ウルグアイ経済報告（１月分）【概況】 ●消費者物価指数（対前年同月比）は 8.02%と依然高い水準ながら 2012 年 12 月（7.48%）以降では最低の数字となった。食品，住宅等の値上がりがやや鈍化したことが要因。しかしながら前月比では電気，水道，ガスの公共料金の値上げ等で 2.22％上昇した。 ●対ドル為替レートは平均 24.47 ペソと，2 カ月連続でドル高傾向となった。 ●1 月の輸出額は前年同月比で 3.3%減となった。ベネズエラ及び中国向けのミルク・クリームの輸出が減り，同品目の輸出総額が 52%減となったことが大きな要因。対ベネズエラ向け輸出総額は 73%減と激減し国別順位も 13 位（昨年 1 月は 3 位）となった。全体ではこの他コメ，羊毛も減少した。逆に牛肉，小麦は増加した。輸入額は前年同月比で 12%増加したが，風力発電機が 64%増となったのが要因。【トピック】１財政 31 日，経済財務省は，2014 年の財政赤字は GDP 比で 3.5%である旨発表した。2002 年以降最高の数字で，2013 年は 2.3%であった。同省は，予測された数字であり，外国からの低利の融資も受けられる状況であるので問題はないとしている。各紙報道は，政府の支出増及び税収減を赤字増の原因としている。２貿易 28 日付「エル・パイス」紙は，中央銀行の発表として，2014 年の貿易赤字は 16.02 億ドルと前年比で 12.5%減となり，過去 4 年間で最少の赤字額となった旨報じた。輸入額が 1.2% 減となったのに対し輸出額が 1.0%増（いずれも前年比）であったのが原因。３金融（１）17 日付「エル・オブセルバドール」紙は，中央銀行の発表として，2014 年の国内銀行の収益率につき，国内 14 銀行のうちスコティア銀行，HSBC,バンデス銀行の 3 行のみが前年を上回った旨報じた。貸付額及び預金額が伸びていないのが原因。最も収益率の高かったのはイタウ銀行（1.7%）であったが，前年の 2.3%を下回った。（２）17 日付「エル・パイス」紙は，中央銀行の発表として，2014 年末の国内銀行への非居住者の預金残高が 42.21 億ドルで，預金残高全体の 15.5%を占めている旨報じた。預金非居住者の占める割合が高いのはサンタンデール銀行，BBVA,共和国銀行，イタウ銀行の順。（３）21 日付「エル・オブセルバドール」紙は，国際決済銀行の発表として，昨年第 3 四半期のウルグアイ人及びウルグアイ企業による海外に所在する銀行への預金が前年同期比で 12.4%増の 88.99 億ドルとなった旨報じた。右は GDP の 16.2%に匹敵し，過去 4 年間で最高の数字となった。４港湾 22 日付「ブスケダ」紙は，2014 年のモンテビデオ港等主要 5 港の貨物取扱量（未集計のヌエバ・パルミラ港を除く）が，アルゼンチンのウルグアイ港湾での貨物積み替え禁止措置にもかかわらず，前年比で 12.6%増加した旨報じた。国家港湾公社によると，風力発電所用の「プロジェクト貨物」の取扱の増加が要因。 1 ５エネルギー 23 日付「エル・オブセルバドール」紙は，調査会社 SEG Ingenieria 社の調査結果として， 2014 年 12 月の時点でのウルグアイの工業用電力料金は 1 メガワット時当たり平均 127 ドルで，アルゼンチン，ブラジル，チリに比し最も高い旨報じた。ウルグアイ工業会議所は調査結果に関連して，当国での生産コストの 15～20%が光熱費であるとしている。６対日関係 26 日，ウルグアイ外務省において，田中駐ウルグアイ大使とポルト外相代行との間で，日・ウルグアイ投資協定の署名が行われた。この協定は，日・ウルグアイ間における投資の自由化，促進及び保護を図るため，一方の締約国の投資家（企業等）が他方の締約国において投資を行う際の投資活動と投資財産への待遇等（投資参入段階及び参入後の内国民待遇及び最恵国待遇，公正・衡平待遇，特定措置への履行要求（技術移転の要求等）の禁止，送金の自由，収用の際の補償の条件，紛争の解決手続等）を定めるもの。 2 消費者物価指数(%) 失業率(%) 平均賃金指数(%) 対ドル為替（ペソ）（平均）新車売上台数主な経済指標 8月 9月 8.75 8.36 6.7 6.2 13.98 13.75 23.72 24.32 4,406 4,547 7月 9.06 5.7 14.20 23.00 4,796 10 月 8.11 6.7 13.60 24.32 4,475 11 月 8.05 7.0 12.63 23.99 4,413 12 月 8.26 6.5 12.04 24.11 5,465 1月 8.02 未確定未確定 24.47 4,174 出所：国家統計院(INE)、ウルグアイ自動車コンセッション協会（ACAU）全体食品・ノンアルコール飲料アルコール飲料・タバコ衣服・靴住宅家具・家庭用品保健運輸通信娯楽・文化教育レストラン・ホテル財・サービス 7月 9.06 11.80 5.60 4.88 7.96 9.53 6.93 10.66 -3.89 5.79 13.43 10.79 9.24 消費者物価指数 8月 9月 8.75 8.36 10.87 10.42 5.61 5.45 4.32 4.20 7.91 7.53 9.25 8.78 6.87 6.57 10.51 9.35 -4.20 -4.12 5.47 5.18 13.81 13.72 11.41 11.15 8.69 8.52 10 月 8.11 10.29 5.27 4.26 7.34 9.26 6.53 8.66 -4.03 3.29 13.68 10.69 8.65 11 月 8.05 9.73 5.18 4.22 7.36 9.42 6.96 8.58 -4.09 3.48 13.54 10.58 9.68 12 月 8.26 11.17 6.68 4.14 7.23 9.84 3.11 8.73 -4.08 3.57 14.25 11.03 9.27 1月 8.02 11.04 10.92 4.32 5.74 9.69 2.71 7.82 -4.06 3.89 12.47 11.46 9.19 出所：国家統計院（INE）額（百万ドル）輸入 10 月 708 11 月 639 12 月 643 1月 560 2.7 -18.0 -1.9 -5.3 3.2 -10.6 -3.3 5,970 6,681 7,329 7,985 8,586 9,178 560 前年同期比（％） 6.5 3.4 2.4 1.4 1.6 0.3 -3.3 額（百万ドル）前年同月比（％）１月からの累計（百万ドル） 821 -2.0 841 -1.0 893 9.8 840 -11.2 774 -10.2 782 -0.8 935 12.1 5,508 6,348 7,240 8,079 8,852 9,632 935 4.5 3.7 4.4 2.5 1.2 1.1 12.1 前年同月比（％）輸出 7月 1,058 貿易統計 8月 9月 744 704 １月からの累計（百万ドル）前年同期比（％）出所：Uruguay XXI（ウルグアイのフリーゾーンを含まず。毎月の輸出額，輸出累計額は暫定値） 3 全体全体 (石油精製除く) 食品・飲料繊維製品衣服皮等木材及び関連品紙等製本石油派製品等化学品皮・プラスチック製品非金属鉱物基礎金属金属・機会・機器電子機器以外の機械電子機器・機械医療機器等自動車等その他輸送機器家具等 6月 -4.00 -3.05 -6.16 -3.75 -15.22 0.15 26.08 -4.82 -0.06 -9.14 6.47 -9.76 -10.12 -11.80 5.08 -8.69 -2.06 0.15 24.40 -8.57 6.52 製造業指数(%) 7月 8月 -2.46 -2.40 -1.65 -1.38 -4.97 -4.73 -3.59 -5.36 -16.49 -19.30 0.17 -2.67 18.19 13.61 4.09 10.05 0.08 -1.22 -7.94 -7.87 5.83 4.02 -8.95 -7.33 -7.79 -6.68 -10.54 -8.06 3.28 1.69 -7.97 -6.07 -0.54 -1.36 1.92 3.04 22.82 11.66 -5.04 -1.78 6.89 5.52 9月 -0.92 0.20 -3.31 -5.26 -20.98 -3.83 11.14 19.36 -1.29 -6.88 5.15 -7.29 -5.10 -7.95 2.47 -4.59 0.50 5.01 7.54 3.61 5.80 10 月 -0.16 1.01 -2.18 -4.62 -24.19 -3.82 10.00 21.32 -0.76 -6.40 5.89 -6.56 -5.67 -6.47 2.82 -3.22 -2.43 6.30 4.75 1.53 5.64 11 月 0.21 1.25 -1.95 -4.45 -26.22 -4.80 8.63 23.69 -1.24 -5.43 6.09 -5.74 -6.46 -5.02 2.94 -1.55 -2.58 7.03 -0.22 1.00 3.27 12 月 1.11 2.16 -1.05 -4.28 -27.68 -4.27 7.62 26.65 -1.45 -4.60 6.63 -5.04 -6.03 -5.60 5.56 0.23 0.76 9.91 -1.81 1.04 3.56 出所：国家統計院（INE） (了) 4