チャンパー通信 第14号(2008年10月)

発行者:舘野直子(H19-1
村落開発普及員
ラオス国セコン県教育局)
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こんにちは。今月はオークパンサー
《新しい教科書》
(雨安居明け)やボートレースなどの
今年度から小学校 1、2 年生の教科
行事の多い月でした。セコンではボー
書が新しくなりました。学校観察に行
トレースは 12 月ですが、他の県では
くと、新しい教科書の内容に先生達が
オークパンサーの翌日に行なわれ、村
混乱していました。
対抗レースで盛り上がったようです。
《手洗いの日》
他県でボートレースが行なわれた 1
変わりました。これまで子音を全て教
えてから、母音、声調記号を教えてい
ました。しかし新しい教科書では子音、
るのですね!?)セコン県ではこれに
母音、声調記号の仕組みを初めに教え
ちなんで 13 日に県の中心にある小学
てから、母音を学びます。個人的には
校 7 校で、試験的に手洗いのイベント
システマチックになり良い順番では
を行いました。
ないかと思うのですが、1 年生に教え
学んだ「7 つの手の洗い方」を復習し、
がかかりそうです。
ラオス語では、教える内容の順番が
5 日は、
「国際手洗いデー」でした。
(あ
教科「私たちの身の回りの世界」で
せん。教科書普及にもまた何年か時間
(左:1999 年出版旧教科書、右:子供に評判の良
い、カラー付イラストのある新教科書)
る際には生徒が混乱してしまうそう
です。
一斉に手洗いを行ないます。今年から
また数学では、1 単元の内容が増え
はじめたイベントなので、バケツや石
ました。これまでは 80 単元あり、1 単
鹸が足りない小学校もあり、多少バタ
元(1 ページ)を 1 時間で教えていた
バタしながらも、無事に終わりました。
そうです。しかし新しい教科書には 43
県郡の職員と反省会をして、来年か
単元あり、1 単元 8 ページあります。
らは 4,5 人にバケツ一つを用意して行
各単元に基本問題から発展問題まで 4
なうことになりました。ある小学校で
つの問題が入っています。基本問題を
は、クラス 30 人に対してバケツ一つ
解いてから、それぞれの生徒の能力や
しか用意されていませんでした。赤土
授業の進行に合わせて発展問題がで
の道や校庭で遊んでいる生徒の手は
きるようにしてあるようです。しかし
非常に汚れているため、4,5 人がバケ
全て律儀に全ての問題を授業で教え
ツで手を洗うと泥水になってしまい
るので、明らかに時間が足りません。
ます。子供達は石鹸で洗った手を、そ
中心部の 2 郡ではまだ新教科書のワ
の泥水で濯いでいました。逆に汚くな
ークショップが開かれていません。こ
の夜は、バナナの皮を土台に
っていたように思います。方法を改善
れまで 10 年間近く同じ教科書を教え
小さな船を作り、花や蝋燭を
して、来年からは県全校で行ないます。
続けていた先生達が、新しい教科書の
のせた灯篭を作ります。市場
教え方になれるのにはもう少し時間
で灯篭を売っている風景は、
がかかりそうです。また旧教科書はセ
小さなケーキ屋さんが開店し
コン県の市場で、15000kip(約 180 円)
たようです。この灯篭を夜セ
で買うことができます。しかし新教科
コン川に流します。
書は 35000 kip(420 円)かかり、まだ
セコン県の市場には入ってきていま
オークパンサー(雨安居明け)