社内の蛍光灯、LED取替費用は税務上どうなる? 13.01.11

社内の蛍光灯、LED取替費用は税務上どうなる?
マネーコンシェルジュ税理士法人 今村 京子 氏
最近、新聞などで「○○企業、照明器具を全面的にLEDに変え電気料金○○%削減」などという話をよく
見かけるようになりました。
日本中に節電気運が広がり、自社にとっても電気料金を節約できるとあってLEDの導入を検討している
企業も多いのではないかと思いますが、従来の照明器具に比べ高額ということも事実です。
その費用の会計処理はどうするのでしょう?
今回のコラムは、マネーコンシェルジュ税理士法人の今村京子先生に LED取替費用の会計処理について
教えていただきました。
昨今は節電の影響もあり消費電力が少ないLEDランプへ取替を検討されるところも多いと
思われます。
そこで、国税庁の質疑応答事例を参考にLEDランプへの取替費用について税務上の
取扱いを説明します。
国税庁の質疑応答事例
【質問内容】
当社では、節電対策として自社の事務室の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取替えることを考えて
いますが、その取替に係る費用について修繕費として差し支えありませんか?
なお、当社はこれまで蛍光灯が切れた際の取替費用を消耗品費として処理しています。
【取替の概要】
事務所の蛍光灯100本すべてを蛍光灯型LEDランプに取替える。
なお、この取替にあたっては、建物の天井のピットに装着された照明設備(建物附属設備)について、
特に工事は行われていない。
・蛍光灯型LEDランプの購入費用 10,000円/本
・取付工事費 1,000円/本
・取替えに係る費用総額 1,100,000円
取替に係る費用総額110万円について修繕費としていいのか資本的支出とすべきか
迷うところではありますが、このケースの場合は費用処理して差し支えないとの回答でした。
この情報記事は、 (株)セールスエデュケーション・ラボラトリーが配信しているメールマガジンを転用しています。 URL:http://www.se-labo.jp/
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【考え方】
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうちその固定資産の通常の維持
管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額
は修繕費となります。
一方、法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の価値
を高め又は耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額は資本的支出となります。
では蛍光灯型LEDランプへの取替費用はというと、節電効果や使用可能期間などが向上している事実を
もって固定資産の価値等を高めているとして資本的支出に該当するとも考えられます。
しかし、質疑応答事例では、蛍光灯(又は蛍光灯型LEDランプ)は照明設備(建物附属設備)がその効用
を発揮するための一つの部品であり、かつ、その部品の性能が高まったことをもって建物附属設備として
の価値等が高まったとまではいえないと考えられるため、修繕費として処理することが相当と回答されて
います。
つまり、通常のLED取替費用については修繕費となるため全額損金となり、節電にも税軽減にも有効と
考えられます。
いかがでしたか?
コラムの例にもあるように照明をLEDに変更しようとすると
かなり大きな費用が発生します。
その費用を資本的支出(資産計上)とするのか修繕費(損金計上)と
するのかは、経営上、結構大きな影響がありますよね。
通常、建物に非常階段を付けるとか、模様替えや改装をした時の
費用は資本的支出とされるので、LED取替費用も資本的支出かと
思ってしまいますが・・・。
「損金計上できるなら」と取替工事を決断する企業もあるのではないでしょうか。
また、お役に立ちそうな話題がありましたら、お届けさせていただきます。
このご案内に記載の情報は法律上又は税務上の助言ではなく、このご案内をもって専門家の助言に代える
ことはできません。
また、このご案内は、2012年12月26日時点の税制に基づいています。
今後、制度内容が変更される場合があります。
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