前回からの継続した事案等の検討結果

苦情等事案(継続事案)の検討結果について(第94回)
苦情
苦情
№
局所
1
高年齢雇用継続給付を申請し受給した。この給付によ
り、既に受給している厚生年金の在職老齢年金が一部支
給停止されることとなったが、この一部支給停止額が高
年齢雇用継続給付額より多いことが判明したため、2回
目以降の申請は行っていない。
しかし、老齢厚生年金の一部支給停止が現在まで続い
栃木
ており、日本年金機構の説明では、一旦、高年齢雇用継
続給付を受給し始めたら年金の支給停止は解除されない
とのことであった。
自分は既に高年齢雇用継続給付を受給する意思はない
のに今後も年金の一部支給停止が続くことに納得できな
い。
現在、本省において、高年齢雇用継続給付を受給した方が、そ
の後、受給申請を行わないなど当該給付を受給する意思がなく
なった場合、厚生年金の在職老齢年金の一時支給停止が解除され
るよう、あっせんする方向で検討しており、厚生労働省とその内
容について調整中であることから、その情報及び結果を次回の本
会議において報告することとされた。
また、上記のあっせんによる改善が図られるまでの期間におけ
る再発防止のための周知等の対応については、引き続き本省と連
携して検討していくこととされた。
平成22年に会社員の夫と離婚した。そのときは知らな
かったが、しばらくして離婚後に厚生年金の分割制度が
あることを知ったので年金事務所で手続きをしようとし
たが、厚生年金分割制度による請求期限である離婚後2
茨城
年を過ぎているので請求できないといわれた。
この制度を知らないで分割を受けられない人が私以外
にもいると思われるので、この制度や請求期限について
もっと周知してほしい。
離婚時の厚生年金分割制度の周知については、厚生労働省が日
本年金機構本部と調整の上、同機構が市区町村に対して発行して
いる広報誌に記事を掲載することで市区町村に対して依頼を行っ
たところであるが、当局が事後に調査した結果、各市区町村の戸
籍事務担当課に当該広報誌が回覧されておらず、具体的な周知が
行われていない実態がみられた。
このため、厚生労働省に対し、あらためて当該制度の周知につ
いて実効性の確保された方策の検討を依頼した結果、同省及び日
本年金機構が、実効性のある方策として、当該制度の周知に係る
パンフレットを作成し、各市区町村の窓口等に置いてもらえるよ
う依頼することを検討していることから、その検討の状況を見守
ることとされた。
2
苦 情 内 容 等
検討結果
苦情
苦情
№
局所
苦 情 内 容 等
3
郵便局に不在届を提出したにもかかわらず不在中に郵便
日本郵便株式会社に対し、不在届受付後、お客様にお渡しする
物が配達され、郵便物が雨にぬれてしまった。郵便局に苦情
用紙に郵便局名が記載された日付印を押印するなど、不在届が提
を申し出たところ、郵便局では不在届は受理していないとして
出されたことを確実に確認できるような措置をとるよう依頼した
関東 手続のミスを認めなかった。確かに不在届を提出したにもか
結果、同社から平成27年上期に、当局の依頼のとおり改善すると
かわらず、職員の言い分だけを信じて顧客の事実誤認を疑う
の回答を得られたことから、改善内容については次回以降の本会
とはどういうことか。このようなことが二度と繰り返されないよ
議において報告することとされ、本件に係る審議は終了した。
うにしてほしい。
4
前回審議時に、国民年金基金について追納を認めていない現行
の制度は合理的であると判断されることから、制度改正を求めな
いこととされ、今回の審議においては、国民年金保険料納付の全
額免除または一部免除が承認されると、国民年金基金からは脱退
することになり、遡っての再加入ができないことの周知方法につ
いて、審議が行われた。
その結果、日本年金機構本部が、①年金事務所及び市区町村窓
口に免除申請に来られた方に配布しているパンフレット及び国民
年金保険料滞納者に対して送付している保険料免除等申請に係る
パンフレットに、上記について周知する注意書きを加える、②同
様の周知について年金事務所の業務マニュアルに追記する、及び
③市区町村窓口職員に対しては、同機構が発行する市区町村向け
の広報誌等を活用して、相談者に対して窓口で説明するよう協力
依頼するとしていることから、改善内容については次回以降の本
会議において報告することとされ、本件に係る審議は終了した。
国民年金保険料を期限に遅れながらも支払っていたが、保
険料免除の申請書類が送られてきたので申請を行い、免除
が認められた。ところが、後になって、国民年金保険料が免
除されると国民年金基金の加入資格が喪失することが分か
東京 り、免除を取り消そうとしたがそれもできないことが分かった。
国民年金基金の加入資格を失いたくなかったのに、一度間
違えただけで加入資格を失うこととなり、その上、免除開始に
なった時から2年近くも国民年金基金の掛金が口座振替で引
き落とされていたことに納得がいかない。
検討結果
№
委員意見 5
局所
苦 情 内 容 等
平成26年4月に育児休業を終え職場復帰を予定している女
性から、25年1月生まれの子について、育児休業給付金の
支給対象期間の延長手続をハローワークに対して行ったとこ
ろ、26年1月からの保育所入所不承諾の通知書を提出して
いないことを理由として、延長が認められなかったとの相談を
受けた。この方は、勤め先の事業所において育児休業給付
に係る手続を行った際に、支給対象期間の延長手続につい
て詳しい説明を受けておらず、もし前もって知っていたら、保
育所への入所申込を行っていたと主張している。
いわゆる「待機児童」が全国的に多数存在する状況から、
上記のような理由で育児休業給付金の支給対象期間の延長
手続を希望する方が、他にも多数存在することが予想され、
事業所や地方自治体の子育て支援担当者などに対し、育児
休業給付制度に係る手続の周知を徹底する必要がある。
また、育児休業者が復職する時期については、年度途中の
茨城 保育所入所の募集が少ないため、上記の相談者のように、
保育所に子を入所させやすい年度初めを選ぶことが多い。
このような育児休業取得者が、育児休業給付金の支給対
象期間の延長を申請する場合、「育児休業に係る子が1歳に
達しても、当分の間、保育が行われない事実」を証明する必
要があるが、実際には、その時期の保育所入所を希望して
いるわけではない。
このような実態を踏まえると、「育児休業に係る子が、1歳
に達しても、当分の間、保育が行われない事実」を証明する
場合、市町村から保育所入所不承諾通知書等を入手する必
要があるとするのではなく、例えば、保育所入所の募集が行
われていない事実をハローワークに告げるだけで足りるよう
にするなど、窓口において柔軟に対応することにより、手続
の簡素化を図り、育児休業給付制度を利用しやすくしてほし
い。
検討結果
本件については、次の内容のとおり、1都9県の労働局に対して、あっ
せんを行う方向で検討することとされた。
1 ①育児休業給付金の給付申請者(事業所を含む)に対し、窓口にお
いて、必ず、延長手続についても説明する、②事業所の事務担当者向
けの説明会を開催するなど、育児休業給付金の支給対象期間の延長
手続について、より積極的な周知を行うこと(既に実施している労働局
においては、これらの施策を継続すること)。
2 育児休業給付金の支給対象期間の延長手続について特化したパン
フレット等を作成し、様々な機会を捉えて、被保険者、事業所等に配布
すること。その際には、当局が提示したパンフレット案の内容を参考に
して、①保育所入所不承諾の通知書等が市区町村から発行されない
等の場合の注意事項、及び②延長が認められない場合の注意事項を
盛り込むこと。
なお、当該パンフレット等の作成・配布にあたり、厚生労働省との協
議が必要な場合には、厚生労働省に対して本件について情報提供の
上、当該パンフレット等の作成・配布について協議を行うこと。
№
局所
苦 情 内 容 等
検討結果
本件については、取り扱っている全ての雇用関係助成金または一部
の助成金(雇用調整助成金を除く)について、郵送による申請を認めな
いとしている労働局に対し、次のとおり、あっせんを行う方向で検討する
こととされた。
苦情
6
千葉労働局に雇用関係助成金の申請書を郵送したところ、
対面しか受け付けないと連絡を受けた。神奈川労働局では
神奈川 郵送でも受け付けてくれるのに、労働局によって対応が異な
るのは納得できない。何とか郵送でも受付けられるようにして
ほしい。
1 労働局及びその管轄公共職業安定所において取り扱っている雇用
関係助成金については、雇用調整助成金を除き、「雇用関係助成金支
給要領」に基づいて、郵送による申請を認めること。
2 労働局等の窓口において、直接、申請することを推奨する場合に
は、郵送により申請した場合、申請書類の記載漏れ、不備等の補正、
添付書類の追加等を求める場合があること、申請内容について事業主
等に説明を求める場合があること、書類の原本等が郵便事故により紛
失してしまう可能性があること等により、助成金の支給が遅れる等の可
能性がある旨を周知し、郵送で申請を行った場合の支障について明確
に説明すること。