特集 てチョウを呼ぼう 地域みんなで校庭改造 千葉・我孫子市 菅野 みどりさん イラスト・近藤 泉 パセリにとまるキアゲハ の幼虫 ふたつの道に挟まれた菅野さんの 家は蜜源植物に囲まれている ナミアゲハの交尾。菅 野さんの家の周りでは 生命のドラマが 写真・岡本 央 食農教育 2003.5 ……… 40 プチ改造術 校庭に食草を植え 千葉・我孫子市に住む菅野み どりさんの家は、別名「世界で 一番小さな蝶ちょ園」。毎年、 20種2000匹ものチョウが飛 び立っていく。その秘訣は、建 物を囲む植物にある。建物を囲 む緑はすべて、食草(チョウの 幼虫のエサ)なのである。 小学校でもちょっとした空地 やフェンス際などに食草を植え ることで、たくさんのチョウを 呼ぶことができる。宿根草なら 羽化のようすを子どもたちに見せる菅野さん 世話もあまりかからない。とく におすすめの食草を菅野さんに整理していただいた。食草と合わせて、チョウの蜜源と なる花を植えるとより効果的である(下図) 。 食草を植えたら、全校清掃などのとき、雑草として刈り取られないように注意を促す 必要がある。父母も含めてお便りで知らせれば、家族ぐるみでチョウへの関心が高まる はずだ。 学校におすすめの世話のいらない食草 ういきょう…薬草 食草 キアゲハ※ (別名フェンネル) 花が咲くとカメムシもたくさん やってくる ウマノスズクサ…雑草 つる性なのでフェンス際に 早春から晩秋 3∼4代 蜜源 近くに蜜源があると効果的 オオムラサキツツジ、ヒラ トツツジ、ブッドレア、 ヤブガラシ、百日草、ラ ジャコウアゲハ※ ンタナ等 ホトトギス…花草 ルリタテハ* 秋、花もきれい 8月末∼11月 ・垂蛹(国蝶オオムラサキと同 じ)でおもしろい 熟した汁を吸う ミモザアカシア(注)…花木 キチョウ* ミソハギ(紫色の花)、 ・1年中柔らかな葉がたくさん ・3月、黄色の花もきれい ・シャク蛾の宝庫でもある。 ・5齢幼虫になると天敵のカマ キリがやってくる ・夏∼晩秋 3∼4代 ブルーサルビアが大好き ルッコラ…ハーブ系野菜 ・まき時はいつでもOK ・こぼれ種で毎年発芽 すいよう モンシロチョウ※ ・3月∼12月 5∼6代 カキの木 ※晩秋育てると越冬蛹になり、 翌春の羽化が楽しみ *成虫で越冬 その他、街路樹・公園・神社のクスノキはアオスジアゲハの食草であり、都会でも飼育・観察できる。 (注)花が終わったら5月ごろ高さ3mの幹だけにしてしまう。7月ごろになると豊富な新しい葉がしげる。 毒蛾もくるので要注意。カラフルな幼虫なのですぐわかる。 41 ……… 食農教育 2003.5
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