スライド 1

杭の破壊形態
現象・破壊場所
杭軸力による
圧縮破壊
杭に作用する杭軸方向(通常鉛直)の荷重強
度(軸力)が、杭の軸圧縮抵抗力に対し上回
る場合に発生する。杭の断面積や圧縮強度
が変化しないとき、杭と上部構造物の接する
最上部で破壊する。
周辺地盤沈下
に伴う負の摩
擦力による杭
の圧縮破壊
杭の沈下に対し、周辺地盤の沈下が大きい
場合、杭の外縁部に下向きに(杭を押し下げ
るように)働く軸力が発生し、杭自体の軸圧
縮強度を上回る場合に杭が圧縮破壊を起こ
す。杭先端が沈下しない場合にはこの部分
で破壊するが、通常は杭先端も少し沈下する
ので、先端より少し上部で圧縮破壊する。
液状化による
杭の曲げ破壊
地震時に液状化が発生すると、杭周辺部の
液状化域では、水平方向に作用する力は地
下水圧のみとなり、地盤の有効応力が例とな
るので地盤反力が零となる。このため、上部
構造物に生じた水平慣性力による曲げモー
メントが杭に発生し、液状化域の下部にモー
メントの中心があり、ここでもっとも杭に作用
するモーメントが最大となって、曲げ破壊する。
地震水平慣性
力によるせん
断破壊
地震時には上部構造物に発生し、この水平
慣性力が杭に伝わる、杭と上部構造物の接
合強度がこの水平慣性力よりも小さいと、接
合部にせん断破壊が発生する。
地震転倒モー
メントによる
引抜き
細高い構造物である鉄塔や煙突もしくは高
層ビルにおいて、地震時にはこれら上部構
造物に水平慣性力が発生するが、構造物の
下端部の周りのモーメントが、構造物の自重
によるモーメントより大きくなると、構造物は
転倒する。杭基礎を採用したとき、転倒抵抗
モーメントとして、杭周辺部に作用する摩擦
力があり、これと上記自重によるモーメントの
和が、下回るときに杭が引き抜かれる。
概念図
P
 
基礎式・対処法
・杭の強度増
・杭の断面積増
P
  cr
Ap
P
  cr  F f
Ap
P
・ネガテイブフリクションのカット
・Slip Layerの設置(アスファル
ト)
地盤と杭の相対沈下
杭の軸力
杭の沈下
周面摩擦応力
P
地盤の沈下
PF N
杭
が
沈
下
杭基礎
地
盤
が
沈
下
中立点
水平反力・曲げによる応力 杭基礎+液状化
水平反力がなくなる分
モーメントが増加
地盤
杭
液状化
P  PFN  f c Ap
地盤
水平慣性力
せん断破壊
・液状化対策用地盤改良
・杭の曲げ抵抗増大(直径増・肉
厚増)
・増し杭
杭
・杭を上部構造物中に根入れ
・杭のせん断抵抗増
・増し杭
・杭の長さ増
・杭の直径増
・増し杭