1:3 7 4 4 ,2 0 0 2 37 =原著= 自発走によるラット足底筋ミオシン重鎖 アイソフォーム構成比の変化 辻本尚弥1) 鈴木英樹2) 梅村義久3) Effects of Voluntary Wheel Running Training on Myosin Heavy Chain Isoform Composition in Rat Plantaris Muscle Hisaya TSUJIMOTO, Hideki SUZUKI and Yoshihisa UMEMURA Abstract Thee f f e c t so fv . o l u n t a r yrunningt r a i n i n gwerei n v e s t i g a t e di nt h e1 3 w e e k o l dfemale n t otwog r o u p s :s e d e n t a r y( S ; N=6) o r F i s c h e r 3 4 4 r a t s (N=l2). Animalsw巴re <livid巴d i v o l u n t a r yrunningt r a i n i n g(VT;N=6)groupa t5-weeko fa g e . Animals i n group VT wereg i v e nf r e ea c c e s st ot h erunningwheelf o r8w e e k s . Bodyweighto ftwogroupswass i g n i f i c a n t l yi n c r e a s e dduringt r a i n i n gp e r i o d . The e rday ( M i n . ;1 averagerunningr e v o l u t i o no fgroupVTwas10483 土 1041 (mean 土 SD) p 5 0 6 ア 2 8 7 , Max.; 17601 士 1539). Heartweightandr e l a t i v eh e a r tweighto fgroup VT were . The p l a n t a r i s (PLA) weight and t h er e l a t i v e PLA s i g n i f i c a n t l yh i g h e rthan group S .Nochangeo fp r o t e i nc o n ュ weighto fgroupVTweres i g n i f i c a n t l yh i g h e rthangroupS c e n t r a t i o nwaso b s e r v e di ntwog r o u p s .I np r o t e i nc o n t e n t ,t h ev a l u eo fgroup VT was . s i g n i f i c a n t l yhigherthant h a to fgroupS I nt h e myosin heavy c h a i n (MyHC) isoform composition o ft h e PLA m u s c l e , no changeo ft y p e I MyHCisoform was o b s e r v e d with t r a i n i n g ,w h i l e ,t y p e Id MyHC . Moreover, t y p e isoform o fgroup VT was s i g n i f i c a n t l yh i g h e r than t h a to f group S . I a MyHC isoform o f group VT was s i g n i f i c a n t l yh i g h e r than t h a to f group S R e l a t i v e l y ,t y p e Ib MyHCisoformo fgroupVTwass i g n i f i c a n t l y lower than t h a to f . groupS Th巴se r e s u l t si n d i c a t et h a tv o l u n t a r yrunning t r a i n i n gc a u s e st h eg r e a t changes o f myosinheavychaincompositionandhypertrophyi nt h er a tp l a n t a r i sm u s c l e . Keywords:Voluntary r u n n i n g , Myosin heavy chain i s o f o r m , F344 female r a t , P l a n t a r i smuscle 緒 自発的な運動(自発走運動)による方法がある。自 日 実験動物に運動を負荷する場合強制的な運動と 1 )久留米大学健康・スポーツ科学センタ- 2 )愛知教育大学 3 )中京大学 発走を用いたトレーニングは,実験動物の生存率上 昇。や肥満抑制川,発ガン予防ぺ高血圧予防制町 3 8 久留米大学健康・スポーツ科学センター研究紀要 第 10巻第 l 号 2002 免疫機能の強化ペインシュリン感受性の改善ぺ最 した。はじめに,足底筋から粗ミオシンの抽出を行っ 大酸素摂取量の増大山1) などの様々な効果があると た。保存していた筋は筋腹にて二分し,一方を収縮 報告されている。自発走運動は比較的高強度で短時 蛋白質であるミオシンの分析に供した。粗ミオシン 問の運動が活動期中に高頻度に繰り返される特徴を の抽出と変性の方法は, Bar 持つ山。また自発走トレーニングは強制走トレーニ よった。総蛋白濃度と粗ミオシン蛋白濃度は & Pette の方法則に ングに比べて 1 日の走行距離が長い,つまりトレー Biuret 法にて測定したへ総蛋白含量は,筋重量× ニング量が大きいという特徴を持つ 12ト附。これらの 総蛋白濃度により求めた。粗ミオシンの最終蛋白濃 ことから,自発走トレーニングに対する骨格筋の適 度は, 60µ g/ml とした。 応、は,強制走トレーニングとは異なる点があると考 えられる。 3. 電気泳動による MyHC アイソフォームの分 析 そこで本研究では実験動物を用いて,自発走トレー ニングの影響について,心重量,筋重量とミオシン 重鎖アイソフォーム構成比から検討した。 方法 1. 実験動物司飼育方法友びトレーニング方法 実験動物には,生後 13 週齢の Fischer344 系の雌 MyHC アイソフォームの分離は, Sugiura & Murakami の方法制を改変した SDS 存在下の電気 泳動法( SDS PAGE )にて行ったお)。泳動はマイク ロスラブ電気泳動装置( KS8020 型:マリソル)を 用いて行った。ゲル条件は分離ゲルには, 30% ( v / v )の Glycerol を含むアクリルアミド総濃度( T) ラット 12 匹を用いた(日本 SLC )。餌( CE-2 :日本 =5% クレア)及び飲水は自由摂取とし,昼夜逆転した % (v/v )の Glycerol を含む T= 8% (w/v )で (w/v )で架橋度( C) =1%の淡溶液と 40 12 時間の明暗サイクルで室温22± 1 ℃,湿度 60± C=l% の濃溶液より作成した濃度勾配ゲルを用い 5% の環境下で飼育した。実験群として対照群 た。濃縮ゲルには, 35% (v/v )の Glycerol を含む (Sedentary;S 群, N= 6 )と自発走トレーニング T=3.5% (w/v )で C=20% のゲルを用いた。泳動 群( Voluntary w heelrunningt r a i n i n g;VT 群, は濃縮ゲル中は50V ,マーカ一色素が完全に分離ゲ N =6 )の 2 群を設けた。 4 週齢時より 1 週間予備飼 ルに入ってからは 150V で、行った。 i永動時間はマー 育した後,群聞の体重がほぼ同一になるように,そ カ一色素が分離ゲルに入ってから 15 ~ 18時間とした。 れぞれ 5 週齢時にラットを各群に分けた。対照群は 泳動後ゲルは銀染色(銀染色キットワコー:和光純 2 4ラ3 8ラ20cm (KN623 :夏目製作所)の大きさの 薬)を施し蛋白質を可視化した22)。 MyHC アイソフォー ケージにて飼育された。 VT 群はラット回転式運動 ムの同定は,全ての MyHC アイソフォームを含む 量測定装置(直径 32 ×幅 lOcm )付きの 38 × 28 × 38 ように前腔骨筋と横隔膜筋,ヒラメ筋より抽出し調 cm (KN-78-R :夏目製作所)の大きさのケージに 整された粗ミオシン混合溶液を,被験溶液と同時に て飼育された。ケージより回転車輪への通路は常に 泳動して得られたパターンをマーカーとして :fT っ 解放されており,ラットは 24時間自由に運動が可能 た犯)。アイソフォーム構成比の分析は,画像解析に であった。トレーニングは 5 週齢より 13週齢に達す より行ったね)。 るまで 8 週間行った。なお飼育・トレーニング・屠 殺での実験動物の扱いについては,「実験動物の飼 4. 統計処理 養及び保管等に関する基準」に沿って行ったへ 各測定値は群ごとに平均値,標準偏差及び標準誤 差を求め統計学的な検定を行った。トレーニング期 2. 筋の摘出句総蛋白質の定量分析と粗ミオシン の抽出・変性 問中の体重増加量では,一要因(トレーニング期間 中の体重)に対応がある二要因(実験条件×トレー トレーニング終了後,ラットの体重を計測,ペン ニング期間中の体重)の分散分析にて検定した。主 トパルピタールナトリウム溶液にて麻酔を行い,麻 効果が有意となった場合の多重比較と交互作用が有 酔下において心臓より採血し屠殺した。その後,心 意となった場合の単純主効果の検定における多重比 臓及び足底筋を摘出し重量を測定した後,ただちに 較に,統計量を t 値とするライアン法を用いた。最 液体窒素により冷却したイソベンタン中で瞬間凍結 終体重,心重量,足底筋重量および MyHC アイソ し,生化学的分析を行うまで フォーム構成比では,分散の検定に F 検定法を用 60℃の冷凍庫で保存 39 自発走によるラット足底筋ミオシン重鎖アイソフォーム構成比の変化 い,分散が等質であった場合は平均値の検定に t 検 示した。 図 3 には足底筋の各 MyHC アイソフォーム構成 定法を,分散が等質でなかった場合は A s p i n ュ 比を平均値と標準誤差により示した。 W巴 lch の検定法を用いた。全ての検定において有 意水準は 5 % (p<0.05 )とした叫。 Type I MyHC アイソフォームでは両群問に有意な差はみ られなかった( S 群; 3.5±0.6, VT 群, 2.4 土 0.3 )。 結果 TypeI a (S 群; 11.8±2.4, VT 群, 30.4±2.5 )と トレーニング期間中の VT 群の 1 日当りの回転数 Id (S 群; 18.2±2.4, VT 群; 33.7±2.9) MyHC について群全体の平均値と標準誤差を図 1 に示した。 x103 VT 群の 1 日当りの平均回転数は 1 週日で最小値の 20 1506±287 回を示したが 6 週日まで徐々に増加し, 6 週日には最大値 17602± 1540 回を示しその後徐々に 減少した。 1 日当りの回転数の総平均は, 10483± 1041 回であった。 〉〉「 十弓 ; , . , 亡、"' 口ごてコ ぢ己 司員 10 F『ムー B I2 次にトレーニング期間中の両群の体重変化を平均 Jコ長J E主ニ 値と標準誤差により図 2 に示した。 S 群の体重はト 。 レーニング期間中増加し,トレーニング開始 l 週日 2 群の体重もトレーニング期間が進むに従い増加し, S 群と同様にトレーニング開始 1 週より前週の体重 3 4 5 6 7 8(Wk.) T r a i n i n gp e r i o d より前週の体重に比べて有意に高値を示した。 VT F i g .1 Changeso fv o l u n t a r yrunninga c t i v ュ i t y に比べて有意に高値を示した。トレーニング期間中 の全ての時点で両群潤の体重に有意な差はみられな (g) 200 かった。 最終体重及び心重量と相対的心重量を平均値と標 準誤差により表 1 に示した。最終体重では両群間に 判 色 150 M qぷ 匡 有意な差が認められなかった。心重量及び相対的心 重量では, VT 群が S 群に比べて有意に高値を示し た。次に足底筋の筋重量と相対的筋重量及び筋の総 〉、 6100 凶 蛋白濃度と総蛋白含量を,平均値と標準誤差により 50 表 2 に示した。足底筋の筋重量では, VT 群が S 群 と S 群との聞に有意な差が認められた。足底筋の総 蛋白濃度は両群間に有意な差は認められなかった。 1 2 -0- Volun回 ryrunning -ii 3 4 5 6 • 7 F i g .2 Changes i n body weight during t r a i n i n gperiod t: S i g n i f i c a n td i f f e r e n c efromt h ev a l u eo f pr巴vious week ( p < 0 . 0 5 ) 総蛋白含量は, VT 群が S 群に比べて有意に高値を e i g h t ,h e a r tweightandr e l a t i v eh e a r tweighti neachgroup Table 1 Bodyw Group (number) Bodyweight Sedentary ( 6 ) Voluntaryrunning ( 6 ) 160ア5 167ア4 ( g ) Heartweight (mg) R e l a t i v eh e a r tweight (mg/lOOgBodyWeight) 460ア15 664ア21* 289ア9 397ア6* Valuesa r eexpressed a smeanアSEM S i g n i f i c a n td i f f e r e n c efromt h ev a l u ei ns e d e n t a r ygroup *: 8( w k . ) T r a i n i n gp巴riod に比べて有意に高く, VT 群の足底筋は S 群に比べ て 10.8% 高値を示した。相対的筋重量でも, VT 群 O Sedentary 40 久留米大学健康・スポーツ科学センター研究紀要 第10巻第 1 号 2002 Table2 P l a n t a r i sw e i g h t ,r e l a t i v ep l a n t a r i sw e i g h t ,p r o t e i nc o n c e n t r a t i o n andp r o t e i nc o n t e n ti neachgroup Group (number) Sedentary ( 6 ) P l a n t a r i sweight (mg) R e l a t i v ep l a n t a r i sweight (mg/lOOgBodyWeight) P r o t e i nc o n c e n t r a t i o n (mg/gmuscle) P r o t e i nc o n t e n t (mg/muschle) 148ア4 Voluntaryrunning ( 6 ) 164±2 地 93 士 1 98 土 2* 225 土 3 232ア2 33 土 l 38±γ Valuesa r ee x p r e s s e da smeanアSEM S i g n i f i c a n td i f f e r e n c efromt h ev a l u ei ns e d e n t a r ygroup *キ (%) アイソフォーム構成比において大きな変化がみられ (%) 40 4 た。 * Ishihara らお)および Munoz ら 26)は自発走トレー 30 ニングにより足底筋重量の増加を報告している。ま 20 た Rodnick ら 9>, Yano ら川および Sexton"1 は自 発走トレーニングによる心重量の増加を報告してい 10 る。本研究においてもトレーニング群の心臓及び足 。 TypeIMyHC TypeI l aMyHC 底筋の相対的重量は対照群に比べ有意に高値を示し た。このことは本研究の自発走トレーニングが骨格 (%) 筋および心臓に対して十分な刺激量を持っていたと (%) 40 * 80 30 考えられる。 MyHC アイソフォーム構成比をみるとタイプ I 60 20 申 40 10 では変化がみられないものの,タイプ E b の減少と タイプ E d 及びタイプ E a の有意な増加が観察され た。 Kriketos ら鵠)は免疫組織学的手法を用いて自 20 「し H Y M b I I e p y TypeI I dMyHC T n v 0 F i g .3 Changes i n MyHC isoforms o f p l a n t a r i smusclei neachgroup (亡コ- s e d e n t a r ygroup,- -v o l u n ュ t a r yrunninggroup) S i g n i f i c a n td i f f e r e n c e from t h e v a l u ei ns e d e n t a r ygroup *: 発的走トレーニングにより,ラット長指伸筋のタイ プ E B 線維比率の減少とタイプ E A , IID/X ,およ び I 線維比率の増加を観察している。 Bigard ら勾) は,若齢期のラット足底筋において,タイプ H b MyHC の減少とタイプ E a および I MyHC の有意 な増加を報告している。本研究ではこれらの報告で みられたような,タイプ I MyHC の増加は観察さ れなかった。これらは,被験動物の系および週齢の 違いによるものと考えられるが,その理由は明らか アイソフォームは S 群に比べて VT 群が有意に高 ではない。 ! I bMyHC アイソフォー MyHC アイソフォーム構成比について,強制的 ムでは, S 群に比べて VT 群が有意に低値を示した な持久的走トレーニングではタイプ E b と E d 聞の (S 群; 66.4±3.6, VT 群; 32.8 土 2.8 )。 変化21 ),田)であるのに対して,自発走トレーニングで 値を示した。対照的に Type 考察 本研究では,自発走トレーニングにより MyHC は本実験や先行研究のように MyHC 構成比に大き な変化がみられた。その一因としては,自発走トレー ニングの運動量が多いことが考えられた。強制的な 自発走によるラット足底筋ミオシン重鎖アイソフォーム構成比の変化 4 1 トレーニングの走行距離が分速35m で叩分走行す れらは, DNA ユニット 41)核ドメイン叫あるいは筋 るとしても 1 日で3150m しかならない。本実験の 1 細胞核ドメイン叫4)と呼ばれる。 Yao ら 45)は筋細胞 日当りの回転数の平均は 10483± 1041 回を示し,こ の移植により,単一筋線維内に筋細胞核が異なった れかホすべて一回転とした場合に走行距離は lOkm に タンパク質を発現するキメラを報告している。自発 なり強制走トレーニングの約 3 倍の距離となる。し 走による損傷の修復過程で融合したサテライト細胞 かし,本研究では自発走トレーニングの走行距離と が異なる MyHC を発現することによるタイプ移行 MyHC アイソフォーム構成比の変化にはなんら関 の可能性は考えられる。 係は見られなかった(データは示していない)。 MyHC の変化は,単に運動量が多かったというこ Irintchev と Wernig"l および小笠原ら聞は自発 走後にタイプ I 線維のファイパータイプグルーピン とではなく, E B や H D タイプの筋線維が多く動員 グを報告しており,これは筋損傷後の神経支配の変 されたためではないかと考えられる。各タイプの運 化を示している。 Wernig ら 3削)は神経軸索の発芽 動単位の活動参加関値は,運動強度の増大に従い S と新しいシナプス形成が自発走による筋線維タイプ タイプから FF タイプへと動員される制。自発的な 移行のメカニズムの一つであるとしている。また春 走トレーニングは比較的高強度で短時間の運動が活 日らは筋損傷後のタイプ移行のメカニズムとして, 動期中に高頻度に繰り返されるなどの特徴を持って 損傷後の脱神経,その後引き続いて起こる多重神経 いる凶ことから, FF や FI タイプの運動単位を構 支配,さらに筋の活動様式により選択された単一神 成する E B や E D 線維の活動参加量が多かったと考 経支配への移行,その結果として筋線維タイプが移 えられる。活動量の増大は MyHC アイソフォーム 行するという仮説たてているぺ両仮説とも筋に対 蛋白合成過程のスイッチング叫を引き起こし, する支配神経の変化が MyHC 合成のスイッチング “ nearest-neighbor ”ルール担)に従い, E b から E d へ,さらに E a へと連続田)して置き変わっていくと を引き起こす一因であるとしている。本研究では筋 損傷に対する指標の測定は行っていない。しかしこ 考えられている。本研究においても同様な機序によ れらのメカニズムにより MyHC 構成比に大きな変 り MyHC アイソフォーム変化が引き起こされたと 化が引き起こされた可能性はある。 本研究では,自発走トレーニングにより心重量お 考えられる。 また,他の要因として自発走により引き起こされ よび筋重量の増加とともに, MyHC アイソフォー Irintchev と ム構成比において大きな変化がみられた。これらの Wernig削,小笠原ら凶および Wernig ら描)は,自発 変化は持久的な走トレーニングにおいてみられる変 走による筋の損傷を報告している。また Wernig 化よりも大きいものであった。この変化を引き起こ ら鈴)は走行形態が類似している回転ドラムによる強 すメカニズムはいくつか考えられる。今後このメカ 制定でも筋の損傷を報告している。春日ら凶は実験 ニズムに対する詳細な研究が必要である。 る筋損傷の影響も考えられる。 動物に対する無負荷での自発走では,高速度の断続 走が多く見られると報告している。小笠原ら聞は, 引用文献 体の損傷と神経と筋の議離,神経・筋接合部の損傷 1)H o l l o s z y ,J .0 .( 1 9 9 7 ):M o r t a l i t yra旬 and l o n g e v i t y o f f o o d r e s t r i c t e d e x e r c i s i n g male r a t s : a r e e v a l u a t i o n . J . A p p l . P h y s i o l . ,8 2 ( 2 ):3 9 9 4 0 3 . 2) Tokuyama, K . , S a i t o , M . , Okuda, H. ( 1 9 8 2 ):E f f e c t so fw h e e lr u n n i n g on f o o d i n t a k e and weightg a i no f male and f e maler a t s .P h y s i o l .B e h a v . ,2 8 ( 5 ):8 9 99 0 3 . が考えられる。筋細胞自体が損傷を受けた場合,損 3 )山下かなへ,棲井邦子( 1986 ):ラットの体成 自発走の走速度が高速度の場合,実験動物の身体が 後方に遅れ,頭を下にした走行,つまり下り走にな る場合があると報告している。 Armstrong ら制お よび Schwane と Armstrong'7) は下り走に伴う筋 の損傷を報告しており,自発走による筋損傷は,自 発走運動に下り走の形態のみられることが一因と考 えられる。筋損傷では,細胞膜損傷による筋細胞自 傷部位はマクロファージ等により貧食作用を受けた 後,活性化したサテライト細胞の融合により修復さ れる肌4-0)。多核細胞である筋細胞は,ひとつの核に 支配される一定の領域を持つと考えられている。こ 分に及ぼす食餌タンパク質と自由運動の影響. 日本栄養・食糧学会誌, 39(4) : 2 8 9 9 4 . 4) Reddy, B . S . , S u g i e , S . , Wang, C . ( 1 9 8 8 ):E f f e c t so fv o l u n t a r ye x e r c i s e on 4 2 久留米大学健康・スポーツ科学センター研究紀要 azoxymethane-induced c o l o n c a r c i n o g e n e s i si n male F 3 4 4r a t s . Cancer R e s . , 4 8:7 0 7 9 8 1 . 5 )橋本動,樋口満,山川喜久江,鈴木慎次郎 (1981 ):日常の定期的運動の血圧上昇抑制因子 の研究;強制と自白運動の違いがラットの血圧 に及ぼす影響.体力科学, 30: 2侃ー13. 6) S u z u k i ,S . ,Oshima,S ,O h t a ,F . ,T s u j i ,K . , T s u j i , E . , M i t s u i s h i , R. ( 1 9 6 9 ) :Exュ p e r i m e n t a ls t u d i e s on t h ei n t e r r e l a t i o n ュ s h i p so fn u t r i t i o n ,p h y s i c a le x e r c i s e and h e a l t h components. Ann. Rep. N a t .I n s t . N u t r . ,3 :2 1 0 . 7) Umemura, Y . ,I s h i k o ,T . ,A o k i ,K . and G u n j i ,A. ( 1 9 9 2 ):E f f e c t so fv o l u n t a r ye x ュ e r c i s eonboneg r o t handc a l c i u mmetaboュ l i s mi ns p o n t a n e o u sh y p e r t e n s i v er a t s .I n t . J .Sport. お1ed., 1 3 :4 7 6 4 8 0 . 8) Ueda, N . ,K a y a s h i t a ,J . ,M o r i g u c h i ,S . , K i s h i n o ,Y .( 1 9 9 0 ):E f f e c to fd i e t a r yp r o ュ t e i nl e v e l s on immune f u n c t i o no fe x e r ュ c i s e dr a t s .N u t r .R e s . ,1 0 :4 2 9 3 7 . 9) R o d n i c k , K.J . ,H e n r i k s e n ,E .J . , James, D .E . ,H o l l o s z y ,J .0 .( 1 9 9 2 ) :E x e r c i s e t r a i n i n g ,g l u c o s et r a n s p o r t e r s , and g l u c o s et r a n s p o r ti nr a ts k e l e t a lm u s c l e s . Am.J .P h y s i o l . , 262(1Pt1):C91 4 . 1 0 ) Lambert, M. I . , Noakes, T . D. ( 1 9 9 0 ): Spontaneous r u n n i n gi n c r e a s e s V02max andr u n n i n gperformancei nr a t s .J .A p p l . 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