1.当四半期決算に関する定性的情報 - 2 - - キリンホールディングス

キリンホールディングス㈱ (2503) 平成24年12月期第1四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)連結経営成績に関する定性的情報
当第1四半期(平成24年1月1日~平成24年3月31日)のわが国経済は、減速状態から脱していない
海外経済の影響等により依然として厳しい状況にありながら、個人消費が底堅さを増しているなど、緩
やかな持ち直しの動きも見られます。
このような状況の中、キリングループでは、長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2015」(略
称:KV2015)実現に向けた第2ステージである「2010-2012年キリングループ 中期経営計画」の最
終年度として、引き続き収益性向上に向けた施策を進める一方、売上反転・拡大を目指し、ブランド
力・営業力の強化とお客様への新たな価値の提案に取り組みました。
国内においては、キリンビール㈱、メルシャン㈱、キリンビバレッジ㈱が、バリューチェーン全体で
の構造改革を継続するとともに、商品ブランド基軸の経営による綜合飲料グループ戦略を一層推進しま
した。
海外では、ライオン社が引き続き収益性と効率性の向上に努めるとともに、前年新たにキリングルー
プに加わったスキンカリオール社が新経営体制の下、業績向上に向けた施策に取り組みました。
これらの結果、当第1四半期の売上高は、海外酒類・飲料事業でスキンカリオール社の損益を取り込
んだことに加え、国内酒類事業や国内飲料事業において販売数量が増えたこと等により増加しました
が、営業利益、経常利益、四半期純利益については、医薬・バイオケミカル事業で化学品事業が連結除
外となったことや、国内酒類事業や国内飲料事業において販売費が増加したこと等により、減少しまし
た。
連結売上高
4,972億円(前年同期比 1.7%増)
連結営業利益
253億円(前年同期比 23.3%減)
連結経常利益
192億円(前年同期比 34.6%減)
連結第1四半期純損失
△30億円(前年同期比 ―
)
セグメント別の業績は次のとおりです。
<国内酒類事業>
キリンビール㈱では、選択と集中により基盤ブランドを強化するとともに、お客様のニーズに応えた
新しい価値を創造することで売上成長を目指しました。新ジャンルでは「キリン 麦のごちそう」を、
RTD※では「キリンワインカクテル ワインスプリッツァ」を発売し、それぞれのカテゴリーに新たな
提案を行いました。ノンアルコール・ビールテイスト飲料では、「キリン フリー」のリニューアルに
より、競争力の強化を図りました。1月1日に設立したキリンビールマーケティング㈱では、よりお客
様に近い視点に立った提案による課題解決型の価値営業の強化に取り組みました。これらの結果、ビー
ル・発泡酒・新ジャンル合計及びRTDの販売数量は、東日本大震災により大きな影響を受けた前年実
績を上回りました。
メルシャン㈱では、引き続き家庭用市場が伸張する中、日常的に楽しめるワインとして、「メルシャ
ン エブリィ」を発売するなどワイン市場の裾野拡大を図り、国産・輸入ともデイリーワインの販売数
量が前年を大幅に上回りました。
これらの結果、売上高は増加しましたが、東日本大震災の影響があった前年と比較して販売費が増加
したこと等により、営業利益は減少しました。
※RTD:Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料。
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キリンホールディングス㈱ (2503) 平成24年12月期第1四半期決算短信
国内酒類事業連結売上高
1,709億円(前年同期比 0.9%増)
国内酒類事業連結営業利益
43億円(前年同期比 13.8%減)
<国内飲料事業>
キリンビバレッジ㈱では、継続的に収益構造改革を推進するとともに、商品力と営業力の強化を進
め、成長による収益拡大の実現に向けた施策に取り組みました。
新たな炭酸飲料領域の創造に向けた提案として、「キリンの泡」を発売したほか、「キリン からだ
想い茶 すぅーっと茶」、「キリン 生茶 緑の野菜ブレンド茶plus」を発売し、無糖茶カテゴリーの強
化を図りました。また、チャネル別に価値営業・基本営業活動を推進したことで、販売数量は前年を大
きく上回りました。
これらの結果、売上高は増加しましたが、東日本大震災の影響があった前年と比較して販売費が増加
したこと等により、営業損失は増加しました。
国内飲料事業連結売上高
国内飲料事業連結営業損失
660億円(前年同期比 1.4%増)
△39億円(前年同期比 ―
)
<海外酒類・飲料事業>
ライオン社では、酒類・飲料事業ともにブランド力強化を重視したマーケティングを行い、収益性と
効率性の向上に努めました。豪州経済は、好調な資源産業の牽引により成長を続けているものの、食
品・小売を中心にした国内消費財産業は依然厳しい事業環境下にあります。ライオン社酒類事業では、
新しいカテゴリー創出の取り組みや高価格帯への商品構成シフトを引き続き進めました。主力ブランド
である「フォーエックス・ゴールド」や「ジェームスボーグス・プレミアム」の販売が前年を上回った
ほか、成長しているサイダー(リンゴ酒)カテゴリーに「トゥーヒーズ」ブランドから新商品を投入する
など、引き続きブランド強化を図りました。
一方、同社飲料事業では、中期的な収益性改善に向けた事業構造改革を引き続き進めました。消費者
のさらなる低価格志向をはじめ厳しい市場環境が続く中、フレーバードミルク(乳飲料)「デア」やス
ペシャリティチーズの販売が好調に推移しました。
スキンカリオール社では、ブラジル南部を中心とした天候不順等により、酒類・飲料事業とも販売数
量に影響がありましたが、新経営体制の下、基盤ブランドの強化をはじめとした収益性向上のためのマ
ーケティング・営業活動を推進するとともに、調達プロセスの抜本的改善やバリューチェーンの機能強
化等の施策を実行しました。
これらの結果、スキンカリオール社の損益取り込みとライオン社における構造改革推進により、売上
高、営業利益とも増加しました。
海外酒類・飲料事業連結売上高
海外酒類・飲料事業連結営業利益
1,529億円(前年同期比 30.0%増)
65億円(前年同期比 5.2%増)
<医薬・バイオケミカル事業>
医薬事業では、協和発酵キリン㈱において、主力製品である腎性貧血治療剤「ネスプ」等の販売が好
調に推移しましたが、花粉飛散量が少なかった影響や前年同期の東日本大震災後に一時的な出荷増があ
ったため、抗アレルギー剤「アレロック」等の出荷が前年を下回りました。また、3月に富士フイルム
株式会社とバイオシミラー医薬品の開発・製造・販売の合弁会社である協和キリン富士フイルムバイオ
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キリンホールディングス㈱ (2503) 平成24年12月期第1四半期決算短信
ロジクス㈱を発足させました。
医薬品の輸出は堅調に推移し、また、協和キリン富士フイルムバイオロジクス㈱からの技術収入も計
上しました。
研究開発においては、3月に成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)治療剤「ポテリジオ」(独自の抗体技
術を用いたヒト化モノクローナル抗体KW-0761)の承認を取得しました。
バイオケミカル事業では、協和発酵バイオ㈱において、アミノ酸・核酸関連物質を中心とする医薬・
工業用原料が、円高の影響を受けたものの、アジア向けの輸出が好調に推移し、販売数量は前年を上回
りました。
これらの結果、前年3月末に化学品事業を連結から除外した影響等により、売上高、営業利益とも減
少しました。
医薬・バイオケミカル事業連結売上高
848億円(前年同期比 24.7%減)
医薬・バイオケミカル事業連結営業利益
187億円(前年同期比 17.4%減)
<その他事業>
キリン協和フーズ㈱では、前年同期の東日本大震災直後に一時的な出荷増があったため、販売数量は
前年を下回りましたが、各種調味料及び食品素材を加工食品メーカー向けに展開する加工用事業を主力
事業として価値提案型営業・開発体制の整備・強化を進めました。
その他事業全体としては、主にキリン協和フーズ㈱の販売数量減の影響により、売上高、営業利益と
も減少しました。
その他事業連結売上高
224億円(前年同期比 6.4%減)
その他事業連結営業利益
4億円(前年同期比 70.7%減)
(2)連結財政状態に関する定性的情報
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形及び売掛金、有形固定資産等が減少したものの、
現金及び預金、無形固定資産、投資有価証券等の増加により、前連結会計年度末に比べ454億円増加し
て2兆8,996億円となりました。
負債は、有利子負債等が増加したものの、未払酒税、未払法人税等の減少により、前連結会計年度末
に比べ67億円減少して1兆7,995億円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ521億円増加して1兆1,000億
円となりました。
(3)連結業績予想に関する定性的情報
当連結会計年度の業績見通しについては、平成24年2月10日発表の業績予想に変更はありません。
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キリンホールディングス㈱ (2503) 平成24年12月期第1四半期決算短信
2.サマリー情報(その他)に関する事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動
該当事項はありません。
(2)四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用
税金費用の計算
税金費用については、当第1四半期連結会計期間を含む連結会計年度の税引前当期純利益に対する
税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税引前四半期純利益に当該見積実効税率を乗じて計
算しております。
(3)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
該当事項はありません。
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