第1回ものづくり日本大賞 優秀賞 - 日東電工

日東電工が受賞した R & D に関するアワード紹介
第1回ものづくり日本大賞 優秀賞
皮膚に優しいゲル粘着剤の開発
== 受 賞 日 ==
2005 年8月3日
優肌シリーズ製品群
== 受 賞 者 ==
白井 文哉、山本 敏幸、
大きく貢献してきた「ものづくり」
を軽減することが可能になった。
を着実に継承し、さらに発展させて
一方、固定などの実用面では、皮
いくために創設されたものである。
膚に貼付直後から皮膚の粗面にな
古森 研二、国谷 正善、
じみ、十分な接着面積を確保する
明見 仁、木之下 隆士
== 受賞理由および特徴 ==
われわれは、一般にガーゼの固
== 賞の特徴 ==
定などで使用される医療用粘着テ
経済産業省が中心となって、
ことで優れた密着力を示し、通常
の使用においては、テープの基本
性能である固定性は十分に保たれ
ている。
ープにおいて、テープを皮膚から
製品としては、サージカルテー
2005 年より内閣総理大臣表彰「も
剥がすときに皮膚表面の角質層を
プ「優肌絆シリーズ」やカテーテ
のづくり日本大賞」が制定された。
損傷しにくく、かぶれにくい新し
ルの固定などに使用するフィルム
これは、日本の産業・文化の発展
い発想のゲル粘着剤を開発した。
ドレッシング「優肌パーミエイド、
を支え、豊かな国民生活の形成に
これにより優秀賞を受賞すること
優肌パーミロール」等を品揃えし
ができた。
ている。
開発したゲル粘着剤は、網目構
また、ゲル粘着剤は、粘着剤中
造を施したアクリル系ポリマー中
に医薬品を保持・拡散等する能力
に多量の液状成分を含有させたも
に優れており、薬物としてイソソ
のである。従来の医療用粘着テー
ルビドジナイトレートを含有した
プで使われているアクリル系粘着
経皮吸収製剤(貼る心臓病薬)も
剤よりも非常に柔らかく、ミクロ
製造している。開発した心臓病薬
な視点からは接着力を弱くしてい
は、発作予防のため長期間の繰り
る。その結果、皮膚からテープを
返し連続貼付が要求されるもので
剥がすときに、角質層をほとんど
あるが、ゲル粘着剤の採用により、
剥離せず、あまり痛みを感じずに
患者様の皮膚かぶれや貼付感の改
剥がすことができ、患者様の苦痛
善にも大きく貢献している。
通常のアクリル粘着剤
ゲル粘着剤
皮膚角質
皮膚からテープを剥がしたときのテープ表面の違い
日東電工技報 87 号(44 巻)2006 年
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