1 2004年3月期 第3四半期 決算カンファレンスコール - 京セラ

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2004年3月期 第3四半期 決算カンファレンスコール
(2004年1月30日実施)
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代表取締役社長
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執行役員常務
代表取締役社長
西口泰夫スピーチ
財務統括部長
石田秀樹スピーチ
西口泰夫スピーチ
京セラ株式会社の西口でございます。
平素は皆様に大変お世話になり、この場をお借りして厚く御礼申しあげます。
また、本日はお忙しいところ、当社決算カンファレンススコールにご参加いただき、
誠にありがとうございます。
それでは早速ではございますが、本日、2004年3月期第3四半期の決算発表を行
いましたので、ご説明させていただきます。
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2004年3月期
第3四半期業績(連結)
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最初に、売上高・利益につきまして、昨年4月から12月までの9ヵ月通算の連結業
績を、前年同期と比較してご説明申し上げます。
当期9ヵ月通算の連結売上高は、8,158億円となり、前年同期に比べ、2.2%の
増収となりました。詳細につきましては、後ほど事業セグメント別連結業績の中でご
説明申し上げます。
連結営業利益につきましては、第2四半期(昨年7月−9月期)に、米国子会社のA
VXコーポレーションにおいて、タンタル材料の在庫及び同材料の長期購入契約に基
づく将来期間分について、約104億円の評価減を計上したことが大きく影響いたし
ました。
その結果、前年同期比△14.0%減益の485億円となりました。
しかしながら、当期9ヵ月通算の税引前利益につきましては、前年同期に比べ、為替
差損が減少したことなどにより、2.2%増益の537億円となりました。
また、当期9ヵ月通算の当期純利益につきましては、前年同期に、暖簾の評価減に関
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する「会計原則変更による累積影響額」(△約23億円)がありましたことを主因と
して、前年同期と比べ15.6%増益の333億円となりました。
次に、為替による影響でございますが、当期9ヵ月通算の平均為替レートは、ドルが
115円、ユーロが132円でございましたので、前年同期に比べ、ドルで8円の円
高、ユーロは13円の円安となりました。その結果、連結売上高及び税引前利益に対
しまして、前年同期に比べ、それぞれ△約257億円、△約4億円のデメリットとな
りました。
また、当期第3四半期3カ月間の業績につきましては、携帯電話やコンピュータ機器、
デジタル家電向けの部品事業の伸びを中心として、連結売上高は前年同期比5.9%増
収の、2,975億円となりました。
利益につきましては、セラミックコンデンサや液晶ディスプレイなどの電子デバ
イス、さらに、半導体部品やソーラーシステム、KWCや京セラミタにおいて増
収となりましたことに加え、これらの製品や子会社の生産性向上により大幅に採
算が改善した結果、前年同期に比べ大幅な増益となりました。
続きまして、事業セグメント別連結業績につきましてご説明申し上げます。
【ファインセラミック関連事業】
最初に、ファインセラミック関連事業について、ご説明申し上げます。
このセグメントの当期9ヵ月通算の連結売上高は、前年同期比3.3%増収の1,86
5億円でございました。特に、液晶製造装置用部品や液晶プロジェクタ用のサファイ
ア基板などのファインセラミック部品の需要が堅調に推移し、また、ソーラーシステ
ムや切削工具などのセラミック応用品が大幅な増収となりました。
事業利益につきましては、半導体部品やセラミック応用品で大幅な増益となったこと
を主因として、当期9ヵ月通算では、前年同期比56.2%増益の196億円となりま
した。また、当期第3四半期3カ月間について申し上げますと、このセグメントの売
上高は、前年同期比9.1%増収の671億円、事業利益は、前年同期比102.9%
増益(約2倍)の83億円となりました。特に、通信情報機器向けの半導体部品の業
績拡大が寄与しております。
【電子デバイス関連事業】
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次に、電子デバイス関連事業についてご説明申し上げます。
このセグメントの当期9ヵ月通算の連結売上高は、前年同期比8.5%の増収となる1,
882億円でございました。
期初においては、SARSによりアジア地域での生産活動が停滞したことによる影響を受
けましたが、SARS終息後は、携帯電話端末向けをはじめとした部品需要が回復し、前
年同期に比べ増収となりました。
また、当期の実績には、昨年8月以降、当社の子会社となりましたキンセキ(株)の5
カ月間の業績が新たに加わっております。
事業利益につきましては、冒頭でご説明申し上げました通り、AVX社において一時的な
費用を計上したことを主因として、当期9ヵ月通算では、△12億円の赤字となりま
した。
しかしながら、第3四半期について申し上げますと、電子デバイス関連事業の売上高
は、前年同期比18.1%増収の684億円、事業利益は、前年同期比72.6%増益
の52億円となりました。
キンセキの貢献に加えまして、コネクタや薄膜デバイス製品が収益面で顕著な伸びを
見せました。
【機器関連事業】
次に機器関連事業についてご説明申し上げます。
このセグメントの当期9ヵ月通算の連結売上高は、3,840億円となり、前年同期に
比べ、△2.1%の減収でございました。
通信機器事業につきましては、北米市場において、クリスマス商戦向けに投入いたし
ました携帯電話端末の新商品の販売が好調に推移し、KWCの収益は、当期第3四半
期に大幅に改善しました。
しかし、国内向けの携帯電話端末の売上が前年同期を下回ったため、当期9ヵ月通算
の通信機器事業の売上高は、前年同期に比べ減収となりました。
光学精密機器につきましては、昨年8月以降に投入いたしました高速連写機能を持っ
た新しいデジタルカメラの販売が好調に推移しましたが、これら以外のデジタルカメ
ラの販売価格の下落と銀塩カメラの減少により、当期9ヵ月通算では、前年同期に比
べ減収となりました。
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一方、情報機器事業につきましては、カラープリンタやデジタル複合機などの新商品
の投入や、プロダクトミックスの変更による効果により、当期9ヵ月通算の連結売上
高は、前年同期に比べ増収となりました。
このセグメントの事業利益は、情報機器は増益となったものの、通信機器と光学精密
機器が減収となったことや、新商品の開発コストが収益を圧迫したことにより、当期
9ヵ月通算では、前年同期比△31.5%減益の184億円となりました。
また、当期第3四半期のこのセグメントの売上高は、1,427億円で、前年同期比0.
9%の微増となりましたが、事業利益は、京セラ単独の通信機器と光学精密機器の利
益の減少により、前年同期比△17.2%減益の81億円となりました。
【その他の事業】
その他の事業につきましては、前期に当社グループ会社となった京セラケミカル株式
会社が期初より寄与したことや、京セラコミュニケーションシステム株式会社、及び
京セラリーシング株式会社の収益が改善いたしました。その結果、このセグメントの
9ヵ月通算の売上高は698億円、事業利益は73億円となり、それぞれ前年同期比
15.5%、48.1%の増収増益となりました。
また、当期第3四半期のこのセグメントの売上高は、前年同期比3.1%増収の241
億円、事業利益は、前年同期比62.5%増益の25億円でございました。
以上で、事業セグメント別の業績についてご説明を終了させていただきます。
それでは最後に、今後の見通しについてご説明申し上げます。
昨年10月の中間決算発表時には、下半期の連結業績予想の前提となる為替レー
トを1ドル109円、1ユーロ126円とし、通期では、1米ドル114円、1
ユーロ130円を想定しておりました。しかし、ドルに対する円高が続くものと
予想されますことから、今回、前提となる想定レートを見直し、下半期の為替レ
ートは、1ドル107円、1ユーロ132円とし、通期の為替レートは、1ドル
112円、1ユーロ132円へと変更いたしました。
その結果、通期の為替レートの変動による影響額は、前期通期と比較しまして、
売上高に対して△約475億円、税引前利益に対しては、△約48億円のデメリ
ットとなると予想しております。
しかしながら、エレクトロニクス業界は、第4四半期においても、引き続きコン
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ピュータ関連機器やデジタル家電を中心に、高水準な生産活動を維持するものと
予想しております。
京セラグループは、この需要拡大を絶好のチャンスと捉え、さらなる成長のため
の事業展開を積極的に推進してまいります。
これによりまして、今期2004年3月期の通期業績予想につきましては、昨年
10月時点で公表いたしました数値を達成いたします。
以上、簡単ではございますが、私からの説明を終了させていただきます。
執行役員常務
財務統括部長
石田秀樹スピーチ
「連結損益計算書」
【9カ月通算】
それでは、連結損益計算書からご説明いたします。「連結決算概要」の10ペー
ジをご覧ください。
1行目の「純売上高」は、8,158億で、前年同期に比べ2.2%の増収となり
ました。
ひとつ飛びまして売上総利益は、1,993億円となり、前年同期に比べて、2.
9%増加いたしました。
なお、売上原価には、米国子会社AVX社のタンタル材料の評価減を含めたリス
トラ費用104億円が含まれております。
(また、ラパイン訴訟の和解により、和解金支払後の「訴訟費用引当残高」の戻
し入れ益、23億円が含まれております。)
次に「販売費及び一般管理費」ですが、1,508億円となり、9.8%の増加
となっています。この販管費の増加は、新たにキンセキが連結子会社として加わ
ったことや、京セラケミカルが期初より含まれていることに加えて、京セラミタ
での増加が、主たる要因です。(AVX社のリストラ費用12億円も含まれてい
ます。)
これにより、営業利益は485億円、利益率5.9%で、前年同期に対して、△
14.0%の減益となりました。
次に「その他収益・費用」について申し上げます。
3つ目の「為替換算・差損益」は△12億円の差損となり、前年同期比では50
億円の改善となりました。
つぎに「持分法投資損益」は18億円の持分益で、前年同期の23億円から減少
しています。主として、韓国の携帯電話の関連会社によるものです。
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投資有価証券評価損は1億円で、銀行株等の評価減を計上した前年同期より△2
6億円減少しています。
以上により、「その他収益・費用計」は、当期9カ月通算では、52億円のプラ
スとなりました。
その結果、税引前当期利益は537億円となり、利益率は6.6%、前年同期比
で2.2%の増益となりました。
当期純利益は、333億円、利益率4.1%で、前期には暖簾の評価減に関する
「会計原則変更による累積影響額」△23億円がありましたので、前年同期比1
5.6%の増益となりました。
以上が、9カ月通算の連結損益計算書の説明でございます。
続きまして、第3四半期の損益計算書につきまして、前年同期と比較し、簡単に
ご説明申し上げます。
【第3四半期(10−12月)】
「連結決算概要」の17ページをご覧ください。
当期第3四半期の「純売上高」は、2,975億円となり、前年同期比5.9%
の増収となりました。
営業利益は259億円、利益率8.7%で、前年同期に対して、33.3%の増
益となりました。
次に「その他収益・費用」についてですが、「持分法投資損益」は1億円の持分
益で、韓国の関連会社である、SKテレテックの減益により、前年同期比で減少
しています。
投資有価証券評価損は、銀行株等の評価減を計上していました前年同期より、△
23億円減少しています。
その結果、税引前当期利益は286億円となり、利益率は9.6%、前年同期比
で50.8%の大幅な増益となりました。
この結果、当期純利益は、175億円、利益率5.9%、前年同期比50.5%
の増益となりました。
以上で連結損益計算書の説明を終わり、つづいて、連結貸借対照表について、ご
説明いたします。
「連結貸借対照表」
それでは、連結決算概要の8ページをご覧ください。
まず、「資産の部合計」ですが、当期第3四半期末の連結総資産は1兆7,76
2億円で、前期末の1兆6,350億円に対して1,412億円の増加となって
おります。
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当期は、キンセキ及びIBM社より買収しました京セラSLCテクノロジーの総
資産合計約580億円が、新たに連結に加わっております。
一番上にあります流動資産の合計が、8,993億円となり、前期末から369
億円増加しています。
「引出制限条件付預金」は、ラパイン訴訟に関して、銀行発行の信用状に対して
預託していた預金ですが、今回の和解費用の支払いに充当し、残額を通常の預金
に振り替えました。
「短期金融債権」は、リース子会社の金融債権で、「長期金融債権」からの振り
替えにより、485億円増加しています。
つぎに繰延税金資産ですが、前期末比△170億円減少しています。このうち1
61億円は、ラパイン訴訟の和解費用支払いに伴う取り崩しによるものです。
また、中程にあります固定資産の合計は、8,769億円となり、前期末に比べ
1,043億円の増加となっております。
「投資及び長期貸付金」が、1,442億円増加しております。この内訳は、そ
の下の、「投資有価証券及びその他の投資」に含まれるKDDI株式を筆頭に、
株価の上昇にともない時価総額が増加したことによるものです。
「長期金融債権」は、リース子会社の長期の営業債権で、「短期金融債権」への
振り替えを主として、減少しています。
その下の「有形固定資産」ですが、減価償却累計額とのネット金額で49億円増
加しています。
なお、当期9カ月通算の連結設備投資額は406億円で、減価償却費は444億
円でした。
以上が資産の部で、つぎの9ページの「負債、少数株主持分及び資本合計」につ
きまして、御報告いたします。
中ほどにあります負債合計は6,046億円で、前期末比で347億円の増加と
なりました。主な増減項目でありますが、「未払訴訟費用」は昨年12月に和解
金を支払っておりますため、当期第3四半期末での金額はありません。
つぎに、固定負債は、360億円増加の2,004億円となりました。
2つ飛びまして「繰延税金負債」ですが、665億円の増加となっています。こ
れはKDDI株式の時価総額の増加にともない、これに対応する税効果負債が増
加したことによるものです。
以上により、負債合計は347億円増加の6,046億円となりました。
次に、「資本合計」は1兆1,175億円となり、1,140億円増加していま
す。これは、主として「累積その他の包括利益」が769億円増加し、なかでも
欄外にあります「未実現有価証券評価損益」が増加したことによります。
未実現有価証券評価損益は、KDDI株式などの時価総額の増加が主因でありま
8
す。
以上により、当期末の自己資本比率は62.9%となり、前期末の61.4%から、
1.5%増加いたしました。
以上、簡単でございますが、連結貸借対照表の説明とさせていただき、私からの
説明を終わらせていただきます。
以
上