精神科専門医 [PDF: 402.8KB] - しまね地域医療支援センター

精神科専門医
学会 URL 日本精神神経学会 http://www.jspn.or.jp/
③ 5 年以上の臨床経験を有するもので、学会認定研修施設
精神科専門医とは?
において研修ガイドラインにより、精神科臨床研修を 3
年以上受け、その課程を修了したもの
精神科専門医制度は、患者の人権を尊重し、精神・身体・
なお、研修ガイドラインは以下のように定められています。
社会・倫理の各面を総合的に考慮しつつ、精神医学および精
①患者及び家族との面接 ②疾患の概念と病態の理解
神科医療の進歩に応じて、精神科医の態度・技能・知識を高
③診断(ICD に基づく。DSM など国際的診断基準も知る)
め、すぐれた精神科医の養成と生涯にわたる相互研鑚を図る
ことにより、精神科医療、精神保健の向上と社会福祉に貢献
し、もって国民の信頼にこたえることを目的とします。
(日本精神神経学会「精神科専門医制度規則」から引用)
と治療計画
④補助検査法(神経学的検査、心理検査、脳波、脳画像検
査など)
⑤薬物・身体療法 ⑥精神療法
⑦心理社会的療法、精神科リハビリテーション、及び地域
精神医療・保健・福祉
受験資格
⑧精神科救急 ⑨リエゾン・コンサルテーション精神医学
⑩法と精神医学(鑑定、医療法、精神保健福祉法、心神喪
失者等医療観察法、成年後見制度等)
次の各号のいずれにも該当するもの
①日本国の医師免許証を有するもの
⑪医の倫理(人権の尊重とインフォームドコンセント)
②精神科専門医認定試験申請時に学会員であるもの
⑫安全管理
専門医からのメッセージ
取得専門医名
・精神保健指定医
・日本老年精神医学会指導医・専門医
・日本睡眠学会、睡眠認定医
・日本総合病院精神医学会指導医・専門医
・日本臨床精神神経薬理学会指導医・専門医
・日本精神神経学会認定精神科指導医
・臨床研修指導医
キャリアパス
島根大学医学部
精神医学講座 教授
堀口 淳
1979年3月
1985年5月
1986年5月
1991年1月
1996年4月
1999年9月
2003年10月
福島県立医科大学卒業
愛媛大学医学部神経精神医学教室・助手
愛媛大学医学部神経精神医学教室・講師
愛媛大学保健管理センター・助教授
広島大学医学部神経精神医学・助教授
島根医科大学医学部精神医学講座・教授
島根大学医学部精神医学講座・教授
現在に至る
メッセージ
最近の認知心理学や神経心理学は面白いですね。興味が尽きません。それからも
う一つ。精神医学領域における漢方医学の展開ですね。これはいきなり飛躍的で圧
倒的な勢いですね。
「精神漢方医学」
。漢方薬も西洋薬も脳に入れば、まあ、東洋も
西洋も、東も西もありません。
「精神医学」は「脳」と「こころ」との関連を研究す
る学問です。この
「精神医学」
を武器にしてヒトの幸せに貢献しようという領域が、
「精
神医療」です。また最近では精神腫瘍学、精神免疫学、精神内分泌学、移植精神医学、
美容精神医学、精神皮膚科学などの分野も、脳科学の進歩とともに飛躍的に発展し
ております。
連絡先 病院 TEL 0853-23-2111 HP http://www.med.shimane-u.ac.jp/hospital/index.html
取得可能病院名
■ 松江圏域 安来第一病院、松江赤十字病院、松江市立病院、松江青葉病院
こなんホスピタル
■ 出雲圏域 島根大学医学部附属病院、島根県立中央病院、島根県立こころの医療センター
■ 大田圏域 石東病院
■ 浜田圏域 西川病院
■ 益田圏域 松ヶ丘病院
精神科専門医 19
取得専門医名
・日本精神神経学会精神科専門医
・日本精神神経学会精神科指導医
・精神保健指定医
キャリアパス
2001年3月
2001年5月
島根大学医学部附属病院
精神科神経科 助教
岡
四方
島根医科大学医学部卒業
島根医科大学医学部附属病院・医員
(研修医)
(精神科神経科)
2003年5月 島根医科大学医学部附属病院・医員
(精神科神経科)
2003年10月 島根大学医学部附属病院・医員
(精神科神経科)
2004年2月 島根大学医学部・助手
(医学部附属病院精神科神経科)
2004年4月 国立大学法人島根大学医学部・助手
(医学部附属病院精神科神経科)
現在に至る
メッセージ
いま、精神科の需要は増加の一途を辿っています。児童虐待、発達障害、不登校、
摂食障害、産褥期うつ、職場のメンタルヘルス、アルコール依存、自殺問題、緩和ケ
アにおけるこころのケア、認知症と介護の問題…。
こうして挙げてみると精神科医療はヒトの一生のすべての時期に渡って関わる、ま
さに 人生に寄り添う仕事 と言うことができます。また、こころの病気は家族問題、
職場問題、経済的問題、健康問題、はたまたプライドや生きがいといったものが関係
していることがほとんどなので、 生活に寄り添う 仕事、 生き様に寄り添う 仕事
と言えるでしょう。
このように書いてしまうと私たちの仕事はとてもアーティスティックに見えてしま
うかもしれません。しかし、
いま、
脳の科学はもっとも 旬 な分野であり、
「脳の科学」
を「こころのはたらき」に結びつける私たちの仕事はサイエンスの中でも最先端の仕
事でもあります。
「ブラックボックス」と呼ばれ、未解明な部分が多いですが、それ
ゆえやりがいのある仕事です。
私たち精神科医師は、最新の知見にもとづいた医療と患者さんの人生や生活に寄り
添う医療とのバランスを保ちながら、患者さんや社会のお役に立てるよう日々研鑽を
積んでいます。
精神科専門医は冒頭に挙げた疾患や諸課題に対する横断的な能力を持ち、社会の
あらゆる分野と接点を持ちながら活躍しています。みなさんもぜひ精神科専門医を目
指し、患者さんの人生に寄り添い、ブラックボックスを解明しましょう!
連絡先 病院 TEL 0853-23-2111 HP http://www.med.shimane-u.ac.jp/hospital/index.html
取得専門医名
・日本精神神経学会精神科専門医 2007年10月1日
・日本精神神経学会精神科指導医 2006年4月1日
キャリアパス
2000年3月
2000年5月
島根県立こころの医療センター
精神科 部長
三原卓巳
2002年3月
2003年4月
2004年4月
2006年4月
2007年1月
2007年4月
2008年4月
島根医科大学(現 島根大学)医学部卒業
島根医科大学(現 島根大学)医学部
付属病院(研修医)
隠岐広域連合立隠岐病院精神神経科
島根県立湖陵病院精神神経科
島根県立中央病院精神神経科
島根大学医学部精神医学講座(助教)
島根県立湖陵病院精神神経科
隠岐広域連合立隠岐病院精神神経科
島根県立こころの医療センター精神科
メッセージ
私は精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医として、日々更新される知
識を吸収しながら様々な困難を抱えた患者さんに対して診療を行っています。
精神科医として働くためには精神保健指定医と日本精神神経学会専門医の 2 つの
資格が重要になります。精神保健指定医は厚生労働省が認定する資格で、精神医療
における非自発的入院や行動制限の適否を判断するために必要です。特に入院施設
のある精神科で働く時にはほぼ必須の資格となっています。日本精神神経学会専門医
は平成 16 年に創設された資格で、学会が精神科医の資質を認定するためのものです。
今後精神医療に携わる上で避けて通れない資格です。
私は現在、島根県立こころの医療センターで勤務していますが、通常は 1 つの病院
で治療が完結することは少なく、総合病院精神科、単科精神病院、精神科診療所、自
治体、地域の福祉資源などが協力し、足りないところを補い合いながら、患者さんが
社会の中で生活できるように支援を行っています。島根県は他県と比べると、これら
の協力関係がうまくいっている地域です。島根県で精神科の研修を行った場合は他施
設とどのように協力していくかについても学ぶことができます。
精神医療に興味があり、研修施設や研修内容などについて疑問があれば、日本精神
神経学会の研修施設に指定されている病院であれば快く相談に応じてもらえると思い
ます。まずはご相談ください。
連絡先 病院 TEL 0853-30-0556 HP http://www.pref.shimane.lg.jp/sppmc/
取得専門医名
・精神科専門医・指導医
(日本精神神経学会) 2007年10月1日
・精神保健指定医 1998年11月
キャリアパス
1991年3月
1991年6月
社会医療法人清和会 西川病院
診療部長
松本貴久
1994年6月
1997年9月
島根医大卒業
島根医大附属病院 精神科研修医
助手を経て
里仁会 興生総合病院 精神科医長
清和会 西川病院
現在 診療部長
メッセージ
うつ病の増加、自殺の増加、認知症高齢者の増加、発達障碍に対する注目・・など、
精神科に対するニーズはますます増えています。島根県でも、精神科クリニックの飛躍
的増加の影響も加わり、精神科医はますます不足しています。
島根の精神科医療は「地道に良質」との評価が他府県からも高い地域です。横のつな
がりも、学閥をこえて比較的良好です。また、他府県に比べると反社会的なユーザーさ
んが少ないのも研修するには最適です。地域との連携も比較的密で、幅広い視点を持っ
た精神科医が養成されます。島根県で精神科研修する若い人 ( 転科希望者も OK) が一人
でも増えることを期待しています。
日本精神神経学会の精神科専門医制度は主要な診療科の中では最も遅く、平成 17 年
度より過渡的認定試験が開始されています。認定医制度の是非が長く学会で論争されて
きた背景があるからです。過渡的認定試験は他の学会の多くが書類審査のみで審査され
てきたようですが、当学会では過渡的認定試験でも、レポートの提出とそれに伴う面接
試験が全員を対象に行われました。単に精神科医として必要な知識を試すのではなく、
精神科臨床医として生物学的、心理学的、社会学的、そして人権など倫理的配慮などを
バランスよく身につけたか否かが問われているようです。これから専門医になる人は、
初期臨床研修 2 年の後、学会指定の研修施設で 3 年以上研修して、筆記試験、ケース
レポートについての口頭試問に合格することが条件になります。
精神科の実務に必要な資格としては、専門医とは別に精神保健指定医という資格があ
ります。これは、学会の認定ではなく、厚生労働省が認定する資格です。精神保健福祉
法に基づく、措置入院、医療保護入院などの非自発的入院の判断、隔離拘束などの行動
制限の判断などのために必要です。措置入院など非自発的入院の症例を疾患別に 8 例の
ケースレポートを精神保健指定医の指導のもとに提出して審査されます。本人よりも指
導医の質が問われます。意外と合格率低いですが、島根県は合格率高いようです。
連絡先 病院 TEL 0855-22-2390 HP http://www17.ocn.ne.jp/ ∼ nhp/
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