コラム 8 同情された実施体制 緒方 JICA 理事長帰国後、宿題となったダルフール訪問を行うためのアレンジを行ってい るときの話である。現地の治安状況から、UNICEF に車両や宿舎の手配をお願いすることと して、UNICEF のテッド所長と会議を持った。 話がひと通り終わり、テッド所長から、「今後は担当者同士で話し合いましょう」と切 り出されたが、「その担当者は私自身です」と言うと、「一体何人で仕事をしているのです か?緒方理事長に直訴してあげましょうか?」と同情された。 スーダン全体をあわせると国際スタッフだけでも 100 人はいる UNICEF に対して、JICA は 3 人ですとも言えなかった。かくしてはじまったスーダンの事業も、2 年後には、3 人か ら 7 人になり、 3 年後には 9 人と急増したが、 これとて事業の増加にはまったく追いつかず、 なかなか宿題は全部片付かなかった。 当初は、私自身がハルツームの銀行に現金を取りに行ったり、給与計算をしたり、伝票 を入力する作業も担当した。事業拡張のため、ある程度自由にフィールドに出る時間が作れ るようになったのは、阿部幸生次長が増員で赴任してきた 2009 年も半ばの頃であった。 以上 1
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