住商エレクトロニクス株式会社 - NTTソフトウェア

KADAI
HAKKEN
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課 題発見
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住商エレクトロニクス株式会社
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S um i sho E lect ron ics Co . , Ltd
ネットワーク・エンジニアリング・ビジネスの
得意分野を活かしつつ事業領域を拡げ、
トータルシステムインテグレータを目指す
ネットワーク・エンジニアリング・
ビジネスソリューションに
強いベンダーとして知られる
住商エレクトロニクスが、
この4月に創立以来の大きな組織改革を行った。
システムインテグレータとして、新たな戦略から
飛躍を目指す住商エレクトロニクスのビジネスを
販売推進本部長である藤井謙氏にうかがった。
商社における情報技術専門の
会社立ち上げ時の戦略
私は住商エレクトロニクス設立時のファウンダ(創設者)
の1人に名を連ねています。会社設立の前、住友商事株式
会社で、米国製リモートジョブエントリ端末DATA100の
国内発売に関わりました。その当時、商社の枠の中では、
この種のコンピュータ端末については、サポートの問題な
どで十分対応できない状態にありました。また、リモート
ジョブエントリ端末の取り扱いは、ビジネスとしてはレン
タルという形態が市場ニーズであり、総合商社の中では、
不向きなビジネス形態であることも認識していました。そ
こで、サポート問題に対応できる企業として、住友商事、
日本情報サービス(現在の日本総合研究所)などの出資に
より当社をスタートさせました。
手始めの業務としてDATA100を国内でレンタル販売を
住商エレクトロニクス株式会社
取締役販売推進本部長
したところ、マーケットの7割のシェアを占めるまでにな
りました。さらに、同端末の使用に必要なネットワーク機
藤井 謙
器ビジネスにも拡大していきました。
また、コンピュータグラフィックス(CG)のマーケッ
●ふじいけん
1969年早稲田大学理工学部電気通信学科卒。同年住友商事株式
会社入社、1975年住商エレクトロニクス株式会社に出向し同社
設立に参画。1982年米国住友商事ロスアンゼルス支店駐在、
1985年SUMITRONICS INC.(サンタクララ)副社長、1994年住友
商事株式会社エレクトロニクス・航空本部情報電子部長を経て
1999年住商エレクトロニクス株式会社入社(理事・ビジネスソ
リューション第2事業部長)。同年同社取締役(現職)、2001年
同社販売推進本部長(現職)に就任。
トの将来性をいち早く見抜いて、CG端末の分野に進出し
ました。当初は紆余曲折ありましたが、SGI(Silicon Graphics,
Inc)のハードを扱うようになって、こちらも波に乗ること
ができました。
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2001 Autumn
25年目の組織改革の意味
当社は昨年創立25年を迎え、今年の4月に組織再編を行
いました。旧来からの商品・サービス別事業部制をやめ、
機能別すなわち、管理、販売推進、営業、技術の4本部制
にあらためました。この組織改革の目的は、市場ニーズに
あった組織体系作りと、ひとつのクライアントに対して、
これまで以上により深く密接に関わりながら、トータルで
システムを構築していくお手伝いのできる企業への転換が
住商エレクトロニクスがサポートするSGIのCGシステム
主たる目的です。例えばAという会社は、CGの機器も買
うしネットワークも買う。さらにトータルでIT化したいと
的な勉強会の開催数が激増している点に、頼もしさを感じ
考えていたとします。これまではこういった顧客企業の場合、
ています。
商品ごとに各事業部が別々に対応していたのですが、これ
もうひとつ大きな改編は、旧来各事業部の中にあったさ
を技術、サポートなども統括し、お客様のビジネスの支援
まざまな技術部をひとつの技術本部に括ったことです。一
までも行うことができるようになったわけです。また、こ
番の狙いは、技術者の交流によって、全体のスキルをアッ
のようなビジネスの変化に組織改革で対応することとその
プしていくことです。また旧来カスタマサービスと技術部
アナウンスにより、ベンダー的な立場からSI(システムイ
は別の組織として動いていましたから、技術的なノウハウ
ンテグレータ)へ、当社のポジションが移行したことを内
の共有が十分になされないという構造上の問題点がありま
外に鮮明に打ち出せたと思います。
した。それを統括することで技術部のスキルを風通しよくし、
もちろん、突然ポジションが変わったわけでなく、3年
顧客企業へのサポート力の向上にもつながりました。
ほど前から取り扱う業務ではSI的な要素が増えてきています。
ただ、組織理論上は非常にいいのですが、今度はコンサ
ソフトウェアの取り扱いが増加し、システムの方も提供で
ルティング、フィールドサポート、出荷検査の技術など、
きるようになってきました。ここ1、2年の売上比率から
さまざなま業務がひとつの本部の中にかなりの階層で入っ
いえば、通信関連を含むハードウェアが約60%で、ソフト
ており、まだ業務面、人事面でとまどいがでています。長
ウェアが大体20から25%くらい、あと残りがいわゆるカス
いスパンで考えれば、改革は当然必要であり、次第に解決
タマサービスです。ただ、SIといっても、IT全般を取り扱
されていくものと信じています。
う大手のSIとは違い、エンジニアリング・ネットワークや
販売推進本部の役割
ビジネス系にセグメントしたビジネスが中心であり、それ
が当社の強みであるといえるだろうと思います。
今回の組織改革は社内的には、かなりドラスティックな
事業のスタイルを変えていくためには、組織改編だけで
改革となりました。当然、難しい面も多々あります。社外
はダメで、その改編を円滑にすすめるための扇の要が必要
に対しては、株価の変動や、業務実績の面で、ご心配をお
になってきます。それが当社の場合は、私が担当している
かけすることは当然許されるはずはないので、どうしても
販売推進本部です。ここの役割は大きく3つあります。ひ
緩やかな移行という安全策も施さないといけませんでした。
とつはコア・ビジネスでのシステム提案のサポート。二つ
ただ戸惑いといったものは、むしろ社内に多いでしょう。
目は会社の方向性、事業展開を内外に明らかにしていくこ
旧来の、その商品さえ知っていればいい組織ではなくなっ
とです。私たちとしては、ブロードバンドに焦点を当てて
たわけですから、当然個々人に要求されるスキルレベルも
います。キャッチフレーズのFocusing on BroadBand Powerは、
高くなり、かつ、従来とは異なった仕事の進行、責任の所
そういう社の方向性を表しているわけです。またそこにい
在など、いきなりではまだ不明瞭な問題もあるので、これ
くために、まず私たちが実際に行動を起こして、その成果
を浸透させるための対策を講じていく必要があります。
を各営業に落としていく役割もあります。三つ目が、社の
そのためビジネス系、ネットワークそしてエンジニアリ
認知度の向上、市場の調査・分析、新しく開発した商品を
ングなどの社内のセミナーが、4月から非常に増えました。
取り上げる時の広報的なプロセスのマネジメントを行うな
昨年の同時期に比べて倍近い件数です。特に、社員の自発
どの後方支援業務です。
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課 題発見
住商エレクトロニクス株式会社
S u m i s h o Ele c t r o n i c s Co . , L t d
DWDM
超高速メトロポリタン
ネットワーク
ブロードバンドデータセンター
ブロードバンド事業に向けての対応
当社のブロードバンド事業への具体策としては、大きく
ルのパフォーマンスが出ないといったこともよくあります。
カテゴリーを3つに分けて展開しています。
そこで、私たちはブロードバンドに適した商品を探し、ブ
ひとつはDWDM(*)超高速メトロポリタンネットワ
ロードバンドに対応したデータセンターの構築事業を始め
ーク事業です。これからはLANでもWANでもなくて、超
ています。例えばファイアウォールは、今の一般ユーザで
高速のMAN(Metropolitan Area Network)に力を入れるとい
あれば十分なスループットが確保されるのですが、ブロー
うことです。
ドバンドになってくると、今のファイアウォールではそこ
(*)Dense Wavelength Division Multiplexing:
がボトルネックになり、10Gbpsという超高速ネットワーク
高密度波長分割多重。伝送方式のひとつ。1本の光ファイバケーブルで従来
の中で、800Mbpsの内部速度でしか対応できないというよ
の数十倍、数百倍の情報を伝送する方式
うなことがおこります。それに対応できるファイアウォー
ルの機器を探しておかないと使えないということになります。
二つ目は、ブロードバンドのデータセンターシステム事
こういった商品の情報収集、選択は私たちの得意な分野です。
業です。ブロードバンドの流れのなかで、映像、ストリー
三つ目は、超高速科学技術計算遠隔クラスタリングサー
ミング配信というニーズが生じてきました。すでにこの分
バです。スーパーコンピュータの代わりで、これも超高速
野での需要はかなりありますので、それに対するセキュリ
のネットワークがあるからこそできるわけです。そういう
ティの問題が生じてきます。また、システムを構築し、い
意味ではブロードバンドになることで、よりクラスタリン
ろいろな商品を繋いでみると、ある商品が遅いのでトータ
グの用途が広がってきて、科学技術計算から、さらに多く
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品の販売を行っています。当社ではビリング・メディエー
の業務アプリケーションがあると見込んでいます。
ションのハード販売と保守を中心に、NTTソフトウェアは
最近では1000台のPCをひとつのPCとして扱うために、
1000個のCPUを一本化する場合があります。こうすることで、
SI中心に、コラボレーションしています。
従来のスーパーコンピュータの10分の1から100分の1の価
これも一種のアライアンスといえると思いますが、更に
格で、同等の能力を持ったシステムを実現できます。さらに、
Javaビーンズ取引のためのeマーケットプレースを運営する
それに見合ったソフトウェアも必要ですから、これらが今
コンポーネントスクウエアという会社を設立しました。
のところ大きなビジネスにあると考えています。
Javaソフトウェアのコンポーネントを各社が持ち寄り、そ
もちろん、当社の得意分野であるCG・エンジニアリン
れぞれがアプリケーションを作る際に、そこからビーンズ
グに関しても、ブロードバンドに対応して拡大していきます。
を取っていく場所を提供しています。eマーケットプレー
現在でも、当社のストリーミングシステムは国内商品のシ
スについてはさまざまに取り上げられており、まだ課題も
ェアベスト3の中に入っていますから、ブロードバンドの
多いのですが、Javaだからこそできる、という面を生かし
普及は追い風になるでしょう。また、コンテンツなくして
てビジネスとして成立させていきたいと考えています。また、
は配信もないわけですから、配信する映像コンテンツ制作
今まではハードウェアサプライヤとしての印象が強かった
の分野にも力を入れていきたいと思っています。コンテン
当社がソフトウェア分野での認知度を高めるという効果も
ツ制作となると、アプリケーションソフトはまず最初に
あると思います。
SGIに乗る傾向が高く、それが当社を支えている部分もあ
ブロードバンド時代を追い風にして
ったわけですが、最近はサンマイクロシステムズやLinux
を対象にしたシステムの追い上げも急ですので、それに柔
軟に対応していくことを心がけています。サンマイクロシ
これらのアライアンスの例に見られるように、これからも、
ステムズの特約店になったことはその現れです。
何でもやるというのではなく、当社の特徴を活かしたビジ
おかげさまで現在、映画、ゲーム関係の分野では市場の
ネスをご提供していきたいと思います。それは当社が今ま
中心に私たちがいると自負しておりますので、この優位を
でに培ってきたものを、いかに上手くインテグレーション
保っていきたいと思っております。
するかということにつきます。今までに養ってきたさまざ
まな人脈、新しい機能、新しいハードウェア・ソフトウェ
これからのビジネスとアライアンス
アといったものを付加して、お客様に住商エレクトロニク
スならではのサービスを提供できる会社を目指します。幸い、
事業が拡大していくにしたがって、自分たちだけではで
非常に特徴的な分野に強みを持つ企業ですので、十分可能
きないことも多くなってきます。その意味では、これから
だと思います。特に、ブロードバンド時代の到来は、それ
はさまざまなアライアンスを組んで、事業を行っていくの
を裏付けてくれるものだと考えています。
が当たり前になってきています。
当社の大事なセグメントを意識しつつ、事業の幅を広げ
例えば、フィールドサポート体制などは、基本的には当
ていくことを肝に銘じております。
社単独では作りません。それはやはりパートナと一緒にな
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って作っていくものだと考えているからです。例えば今、
BEA社のWebLogicをベースとしたソフトウェア開発をさせ
ていただいているのですが、この場合は、Javaをベースに
してシステムを作ることのできる会社に投資させていただ
いて、提携しながら業務を推進しています。
住商エレクトロニクス株式会社 設立
資本金
代表者
従業員数
事業内容
私たちの持っていない機能の提供を受けたり、先方にな
いものを私たちが提供して、ギブアンドテイクの関係を作
り上げる、というようなことが今後も活発になっていきそ
うです。
またNTTソフトウェアとは、ビリング・メディエーショ
ンの分野で、アメリカのIPメディエーション機能でトップ
メーカーであるNARUS社との販売代理店および公認シス
所在地
テムインテグレータ契約を共同で締結し、NARUS社の製
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会社概要
1975年
17億8250万円
有馬愼吾
483名(2001年3月31日現在)
コンピュータ及びその周辺機器、情報通信システムに係わる
機器及び装置類、コンピュータグラフィックス、図形処理シ
ステムに係わる機器及び装置類、理化学機械及び半導体製造
関連装置、ソフトウェアを含むその関連商品の国内・輸出入
販売、賃貸借及びこれに付随する保守・サービス業務、シス
テム開発業務、インターネット等ネットワークを利用した通
信販売業、労働者派遣事業、電気通信工事業並びに第二種電
気通信事業
〒162-8580 東京都新宿区下宮比町2-23
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