ANTI-TIP ホットライン通信 2013 年 7 月 31 日 第 11 号 ハノイ 女性連合ワークショップでホットライン紹介 6 月 28 日の午後と 29 日の午前、および 7 月 2 日の 2 回、女性連合の人身取引に関するワークショップの一環 として本プロジェクトのホットライン紹介の時間をいただ き、メコン地域での JICA の人身取引対策案件、プロジェ クトの概要、ホットラインの役割、ホットライン設置に向け てのこれまでの活動について、女性連合の省レベルスタ ッフのみなさんにお話ししてきました。 これは女性連合が UNIAP、UNICEF、 Word Vision、JICA と 共 同 で 開 催 し た 、 人 身 取 引 対 策 の た め の BCC (Behaviour Change Communication) と人身取引ホットライ ンについての 4 日間のワークショップで、ベトナム北部の 省と南部の省対象にハイフォンとニントアンでそれぞれ一 回ずつ開催されました。ニントアンのワークショップには女 性連合副会長の Ms Bui Thi Hoa も出席され、開会のスピ ーチの中で人身取引についての広報・啓発活動の重要 性が強調されました。 ワークショップ 4 日のうち 1 日がホットラインにあてられ、 プロジェクトの発表とベトナムの他のホットラインについて の発表の後、ワールドカフェ方式のグループディスカッシ ョンで、女性連合の役割、どのようにして相談者が必要と しているサービスを確実に受けられるようにするか、いた ずら電話に対処するには、などのテーマで、6 つのグルー プに分かれて活発な議論がなされました。ディスカッショ ン後の発表では、各機関のそれぞれの役割と連携の大 切さ、レファラル先の正確な情報の必要性、レファラル後 のフォローアップの方法が取り上げられました。また、相 談員の資質の重要性、ホットラインの持続性、広報・啓発 活動の方法についても女性連合のみなさんから有益なご 意見をいただきました。 1930 年に設立されたベトナム女性連合は人口およそ 8,800 万人のベトナムで 1,300 万人のメンバーを誇り、30 以上ある政府系の大衆組織の中でも最大。今後、人身取 引対策ホットラインの運営において、コミュニティーに届く 広報、被害者への対応の強力なパートナーとして本プロ ジェクトとしても協力をすすめていきたいと思っています。 上:ハイフォンのワークショップで講義をする小川チーフ アドバイザー 中:ワークショップの様子(ハイフォン) 下:ワークショップの様子(ニントアン) 目次 女性連合ワークショップでホットライン紹介 1 プロジェクト開始から 1 年経過 2 ベトナム関連情報 2 今後の予定 2 ホットライン通信 第 11 号 号 プロジェクト開始から 1 年経過 7 月 16 日、プロジェクトを開始してから 1 年が経過しまし た。カウンターパートの児童保護局にとって、本プロジェク トは初めての JICA プロジェクトということで、この 1 年は お互いに試行錯誤しながら一つ一つ活動を進める日々で した。 ページ 2 さらに内容の充実を図るべく活動を実施し、プ ロジェクト活動はじめベトナムの人身取引の 状況についてもニューズレターを通して発信し ていきます。引き続き皆さまからのご助言ご 支援いただけますよう今後ともどうぞよろしく お願いいたします。 カウンターパートの本邦研修、関係機関とのホットライン ワークショップ、Anti-TIP ホットラインのためのカウンセラ ー研修、そしてアンザン省とハザン省でのベースライン調 査など、それぞれの活動を通して、プロジェクトチームとし ての基盤が出来てきました。 今後、ホットラインの機材やデータベースなどインフラ部 分が整い、いよいよ本格的はホットラインの開始に向けて 動き出すことになります。実際に稼動する中で効果だけ でなく改善すべき点も具体的に見えてくるので、2 年目は ベトナム関連情報 Anti-TIP 関連の気になるニュースをピックアップ! 1) プランによるチャイルドヘルプラインの終了時評 価実施 今月、児童保護局のチャイルドヘルプライン (CHL)を支援している NGO のプランが 2010 年 から開始されたフェーズ 3 の終了時評価を実施 した。本プロジェクトも含め、レファラル機関として ハ ノ イ の Social Work Centre 、 Hagar 、 Peace House、 World Vision、 UNICEF もインタビューを 受けている。 評価を実施したコンサルタントによると、当初は 一日当たりのコール数が 200 だったのに対し 2013 年 5 月は 714 と増加し、相談員もプロとして 確実に育ってきている、また DCPC 自身による CHL の運営も軌道にのっているとの評価がなさ れた。 今後の課題としては、ホットラインの関係機関へ のレファラル体制のさらなる強化が指摘されてお り、Anti-TIP ホットラインにおいても今後、強化が 必要な分野といえる。 上:ジャーナリストの日にプロジェクトマネージャーの Mr. Vu Dan Dzung とともに 2) 数字で見るベトナム 世界銀行の報告書によると、2012 年にベトナム は海外労働者など国外からの送金額が約100 億ドル(約1兆220億円)となり、東南アジアで第 2位、世界では第9位となった。なお、国別で東南 アジア最多はフィリピンの244億5000万ドル、 第2位のベトナム以下は、インドネシア(72億ド ル)、タイ(41億2000万ドル)、マレーシア(12 億7000万ドル)、ミャンマー(5億6000万ドル) の順となっている。世界で最も送金額が多かった のはインドで、690億ドル。 http://siteresources.worldbank.org/INTPROSPECTS/Res ources/3349341110315015165/MigrationandDevelopmentBrief20.pdf 今後の予定 2013 年 8 月: JCC ホットライン用ソフトウェア開発 人身取引対策ホットラインにかかる体制整備プロジェクト(ベトナム) 本通信は上記プロジェクトの進捗状況および周辺情報をお知らせするために JICA 専門家(小 川チーフアドバイザー、榎本業務調整専門家)の見聞をお送りしています。JICA 及びプロジェク トのカウンターパートの見解ではありません。禁無断転載。
© Copyright 2024 ExpyDoc