「トンボ博士とトンボ捕り」 2007年10月6日(土) 講師:八木 剛先生(兵庫県立人と自然の博物館・主任研究員) 場所:甲山森林公園・広河原 甲山にも、トンボ舞う秋がやって来ました。 お天気に恵まれ、広河原に集まったメンバーは、到着するやいなや網を振ってトンボを追いかけます。 この時期、この広河原で見かけられるトンボの種類は、15種類程度。 さあ、どんなトンボに出会えるのか・・・ワクワクするトンボレースの始まりです! トンボ捕りレースのルール ・時間は1時間(10:30~11:30) ・広河原で、自由にトンボを捕ります。 捕ったトンボの種類×捕ったトンボの数=得点 で計算します。 つまり高得点を狙うには、いかに多種類のトンボを捕まえられるか が問題になります。 「いっぱい捕ったからといって、エライ人になるとは限りませんが、先生は負けません!」 と、早くも八木先生の勝利宣言。子どもたち(否、お母さん?)の負けじ魂にも火が点きました。 ●いろいろな種類のトンボを捕まえるには? トンボは種類によって、住む場所の好みがちがい ます。水辺が好き、暗い所が好き、草原が好き etc。 つまり、いろいろな場所を廻ることが大切です。 ●トンボの種類の見分け方 体の色・形・羽の様子・複眼の様子などを、図鑑と 照らし合わせながら見分けましょう。ただし、図鑑 を見ても似たようなトンボがズラーと並んでいる みんな真剣にお話しを聞いて、トンボ捕りレ のでなかなか分かりにくい上に、同じ種類でもオ ースに備えます。 スとメスで色や模様が違うものがあり、識別はと ても難しいです。 ●トンボ捕りのコツ ①トンボより早く網を振る! 周りに人がいないか気をつけよう。 楽しみのためにトンボの名前が知りたい人は、 何度もトンボを捕り、実際にたくさんのトンボを 観察して、その特徴を覚えましょう。 トンボの世界は、奥深くて面白い! トンボ捕りがうまくなりたければ、毎日 家で素振り練習を!? ②トンボの後から狙った方が有利。 ③網をかぶせて捕るより、クルッと網の 口を返して、トンボが出ない様にフタ が出来ればカッコ良い! この季節には、交尾しているトンボがよく見られ ます。オスがメスの頭を自分のはさみでしっかりは さみ、連結(おつながり)したまま飛んでいたり、水 辺で産卵している様子も観察できました。 14 ●10月6日の「トンボ捕りレース」では、15種類のトンボが確認できました! アオモンイトトンボ ・ ハグロトンボ ・ エゾトンボ ・ シオカラトンボ ・ ウスバキトンボ ・ オニヤンマ ギンヤンマ ・ ミヤマアカネ ・ マユタテアカネ ・ リスアカネ ・ タイリクアカネ ・ ネキトンボ (見つけたけれど捕れなかったトンボ : オオアオイトトンボ ・ ショウジョウトンボ ・ コノシメトンボ) マユタテアカネ 羽に黒い模様のあるものとないものが あります。顔に描きたてのまゆのよう な黒い斑紋があるので、他と区別しや すいです。 ミヤマアカネ オスは全身がまっ赤になり、オス・メ スともに羽に茶色い帯がある。 捕って来たトンボをよく見て、名前を調べます。図鑑 この帯があるのは、世界中でみやまあ でははっきり分からなかった所まで観察できますね。 かねだけです。 ミヤマアカネのマーキング調査について 「日本で一番美しい赤トンボ」と言われるミヤマアカネが、広河原にたくさんいます。 ところが、このミヤマアカネには、まだまだナゾがいっぱいあるのです。 どのくらい生きるのか?どのくらい移動するのか?何を食べているのか? わから ない事だらけなので、みんなで調べてみる事になりました。 それが、[ミヤマアカネのマーキング調査]です。 捕まえたミヤマアカネの翅に番号を書き(自動車のナンバープレーと考えてくだ さい) 、他の日に再度捕獲することによって生存期間や移動経路・産卵場所などを調 べる研究方法です。しかし、翅に番号を書いただけではただの落書きになってしまう ので、この調査には(1)メンバー登録をする (2)記録したデータを報告する という大切なルールがあります。 川がきクラブでは、この調査を積極的に推進し、参加協力しています。 番号のついたミヤマアカネを見つけたら 、羽に書いてある番号・見つけた日・見つ けた場所・見つけた人を下記の「あかねちゃんクラブ」のホームページまで連絡して ください。 [email protected] うれしいニュース! 10/6の「トンボ捕り」で梅澤泰成君がマークした「カ4-43」のあかねちゃんに、10/13宝塚市 の支多々川で出会いました。真っ赤に成熟した、きれいなオスのあかねちゃんでした。広河原から一週間か けて飛んで来たのですね。よくがんばりました!(稲津) 15 トンボ捕りレースの成績 1位:河田 直樹君 7種×26匹=182点 エゾトンボも捕まえました。 2位:カワセミチーム 3種×22匹=66点 梅澤家と増田家の合同チーム 3位:川崎 安寿さん 3種×14匹=42 点 皆さん、おめでとうございます! 広河原いっぱいに広がって、いろいろなの種 類のトンボを探します。 *入賞者には、記念のバッジとポケット図鑑「阪神の自然」をプレゼントしました。 今日みんなで捕まえたトンボの内、ミヤマアカネにはマーキングをしました。 羽に油性のマジックで「カ4」という、ID ナンバー(10月6日・広河原で川がきクラブの皆さんが マークしたと判別するための番号)を付けました。 この「カ4」と書いたミヤマアカネは、全部で49匹。そして、自分の ID ナンバーを持っているメ ンバーが新にマークした数が22匹。既にマークされていたあかねちゃんを再捕獲した数が18匹。 合計して、10月6日の10時~13時30分・仁川の広河原で、89匹のミヤマアカネを確認でき たことになります。 再捕獲されたミヤマアカネの中には、7月31日にここ広河原でマークされた「カ1-79」がい ました。この事から、このトンボが68日間生きていたという事がわかります。また、8月5日に仁 川の市街地・百合野橋近くでマークされた「カ8-341」も再捕獲され、このトンボが里から山に むかって飛んで来た事が確認されました。移動経路を知る事も出来るのです。 ・・・・・ 参加者の感想から ・・・・・ *久しぶりの虫とりは親子共々エキサイトしました。 *今日初めてとんぼとりに参加して、あまりとれなかった みやまあかねのオスは本当に美しくてうっとりし ました。とんぼなんてどれも一緒と思いこんでい たので勉強になりました。八木先生の説明もおも しろくわかりやすかったです。マーキングは、参 加を実感できてやみつきになりそうです。これか らもよろしくお願いします。 *今日はじめて参加させていただきました。楽しかっ けど楽しかったです。 *今まで見た事のないトンボが見れて嬉しかった。 アサギマダラの羽がとても綺麗でした。 *おにやんまとあさぎまだらがびっくりしました。 ヒメタイコウチがいっぱいいたのがかんどうしました。 *とんぼはとれなかったけれど、たのしかったです。 *たのしかった。もっとたくさんとれるようになりたい。 たけど、皆さんが持ってこられた網に圧倒されま *母親の私が必死になってしまいました。来年もがんばり した。今まで迷っていましたが、 「網」を買います! ます。親子共に本当に楽しくすごさせて頂きました。 甲山でこんなにいっぱいの種類のトンボがいるな *今日は、子どもしか網をもっていなかったので、レース んて感激しました。 “オニヤンマ”は久しぶりに見 に参加できなくて残念だったので、来年は是非挑戦した れて良かったです。本当に楽しかったです。 いと思いました。 16
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