収穫期の日本ナシ「二十世紀」。 家 庭 で 育 て る 果 樹 講 座 ⑰ 大 正 か ら 昭 和 初 期 に か け て は 、 ス 良 品 種 が 出 現 し た こ と も あ り 、 日 本 鍮 し 進 ﹂ い 歩 ﹁ 産 し 長 地 、 十 も 新 ろ 郎う 生 潟 ﹂ ﹁ ま や 二 れ 岡 十 ま 山 世 し 、 紀 た 宮 ﹂ 。 城 な ま な ど た ど の ﹁ の 優 真し ん 新 た よ う で す 。 19 世 紀 に は 栽 培 技 術 が 都 、 金 沢 、 群 馬 な ど で 栽 培 が 始 ま っ 胞 が 大 き さ を 増 し て い き 、 果 実 全 体 い ま で の こ と で 、 そ の 後 は 個 々 の 細 り ま す が 、 そ れ は 満 開 か ら 30 日 ぐ ら 果 実 は 細 胞 分 裂 を 行 っ て 大 き く な 年 の 開 花 や 結 実 に 大 き く 影 響 し ま す 。 分 が ど の く ら い 蓄 積 さ れ た か が 、 翌 こ の た め 前 年 度 の 収 穫 後 に 、 貯 蔵 養 前 年 度 の 貯 蔵 養 分 で ま か な わ れ ま す 。 す 。 開 花 ・ 結 実 か ら 3 ∼ 4 週 ま で は 、 が 、 こ の こ ろ に 遅 霜 が 降 り る 地 域 で 上 が れ ば 、 順 調 に 開 花 、 結 実 し ま す け ま す 。 3 月 中 下 旬 の 気 温 が 18 ℃ に 弱 い 品 種 の 場 合 は 枝 や 幹 に 凍 害 を 受 低 温 地 域 で は 成 熟 が 遅 れ 、 耐 寒 性 の し て 日 も ち が 悪 く な り ま す 。 反 対 に 、 り 高 温 の 地 域 で は 、 果 肉 が 早 く 成 熟 平 均 気 温 は 、 13 ∼ 15 ℃ で す 。 こ れ よ 広 く 栽 培 さ れ て い ま す 。 主 産 地 の 年 そ の う え 第 二 次 世 界 大 戦 に よ っ て 大 ゴ の 出 現 で 日 本 ナ シ の 栽 培 は 減 少 し 、 イ カ や ウ ン シ ュ ウ ミ カ ン 、 西 洋 リ ン に 着 色 を 始 め て 糖 分 が 増 加 し 、 酸 や は 、 成 熟 の 15 ∼ 20 日 前 ︵ 8 月 中 下 旬 ︶ を 肥 大 さ せ ま す 。 大 き く な っ た 果 実 が あ り ま す 。 は 結 実 に 致 命 的 な 打 撃 を 受 け る こ と 日 本 ナ シ に は 、 年 間 の 降 雨 量 が 7 ち ゅ う ナ シ の 栽 培 は 発 展 し て い き ま し た 。 幅 に 生 産 が 低 下 し ま し た 。 し か し 、 ち ょ う じ ゅ う 江 戸 時 代 中 期 の 18 世 紀 か ら は 、 京 化 し た 花 芽 が 4 月 に 開 花 ・ 結 実 し ま 日 本 ナ シ は 、 北 海 道 か ら 九 州 ま で や 果 実 が 発 見 さ れ て い ま す 。 を 開 始 し ま す 。 前 年 の 6 ∼ 7 月 に 分 栽 培 環 境 良 時 代 の 宮 跡 か ら は 、 炭 化 し た 種 子 で は な い で し ょ う か 。 登 呂 遺 跡 や 奈 ろ に 終 わ り 、 下 旬 か ら 発 芽 し て 生 育 11 月 か ら 続 い た 休 眠 は 3 月 中 旬 ご れ ま す 。 現 在 の 日 本 独 自 の 品 種 が 誕 生 し た の い 年 月 に わ た っ て 改 良 さ れ た 結 果 、 生 育 の 特 性 葉 で 作 ら れ た 同 化 養 分 に よ っ て 行 わ で 、 そ れ 以 降 の 樹 の 生 長 は 、 新 し い 元・園田学園女子大学教授 西谷 好一 れ ま す 。 お そ ら く こ の ヤ マ ナ シ が 長 と し て 定 着 し た の で は な い か と 思 わ も の が 、 ヤ マ ナ シ や イ ワ テ ヤ マ ナ シ 朝 鮮 半 島 を 経 て 日 本 へ も た ら さ れ た ま す 。 野 生 種 の 一 部 が 東 へ 伝 わ り 、 プ ロ フ ィ ー ル も 発 展 の 可 能 性 は あ る と 思 わ れ ま す 。 に 好 ま れ て い ま す 。 そ の た め 、 今 後 よ く て さ っ ぱ り と し た 味 覚 で 日 本 人 熟 の 必 要 が な く 、 し か も 歯 ざ わ り が 日 本 ナ シ は 、 西 洋 ナ シ と 違 っ て 追 分 が 働 く の は 果 実 の 生 長 の 初 期 ま で し て 翌 年 の 生 育 に 備 え ま す 。 貯 蔵 養 ま デ 収 す ン 穫 。 プ が ン 終 は わ 減 る 少 と し 、 て 樹 成 は 熟 養 が 分 急 を に 蓄 進 積 み よ び 西 南 部 の 山 地 だ と 推 定 さ れ て い も 増 加 し て 今 日 に 至 っ て い ま す 。 ナ シ 属 の 発 祥 の 地 は 、 中 国 西 部 お な ど の 優 良 品 種 が 出 現 し 、 栽 培 面 積 大 戦 後 は ﹁ 新 水 ﹂ や ﹁ 豊 水 ﹂ ﹁ 幸 水 ﹂ 日 本 ナ シ ︵ バ ラ 科 ・ ナ シ 属 ︶ ↑新高(晩生) 。 2004. 5. 園芸新知識 59 家庭で育てる果樹講座 第1図 日本ナシの花と果実(断面) 雄しべ 雌しべ ずい 種子 がく片 胚珠 果肉 花床 花梗 果梗 第1表 日本ナシの主な品種 系統 早・晩 品種名 熟 期 品 種 の 特 徴 果実は球形、緑色で美しい。肉質緻 甘味は少ない。小果(200g) 八 雲 8月中旬 密で多汁、 早 で、黒斑病に強い。 黄緑色で、果形はやや不揃い。肉質 生 菊 水 9月上旬 良好で甘味が多い。果面は汚れやすい。 青 豊産種。 ナ 果実は球形で緑色、柔軟多汁で甘味 シ 二十世紀 9月上中旬 が多く、品質外観ともに良好。豊産で 中 貯蔵性がよい。主要品種。 「二十世紀」の変異種で、 自家親和性 生 おさ二十世紀 9月上中旬 があるので受粉樹の必要はない。性 質や品質は「二十世紀」と変わらない。 や くも 果実は扁球形で果皮は赤褐色。柔 新 水 8月上中旬 軟多汁で糖度13∼14度と高い。や 早 や酸味がある。味は濃厚で、品質極上。 扁球形で赤青中間色。柔軟多汁で 生 幸 水 8月中下旬 甘味が多く、品質最上。現在主流を なす主要品種。 長十郎 球形で赤褐色。果汁が多く、甘味に 8月下旬∼ 富む。果肉はやや粗く、 日もちがよくな 9月下旬 い。豊産。古くからの主要品種。 赤 中 大果(400g)で腰高。果皮は赤褐色、 生 多汁で甘い。果肉は柔軟だが、 日もち 豊 水 9月上中旬 ナ よく品質良好。 「幸水」 「新水」ととも にナシの三水といわれる。 シ 球形で大果(450∼500g)。褐色、柔 9月上∼ 軟多汁で甘味が多く、香りがあり貯蔵 新 高 下旬 性大。花粉は少ない。暖地に適す。 にい たか 晩 大果(400g) で、緑褐色。肉質はやや 10月上∼ 新 興 粗いが甘味が強く、 品質良好。花粉 下旬 が多く受粉樹によい。 生 おく さん きち 晩三吉 倒卵形で大果(500g)。柔軟多汁で 10月下旬∼ 貯蔵力大。貯蔵中に品質がよくなる。 11月上旬 暖地向き。黒斑病に弱い。 第2図 日本ナシ苗木の 植え付け 支柱 接ぎ木した部分は 地上に出す。 マルチ (3月に除去する) 0.8∼0.9C で切る。 熔成リン肥 苦土石灰 鶏ふん 油かす 腐熟積肥 0.8 ∼ 1C 粗大有機物 1C 60 2004. 5. 園芸新知識 た た め 、 人 工 受 虫 が 少 な く な っ の 減 少 に よ り 昆 の 使 用 や 雑 木 林 し 与 病 る 県 平 で て 病 夏 悪 す け て 0 土 ま え 害 で や 洋 す 果 し に 影 。 て は 0 は す 、 虫 し 鳥 岸 。 実 や 雨 響 こ は 降 ∼ 、 。 収 の ょ 取 の こ の す が を れ 少 雨 9 良 穫 発 う 県 暖 の 品 く 多 与 は な が 0 果 前 生 。 の 地 点 質 、 い え 、 く 多 0 を の や 日 方 よ か や ま と て 春 な く a 安 日 花 照 が り ら 収 た 高 結 に る 、 で 定 照 芽 の 適 も 見 量 日 温 実 乾 地 6 、 生 量 分 多 し 、 て が 照 多 が 燥 方 月 冬 産 は 化 い て 内 、 悪 不 湿 不 す が か か す 品 に 少 い 陸 栽 く 足 と 良 る 適 ら ら る 質 も な る 部 培 な が な に と し 7 春 た を 影 い と の に る 起 っ な 開 て 月 に め 左 響 は い 長 は か こ て り 花 い に か に 右 を 、 え 野 太 ら っ 発 、 に ま か け 芽 や 枝 が 充 実 し て い て 細 根 が 多 く つ 強 く 伸 び て 主 枝 や 亜 主 枝 を 弱 め る こ 最 近 は 、 農 薬 ヤ マ ナ シ に 接 い だ 苗 木 を 使 い ま す 。 1 苗 木 と 植 え 付 け 栽 培 混 植 し て 人 工 受 粉 を し ま す ︵ 第 2 表 ︶ 。 不 親 和 性 が 強 い の で 、 必 ず 受 粉 樹 を 生て と 、 青 日 晩おく ナ 本 生て シ ナ に に シ 分 、 は け 熟 果 ら 期 皮 れ に の ま よ 色 す っ に 。 て よ ま 早わ り た 生せ 赤 自 、 ナ 家 中なか シ 不 可 と な り ま す 。 地 下 水 位 が 高 く て 排 水 の 悪 い 場 所 は 、 く 有 、 機 酸 質 度 に はペ 富 ハん pHー ー 5 だ ∼ 耕 6 土 が の 適 深 し い て 壌 い 土 ま が す よ 。 分 芽が ︵ 特 な 潜せん に 芽 芽が 主 は ︶ 枝 か が や き 発 亜 取 生 主 り し 枝 ま や の す す 基 。 く 部 、 に こ は れ 不ふ は 定てい 重 な 養 分 を 浪 費 し て し ま う の で 、 余 果 実 の 肥 大 や 品 質 を 悪 く し ま す 。 貴 た 時 に 枝 が 込 み あ っ て 光 合 成 を 妨 げ 、 2 す 少 す ︵ 植 12 選 い 芽 芽 。 な 第 え 月 び た が か い 2 付 に ま 、 多 き 時 図 け 、 し 病 く は ︶ 方 寒 ょ 害 発 、 。 は 地 う 虫 芽 株 家 、 で 。 の し 間 庭 ほ は 植 お す を で か 3 え そ ぎ 6 育 の 月 付 れ る × て 果 に け の と 6 る 樹 行 は な c 際 と い 暖 い 、 と 本 同 ま 地 苗 生 長 し 数 様 す で 木 し ま が で 。 は を 第 5 図 ︶ 。 め に 摘 み 取 り ま ら み だ し た ら 早 で す 。 蕾 が ふ く お く と 、 枝 の 伸 長 を 助 け る の に 有 効 4 人 工 受 粉 す ︵ 次 頁 第 4 ・ 第2表 栽培品種と受粉用品種の組み合わせ ♀栽培品種 二十世紀 長 十 郎 新 水 幸 水 豊 水 新 興 品 種 ♂受粉用品種 長十郎、新興、幸水 二十世紀、幸水、新興 長十郎 長十郎、二十世紀、新興 長十郎、二十世紀、幸水 長十郎、二十世紀、幸水 枝 や 亜 主 枝 の 延 長 枝 上 の 蕾 を 摘 ん で ま す 。 強 く 伸 ば し た い 枝 、 例 え ば 主 用 使 す わ る れ た ま め す に が 、 、 余 こ 分 の なつ 養 蕾ぼみ 分 を を 摘 有 み 効 取 に り 利 3 ま と 開 摘て し が き 花 蕾ら ょ あ い ・ う る 結 ︵ の 実 次 で や 頁 、 発 第 必 芽 3 ず に 図 間 は ︶ 引 。 く 貯 蔵 よ 養 う 分 に が し を 残 す よ う に し ま す ︵ 第 6 ・ 第 7 図 ︶ 。 紀 ﹂ の よ う な 青 ナ シ で は 5 ∼ 6 番 花 花 を 残 し 、 果 形 を 重 視 す る ﹁ 二 十 世 ﹁ 幸 水 ﹂ な ど の 赤 ナ シ で は 2 ∼ 4 番 玉 が 喜 ば れ る ﹁ 長 十 郎 ﹂ や ﹁ 新 水 ﹂ 果 形 が よ く な る 傾 向 が あ り ま す 。 大 4 番 花 は 大 玉 と な り 、 5 ∼ 6 番 花 は す る 、 そ の 前 の 6 月 中 下 旬 に 施 し ま 伸 長 を 停 止 し 、 代 わ っ て 果 実 が 肥 大 ま す 。 実 肥 は 、 新 し く 生 長 し た 枝 が め る 2 月 ま で に 土 に な じ ま せ て お き 元 肥 は 12 月 に 施 し 、 新 根 が 活 動 を 始 の 果 樹 に 比 べ て 吸 肥 量 も 増 加 し ま す 。 日 本 ナ シ は 収 量 が 多 い の で 、 ほ か せ ま る た よ 、 う ひ に と し つ ま の す 花か 。 叢そ う の 中 で 、 2 ∼ め 、 満 開 後 30 日 ま で に 摘 果 を 終 わ ら 十 分 得 ら れ る よ う に し ま す 。 そ の た て 、 幼 果 の 肥 大 に 必 要 な 貯 蔵 養 分 が な り ま す 。 早 め の 時 期 に 摘 果 を 行 っ に 、 果 重 ・ 糖 度 が 優 れ 、 成 熟 も 早 く す 。 花 芽 数 3 に 対 し て 幼 果 1 の 場 合 7 施 肥 と 潅 水 ︵ 二 重 、 外 側 新 聞 紙 、 内 側 パ ラ フ ィ く 丈 夫 に な る 5 月 下 旬 ∼ 6 月 に 大 袋 け て お き ま す 。 2 回 目 は 、 果 梗 が 太 5 月 上 旬 に パ ラ フ ィ ン 紙 の 小 袋 を か の 時 は 、 摘 果 後 の 果 梗 が 丈 夫 に な る 袋 か け は 2 回 実 施 し ま す 。 1 回 目 ン 紙 ︶ を か け る よ う に し ま す 。 第3表 日本ナシの施肥計画例 肥料 高度化成 硫安 鶏ふん 肥料 施肥期 係 が あ る こ と が 明 ら か に な っ て い ま 数 の 割 合 が 、 品 質 や 成 熟 期 と 深 い 関 5 な か ま ℃ す 前 す す 受 粉 剪 摘 で 筆 す 、 り の 栽 。 。 粉 が 定 果 る 先 。 湿 つ 蕾 植 1 樹 必 後 よ に そ 度 け を 本 花 の 須 の う つ の 30 、 集 数 で 花 と に け 花 ∼ 葯やく め が 、 10 粉 な 花 軽 、 粉 50 だ て 多 花 を っ 芽 く 雌 を % け 2 い ぐ 筆 て 触 し 集 の を a 場 の ら 先 き 数 れ べ め 状 集 目 合 い に ま に て の て 態 め の は に つ し 対 受 柱 綿 で て ふ 、 受 け た す 粉 頭 タ 開 、 る ま 粉 て 。 し の ン 葯 温 い ず る で 行 作 結 ま 上 ポ さ 度 に 開 き い 業 果 す を ン せ 25 こ 花 ま ま は 。 、 大 も よ く な り ま す 。 袋 内 部 の 温 度 が 高 く な っ て 幼 果 の 肥 袋 か け を す る ほ ど 美 し く 仕 上 が り 、 美 し く し 、 ま た 黒 斑 病 を 防 ぐ た め に 世 紀 ﹂ の よ う な 青 ナ シ で は 、 外 観 を 苦土 石灰 積肥 施肥目的 1.5 − 0.7 5.0 30.0 新根や新梢の生長と、開 花・結実・肥大を良好にする。 追肥(実肥) − 6月下旬 2.0 − − − − 果実の肥大・成熟を促し、 花芽を充実させる。 追肥(お礼肥) − 9月下旬 − 0.5 − − − 樹勢の回復を促し、貯蔵養分を 蓄積して翌年の生育をよくする。 シ は 無 袋 栽 培 が 普 通 で す が 、 ﹁ 二 十 6 ﹁ 袋 長 か 十 け 郎 ﹂ や ﹁ 幸 水 ﹂ な ど の 赤 ナ 主枝や亜主枝の基部から発生した不 定芽は強くなるので間引いておく。 大きい切り口の上から出 た不定芽は徒長枝になる ので取り除いておく。 第4表 日本ナシの生育経過と主な作業 月 1 2 休眠期 3 4 5 6 7 新梢伸長期 第4図 摘蕾 果実肥大 成熟期 第2次新根伸長期 摘蕾 芽かき 収穫 人工受粉 摘果 袋かけ(青ナシ) 剪定 枝誘引 元肥 実肥 摘果する果実 残す果実 7 6 蕾の上から軽く指 で押さえる。特に 「新水」 「幸水」な ど大果を望む品種 で行う。 摘み取る蕾 残す蕾 主枝の 延長枝 花芽分化期 お礼肥 この花芽から出た果実を1個ならせる。 この花芽から出た果実は 全部摘果する。 8 指で押さえて 折り取る蕾 残す蕾 (2∼4番花) 剪定 第6図 摘果の方法 第7図 摘果の時に残す果実 第5図 花芽の出蕾過程 花芽の発芽前 開花前の花芽の断面 出蕾期 7 6 4 5 4 3 1 10 11 12 休眠期 第1次新根伸長期 5 9 発芽 開花 生 育 経 過 主 な 作 業 8 ↑日本ナシの開花 (幸水) 。 第3図 芽かき (成木1本当たり量kg) 塩化 カリ 6.0 元 肥 11∼12月 も 袋 か け を 行 い ま す 。 摘 果 後 に 早 く 2 長十郎・幸水など か そう 2 3 1 花叢 二十世紀・菊水など 2004. 5. 園芸新知識 61 家庭で育てる果樹講座 生理障害 ↑赤星病。 穫 適 期 を 判 定 す る よ う に な り ま し た 。 近 で は 、 カ ラ ー チ ャ ー ト に よ っ て 収 第5表 日本ナシの病害虫と生理障害 葉や果実に発生して、橙赤色で火ぶくれ状の病 斑を生じ、早く落葉する。病菌はビャクシンやネ 赤 ズで越冬し、ナシの開花期ごろに胞子によって 星 感染し発病する。中間寄主から1kmの範囲で多 病 く発病する。3月下旬、中間寄主にモンカット水 和剤を、開花期前後のナシにオーソサイド水和 剤を散布する。春が低温多湿の年に発生が多い。 「長十郎」や「幸水」で発病が多い。葉や果実 に発病すると、 星形の黒い病斑を生じて落果する。 黒 夏は菌の活動が鈍り、秋になると活発になる。4 星 月下旬、 5月上旬、果実に発病する6月、越冬菌 病 が侵入する9月上旬∼10月上旬に、 トップジンM 水和剤やポリキャプタン水和剤を散布する。 「二十世紀」に発病が多く、 「長十郎」や「幸水」 には発病しない。葉、果実、枝で発病し、落葉を 起こしたり、幼果では裂果または落果したりする。 黒 収穫期に発病すると、果肉まで侵されて腐敗する。 斑 病菌は発病枝で越冬し、高温多湿になると活発 病 化する。袋かけをするとともに、 4月の若葉のころ、 梅雨期、 9月のそれぞれでベルクート水和剤や、 パルノックスフロアブルを散布する。 ハ マ キ ム シ 類 コカクモンハマキとチャハマキが加害する。葉を 2枚綴りあわせて食害し、 また葉に接する果実も 食害する。幼虫で木の粗皮の間で越冬する。年 3∼4回発生する。開花期ごろから発生し、夏に 被害が最も多い。防除は孵化後に葉の上を移 動する幼虫をねらって、ディプテレックス乳剤や スミチオン水和剤を散布する。 カ イ ガ ラ ム シ 類 クワシロカイガラムシ:枝や幹に寄生する。樹勢 がおとろえると急に増加する。 4月中旬∼5月下 旬に産卵する。 5月上中旬の幼虫期に徹底して 防除する。落葉後の11月上中旬にマラソン乳剤、 2月上旬にマシン油乳剤を散布する。 クワコナカイガラムシ:暗所を好むので、有袋栽 培に多い。果実に寄生して吸汁加害する。粗皮 の隙間で越冬し、 5月中旬∼6月上旬、 7月下旬、 8月下旬以降に発生する。幼虫にスミチオン水 和剤を散布。 8月以降はバンド誘殺する。 石 ナ シ ︵ 長 十 郎 ︶ ・ ユ ズ 肌 ︵ 二 十 世 紀 ︶ 62 どらちも根に起因する生理的障害で、石ナシは 果面に凹凸があり、果皮の色が冴えず、果肉が 固くなる。ユズ肌は果面がユズのようになり、や はり果肉が固くなる。 障害が発生した木は、細根が屈曲してもろくなる。 木肌が赤褐色になり、落葉が早くなる。 発生原因は①排水不良で、土中酸素不足、② 結果過多、摘果の遅れなど、養分のむだ使いに よる根の生育不良、 ③カリ肥料の過用、 ④強剪定、 などである。 これには次のような対策を施す。①古枝や弱い 側枝を間引き、早期摘果をして養分を蓄える、② 排水をよくし、有機物や苦土石灰を施して根の 生育をよくする。 2004. 5. 園芸新知識 8 の り 生 だ 質 旬 果 収 潅 ま 品 し や ∼ 早 実 穫 水 せ 種 、 収 8 生 が を ん で 9 量 月 ナ 成 行 。 は 月 が 下 シ 熟 う 成 、 以 ぐ 旬 の す と 木 そ 降 ん に 収 る 効 1 の に と 土 穫 に 果 本 影 収 悪 が 期 つ が 当 響 穫 く 乾 に れ あ た は す な 燥 あ て り り ほ る り す た 糖 ま 2 と 中 ま る る 分 す 0 ん 生 す と 7 が 。 0 ど や 。 、 月 r あ 晩 た 品 上 増 す く な っ た 時 に 収 穫 し て い ま す 。 最 黒 褐 色 に な っ た 時 か 、 果 梗 が 取 れ や 定 が 難 し く 、 一 般 に は 、 種 子 の 色 が よ く な り ま す 。 ナ シ の 収 穫 適 期 は 判 え 、 果 肉 が や わ ら か く な っ て 食 味 も 継 続 し て 与 え る よ う に し ま す 。 収 穫 す が 、 元 肥 の 肥 効 が 切 れ な い う ち に し ま す ︵ 第 9 ・ 第 10 図 ︶ 。 い よ う に 適 正 な 位 置 に 固 定 引 し 、 枝 と 枝 と が 重 な ら な 定 が 終 わ る と 、 枝 を 棚 に 誘 w q つ ナ る め 棚 に e な ど こ 花 こ よ す 剪 け シ よ 、 仕 よ 日 で と 芽 と い る 定 る の う 盃 立 る 本 果 こ し こ 剪 に 状 て 落 ナ を す 実 と て と 定 し 形 に 果 シ 適 。 の 日 は 目 ま に し 対 の 11 性 な 当 、 標 す 近 ま 策 場 な 月 る た と ︵ い す と 合 ∼ 数 枝 り し 第 樹 。 し は だ 2 を を て 8 形 こ て 、 月 け 残 よ 気 図 を の 水 台 の 残 す く す を ︶ 剪 。 と た 平 風 9 整 枝 ・ 剪 定 翌 年 に 備 え ま す 。 勢 の 回 復 と 貯 蔵 養 分 の 蓄 積 を 図 り 、 後 の 9 月 下 旬 に お 礼 肥 を 施 し て 、 樹 第8図 日本ナシの整枝法のいろいろ 関東式整枝 関西式整枝 主枝が水平で徒長枝の発生が多く、主枝・亜主枝が弱 主幹から分かれた主枝が作る、ろう斗状の部分が広 りやすい。風害が少なく落果が少ない。作業はしやすい。 いため、作業がやや困難で強風による落果が少し多い。 折衷式整枝 盃状形整枝 関東式と関西式の折衷型で、 それぞれの欠点を 主枝を斜め上方に伸ばしていくので、徒長枝の発生が少 ある程度カバーしている。近年はこの形式が多い。 なく、樹勢を保ちやすい。主幹が低いので、作業がやや困難。 第9図 新梢の誘引と水平棚での 枝の配置(折衷式) 4 棚 4 3 (針金)4 3 4 水平棚に主枝をのせて、 以後亜主枝、 3 4 3 側枝を3本の主枝につけていく。 4 2 1 45° 棚 2 2 1.0C 0.9∼1.0C 植え付け1年目 1年目秋から2年目冬 棚上の枝の配置(平面図) 1. 主幹 2. 主枝 3. 亜主枝 4. 側枝 植え付け3年目以降 第10図 剪定と結果の習性 先端の枝に近すぎるので間引く。 1/3切り返す。 亜主枝の延長枝 中果枝は切り返さない。 花芽 短果枝 短果枝 1年目 冬 短果枝 昨年の短い枝が わずかに伸びて 花芽をつける。 2年目 冬 蕾 多すぎる花 芽は間引く。 果実 昨年の花芽が果実に生長する。 3年目 秋
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