早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 紙屋研究室 吉光 崇悦 永久磁石型同期モータにおけるエアギャップ中の空間高調波磁束に 着目した ステータコアの鉄損評価法の提案と損失低減策の検討 研究目的 同期モータの鉄損を評価する際には,計測しやすい1次コイルの誘起電圧値を指標代わりに用いること が多いが,この場合,ロータ構造最適化の際の設計方針を直感的に決定しづらい.そこで本研究では,従 来法の代わりに永久磁石によって生じるエアギャップ磁束の空間分布に着目して鉄損を評価する手法に ついて検討する. 検討結果 一次振幅一定モデルに対する検討 表1 検討手法による鉄損評価 エアギャップ磁束密度空間分布の エアギャップ磁束密度空間分布の モデル ステータ損失 W 一次振幅 T 歪率 % 0.99 13.0 31.0 低歪率モデル 0.99 16.5 31.2 高歪率モデル 表2 従来手法による鉄損評価 1次コイル誘起電圧時間変化の 1次コイル誘起電圧時間変化の モデル ステータ損失 W 基本波 V 歪率 % 77.0 9.15 31.0 低歪率モデル 77.0 12.6 31.2 高歪率モデル 従来手法と検討手法における低歪率と高歪率の比は1:1.3,1:1.4とほぼ同等であり,検討した評価手 法は従来手法と同等である. 一次振幅と歪率が異なるモデルに対する検討 40 開度 120 135 150 165 損失 W 35 磁石間 1 □ 2 ◇ 3 △ 4 〇 θp (180deg) 37.8 - 39.6 * 41.4 × 43.2 + θM(180deg) 30 32.8 35.6 38.4 R2=0.94 30 25 20 0 0.05 0.1 0.15 (一次振幅)2 ×(エ アギャップ磁束密度空間分布の歪率) 0.2 図1 (一次振幅)2×(ギャップ磁束密度空間分布の歪率)と損失の相関性 検討手法の指標「(一次振幅)2×(ギャップ磁束密度空間分布の歪率) 」は損失と相関性が高い 結論 検討手法は従来手法とほぼ同等であり,従来手法に比べ以下のメリットがある. (1)鉄損を意識した設計が容易にできる. (2)磁束密度の空間分布のみを把握できればよいため、解析や実験に時間を要さない. 早稲田大学 紙屋研究室 http://www.f.waseda.jp/kamiya/
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