畜産のスペシャリストとして生きる。 日々、食卓に並べられる肉や卵や牛乳。 畜産農家の方々が、これらの畜産物をつくり出すことで享受できる幸せです。 そこで重要なのが、家畜に与える〝飼料=えさ〟の存在です。 飼料によって畜産物の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。 畜産のすべてを知り、畜産経営を根っこから支えているのが、私たち飼料会社です。 あなたも畜産のスペシャリストを目指してみませんか? 1 私たちは、全農グループの一員です。 原料調達 米穀事業 7,827億円 研究開発 園芸農産事業 1兆1,950億円 経営理念 私たち全農グループは、 生産者と消費者を安心で結ぶ 懸け橋になります。 畜産事業 配合飼料の 製造・販売 1兆1,981億円 畜産資材 多彩な活動を行うJAグループの中で、「経済事業」を担うのがJA全農で す。その役割は、農畜産物を消費者に届ける「販売事業」と組合員に必要 な資材を供給する「購買事業」の2つ。具体的には、米穀事業、園芸農産 事業、畜産事業、生産資材事業、生活関連事業など幅広く展開して、生産 者の営農と暮らしを支援し、地域と地域農業の活性化を図っています。私 生産資材事業 9,253億円 たち全農グループが目指していることは、 “生産者と消費者を安心で結ぶ 懸け橋”となること。消費者・生産者双方のニーズを把握することで、 “選 畜産販売 ばれる国産”を追求しています。 総取扱高 生活関連事業 5兆1,740億円 1兆728億円 ※数値は2008年度取扱実績です。 2 ● JA全農 ●全農グレイン(株) ●CGBエンタープライズ (株) ●全農ヘイ (株) ●全農サイロ (株) /石巻埠頭サイロ(株) 物流コスト削減と安定的な飼料原料調達を目指して、海外 に現地法人を設立し、自ら買い付け、輸送、保管などを行っ ています。飼料コストは畜産農家の方の収益に直結するだ けに、安全なものをより安く仕入れています。 ●JA全農 配合飼料の開発・評価、飼養管理技術などの研究は欠かせ 飼料畜産中央研究所 ません。安全な畜産物を生産するためには、家畜の疾病予 家畜衛生研究所 防、治療も大切です。さらに、ET(受精卵移植)を活用した ETセンター くみあい飼料 優良牛を生産する技術開発にも取り組んでいます。 全農グループの幅広いネットワークを活用することで、確かな 原料の確保から、安全・安心な飼料づくりのための研究開発、 畜産を営むための資材提供、そして畜産物の販売まで、トータ ルなコーディネートを可能としています。 畜産を営むにはさまざまな施設や資材が必要です。牛舎、 ●全農畜産サービス(株) 豚舎といった施設から給餌器などの資材、さらには雛やハイ ●(株)科学飼料研究所 コープSPF種豚といった家畜、疾病予防のワクチンまで取 ●JA全農 全国本部・府県本部 ●JA全農関連会社 JA全農ミートフーズ(株)/JA全農たまご(株)/ 全農チキンフーズ(株)/JA高崎ハム(株)/ 東北協同乳業(株) り扱い、畜産農家の方を支援しています。 各種販売会社を設立し、 「しんたまご」など高品質かつ特徴 ある商品の開発・普及を推進しています。また、消費者に安 心を届けるために、産地情報を追跡できるトレーサビリティ として「全農安心システム」の導入も図っています。 全農グループの飼料畜産事業は、フル装備です。 3 くみあい飼料は、地域に根ざした事業を展開しています。 2008年4月にジェイエイ西日本くみあい飼料(株)と 1997年10月、東北地区のJAグループ傘下の7飼料 飼料会社とは? ジェイエイ四国くみあい飼料(株)が合併して「JA西 会社が合併してスタート。その後、JA全農と東北地 日本くみあい飼料(株)」は生まれました。供給エリ 区の 各 県 経 済 連の飼 料 事 業の移 管を受け、現在に 飼料メーカーとして、家畜の“えさ”となる配合飼料を製造・販 アは、近畿、中国、四国地区の15府県です。「誠意」 至っています。肥沃な東北の地で、全社員が消費者・ 売しています。飼料は畜産農家の方々にとって商品(畜産物)の 「安心」「情熱」を信条に、地域の生産者・JAに密着 生産者に対して、「協調・誠意・情熱」をもって、一つ 品質や安全性に影響を与える重要なものです。そのため安全で した企業として顧客支持率No.1を目指しています。 となって力強く進むことを目標としています。 高品質な飼料原料を仕入れ、お客様ニーズに合わせて製造し提 供しています。近年、消費者の安全・安心志向は高まっており、 JA西日本くみあい飼料 (株) 北日本くみあい飼料 (株) ジェイエイ北九州くみあい飼料 (株) JA東日本くみあい飼料 (株) 1985年に北部九州4県の飼料会社が合併して発足。 2008年4月にジェイエイ東海くみあい飼料(株)と合 2002年には「ジェイエイ北九州くみあい飼料(株)」 併し、新生「JA東日本くみあい飼料(株)」としてス と社名変更し、新たなスタートを切りました。 タート。この合併により、供給エリアは関東・甲信越・ 「生産者と消費者に奉仕する心で、安全・安心を提供 東海・北陸地区の16都県となりました。畜産農家の します」という経営理念のもと、北部九州・山口県を 皆様の身近なパートナーとして、強い信頼の絆で結ば 供給エリアとした飼料事業を展開しています。 れた活動を目指しています。 より厳しい製造・品質管理を求められるようになりました。ま た、畜産経営が厳しい環境にある中、単に飼料を提供するだけ でなく、高度なアドバイスを求められるなど、その役割はますま す大きくなっています。 4 Our Business & Job 各部門のチームワークで、高品質で安全・安心な配合飼料を提供しています。 全農グループは、原料の調達から畜産物の販売先までルートを確立し、グループ全体で畜産事業に取り組んでいます。 その中で「くみあい飼料」の仕事は“配合飼料の製造・販売”です。お客様のニーズにきめ細かく対応していくために、 会社のさまざまな部門がしっかりと連携しています。 くみあい飼料の仕事は、 「営業部門」「製造部門」「品質管理部門」 「業務・管理・コンプライアンス部門」の大きく4つの部門に分けることができます。 「営業部門」は畜産農家へ営業を行い、受注できたオーダーに対して「業務部門」が必要な原料を確保するとともにニーズに沿った配合内容を決定し、 「製造部門」で 製造します。さらに「品質管理部門」で安全性をしっかりとチェックしてお客様に商品(配合飼料)を提供しています。また、会社の運営部門として「管理・コンプライ アンス部門」がこれらの活動をサポートしています。 それぞれの仕事が絡み合い、協力体制ができているからこそ、 「くみあい配合飼料」ブランドとしての商品を提供できるのです。 くみあい飼料 ⇨P7 5 TEAMWORK J A 業務・管理・ コンプライアンス 部門 品質管理部門 ⇨P9 ⇨P8 消費者・畜産物販売先 ⇨P6 畜産農家・ 製造部門 全農 J A 営業部門 営業部門は、お客様である畜産農家の方と直接つながる最前線の仕事を行います。 営業担当者は、それぞれの畜産農家を日々巡回して、畜舎の改善や飼養管理の手法、経営のコンサルティング方法や衛生対策の情報を提供す 営業部門 るなど、あらゆるお客様ニーズにお応えするよう努めています。単に飼料を販売するだけでなく、畜産のスペシャリストとして活動しています。 また、新規農場の立ち上げなど、畜産の基盤を整える業務も営業部門が担います。 最近は畜産農家の企業化・大型化が進んでおり、求められる情報やアドバイスのレベルも高くなってきました。会社の各部門と連携をとり、 安全で安心な高品質の商品をお届けすること、そしてお客様の要望に一つひとつ丁寧にお応えすることが、営業担当の大事な業務です。 農場での作業の手伝いから、高度な営農サービスの提供まで幅広く活躍できます。 Work Case Study 畜産農家の方とともに考え、悩み、行動する。 信頼される営業を目指し 農家の方の経営を側面から支援 終えて昼食をとり始めたときのことだ。 を必要とされれば臨機応変に動く。 翌日、濱田は要望に沿ったサンプル飼 「今はまだがむしゃらに営業活動してい 「おはようございます」 料を持って、再び訪問した。 る状態ですね。農家さんの質問に即答で 濱田廣介は朝9時前に1軒の農家を訪 「こんなに早い対応をしてくれたのは、 きないこともよくあります。もっと知識を ねた。前の晩に知人から紹介されて初め あんたが初めてだよ」 増やすとともに経験を積んで、飼料のスペ てお会いした畜産農家の方で、「明日、話 それまで自家配合の飼料を使っていた シャリストになることが目標です」 を聞きに伺います」と約束していたのだ。 その農家の経営者は、そう言って飼料の 畜産物の販売価格は低迷し、畜産農家 しかし、濱田は挨拶を済ませると話もせ 購入を決めた。それは『この飼料でコス の方々の経営は厳しさを増している。 ず、さっさと牛のえさやりなどの作業を手 トダウンが図れる』という濱田の説明に 「だからこそ、担当地域の畜産を守ってい 伝い始めた。濱田がようやく「どんなえさ 納得したからだけではない。この営業担 きたいし、1軒でも多く次の世代に引き渡 をお望みですか?」と訊いたのは、作業 を 当者なら信頼できると感じたからだ。 していきたいですね」 国内畜産業を有望な産業にしたいとい 「ありがとう」の一言に この上ない達成感を得る 「私はすぐ行動するタイプ。 だから失敗も多いのですが、 農家の方から『ありがとう』 う熱い思い。それが、濱田たち営業担当 の原動力だ。 ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ Message for You と言っていただけると、どん 真っ白な気持ちで チャレンジしてください。 な苦労も吹き飛びます」 飼料会社への就職は、農畜産系の学校出 そう言って濱田は笑う。本 身でないと難しいと思っている人が多い 来は鶏用飼料の担当だが、 はず。でも必要な知識は入社後の研修で 担当地 域なら牛や豚の農家 十分学べます。白紙の状態で入るほうが、 のことも把握しており、自分 先入観なく働けると思います。 濱田 廣介 ジェイエイ北九州くみあい飼料(株) 北九州東部支店 営業課/2004年入社 牛の肥育をしている親戚がいたため、「子供の頃から畜 産に関心があった」という。健康診断で注意されたことを きっかけに、酒、タバコ、夜更かしをやめた。 6 くみあい飼料にとって心臓部ともいえるのが、工場の製造部門です。 配合飼料は、大きく牛用、豚用、鶏用に分かれています。牛用の製造ラインは鶏・豚用とは管理を別にしなければなりません。BSE問題の発生 製造部門 を受けて、農林水産省から分別管理を指導されています。 配合飼料は、製造工場で多銘柄の製品を日々生産しています。製造工程は工場によって異なる部分もありますが、粉砕した主原料・副原料や、 蒸した上で圧力をかけて押しつぶした圧ペンをミキサーで配合したり、ペレット(固形)状に加工したりして製品化していくのが大まかな流れ です。 出荷も製造部門の責任範囲です。原料受け入れから出荷に至るまで防疫・衛生管理を行い、安全性・品質には最大限の配慮をしています。 Work Case Study スキルを磨いていくことが、面白くて仕方ない。 ミリ単位でする 機械の微調整 現場での作業になることが多いですね」 ペレーターとしてのスキルを上げていくこ PCの操作を習熟するのに半年。上司 とが、面白くて仕方ない。 「これなら大丈夫だな」 から「ラインを任せて安心」と言われる ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ 先輩にそう声をかけられ、太田代徹の には5年は経験が必要だ。 顔が思わずほころぶ。担当するラインが 北日本くみあい飼料(株) 石巻工場 製造部 製造第1課/2005年入社 実家が畜産業を営んでいたことで飼料に興味を持った。 「安定した会社だから」と親からも就職を勧められた。ス ノボーが好きで安比や夏油高原によく行くという。 7 先輩・上司は温かいので、 失敗を恐れず働けます。 ローラーの間隔をほんの数ミリ、狭くして 次工程も視野に入れつつ 生産性向上を図る いた。その微調整が結果に結びつき、い 太田代たちは、設計の指示通りに製造 司や先輩は温かく見守ってくれました。自 つもは厳しい先輩から評価されたことが すればよいのではない。生産性を上げる 分がそうされたように後輩に接し、仕事の 素直に嬉しかったのだ。 努力をすることも求められる。 面白さを伝えていきながら、一緒に工場 太田代は圧ペン設備とペレットマシン 「次工程の在庫量や作業の進み具合な を盛り上げていきたいです。 のオペレーションを主に担当している。機 ども見て、製 造計画に合わせ 械化が進み、オペレーションはほとんど て生 産 の 順 番 を 変 更 するな 自動化された。しかし、それでも毎日稼働 ど、少しでも無駄のないよう 前にはラインの現場で設備機器を点検し に情報を集めないといけませ 調整する。 ん。そうして生 産性を上げれ 稼働する前、太田代は圧ペンで使用する 太田代 徹 Message for You 「たとえば、原料が同じトウモロコシでも、 ば、飼料価格の引き下げとい 産地や季節によって品質は違います。しか う形で農家さんを支援できる し、製品の品質は一定でなければいけま ことになります」 せんから、水分の量が違うときは、ロール 学ばなければいけないこと で押しつぶす圧力も変える必要が生じま はまだ山ほどある。しかし、 す。PC でできる調整もありますが、微妙 学べばどんどん吸収できる。 なバランスをとるのが難しく、最終的には 今、太田代は学んで覚えてオ 入社当時は失敗もたくさんしましたが、上 飼料は動物の口に、畜産物は人の口に入ります。畜産飼料は人の健康や安全と密接に関わるため、品質管理はとても重要です。 品質管理部門の業務は3つに大別できます。1つ目は、原料や製品の品質はもとより、適切に製造されているか、その工程もチェックします。製 品質管理部門 品が設計の仕様通りに製造され、品質上の問題はないかといったことまでを、法律や社内基準に基づいて確認します。 2つ目は、新商品や新技術の開発を支援する業務。新たな原料や新たな製法でつくられた飼料をチェックするほか、実際に流通している飼料成 分を分析・比較するなどして、新たな飼料開発を分析面から支えます。 3つ目は、自ら培った知識をもとに後輩を教育・指導する業務。品質管理部門は専門性を要するだけに、次世代のプロを育てていくことも大切 になります。 Work Case Study 安全・安心を守り抜くという自負と誇りを持って。 原料から製品に至るまで 科学的に徹底チェック な検査をすることで、飼料メーカーは豊 に蓄積されていて、設計担当はそのデー かな食生活を安全面から支えている。天 タを活用しています」 「これ、原料に使える?」 野たち品質管理の担当は、その最前線に 幸い、渡されたサンプルには何も問題 業務部門の担当者がそう言いながら、 立っている。 は見つからず、天野はほっと胸を撫でおろ 天野沙治子に飼料原料のサンプルを渡し サンプルを受け取ると、天野はすぐ熟視 した。 た。原料の大半は輸入品である。もちろ し、最も適した分析方法を選択した。 「工場が問題なく稼働しているか、日々 ん、輸出側でも検査はしている。だが日本 製造されている飼料をチェックすること 営業が胸を張って 売れる商品を担保する も私たち品質管理の業務です。営業が胸 らこそ、新たに導入を検討する原料につい ては、念入りに検査する必要があるのだ。 意外に知られていないことだが、飼料 わけですから、責任は限りなく重いと実 原料から製品に至るまで厳密で科学的 に関する安全性基準は、人が食べる食品 感しています」 とは規準が異なっている場合もある。だか を張れる製品であるかどうかを担保する より厳しい場合がある。家畜 製品に問題が発生すれば、出荷停止す は同じ飼料を続けて摂 取す ることになる。まさに安 全・安心の要を るから、問題物質が含まれて 担っているのである。 いると、体内に蓄積する量も ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ 多くなる。その肉を人間が摂 取したら、多大な影響を及ぼ Message for You すことになるというのが理由 飼料の奥深さに ハマってみませんか? だ。 飼料が少し変わるだけで、畜産物の肉質 「分析して結果を出すことも や味まで変わることがあります。それくら 大事ですが、それ以上に大事 い飼料の影響は大きい。そういうことに少 なのは 結 果 の 評 価 で す。検 しでも興味のある人なら、きっとこの仕事 査結果はすべてデータベース は面白いと思います。 天野 沙治子 JA東日本くみあい飼料(株) 本社 品質安全部 分析センター/2004年入社 志望動機は動物のえさに興味があったから。「実際に農業 もやってみたい」という。ダイビング、サイクリング、ウォー キングが好きというアウトドア派でもある。 8 業務部門は、大きく採算、物流、設計の3つの業務に分かれています。 業務・管理・ コンプライアンス 部門 採算は、お客様が必要としている配合飼料を製造するためには、どんな原料がどれくらい必要かを管理します。飼料原料の購買価格や飼料の販 売価格を決定する機能も担っています。物流は、工場で製造された配合飼料をユーザーである畜産農家の方々に届けるまでの責任を負います。 効率的で効果的な物流フローと保管システムを構築して実施します。設計は、どういう原料をどういう割合で配合するかを決め、お客様の要望 に適合した配合飼料をつくる、文字通り設計部隊です。安全・安心の要を担うと同時に、コスト低減も実現していくことが求められます。 管理部門は、総務、経理、人事などスタッフ管理の業務を行い、社員が安心して働ける環境を提供しています。 コンプライアンス部門は、法令および会社の規則規定、企業倫理に照らし、会社の業務が正しく遂行されているかをチェック、評価しています。 Work Case Study よりよい畜産物を生み出すために、試行錯誤の日々。 お客様の要望に応じて 原料の配合割合を設計 けに単純に機械的にできるものではあり 造サイドからそう聞いた瞬間、沼本の表 ません」 情から緊張がほどけ、笑顔が広がった。 「設計を見直してほしい」 沼本 亮肖 JA西日本くみあい飼料(株) 本社 業務部 業務課/2001年入社 入社後、品質管理を経験してから設計担当に。「機会があ れば製造の仕事もしてみたい」と意欲を示す。休日は食事 を兼ねて神戸の街を散策するのが楽しみという。 9 ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ ● ◆ 肖は配合飼料の設計という仕事の奥深さ 責任の重さを意識し 緊張感を持って取り組む を改めて痛感した。 設計が決まると、工場に製造を依頼す 食に関心が高い方なら、 面白い仕事だと思います。 営業がお客様である畜産農家の方と話 る。だが、いざ製造が始まると、「攪拌が 今はPCに向かっている時間が多いのです し合い、要望を聞いて設 計に伝える。沼 しにくい」などの理由で、生産性の問題 が、営業を通じて農家の方とつながってい 本はその要望に基づいて配合飼料の設計 を指摘される場合もある。生産性が悪い ることを感じられます。飼料はとても奥深 を行うのが役割だ。当然のことながら、 とコストにしわ寄せがいくからだ。 いですし、食に興味のある人なら、面白い 牛、豚、鶏などの畜種によっても、お客様 「わかりました、すぐ設計し直します」 仕事だと自信を持って言えますね。 の考え方や経営方針、生産規模、さらに 製 造 部 門 からの 指 摘を 受 は家畜の育成段階によっても求められる け、沼本はすぐにまたPCの前 飼料は違ってくる。コストを一番求めるお に座り、設計作業に入った。 客様もあれば、栄養価や安全面を最重視 「配合飼料は家畜の生産性や するお客様もいる。すべての面で高い要 品質に直接影響を与えてしま 望を出してくるお客様も多い。 うものです。畜産農家の方々 「水分が多すぎると、夏場はカビが発生 の経営に大きな責任を負って しやすくなります。だから原料がどれくら いることをいつも忘れず、緊 い水分を含んでいるかも考えないといけ 張感を持って仕事に取り組ん ないし、季節も考慮する必要があります。 でいます」 配合の割合は専門のソフトを使ってPC 設計し直した配合飼料は、 で行いますが、原料知識を前提とするだ 生産性が20%も向上した。製 製造部門からそう依頼されて、沼本亮 Message for You Voice from Partner 私たちは良質の飼料を提供することで畜産農家の皆様の経営をサポートしています。それは畜産農家の方々が、安心して食べられる畜産物を消費者に提供する ことのサポートでもあります。つまり、私たちの仕事は、豊かで安全な食生活を創造していることにもつながっているのです。 「くみあい飼料から生産者へ」、そし て「生産者から消費者へ」というサイクルの中で、生産者や消費者は、くみあい飼料の役割や働きをどう思っているのか。ここに双方の声を紹介します。 生産者 から “はかた地どり” 事業を成功へ導くため、 よきパートナーとしての 力強いサポートを期待しています。 福 岡 県 の 西 方 に位 置 する今 宿 農 場 は 、 ています。 2008年の夏に私たち農事組合法人福栄組合 福岡発の畜産物でもっとPRできるものを が立ち上げた“はかた地どり”の農場です。 生産したい。そういう思いから私たちは“はか 畜産農場を開くには周辺住民の同意が必要 た地どり” の事業を始めました。福岡の畜産業 で、土地があれば開けるというわけではあり を元気にするためにも、何とかこの事業を成 ません。この農場は、ジェイエイ北九州くみあ 功させたいと思っています。くみあい飼料の方 い飼料が紹介してくれたおかげでオープンで は、事業計画の段階でも、社内の打ち合わせに きたという経緯があります。飼料の提供にと 参加して、一緒に検討もしてくれます。 どまらず、情報提供も含めて、くみあい飼料は これから低コストの飼料米を使った配合飼 さまざまな形で私たち生産者をサポートして 料を供給してもらうという計画もあります。畜 くれます。忙しい時期には営業担当者が農場 産農家のよきパートナーとして、くみあい飼料 での作業を手伝ってくれることもあり、感謝し には力強いサポートを期待しています。 消費者 から 健康に育てられた畜産物を食べたい! 消費者のそうした望みをかなえるために、 飼料製造面での末長い協力をお願いします。 生活クラブ生協連合会 開発部 副部長 赤堀 和彦さん 農事組合法人 福栄組合 生産部長 鎌田 泰三さん(写真右) 私たち生活クラブは、安全・健康・環境を原 品・飼料への使用に反対していますが、それを 則に、国産にこだわった生活資材を共同購入 実現してくれるのが全農グループです。JA全 して、組合員と生産者が顔の見える関係を築 農は原料調達から飼料製造までグループ内で いている組織です。 一元管理できるので、信頼できるパートナーで 共同購入する際には、組合員自らが生産現 す。最近では家畜飼料として国産飼料用米を 場に行って確認作業を行います。畜産物の場 使用するプロジェクトが動いています。 合でいえば、畜産農家を見に行くことはもちろ 組合員が望んでいるのは、健康に育てられ ん、海外の原料産地、飼料の製造現場も訪問 た畜産物を食べたいということです。家畜が して点検しています。くみあい飼料の工場は、 健康であるためには、えさが大きく関わりま いつも清潔で原料もきちんと管理されている す。くみあい飼料が組合員にとって重要なポジ 印象があります。 ションにあるのはそうした理由です。これから また、私 たちは遺 伝 子 組み 換え作 物の食 も末長い協力関係をお願いします。 10 Round Table Talk 採用担当者が語る、くみあい飼料の魅力と求める人材像 くみあい飼料の強みや魅力はどんなところにあるのか。各社は具体的にどんなことに取り組んでいるのか。 そして、どんな人材に期待しているのか ———。くみあい飼料4社の採用担当者が、そうした素朴な疑問に対して自由闊達に語り合いました。 この座談会から、くみあい飼料で働くことの“誇り”を感じ取ってみてください。 くみあい飼料の 強みと魅力とは何か? 永井 全農グループの畜産事業は、家畜の品種 場合、私たちに対する要求も高度化しています。 改 良から飼料の成分研究、畜産資材の提 供ま 川上 畜産農家の方々だけでなく、私たちも安 各社は具体的に どう取り組んでいるか? 廣瀬 くみあい飼料の魅力とは、やはり地域に根 で、まさにフル装備です。このグループ力を最大 閑とはしていられません。他の飼料会社との競 永井 具体的な取り組みについて話しますと、 付いて事業展開しているところです。そして全農 限に発揮すれば、畜産農家の方々のあらゆる要 合は激しくなっていますし、畜産農家の方々のご 当社ではこれから定 年退 職 者が増えていくの グループとして安定性があることも大きな魅力で 望にお応えできるはずです。連携をさらに強化 期待にしっかり応えないと、生き残れないとい で、技術の継承とスキルアップが課題となってい すね。学生さんも経済状況が不透明なときは、 すれば、シェアも拡大できると思います。 う危機感は持っています。 ます。そこで人材育成を強化し、階層別に52講 安定した企業を選択する方が多いようです。 廣瀬 そうですね。畜産物の販売ルートまで確 瀬下 畜産農家の方も私たちに営農指導とか経 座ある研修制度を立ち上げました。 川上 くみあい飼料は全農グループとの協力体 保できていますから、飼料を販売して終わりとい 営への参画を望んでいます。ですから、農家に積 瀬下 人材育成面では新入社員教育に力を入 制が確立されていますから、全農グループの一 うわけではありません。そうした点で畜産農家 極的に入り込んでいく姿勢が大事です。 れています。例をあげると、通信教育を制度化し 員であることは強みとなりますね(P3参照)。 の方々にさまざまな提案ができます。 永井 生産者の方が置かれている状況をきちん て、新入社員は全員が必ず受講するようにしまし 瀬下 グループ力を結集すれば情報提供という と理解して、きめ細かくサポートしていければ、 た。もちろん畜産関係の研修等も充実している 面でも有利ですし、製造コストを下げるという くみあい飼料への信頼は強まると思います。そ ので、畜産知識を持たない学生さんでも心配あ 面でもまだまだいろいろできます。そういう優位 うした姿勢を通じて、全農グループの理念である りません。 性は大きな利点になると思います。 「生産者と消費者を結ぶ懸け橋」の役割を果た 川上 当社では内定者の定期的な招集会(※3) 廣瀬 しかし、その一方で、畜産業界は厳しい状 していくことにつながれば理想ですね。 を行っています。内定から実際に入社するまで 況にあります。原料の価格は高騰し、畜産物の 瀬下 くみあい飼料の魅力という点で付け加え 時間が空くので、早く社員や会社の雰囲気に慣 販売価格は低迷しています。生産者の方々は本 たいのは、私たちは「製造会社」だということで れてもらうという狙いです。 当にご苦労が耐えません。 す。良質の飼料を供給することで、 “食の安全・ 永井 人材育成以外の取り組みはどうですか? 永井 経営の大型化が進み、畜産農家の企業化 安心”を支えているんだ、と。それが多くの社員 川上 GMP(適正製造規範)の認証取得に取り という傾向も顕著です。そうした畜産農家の方の が持つ仕事への誇りだと思います。 組んでいます。すでに取得済みの工場もあります 管理部 管理企画課 ジェイエイ北九州くみあい飼料(株) 廣瀬 美紀子 地 元 博 多 の 神 事「 博 多 祇 園 山 笠 」の 大 フ ァ ン 。 毎 年 、 午 前 3時 に 起 床 し て 見 に行くという。 J A 西日本くみあい飼料(株) 管理部 企画管理課 課長代理 穏やかさの中に闘志を秘める。趣味は 川上 彰博 渓流釣りで、休日には竿を持って出か けるという。 東日本くみあい飼料(株) 管理部 企画管理課 永井 幸雄 全農の群馬県本 剣道七段の猛者。全農剣道会にも所属 している。以前は 部に勤務していた。 企画管理部 企画管理課 係長 北日本くみあい飼料(株) 秋田県出身で現在は単身赴任中。製造 瀬下 春美 関係の仕事に長く従事していた。 趣 「味 は酒 と」いう。 11 J A J A が、畜産工場の全取得が目標です。 永井 製造の安全性追求や合理化・効率化は当 社でも進めています。最近の例では群馬県の太 田工場でコンテナボックスによる最新の生産シ ステムを導入(※2)しました。 瀬下 合併による供給体制の整備(※1・P4参照) 各社の取り組み事例 北日本くみあい飼料(株) JA東日本くみあい飼料(株) JA西日本くみあい飼料(株) ジェイエイ北 九州くみあい飼料 (株) (※1)1997年の合併以来、供給体制 整備に取り組み、工場の新設・増設等 製造体制の強化を図りながら、支店・ 営業所設置による効率的営業体制と 広域化を実施している。 (※2)B S Eガイドラインの 完 全 対 応、トレーサビリティ機能の充実など を図るため、太田工場に立体自動倉庫 を活用したコンテナボックスによる生 産システムを導入した。 (※3)内定から入社までの期間、職 場見学や、実際に働く社員との触れ合 いを通して、より業務に対する認識を 深めていただくことを目的に「内定者 招集会」を開いている。 (※4)子会社である北九州ジェイエ イ畜産では自ら「直営農場」を運営。 約6万頭の肉豚、約650頭の肉牛の 生産を行い、安全・安心な畜産物を消 費者にお届けしている。 も積極的に進めています。製造コストを下げる 努力をすることで飼料価格も下げられます。 永井 他の取り組みとしては、新しく豚の直営 農 場を立ち上げました。当社は 繁 殖 部門を担 当、JA子会社が肥育部門を担当しています。 廣瀬 当社でも子会社を通じて直営農場(※4) を運営しています。農場では肉豚、肉牛の生産を 行っています。 瀬下 自ら生産を行うことで、畜産のスキルやノ 活躍していますよ」と伝えています。 できる人より、できるように頑張れる人に来てほ ピールしてもらいたいです。 ウハウを蓄積していくことも大切ですね。 廣瀬 会社の運営には、たとえばシステム管理 しいですね。私も新入社員の頃は失敗の連続で 川上 人間味があり、 “人”を育ててくれる会社 廣瀬 営農サービスとしては、畜産農家の方の ができる人や経理のスペシャリストなども必要 したから。 だと思います。それと最後に、飼料の提供を通じ 生 産 性向上の 一 環として、畜 舎の施 設 改 善を ですからね。 永井 たしかに仕事というのは、思うようにいか て「食の安全・安心を支える会社」だということ 行っています。畜舎の扉が壊れたなど、農家の 瀬下 営業部門の採用、育成も必要です。 ないことが大半です。だから、物事を前向きに捉 は強調しておきたいですね。 方から連絡があると専任の担当者が駆けつけて 川上 獣医や電気主任技術者の有資格者も活 えることと、少々のことではへこたれないこと、 廣瀬 くみあい飼料としては、多様な人材が集 すぐに修理するというものです。 躍できる場が十分にあります。文理問わず、さま この2つがあればいい。そういう人が入ってくれ まってこそ、よりよいサービス、企業運営ができ 永井 農家の方を守るサービスですね。 ざまな勉強をされた学生さんを幅広く採用して ば、職場に活気が出てくると思います。 ると思います。紙面やWEB上では伝えきれない 廣瀬 ええ。当社では、営業戦略的に「守る」 いきたいです。 廣瀬 会社選びというのは、その会社の事業に “くみあい飼料”の魅力をもっと知っていただ 「造る」「獲る」を3本柱としています。「守る」 永井 資格取得に意欲的な方は魅力的ですね。 自分自身が誇りを持てるか、好きになれるか、が きたいので、学生の皆さんには是非説明会に参 は生産性向上のための手助けを行うこと。「造 ですが、資格がないと勤まらないということは ポイントだと思います。会社や事業に誇りを持っ 加して、実際に働く社員に触れ、社風なども感じ る」はJAや子会社と連携して生産基盤造成のた なく、本人の適性を見て専門性を育てていきた て仕事に取り組めれば、必ず充実感、達成感を 取っていただきたいです。 めの支援をしていくこと。「獲る」は研修を通じ いと思っています。 得られるはずですから。 て営業力を強化するということです。 川上 人材の資質としては、バイタリティがあ 川上 就職は人生の大きな岐路です。そこで自 り、生産現場と消費者の抱える問題をバランス 分がやりがいのある仕事に就ければ、充実した よく理解できる人に期待します。 日々が過ごせると思います。だから、この就職を どのような人材を 必要としているか? 瀬下 幅広い年齢層の方と接する仕事ですか 決めるチャンスに多くの会社と出会い、自分に合 川上 飼料会社というと、専門的で敷居が高い ら、協調性は必要です。また、これから若い人が う1社を慎重に選んでほしいものです。 ように感じられています。実際、農学部系の専門 中心になっていく会社ですから、活発で社内を 瀬下 くみあい飼料はステップアップしていく 知識がないと入社は難しいと勘違いされている 明るくできる人を求めたいです。 チャンスのたくさんある会社ですから、全力でぶ 面があります。学生さんには「仕事は多岐にわ 廣瀬 さらに言えば、責任感が強いことも大切 つかってきてほしいと思います。採用は人物重 たっていて、いろいろな分野で学んできた社員が ですね。それと、すぐには諦めない粘り強さも。 視ですから、面接では積極的に自分の強みをア Round Table Talk 12 全国農業協同組合連合会 畜産生産部 〒100-6832 東京都千代田区大手町1-3-1 TEL.03-6271-8235 http://www.zennoh.or.jp/ 北日本くみあい飼料株式会社 〒983-0045 宮城県仙台市宮城野区宮城野1-12-1 TEL.022-792-8040 http://www.e-s-a.co.jp/ JA東日本くみあい飼料株式会社 〒373-0015 群馬県太田市東新町818 TEL.0276-40-5566 http://www.jahnk.jp/ JA西日本くみあい飼料株式会社 〒658-0042 兵庫県神戸市東灘区住吉浜町18 TEL.078-811-1631 http://www.ja-nishikumi.co.jp/ ジェイエイ北九州くみあい飼料株式会社 〒810-0071 福岡県福岡市中央区那の津5-2-24 TEL.092-738-0100 http://www.jakks.jp/ ※本冊子のタイトル「NO FOOD,NO LIFE.」は、 “食べることなしで、 (人は)生きられない”の意です。 “食”に関わる仕事を行う“私たちの誇り”を表現しました。
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