インプラント治療の成功の可否はインプラント埋入時の初期固定に大きな

論文審査の結果の要旨
インプラント初期固定の術前予測に関する研究
インプラント治療の成功の可否はインプラント埋入時の初期固定に大きな影響を受け
るといわれている。そこで本研究では、
H
e
l
i
c
a
lC
Tを 用 い て イ ン フ ラ ン ト 埋 入 予 定 部 位
T値 お よ び 皮 質 骨 の 厚 さ を 評 価 し 、 イ ン プ ラ ン ト デ ザ イ ン や 術 式 の 違 い に よ る 初 期 固 定
のC
への影響を定量的に検討した。
解 析 1で は 、 骨 密 度 お よ び 皮 質 骨 の 厚 さ と 初 期 固 定 ( 最 大 埋 入 ト ル ク 値 、 I
S
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n
t] 、 最 大 除 去 ト ル ク 値 ) と の 関 係 に つ い て 、 ス ト レ ー ト イ ン プ ラ ン ト
(
群 I) と テ ー パ ー イ ン プ ラ ン ト ( 群 I) を 用 い て 、 そ れ ぞ れ の 推 奨 ド リ ル プ ロ ト コ ー ル
通 り に イ ン プ ラ ン ト を 埋 入 し 、 両 者 を 比 較 し た . 解 析 2で は , テ ー パ ー イ ン プ ラ ン ト を 用
い て イ ン プ ラ ン ト と 同 じ 幅 径 の 埋 入 寵 を 形 成 す る 術 式 ( 群 I) と 、 テ ー バ ー ド リ ル を 用 い
てインプラントより小さい幅径の埋入寵を形成するアダプテーションテクニック(群 i
l
l
)
とを比較した。解析 3で は , ス ト レ ー ト ド リ ル に よ る ア ダ フ テ ー シ ョ ン テ ク ニ ッ ク ( 群 N)
を 、 解 析 2の群 E、群 E と比較した.
そ の 結 果 , 群 I、群 E、群 E、 群 町 の す べ て に お い て 、 埋 入 予 定 部 位 の 周 囲 骨 の C
T値
T値 ( 皮 質 骨 + 海 綿
(皮質骨+海綿骨)と各初期固定値聞に強い相関がみられ、術前の C
骨)を用いて算出した骨密度により、インプラント埋入時の初期固定を予測できる可能性
が示された。
ま た 、 回 帰 分 析 の 結 果 、 群 I、群 E、 群 皿 、 群 町 の す べ て に 、 周 囲 骨 の C
T値 と 各 初 期
T値 か ら 、 回 帰 直 線 式 を 用 い て 初 期 固 定
固定値間に有意な直線関係が認められ、術前の C
値を予測できることが示唆された。しかレながら、回帰直線はインプラントデザインや術
T値 で も 、 イ ン プ ラ ン ト デ ザ イ ン や 術 式 を 変 え る こ と に
式によって異なっており、同じ C
より、初期固定値を増大させることができることが示された。
本研究は,異なるインプラントデザイン・術式において、埋入予定部位の C
T値 か ら 初
期固定値を予測できることを明らかにしており、最適なインプラント治療プロトコール選
択に寄与する可能性が示唆された。よって論文調査委員は、本論文を博士(歯学)の学位授
与に値するものと判断した。
博士学位論文審査結果の要旨及びその担当者
ほわしみおり
(ふりがな)
氏
帆鷲
名
論文調査委員
美織
王
査
九州大学
吉浦
一紀
教
授
面
リ
オ
tヨ
t
L
九州大学
不
"
"
'
本
悦秀
教
授
リ
高
査
九州大学
牧平
清超
准教授