経営者保証免除特例制度、2月16日より要件拡充 15.04.07

経営者保証免除特例制度、2月16日より要件拡充
マネーコンシェルジュ税理士法人 税理士 村田 直 氏
平成25年12月9日に中小企業庁より、「一定の要件が揃えば経営者保証なしの融資を受けることが出来るように」
と「経営者保証に関するガイドライン」が発表され、平成26年2月1日より適用が開始されました。
この度、日本政策金融公庫がそれをさらに前進させた、「経営者保証免除特例制度」の運用を開始したそうです。
今回は、その制度についてマネーコンシェルジュ税理士法人の税理士 村田 直先生に解説していただきました。
ぜひご一読ください。
●経営者保証なしでも、融資が受けられる
中小企業が金融機関から融資を受ける場合、経営者保証は
必須ではない。
平成26年2月1日から「経営者保証ガイドライン」が適用開始され、
経営者の個人保証を不要とする融資取引の環境が整い、現場は
少しずつ動き出している。
それを受けて、日本政策金融公庫では「経営者保証免除特例制度」を設けており、
一定の要件を満たした場合に、借入の経営者保証が免除される(既存融資も可)。
この制度が、平成26年度補正予算により要件が拡充され、平成27年2月16日から
以下の新要件による運用が開始されている。
1. 税務申告を2期以上実施し、かつ、事業資金の融資取引が1年以上あり、直近の1年間返済に遅延のないこと。
2. 最近の決算期において、次に掲げる方法により算出した年数が10年未満であること。
有利子負債(短期借入金+長期借入金+社債)÷{減価償却後経常利益×1/2
(経常欠損の場合は1/2を乗じない)+減価償却費}
3. 法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断し得る財務状況にあること
(次のいずれかを満たすことを目安に判断)。
(1)前々期の決算期における減価償却前経常利益が黒字であって、最近の決算期の売上高減価償却前経常利
益率が8%以上であってかつ、自己資本比率が20%以上
(2)前々期の決算期における減価償却前経常利益が黒字であって、最近の決算期の売上高減価償却前経常利
益率が4%以上であってかつ、自己資本比率が30%以上
(3)最近2期の決算期の減価償却前経常利益が黒字であって、最近の決算期の自己資本比率が40%以上
4. 法人と経営者の一体性の解消が図られていることについて、公認会計士、税理士または財務状況等の検証を
行うことができる認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。
5. 「中小企業の会計に関する指針」または「中小企業の会計に関する基本要領」を適用済みであること。
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●保証人免除の場合、原則利率上乗せも特例あり
上記の保証人免除を受けた借入については、原則0.3%利率が上乗せされる。
ただし、一定の融資制度の適用を受ける場合には、上乗せ適用がない。
また、平成26年度補正予算による要件拡充で、
「法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断し得る
財務状況にあること」等を満たしていなくても経営者保証を
免除できる対象に
「事業承継を機に第二創業または新たな取組を図る者」を追加、
貸付利率の加算を行わない対象にも
「事業承継を機に第二創業または新たな取組を図る者」等が追加されている。
いかがでしたか?
経営者が債務の連帯保証をしていると、
その経営者に万が一のことがあった場合には債務が相続され、
経営者の遺族に重くのしかかってくるという場合もあり得ます。
この制度は、既存の保証契約にも適用されるということですし、
ぜひ、要件を整えて活用したいですね。
経営者保証免除の相談は日本政策金融公庫だけでなく、
最寄りの商工会、商工会議所、認定支援機関等でも応じてくれるそうです。
まずは、お近くの窓口にご相談なさるといいかもしれないですね。
また、お役に立ちそうな話題がありましたら、お届けさせていただきます。
※このご案内は2015年3月27日現在の情報に基づいています。
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