非裏波溶接 裏波溶接

4.供給設備の被害状況(中圧導管)
溶接部(非裏波溶接)の損傷
溶接部
溶接部
母材部
母材部
非裏波溶接
裏波溶接
(参考)裏波溶接と非裏波溶接の違い
漂流物(浚渫船)の衝突による中圧導管の損傷
損傷した送水管と添架ガス管
衝突後更に上流側の橋梁で停止した浚渫船
( 71 )
5.供給設備の被害状況(低圧導管)
継手部(ねじ接合)の損傷(地震動による被害)
継手部(機械式接合(抜出防止有)
)の損傷(液状化による被害)
( 72 )
6.供給設備の被害状況(ポリエチレン管)
PE 製水取器の袖管部(100mm)と鋼管の機械的接合部の損傷
(鋼管と鋼管の間に挟まれた短延長の袖管部において、配管形状上、
PE 管の持つ可とう性を発揮できなかったことによるもの)
PE(150mm)サドル部の損傷(部分的な融着不良を起因としたもの)
( 73 )
参考資料Ⅱ-10
一般ガス事業における供給設備の健全事例
1.中圧導管
低圧導管
中圧導管
地震による土砂崩壊に伴い露出した中圧導管
(溶接鋼管)
津波による路盤洗掘に伴い露出した中圧導管
(溶接鋼管)
(低圧導管(ねじ接合)は抜けた
ものの、中圧導管(溶接鋼管)は健全性を保持)
2.低圧導管
PE 管埋設位置
地震により造成盛土が崩壊し、立入禁止となった
家屋における内管(PE 管)
(急傾斜地のため地盤
変状が大きかったものの、PE 管は健全性を保持)
( 74 )
液状化地区における低圧導管(PE 管)
参考資料Ⅱ-11
簡易ガス事業における被害状況
1.全国の簡易ガス事業の概況
2.地震の概要
[発生日時] 平成23年3月11日14時46分
[震源地] 三陸沖
[規模]
マグニチュード9.0
[震度5弱以上を観測した県] 1都16県
{青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、
千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県}
震度5弱以上を観測した簡易ガス団地の地点群数(1,858地点群)
震度階別一覧
県別一覧
震度階
地点群数
県名
地点群数 県名
地点群数
3
36 栃木
162
震度7
青森
191
118 茨城
238
震度6強
岩手
423
13 群馬
133
震度6弱
秋田
610
131 埼玉
359
震度5強
宮城
631
73 千葉
197
震度5弱
山形
1,858
192 東京
38
合計
福島
( 75 )
県名
神奈川
山梨
静岡
長野
新潟
合計
地点群数
73
69
9
14
3
1,858
3.簡易ガス団地の被害状況
(1)震度5弱以上の簡易ガス団地の被害状況
東北地方太平洋沖地震での簡易ガス団地の被害状況は、震度5弱以上を観測した1,858地点群のう
ち74地点群のガス工作物が損傷等の被害を受け供給を停止した。
その他に感震自動ガス遮断装置が作動しガスの供給が一時停止したが、その後の点検で異常が無く
供給を再開した簡易ガス団地は323地点群であった。残りの1,461地点群は地震の影響は無く供給
を継続した。
供給停止
感震自動ガ
供給地点群 許可地点数
74
供給継続
1,461
377,517
感震自動ガス遮断装置作動
(ガス工作物に被害なし)
供給停止
(ガス工作物損傷等)
合計
(震度 5 弱以上の全数)
323
83,675
74
32,713
[19,466]*
1,858
493,905
ス遮断装置
作動
323
17%
4%
1,858
地点群
供給継続
1,461
79%
簡易ガス団地の被害状況(地点群数)
*[ ]内の数字は調定数
(2)各県ごとの被害状況
ガス工作物に損傷等を受け、供給停止した地点群を県別にまとめると次のとおりで、宮城県・福島県の
2県が多くを占めた。
県名 地点群
県名
地点群
岩手県
5事業者
8 茨城
9
岩手
8地点群
23 埼玉
1
宮城
供給停止 1,015戸
(震度6弱・5強)
28 千葉
2
福島
3 合計
74
栃木
栃木県
千葉
2
3%
埼玉
1
1%
栃木
3
4%
2事業者
3地点群
供給停止 317戸
(震度6弱・5強)
茨城
9
12%
福島
28
38%
岩手
8
11%
宮城県
10事業者
23地点群
供給停止 8,666戸
(震度6強・6弱・5強)
埼玉県
宮城
23
31%
県別供給停止数(地点群数)
1事業者
1地点群
供給停止 339 戸
(震度5強)
福島県
16事業者
28地点群
供給停止 4,133戸
(震度6強・6弱・5強)
千葉県
2事業者
2地点群
供給停止 1,077戸
(震度5強・5弱)
( 76 )
茨城県
7事業者
9地点群
供給停止 3,919戸
(震度6強・6弱)
(3)被害要因
被害を受けた要因としては、「地震動によるガス工作物損傷」「液状化によるガス工作物損傷」「津波によ
るガス工作物損傷」「その他」の 4 つがあり、それぞれ件数・割合は次のとおりであった。
被害要因
地点群 供給停止戸数
その他
45
15,701
地震動
7
液状化
9%
14(7)
1,195(652)
津波
8
8
2,939
液状化
11%
地震動
7
261
その他
45
津波
74
19,466
合計
61%
14
19%
( )内は壊滅的被害により住民が避難中の
簡易ガス団地数
被害要因
(4)被害箇所
ガス工作物の被害を受けた箇所については次のとおりであり、導管の損傷が多数を占めた。
被害箇所
地点群
特定
4
特定製造所
特定製造 製造所
4
所、導管
49
導管
6%
の両方
14
特定製造所及び導管
14(7)
21%
67
合計
・(3)被害要因の「その他」の7地点群については
被害箇所も不明なため対象地点群から外した。
・( )内は壊滅的被害により住民が避難中の
簡易ガス団地数
導管
49
73%
被害箇所
(5)被害団地の感震自動ガス遮断装置の作動状況
調査を行った60地点群*のうち51地点群に設置済み(設置率85%)であり、46地点群で作動した。設
置済みであっても不作動の5地点と未設置の9地点群では、導管の損傷に伴いガス漏洩が発生した。
感震自動ガス遮断装置
地点群数
割合
46
作動
77%
不作動
未設置
5
不作動
8%
5
9
9
未設置
15%
8%
15%
60
合計
100%
*ガス工作物に被害を受け供給停止した 74 地点群
のうち、(3)被害要因の「その他」の 7 地点群と津波
で壊滅的被害により住民が避難中の 7 地点群の
計 14 地点群については、被害状況の把握が困難
なため調査対象から外し、残りの 60 地点群につい
て調査を行った。
( 77 )
作動
46
77%
感震自動ガス遮断装置の作動状況
ガス工作物に被害を受け供給停止をした簡易ガス団地の被害及び復旧状況
県
名
市区町村名
那須烏山市
千葉
矢板市
佐倉市
匝瑳市
カメイ
釜石瓦斯
泉金物産
釜石瓦斯
三重商会
ガス&ライフ
カメイ
仙台プロパン
宮城ガス
カメイ
宮城ガス
仙台エルピーガス
宮城ガス
名取岩沼農業協同組合
岩沼市農業協同組合
仙南ガス
名取岩沼農業協同組合
仙南ガス
カメイ
仙台プロパン
仙南ガス
日通商事
倉島商事
若松ガス
相馬ガス
アイソン
東部液化石油
共同ガス
東部液化石油
カメイ
東北ガス
いわきガス
カメイ
常磐共同ガス
常盤電設産業
東京ガスエネルギー
カメイ
日本瓦斯
勝田ガス事業協同組合
東部液化石油
日本瓦斯
日本瓦斯
鹿島マルヰガス㈱
東部液化石油
関東アストモスガス
日本瓦斯
日本瓦斯
首都圏瓦斯
総武ガス
埼
玉
さいたま市
佐藤興産
岩手
栃木
宮古市
ガス事業者
上閉伊郡大槌町
釜石市
大船渡市
東松島市
宮城郡松島町
塩釜市
宮城郡七ヶ浜町
黒川郡富谷町
宮 城
仙台市青葉区
名取市
岩沼市
柴田郡柴田町
亘理郡山元町
白石市
福島市
福 島
相馬市
本宮市
郡山市
須賀川市
白河市
いわき市
茨 城
北茨城市
日立市
那珂郡東海村
ひたちなか市
鉾田市
稲敷市
潮来市
神栖市
計
供給
地点
群数
1
2
1
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
1
5
1
1
2
2
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
供給
停止
戸数
155
180
65
525
12
175
207
115
507
45
1661
800
1,226
65
553
212
490
1,570
40
160
266
276
170
650
87
329
690
33
107
403
323
446
90
228
40
943
76
145
463
130
94
1,682
314
72
150
27
140
1,006
71
復旧
対象
戸数*
155
108
65
525
12
137
207
115
507
45
1661
800
1,226
65
553
212
490
1,570
40
160
266
276
170
650
87
329
690
33
107
403
323
446
90
228
40
943
76
145
463
130
94
1,682
314
72
150
27
140
1,006
71
復旧
率
復旧
完了日
備考(被害状況等)
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
3 月 24 日
5月5日
5月3日
4 月 14 日
4 月 19 日
4 月 21 日
4月8日
3 月 25 日
3 月 22 日
3 月 21 日
3 月 25 日
3 月 28 日
4月2日
3 月 29 日
3 月 26 日
3 月 27 日
4月7日
4月6日
3 月 24 日
4月6日
3 月 28 日
3 月 16 日
3 月 19 日
3 月 15 日
3 月 20 日
3 月 23 日
3 月 16 日
3 月 14 日
3 月 16 日
3 月 24 日
3 月 23 日
4 月 11 日
3 月 24 日
3 月 14 日
3 月 13 日
3 月 24 日
3 月 15 日
3 月 12 日
3 月 25 日
3 月 15 日
3 月 12 日
3 月 15 日
3 月 23 日
3 月 15 日
3 月 12 日
3 月 14 日
3 月 12 日
3 月 15 日
3 月 18 日
導管損傷(本支管 12 箇所、供内管 6 箇所)
導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 1 箇所)
導管損傷(本支管 10 箇所、供内管 13 箇所)
導管損傷(本支管 10 箇所、供内管 4 箇所)
導管損傷(供内管 6 箇所)
導管損傷(本支管 3 箇所、供内管 3 箇所)
導管損傷(本支管 4 箇所、供内管 3 箇所)
特定製造所建物損傷、導管損傷(本支管 6 箇所、供内管 6 箇所)
導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 1 箇所)
導管損傷(本支管 5 箇所、供内管 5 箇所)
導管損傷(本支管 3 箇所)
導管損傷(供内管 3 箇所)
導管損傷(本支管 11 箇所、供内管 2 箇所)
導管損傷(本支管 6 箇所、供内管 9 箇所)
導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 7 箇所)
導管損傷(本支管 1 箇所)
導管損傷(供内管 2 箇所)
導管損傷(本支管 4 箇所)
導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 1 箇所)
導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 1 箇所)
特定製造所内設備損傷
導管損傷(本支管 20 箇所、供内管 1 箇所)
導管損傷(本支管 4 箇所、供内管 2 箇所)
導管損傷(供内管 5 箇所)
導管損傷(本支管 5 箇所、供内管 22 箇所)
特定製造所損傷、導管損傷(本支管 2 箇所、供内管 2 箇所)
導管損傷(本支管 5 箇所、供内管 2 箇所)
導管損傷(供内管 1 箇所)
導管損傷(供内管 1 箇所)
特定製造所損傷、導管損傷(供内管 7 箇所)
導管損傷(本支管 2 箇所、供内管 20 箇所)
導管損傷(供内管 2 箇所)
3 月 15 日
導管損傷(本支管 3 箇所)
1
339
339
100%
60
18,553
18,443
100.0%
導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 1 箇所)
特定製造所内設備被害、導管損傷(供内管 1 箇所)
特定製造所内設備被害
導管損傷(供内管 7 箇所)
特定製造所内設備被害
特定製造所内設備被害、導管損傷(本支管 1 箇所)
導管損傷(本支管 2 箇所、供内管 1 箇所)
導管損傷(本支管 2 箇所、供内管 4 箇所)
導管損傷(本支管 3 箇所、供内管 3 箇所)
導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 1 箇所)
導管損傷(本支管 4 箇所、供内管 5 箇所)
導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 1 箇所)
導管損傷(本支管 3 箇所、供内管 7 箇所)
特定製造所内設備被害、導管損傷(本支管 1 箇所、供内管 1 箇所)
導管損傷(本支管 3 箇所、供内管 2 箇所)
導管損傷(本支管 4 箇所)
特定製造所全容器転倒、導管損傷(本支管 7 箇所、供内管 7 箇所)
-
* 「供給停止戸数」から、地震・津波による家屋倒壊等または、避難勧告・避難指示の長期化が確認された戸数を差し引いたもの。
( 78 )
壊滅的被害等で住民が避難中の供給地点群一覧 (平成 23 年 7 月 29 日現在)
県
名
市区町村名
岩手
釜石市
陸前高田市
宮城
東松島市
仙台市若林区
双葉郡浪江町
双葉郡大熊町
福島
双葉郡富岡町
計
ガス事業者
釜石瓦斯
東海プロパン
ガス&ライフ
仙台プロパン
鳴瀬ガス
仙台市 ガス局
叶屋
富久屋商店
東北実業
富岡ガス協業組合
富岡ガス協業組合
富岡ガス協業組合
富岡ガス協業組合
供給
地点
群数
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
供給
停止
戸数
47
31
166
52
87
269
10
5
3
15
105
77
46
14
913
復旧
対象
戸数*
不明
不明
不明
不明
不明
不明
不明
不明
不明
不明
不明
不明
不明
復旧
率
復旧
完了日
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
( 79 )
備考(被害状況等)
特定製造所倒壊
津波により復旧困難
津波により復旧困難
津波により団地壊滅的被害
津波により復旧困難
津波により団地壊滅的被害、特定製造所倒壊
-
簡易ガス事業者の被害状況及び要因分析
特定製造所
特定製造所に被害を受けた簡易ガス団地は18地点群あり、そのうち復旧が完了した11地点群と、壊滅
的被害で住民が避難中であるが被害状況が判明した2地点群の計13地点群について被害状況をとり
まとめた。
(1)貯蔵形態ごとの被害数
特定製造所の被害については全てがシリンダー容器庫で、バルク貯槽やストレージタンクについては被
害は発生しなかった。被害要因を津波、地震動、液状化に分けると、津波での被害が多い。
被害要因
被害数
貯蔵形態
(地点群数)
津波
地震動
液状化
13
7
5
1
シリンダー容器庫
13
7
5
1
合計
(2)被害要因と被害箇所
被害箇所を建物、内部設備で分けると内部設備被害が多い。
内部設備のみ
建物及び
被害要因
建物のみ被害
被害
内部設備被害
1
4
2
津波
1
3
1
地震動
1
0
0
液状化
3
7
3
合計
(3)被害内容について
①建物の被害
特定製造所建物に被害を受けた簡易ガス団地は6地点群であり、津波により2地点群の特定製造所が
全壊した。その他に地震動で1地点群が半壊したが、残りは建物の壁・床面のひび割れ等の軽微なも
のであった。
内容
被害要因
全壊
半壊
一部損傷
2
0
1
津波
0
1
1
地震動
0
0
1
液状化
2
1
3
合計
建物に被害を受けた特定製造所の状況
( 80 )