(予算・決算業務)」に示した最適化
実施前の経費(7,483百万円)からの削減額の試算値である。
②
共済業務
共済組合事務システムについては、平成22年7月に各共済組合が共同で利用する
サーバ等を設置し、平成24年度には4共済組合が同システムを導入し19共済組合中
の18共済組合が導入を完了しました。また、システムの安定的な運用に努めました。
③
国有財産関係業務(官庁営繕業務を除く)
国有財産総合情報管理システムについては、業務繁忙期に利用者のシステム操作
を計画的に分散させることでシステムへの負荷を軽減する等、システムの安定的な
稼働に努めました。
また、平成26年1月の次期システムリプレースにおいてサーバの集約化やセキュ
リティの強化等を盛り込んだリプレースを行うことを決定し、調達手続きを開始し
ました。
④
輸出入及び港湾・空港手続関係業務
更なる利用者の利便性の向上のためのNACCSと動植物検疫や食品衛生手続等
の関係省庁システムの統合について、平成25年10月の稼働を目指し、関係省庁の間
で引き続き協議を行いました。
施
策 組4-5:個別府省業務・システムの最適化計画の実施
[平成24年度実施計画]
個別府省業務・システム最適化計画に基づき、業務処理時間や経費の削減などを図ります。
また、運用段階のシステムについては、引き続き安定運用に努めます。
① 税関業務
「税関業務の業務・システム最適化計画」に基づき、平成22年度までにAir-NAC
CSとSea-NACCSの統合及び税関関係システムの通関情報総合判定システム(C
IS)への統合を行い経常経費の削減を図りました。
今後は、運用管理体制の強化等を実施するなど、システムの安定性・信頼性の確保に努
めます。
② 財政融資資金関連業務
「財政融資資金関連業務の業務・システム最適化計画」に基づき、システムのオープン
化及びシステムの統廃合による経常経費の削減、事務手続の電子化による業務の効率化な
どを目的として財政融資資金関連システムを整備し、平成21年11月より運用を開始してお
ります。
引き続き、システムの安定的な稼動を目指すとともに、次期システムにリプレースを実
施します。
- 401 -
③
共同利用電算機
「共同利用電算機の業務・システム最適化計画」に基づき、システムのオープン化によ
る経常経費の削減やデータ入力等の業務の効率化などを目的として、システムの再構築を
行い、平成23年4月より運用を開始しております。
引き続きシステムの安定的な稼動に努めます。
④ 国税関係業務
平成24年2月に改定された「国税関係業務の業務・システム最適化計画」に基づき、地
方公共団体との税務情報のデータ連携範囲の拡充を図るなど、事務処理の簡素化・効率化
及び調査に関するシステムの高度化に向けた設計・開発を実施します。
⑤ 財務省ネットワーク
「財務省ネットワーク(共通システム)最適化計画」に基づき、財務省が保有するLA
N及びWANの構成の見直しによるネットワークの統廃合及び基本システムの統一などを
行い経常経費の削減を図りました。
引き続き、システムの安定的な運用管理に努めるとともに、更新予定システムについて
は、次期システムにリプレースを実施します。
[事務運営の報告]
個別府省業務・システム最適化計画は、概ね施策を実施しております。
なお、最適化計画の適切な進捗・管理のため、進捗状況報告等のCIO補佐官によ
る確認を行いました。
①
税関業務
システム障害時の迅速な復旧を確保するため、障害発生を想定した障害対応訓練
を実施し、その訓練結果を踏まえて障害対応マニュアルの改善を行うとともに、シ
ステムの安定的な稼働に努めました。
②
財政融資資金関連業務
システム利用者からの改善要望等に係るシステム改修に取り組み、利用者の利便
性の向上を図るとともに、システムの安定的な稼働に努めました。
また、平成25年1月にリプレースを実施し、新システムによる運用を開始しまし
た。
③
共同利用電算機
平成23年4月から新システムの運用を開始し、システムの安定的な稼動に努めま
した。
④
国税関係業務
地方公共団体とのネットワークシステムを利用して、相互に提供している税務情
報のデータ連携範囲を拡充する等、電子データを活用して、事務の効率化・高度化
を図るためのシステム開発を実施しました。また、システムの安定的な稼働に努め
ました。
⑤
財務省ネットワーク
財務省内のLANシステムについて、システム利用者からの改善要望を踏まえつ
つ、情報セキュリティ対策等の強化を図るためのシステム開発を実施し、平成25年
平成24年度実績評価書
- 402 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針4〕
1月から新システムの運用を開始しました。また、システムの安定的な運用管理に
努めるとともに、引き続き利便性向上のためのシステム開発を実施しました。
5.平成23年度政策評価結果の組織運営への反映状況
①
利用者視点に立ったオンラインの利用促進
施策組4-1の記載のとおりです。
②
情報セキュリティ対策の充実・強化
施策組4-2の記載のとおりです。
③
情報システムの調達手続に係る透明性・公平性の確保
施策組4-3の記載のとおりです。
④
業務・システムの最適化計画等の実施
施策組4-4~施策4-5の記載のとおりです。
6.目標を巡る外部要因等の動向
[IT戦略本部における決定]
平成22年5月11日
「新たな情報通信技術戦略」
平成22年6月22日
「新たな情報通信技術戦略 工程表」
平成23年8月3日
「新たな情報通信技術戦略 工程表 改訂版」
平成23年8月3日
「電子行政推進に関する基本方針」
平成23年8月3日
「新たなオンライン利用に関する計画」
平成24年7月4日
「新たな情報通信技術戦略 工程表 改訂版」
平成24年7月4日
「電子行政オープンデータ戦略」
7.今後の組織運営に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
①
利用者視点に立ったオンラインの利用促進
「重点手続」と分類されている税関関係12手続・国税関係15手続を中心に、オンラ
イン利用の促進を図るため、関係民間団体等の意見を踏まえた「添付書類の省略」及
び「受付時間の延長」等の施策を引き続き実施・検討し、利用者の利便性向上に努め
ます。
②
業務・システムの最適化計画等の実施
業務・システム最適化計画の実施に当たっては、「業務・システム最適化指針(ガ
イドライン)」を踏まえ、今後とも、CIO補佐官の支援・助言の下、適切な進捗管
理・評価に努めます。
- 403 -
③
情報システムの調達手続に係る透明性・公平性の確保
情報システムの整備に当たっては、「情報システムに係る政府調達の基本指針」を
踏まえ、今後とも、CIO補佐官の支援・助言の下、調達手続の透明性及び公平性の
確保に努めます。
④
情報セキュリティ対策の充実・強化
情報セキュリティ対策については、情報通信技術の進展や新たな情報セキュリティ
の脅威等に対応し、財務省における情報セキュリティ対策の徹底を図るため、財務省
の「情報セキュリティ対策基準」等の見直し、職員に対する情報セキュリティ研修や
情報セキュリティ監査等の取組を引き続き実施します。
平成24年度実績評価書
- 404 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針5〕
重
組織運営の方針5:政策評価の着実な実施、業務運営の在り方や所管する法人の見直
○
し等による効果的・効率的な行政運営
1.「政策の目標」に関する基本的考え方
(1)政策評価の着実な実施
「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(平成13年法律第86号)及び財務省の「政策評
価に関する基本計画」(平成20年3月策定、21年3月一部改訂、22年6月一部改訂)等に基づ
き、政策評価を着実に実施します。
(2)効果的・効率的な行政運営、行政コストの削減
財務省改革プロジェクトチームがとりまとめた「財務省が変わるための50の提言」等を踏ま
え、効果的・効率的な行政運営に努めます。
また、行政改革については、政府全体の方針を踏まえ、財務省としても積極的に取り組んで
いきます。
(3)財政当局としての政策評価の活用
予算編成等の過程において、各府省の政策評価の結果を適切に活用していきます。
なお、本方針は以下の内閣の基本的な方針とも一致するものであり、重点的に推進していきます。
2.内閣の基本的な方針との関連
第183回国会 総理大臣施政方針演説
平成22年度以降の定員管理について(平成21年7月1日閣議決定)
政府関連公益法人の徹底的な見直しについて(平成21年12月25日閣議決定)
独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針(平成22年12月7日閣議決定)
規制・制度改革に係る方針(平成23年4月8日閣議決定)
規制・制度改革に係る追加方針(平成23年7月22日閣議決定)
平成25年度予算編成の基本方針(平成25年1月24日閣議決定)
3.重点的に進める業績目標・施策
施
策 組5-9:公共調達の適正化
施
策 組5-10:行政改革の推進
4.平成24年度の事務運営の報告
(1)政策評価の着実な実施
施
策 組5-1:「平成 23 年度政策評価書」等の作成・公表
[平成24年度実施計画]
「政策評価に関する基本計画」及び「平成23年度政策評価実施計画」に基づき政策評価を
実施し、平成24年6月末を目途に「平成23年度政策評価書」を、また、同年8月末を目途に
「平成24年度租税特別措置等に係る政策の評価書」を作成・公表します。
作成・公表に当たっては、政策評価がPDCAサイクルの中で、より活用される仕組みとな
るよう努めるとともに、国民により分かりやすい内容となるよう工夫します。
[事務運営の報告]
「平成23年度政策評価書」については、評価書をより客観的で分かりやすいものと
- 405 -
し、職員の事務負担を軽減するために、政策評価の改善方策として、記述の簡素化等
や参考指標の統廃合等を行い、平成24年6月29日に作成・公表しました。
なお、同評価書の要旨については、作成の効率化及び内容の充実を図るため、様式
の変更を行いました。
また、国税における租税特別措置及び地方税における税負担軽減措置等に係る政策
の評価を実施し、「平成24年度租税特別措置等に係る政策の評価書」(1件)を平成
24年9月7日に作成・公表しました。
施
策 組5-2:「平成 25 年度政策評価実施計画」の策定・公表
[平成24年度実施計画]
「政策評価に関する基本計画」に基づき「平成25年度政策評価実施計画」を平成25年3月末
までに策定・公表します。策定・公表に当たっては、引き続き業績指標の増設により達成しよ
うとする水準の数値化等を図り、評価の客観性の向上に努めるとともに、国民により分かりや
すい内容となるよう工夫します。
[事務運営の報告]
「平成25年度政策評価実施計画」については、政策目標の設定根拠となる政府の方
針等の見直しを行い、政策評価の改善方策の継続として、本文の簡素化、明解な記述
及びより質の高い業績指標の設定に努め、平成25年3月29日に策定・同年4月12日に
公表しました。
また、「平成24年度政策評価実施計画」については、当初の計画策定後に行われた
政府の方針等の見直しを踏まえて変更を行いました。
これらの政策評価書や政策評価実施計画などの財務省の政策評価に関する情報は、
財務省ホームページの政策評価の欄に掲載しています。
○参考指標 組5-1:政策評価に関するホームページへのアクセス件数 (単位:件)
平成20年度
アクセス件数
28,579
21年度
27,098
22年度
24,817
23年度
29,895
24年度
31,741
(出所)大臣官房文書課政策評価室調
(注) 財務省ホームページの政策評価トップページ(http://www.mof.go.jp/about_mof/policy_evalua
tion/index.htm)へのアクセス件数。
施
策 組5-3:学識経験者等の知見の活用
[平成24年度実施計画]
毎年度の実施計画の策定及び評価書の作成等に当たっては、省内のみの議論ではなく、客観
性を確保し、評価の質を高めるため、「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」(事務次
官主催、座長:西室泰三 株式会社東芝相談役)等の意見を取り入れることにしています。
平成24年度も適時、同懇談会を開催し、委員の御意見等を財務省の政策評価や事務の改善
に積極的に取り入れていきます。また、必要に応じ、外部研究機関等の活用にも努めます。
[事務運営の報告]
平成24年度においては、「財務省の政策評価の在り方に関する懇談会」を3回開催
平成24年度実績評価書
- 406 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針5〕
し、「平成23年度政策評価書」、「平成24事務年度国税庁が達成すべき目標に対する
実績の評価に関する実施計画」、「平成23事務年度国税庁が達成すべき目標に対する
実績の評価書」、「平成25年度政策評価実施計画」、「政策評価に関する基本計画」、
施策組5-5で記載する海外調査の結果等について、同懇談会メンバーから御意見をい
ただき、その反映に努めました。
同懇談会のメンバー、議事録等については、財務省ホームページ(http://www.mof.
go.jp/about_mof/councils/policy_evaluation/index.html)で公表しています。
施
策 組 5-4:新たな「政策評価に関する基本計画」の策定・公表
[平成24年度実施計画]
現在の「政策評価に関する基本計画」の計画期間が平成24年度末で終了することから、政
策評価法等に基づき、新たな「政策評価に関する基本計画」を平成25年3月末までに策定・公
表します。
「政策評価に関する基本計画」の策定に当たっては、「政策評価に関する基本方針」(平成
17年12月閣議決定)や「政策評価の実施に関するガイドライン」(平成17年12月政策評価各府
省連絡会議了承)等を踏まえるとともに、これまでの財務省における政策評価の実施状況を踏
まえ、政策評価の質の向上を図るとともに財務省の政策の特性に応じた適切な内容となるよう
努めます。
[事務運営の報告]
新たな「政策評価に関する基本計画」及び「政策評価の実施要領」については、従
来の基本計画等の内容に加え、政策評価の改善方策の一つである参考指標の活用に係
る記載等を盛り込み、平成25年3月29日に策定・同年4月12日に公表しました。
施
策 組 5-5:各部局が行う評価の支援や政府全体にかかる政策評価の充実の取組
への参画
[平成24年度実施計画]
各部局が行う評価の支援、助言及び指導を行うほか、評価に関する調査、評価結果等に対応
する国民の意見の集約などに取り組みます。
また、政策評価各府省連絡会議への出席等により、政策評価における政府全体の取組などに
貢献していきます。
[事務運営の報告]
平成24年度においては、「政策評価担当者会議」を2回開催(平成24年4月、平成
25年1月)すること等を通じて、改善方策の方針を伝え、各部局が行う評価の支援等
を行いました。
また、総務省が開催する「政策評価各府省担当官会議」への出席等を通じて政策評
価における政府全体の取組などの議論に参画しました。
諸外国の財務省における政策評価制度(アメリカ、イギリス等の7か国)について、
調査し、その調査結果と現在の日本財務省の政策評価制度との比較分析を行い、今後
の政策評価の参考にしました。
- 407 -
施
策 組5-6:(財務省予算の)政策評価と予算の連携強化
[平成24年度実施計画]
政策ごとに予算と決算を結び付け、予算とその成果を評価できるように、平成20年度から、
予算書・決算書の表示科目の単位(項・事項)と政策評価の単位を対応させ、整理しています。
平成24年度においては、引き続き予算要求等への反映に資する評価の実施に努めるほか、
平成25年度予算要求に当たっては、予算要求部局(各局課)、政策評価とりまとめ担当部局
(大臣官房文書課政策評価室)及び予算とりまとめ担当部局(大臣官房会計課)が相互に連
携した上で、政策評価結果の予算要求への確実な反映に努めます。
[事務運営の報告]
平成24年度においては、政策評価結果の予算要求等への反映に資する観点から、平
成25年度財務省所管の予算要求に当たり、予算とりまとめ担当部局(大臣官房会計
課)が予算要求部局(各局課)に行うヒアリングに、政策評価とりまとめ担当部局
(大臣官房文書課政策評価室)も同席するなど、引き続き相互に連携を図りました。
(2)効果的・効率的な行政運営、行政コストの削減
施
策 組5-7:効果的・効率的な組織・定員管理
[平成24年度実施計画]
財務省としては、これまでも、計画的な定員削減に取り組んできたところですが、「平成24
年度の定員要求に係る作業について」(平成23年8月総務大臣通知)等に基づき、平成24年度
に1,344人を合理化することとしており、情報通信技術の活用等により事務・事業の見直しを
行うことで、その着実な実施を図っていくこととしています。
今後とも、限られた定員をもって、効果的・効率的な組織運営を図るために、新たな行政需
要の変化に対応したメリハリある定員配置の実現に取り組んでいきます。
[事務運営の報告]
平成24年度においては、平成21年7月に閣議決定された「平成22年度以降の定員管
理について」における合理化目標に加え、業務見直し等の合理化を実施することによ
り、1,344人の定員合理化を実施した一方、必要な定員数については、新規増員によ
り措置(1,244人)したほか、既存人員の振替、業務運営の効率化などにより確保す
ることで、定員配置の重点化・効率化を図り、効果的・効率的な組織・定員管理を行
うことができました(平成24年度末定員71,505人)。
また、平成25年度の定員については、政府として現下の重要課題に適切に対応でき
るよう必要な体制を措置しました。同時に全体として、平成24年度以上に厳しく増員
の抑制を図るとともに、合理化の徹底を図ることにより、除染・復興等の時限増員を
除き、△2,851人の純減を図ることとされました。そうした中、財務省においては、
「平成25年度の定員要求に係る作業について」(平成23年8月総務大臣通知)等に基
づき、1,513人の定員合理化を行う一方、不正薬物等社会悪物品の水際取締強化、金
融商品取引業者に対する検査・監督体制の強化、税務調査手続きの法定化への対応等
のための定員1,134人を措置することなどにより、平成25年度末定員は、71,126人と
対前年比△379人となりました。
平成24年度実績評価書
- 408 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針5〕
施
策 組5-8:必要な予算の確保と経費の効果的、効率的執行
[平成24年度実施計画]
財務省の行政需要が年々増加する中で、新規施策経費の要求に当たっては、既定経費の節減
合理化による見直し等に努めるとともに、緊急度・優先度等を勘案しながら、必要な予算の確
保に努めます。
また、「予算編成等の在り方の改革について」に基づき平成22年2月に設置した「財務省予
算監視・効率化チーム」において、予算執行の適切性及び透明性の確保並びに効率性の向上並
びに財務省の事業の実態把握、当該実態の国民への積極開示及び納税者視点での検証のため、
平成24年度においても、引き続き、「財務省予算執行計画」を策定しており、同計画の取組を
計画的かつ着実に実施するとともに、その際得られた結果を適切に予算要求へ反映していきま
す。
「財務省予算監視・効率化チーム」は年に4回は定例会合を開催することとしており(「財
務省予算監視・効率化チームの設置について(平成23年4月6日改訂)」)、下記のとおり業
績指標を設定します。
なお、予算執行に当たっては、財務本省においては、経理担当者会議を開催し、経費削減等
に関する周知徹底等に努め、また、財務省本庁舎における財務本省と国税庁や、地方支分部局
における合同庁舎のように同一敷地内に所在する複数の調達機関が、コピー用紙や文房具など
の同一品目の物品の調達を行う場合については、可能な限り取りまとめを行い、一括して調達
を実施する等、経費の効果的・効率的な執行に取り組んでいきます。
[事務運営の報告]
平成25年度財務省所管の一般会計予算における行政経費の額は、前年度と比べて
605億円減の9,479億円となりましたが、これは、「国家公務員の給与の改定及び臨時
特例に関する法律」(平成24年法律第2号)に基づく人件費の減少によるもののほか、
「平成25年度予算の概算要求組替え基準について」(平成24年8月閣議決定)に資す
るため、既定予算を厳しく見直した結果によるものです。
○参考指標 組5-2:財務省所管の一般会計予算額の推移(行政経費分)(単位:億円)
平成21年度
行政経費
10,132
22年度
23年度
10,134
10,122
24年度
10,084
25年度
9,479
(出所)大臣官房会計課調
(注1)行政経費とは、本省、財務局、税関及び国税庁の一般行政事務に必要な人件費及び事務費の合計
である。
(注2)各年度の計数は、当初予算額(単位未満四捨五入)である。
一方、経費の効果的、効率的執行に当たっては、平成24年度についても、公共調達
の効率化等に取り組むことで、一層の経費の削減に努めました。一例として、合同庁
舎又は同一敷地内等に所在する複数の調達機関における庁舎の維持管理に係る各種の
役務契約、物品等の調達契約について、管理官署等への集約化又は連名契約による一
括調達等を引き続き推進し、より競争性の高い調達に取り組みました。同時に、経理
担当者会議を開催することで、経費削減等に関する周知徹底等を図り、経費のより効
果的・効率的な執行に努めた結果、災害対策等の早急に対処すべき案件に対して経費
を有効に活用することができました。
また、「財務省予算監視・効率化チーム」において、「平成24年度財務省予算執行
計画」に基づき計画的な予算執行を行い、財務省の事業の実態把握、当該実態の国民
- 409 -
への積極開示及び納税者視点での検証のため、行政事業レビュー対象事業について財
務省予算監視・効率化チームによる点検の所見をとりまとめ、その際得られた結果を
適切に予算要求へ反映しました。(http://www.mof.go.jp/procurement/approach/te
am/index.htm)
◎業績指標 組5-1:財務省予算監視・効率化チーム会合の開催状況
平成20年度
開催回数
―
21年度
22年度
―
5
23年度
4
(単位:回)
24年度
目標値
実績値
4
4
(出所)大臣官房会計課調
(注1)財務省予算監視・効率化チームは平成22年2月に設置されたため、21年度以前の実績はない。
(注2)平成23年度以前の計数は、平成24年度との比較対照のため組替掲記している。
重 施
○
策 組5-9:公共調達の適正化
[平成24年度実施計画]
随意契約の見直しについては、「随意契約見直し計画(平成19年1月改訂)」に基づきこれ
までも可能なものから順次、公共調達の競争性及び透明性を確保し、真にやむを得ないものを
除き、平成23年度までに競争契約に移行してきたところです。平成24年度においては、「公共
サービス改革プログラム(平成23年4月 行政刷新会議 公共サービス改革分科会)」に基づ
き、実質的な競争性を高める努力を行い、随意契約による場合であっても、説明責任を強化す
ることにより、効率化や成果の向上等、実質的な改善を重視する取り組みを行うとともに、入
札及び契約に係る取扱い及び情報を公表すること等により、公共調達の適正化を着実に実施し
ていきます。
[事務運営の報告]
競争性のない随意契約は、「随意契約見直し計画(平成19年1月改訂)」に基づき、
真にやむを得ないものを除き、原則として競争性の高い契約方式(一般競争入札等)
に移行したところです。
なお、競争性のない随意契約とした契約の説明責任を果たすために、競争性のない
随意契約にやむを得ずよらざるを得ない場合には具体的かつ詳細な理由等を平成24年
度においても四半期ごとに財務省のホームページ上で公表しました。(http://www.mo
f.go.jp/procurement/approach/zuikei/index.htm)
重 施
○
策 組5-10:行政改革の推進
[平成24年度実施計画]
独立行政法人の見直しについては、「平成25年度予算編成の基本方針」に基づき「独立行政
法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成24年1月20日閣議決定)を当面凍結し、再検
討することとされています。
政府関連公益法人については、「政府関連公益法人の徹底的な見直しについて」及び事業仕
分けの評価結果等を踏まえた見直しが引き続き進められました。
規制・制度改革については、現場、地域のニーズ等を的確に捉え、消費者の視点等も重視し、
実行性のある規制・制度改革を推進するとの方針の下、「規制・制度改革に係る方針」等を踏
まえ、見直しが進められました。
財務省としては、平成24年度においても、こうした政府全体の方針を踏まえ、関係省庁等と
協力しつつ、積極的に行政改革に取り組んでまいります。
平成24年度実績評価書
- 410 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針5〕
[事務運営の報告]
独立行政法人の事務・事業については、政府において、「独立行政法人の事務・事
業の見直しの基本方針」を踏まえた見直しを進めました。財務省としては、所管の独
立行政法人国立印刷局の東京病院について、平成24年度末(第2期中期目標期間終了
時)までに他の医療機関へ移譲し、国立印刷局の事業として廃止するなどの取組を行
いました。
また、独立行政法人の制度・組織については、政府において、「独立行政法人の制
度及び組織の見直しの基本方針」を踏まえた見直しを進めましたが、「平成25年度予
算編成の基本方針」に基づき「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」を
当面凍結し、引き続き検討することとしました。
政府関連公益法人については、「政府関連公益法人の徹底的な見直しについて」に
基づき、引き続き見直しを進めました。
規制・制度改革については、平成24年4月に閣議決定された「エネルギー分野にお
ける規制・制度改革に係る方針」に基づき、関係省庁と協議の上、再生可能エネルギ
ー発電施設の用に供するため国有林野を売り払い又は貸し付ける場合に、随意契約に
よることを包括協議において認める見直しを行ったほか、これまでの閣議決定を踏ま
え、改革に取り組みました。
以上のように、財務省としては、平成24年度においても、政府全体の方針を踏まえ、
関係省庁等と協力しつつ、積極的に行政改革に取り組みました。
(3)財政当局としての政策評価の活用
施
策 組5-11:予算編成等の過程における各府省の政策評価の結果の適切な活用
[平成24年度実施計画]
財務省は、財政当局として、予算編成、税制改正、関税改正、財政投融資編成の過程にお
いて、各府省の政策評価の結果を適切に活用していきます。
[事務運営の報告]
①
予算編成
政策目標1-1(P134)参照。
②
税制改正
政策目標2-1(P164)参照。
③
関税改正
政策目標5-1(P263)参照。
④
財政投融資編成 政策目標3-2(P194)参照。
【事務運営のプロセスの改善に係る取組】
政策評価の作業に際して、政策評価室から政策所管部局に対し詳細な作業依頼を行
うとともに、平成23年度に引き続き「政策評価担当者会議」を開催し、各担当者に作
業上の留意点等について説明を実施しました。これにより、各担当者の理解が深まる
- 411 -
とともに政策評価室と政策所管部局との連携が強化された結果、問い合わせの減少や
双方での調整がスムーズに運ぶなど、業務の効率化に資することとなりました。
5.平成23年度政策評価結果の組織運営への反映状況
(1)政策の改善
①
政策評価の着実な実施
施策組5-1~組5-4の記載のとおりです。
②
効果的・効率的な行政運営、行政コストの削減
施策組5-7~組5-10の記載のとおりです。
③
予算編成等の過程における各府省の政策評価の結果の適切な活用
施策組5-11の記載のとおりです。
(2)政策評価システムの運用の改善
目標の達成度をできるだけ定量的、的確に判断できるよう、「平成25年度政策評価
実施計画」において、業績指標の見直し(新設5、廃止8)を行いました。
6.目標を巡る外部要因等の動向
(1)政策評価に関する国全体の主な取組
総務省ホームページに掲載の「政策評価制度に関する経緯」を参照。
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/seisaku.htm)
7.今後の組織運営に反映すべき事項
企画立案に向けた提言
①
政策の改善
イ
政策評価の着実な実施
政策評価の着実な実施に向けて、引き続き「財務省の政策評価の在り方に関す
る懇談会」の意見等を踏まえつつ、評価の充実や国民に分かりやすい実施計画の
策定、評価書の作成等に努めます。
ロ
効果的・効率的な行政運営、行政コストの削減
(a)効果的・効率的な組織・定員管理
平成25年度以降も、定員合理化に取り組み、その着実な実施を図るととも
に、新たな行政需要等に対応するため、要員配置の重点化・効率化を図り効
果的・効率的な組織運営に取り組んでいきます。
(b)経費の効果的、効率的執行
平成25年度以降も、新規施策経費の要求に当たっては、既定経費の節減合理
化による見直し等に努め、緊急度・優先度等を勘案しながら、必要な予算の確
平成24年度実績評価書
- 412 -
2 「政策の目標」ごとの実績評価書〔組織運営の方針5〕
保に努めます。
また、予算執行についても、経理担当者会議の開催を通じ、経費削減等に関
する周知徹底等に努め、経費の効果的・効率的な執行に取り組んでいきます。
(c)公共調達の適正化
平成25年度以降も、入札及び契約に係る情報を公表すること等により、公共
調達の適正化を着実に実施していきます。
(d)行政改革の推進
平成25年度以降も、政府全体の方針を踏まえ、関係省庁等と協力しつつ、積
極的に行政改革に取り組みます。
ハ
財政当局としての政策評価の活用
(a)予算編成
政策目標1-1(P138)参照。
(b)税制改正
政策目標2-1(P175)参照。
(c)関税改正
政策目標5-1(P268)参照。
(d)財政投融資編成 政策目標3-2(P215)参照。
②
政策評価システムの運用の改善
平成25年度政策評価実施計画において、業績指標として新たに「参考指標を評価
意見に活用した政策の目標数」、「新たに業績指標を設定した政策の目標数」を設
定しています。
目標の達成度をできるだけ定量的、的確に判断できるよう、業績指標の適切な設
定及び評価意見への参考指標の活用等について、引き続き検討を進めていきます。
- 413 -
- 414 -
3
付表
- 415 -
- 416 -
3 付表(政策目標ごとの予算額)
政策目標ごとの予算額
(所管)財務省
付表 1
(単位:千円)
政策目標
一般会計
24年度予算額
23年度予算額
比較増△減額
特別会計
24年度予算額
23年度予算額
備考
比較増△減額
10,221,363
11,740,277
1,518,914
0
0
0
1-1 重点的な予算配分を通じた財
政の効率化・質的改善の推進
2,614,727
2,347,067
△267,660
0
0
0
1-3 予算執行の透明性の向上・適
正な予算執行の確保
7,520,285
9,356,533
1,836,248
0
0
0
1-6 公 正 で 効 率 的 か つ 透 明 な 財
政・会計に係る制度の構築及びその
適正な運営
86,351
36,677
△49,674
0
0
0
116,649,148
110,892,855
△5,756,293
0
3,601,923
3,601,923
2-1 我が国の経済・社会の構造変
化に対応するとともに、喫緊の課題
に応えるための税制の構築
169,436
168,011
△1,425
0
0
0
2-2 内国税の適正かつ公平な賦課
及び徴収
115,068,700
109,421,012
△5,647,688
0
3,542,621
3,542,621
東日本大震災復興特別
会計
1,411,012
1,303,832
△107,180
0
59,302
59,302
東日本大震災復興特別
会計
20,296,036,225
20,938,992,633
642,956,408
236,288,140,744
231,144,150,030
△5,143,990,714
3-1 国債の確実かつ円滑な発行及
び中長期的な調達コストの抑制
20,269,406,815
20,555,873,797
286,466,982
195,877,651,694
196,740,517,734
862,866,040
3-2 財政投融資の対象として必要
な事業を実施する機関への資金供
給の確保と重点化・効率化及びディ
スクロージャーの徹底
0
362,030,553
362,030,553
40,369,978,076
34,365,948,625
△6,004,029,451
3-3 国有財産の適正な管理及び有
効活用等と情報提供の充実
10,363,335
9,026,811
△1,336,524
0
0
0
3-4 庁舎及び宿舎の最適化の推進
16,122,294
11,838,513
△4,283,781
40,510,974
37,683,671
△2,827,303
3-5 国庫金の正確で効率的な管理
143,781
222,959
79,178
0
0
0
15,280,948
14,906,547
△374,401
0
0
0
15,268,524
14,894,625
△373,899
0
0
0
12,424
11,922
△502
0
0
0
29,320,259
29,228,816
△91,443
0
0
0
5-1 内外経済情勢等を踏まえた適
切な関税率の設定・関税制度の改
善等
469,121
353,051
△116,070
0
0
0
5-2 多角的貿易体制の強化及び経
済連携の推進、税関分野における
貿易円滑化の推進
43,164
119,026
75,862
0
0
0
28,807,974
28,756,739
△51,235
0
0
0
6.国際金融システムの安定的かつ健全
な発展と開発途上国の経済社会の発展
の促進
72,110,644
85,128,481
13,017,837
1,073,614,752
1,288,421,906
214,807,154
6-1 外国為替市場の安定並びに国
際金融システムの安定に向けた制
度強化及びその適切な運用の確保
0
0
0
1,073,614,752
1,288,421,906
214,807,154
6-2 開発途上国における安定的な
経済社会の発展に資するための資
金協力・知的支援を含む多様な協
力の推進
72,110,644
85,128,481
13,017,837
0
0
0
7.政府関係金融機関等の適正かつ効
率的な運営の確保
1,309,219,569
154,689,894
△1,154,529,675
0
0
0
1,309,219,569
154,689,894
△1,154,529,675
0
0
0
0
0
0
78,347,842
96,542,517
18,194,675
0
0
0
78,347,842
96,542,517
18,194,675
75,035,474
73,498,656
△1,536,818
0
0
0
75,035,474
73,498,656
△1,536,818
0
0
0
21,923,873,630
21,419,078,159
△504,795,471
237,440,103,338
232,532,716,376
△4,907,386,962
1.健全な財政の確保
2.適正かつ公平な課税の実現
2-3 酒類業の健全な発達の促進
3.国の資産・負債の適正な管理
4.通貨及び信用秩序に対する信頼の
維持
4-1 日本銀行券・貨幣の円滑な供
給及び偽造・変造の防止
4-2 金融破綻処理制度の適切な整
備・運用及び迅速・的確な金融危機
管理
5.貿易の秩序維持と健全な発展
5-3 関税等の適正な賦課及び徴
収、社会悪物品等の密輸阻止並び
に税関手続における利用者利便の
向上
7-1 政府関係金融機関等の適正か
つ効率的な運営の確保
8.地震再保険事業の健全な運営
8-1 地震再保険事業の健全な運営
9.安定的で効率的な国家公務員共済
制度等の構築及び管理
9-1 安定的で効率的な国家公務員
共済制度等の構築及び管理
所 管 計
(注) 1.政策目標と関連付けられる計数のみを計上している。
2.23年度予算額は、補正予算(第4号及び特第4号)による補正後の改予算額を記載している。
3.24年度予算額は、補正予算(第1号及び特第1号)による補正後の改予算額を記載している。
- 417 -
国債整理基金特別会計
東日本大震災復興特別
会計
財政投融資特別会計
財政融資資金勘定
投資勘定
財政投融資特別会計
特定国有財産整備勘定
外国為替資金特別会計
地震再保険特別会計
付表2
政策目標ごとの決算額(平成23年度)
(所管)財務省
(単位:千円)
一般会計
政策目標
備考
歳出予算額
翌年度繰越額
差引額
-
62,866
11,254,996
10,668,972
-
586,023
1-1 重点的な予算配分を通じた財政の効
率化・質的改善の推進
2,614,727
-
-
195,761
2,810,488
2,797,805
-
12,682
1-3 予算執行の透明性の向上・適正な予
算執行の確保
7,520,285
970,767
-
8,358,157
7,809,425
-
548,731
1-6 公正で効率的かつ透明な財政・会計
に係る制度の構築及びその適正な運営
86,351
-
-
-
86,351
61,741
-
24,609
116,649,148
102,442
-
-
116,751,590
110,642,174
1,473,174
4,636,241
169,436
-
-
-
169,436
71,243
-
98,192
115,068,700
102,442
-
-
115,171,142
109,187,328
1,473,174
4,510,639
1,411,012
-
-
-
1,411,012
1,383,602
-
27,409
20,295,911,262
1,206,924
-
△ 62,866
20,297,055,320
19,649,083,360
1,830,097
646,141,862
3-1 国債の確実かつ円滑な発行及び中長
期的な調達コストの抑制
20,269,406,815
-
-
-
20,269,406,815
19,627,819,825
-
641,586,989
3-2 財政投融資の対象として必要な事業
を実施する機関への資金提供の確保と重
点化・効率化及びディスクロージャーの徹底
-
-
-
-
-
-
-
-
3-3 国有財産の適正な管理及び有効活用
等と情報提供の充実
10,363,335
212,331
-
10,512,800
8,064,639
10,435
2,437,724
3-4 庁舎及び宿舎の最適化の推進
15,997,331
994,593
-
-
16,991,924
13,056,726
1,819,662
2,115,535
3-5 国庫金の正確で効率的な管理
143,781
-
-
-
143,781
142,168
-
1,612
2-1 我が国の経済・社会の構造変化に対
応するとともに、喫緊の課題に応えるため
の税制の構築
2-2 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴
収
2-3 酒類業の健全な発達の促進
3 国の資産・負債の適正な管理
△ 132,895
△ 62,866
15,280,948
-
-
-
15,280,948
14,483,170
-
797,777
4-1 日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び
偽造・変造の防止
15,268,524
-
-
-
15,268,524
14,473,065
-
795,458
4-2 金融破綻処理制度の適切な整備・運
用及び迅速・的確な金融危機管理
12,424
-
-
-
12,424
10,105
-
2,318
29,320,259
192,996
-
-
29,513,255
26,475,760
300,335
2,737,159
5-1 内外経済情勢等を踏まえた適切な関
税率の設定・関税制度の改善等
469,121
-
-
-
469,121
384,685
-
84,435
5-2 多角的貿易体制の強化及び経済連携
の推進、税関分野における貿易円滑化の
推進
43,164
-
-
-
43,164
25,466
-
17,697
5-3 関税等の適正な賦課及び徴収、社会
悪物品等の密輸阻止並びに税関手続にお
ける利用者利便の向上
28,807,974
192,996
-
-
29,000,970
26,065,607
300,335
2,635,027
国際金融システムの安定的かつ健全な発展と
開発途上国の経済社会の発展の促進
72,110,644
-
-
-
72,110,644
71,857,798
-
252,845
6-1 外国為替市場の安定並びに国際金融
システムの安定に向けた制度強化及びそ
の適切な運用の確保
-
-
-
-
-
-
-
-
6-2 開発途上国における安定的な経済社
会の発展に資するための資金協力・知的支
援を含む多様な協力の推進
72,110,644
-
-
-
72,110,644
71,857,798
-
252,845
1,309,219,569
-
-
-
1,309,219,569
1,308,777,322
-
442,246
7-1 政府関係金融機関等の適正かつ効率
1,309,219,569
的な運営の確保
-
-
-
1,309,219,569
1,308,777,322
-
442,246
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
75,035,474
-
-
-
75,035,474
74,983,238
-
52,236
75,035,474
-
-
-
75,035,474
74,983,238
-
52,236
21,923,748,667
2,473,130
-
-
21,926,221,797
21,266,971,797
3,603,607
655,646,392
4 通貨及び信用秩序に対する信頼の維持
5 貿易の秩序維持と健全な発展
政府関係金融機関等の適正かつ効率的な運
営の確保
8 地震再保険事業の健全な運営
8-1 地震再保険事業の健全な運営
9
支出済歳出額
970,767
2 適正かつ公平な課税の実現
7
予備費使用額 流用等増△減額 歳出予算現額
10,221,363
1 健全な財政の確保
6
前年度繰越額
安定的で効率的な国家公務員共済制度等の
構築及び管理
9-1 安定的で効率的な国家公務員共済制
度等の構築及び管理
合 計
平成24年度政策評価書
- 418 -
3 付表(政策目標ごとの決算額)
(所管)財務省
(単位:千円)
特別会計
政策目標
備考
歳出予算額
予備費使用額
支出済歳出額
翌年度繰越額
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1-1 重点的な予算配分を通じた財政の効
率化・質的改善の推進
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1-3 予算執行の透明性の向上・適正な予
算執行の確保
-
-
-
1-6 公正で効率的かつ透明な財政・会計
に係る制度の構築及びその適正な運営
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2-1 我が国の経済・社会の構造変化に対
応するとともに、喫緊の課題に応えるため
の税制の構築
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2-2 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴
収
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2-3 酒類業の健全な発達の促進
-
-
-
-
-
-
-
-
-
236,288,140,744 13,779,444,405
-
-
△445,846
250,067,139,303
13,763,613,435
-
-
- 209,641,265,129 190,911,370,942
40,369,978,076
5,237,000
-
-
-
40,375,215,076
35,904,243,217
653,000
-
-
-
-
-
-
-
-
3-4 庁舎及び宿舎の最適化の推進
40,510,974
10,593,969
-
-
△445,846
50,659,097
39,128,479
6,292,258
3-5 国庫金の正確で効率的な管理
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1 健全な財政の確保
2 適正かつ公平な課税の実現
3 国の資産・負債の適正な管理
3-1 国債の確実かつ円滑な発行及び中長 195,877,651,694
期的な調達コストの抑制
3-2 財政投融資の対象として必要な事業
を実施する機関への資金提供の確保と重
点化・効率化及びディスクロージャーの徹底
3-3 国有財産の適正な管理及び有効活用
等と情報提供の充実
11,947,260,555
6,782,633,631 国債整理基金特別会計
4,470,318,858 財政投融資特別会計
5,238,359 財政投融資特別会計
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
4-2 金融破綻処理制度の適切な整備・運
用及び迅速・的確な金融危機管理
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5-1 内外経済情勢等を踏まえた適切な関
税率の設定・関税制度の改善等
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5-2 多角的貿易体制の強化及び経済連携
の推進、税関分野における貿易円滑化の
推進
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5-3 関税等の適正な賦課及び徴収、社会
悪物品等の密輸阻止並びに税関手続にお
ける利用者利便の向上
-
-
-
-
-
-
-
-
-
国際金融システムの安定的かつ健全な発展と
開発途上国の経済社会の発展の促進
1,073,614,752
-
-
-
-
1,073,614,752
136,278,399
-
937,336,352
6-1 外国為替市場の安定並びに国際金融
システムの安定に向けた制度強化及びそ
の適切な運用の確保
1,073,614,752
-
-
-
-
1,073,614,752
136,278,399
-
6-2 開発途上国における安定的な経済社
会の発展に資するための資金協力・知的支
援を含む多様な協力の推進
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
78,347,842
-
-
464,093,758
-
542,441,600
540,176,639
-
2,264,960
政府関係金融機関等の適正かつ効率的な運
営の確保
7-1 政府関係金融機関等の適正かつ効率
的な運営の確保
8 地震再保険事業の健全な運営
8-1 地震再保険事業の健全な運営
9
226,854,742,639 11,954,205,813 11,258,190,850
-
5 貿易の秩序維持と健全な発展
7
差引額
4-1 日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び
偽造・変造の防止
4 通貨及び信用秩序に対する信頼の維持
6
予算総則の規定
流用等増△減額 歳出予算現額
による経費増額
前年度繰越額
安定的で効率的な国家公務員共済制度等の
構築及び管理
9-1 安定的で効率的な国家公務員共済制
度等の構築及び管理
合 計
937,336,352 外国為替資金特別会計
地震再保険特別会計
平成23年4月18日
予算総則の規定による経費
2,264,960 増額 348,446,856千円
平成23年8月25日
予算総則の規定による経費
増額 115,646,902千円
78,347,842
-
-
464,093,758
-
542,441,600
540,176,639
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
237,440,103,338 13,779,444,405
-
464,093,758
△ 445,846
251,683,195,655
(注) 1.政策目標は23年度当時の目標である。
2.政策目標と関連付けられる計数のみを計上している。
3.計数は、原則として単位未満を切り捨てたものであり、端数において合計とは一致しないものがある。
4.千円未満の計数がある場合には「0」で表示し、該当計数等が皆無の場合は「-」で表示している。
5.財政投融資特別会計については、財務省及び国土交通省所管分の計数を掲記している。
6.詳しい情報は、財務省ホームページに掲載している。(http://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/policy/fy2011_account/index.html)
- 419 -
227,531,197,679 11,954,205,813 12,197,792,162
平成24年度において実施したアンケート調査の概要
№
アンケート名
【指標名】
輸出入通関手続に関
するアンケート
【業績指標 5-3-8:
輸出入通関における
利用者満足度】
1
(P288)
実施対象者等
○実施場所
・全国9税関本関
○実施対象者
・通関業者
・輸出入者
○回収数(配布数)
1,322(1,782)
・通関業者
896(1,056)
・輸出入者
426(726)
税関の広報活動に関 ○実施場所
・見学会、講演会の会
するアンケート
【業績指標 5-3-12: 場
講演会及び税関見学 ○実施対象者
・税関見学者
における満足度】
・講演会参加者
(P291)
2
○回収数(配布数)
996(1,042)
・税関見学者
715(737)
・講演会参加者
281(305)
輸出入通関手続に関 ○実施場所
・全国9税関本関
するアンケート
【業績指標 5-3-13: ○実施対象者
3 輸出入通関制度の認 ・輸出入者
○回収数(配布数)
知度】
426(726)
(P291)
用紙の配布方法
回収方法
実施時期
付表3
主な質問項目
平成24年12月~
平成25年1月
郵送、FAX、電子 ○無記名
メールで配布・回収 ○7段階評価
(大変良い、良い、やや良い、普通、
やや悪い、悪い、大変悪い)
○主な質問項目
・輸出入通関手続全体の満足度
平成24年12月~
平成25年1月
見学会場、講演会場 ○無記名
で配布・回収
○7段階評価
(大変良い、良い、やや良い、普通、
やや悪い、悪い、大変悪い、
)
○主な質問項目
・講演会及び税関見学の満足度
平成24年12月~
平成25年1月
郵送、FAX、電子 ○無記名
メールで配布・回収 ○選択式
(知っている、知らない)
○主な質問項目
・各通関制度の認知度
(事前教示制度、認定事業者制度
等)
(税関見学者等)
○無記名
会場で配布・回収
○選択式
(知っている、知らない)
(通関業者等)
○主な質問項目
郵送もしくは電子メ ・各密輸取締活動の認知度(空港・
ールで配布・回収
海上等パトロール、麻薬探知犬・
X線検査装置による検査等)
(窓口来訪者)
窓口で配布・回収
平成24年12月~
税関の広報活動に関 ○実施場所
・見学会、講演会の会 平成25年1月
するアンケート
【業績指標 5-3-14: 場
密輸取締り活動に関 ・全国の税関本関・
支署・出張所
する認知度】
・成田、関空、羽田、
(P291)
中部、福岡の各空
港の旅具検査場
○実施対象者
・税関見学者
・講演会参加者
・通関業者
4
・輸出入者
・窓口来訪者
・一般旅客
○回収数(配布数)
3720(8884)
・税関見学者
715(737)
・講演会参加者
281(305)
・通関業者
896(1,056)
(一般旅客)
各空港の旅具検査場
で配布
郵送による回収
平成 24 年度政策評価書
- 420 -
3 付表(平成 24 年度において実施したアンケート調査の概要)
№
アンケート名
【指標名】
実施対象者等
・輸出入者
426(726)
・窓口来訪者
217(350)
・一般旅客
1,185(5,710)
税関相談に関するア ○実施場所
・全国の税関本関・
ンケート
【業績指標 5-3-16: 支署・出張所
税関相談官制度の運
用状況(税関相談に ○実施対象者
ついての利用者満足 ・通関業者
・輸出入者
度)
】
・窓口来訪者
(P53)
5
税関検査に関する
アンケート
【参考指標 5-3-11
:旅具通関に対する
6 利用者の評価】
(P
288)
知的支援に関する
研修・セミナーのア
ンケート
【業績指標 6-2-2:
7
知的支援に関する
研修・セミナー参加
者の満足度】
(P337)
用紙の配布方法
回収方法
実施時期
主な質問項目
平成24年12月~
平成25年1月
(通関業者等)
○無記名
郵送、FAX、電子 ○7段階評価
メールで配布・回収 (大変良い、良い、やや良い、普通、
やや悪い、悪い、大変悪い、
)
(窓口来訪者)
○主な質問項目
窓口で配布・回収
・相談業務、カスタムスアンサー全
体についての満足度
平成24年12月~
平成25年1月
各空港の旅具検査
場で配布
郵送による回収
○無記名
○7段階評価
(大変良い、良い、やや良い、普
通、やや悪い、悪い、大変悪い)
○主な質問項目
・検査官の対応、申告手続のわか
りやすさ、税関の密輸取締り等
平成24年4月~
平成25年3月の間
(各研修・セミ
ナー時)
研修・セミナー中に
配付
研修・セミナー終了
時に回収
○記名
○5段階評価
(非常に有意義、有意義、普通、
あまり有意義でない、有意義でな
い)
○主な質問項目
・研修・セミナー全体の満足度
○回収数(配布数)
1,539(2,132)
・通関業者
896(1,056)
・輸出入者
426(726)
・窓口来訪者
217(350)
○実施場所
・成田、関空、羽
田、中部、福岡
の各空港の旅具
検査場
○実施対象者
・一般旅客
○回収数(配布数)
1,185(5,710)
○実施場所
研修所・セミナ
ー会場
○実施対象者
研修生・セミナー
受講者
○回収数(配布数)
298(298)
- 421 -
付表4
「政策の目標」ごとの政策所管課等及び各局課評価担当組織
「政策の目標」
総合目標
総合目標1
総合目標2
総合目標3
総合目標4
総合目標5
総合目標6
政策目標1
政策目標1-1
通貨に対する信認を確保しつつ、健全で活力ある経済及び安心で豊か
な社会を実現するとともに、世界経済の安定的発展に貢献すること
我が国における少子高齢化等の社会経済情勢の変化、厳しい財政状況
を踏まえ、社会保障・税一体改革を継続するとともに、国・地方のプ
ライマリーバランスについて、2015年度までにその赤字の対GDP比
を2010年度の水準から半減し、2020年度までに黒字化するとの財政健
全化目標達成に向け、歳入・歳出両面において財政健全化に向けて取
り組む
我が国の経済・社会の構造変化に対応し、成長と雇用の実現、社会保
障改革とその財源確保といった我が国の喫緊の課題に応えるため、税
制の抜本的な改革に取り組む
経済金融情勢及び財政状況を踏まえつつ、市場との緊密な対話に基づ
き、国債発行計画の策定等の国債管理政策を遂行し、中長期的な調達
コストの抑制を図りながら、必要とされる財政資金を確実に調達す
る。また、対象事業の重点化・効率化を図りつつ、政策的必要性等の
観点から財政投融資を活用するほか、「新成長戦略における国有財産
の有効活用について」等を踏まえ、未利用国有地等の活用や庁舎及び
宿舎の最適化の推進など国有財産の有効活用に取り組む
金融システムの状況を踏まえながら、関係機関との連携を図りつつ、
金融破綻処理制度の整備・運用を図るとともに、預金保険法等の法令
に基づき、金融危機管理を行うことにより、金融システムの安定の確
保を図る。また、通貨の流通状況を把握し、偽造・変造の防止等に取
り組み高い品質の通貨を円滑に供給することにより、通貨に対する信
頼の維持に貢献する
我が国経済の健全な発展に資するよう、地球的規模の問題への対応を
含む国際的な協力等に積極的に取り組むことにより、世界経済の持続
的発展、国際金融システムの安定及びそれに向けた制度強化、アジア
における地域協力の強化、開発途上国の経済社会の発展、国際貿易の
秩序ある発展を目指す。特に、我が国を含むアジア諸国が共に成長す
るため、アジアにおける「新成長戦略」を推進する
総合目標1から5の目標を追求しつつ、震災対応に取り組むととも
に、財政健全化と経済成長との両立を図る観点から、デフレ脱却・安
定的な経済成長の実現に寄与することを目指し、関係機関との連携を
図りつつ、適切な財政・経済の運営を行う
健全な財政の確保
重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善の推進
政策目標1-2
必要な歳入の確保
政策目標1-3
予算執行の透明性の向上・適正な予算執行の確保
政策目標1-4
政策目標1-5
決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示
地方の歳入・歳出、国・地方間の財政移転に関する事務の適切な遂行
政策目標1-6
政策目標2-2
公正で効率的かつ透明な財政・会計に係る制度の構築及びその適正な
運営
適正かつ公平な課税の実現
我が国の経済・社会の構造変化に対応するとともに、喫緊の課題に応
えるための税制の構築
内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収
政策目標2-3
政策目標2-4
酒類業の健全な発達の促進
税理士業務の適正な運営の確保
政策目標2
政策目標2-1
平成 24 年度政策評価書
- 422 -
政策所管課等
各局課評価担当組
織
主計局(主計企画官、調査課、総務課)、
大臣官房総合政策課、主税局(総務課、調
査課)
主計局司計課、大
臣官房総合政策
課、主税局総務課
主税局(総務課、調査課、税制第一課、税
制第二課、税制第三課、参事官室)
主税局総務課
理財局(総務課、国庫課、国債企画課、国
債業務課、財政投融資総括課、国有財産企
画課、国有財産調整課、国有財産業務課)
理財局総務課
大臣官房信用機構課、理財局(国庫課)
大臣官房信用機構
課、理財局総務課
国際局(総務課、調査課、国際機構課、地
域協力課、為替市場課、開発政策課、開発
機関課)、関税局(関税課、参事官室(国
際協力担当)、参事官室(国際調査担
当)、経済連携室)、財務総合政策研究所
(研究部国際交流室)
大臣官房総合政策課、主計局(総務課、調
査課)、主税局(総務課、調査課)
国際局総務課、関
税局総務課
主計局(総務課、司計課、調査課、主計
官、主計企画官)
主計局(総務課)、主税局(総務課)
主計局司計課
主計局(司計課、総務課、法規課)、会計
センター(研修部)
主計局(司計課)
主計局(主計官、主計企画官)、主税局
(総務課)、理財局(計画官)
主計局(法規課)
主税局(総務課、調査課、税制第一課、税
制第二課、税制第三課、参事官室)
国税庁(長官官房総務課、人事課、会計
課、企画課、参事官、国際業務課、厚生管
理官、広報広聴官、相互協議室、税務相談
官、首席国税庁監察官、課税部課税総括
課、個人課税課、資産課税課、法人課税
課、酒税課、消費税室、審理室、資産評価
企画官、鑑定企画官、徴収部管理運営課、
徴収課、調査査察部調査課、査察課、税務
大学校)、国税不服審判所
国税庁(課税部酒税課、鑑定企画官)
国税庁(長官官房総務課、課税部課税総括
課、個人課税課、資産課税課、法人課税
課、酒税課)
大臣官房総合政策
課、主計局司計
課、主税局総務課
主計局司計課、主
税局総務課
主計局司計課
主計局司計課
主計局司計課、主
税局総務課、理財
局総務課
主計局司計課
主税局総務課
国税庁総務課
国税庁総務課
国税庁総務課
3 付表(「政策の目標」ごとの政策所管課等及び各局課評価担当組織)
「政策の目標」
政策目標3
政策目標3-1
政策目標3-2
政策所管課等
国の資産・負債の適正な管理
国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑制
財政投融資の対象として必要な事業を実施する機関への資金供給の確
保と重点化・効率化及びディスクロージャーの徹底
政策目標3-3
国有財産の適正な管理及び有効活用等と情報提供の充実
政策目標3-4
庁舎及び宿舎の最適化の推進
政策目標3-5
政策目標4
政策目標4-1
政策目標4-2
国庫金の正確で効率的な管理
通貨及び信用秩序に対する信頼の維持
日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止
金融破綻処理制度の適切な整備・運用及び迅速・的確な金融危機管理
政策目標5
政策目標5-1
政策目標5-2
貿易の秩序維持と健全な発展
内外経済情勢等を踏まえた適切な関税率の設定・関税制度の改善等
多角的貿易体制の強化及び経済連携の推進、税関分野における貿易円
滑化の推進
関税等の適正な賦課及び徴収、社会悪物品等の密輸阻止並びに税関手
続における利用者利便の向上
政策目標5-3
政策目標6
政策目標6-1
政策目標6-2
政策目標6-3
政策目標7~11
政策目標7-1
政策目標8-1
国際金融システムの安定的かつ健全な発展と開発途上国の経済社会の
発展の促進
外国為替市場の安定並びに国際金融システムの安定に向けた制度強化
及びその適切な運用の確保
開発途上国における安定的な経済社会の発展に資するための資金協
力・知的支援を含む多様な協力の推進
アジア経済戦略の推進(新成長戦略)
理財局(国債企画課、国債業務課)
理財局(財政投融資総括課、管理課、計画
官)
理財局総務課
理財局総務課
理財局(国有財産企画課、政府出資室、国
有財産調整課、国有財産監査室、国有財産
業務課、国有財産審理室、特定国有財産整
備室、管理課国有財産情報室)
理財局(国有財産企画課、国有財産調整
課、特定国有財産整備室)
理財局(国庫課)
理財局総務課
関税局(関税課、業務課、調査課)
関税局(参事官室(国際協力担当)、参事
官室(国際調査担当)、経済連携室)
関税局(業務課、総務課、監視課、調査
課、参事官室(国際調査担当)、事務管理
室、税関調査室)、関税中央分析所
関税局総務課
関税局総務課
国際局(調査課、国際機構課、地域協力
課、為替市場課)
国際局(地域協力課、開発政策課、開発機
関課)、関税局(参事官室(国際協力担
当))、税関研修所、財務総合政策研究所
(研究部国際交流室)
国際局(調査課、地域協力課、開発政策
課)
国際局総務課
地震再保険事業の健全な運営
大臣官房政策金融課
安定的で効率的な国家公務員共済制度等の構築及び管理
日本銀行の業務及び組織の適正な運営の確保
たばこ・塩事業の健全な発展の促進と適切な運営の確保
高度な専門性に裏打ちされた、効果的・効率的かつ透明性の高い行政
運営の実施及びそのための組織の構築
組織運営の方針1 政策立案・調整・実施機能の発揮
主計局(給与共済課)
理財局(総務課調査室)
理財局(総務課たばこ塩事業室)
組織運営の方針2 高い能力と見識を有する人材の育成・確保
大臣官房秘書課、関税局(管理課)、税関
研修所、財務総合政策研究所(研究部、研
修部)、国税庁(人事課、税務大学校)
大臣官房文書課(広報室、行政相談係、情
報公開・個人情報保護室)、地方課
大臣官房文書課(業務企画室、情報管理
室)、会計課、主計局(主計企画官付財政
分析係、総務課主計事務管理室、司計課、
法規課)、関税局(総務課)、理財局(総
務課)、財務総合政策研究所(調査統計
部)、会計センター(管理運用部)、国税
庁(企画課)
組織運営の方針4 電子政府実現に向けた行政の情報化の推進
組織運営の方針5 政策評価の着実な実施、業務運営の在り方や所管する法人の見直し等
による効果的・効率的な行政運営
理財局総務課
理財局総務課
大臣官房信用機構
課
大臣官房政策金融課
組織運営の方針3 国民・市場に対する的確な情報の発信・開示と意見の集約
理財局総務課
理財局(国庫課通貨企画調整室)
大臣官房信用機構課
財務省が所管する法人及び事業等の適正な管理、運営の確保
政府関係金融機関等の適正かつ効率的な運営の確保
政策目標9-1
政策目標10-1
政策目標11-1
組織運営の方針
各局課評価担当組
織
大臣官房文書課、総合政策課、地方課
大臣官房文書課(政策評価室、企画調整
室)、会計課、主計局(司計課)、主税局
(税制第一課、税制第二課、税制第三課、
参事官室)、関税局(関税課)、理財局
(財政投融資総括課、計画官)
関税局総務課
国際局総務課、関
税局総務課
国際局総務課
大臣官房政策金融
課
大臣官房政策金融
課
主計局司計課
理財局総務課
理財局総務課
大臣官房文書課、
総合政策課、地方
課
大臣官房秘書課、
関税局総務課、国
税庁総務課
大臣官房文書課
大臣官房文書課、
会計課、主計局司
計課、関税局総務
課、理財局総務
課、財務総合政策
研究所総務室、会
計センター総務
室、国税庁総務課
大臣官房文書課、
会計課、主計局司
計課、 主税局総務
課、関税局総務
課、理財局総務課
(注)1 「政策所管課等」欄及び「各局課評価担当組織」欄の第一番目に記載した課が、「政策の目標」ごとの取りまとめ課である。
2 官房各課の実績評価は、官房各課が一次審査を行う。
- 423 -
成果重視事業の評価
付表5
成果重視事業の評価書
成果重視事業
の名称
関連する
「政策の目標」
政策所管課等
成果重視事業
の概要
目標期間
目
標
目標設定の考え方
目標達成度合
の判定方法
目標の達成状況
記載要領
成果重視事業の名称を記載
成果重視事業が関連する「政策の目標」を記載
「政策の目標」に係る政策所管課等を全て記載
成果重視事業の概要を記載
成果重視事業として設定する期間を記載
達成しようとする目標を具体的に記載
上記目標を設定した意図・理由を記載
上記目標の達成・未達成の判定方法を記載
上記目標の達成・未達成の別及び実績値を具体的に記載する。
(目標が未達成の場合は、原因分析についても記載する。
)
(単位:百万円)
年
度
平成○年度
予 算 額
支 出 済 額
翌年度繰越額
弾 力 化 措 置
予算額等
繰 越 明 許 費
国庫債務負担行為
目 の 大 括 り 化
平成○年度
平成○年度
繰越明許費: 予め予算を以て国会の議決を得て、歳
出予算の経費のうち、その性質上又は予算成立後の事
由に基づき年度内にその支出を終わらない見込みのあ
るものについて、翌年度に繰り越して使用できる経費。
欄には当該年度における繰越明許費に係る予算額
を記載。
国庫債務負担行為: 予め予算を以て国会の議決を
経て、複数年にわたり効力が継続する債務を負担する
制度。
欄には当該年度における予算の国庫債務負担行為
の限度額を記載。
目の大括り化:庁費、通信専用料等複数の目に分けて予
算を計上する事業に関して、事業の性質に応じ、当該複
数の目をまとめて、その事業に即した大括りの目を設定す
ること。
予算執行の効率化・
弾力化による効果
今後の方向性
予算執行の効率化・弾力化による効果(利便性)が、どのように
発現したかを記載する。
評価結果を踏まえた今後の方向性を記載する。
(目標が未達成の場合は、改善方策についても記載する。
)
平成 24 年度政策評価書
- 424 -
3 付表(成果重視事業の評価)
成果重視事業
の名称
予算編成支援システム最適化計画実施事業
関連する
「政策の目標」
政策所管課等
成果重視事業
の概要
目標期間
目
標
組織運営の方針4:電子政府実現に向けた行政の情報化の推進
主計局総務課主計事務管理室
予算編成支援システムについて、最適化計画を策定し、業務・システムの更
なる効率化・合理化、利便性の維持・向上、オ-プンシステム化等を図るため
のシステム開発等を行う。
平成 18 年度~平成 24 年度
予算編成支援システムのオープンシステム化等により、運用経費(ランニン
グコスト)の削減を図る。
予算編成支援システムの機器更新時(平成 23 年 5 月)にオープン化を達成
目標設定の考え方
し、サブシステムとして一体的な開発・運用を行う財務書類作成システムにつ
いて統合運用を開始することにより、運用経費が平準化し事業効果が発現する
平成 24 年度において、412,451 千円の運用経費削減を図る。
目標達成度合
削減経費目標値
412,451 千円以上:達成
の判定方法
削減経費目標値
412,451 千円未満:未達成
目標の達成状況
本事業にてシステムオープン化を達成したことにより、最適化実施前と比較
して 492,272 千円の経費削減(平成 24 年度実績)を達成した。
(単位:百万円)
年
予算額等
度
平 22 年度
弾力化による効果
今後の方向性
平成 24 年度
予 算 額
2,019
1,817
1,867
支 出 済 額
2,011
1,854
1,850
翌年度繰越額
0
0
0
1,321
1,156
1,104
0
0
0
国庫債務負担行為
1,321
1,156
1,104
目 の 大 括 り 化
0
0
0
弾 力 化 措 置
繰 越 明 許 費
予算執行の効率化・
平成 23 年度
「予算・決算業務・システム最適化計画」に基づき、機器調達において国庫
債務負担行為を活用することにより、予算執行の効率化を図った。
予算編成支援システムの安定運用に努めるとともに、更なる効率的な運用、
利便性の向上を図っていく予定である。
- 425 -
付表6
租税特別措置等に係る政策評価結果の政策への反映状況
№
1
租税特別措置等の名称
評価実施時期
特定普通財産とその隣
接する土地等の交換の 平成24年8月
場合の課税の特例
評価結果
政策評価の結果の政策への反映状況
別添の
通り
政策評価の結果、必要性等、有効性
等、相当性が認められることから、こ
れまでの取組を引き続き進めた。
平成24年度政策評価書
- 426 -
3 付表(租税特別措置等に係る政策評価結果の政策への反映状況)
租税特別措置等に係る政策の事後評価書
(別添)
1
政策評価の対象とした
租税特別措置等の名称
特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の課税の特例
(法人税:義、所得税:外)
2
租税特別措置等の内容
法人が、その有する国有財産特別措置法第9条第2項の普通財産のうち同項
に規定する土地等として財務局長等により一定の証明がされたもの(特定普通
財産)に隣接する土地等(その特定普通財産の上に存する地上権等又は土地
の賃借権を含む。)につき、同項の規定により当該隣接する土地等と当該特定
普通財産の交換をしたときは、当該交換により取得した特定普通財産の取得価
額から当該交換により譲渡をした隣接する土地等の譲渡直前の帳簿価額を控
除した残額の範囲内で圧縮記帳による課税の繰延べを認める。
個人が、その有する国有財産特別措置法第9条第2項の普通財産のうち同項
に規定する土地等として財務局長等により一定の証明がされたもの(特定普通
財産)に隣接する土地等(その特定普通財産の上に存する地上権等又は土地
の賃借権を含む。)につき、同項の規定により当該隣接する土地等と当該特定
普通財産の交換をしたときは、当該所有隣接土地等の交換がなかったものとし
て、租税特別措置法に規定する長期譲渡所得の課税の特例又は短期譲渡所得
の課税の特例を適用する。
3
担当部局
理財局国有財産業務課
4
評価実施時期
平成 24 年 8 月
(分析対象 平成 18~23 年度)
5
租税特別措置等の創設
年度及び改正経緯
平成 18 年度創設 (以後改正なし)
6
適用期間
恒久措置
7
必要性
等
①
政策目的
及びその
根拠
《租税特別措置等により実現しようとする政策目的》
厳しい財政事情の下、税外収入を確保するため、売却が直ちに困難な国有地
についても、交換制度の活用により売却を図る。
《政策目的の根拠》
国有財産特別措置法(昭和 27 年 6 月 30 日法律第 219 号)第 9 条第 2 項
(概要)
普通財産のうち土地及び土地の定着物は、各省各庁の長が当該土地を円滑
に売り払うため必要がある場合には、当該土地の一部について、隣接する土地
等の一部もしくは全部、または当該土地上に存する借地権の一部と交換するこ
とができる。
②
政策体系
における
政策目的
の位置付
け
政策目標 3-3
国有財産の適正な管理及び有効活用等と情報提供の充実
③
達成目標
及び測定
指標
《租税特別措置等により達成しようとする目標》
国有地のうち、売却が直ちに困難な無道路地、不整形地及び権利付財産に
ついて、交換制度を活用し、隣接地と土地の一部を交換して進入路の確保、土
地の整形化又は借地権の解消(以下、「整形化等」という。)を行うことにより、売
却可能な国有地を創出し、売却を図ることを目標としている。
交換は、相手方の合意に基づき成立するものであり、あらかじめ達成すべき
具体的な水準と目標達成時期は示せないものの、整形化等を行った国有地に
ついては、速やかに売却を図ることとしている。
- 427 -
《租税特別措置等による達成目標に係る測定指標》
当該交換により整形化等が行われた国有地について、平成 24 年 3 月末まで
に入札等により得られた売却収入。
《政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与》
特例措置により、売却が直ちに困難な国有地の整形化等に必要な土地等の
所有者が交換に応じることになり、売却可能な国有地が創出され、入札等により
売却収入が得られ、税外収入の確保に寄与している。
8
有効性
等
①
適用数等
平成 18 年度
平成 19 年度
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
合計
交換件数(法人)
0件
0件
2件
2件
0件
2件
6件
交換件数(個人)
12 件
24 件
6件
4件
3件
6件
55 件
国は隣接土地所有者等へ須く特定国有財産の交換制度の周知を行ってい
るが、隣接土地所有者の交換ニーズは、土地所有期間の中で生じる建物の
建替えや相続などの機会に応じて発生するものであり、隣接土地所有者側
のニーズがなければ同制度は活用できないこと、また、交換は相手方との
合意に基づき成立するものであることから、事前に適用件数を想定するこ
とは困難であり、交換件数が想定外に僅少ではないと考える。
②
減収額
平成 18 年度
平成 19 年度
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
合計
法人税減収額
0 百万円
0 百万円
15 百万円
204 百万円
0 百万円
0 百万円
220 百万円
所得税減収額
23 百万円
77 百万円
12 百万円
8 百万円
6 百万円
19 百万円
146 百万円
※減収額については、各年度における実績額を計上。
※平成 23 年度において法人との交換実績が 2 件あるものの、契約相手方が非
課税法人であったため、租特の適用はない。
③
効果・達成
目標の実
現状況
《政策目的の実現状況》(分析対象期間:平成 18~23 年度)
国有財産の有効活用が促進された結果、売却収入が得られた。
平成 18 年度
平成 19 年度
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
合計
売却収入(法人)
0 百万円
0 百万円
81 百万円
3,008 百万円
0 百万円
0 百万円
3,090 百万円
売却収入(個人)
365 百万円
908 百万円
155 百万円
127 百万円
27 百万円
0 百万円
1,583 百万円
※平成 23 年度交換実施分については平成 24 年度に売却予定(法人との交換
後の国有地の売却見込額は 595 百万円、個人との交換後の国有地の売却見
込額は 86 百万円))。
《租税特別措置等による効果・達成目標の実現状況》(分析対象期間:平成 18~
23 年度)
無道路地・不整形地等の売却が直ちに困難な国有地について、交換制度の
平成24年度政策評価書
- 428 -
3 付表(租税特別措置等に係る政策評価結果の政策への反映状況)
活用により売却可能な国有地が創出された結果、法人との交換後の国有地の
売却収入については 30 億 9,048 万円、個人との交換後の国有地の売却収入に
ついては 15 億 8,350 万円得られた。
《税収減を是認するような効果の有無》(分析対象期間:平成 18~23 年度)
法人税の特例措置適用の減収額 2 億 2,009 万円に対し、交換後の国有地売
却収入は 30 億 9,048 万円であり、税収減を上回る売却収入が得られたことか
ら、特例措置は効果があったと認められる。
所得税の特例措置適用の減収額 1 億 4,676 万円に対し、交換後の国有地売
却収入は 15 億 8,350 万円であり、税収減を上回る売却収入が得られたことか
ら、特例措置は効果があったと認められる。
9
10
相当性
①
租税特別
措置等に
よるべき妥
当性等
②
他の支援
措置や義
務付け等
との役割
分担
③
地方公共
団体が協
力する相
当性
有識者の見解
民間において固定資産を交換する場合には、所得税法及び法人税法により譲渡益にかか
る特例措置が認められているが、国有地の交換については、同法が適用されないことか
ら、租税特別措置により国有地についても民間と同様の特例措置を講じたものである。
当該租税特別措置以外の他の政策手段を用いることは民間取引における課
税の取扱いと異なることとなり、交換契約の成立に支障をきたすおそれがあるこ
とから、妥当ではない。
他の支援措置や義務付け等はない。
―
○財政制度等審議会国有財産分科会答申(平成 18 年 1 月)
「今後の国有財産の制度及び管理処分のあり方について-効率性重視に向け
た改革-」(抄)
・未利用国有地等の売却を容易にするための交換制度の導入
未利用国有地については、これまで積極的に売却が行われてきた結果、そのス
トックは減少した。しかし、現下の極めて厳しい財政事情の下、今後は、市場性に
劣る売却困難財産や権利付財産も工夫して売却していかなければならない。
したがって、こうした財産の売却を促進するため、可及的速やかに、法律上、
国有地の円滑な処分のために行う交換を可能とするとともに、借地権と底地(国
有地)の交換を可能とすることが適当である。
11
評価結果の反映の方向
性
12
前回の事前評価又は事
後評価の実施時期
特例措置により、売却が直ちに困難な国有地の整形化等に必要な土地等の所有者
が交換に応じ、売却可能な国有地が創出され、入札等により売却収入が得られるな
ど、税外収入の確保に寄与していることから、特例措置による効果が認められる。
引き続き、売却が直ちに困難な無道路地、不整形地等について、交換制度を
活用したうえで、売却可能な国有地を創出し、売却を図ることにより、税外収入を
確保する必要があることから、当該措置の継続は必要であると考える。
―
(注)別紙については財務省HP参照。
(http://www.mof.go.jp/about_mof/policy_evaluation/mof/fy2012/evaluation/24090
7sotokua.pdf)
- 429 -
- 430 -
4
用語集
- 431 -
- 432 -
4 用語集
用 語 集
率的な検査を実施することが可能となる。
あ アジア・カーゴ・ハイウェイ構想
ASEAN諸国を中心としたアジア地域
において、AEO制度の構築・相互承認によ
る通関手続の簡素化、ナショナル・シングル
ウィンドウの構築・国際的連携による通関手
続の迅速化、及び近代的な税関当局に必要な
その他の基礎的な貿易円滑化分野の改革を
推進することで、我が国とアジアの間に切れ
目のない物流を創出するというコンセプト。
改正京都規約(税関手続の簡易化及び調和に
関する国際規約)
税関手続の国際標準を規定。昭和48年に京
都で採択された京都規約を改正し、情報技術
やリスク分析の活用による検査対象の絞り
込み等の近代的な税関手続を積極的に取り
入れたもの。平成11年6月のWCO総会で採
択され、平成18年2月に発効。
アジア債券市場育成イニシアティブ
貨幣回収準備資金
平成15年8月のASEAN+3(日中韓)
財務大臣会議で合意された、域内の民間貯蓄
を経済発展に必要な中長期の資金ニーズに
結び付けることを目的とし、域内の債券発行
体の多様化、市場インフラの整備等を通じて
債券市場の育成を図っていくイニシアティ
ブ。これまでに、ADB(アジア開発銀行)
等の国際機関やJBIC(国際協力銀行)等
の政府系金融機関による現地通貨建て債券
の発行等、様々な取組を進めている。
政府が発行した貨幣の引換え又は回収に
充てるための準備資金を保有するために一
般会計に設けられた資金。
カレンダーベース市中発行額
毎年度の国債発行総額のうち、発行額をあ
らかじめ定めて、毎月の入札において市中に
発行される額。カレンダーベース市中発行額
は、毎年度の国債発行総額の大宗を占めてお
り、財務省は市場との対話等を通じ、市場の
ニーズ・動向等を踏まえて、カレンダーベー
ス市中発行額や発行年限の構成(どのような
年限の国債をいくら発行するか)を決定す
る。
え 円借款
開発途上国政府等に対して、低利で長期の
緩やかな条件で開発資金を貸付けるもの。円
借款の実施は、国際協力機構が担当。
き
か 買入消却
国債の発行者である国が、償還期限が到来
する前に国債を買い入れ、これを消却するこ
とで債務を消滅させること。
外国為替資金証券
特別会計に関する法律第83条第1項の規
定に基づき「外国為替資金に属する現金に不
足がある場合」に発行される、政府短期証券。
気候投資基金(CIF)
Climate Investment Fundsの略称。「クリ
ーン・テクノロジー基金」と「戦略気候基金」
の2つの基金から構成される。前者は、主要
な途上国における温室効果ガス削減に資す
るプロジェクトを支援、後者はぜい弱な途上
国の気候変動の影響を軽減する対策や、森林
保全、再生可能エネルギー分野の支援を実
施。
記念貨幣
海上貨物スクリーニングシステム
我が国へ到着する外国貨物等に関する
情報を船舶の到着前に入手し、外国貨物が
本邦の港に船卸しされる段階から、要注意
貨物のスクリーニング(絞込・選定)を的
確かつ効率的に行うためのシステム。この
システムの活用により、取締対象を的確に
絞り込むとともに、大型X線検査装置等の
検査機器の有効活用により、重点的かつ効
- 433 -
国としてある事柄を記念するために国家
的記念事業として発行する貨幣。
旧里道・旧水路
道路法上の市町村道等に、また河川法上の
河川等に認定されていないもので、公共物と
しての機能を喪失したもの。
行政財産
権利付財産
国の行政の用に供するため所有する財産
であり、さらに用途によって4つの種類に分
けられる。
・公用財産:国において国の事務、事業又は こ
その職員の住居の用に供し、又は供するもの
と決定した財産(例えば、庁舎、国家公務員
宿舎)
・公共用財産:国において直接公共の用に供
し、又は供するものと決定した財産(例えば、
公園、道路、海浜地)
・皇室用財産:国において皇室の用に供し、
又は供するものと決定した財産(例えば、皇
居、御所、御用邸、陵墓)
・森林経営用財産:国において森林経営の用
に供し、又は供するものと決定した財産
借地契約・借家契約等の対象となっている
土地、建物等。
金融リテラシー
金融に関する健全な意思決定を行い、究極
的には金融面での個人の幸福を達成するた
めに必要な、金融に関する意識、知識、技術、
態度および行動の総体。
公的資金枠
政府保証枠及び破綻金融機関の資金援助
等の原資に充当するための財政措置枠。
国内指定預金(一般口)
政府預金のうちの指定預金の一つ。国内指
定預金は、利子の附される預金であり、一般
口、外国為替資金口、食糧管理口及び財政融
資資金口の各口座からなる。外国為替資金
口、食糧管理口及び財政融資資金口は、各々
外国為替資金特別会計、食料安定供給特別会
計及び財政投融資特別会計に属する現金(当
座預金に預けられているものを除く)を管理
するための口座であり、一般口は、一般会計
や上記以外の特別会計に属する現金(当座預
金に預けられているものを除く)を管理する
口座である。
国有畦畔・脱落地
金利スワップ取引
様々な金利変動リスクをヘッジすること
を基本的な目的として、異なる種類の金利の
支払いを一定期間にわたって交換する取引。
基準の枠組み(国際貿易の安全確保及び円滑
化のための基準の枠組み)
平成13年9月の米国同時多発テロを契機
とし、WCOにおけるテロ対策に向けた検討
結果を踏まえ、税関当局が国際貿易の安全確
保及び円滑化を達成するために国際的に実
施すべき方策を基準としてとりまとめたも
のであり、平成17年6月の総会で採択され
た。なお、平成19年6月のWCO総会におい
て、AEOガイドライン(平成18年6月に採
択)を包含した「基準の枠組み」が、また、
平成23年6月の総会において、「基準の枠組
み」改訂版が採択された。
け 原産地規則
国際的に取引される物品の原産国を決定
するための規則。一般特恵制度や経済連携協
定による特恵税率を適用する場合に用いる
特恵原産地規則と、WTO協定税率や不当廉
売関税などの非特恵分野での税率適用のた
めに用いる非特恵原産地規則がある。
平成 24 年度政策評価書
- 434 -
農地に付随する畦等のうち、地租改正等明
治の土地制度(地所名称区別及び国有土地森
林原野下戻法等)に基づいて、国有地とされ
ているものであり、また、公図上無番地の無
主の不動産であり、登記簿上も、民有地と区
分されておらず、国有財産台帳にも登載され
ていないもの。
国有財産
国の所有する財産には、現金や預金のほ
か、土地、建物等の不動産、船舶、自動車、
航空機等の動産、売払代金、貸付金等の債権、
著作権、特許権等の知的財産権、地上権、鉱
業権等の用益物権等多種多様なものがある
(広義の国有財産)が、本評価書における国
有財産とは、国有財産法第2条及び附則第4
条に規定されている財産(狭義の国有財産)
をいう。
また、国有財産は、国の行政の用に供する
ため所有する行政財産と、それ以外の普通財
産に分類される。
誤信使用財産
自己が正当に使用することができる財産
であるとの誤信により使用が開始された等
の経緯を有する財産。
4 用語集
コスト・アット・リスク分析
将来の国債発行計画を所与とし、将来にわ
たる金利変動パターンについて、確率的なモ
デルに基づきシミュレーションすることに
より、利払費用の平均値(コスト)や利払費
用の分布の幅の大きさ(リスク)を計測する
分析。
平成13年度に行われた財政投融資制度に
関する改革。郵貯・年金の預託義務が廃止さ
れ、市場原理に則った資金調達を実現するた
め財投債や財投機関債が導入されるなどの
制度変更が行われた。
財政投融資計画
国家的な記念事業
当該年度の財政投融資の内容を表すもの
で、予算と合わせて編成され、国会の審議、
議決を受ける。
国民が記念すべき事柄について、国がこれ
を記念して行うにふさわしい事業。
財投機関債
国庫
国は、租税及び国債を主たる財源として現
金を調達し、これにより公共事業、社会保障、
教育、防衛等多様な行政を行っている。こう
した財政活動の主体としてとらえた国のこ
と。
国庫金
国庫に属する現金のこと。
国庫金の過不足の調整
国庫金の受入(租税受入等)や支払(年金
支払等)がなされる時期は様々であり、時期
によって国庫には現金不足や余剰が生じる。
国庫全体として現金の不足が見込まれる場
合には、予算の支出を支障なく執行するた
め、財務省証券を発行することにより不足現
金を調達する。国庫に一時的に余裕金(国庫
余裕金)が発生した場合には、日本銀行に設
けられている政府預金の中の当座預金から
利子の付される国内指定預金に組み替える
こと等により国庫余裕金を管理している。
国庫原簿
予算決算及び会計令第128条の規定によ
り、財務省が作成する国庫金の出納に関する
帳簿。
財投機関債は、財投機関が発行する政府保
証のない公募債券であり、財投改革に伴い、
各特殊法人等において、市場評価を通じ特殊
法人等改革の趣旨に沿った業務運営効率化
へのインセンティブを高める等の観点から
平成13年度に導入されたもの。
財投債
国が発行する国債の一種。商品性も通常の
国債と同じで、発行も通常の国債と合わせて
行われるが、国債の発行によって調達された
資金が財政融資資金の貸付けの財源となる
とともに、償還・利払いが財政融資資金の貸
付回収金によって賄われている点が、一般会
計の歳出の財源となり、租税などを償還財源
とする通常の国債とは異なる。このため、財
投債は、経済指標のグローバルスタンダード
である国民経済計算体系(SNA)上も、一
般政府の債務には分類されておらず、また国
の長期債務残高にも含まれていない。
財務省証券
財政法第7条第1項の規定に基づき「国庫
金の出納上必要があるとき」に発行される、
政府短期証券。
サムライ債
外国の政府・企業等の非居住者が、日本国
内で円建てで発行する外債のこと。
さ 財政投融資
政府が国債(財投債)の発行により金融市 し
場から調達した資金などを財源として、民間
では困難な大規模・超長期プロジェクトの実
施や、民間金融では困難な長期資金の供給を
可能とするための投融資活動。
財政投融資改革(財投改革)
- 435 -
市場化テスト
官民競争入札・民間競争入札を活用し、公
共サービスの実施について、民間事業者の創
意工夫を活用することにより、国民のため、
より良質かつ低廉なサービスを実現する仕
組み。
る。
事前教示制度
輸入者その他の関係者が、あらかじめ税関
に対し輸入を予定している貨物の関税率表
上の所属区分(税番)、関税率、課税価格の
決定方法等について照会を行い、税関からそ
の回答を受けることができる制度。文書によ
り照会が行われる場合には、正式に文書によ
り回答を行っており、当該照会に係る貨物の
輸入申告の審査の際に尊重される。一方、口
頭による照会については、文書による事前教
示への回答とは性格が異なり、参考情報(ガ
イダンス)として口頭により回答するもの。
(関税法第7条第3項)
政府保証枠
預金保険機構等が日本銀行及び民間金融
機関等から資金の借入や債券発行する際に、
政府がその債務を保証する金額の上限。
政府預金
会計法等の規定により、日本銀行において
受け入れた国庫金は、国の預金(政府預金)
とされている。政府預金は、その性格に応じ
て、当座預金、別口預金、指定預金、小額紙
幣引換準備預金の4種類に区分されている。
事前選定
そ
我が国へ到着する外国貨物等に関する情
報を船舶等の到着前に入手し、当該情報等を
活用して要注意貨物のスクリーニング(絞
込・選定)を行うこと。
た
シングルウィンドウ
金銭による相続税の納付が困難である場
合において、金銭の代わりに納付するため申
請があった財産。
弾力条項
「特別会計に関する法律」の規定に基づ
き、予算総則に定めるところに従って、年度
中において各特別会計の経費を増額する必
要が生じた場合に、収入の増加を確保するこ
とができる範囲内で支出の増加を認めるも
の。
財政投融資計画との関連では、経済事情の
変動等に応じ機動的かつ弾力的に対処する
ため、財政融資資金の長期運用予定額及び政
府保証の限度額について、一定の範囲内で増
額しうる措置が講じられている。
関係する複数のシステムを相互に接続・
連携することにより、1回の入力・送信に
よって、複数の類似手続を同時に行えるよ
うにするもの。
せ 税関相互支援協定
税関当局間において社会悪物品の密輸の
防止、知的財産侵害物品の水際取締り等を目
的とした情報交換を行うことや、通関手続き
の簡素化・調和化等について協力することを
定めた国際約束。
ち
税制調査会
相続税物納申請財産
内閣総理大臣の諮問に応じ、租税制度に関
する事項について調査審議することを目的
として内閣府に設置された機関。
製造貨幣大試験
通貨に対する国民の信頼を維持するため、
財務大臣が製造する貨幣を検査し、その量目
が適正であることを公開の場で示すもの。
政府短期証券
一般会計と複数の特別会計が、法令の規定
に基づき、その資金繰りに不足が生じる場合
に発行できる短期証券。償還期限は原則13週
間だが、国庫の資金繰りを効率的に行うため
の償還期限が2か月・6か月程度のものもあ
平成 24 年度政策評価書
- 436 -
チェンマイ・イニシアティブ
平成9年のアジア通貨危機のような事態
を防止するため、平成12年5月のASEAN
+3財務大臣会議(タイ・チェンマイ)で合
意された二国間通貨スワップ取極(BSA)
のネットワーク構築等を内容とするイニシ
アティブ。
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)のマ
ルチ化
チェンマイ・イニシアティブ(CMI)の
発動の迅速化・円滑化を図るため、従来の二
国間の通貨スワップ取極のネットワークを
一本の契約に基づく仕組みとするもの。
平成18年5月のASEAN+3財務大臣会
議(於:インド・ハイデラバード)以降、マ
ルチ化の実施に向けた作業を行い、平成21年
4 用語集
12月にマルチ化契約への署名が行われ、平成
22年3月24日にマルチ化が開始された(各国
の貢献額の総額1,200億ドル)。
処分に関する計画(国の庁舎等の使用調整等
に関する特別措置法第5条)。
特恵関税制度
地球環境ファシリティ(GEF)
開発途上国又は地域を原産地とする特定
の輸入品について、一般の関税率よりも低い
税率を適用して、開発途上国又は地域の輸出
所得の増大、工業化の促進を図り、経済発展
を推進しようとする制度。
Global Environment Facilityの略称。開
発途上国による、地球環境の保全・改善への
取組を支援するための資金メカニズム。以下
の6分野を支援対象としている:気候変動緩
和、生物多様性保全、国際水域汚染防止、土
地劣化対策、オゾン層保護及び残留性有機汚
染物質対策。
ドーハ・ラウンド交渉
平成13年11月、ドーハでの閣僚会議で立ち
上げが合意された多角的貿易交渉(正式名称
はドーハ開発アジェンダ(Doha Development
Agenda: 略称DDA))。現在交渉中の分
野は、「農業」「非農産品市場アクセス(N
AMA)」「サービス」「ルール」「貿易円
滑化」「開発」「貿易関連知的財産権(TR
IPs)」「環境」等。
地区計画活用型一般競争入札
地方公共団体と協議し、国有地を含む一定
の区域を対象に地方公共団体が、地区計画等
の都市計画決定をした上で行う入札方式。
知的財産侵害物品
特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著
作権、著作隣接権、回路配置利用権、育成者 に
権等を侵害する物品及び不正競争防止法の
規定に違反する物品をいう。関税法では、こ
れらのうち、輸出又は輸入してはならない貨
物が規定されている。(関税法第69条の2又
は第69条の11)
二国間通貨スワップ取極(BSA)
Bilateral Swap Arrangementの略称。外貨
流動性を必要とする国に対して、支援国が、
被支援国の自国通貨を対価に、ドルや円等の
ハードカレンシーを短期間供給する取極。
二段階一般競争入札
つ ツーステップ・ローン
土地の利用等に関する企画提案書の内容
が一定の水準に達すると認められる参加者
を選定した上で行う入札方式。
貸出人が、一度現地金融機関等の金融仲介
者に対して貸し付け、その後、金融仲介者か
ら現地企業等の最終借入人に再度貸し付け
られる形態の融資。
日本・ASEAN金融技術支援基金
ASEAN+3財務大臣プロセスにおけ
る、アジア債券市場育成イニシアティブ等の
域内の金融安定化及び金融協力の取組推進
のため、平成13年9月に創設された基金。こ
れまで、同基金を通じて、アジア債券市場育
成支援、危機予防に資するための短期資本フ
ローのモニタリング強化支援、ASEAN+
3リサーチ・グループの下での研究活動への
支援等を実施。
と 特殊関税制度
WTO協定で認められたルールとして、不
公正な貿易取引や輸入の急増など特別の事
情がある場合に、自国の産業を一時的に救済
するため、通常課されている関税に追加的に
課される割増関税で、相殺関税、不当廉売関
税、緊急関税(セーフガード)及び報復関税
などがある。
は
特定国有財産整備計画
庁舎等その他の施設の使用の効率化及び
配置の適正化を図るために、これを集約立体
化・移転再配置する場合又は地震防災機能を
発揮するために必要な庁舎等を整備する場 ひ
合に、財務大臣が定める国有財産の取得及び
- 437 -
パイロットアプローチ
具体的案件の実施を通じて①新実施体制
の検証・改善を行い、②案件選択ルールの策
定をすること。
評価センター
東京税関業務部総括関税評価官(部門)の
暫定活用しているものを含む。
通称。全国の税関における関税評価につい
て、統一的な解釈及び適用を確保するため必
要な調査、情報の収集などのセンター機能を
担う組織。
ミレニアム開発目標(MDGs)
Millennium Development Goalsの略称。平
成12年9月の国連ミレニアム・サミットで採
択された「国連ミレニアム宣言」と主要な国
際会議で採択された国際開発目標を統合し、
一つの共通の枠組みとしてまとめたもの。貧
困削減、保健衛生、教育などの分野において、
平成27年までに達成すべき8つの目標を掲
げている。
標的型メール攻撃
特定の個人や団体にウイルスプログラム
を添付した電子メールを送付すること等に
より、特定の組織の情報窃取等を図るサイバ
ー攻撃の一類型。
ふ 普通財産
行政財産以外の一切の国有財産であり、原 ゆ
則として特定の行政目的に供されていない
財産である。
不当廉売関税(反ダンピング税)
不当廉売(ダンピング)された輸入貨物に
対し、同種の貨物を生産する国内産業を保護
するために課する割増関税。
プライマリーバランス(基礎的財政収支)
「借入を除く税収等の歳入」から「過去の
借入に対する元利払いを除いた歳出」を差し
引いた財政収支のこと。基礎的財政収支が均
衡すれば、毎年度の税収等によって、過去の
借入に対する元利払いを除いた毎年度の歳
出をまかなうこととなる。
輸出者の事業所等を税関職員が個別に訪
問して、輸出貨物に関係する帳簿や書類等の
確認を行う調査のこと。輸出された貨物に係
る手続が関税法等関係諸法令の規定に従っ
て正しく行われているか否かを確認し、適正
でない申告を行った者に対しては適切な申
告を行うよう指導を行う。更に適正な輸出管
理体制や通関処理体制の構築を促すことで、
適正かつ迅速な輸出通関の実現を目的とし
ている。
輸入事後調査
輸入者の事業所等を税関職員が個別に訪
問して、関係する帳簿や書類等の確認を行う
調査のこと。輸入貨物の通関後における税関
による税務調査として、輸入された貨物に係
る納税申告が適正に行われているか否かを
事後的に確認し、不適正な申告はこれを是正
するとともに、輸入者に対する適切な申告指
導を行うことにより、適正な課税を確保する
ことを目的としている。
分類センター
東京税関業務部総括関税鑑査官(部門)の
通称。全国の税関における関税分類につい
て、統一的な解釈や運用を行うための品目分
類に関する情報を収集・管理するなどのセン
ター機能を担う組織。
輸出事後調査
よ
ほ 保税地域
外国から輸入する貨物について、その関税
及びその他の税金を一時課税しないままに
しておく場所であり、また輸出入貨物の税関
手続(通関手続)をするための場所でもある。
現在、保税地域の種類は、指定保税地域、保
税蔵置場、保税工場、保税展示場及び総合保
税地域の5種となっている。
み 未利用国有地
単独利用困難なものを除く宅地又は宅地
見込地で現に未利用となっている土地をい
う。ただし、これらを管理委託、一時貸付等
平成 24 年度政策評価書
- 438 -
予備審査制
貨物が本邦に到着等する前に、予め税関に
予備的な申告を行い、税関の審査を受けてお
くことができる制度。
4条協議
IMF協定第4条に基づき、IMFは、各
加盟国に関する経済分析や政策提言を実施
しているが、そのためのIMFと各国当局と
の政策協議のこと。「4条協議」のため、I
MFは殆どの加盟国に対し年1回ミッショ
ンを送っている。協議の結果については、I
MFはIMF理事会に報告をし、理事会でも
議論が行われる。
4 用語集
り 流動性供給入札
ASEAN+3
国債流通市場の流動性の維持・向上を目的
として、流動性の不足している銘柄の国債を
追加発行すること。
ASEAN(東南アジア諸国連合)と日本、
中国、韓国の3カ国。
ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィ
ス(AMRO)
平成23年4月にシンガポールに設置され
た常設機関で、地域経済の監視・分析を行う。
平時においては、経済サーベイランスの実施
を行い、危機時においてはCMIMの迅速な
意思決定の支援等を行う。
旅具通関
旅客又は乗組員の携帯品、別送品等の通関
については、その輸出入形態の特殊性から簡
便な手続が認められており、一般貨物の「業
務通関」に対して「旅具通関」という。
A AEO(認定事業者)制度
ASEAN+6
Authorized Economic Operatorの略称。国
際貿易における安全確保と円滑化の両立を
図るため、貨物のセキュリティ管理と法令遵
守の体制が整備された事業者に対して、税関
長があらかじめ承認又は認定を行い、当該事
業者が迅速化・簡素化された税関手続を利用
することを認める制度。
ASEAN(東南アジア諸国連合)と日本、
中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュ
ージーランドの6カ国。
ASEM
アジア欧州会合。Asia-Europe Meetingの
略称。アジア・欧州間の協力関係の強化を目
的として平成8年より開始された対話プロ
セス。アジア・欧州の対等のパートナーシッ
プを基礎とし、政治対話促進、経済面での協
力強化及び文化・社会面等での協力促進に取
り組む。
ALM
資産・負債管理。Asset Liability Manage
ment の略称。金融業務を行うにあたって発
生する各種のリスクを回避するため、資産
(資金運用)と負債(資金調達)のバランス
を総合的に管理すること。
ASEM貿易円滑化行動計画(2012年-2014
年)
アジア欧州両地域間の貿易機会の促進と、
非関税障壁・取引コストの低減を目的とする
税関手続分野の行動計画。2年毎に開催され
るASEM関税局長・長官会合にあわせて改
訂。
APEC
アジア太平洋経済協力。Asia-Pacific Eco
nomic Cooperationの略称。アジア太平洋地
域の持続可能な発展を目的とし、域内の主要
国・地域が参加するフォーラム。主要な活動
は、域内の貿易投資の自由化・円滑化、経済・
技術協力。
C
APEC税関手続小委員会
APEC貿易投資委員会の下に設置され
ている小委員会。税関手続の調和・簡素化等
を通じた貿易円滑化実現のため、共同行動計
画の実施や途上国・地域に対する技術支援を
中心に活動。年2回開催。
CIO補佐官
業務分析手法、情報システム技術及び情報
セキュリティに関する専門的な知識・経験を
有し、各府省の情報統括化責任者(Chief
Information Officer:CIO、財務省にお
いては官房長)及び情報システム担当部局に
対して支援・助言を行う外部専門家。
CP
ASEAN
東南アジア諸国連合。Association of Sou
th East Asian Nationsの略称。インドネシ
ア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィ
リピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、
E
ミャンマー、ラオスの10カ国が加盟。
- 439 -
コマーシャル・ペーパー。Commercial Paper
の略称。企業が短期資金の調達手段として公
開市場で発行する無担保の割引約束手形。
EPA
経済連携協定。Economic Partnership Agr
eement の略称。FTAの要素(モノ・サー
ビスの貿易の自由化)に加え、投資や人の移
動、二国間協力を含む包括的な経済連携を図
る協定。
G
FTAAP
アジア太平洋の自由貿易圏。Free Trade
Area of the Asia-Pacific の略称。
G20
金融活動作業部会。Financial Action Task
Forceの略称。資金洗浄対策及びテロ資金対
策の発展と促進を目的とした多国間枠組み。
主な活動は、資金洗浄・テロ資金供与に関す
る国際基準の策定、及びメンバー間の相互審
査による当該基準の履行確保。
20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議。Group
of Twentyの略称。アジア通貨危機後、G7
等先進国と主要な新興市場国との間で国際
経済問題について議論することを目的とし
て、99年創設。平成20年秋の金融経済危機以
降、金融・世界経済に関する首脳会合(G20
サミット)に向けての準備会合としての役割
も担うようになった。
FB
G7
政府短期証券。Financing Billの略称。政
府短期証券は、財政法や特別会計に関する法
律等に基づき、国庫もしくは特別会計等の一
時的な現金不足を補うために、国が発行する
短期の資金繰り債。
先進7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議。
Group of Sevenの略称。世界経済の持続的成
長及び為替相場の安定などを達成するため
の政策協調を行っている会合。日、米、英、
独、仏、伊、加がメンバー。
FSB
G8
金融安定理事会。Financial Stability
Boardの略称。国際金融システムに影響を及
ぼす脆弱性の評価及びそれに対処するため
に必要な措置の特定・見直し、金融の安定に
責任を有する当局間の協調及び情報交換の
促進、規制上の基準の遵守におけるベストプ
ラクティスについての助言・監視等を役割と
している。第2回金融・世界経済に関する首
脳会合(ロンドン・サミット:平成21年4月)
の宣言を踏まえ、旧金融安定化フォーラム
(FSF)が、より強固な組織基盤と拡大し
た能力を持つ組織として再構成された。
主要先進国首脳会議。Group of Eight
Summitの略称。G7にロシアを加えた8カ国
の首脳及び外務大臣・財務大臣レベルの会合
の通称。
F FATF
GCC
湾岸協力理事会。Gulf Cooperation Counc
il の略称。アラブ首長国連邦、オマーン、
カタール、クウェート、サウジアラビア、バ
ーレーンの6カ国で構成。
H
FILP
財政投融資計画。Fiscal Investment and
Loan Programの略称。当該年度の財政投融資
の内容を表すもので、予算と合わせて編成さ
れ、国会の審議、議決を受ける(「財政投融
資」参照)。
FTA
自由貿易協定。Free Trade Agreement の
略称。関税やサービス分野の規制等を撤廃 I
し、モノやサービスの貿易の自由化を図るこ
とを目的とした協定。
平成 24 年度政策評価書
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HS条約
商品の名称及び分類についての統一シス
テムに関する国際条約(International Conv
ention on the Harmonized Commodity Descr
iption and Coding System)の俗称。WCO
の場における協議・採択を経て、各国の関税
率表の品目分類等を統一し、国際貿易の円滑
化に資するために作成された条約。締約国
は、HSに基づき自国の関税率表及び輸出入
統計品目表を作成し運用することが義務づ
けられている。
IMF
国際通貨基金。International Monetary
Fundの略称。米国ブレトン・ウッズにおいて
調印された国際通貨基金協定に基づき、1945
4 用語集
年に設立された。主な目的は、通貨に関する
国際協力を促進すること、為替の安定を促進
すること、国際収支困難に陥った加盟国へ融
資を行うこと。
る。主な活動内容は、分類や税関手続に関す
る諸条約の作成及び見直し、貿易円滑化や安
全対策等に関する様々な国際的ガイドライ
ン等の作成の他、国際的な監視・取締りに係
る税関協力や関税技術協力の推進等。
M MDBs
国際開発金融機関。Multilateral Develop
ment Banksの略称。世界銀行グループ、アジ
ア開発銀行、米州開発銀行グループ、アフリ
カ開発銀行グループ、欧州復興開発銀行の総
称。
N NACCS
輸出入・港湾関連情報処理システム。Nipp
on Automated Cargo and port Consolidat e
d Systemの略称。税関、関係行政機関及び関
連民間事業者をオンラインで結び、輸出入等
関連業務を迅速に処理する。
P PFI
Private Finance Initiativeの略称。民間
の資金、経営能力及び技術能力を活用して公
共施設等の建設、維持管理、運営等を行う手
法のこと。
PRE戦略
Public Real Estate戦略の略称。公的不動
産について、公共・公益的な目的を踏まえつ
つ、経済の活性化及び財政健全化を念頭に、
適切で効率的な管理、運用を推進していこう
とする考え方。
T TPP
環太平洋パートナーシップ協定。Trans-Pa
cific Partnershipの略称。広域経済連携を
目指して、シンガポール、ニュージーランド、
ブルネイ、チリ、米、豪、ペルー、ベトナム、
マレーシアの9カ国がTPP協定交渉に参
加。
W WCO
世界税関機構。World Customs Organizati
onの略称。正式名称は関税協力理事会(Cust
oms Cooperation Council)で、平成6年よ
りWCOをワーキングネームとして使用。ベ
ルギーのブリュッセルに本拠を置く多国間
組織であり、税関制度の調和・統一等により
国際貿易の発展に貢献することを目的とす
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WHOたばこ規制枠組条約
「たばこの規制に関する世界保健機関枠
組条約」の略。たばこの健康に対する悪影響
を減らして人々の健康を改善することを目
指し、各国の実情を踏まえ、たばこに関する
広告、包装表示等の規制を行うことについて
定めた条約。
WTO
世界貿易機関。World Trade Organization
の略称。自由貿易促進を主たる目的として作
られた国際組織で、平成7年に設立。本部は
スイスのジュネーブにあり、WTO協定の管
理・運営、貿易紛争の処理等を担うとともに、
加盟国間の貿易交渉の場を提供。
WTO貿易円滑化交渉
WTOにおいて、税関手続を含む貿易手続
の透明性、公平性、予見可能性を高めること
が全ての貿易関係者にメリットをもたらす
という認識に基づき、平成16年7月に開始さ
れた交渉。同交渉はGATT5条、8条及び
10条の関連する側面を明確化・改善すること
により、通過貨物を含む物品の移動、国内引
取り、貿易手続を更に迅速化することや、こ
の分野における途上国へ技術支援を強化す
ること等を目的としている。
財務省の政策評価に関する情報は、財務省のホームページでもご覧いただけます。
http://www.mof.go.jp
MINISTRY of FINANCE
財務省