日 本 ナ 日 本 ナ シ 日 本 ナ 日 本 ナ シ

収穫期の日本ナシ「二十世紀」。
家 庭 で 育 て る 果 樹 講 座 ⑰
大
正
か
ら
昭
和
初
期
に
か
け
て
は
、
ス
良
品
種
が
出
現
し
た
こ
と
も
あ
り
、
日
本
鍮 し 進
﹂ い 歩
﹁ 産 し
長
地 、
十 も 新
ろ
郎う 生 潟
﹂
﹁ ま や
二 れ 岡
十 ま 山
世 し 、
紀 た 宮
﹂ 。 城
な ま な
ど た ど
の ﹁ の
優 真し
ん 新
た
よ
う
で
す
。
19
世
紀
に
は
栽
培
技
術
が
都
、
金
沢
、
群
馬
な
ど
で
栽
培
が
始
ま
っ
胞
が
大
き
さ
を
増
し
て
い
き
、
果
実
全
体
い
ま
で
の
こ
と
で
、
そ
の
後
は
個
々
の
細
り
ま
す
が
、
そ
れ
は
満
開
か
ら
30
日
ぐ
ら
果
実
は
細
胞
分
裂
を
行
っ
て
大
き
く
な
年
の
開
花
や
結
実
に
大
き
く
影
響
し
ま
す
。
分
が
ど
の
く
ら
い
蓄
積
さ
れ
た
か
が
、
翌
こ
の
た
め
前
年
度
の
収
穫
後
に
、
貯
蔵
養
前
年
度
の
貯
蔵
養
分
で
ま
か
な
わ
れ
ま
す
。
す
。
開
花
・
結
実
か
ら
3
∼
4
週
ま
で
は
、
が
、
こ
の
こ
ろ
に
遅
霜
が
降
り
る
地
域
で
上
が
れ
ば
、
順
調
に
開
花
、
結
実
し
ま
す
け
ま
す
。
3
月
中
下
旬
の
気
温
が
18
℃
に
弱
い
品
種
の
場
合
は
枝
や
幹
に
凍
害
を
受
低
温
地
域
で
は
成
熟
が
遅
れ
、
耐
寒
性
の
し
て
日
も
ち
が
悪
く
な
り
ま
す
。
反
対
に
、
り
高
温
の
地
域
で
は
、
果
肉
が
早
く
成
熟
平
均
気
温
は
、
13
∼
15
℃
で
す
。
こ
れ
よ
広
く
栽
培
さ
れ
て
い
ま
す
。
主
産
地
の
年
そ
の
う
え
第
二
次
世
界
大
戦
に
よ
っ
て
大
ゴ
の
出
現
で
日
本
ナ
シ
の
栽
培
は
減
少
し
、
イ
カ
や
ウ
ン
シ
ュ
ウ
ミ
カ
ン
、
西
洋
リ
ン
に
着
色
を
始
め
て
糖
分
が
増
加
し
、
酸
や
は
、
成
熟
の
15
∼
20
日
前
︵
8
月
中
下
旬
︶
を
肥
大
さ
せ
ま
す
。
大
き
く
な
っ
た
果
実
が
あ
り
ま
す
。
は
結
実
に
致
命
的
な
打
撃
を
受
け
る
こ
と
日
本
ナ
シ
に
は
、
年
間
の
降
雨
量
が
7
ち
ゅ
う
ナ
シ
の
栽
培
は
発
展
し
て
い
き
ま
し
た
。
幅
に
生
産
が
低
下
し
ま
し
た
。
し
か
し
、
ち
ょ
う
じ
ゅ
う
江
戸
時
代
中
期
の
18
世
紀
か
ら
は
、
京
化
し
た
花
芽
が
4
月
に
開
花
・
結
実
し
ま
日
本
ナ
シ
は
、
北
海
道
か
ら
九
州
ま
で
や
果
実
が
発
見
さ
れ
て
い
ま
す
。
を
開
始
し
ま
す
。
前
年
の
6
∼
7
月
に
分
栽
培
環
境
良
時
代
の
宮
跡
か
ら
は
、
炭
化
し
た
種
子
で
は
な
い
で
し
ょ
う
か
。
登
呂
遺
跡
や
奈
ろ
に
終
わ
り
、
下
旬
か
ら
発
芽
し
て
生
育
11
月
か
ら
続
い
た
休
眠
は
3
月
中
旬
ご
れ
ま
す
。
現
在
の
日
本
独
自
の
品
種
が
誕
生
し
た
の
い
年
月
に
わ
た
っ
て
改
良
さ
れ
た
結
果
、
生
育
の
特
性
葉
で
作
ら
れ
た
同
化
養
分
に
よ
っ
て
行
わ
で
、
そ
れ
以
降
の
樹
の
生
長
は
、
新
し
い
元・園田学園女子大学教授
西谷 好一
れ
ま
す
。
お
そ
ら
く
こ
の
ヤ
マ
ナ
シ
が
長
と
し
て
定
着
し
た
の
で
は
な
い
か
と
思
わ
も
の
が
、
ヤ
マ
ナ
シ
や
イ
ワ
テ
ヤ
マ
ナ
シ
朝
鮮
半
島
を
経
て
日
本
へ
も
た
ら
さ
れ
た
ま
す
。
野
生
種
の
一
部
が
東
へ
伝
わ
り
、
プ
ロ
フ
ィ
ー
ル
も
発
展
の
可
能
性
は
あ
る
と
思
わ
れ
ま
す
。
に
好
ま
れ
て
い
ま
す
。
そ
の
た
め
、
今
後
よ
く
て
さ
っ
ぱ
り
と
し
た
味
覚
で
日
本
人
熟
の
必
要
が
な
く
、
し
か
も
歯
ざ
わ
り
が
日
本
ナ
シ
は
、
西
洋
ナ
シ
と
違
っ
て
追
分
が
働
く
の
は
果
実
の
生
長
の
初
期
ま
で
し
て
翌
年
の
生
育
に
備
え
ま
す
。
貯
蔵
養
ま デ
収 す ン
穫 。 プ
が
ン
終
は
わ
減
る
少
と
し
、
て
樹
成
は
熟
養
が
分
急
を
に
蓄
進
積
み
よ
び
西
南
部
の
山
地
だ
と
推
定
さ
れ
て
い
も
増
加
し
て
今
日
に
至
っ
て
い
ま
す
。
ナ
シ
属
の
発
祥
の
地
は
、
中
国
西
部
お
な
ど
の
優
良
品
種
が
出
現
し
、
栽
培
面
積
大
戦
後
は
﹁
新
水
﹂
や
﹁
豊
水
﹂
﹁
幸
水
﹂
日
本
ナ
シ
︵
バ
ラ
科
・
ナ
シ
属
︶
↑新高(晩生)
。
2004.
5.
園芸新知識
59
家庭で育てる果樹講座
第1図 日本ナシの花と果実(断面)
雄しべ
雌しべ
ずい
種子
がく片
胚珠
果肉
花床
花梗
果梗
第1表 日本ナシの主な品種
系統 早・晩 品種名
熟 期
品 種 の 特 徴
果実は球形、緑色で美しい。肉質緻
甘味は少ない。小果(200g)
八 雲 8月中旬 密で多汁、
早
で、黒斑病に強い。
黄緑色で、果形はやや不揃い。肉質
生
菊 水 9月上旬 良好で甘味が多い。果面は汚れやすい。
青
豊産種。
ナ
果実は球形で緑色、柔軟多汁で甘味
シ
二十世紀 9月上中旬 が多く、品質外観ともに良好。豊産で
中
貯蔵性がよい。主要品種。
「二十世紀」の変異種で、
自家親和性
生
おさ二十世紀 9月上中旬 があるので受粉樹の必要はない。性
質や品質は「二十世紀」と変わらない。
や
くも
果実は扁球形で果皮は赤褐色。柔
新 水 8月上中旬 軟多汁で糖度13∼14度と高い。や
早
や酸味がある。味は濃厚で、品質極上。
扁球形で赤青中間色。柔軟多汁で
生
幸 水 8月中下旬 甘味が多く、品質最上。現在主流を
なす主要品種。
長十郎
球形で赤褐色。果汁が多く、甘味に
8月下旬∼
富む。果肉はやや粗く、
日もちがよくな
9月下旬
い。豊産。古くからの主要品種。
赤 中
大果(400g)で腰高。果皮は赤褐色、
生
多汁で甘い。果肉は柔軟だが、
日もち
豊 水 9月上中旬
ナ
よく品質良好。
「幸水」
「新水」ととも
にナシの三水といわれる。
シ
球形で大果(450∼500g)。褐色、柔
9月上∼
軟多汁で甘味が多く、香りがあり貯蔵
新 高
下旬
性大。花粉は少ない。暖地に適す。
にい
たか
晩
大果(400g)
で、緑褐色。肉質はやや
10月上∼
新 興
粗いが甘味が強く、
品質良好。花粉
下旬
が多く受粉樹によい。
生
おく さん きち
晩三吉
倒卵形で大果(500g)。柔軟多汁で
10月下旬∼
貯蔵力大。貯蔵中に品質がよくなる。
11月上旬
暖地向き。黒斑病に弱い。
第2図
日本ナシ苗木の
植え付け
支柱
接ぎ木した部分は
地上に出す。
マルチ
(3月に除去する)
0.8∼0.9C
で切る。
熔成リン肥
苦土石灰
鶏ふん
油かす
腐熟積肥
0.8
∼
1C
粗大有機物
1C
60
2004.
5.
園芸新知識
た
た
め
、
人
工
受
虫
が
少
な
く
な
っ
の
減
少
に
よ
り
昆
の
使
用
や
雑
木
林
し 与 病 る 県 平 で て 病 夏 悪 す け て 0
土 ま え 害 で や 洋 す 果 し に 影 。 て は 0
は す 、 虫 し 鳥 岸 。 実 や 雨 響 こ は 降 ∼
、 。 収 の ょ 取 の こ の す が を れ 少 雨 9
良
穫 発 う 県 暖 の 品 く 多 与 は な が 0
果
前 生 。 の 地 点 質 、 い え 、 く 多 0
を
の や 日 方 よ か や ま と て 春 な く a
安
日 花 照 が り ら 収 た 高 結 に る 、 で
定
照 芽 の 適 も 見 量 日 温 実 乾 地 6 、
生
量 分 多 し 、 て が 照 多 が 燥 方 月 冬
産
は 化 い て 内 、 悪 不 湿 不 す が か か
す
品 に 少 い 陸 栽 く 足 と 良 る 適 ら ら
る
質 も な る 部 培 な が な に と し 7 春
た
を 影 い と の に る 起 っ な 開 て 月 に
め
左 響 は い 長 は か こ て り 花 い に か
に
右 を 、 え 野 太 ら っ 発 、 に ま か け
芽
や
枝
が
充
実
し
て
い
て
細
根
が
多
く
つ
強
く
伸
び
て
主
枝
や
亜
主
枝
を
弱
め
る
こ
最
近
は
、
農
薬
ヤ
マ
ナ
シ
に
接
い
だ
苗
木
を
使
い
ま
す
。
1
苗
木
と
植
え
付
け
栽
培
混
植
し
て
人
工
受
粉
を
し
ま
す
︵
第
2
表
︶
。
不
親
和
性
が
強
い
の
で
、
必
ず
受
粉
樹
を
生て と
、 青 日
晩おく ナ 本
生て シ ナ
に に シ
分 、 は
け 熟 果
ら 期 皮
れ に の
ま よ 色
す っ に
。 て よ
ま 早わ り
た 生せ 赤
自 、 ナ
家 中なか シ
不
可
と
な
り
ま
す
。
地
下
水
位
が
高
く
て
排
水
の
悪
い
場
所
は
、
く 有
、 機
酸 質
度 に
はペ 富
ハん
pHー
ー
5 だ
∼ 耕
6 土
が の
適 深
し い
て 壌
い 土
ま が
す よ
。
分
芽が
︵ 特 な
潜せん に 芽
芽が 主 は
︶ 枝 か
が や き
発 亜 取
生 主 り
し 枝 ま
や の す
す 基 。
く 部
、 に
こ は
れ 不ふ
は 定てい
重
な
養
分
を
浪
費
し
て
し
ま
う
の
で
、
余
果
実
の
肥
大
や
品
質
を
悪
く
し
ま
す
。
貴
た
時
に
枝
が
込
み
あ
っ
て
光
合
成
を
妨
げ
、
2 す 少 す
︵ 植 12 選 い
芽 芽 。 な 第 え 月 び た
が か
い 2 付 に ま 、
多 き
時 図 け 、 し 病
く
は ︶ 方 寒 ょ 害
発
、 。 は 地 う 虫
芽
株 家 、 で 。 の
し
間 庭 ほ は 植 お
す
を で か 3 え そ
ぎ
6 育 の 月 付 れ
る
× て 果 に け の
と
6 る 樹 行 は な
c 際 と い 暖 い
、
と 本 同 ま 地 苗
生
長
し 数 様 す で 木
し
ま が で 。 は を
第
5
図
︶
。
め
に
摘
み
取
り
ま
ら
み
だ
し
た
ら
早
で
す
。
蕾
が
ふ
く
お
く
と
、
枝
の
伸
長
を
助
け
る
の
に
有
効
4
人
工
受
粉
す
︵
次
頁
第
4
・
第2表 栽培品種と受粉用品種の組み合わせ
♀栽培品種
二十世紀
長 十 郎
新 水
幸 水
豊 水
新 興
品
種
♂受粉用品種
長十郎、新興、幸水
二十世紀、幸水、新興
長十郎
長十郎、二十世紀、新興
長十郎、二十世紀、幸水
長十郎、二十世紀、幸水
枝
や
亜
主
枝
の
延
長
枝
上
の
蕾
を
摘
ん
で
ま
す
。
強
く
伸
ば
し
た
い
枝
、
例
え
ば
主
用 使
す わ
る れ
た ま
め す
に が
、 、
余 こ
分 の
なつ 養
蕾ぼみ 分
を を
摘 有
み 効
取 に
り 利
3 ま と
開 摘て
し が
き
花 蕾ら
ょ あ
い
・
う る
結
︵ の
実
次 で
や
頁 、
発
第 必
芽
3 ず
に
図 間
は
︶ 引
。 く
貯
蔵
よ
養
う
分
に
が
し
を
残
す
よ
う
に
し
ま
す
︵
第
6
・
第
7
図
︶
。
紀
﹂
の
よ
う
な
青
ナ
シ
で
は
5
∼
6
番
花
花
を
残
し
、
果
形
を
重
視
す
る
﹁
二
十
世
﹁
幸
水
﹂
な
ど
の
赤
ナ
シ
で
は
2
∼
4
番
玉
が
喜
ば
れ
る
﹁
長
十
郎
﹂
や
﹁
新
水
﹂
果
形
が
よ
く
な
る
傾
向
が
あ
り
ま
す
。
大
4
番
花
は
大
玉
と
な
り
、
5
∼
6
番
花
は
す
る
、
そ
の
前
の
6
月
中
下
旬
に
施
し
ま
伸
長
を
停
止
し
、
代
わ
っ
て
果
実
が
肥
大
ま
す
。
実
肥
は
、
新
し
く
生
長
し
た
枝
が
め
る
2
月
ま
で
に
土
に
な
じ
ま
せ
て
お
き
元
肥
は
12
月
に
施
し
、
新
根
が
活
動
を
始
の
果
樹
に
比
べ
て
吸
肥
量
も
増
加
し
ま
す
。
日
本
ナ
シ
は
収
量
が
多
い
の
で
、
ほ
か
せ
ま る
た よ
、 う
ひ に
と し
つ ま
の す
花か 。
叢そ
う
の
中
で
、
2
∼
め
、
満
開
後
30
日
ま
で
に
摘
果
を
終
わ
ら
十
分
得
ら
れ
る
よ
う
に
し
ま
す
。
そ
の
た
て
、
幼
果
の
肥
大
に
必
要
な
貯
蔵
養
分
が
な
り
ま
す
。
早
め
の
時
期
に
摘
果
を
行
っ
に
、
果
重
・
糖
度
が
優
れ
、
成
熟
も
早
く
す
。
花
芽
数
3
に
対
し
て
幼
果
1
の
場
合
7
施
肥
と
潅
水
︵
二
重
、
外
側
新
聞
紙
、
内
側
パ
ラ
フ
ィ
く
丈
夫
に
な
る
5
月
下
旬
∼
6
月
に
大
袋
け
て
お
き
ま
す
。
2
回
目
は
、
果
梗
が
太
5
月
上
旬
に
パ
ラ
フ
ィ
ン
紙
の
小
袋
を
か
の
時
は
、
摘
果
後
の
果
梗
が
丈
夫
に
な
る
袋
か
け
は
2
回
実
施
し
ま
す
。
1
回
目
ン
紙
︶
を
か
け
る
よ
う
に
し
ま
す
。
第3表 日本ナシの施肥計画例
肥料
高度化成
硫安
鶏ふん
肥料
施肥期
係
が
あ
る
こ
と
が
明
ら
か
に
な
っ
て
い
ま
数
の
割
合
が
、
品
質
や
成
熟
期
と
深
い
関
5 な か ま ℃ す 前
す す 受 粉
剪 摘 で 筆 す 、 り の 栽 。 。 粉 が
定 果 る 先 。 湿 つ 蕾 植
1 樹 必
後
よ に そ 度 け を 本
花 の 須
の
う つ の 30 、 集 数
で 花 と
に け 花 ∼ 葯やく め が
、
10 粉 な
花
軽 、 粉 50 だ て 多
花 を っ
芽
く 雌 を % け 2 い
ぐ 筆 て
触 し 集 の を a 場
の
ら 先 き
数
れ べ め 状 集 目 合
い に ま
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青
ナ
シ
で
は
、
外
観
を
苦土
石灰
積肥
施肥目的
1.5
−
0.7
5.0
30.0
新根や新梢の生長と、開
花・結実・肥大を良好にする。
追肥(実肥)
−
6月下旬
2.0
−
−
−
−
果実の肥大・成熟を促し、
花芽を充実させる。
追肥(お礼肥)
−
9月下旬
−
0.5
−
−
−
樹勢の回復を促し、貯蔵養分を
蓄積して翌年の生育をよくする。
シ
は
無
袋
栽
培
が
普
通
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6
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﹂
や
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﹂
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ど
の
赤
ナ
主枝や亜主枝の基部から発生した不
定芽は強くなるので間引いておく。
大きい切り口の上から出
た不定芽は徒長枝になる
ので取り除いておく。
第4表 日本ナシの生育経過と主な作業
月
1
2
休眠期
3
4
5
6
7
新梢伸長期
第4図 摘蕾
果実肥大 成熟期
第2次新根伸長期
摘蕾 芽かき
収穫
人工受粉
摘果 袋かけ(青ナシ)
剪定
枝誘引
元肥
実肥
摘果する果実
残す果実
7
6
蕾の上から軽く指
で押さえる。特に
「新水」
「幸水」な
ど大果を望む品種
で行う。
摘み取る蕾
残す蕾
主枝の
延長枝
花芽分化期
お礼肥
この花芽から出た果実を1個ならせる。
この花芽から出た果実は
全部摘果する。
8
指で押さえて
折り取る蕾
残す蕾
(2∼4番花)
剪定
第6図 摘果の方法
第7図 摘果の時に残す果実
第5図 花芽の出蕾過程
花芽の発芽前
開花前の花芽の断面
出蕾期
7
6
4
5
4
3
1
10 11 12
休眠期
第1次新根伸長期
5
9
発芽 開花
生
育
経
過
主
な
作
業
8
↑日本ナシの開花
(幸水)
。
第3図 芽かき
(成木1本当たり量kg)
塩化
カリ
6.0
元 肥
11∼12月
も
袋
か
け
を
行
い
ま
す
。
摘
果
後
に
早
く
2
長十郎・幸水など
か そう
2
3
1
花叢
二十世紀・菊水など
2004.
5.
園芸新知識
61
家庭で育てる果樹講座
生理障害
↑赤星病。
穫
適
期
を
判
定
す
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よ
う
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り
ま
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は
、
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ラ
ー
チ
ャ
ー
ト
に
よ
っ
て
収
第5表 日本ナシの病害虫と生理障害
葉や果実に発生して、橙赤色で火ぶくれ状の病
斑を生じ、早く落葉する。病菌はビャクシンやネ
赤 ズで越冬し、ナシの開花期ごろに胞子によって
星 感染し発病する。中間寄主から1kmの範囲で多
病 く発病する。3月下旬、中間寄主にモンカット水
和剤を、開花期前後のナシにオーソサイド水和
剤を散布する。春が低温多湿の年に発生が多い。
「長十郎」や「幸水」で発病が多い。葉や果実
に発病すると、
星形の黒い病斑を生じて落果する。
黒 夏は菌の活動が鈍り、秋になると活発になる。4
星 月下旬、
5月上旬、果実に発病する6月、越冬菌
病
が侵入する9月上旬∼10月上旬に、
トップジンM
水和剤やポリキャプタン水和剤を散布する。
「二十世紀」に発病が多く、
「長十郎」や「幸水」
には発病しない。葉、果実、枝で発病し、落葉を
起こしたり、幼果では裂果または落果したりする。
黒 収穫期に発病すると、果肉まで侵されて腐敗する。
斑 病菌は発病枝で越冬し、高温多湿になると活発
病
化する。袋かけをするとともに、
4月の若葉のころ、
梅雨期、
9月のそれぞれでベルクート水和剤や、
パルノックスフロアブルを散布する。
ハ
マ
キ
ム
シ
類
コカクモンハマキとチャハマキが加害する。葉を
2枚綴りあわせて食害し、
また葉に接する果実も
食害する。幼虫で木の粗皮の間で越冬する。年
3∼4回発生する。開花期ごろから発生し、夏に
被害が最も多い。防除は孵化後に葉の上を移
動する幼虫をねらって、ディプテレックス乳剤や
スミチオン水和剤を散布する。
カ
イ
ガ
ラ
ム
シ
類
クワシロカイガラムシ:枝や幹に寄生する。樹勢
がおとろえると急に増加する。
4月中旬∼5月下
旬に産卵する。
5月上中旬の幼虫期に徹底して
防除する。落葉後の11月上中旬にマラソン乳剤、
2月上旬にマシン油乳剤を散布する。
クワコナカイガラムシ:暗所を好むので、有袋栽
培に多い。果実に寄生して吸汁加害する。粗皮
の隙間で越冬し、
5月中旬∼6月上旬、
7月下旬、
8月下旬以降に発生する。幼虫にスミチオン水
和剤を散布。
8月以降はバンド誘殺する。
石
ナ
シ
︵
長
十
郎
︶
・
ユ
ズ
肌
︵
二
十
世
紀
︶
62
どらちも根に起因する生理的障害で、石ナシは
果面に凹凸があり、果皮の色が冴えず、果肉が
固くなる。ユズ肌は果面がユズのようになり、や
はり果肉が固くなる。
障害が発生した木は、細根が屈曲してもろくなる。
木肌が赤褐色になり、落葉が早くなる。
発生原因は①排水不良で、土中酸素不足、②
結果過多、摘果の遅れなど、養分のむだ使いに
よる根の生育不良、
③カリ肥料の過用、
④強剪定、
などである。
これには次のような対策を施す。①古枝や弱い
側枝を間引き、早期摘果をして養分を蓄える、②
排水をよくし、有機物や苦土石灰を施して根の
生育をよくする。
2004.
5.
園芸新知識
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9
・
第
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第8図 日本ナシの整枝法のいろいろ
関東式整枝
関西式整枝
主枝が水平で徒長枝の発生が多く、主枝・亜主枝が弱
主幹から分かれた主枝が作る、ろう斗状の部分が広
りやすい。風害が少なく落果が少ない。作業はしやすい。 いため、作業がやや困難で強風による落果が少し多い。
折衷式整枝
盃状形整枝
関東式と関西式の折衷型で、
それぞれの欠点を
主枝を斜め上方に伸ばしていくので、徒長枝の発生が少
ある程度カバーしている。近年はこの形式が多い。 なく、樹勢を保ちやすい。主幹が低いので、作業がやや困難。
第9図 新梢の誘引と水平棚での
枝の配置(折衷式)
4
棚
4 3
(針金)4 3 4
水平棚に主枝をのせて、
以後亜主枝、
3
4
3
側枝を3本の主枝につけていく。
4 2
1
45°
棚
2
2
1.0C
0.9∼1.0C
植え付け1年目 1年目秋から2年目冬
棚上の枝の配置(平面図)
1.
主幹 2.
主枝 3.
亜主枝 4.
側枝
植え付け3年目以降
第10図 剪定と結果の習性
先端の枝に近すぎるので間引く。
1/3切り返す。
亜主枝の延長枝
中果枝は切り返さない。
花芽
短果枝
短果枝
1年目 冬
短果枝
昨年の短い枝が
わずかに伸びて
花芽をつける。
2年目 冬
蕾
多すぎる花
芽は間引く。
果実
昨年の花芽が果実に生長する。
3年目 秋