(11) 硬さ試験

(11)
硬さ試験
<概要>
硬さ試験は、対象とする試験片表面にダイヤモンドなどの圧子を押し込み、試験片にくぼみを
つけた時のくぼみの対角長さ(面積)や深さから計算で硬さ値を求める試験です。
硬さ試験は、汎用的で比較的簡単に行うことができ、得られた測定値から、素材や溶接部等の
諸性能、例えば、引張強さ、耐割れ性、耐摩耗性、切削性などを推測することが可能です。簡
単な割には極めて有益な情報が得られる試験方法であり、材料調査には欠かせない試験のひと
つとなっています。
<適用対象>
・金属材料全般
・プラスチック
<試験項目>
・ビッカース硬さ試験(HV)、ロックウェル硬さ試験(HR)、ブリネル硬さ試験(HB)
<適用例>
・硬さが規定されている JIS 鋼材の品質管理試験
・炭素鋼系において、サイズや形状の関係上引張試験ができない場合の代替え試験
・鋼材の熱処理条件の適否判定
・溶接部材における母材、熱影響部、溶接金属の硬さ分布測定による溶接施工条件の判定
・浸炭や窒化層等の表面硬化層深さ測定試験
・機械構造物の損傷調査で、損傷箇所周辺の硬さ測定による材質異常の有無調査
ビッカース硬さ(HV2)
ビッカース硬さ(HV0.05)
<保有機器の主な仕様>
・ビッカース硬さ試験機 :試験力;0.09807~490.3 N
・ロックウェル硬さ試験機:試験力;JIS に記載されている試験のすべて
・ブリネル硬さ試験機
:試験力;4.903~3029.42 kN (圧子:10 mm)
距離(mm)
表面からの距離(mm)
〔高張力鋼溶接部の硬さ測定〕
〔表面処理部品・窒化層の硬さ測定〕