Brachyury は Tb。x 転写因子の一つであり、 臓器の発生段階

論文審査の結果の要旨
マウス唾液腺発生における B
r
a
c
h
y
u
r
yの関与
B
r
a
c
h
y
u
r
yは Tb
o
x転写因子の一つであり、臓器の発生段階の中匪葉形成と分化に必須であること
r
a
c
h
y
u
r
y
.
や、成熟組織においても上皮間葉移行を調節することが報告されている。本研究ではこの B
に着目し、マウス胎仔顎下腺における B
r
a
c
h
y
u
r
yの発現動態を明らかにするとともに、器官培養法
r
a
c
h
y
u
r
yの役割について検討した。
を用いてマウス胎仔唾液腺の分枝形成における B
I
C
Rマウスの胎仔から分離した顎下腺原基をポアサイズ 0
.4口mのフィルター上に置き、それらを
2
0
0口lの B
G
J
b培地を入れた 2
4穴フレートの各ウェルに沈め、 3
7℃
、 1
00%湿度、 5
%二酸化炭素気
e
st
e
r
nb
l
o
t
t
i
n
gや r
e
a
l
相下で器官培養を行った。また、胎仔マウスから分離した顎下腺原基を、 W
t
i
m
eR
T
P
C
Rのサンプルとし、 E
l
2
.5
E
l
6
.5の各胎齢における B
r
a
c
h
y
u
r
yなどの発現を調べた。
r
a
c
h
y
u
r
y遺伝子は E
l
2
.5
E
l
3
.5で急激な発現増加を認めた。また、
胎生期の唾液腺において、 B
c
l
e
f
t形成に必須とされる fi
b
r
o
n
e
c
ti
nとその制御因子である B
t
b
d
7遺伝子、細胞増殖を制御する
W
n
tと S
o
x
2遺伝子も同時期に強く発現されていた。細胞接着分子である E
一c
a
d
h
e
r
i
nに関しては各
l
2
.5
E
l
3
.5ではやや低下していた。
胎齢で発現を認めたが、 E
G
J
b培地に si
R
N
Aを添加し、 E
l
2
.5
E
l
5
.5の顎下腺原基のノックダウンを行った。 B
r
a
c
h
y
u
r
y
次に、 B
遺伝子を E
l
2
.5
E
l
3
.・5 でノックダウンした場合には C1
ef
t形成と分枝形成が著明に抑制され、
f
i
b
r
o
n
e
ct
i
n、B
t
b
d
7、S
o
x
2のタンパク発現は抑制されていた。一方、 B
r
a
c
h
y
u
r
y遺伝子を E
l
4
.5あ
l5
.5でノックダウンした場合には Cl
e
ft形成も分枝形成も影響を受けなかった。また、
るいは E
f
i
b
r
o
n
e
c
t
i
n、B
t
b
d
7、S
o
x
2遺伝子をそれぞれノックダウンすると、いずれも cl
e
ft形成と分枝形成
r
a
c
h
y
u
r
yのタンパク発現には影響を及ぼさなかった。
が抑制されたが、 B
r
a
c
h
y
u
r
yが c
l
e
ft形成と分枝形成を制御
以上のように、本研究では唾液腺の発生初期において B
する因子の lつであることを見い出しており、学位論文として十分に値するものと判断された。
博士学位論文審査結果の要旨及びその担当者
はやし
(ふりがな)
氏
キ
本
名
論文調査委員
こうへい
浩平
王
査
九州大学
中村
誠司
教
授
副
査
九州大学
坂井
英隆
教
授
副
査
九州大学
平田
雅人
教
授