テンダーストレッチ (身体ほぐしの体操)

テンダーストレッチ
(身体ほぐしの体操)
- パソコンとにらめっこのミドルエイジに贈る
肩こり・腰痛サヨナラ体操 -
国立松江工業高等専門学校
保健体育科 教授 森山恭行
何故テンダーストレッチ?
椅子に座ってのパソコン作業
酷使した訳ではない
腰痛・肩こりの発生(何故?)
違う場所に痛みが移る(何故?)
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テンダーストレッチはどこから生まれ
た? その1
私はバスケットボールの専門指導者(3つの高校で
インターハイに出場、全国高専大会優勝8回)
多くの指導者がリクルート(スカウト)、チームの戦
術・戦法に重点を置くなか、私は個人の身のこなし
を高めること(運動能力改善)に多くの精力を傾注
故障を出さずに、鍛える方法を研究する中で発見
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テンダーストレッチはどこから生まれ
た? その2
• マッサージをすると肩こり・腰痛は一時的に改善するが、直ぐ
•
に元にもどる
一般的なストレッチでは、十分な改善効果が得られない
・腰痛・膝痛の選手は腸腰筋が硬直している
・肩痛の選手は回旋筋腱板(ローテータカフ)が硬直している
・内在筋(インナーマッスル)の機能改善が必要不可欠
テンダーストレッチの誕生
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運動器官(筋系組織)の傷害
急性症状(スポーツや事故による)
過伸張
炎症
剥離
断裂
慢性症状(一般生活による)
萎縮
腫脹
硬直
腰痛・肩こりの原因
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肩こりサイクル(一般論)
1筋肉の緊張
2筋肉疲労による血管の圧迫(筋繊維が膨張)
3老廃物質の生成(酸素供給の不足)
4老廃物質の蓄積(静脈血流の阻害)
5老廃物質による神経刺激(抹消神経を刺激)
6刺激情報の脳への伝達(痛みとしての認識)
7痛みの情報によって起きる筋肉の収縮(神経が興奮し、反射的に血管が
収縮)
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血行と痛みとの関係
静脈血の血流は筋肉ポンプによる
1 同じ姿勢の持続(動作の繰り返し)
→筋肉硬化→血行不良 →こり・痛み
「局部の多使用は溜りを作る」
2 動かさない骨、使わない筋肉
→血行不良 →こり・痛み
「流れない水は腐敗する」
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腰痛・肩こりの原因
• 骨や関節が擦り減ったり変形する
整形外科的治療が必要
• 筋肉の硬直
• 血行の障害
• 末梢神経の障害
体操で改善可能
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2種類の筋肉の存在
• 表層筋
浅層筋、アウターマッスル、外在筋
extrinsic muscle、global muscle
• 深層筋
内在筋、インナーマッスル、
intrinsic muscle、local muscle
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インナーマッスルの働き
• 関節の位置関係を中枢に知らせる筋紡錘の働き
• アウターマッスルが効果的に働くために最初にしっ
•
•
かり収縮して働く筋肉=プライム・ムーバー
インナーマッスルトレーニングの目的は傷害予防、
傷害後のリハビリテーション
アウターマッスルが大きな動作・パワーを発揮する
直線的な動きに働くのに対して、インナーマッスル
はひねり動作などの細やかな動きに関与、また肩か
ら腕が抜けないように支える=スタビライザーの役
目
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痛みの発生する場所
• 雨漏りと同じ
水滴が落ちる上部から水が滲みている訳ではな
い。本人の弱い所に表れる。インナーマッスルが痛
み発生の原因になっている場合が多い。
(例)
腸腰筋の硬直
腰痛
肩痛
膝痛
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健康体力の3要素
(Fitness of Triangle)
筋力
Strength
筋トレ
柔軟性
Flexibility
ストレッチ
心肺機能
Cardiovascular
エアロビクス、ジョギング、ウォーキング
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ストレッチングの目的
• 筋系組織を伸ばす(筋肉、靭帯、腱)
・可動域を広げる
・スリーピングマッスルへ刺激を与え血行を
促進させる
・疲労物質の代謝を促す
• 神経系を伸ばす
• リンパ系の流れを促進させる
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ストレッチングの種類(大別)
・ 動的(Dynamic)ストレッチング
・ 静的(Static)ストレッチング
・ PNFストレッチング(自己受容的神経筋促通
法)
proprioceptive neuromuscler
facilitation
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胴体の3つの動き
• 丸めるー反る
• 伸ばすー縮める
• 捻る
(伊藤 昇 「胴体力」1947~2002)
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からだの区分
頚部ユニット
体幹ユニット
骨盤ユニット
多くのインナーマッスルが集積している
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胴体との連動
• 多関節を動員することでストレッチの各効果
を高め、血行をより促進させる(自力整体)
2 頚部ユニットの動き
連動
1 胴体(体幹ユニット)の動き
連動
連動
3 骨盤ユニットの動き
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テンダーストレッチの特徴
• インナーマッスルの機能改善を意図したダイ
ナミックストレッチ
• 捻り運動を多くした3D体操
• 多関節を連動させる神経系ストレッチ
• 仕事の合間にできる
• 場所をとらない(椅子に座ったまま)
• 苦渋感がない
• 痛くない(痛みが少ない)
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実践上の注意
• 極力「力まず」、「ゆったり」
• 骨を動かすことを意識する
• 重だるくなるまで続ける
• 頻度は多いほど有効
• 無理はせず、ちょっとだけ我慢
• 呼吸はとめない、できるようになったら胸郭の
動きに合わせて鼻から
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1 胴体ユニットの運動例
1-1 丸める-反る
1-2 縮める-伸ばす
1-3 捻る
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2 頚部ユニットの運動例
2-1 首の運動
2-2 腕の運動
2-3 肩の運動 1 2 3
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3 骨盤ユニットの運動例
3-1 股関節の運動
3-2 骨盤の運動
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4 ユニット間の連動例
4-1
2つのユニットの連動例
4-1-1
4-1-2
4-1-3
4-2
胴体と頚部
胴体と骨盤
胴体と頚部
3つのユニットの連動例
4-2-1
4-2-2
4-2-3
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テンダーストレッチの発展
• 座位にとどまらず、伏臥・仰臥、立位などさまざまな
•
姿勢での運動が可能です。私はウォーキングしなが
ら、或いは冬の布団の中でやっています。個人のラ
イフスタイルに合わせ、自分でアレンジをすることも
楽しみです。
インナーマッスルが効果的に働くように、①力まず
ゆったりと、②捻り運動を多くした3D(3次元)の動
作で、③多関節を動員し神経を伸ばす意識を持って、
の3原則だけは大切にして下さい。
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