リンゴ「陸奥」。 家 庭 で 育 て る 果 樹 講 座 ⑭ 座 を 占 め る こ と に な り ま し た 。 名 が つ け ら れ て 、 長 い 間 主 要 品 種 の す る と 、 停 止 期 が 遅 く な っ て 果 実 の 料 を 与 え す ぎ た り 、 強 剪 定 を し た り め 、 7 月 に は 停 止 し ま す 。 チ ッ ソ 肥 新 梢 ︵ 枝 ︶ は 5 月 初 め か ら 伸 び 始 り ま す 。 果 実 の 着 色 に は 10 ∼ 20 ℃ が 合 成 は 、 24 ℃ 前 後 が 最 も さ か ん に な 下 に な ら な い こ と で す 。 生 育 中 の 光 夏 は 26 ℃ 以 下 、 冬 は マ イ ナ ス 11 ℃ 以 昭 和 の 初 め ご ろ か ら 日 本 で 品 種 改 ゴ 来 に の は 林 、 檎 ﹁ と 国こっ 区 光こう 別 ﹂ ﹁こ し 紅う ま 玉 し ﹂ た な 。 ど 西 と 洋 日 リ 本 ン ぎ ょ く し ん し ょ う ︵ 第 2 表 ︶ 。 の 生 育 期 間 の 平 均 気 温 が 15 ∼ 18 ℃ で 、 た て 。 、 こ 日 れ 本 に の は リ 苹り ん ン 果ご ゴ の の 字 主 を 流 当 と て な て り 、 ま 古 し パ か ら 大 形 の 西 洋 リ ン ゴ が 導 入 さ れ 明 治 初 年 に 、 ア メ リ カ や ヨ ー ロ ッ ほ か の 品 種 の 花 粉 を 人 工 受 粉 し ま す リ ン ゴ は 自 家 不 結 実 性 が 強 い の で 、 番 早 く 開 い て よ い 果 実 に な り ま す 。 花 前 後 開 花 し 、 こ の う ち 中 心 花 が 一 す 。 産 地 の 条 件 と し て は 、 4 ∼ 10 月 リ ン ゴ は 、 夏 涼 し い 地 域 に 適 し ま 栽 培 環 境 の 字 が 当 て ら れ ま し た 。 ン 長 ゴ い と 間 も 作 い ら う れ ︶ て の い も た と ワ に リ な ン り ゴ 、 ︵ 林り ん ジ 檎ご リ 来 し ま し た 。 こ れ が 、 江 戸 末 期 ま で 実 し ま す が 、 ひ と つ の 花 芽 か ら は 6 に な る と 発 芽 し ま す 。 5 月 に 開 花 結 リ ン ゴ は 、 4 月 に 入 っ て 6 ℃ 以 上 生 育 の 特 性 に な り ま す 。 旬 で す が 、 大 部 分 の 品 種 は 7 月 下 旬 花 芽 分 化 は 、 早 い 品 種 で は 6 月 下 の 蓄 積 が 多 く 、 鮮 や か に 着 色 し ま す 。 土 に 広 ま り 、 日 本 へ は 平 安 時 代 に 伝 一 方 、 中 国 原 生 種 は 、 ま ず 中 国 全 培 が 見 ら れ ま す 。 す 。 昼 夜 の 温 度 差 が 大 き い ほ ど 養 分 て 、 9 、 10 月 か ら は 収 穫 期 に 入 り ま リ カ 大 陸 へ と 伝 え ま し た 。 な っ て イ ギ リ ス か ら の 移 住 者 が ア メ リ ン ゴ と し て は 鳥 取 、 山 口 な ど で 栽 手 、 秋 田 、 山 形 、 福 島 な ど で 、 暖 地 そ の 後 は 内 容 の 充 実 期 、 着 色 期 を 経 果 実 は 8 ∼ 9 月 に 最 高 に 発 育 し 、 元・園田学園女子大学教授 生 リ ン ゴ が 伝 わ り 、 さ ら に 17 世 紀 に 主 産 地 は 青 森 、 長 野 、 北 海 道 、 岩 ヨ ー ロ ッ パ へ の 民 族 移 動 と と も に 野 れ て い ま す 。 紀 元 前 、 グ ル ジ ア か ら の 、 標 高 1 2 5 0 c 地 帯 ︶ だ と い わ 国 新 彊 ウ イ グ ル 地 区 に あ る 天 山 山 脈 な り ま し た 。 リ ﹁ シ ジ ャ ョ ス ナ ゴ ﹂ ﹁ ー せ 千ん ル 秋 ド ﹂ ﹂ な ﹁ ど ス の タ 栽 ー 培 キ が ン 多 グ く デ 玉 ﹂ に 代 わ っ て 、 ﹁ ふ じ ﹂ ﹁ し ゅ う つ が る ﹂ き ょ う 西谷 好一 ル ジ ア 、 イ ラ ン ︶ と 、 ア ジ ア 西 部 ︵ 中 地 は 、 ヨ ー ロ ッ パ 東 南 部 ︵ 現 在 の グ 現 在 栽 培 さ れ て い る リ ン ゴ の 原 生 は 、 ア メ リ カ 育 ち の ﹁ 国 光 ﹂ や ﹁ 紅 ﹁ つ が る ﹂ ﹁ ふ じ ﹂ な ど で す 。 現 在 で 表 良 さ が れ 始 ま ま し り た 、 。 ﹁め 次 恵ぐみ 々 と ﹂ ﹁ 優 王おう 良 鈴れい な 品 ﹂ ﹁ 種 む 陸 が 奥つ 発 ﹂ プ ロ フ ィ ー ル リ ン ゴ ︵ バ ラ 科 ・ リ ン ゴ 属 ︶ 肥 大 や 着 色 が 悪 く な り ま す 。 ↑果実が小形のリンゴ「アルプス乙女」 。 2004. 2. 園芸新知識 59 家庭で育てる果樹講座 第1図 リンゴの花と果実の比較 の 発 育 や 着 色 が 悪 く な り ま す 。 雄しべ 雌しべ がく片 子房 果心 胚珠 花床 種子 心皮 果肉 果梗 第1表 リンゴの主な品種 品種名 熟 期 暖地 8月上旬 あかね 寒地 9月中旬 8月下旬∼ つがる 9月中旬 せん しゅう 千 秋 9月下旬 9月下旬∼ 10月上旬 はつあき ジョナ ゴールド 10月上中旬 スターキング デリシャス 10月中下旬 アルプス 乙女 10月中下旬 む つ 陸 奥 10月下旬 10月下旬∼ 11月上旬 10月下旬∼ 王 林 11月上旬 ふ じ おう りん 品 種 の 特 徴 樹勢やや弱く小形。収量やや少ないが赤星病に強い。果実美しい。 味淡泊で芳香あり酸味少ない。果重200g。 樹勢強く、開張性の豊産種。果重300g、着色やや不良。矮性台木に接 ぐと着色がよく、熟期も早くなる。早生の主要品種。 樹勢中位、開張性。果重250g、球形。肉質緻密。果汁多く甘酸適和、 味濃厚。品質優良、有望な早生品種。 樹勢中位、開張性の豊産種。果実250∼300g、球形。黄色地に橙紅色 に着色する。肉質やや粗く、酸味あるが食味良好。貯蔵力大。 アメリカで育成された品種。樹勢強く、開張性の豊産種。果重300∼350g、 球形。黄色地に鮮紅色に着色。肉質粗いが味濃厚。ゴールデンと親和性なし。 枝の発生多く開張性。落果やや多い。果重300g、長円形。濃紅色で縞 状に着色する。淡泊な味わいで芳香があり食味良好。貯蔵性少ない。 樹勢強く豊産。果実小形40g、長円形で果柄細長い。全面濃紅色で美しい。 肉質ややかたいが、甘酸適和濃厚の家庭用品種。鉢植え、生垣に適す。 樹勢旺盛で大きく、開張性の豊産種。果重350∼400gと大形。黄色で 果汁多く甘味強い。特有の芳香がある。貯蔵力大。防風垣が必要。 樹勢強く、成木は開張性の豊産種。果重300g、長円形で果汁多く甘い、 酸味少ない。蜜入り果ができる。貯蔵性大。晩生の主要品種。 樹勢強く立性の豊産種。果重250g、長円錐形の黄緑色でさびが多い。 肉質緻密で果汁多く、甘味強く芳香があり、食味良好。早どり不可。 第2図 リンゴ苗木の植え付け 0.8Cぐらい で切る。 支柱 接ぎ木した部分は 上に出す。 マルチ (積雪のない所で は3月には除く) 熔成リン肥 苦土石灰 鶏ふん 腐熟積肥 0.8 ∼ 1C 1C 第2表 主品種と親和性のある受粉用品種 ♀主品種 あかね つがる 千 秋 はつあき ジョナゴールド スターキング アルプス乙女 陸 奥 ふ じ 王 林 60 ♂受粉用品種 旭、祝、印度 スターキング、 レッドゴールド、ふじ、紅玉 スターキング、つがる、ふじ スターキング、ふじ、王林 スターキング、ふじ、紅玉、王林 つがる、ふじ、王林 スターキング、ふじ スターキング、つがる、ふじ、国光 スターキング、つがる、印度、王林 スターキング、ふじ、国光 2004. 2. 園芸新知識 リ ン ゴ は 、 丸 葉 カ イ ド ウ か 三 葉 カ に な る の で 、 人 工 受 粉 に よ っ て 結 実 1 苗 木 と 植 え 付 け 薬 散 布 の 影 響 を 受 け 、 結 実 が 不 安 定 栽 培 し ょ う ︵ 第 1 表 ︶ 。 ﹁ ふ じ ﹂ ﹁ 千 秋 ﹂ ﹁ 王 鈴 ﹂ な ど が よ い で い ま す 。 暖 地 栽 培 に は 、 ﹁ つ が る ﹂ 日 照 量 が 少 な い と 落 葉 が 多 く 、 果 実 以 上 に も な り ま す が 、 現 在 、 経 済 的 リ ン ゴ の 品 種 数 は 多 く 、 7 0 0 種 ス 乙 女 ﹂ は 、 家 庭 で 作 る の に 向 い て 珍 し い 小 果 で 、 人 気 の あ る ﹁ ア ル プ 点 病 や う ど ん こ 病 の 被 害 が あ り ま す 。 多 発 生 し 、 夏 に 雨 が 多 い 場 合 は 、 黒 品 種 ル ド ﹂ ﹁ は つ あ き ﹂ ﹁ 千 秋 ﹂ が 有 望 で す 。 新 し い 品 種 と し て は ﹁ 、 ジ ョ ナ ゴ ー す 。 積 雪 期 間 が 長 い と モ ニ リ ア 病 が 下 の 地 域 で は 、 潅 水 が 必 要 と な り ま 0 0 ∼ 1 0 0 0 a で す 。 4 0 0 a 以 0 ∼ 1 3 0 0 a で 、 生 育 期 間 中 は 5 リ ン ゴ に 適 し た 降 水 量 は 年 間 7 0 必 要 で す 。 ウ 素 な ど が 十 分 含 ま れ て い る こ と が 中 に カ ル シ ウ ム や マ グ ネ シ ウ ム 、 ホ ︵ 1 c 以 下 ︶ が 適 し て い ま す 。 土 壌 気 、 排 水 が よ く 、 地 下 水 位 の 低 い 所 が 、 良 質 の 果 実 を 多 く 作 る に は 、 通 リ ン ゴ は 土 質 を あ ま り 選 び ま せ ん り ま し た 。 デ リ シ ャ ス ﹂ ﹁ ふ じ ﹂ の 栽 培 が 多 く な 代 わ っ て 、 ﹁ つ が る ﹂ ﹁ ス タ ー キ ン グ 種 要 で 品 あ 種 っ の た 更 ﹁い 新 祝わい が 見 ﹂ ﹁ ら 紅 れ 玉 、 ﹂ ﹁ 以 国 前 光 は ﹂ 主 に 品 品 種 に す ぎ ま せ ん 。 近 年 に な っ て 主 品 種 と し て 栽 培 さ れ て い る の は 十 数 実 は 凍 害 を 受 け ま す 。 よ く 、 マ イ ナ ス 2 ℃ 以 下 に な る と 果 2 c し 月 は 木 灰 植 実 が に な ま イ 昆 受 と ま に 3 を 、 え 植 し 完 接 っ す ド 虫 粉 な す な 月 植 積 穴 え た 全 い て が ウ 受 り 。 り 下 え 肥 を 付 、 に だ お 、 に ま 矮 ま 旬 付 を 掘 け 無 癒ゆ も り 近 接 粉 す 性 す ∼ け 土 り の 病 着 の 、 年 ぎ に ︵ 台 。 4 ま に 、 1 の し も 矮 は 木 頼 第 木 株 月 す 混 熔 ∼ 苗 て あ 性 矮わ っ い し 2 の 間 中 。 ぜ 成 2 木 い り 台 化 た て 図 場 は 旬 時 て リ カ を て ま 木 栽 苗 い ︶ 合 、 、 期 埋 ン 月 選 、 す ︵ 培 木 る 。 と は 5 暖 は め 肥 前 び 芽 。 M が を 天 、 × 地 、 戻 や に ま や 接 9 さ 使 候 4 5 で 寒 し 苦 大 す 枝 ぎ 、 か っ や × c は 地 、 土 き 。 の 木 M ん て 農 2 に 12 で 苗 石 な 充 部 26 に い ︶ ち ゃ く 袋 か け と 除 袋 に は 、 多 く の 労 力 と 時 後 に 大 袋 を か け な け れ ば な り ま せ ん 。 を 妨 げ ま す の で 、 こ の よ う な 葉 は 除 で す 。 葉 が 果 面 を 覆 っ て い る と 着 色 10 日 ま で に 小 袋 を か け 、 さ ら に 30 日 果 実 の 着 色 に は 日 光 の 直 射 が 必 要 ム シ や さ び を 予 防 す る に は 、 落 花 後 る 場 合 が 多 く な り ま し た 。 シ ン ク イ 果 肉 の 着 色 を よ く す る た め に 実 施 す め に 始 め ら れ た も の で す が 、 近 年 は 4 袋 袋 か か け け は 、 シ ン ク イ ム シ 予 防 の た 7 葉 摘 み と 玉 回 し 前 に 除 袋 し ま す ︵ 第 5 図 ︶ 。 底 だ け 破 っ て お き 、 収 穫 の 25 ∼ 30 日 そ こ で 、 ま ず 除 袋 の 1 週 間 前 に 袋 の く と 、 リ ン ゴ 特 有 の 色 が つ き ま せ ん 。 ︵ 第 4 図 ︶ 。 小 玉 品 種 で は 3 頂 芽 に 1 果 残 し ま す 玉 品 種 で は 4 ∼ 5 頂 芽 に 1 果 、 中 ∼ 中 心 果 と し 、 ほ か は 摘 果 し ま す 。 大 ︵ 6 第 い 月 収 除 3 地 下 穫 袋 表 域 旬 ま ︶ で ∼ で 。 は 4 袋 12 月 を 月 上 か に 旬 け 施 に た す 施 ま よ し ま う 、 に に 積 し し 雪 て ま の お す な 早 葉 く が て 必 品 要 質 で の す よ 。 い 残 、 す 花か 果 叢そう 実 ︵ は 花 、 房 発 ︶ 育 の が で 40 枚 、 大 玉 の ﹁ ふ じ ﹂ で は 60 枚 の 熟 さ せ る た め に は 、 中 玉 の ﹁ 千 秋 ﹂ う に し ま す 。 1 個 の 果 実 を 大 き く 成 は 落 花 後 25 日 ぐ ら い ま で に 終 わ る よ 帯 で は チ ッ ソ の 流 亡 が あ る の で 、 3 施 し 、 秋 、 9 月 に は 追 肥 と し て 20 % に 元 肥 と し て 年 間 の 施 肥 量 の 80 % を は 、 十 分 な 施 肥 が 必 要 で す 。 冬 ∼ 春 つ き を よ く し て 、 隔 年 結 果 を 防 ぐ に を 施 し ま す 。 元 肥 の 時 期 は 、 積 雪 地 3 主 花 合 果 柱 う え 粉 と 摘 摘 品 粉 は も 頭 と る は 品 果 果 種 を 、 あ へ 、 よ で 質 は の つ 筆 り の 受 う き 、 早 2 け か ま モ 精 に る 収 い 割 て や す ニ 率 し だ 量 ほ ぐ 受 わ 。 リ が ま け を ど ら 粉 ら 作 ア 高 す 満 安 よ い し か る 病 く 。 開 定 く 植 ま い 本 の な 早 に 化 、 え す 綿 数 感 る め な さ 目 て 。 タ が 染 だ に る せ 安 お 受 ン 少 を け 受 ま ま と き 粉 ポ な 防 で 粉 で す し ま 樹 ン い ぐ な を に 。 て す は に 場 効 く 行 終 受 。 、 、 樹 勢 を 維 持 し な が ら 収 穫 や 花 芽 の 行 い ま す ︵ 1 g 当 た り 水 10 ∼ 20 r ︶ 。 機 物 を 施 す と と も に 、 十 分 な 潅 水 を 収 量 が 10 ∼ 15 % 増 加 し ま す 。 土 に 有 水 の 効 果 は 大 き く 、 果 実 の 大 き さ や 7 ∼ 8 月 に 降 雨 の な い 地 域 で は 潅 5 潅 水 と 施 肥 た い も の で す 。 色 に あ ま り こ だ わ ら ず 無 袋 栽 培 に し に 比 べ て 劣 り ま す の で 、 家 庭 で は 着 間 が か か る だ け で な く 、 食 味 も 無 袋 第3図 リンゴの幼果 第4図 摘果 中心果 葉芽 2 3 1 一般に中心果の発育は 早く良果になるので、 摘果せずにおく。 頂芽 4(花芽) 側果は開花発 育が遅い。 5 大玉品種は、4∼5頂芽に1個、中∼ 小玉品種は3頂芽に1個ならせる。 印は結果させる 印は摘果する 第4表 福島県・長野県における主要品種の収穫期 福 島 県 長 野 県 成熟日数 収穫期 成熟日数 収穫期 つがる 125日 9月下旬 130日 9月中旬 スターキング 10月上旬 155日 10月中旬 150日 ジョナゴールド 10月上旬 154日 10月上旬 155日 王 林 175日 10月下旬 180日 10月下旬 ふ じ 190日 11月中旬 190日 11月中旬 注)成熟日数とは、満開日から収穫日までの日数 品 種 第6図 葉摘み 第5図 除袋 一度に袋をはずす と果面に日焼けが おきるので、除袋 1週間前に袋の底 を破って一部を日 に当てる。 第5表 リンゴの生育経過と主な作業 月 生 育 経 過 1 2 休眠期 3 4 5 6 7 8 発芽 開花期 9 10 11 12 収穫前落果 果実肥大 休眠期 着色 落葉 成熟 第3表 リンゴの施肥計画例 新梢伸長期 花芽分化 剪定 人工受粉 摘果 剪定 積雪地 春肥 (元肥) 袋かけ (成木1本当たり量kg) 肥料 高度化成 塩化カリ 苦土石灰 積 肥 鶏ふん 肥料 施肥期 新根伸長期 主 な 作 業 葉が陰をつくって着色を悪く するので、果面を覆っている 葉を摘み取る。 葉摘み・玉回し 収穫 無積雪地 秋肥 (追肥) 冬肥 (元肥) 元 肥 12月(暖地) 5.0 3月下旬∼ 4月上旬 (積雪地) 追 肥 ― 9月上旬 施肥目的 2.0 0.6 4.0 30.0 開花・結実を促し、枝の 伸長と果実の肥大成熟 を図る。 0.5 ― ― ― 樹勢の回復と養分の蓄 積・花芽の充実を図る。 2004. 2. 園芸新知識 61 家庭で育てる果樹講座 業 に 便 利 な よ う に 整 枝 し ま す 。 リ ン た り を よ く し て 品 質 を 向 上 さ せ 、 作 樹 高 を 下 げ て 開 心 自 然 形 に し 、 日 当 ら 変 則 主 幹 に し ま す 。 成 木 に な れ ば 、 早 く 大 き く 育 て る た め に 、 主 幹 形 か 幼 木 時 代 か ら 若 木 の 時 代 は 、 木 を 9 整 枝 ・ 剪 定 意 が 必 要 で す ︵ 第 4 表 ︶ 。 取 る な ど 、 傷 つ け な い よ う 細 心 の 注 蔵 リ ン ゴ を 収 穫 す る 際 は 手 で 丁 寧 に の 含 量 な ど に よ っ て 決 ま り ま す 。 貯 数 、 ② 果 実 の 着 色 、 ③ 糖 や デ ン プ ン ま す 。 収 穫 の 時 期 は 、 ① 満 開 後 の 日 貯 蔵 す る リ ン ゴ は 少 し 早 め に 収 穫 し で 完 熟 さ せ ま し ょ う 。 た だ し 、 長 く で す 。 自 家 用 に 作 る リ ン ゴ は 、 樹 上 8 面 寧 が た 袋 樹 収 を に 色 め 玉 後 上 穫 太 回 づ に 回 す で 陽 し い 行 し ぐ 熟 の て た い は に し 方 、 後 ま 、 摘 た に 光 、 す 果 み リ 向 線 果 。 面 取 ン け の 実 光 全 り ゴ ま 当 を 線 体 ま の す た ゆ の に す 味 。 っ っ 当 着 ︵ は て く た 色 第 、 い り っ さ 6 最 な と た せ 図 高 い 丁 面 る ︶ 。 し ょ う ︵ 第 6 表 ︶ 。 な く し 、 農 薬 散 布 を 最 少 限 に 抑 え ま 備 を す る こ と で 、 病 害 虫 の 密 度 を 少 念 さ れ ま す 。 病 葉 枝 の 処 置 や 環 境 整 を 及 ぼ し 、 果 実 の 残 留 農 薬 問 題 も 懸 農 薬 散 布 を 多 く す る と 人 体 へ 悪 影 響 境 整 備 や 各 種 の 防 除 対 策 が 必 要 で す 。 ↑リンゴの幼果。 第6表 リンゴの病害虫 モ ニ リ ア 病 東北・北海道に多い病害。花、幼果、葉を腐らせる。 被害部によって花腐れ、実腐れ、葉腐れと呼ぶ。 被害部分は焼却すること。人工受粉を早めにして、 菌の侵入前に受精を終わらせる。 3月下旬∼4月 上旬に石灰硫黄合剤を散布しておく。 リ ン ゴ の 病 害 虫 は 種 類 が 多 く 、 環 10 病 害 虫 対 策 9 つ 主 き 図 く 枝 ま ︶ よ ・ す 。 う 亜 。 に 主 側 し 枝 枝 ま の は す 近 あ ︵ く ま 第 で り 7 短 大 、 い き 第 枝 く 8 が せ 、 多 ず 第 く 、 合 は 、 よ い 方 の 枝 を 残 し ほ か は 間 引 ↑リンゴの開花。 ↑リンゴの花芽。 な り 合 っ た り し て い る 場 ず 、 大 枝 で 交 差 し た り 重 剪 定 の 順 序 と し て 、 ま に 開 花 結 実 し ま す 。 頂 芽 が 花 芽 に な り 、 翌 年 第7図 リンゴの整枝法(樹齢に応じて樹形を変える) 心(中心枝) 心を抜く 木を早く大きくして将 来の骨格をつくる。剪 定はごくゆるくする。 主枝を多くして初期の収 量を増やす。 樹齢が進むと枝が開帳して くるので、主枝を2∼3本 にして日当たりをよくする。 品質の向上を図るとともに、 手入れしやすくする。 広く発生し、葉、果実、枝を侵す。デリシャス系に 斑 多い。5月上旬∼6月上旬に葉に褐色の斑点を生 点 じ、次第に大きくなる。果実にさびやカサブタがで 落 きる。高温多湿で発生しやすい。無袋栽培では発 葉 フル 病 生は少ない。5∼8月にパルノックス水和剤、 ーツ銅を散布するとよい。 東北・北海道に発生が多い。葉・果実・枝が侵さ コルク化して、 黒 れる。果実に円形の病斑を生じた後、 星 ひび割れができ、奇形化する。6月上旬と9月に発 病 生が多い。被害部を焼却する。5∼8月にダイセン 水和剤、 サンアップ水和剤を散布する。 モ モモヒメシンクイガの被害が大きい。がくに産卵し、 モ ふ化した幼虫が果実に侵入して食害する。老熟 シ 幼虫が落下して土中でまゆを作る。被害果の処 ン 6月中旬までに袋かけを終わらせる。 ク 分を完全にし、 イ 6月下旬∼8月下旬にスミチオン乳剤やサイアノッ ガ クス水和剤を散布する。 ハ リンゴコカクモンハマキ、 トビハマキ、 リンゴモンハ マ マキなどが加害する。葉を巻いて中から食害する。 キ 冬、樹皮の下にまゆを作って越冬する。冬のマシ ム シ ン油散布は、殺卵効果がある。5月上中旬と7月 類 中旬∼8月上旬にサイアノックスを散布するとよい。 リンゴハダニ、 オウトウハダニ、ナミハダニが主に加 ハ 害する。葉の裏に寄生して吸汁するので、葉緑素 ダ がなくなって葉が汚い黄白色になる。ひどいときは ニ 落葉するので、果実の肥大や花芽着生が悪くなる。 類 6∼8月にケルセン乳剤、エイカロール、オサダン 水和剤を散布する。共同防除の効果が大きい。 62 2004. 2. 園芸新知識 ゴ は 、 新 し く 伸 び た 枝 の 幼木期 (植え付けから5∼6年まで) 若木∼結果初期 (7∼10年まで) 成木成果期 (11∼50年) 主幹形 変則主幹形 開心自然形 2 第9図 側枝の剪定 1 3 4 側枝 6 5 逆主枝 1.先端の枝より短くする。 2.逆行しているので間引く。 3.下垂枝は除く。 4.逆行枝で下位の枝と交差しているので除く。 5.①側枝はあまり強くしない②枝が下垂している、 という二つの理由で切る。 6.徒長枝でほかの枝を抑えるので切る。 第8図 リンゴの結果習性 葉芽 花芽 結果させる 摘果する { 昨年の 状態 { 葉芽 頂 花 芽 葉 芽 本年の 状態 来年の 状態
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