参考資料-1 地盤モデルの設定と入力地震動との整合性 表参 1-1 に建物評価と地盤安定性評価の地盤モデル設定の比較を示す。 解析モデルは、建物評価では多質点系並列地盤モデル(格子型モデル)、地 盤安定性評価ではFEMモデルとしている。地盤物性値はともに PS 検層結果 による速度層区分に基づいている。 地盤のモデル化範囲については、評価対象が異なることから、建物評価では 深さ 100m まで,地盤安定性評価では深さ 200m までとしている。 地震応答解析における地盤のひずみ依存性については、評価対象に応じて考 慮している。 図参 1-1 に,それぞれの評価条件に応じた一次元地盤モデルにより基準地震 動 Ss-DH から GL-20m の建屋基礎レベルで算定した地震動の比較を示す。 表参 1-1 地盤モデル 地盤モデル設定の比較 建物評価 地盤安定性評価 ・解析モデル:格子型モデル ・解析モデル:FEM モデル ・地盤物性値: ・地盤物性値: PS 検層結果による速度層区 PS 検層結果による速度層区 分に基づく 分に基づく ・モデル化範囲:深さ 100m ・モデル化範囲:深さ 200m (地震動入力位置) (地震動入力位置) 材料非線形性 ・表層 (ひずみ依存性) ・岩盤 ひずみ依存性考慮 考慮せず 参 1-1 ・表層 ・岩盤 同左 ひずみ依存性考慮 4 00 0 建物評価(基準地震動Ss-DH GL-20m E+F) 地盤安定性評価(基準地震動Ss-DH GL-20m E+F) 3 50 0 h=0.05 応答加速度(Gal) 3 00 0 2 50 0 2 00 0 1 50 0 1 00 0 50 0 0 0 .02 0 .1 1.0 5 .0 周 期 (sec ) 建屋基礎レベル(GL -20m)で算定した地震動(E+F)を比較 基準地震動Ss 基準地震動Ss GL 表層 岩盤 2・E0 0m (GL=T.P.6.0m)※1 GL -20m 2・E0 表層 岩盤 (解放基盤表面) 一次元 波動論 による 応答計算 解放地盤 モデル 一次元 波動論 による 応答計算 応答波 E1+F1 一次元 波動論 による 応答計算 実地盤 モデル 一次元 波動論 による 応答計算 解放地盤 モデル 実地盤 モデル GL -100m F1 入射波 入射波 E1 E1 応答波 E1+F1 建物評価 GL -200m F1 入射波 入射波 E1 E1 ※1 図参 1-2 T.P.とは東京湾平均海面を示す。 地盤安定性評価 建物評価と地盤安定性評価の各一次元地盤モデルによる 基準地震動 Ss-DH の評価 参 1-2 参考資料-2 地震観測記録のシミュレーション解析 1. 水平方向地震観測記録のシミュレーション解析 水平方向の地震応答解析モデルとしては,設計時の多質点系並列地盤モデル (格子型モデル)から「原子力発電所耐震設計技術指針 追補版 JEAG46011991」に基づき境界条件と地盤回転ばねの評価法を変更したモデルを用いてい る。この解析モデルにより,地震観測記録を用いたシミュレーション解析を行 った(1)。 シミュレーション解析は図参 2-1 に示すように,1997 年 10 月 11 日駿河湾南 方沖の地震(図参 2-2)の浜岡原子力発電所4号機原子炉建屋の観測記録(1 階,基礎上)に対して,同地震の自由地盤(4G1 観測点 GL-20m)の観測記録 (図参 2-3)から地震応答解析モデル下端(GL-100m)の入射波 E を求め,その 2倍(2・E)を入力地震動として行った。 解析結果(各階の床応答スペクトル)を図参 2-4 に示す。 (1) 尾之内ほか(2006):原子炉建屋の地震応答解析モデルに関する検討 -改良格子型モデルについての検討-,日本建築学会技術報告集第 23 号,137-142 <シミュレーション解析の概念> 観測波(E+F) 原子炉建屋 (各階観測点) 建屋-地盤連成地震応答解析モデル 自由地盤 モデル (4G1) GL 入力 GL 0.0m -20.0m 設計用地盤定数 GL-100.0m F E 図参 2-1 入力地震動 (2・E) シミュレーション解析の概念 参 2-1 <地震の諸元> 1997 年 10 月 11 日 駿河湾南方沖の地震 マグニチュード:5.1 深さ:34.1km 震源距離:41.9km 震央距離:24.5km 基礎上最大加速度:33.6Gal(EW) 震源○ 加速度(Gal) 図参 2-2 50 解析に用いた地震の諸元 Amax=-4.96221E+01 H4G1:-20EW(1997_10_11) 0 -50 最大加速度 0 10 49.6(Gal) 20 時刻(sec) 30 40 時刻歴波形 H4G1_-20EW Amax=-4.96221E+01(1997_10_11) h=0.05 140 応答加速度(Gal) 120 100 80 60 40 20 0 0.02 0.1 1 5 周期(sec) 加速度応答スペクトル 図参 2-3 自由地盤(GL-20m : 4G1)の観測記録(水平動) 参 2-2 観測記録 解析結果 (1階) 観測記録 〃 解析結果 測点 2 測点 11 (基礎上) 図参 2-4 水平方向のシミュレーション解析結果(床応答スペクトル) 参 2-3 2. 鉛直方向地震観測記録のシミュレーション解析 シミュレーション解析は,1997 年 10 月 11 日駿河湾南方沖の地震(図参 25)の浜岡原子力発電所4号機原子炉建屋の鉛直方向観測記録(屋根,4階) に対して,同地震の地下2階(基礎上)の観測記録を解析モデル(基礎固定) の質点へ入力して行った(図参 2-6) 。各階の解析結果と観測波の比較(床応答 スペクトル)を図参 2-7 に示す。 H4 RB UD 1997.10.11 B2F MAX=-9.10668E+00 10 0 -10 -20 最大加速度 0 9.1(Gal) 25 50 時間(秒) 75 100 時刻歴波形 ACC Amax= ACC Amax= 100 9.11 h=0.05 ACCELERATION NP= 14 DIR=1 9.11 h=0.05 H4 RB UD 1997.10.11 B2F h=5% 解析結果 観測記録 観測波平均 80 応答加速度(Gal) 加速度(Gal) 20 60 (地下2階) 40 20 0 0.02 0.05 0.10 0.20 0.50 1.00 2.00 5.00 周期(sec) 加速度応答スペクトル 図参 2-5 地下2階(基礎上)の観測記録(鉛直動) 参 2-4 地下2階(基礎上) 地震観測記録を入力 図参 2-6 シミュレーション解析の概要 h=5% 100 (屋根) 解析結果 観測記録 応答加速度(Gal) 80 60 40 20 0 0.02 0.05 0.10 0.20 0.50 1.00 2.00 5.00 周期(sec) 100 h=5% 解析結果 観測記録 (4階) 応答加速度(Gal) 80 60 40 20 0 0.02 0.05 0.10 0.20 0.50 1.00 2.00 5.00 周期(sec) 図参 2-7 鉛直方向のシミュレーション解析結果(床応答スペクトル) 参 2-5
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