平成24年度 施政方針 復興元年 「気仙沼市震災復興計画」の着実な実現を図ります 平成24年度の市の施策や予算などを審議する「第43回市議会(定例会)」が、2月17日 に開会し、初日の「施政方針(市長説明)」では、菅原市長は市政運営の考え方とともに、復興 に向けた取組などを示しました。その中で市長は「市民の皆様が1日でも早く復興を実感 できるよう、職員の総力をあげて取り組む」と決意を表明し、さらに「平成24年度を『復興元 年』と位置づけ、迅速かつ着実に関係する取組を推進する」と述べました。引き続き市長は、 平成24年度における主な施策について説明しました。 今回は、その主な内容についてお知らせします。 平成 年度の主な施策 第1の柱「市土基盤の整備」 ■道路災害復旧事業 約700か所の復 旧を平成 年度から 実施しており、 年 度内全箇所完了を目 標に、関連する復 旧・復興計画と調整 しながら、測量・詳 細設計や工事を実施 します。 ■都市計画道路の整 備 魚市場中谷地線な ど4路線の街路整備 事業の平成 年度完 了を目指し、事業の推進を図 ります。 ■市道の整備 整備を継続するとともに、 避難路整備として幸町南が丘 線や金子線の用地測量業務を 実施します。高台移転などの 土地利用計画と併せ、逐次国 に申請し、平成 年度の事業 完了を目指します。 ■三陸沿岸道路の整備 市内の三陸縦貫自動車道は 全線事業化されましたが、早 期完成に向け促進運動を展開 します。 ■大島架橋の整備促進 平成 年度完成に向け、被 災した県道大島浪板線のルー ト見直しと大島架橋を含む道 路新設区間の詳細設計及び調 査測量が進められています。 27 27 24 ■都市計画区域・用途地域の 見直し 甚大な被害を受けた被災市 街地の復興や防災集団移転促 進事業などによる新たな住宅 地の整備、産業再生などの総 合的なまちづくりを図る観点 から見直しを行うこととして おり、平成 年度は、現況調 査などを行います。 ■被災市街地復興土地区画 整理事業 土地利用方針の見直しに伴 う街区再編と地盤かさ上げを 総合的に行う事業で、鹿折地 区、南気仙沼地区を対象に平 成 年度の完了を目指し、換 地設計などを実施します。魚 町・南町地区は、まちづくり コンペの結果などを踏まえ、 測量などを実施し、 年度の 事業完了を目指します。さら に、漁村集落の復旧・復興の ため、被災集落ごとの復興整 備計画を作成次第、公共施設 災害復旧事業などを順次実施 します。 27 24 28 30 23 27 三陸縦貫自動車道の早期完成に向け促進運動を展開します 年度は、用地買収などが予 定されており、事業が着実に 進み、完成が少しでも早まる よう要望などを行います。 ■国道346号本吉バイパス・ 唐桑最短道の整備 本吉バイパスについては、 用地買収や盛土工事などが進 められており、事業推進に取 り組みます。 唐桑最短道については、舞 根1区と2区の防災集団移転 候補地が予定ルートに隣接す ることから唐桑最短道舞根工 区の早期着工を県に要望しま す。 ■JR大船渡線、JR気仙沼 線の復旧・復興 あくまでも鉄路での早期復 旧を目指し、JR東日本と国 に対し、県や隣接市町などと 24 2 平成24年度 施政方針 一体となり強く要望します。 ■防災集団移転促進事業 全体としては、平成 年度 までの完了を目指し、唐桑町 大沢地区と舞根地区について は、用地取得や造成工事など に着手、 年度の事業完了を 予定しています。このほか 地区から申し込みがあり、地 元調整などが整い次第、事業 計画を策定し、測量などを進 めます。また、個別に移転さ れる方には、がけ地近接等危 険住宅移転事業の活用により 支援します。 ■災害公営住宅の建設 全体としては平成 年度完 成を目指し、小学校区単位の 建設戸数などを盛り込んだ基 本計画を策定します。また、 赤岩牧沢地区の測量調査など に着手し、入居希望者数を把 握しながら、住宅のタイプや 戸数を確定します。 ■下水道の整備 6月頃の稼動を見込み、産 業排水に対応する仮設汚水処 理施設を3か所設置する予定 です。また、終末処理場の本 復旧工事を進めるとともに、 汚水管渠復旧工事に着手し、 土地区画整理事業などと整合 性を図りながら、平成 年度 内の完了を目指します。さら に、市立病院や赤岩港水産加 工団地の下水道接続を図るた 26 23 め、下水道事業認可計画の変 更を実施します。 ■水道の整備 被災配水施設などの本復旧 とともに、水道施設の復興計 画を策定し、整備を進めま す。また、水源開発施設整備 事業を推進するとともに、漏 水調査を行い、導・配水管の 耐震化を進めます。 ■ガス事業の見直し 経営の抜本的見直しを含 め、今後のあり方を検討しま す。 25 第2の柱「防災体制の整備」 す。 ■防災行政無線の復旧 被災した屋外固定の同報系 施設の無停電化対策などを 行い、本年 月の作業完了を 目指します。また、避難所と なる学校などの施設には、移 動系の無線102基を整備 し、災害時の情報把握と伝達 手段の確保に万全を期しま す。 ■消防施設の復旧 早期に復旧し、地域消防力 の充実を図ります。 ■潮位津波観測システムの復 旧 3か所を早期に復旧すると ともに新たに2か所を加え、 太陽光発電装置や衛星通信回 線の導入など、津波情 報の把握体制を充実し ます。 第 3 の 柱「 産 業 再 生 と 雇 用 創 出 」 10 ■生産基盤の復旧 被災農家の早期営農 再開に向け、除塩事業 などを活用し、平成 年度から 年度までの 3年間で、農地521 、用排水路、農道な どの農業用施設117 件を整備し、順次作付 けできるよう復旧し ます。 ■魚市場南側施設整 備事業 水産と観光の融合 する新しい気仙沼の シンボルとして、ま た、高度衛生管理や 入港漁船の大型化な どに対応して整備す るため、平成 年度の完成を 目途に、詳細設計などを実施 します。 ■水産加工場等の復旧 地域経済と雇用を支えるた め、各種補助事業による企業 の取組を最優先に支援しま す。早期のかさ上げ実施のた め、補助事業の弾力的運用を 25 水産加工場などの復旧を支援します 国に引き続き要望します。 ■気仙沼漁港の漁港区域拡大 国や県との協議を進めま す。 ■水産加工団地の整備 既存の赤岩港水産加工団地 隣接地に、新たな団地用地を 取得し、平成 年度造成工事 着手、 年度中の分譲開始の 予定で整備を進めます。 ■安全・安心な気仙沼ブラン ドの再構築 気仙沼市水産加工業振興協 議会が行う地域HACCPの 高度化に向けた取組を支援 し、ブランド力の強化を図り ます。 ■害虫発生抑止対策 魚市場や水産加工団地周辺 の覆土などにより、発生抑止 を図ります。 ■第1種漁港の災 害復旧事 業 平成 年度までの全漁港完 了を目指し、8漁港について 実施設計や工事を実施すると 3 ■地域防災計画の見直し 津波の被害想定と現実との ギャップ、避難誘導や避難所 のあり方など、様々な対応へ の反省や、国・県の検討内 容、地域住民の意見などを踏 まえ、東北大学などとも連携 し、平成 年度内の改定を目 途に見直しを進めます。 ■避難訓練・防災講座の実施 自治会・自主防災組織など において津波災害に特化して 実施するなど、防災意識をさ らに強化します。 ■防災教育の推進 児童・生徒、学校教職員、 地域が一体となり実施しま 魚市場南側施設整備事業では詳細設計などを実施します 41 ha 26 27 25 27 27 27 16 27 平成24年度 施政方針 ともに、各漁港の応急修繕な どを進めます。 ■沿岸・養殖漁業の支援 生産施設の早期復旧を図る 漁業者への資金貸付に対し利 子補給を行い支援します。 ■放射能対策 県が行う水産物などの定期 精密検査を補完するため、市 による簡易検査を実施し、検 査結果を公表するなど、安全 対策を万全にします。 ■ 中小事業者の早期の事業再 開 商店や工場などの仮設施設 整備事業や本市の独自施策で ある被災中小企業再開・継続 支援事業による支援を引き続 き進めます。また、求評見本 市の開催、各種物産展の開 催・参加により、本市生産品 の販売促進や販路開拓を支援 します。 ■(仮称)「気仙沼大島ウエルカ ム・ターミナル」 の整備 平成 年度着工を目標に、 地元関係者などと協議し基本 構想を策定します。 ■観光戦略会議 本市の新たな観光戦略の構 築のため開催し、被災から復 興に向かう経過を観光資源と とらえて誘客を図る地域再生 観光の創出や、被災した観光 施設の整備のあり方などを議 論し、本年秋までに今後の戦 26 略的方策を定め、逐次実施に 移します。 ■イベントの支援 市内外での観光イベント・ 誘客宣伝活動に対する助成制 度を新設し支援します。 ■観光振興の取組 平成 年の仙台・宮城デス ティネーションキャンペーン に向け、仙台・松島・平泉な どとの周遊ルートの開発や、 観光キャンペーンの実施、旅 行会社や報道機関への発信強 化など、気仙沼観光コンベン ション協会などの関係団体と 一体で観光振興の取組を強化 します。 ■企業誘致 積極的な企業訪問や企業立 地セミナーでの情報発信を行 うとともに、企業立地奨励制 度や復興特別区域法の優遇税 制、区域拡大が予定されてい る企業立地促進法に基づく支 援などの活用を図り、一層の 誘致に努めます。 ■産業集積 事業者のニーズを踏まえ、 高台など安全な場所へ産業集 積を図るため市内の適地を調 査します。 ■新たな産業の創出 電力の固定価格買取制度の 開始を踏まえた再生可能エネ ルギーの事業化を主軸にし て、積極的に推進します。 25 ■雇用の創出 雇用の受け皿となる産業の 本格復旧にさらに力を尽くす とともに、引き続き緊急雇 用創出事業の活用により、 640人程度の雇用を確保し ます。被災事業所などの事業 再開や被災者の雇用機会の創 出を支援するため、復興型雇 用創出助成金の周知に努めま す。 ■人材育成 技能講習受講料助成を引き 続き実施するとともに、県立 気仙沼高等技術専門校と連携 し、離職者の再就職機会の拡 大などを図ります。 第4の柱「自然環境の復 元・保全と環境未来都市 (スマートシティ) の実現」 ■廃棄物の迅速処理 平成 年度までの市内のが れき処理終了に向け、搬出を 引続き行うほか、県に委託し ている2次処理業務は、 年 度中に土地の賃貸借契約を完 了し、各種手続きを経て、具 体的な処理場建設や処理が進 められることとされており、 市も県と一体となって取り組 み、早期進捗に努めます。 ■保安林等の早期復元 23 国・県に働き掛けるととも 25 に、火災により焼損した 森林の倒木撤去を急ぎ、 再生方法を検討します。 ■十八鳴浜及び九九鳴き 浜の維持・保全 地域の貴重な宝として 保存と活用に向けた環境 整備を行います。 ■再生可能エネルギーの 導入と環境未来都市 (スマートシティ)の 実現 太陽光発電設備の設置 者への助成を行い、環境 負荷の低減に向けた取組 を推進します。 ■LED化などの推進 都市公園3か所の外灯や九 条小学校の照明のLED化、 公用車にプラグインハイブ リッド車を導入します。 ■放射能対策 定点測定を継続し、結果を 公表するなど市民の安全のた めの監視と情報発信に努めま す。 第 5 の 柱「 保 健・医 療・ 福 祉・介 護 の 充 実 」 ■福祉施設の復旧整備 波路上保育所を移転・新築 し、建設中のマザーズホー ム、一景島保育所、南気仙沼 小学校区留守家庭児童セン 25 被災した福祉施設の復旧を進めます ターを年度内に再開します。 ■市立病院の整備 現況測量、用地取得などを 行い、平成 年度中の着工、 年度中の新病院開院に向 け、事業を早めます。 ■市立本吉病院の体制充実 引き続き医師確保を図りな がら、早期の入院再開に向け た復旧に努めるとともに、医 療機器の整備など体制充実に 努めます。 ■地域の連携・協力体制の充実 県が行う医療福祉情報ネッ トワークシステム構築に参加 し、医師会や歯科医師会など との連携を強めます。 ■地域包括ケアシステムの構築 唐桑と本吉エリアに地域包 括支援センターを新設すると ともに、医療・福祉関係機 関やボランティア団体など 29 4 平成24年度 施政方針 とのネットワークを強 化します。また、生活 習慣病や生活不活発病 の予防などを推進しま す。さらに、高齢者な どが自立し、住みなれ た地域で生活を送れる よう、福祉サービスと 相談支援事業の充実に 努めます。 ■被災者の生活支援 サポートセンター4 か所の活動充実をはじ め、生活支援相談員な どによる見守りなど生活相談 体制を強化し、応急仮設住宅 などにおける孤独死ゼロの取 組やひきこもり防止、心のケ ア対策など、被災者に寄り 添った取組を進めます。ま た、被災した子育て世代の負 担軽減を図るため低年齢児保 育強化事業などを実施しま す。 ■国民健康保険税及び介護保 険料の減免 本年9月まで延長されるこ ととなりましたが、さらに継 続するよう国に要望します。 21 よって復元・修復事業を進め るとともに、様々な復興事業 に伴い急増している埋蔵文化 財の調査と保護に努めます。 ■大学・研究機関等との連携 これまで支援をいただいた 大学の活動状況などのデータ ベース作成とともに、本市の 復興に向け様々な大学との交 流を深めるための(仮称)気 仙沼大学ネットワーク支援事 業を展開します。 ■市民等との協働の推進 これまで本市の復旧・復興 に協力いただいた全国のボラ ンティアなどの皆様に呼びか け 、 仮( 称 気 )「 仙 沼 フ ァ ン ク ラブ を 」 設立し、メールマガ ジンなどによる情報発信を行 うとともに、気仙沼〝志〟民 証を発行し、さらなる支援や 交流拡大などにつなげます。 ■市民活動団体の支援 市民活動支援センターの嘱 託職員を1人増員し、市内で 活動するNPOの活動状況な どのデータベース化、相談体 制の充実などにより、市内N POなど市民活動団体の支援 やボランティアの育成などを 図ります。また、市内のNP Oが中心となって7月 日に 本市で開催される社会イノ ベーター公志園決勝大会に関 連して、別途実行委員会を組 織してイベントなどを支援し ます。 ■在住外国人への支援 震災時の安否確認などが困 難を極めたことから、在住外 国人名簿の作成、交流事業や 相談事業の充実などにより、 支援体制を強化します。 ■ 仮( 称 自 )「 治基本条例 の 」策 定 平成 年度中の策定を目指 し、市民や団体などとの協議 を進めます。 25 第7の柱「地域コミュニティ 充 実 と 市 民 等 との 協 働 の 推進」 69 90 10 第6の柱「学びと子どもを 育む環境の整備」 育施設整備検討委員会を開催 し、今後の整備方針などを検 討します。また、被災した市 総合体育館、本吉総合体育 館、唐桑体育館の補修・改修 を実施します。市民会館は、 空調や音響、照明などの改修 に係る設計業務委託と耐震補 強工事を行います。 ■学校教育環境の整備 被災児童・生徒への就学支 援事業やスクールバス運行業 務とともに、心のケアのた め、スクールソーシャルワー カー配置事業などを実施しま す。また、県教育委員会の方 針に沿って、4月からすべて の小・中学校に防災主任を配 置し、防災教育の充実を図り ます。 ■南気仙沼小学校と気仙沼小 学校の統合 統合に伴い、体制充実に向 け、県教育委員会から新たに 教育復興を支援する教員が配 置されることになり、保護者 の意見などを踏まえ、通学路 の安全確保などに努めます。 ■義務教育環境整備 義務教育環境検討委員会の 審議結果を踏まえ、適正化に 向けた整備計画を策定しま す。 ■文化財保護 ■コミュニティ基盤の整備 大規模半壊以上の被害を受 けた 施設の復旧については 平成 年度までの完了を目指 します。本吉・唐桑地域の5 施設の設計などを行い、 年 度までに工事を完了します。 ■新しいコミュニティの形成 支援 応急仮設住宅 団地の自治 組織設立や運営支援を行い、 これまで、 団地において組 織が結成され、未結成団地は 団地となっています。新た に地域支援員 人を各地域に 配置するなどして、組織結成 や運営の支援、被災者の見守 りなどを行います。 21 27 62 26 サポートセンターの活動の充実に取り組みます を終えることとしています。 併せて、平成 年度までにす べての小中学校に太陽光発電 装置などを導入し、防災拠点 としての整備を図ることとし ており、 年度は 校を整備 します。 ■幼稚園の整備 唐桑幼稚園については本年 月、大谷幼稚園については 来年1月の完了を目途に工事 などを進め、併せて、教材備 品を整備します。 ■耐震補強事業 小・中学校各3校で実施す るほか、LED照明の導入な ど環境に配慮した省エネル ギー事業についても、順次取 り組みます。 ■社会教育施設等の復旧 16 ■小学校・中学校の整備 27 適正な維持管理と保存を図 るため、レスキュー事業に 24 気仙沼図書館整備事業検討 委員会や中央公民館等社会教 5 12 被災した小学校 校、中学 校7校については、施設改修 10
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